商標異議申立
2020-900099
ボスラバ
- 審判番号
- 2020-900099
- 法域
- 商標
- 審判種別
- 異議申立(異議の決定)
- 出願番号
- 商願2019-069716外部サイト(J-PlatPat)へ移動します
- 請求日
- 2020年04月06日
- 審決日
- 2020年09月14日
- 公報発行日
- 2020年11月27日
- 結論
- 維持
- 当事者
- 【権利者】株式会社Forest
- 【異議申立人】サントリーホールディングス 株式会社
- 【異議申立人代理人】中田 和博
- 【異議申立人代理人】青木 博通
- 【異議申立人代理人】片山 礼介
- 分類
- T1652.261-Y (W30) / T1652.262-Y (W30) / T1652.263-Y (W30) / T1652.271-Y (W30)
- 根拠条文(結論部分から自動抽出・参考)
- 商標法4条1項11号商標法4条1項15号商標法43条の3第4項
- 類否(4条1項11号)(本文から自動抽出・参考)
- 非類似(11号に当たらない)理由: 商標どうしが似ていない結論とむすびの書きぶりから機械的に判定しています。誤りがあり得るため本文で確認してください。
- 外観・称呼・観念ごとの判断(本文から自動抽出・参考)
- 外観: 異なる(区別できる)称呼: 異なる(区別できる)観念: 異なる(区別できる)当審の判断(11号の検討部分)の文から機械的に読み取っています。引用商標ごとに判断が分かれると複数付きます。誤りがあり得るため本文で確認してください。
- 称呼の音の差(本文から自動抽出・参考)
- 2音違い音の有無(「ザ」の有無など)音数・音構成の違い位置: 語尾・後半相違音「ラバ」当審の判断(11号の検討部分)で称呼の差異を述べた文から機械的に読み取っています。誤りがあり得るため本文で確認してください。
- 識別力・商標の種類(本文から自動判定・参考)
- 標準文字
- 引用商標(本文から自動抽出・参考)
- 引用商標登録第2656927号「BOSS」「ボス」称呼 ボス第29類
- 条文(本文から自動抽出・参考)
- 商標法第4条第1項第11号、商標法第4条第1項第15号
- データ出所
- 審決公報(SGML)
事件の表示
登録第6219221号商標の商標登録に対する登録異議の申立てについて、次のとおり決定する。
結論
【結 論】
登録第6219221号商標の商標登録を維持する。
理由
【理 由】
1 本件商標
本件登録第6219221商標(以下「本件商標」という。)は、「ボスラバ」の片仮名を標準文字で表してなり、令和元年5月16日に登録出願、第30類「茶,コーヒー,ココア」及び第33類に属する商標登録原簿記載のとおりの商品を指定商品として、同2年1月6日に登録査定され、同月23日に設定登録されたものである。
2 引用商標
登録異議申立人(以下「申立人」という。)が、本件商標に係る登録異議申立ての理由において引用する登録第2656927号商標(以下「引用商標」という。)は、「BOSS」の欧文字及び「ボス」の片仮名を上下2段に表してなり、平成4年2月18日に登録出願、第29類に属する商標登録原簿に記載のとおりの商品を指定商品として、同6年4月28日に設定登録されたものである。
その後、その指定商品については、平成17年9月28日に第30類「茶,コーヒー,ココア,氷」及び第32類「清涼飲料,果実飲料」とする指定商品の書換登録がされ、同19年9月28日に商標権の一部取消審判の確定登録により第32類の商品についての登録が取り消され、その指定商品は第30類「茶,コーヒー,ココア,氷」について、現に有効に存続しているものである。
3 登録異議の申立ての理由(要旨)
申立人は、本件商標は、商標法第4条第1項第11号及び同項第15号に該当するものであるから、その指定商品中、第30類「全指定商品」(以下「申立商品」という。)についての登録は、同法第43条の2第1号により取り消されるべきであるとして、その理由を以下のように述べ、証拠方法として甲第1号証ないし甲第9号証(枝番号を含む。)を提出した。
(1)商標法第4条第1項第11号について
ア 引用商標は、過去の審決において商品「缶入りコーヒー」について使用される申立人に係る周知商標と認定され、特許情報プラットフォームの「日本国周知・著名商標検索」にも掲載されているもので、その商品の販売数量や新聞・雑誌における掲載記事、テレビ広告、交通広告、自動販売機による広告を総合的に勘案すれば、引用商標が、平成4年に販売を開始して以降、継続して商標権者によりコーヒー及び茶について使用され宣伝広告された結果、本件商標の出願時及び査定時において、需要者の間において広く認識され周知な商標となっていた。
イ(ア)本件商標は、「ボスラバ」の文字からなるところ、引用商標は申立人の商品「コーヒー、茶」の商標として取引者、需要者の間に広く認識されており、本件商標の「ボス」の文字部分は取引者、需要者に対し、コーヒー、茶に関する出所識別標識として強く支配的な印象を与える。申立人は引用商標ブランドのココアを現在販売していないものの、過去に販売していた事実があり、また、コーヒーとココアが互いに類似する商品であることを踏まえると、「コーヒー、茶」のみならず「ココア」に関しても、本件商標の「ボス」の文字部分は取引者、需要者に対し、出所識別標識として強く支配的な印象を与える。
このように、引用商標が強い出所表示機能を発揮し、強力な顧客吸引力を有することを踏まえると、本件商標に接する取引者、需要者が、その構成中の「ボス」の文字部分に着目し、申立人に係る引用商標を連想、想起して取引する場合も少なくない。また、「music lover」(ミュージックラバー)や「coffee lover」(コーヒーラバー)のように「愛好家」を意味する英単語に「lover」があるところ、引用商標の周知、著名性を踏まえると、本件商標について「BOSS LOVER」、すなわち「コーヒー、茶の『BOSS/ボス』の愛好家」と認識される可能性はある。
そうすると、本件商標は、その指定商品中「コーヒー,茶,ココア」との関係においては、その構成文字全体に相応する「ボスラバ」の称呼のほか、「ボス」の称呼をも生じ得る。
(イ)他方、引用商標は、その構成文字から「ボス」の称呼が生じる。
(ウ)したがって、本件商標と引用商標とは、「ボス」の称呼を共通にするもので、その指定商品中「コーヒー,茶,ココア」に使用するときは、引用商標との間において相紛れる可能性が高く、両者は類似する。
ウ 本件商標は、引用商標と類似する商標であり、その指定商品も類似するから、商標法第4条第1項第11号に該当する。
(2)商標法第4条第1項第15号について
引用商標は「コーヒー、茶」に関して周知著名な商標であるから、本件商標は他人の著名な商標と他の文字が結合した商標といえる。なお、申立人は引用商標ブランドのココアを現在販売していないが、過去に販売していた事実があり、「コーヒー」と「ココア」は類似する商品である。
そうすると、本件商標に接する取引者、需要者は、引用商標を連想、想起し、本件商標を付した商品について申立人の取り扱う商品であると誤信するか、又は申立人と密接な関係を有する者の業務に係る商品であると誤信するため、その商品の出所について広義の混同を生ずるおそれがある。
したがって、本願商標は、商標法第4条第1項第15号に該当する。
4 当審の判断
(1)商標法第4条第1項第11号該当性について
ア 本件商標は、上記1のとおり、「ボスラバ」の片仮名を標準文字で表してなるところ、同種文字(片仮名)を、同じ書体、大きさで、間隔なく横一列に、まとまりよく一体的に表してなるもので、これより生じる「ボスラバ」の称呼も冗長でなく一連に称呼し得るものである。
また、当該構成文字は、複数の既成語を組み合わせた複合語とは直ちに認識、理解できず、むしろ構成文字全体として特定の意味を有さない造語を表してなるものと認識できるものである。
なお、本件商標は、その構成中「ボス」の文字部分が、下記(2)アのとおり、申立人の業務に係る商品(コーヒー飲料)を表示するものとして広く知られている引用商標の表音に相応するとしても、本件商標は、比較的簡潔な造語を、まとまりのよい構成で表してなることを踏まえると、その構成中「ボス」の文字部分が、自他商品の出所識別標識として特段強い印象を与えるものではない。
したがって、本件商標は、構成文字全体に相応して、「ボスラバ」の称呼を生じるが、特定の観念は生じない。
イ 他方、引用商標は、上記2のとおり、「BOSS」の欧文字及び「ボス」の片仮名を上下2段に表してなるところ、「BOSS」(ボス)の語は「親分。上司。」(「広辞苑 第7版」岩波書店)の意味を有する我が国でも親しまれた英語である。
したがって、引用商標は、「ボス」の称呼を生じ、「親分。上司。」の観念を生じる。
ウ 本件商標と引用商標を比較すると、外観においては、「ボス」の片仮名を含む点で共通するとしてもその他の構成文字(「BOSS」の欧文字の有無や語尾の「ラバ」の片仮名の有無)が相違し、それぞれ異なる語を表してなるものと容易に理解できるから、互いに明瞭に区別できる。また、称呼においては、語頭に「ボス」の音を含む点で共通するとしても、語尾の「ラバ」の音の有無が相違し、全体の構成音や音数が明らかに異なるため、それぞれ明瞭に聴別できる。さらに、観念においては、本件商標から特定の観念が生じないのに対し、引用商標からは「親分。上司。」の観念を生じるから、相紛れるおそれはない。
そうすると、本件商標と引用商標は、外観、称呼及び観念において明瞭に区別できるから、互いに別異の商標であって、相紛れるおそれのない非類似の商標というべきである。
エ 以上を踏まえると、本件商標は、引用商標とは類似する商標ではないから、その指定商品が同一又は類似であるかに関わらず、商標法第4条第1項第11号に該当しない。
(2)商標法第4条第1項第15号該当性について
ア 引用商標の周知性について
申立人提出の証拠によれば、申立人の業務に係る「コーヒー飲料」(以下「申立人商品」という。)である「BOSS」(ボス)は、平成4年(1992年)に発売され(甲4の1)、その後現在に至るまで継続して、コーヒー飲料を中心とする同ブランドの商品(紅茶は「クラフトボス」の名称で販売されている。)が販売されており、2018年の年間販売数量が1億ケース超(乙5の1)である。また、「BOSS」(ボス)ブランドの商品は、新聞や雑誌等の記事(2015年から2018年にかけての記事が確認できる。)において継続して紹介され、テレビCMを含む広告媒体(甲6~甲8)等を通じて宣伝、広告されていることが認められる。
そのため、上記申立人ブランドに相応する引用商標は、本件商標の登録出願日前から、申立人商品を表示するものとして需要者の間に広く認識されているものといえる。
イ 本件商標と引用商標との類似性の程度
本件商標と引用商標は、上記(1)のとおり、引用商標の表音に相当する「ボス」の片仮名を含む点が共通するとしても、当該文字部分が自他商品の出所識別標識として特段強い印象を与えるものではなく、構成文字全体としては互いに異なる語を表してなるものと容易に理解できるもので、外観、称呼及び観念のいずれにおいても相紛れるおそれはなく、互いに別異の商標といえるのだから、類似性の程度は極めて低い。
ウ 引用商標の独創性
引用商標は、上記(1)イのとおり、「BOSS」及び「ボス」の文字からなるものであるところ、「BOSS」(ボス)の語は「親分。上司。」の意味を有する我が国でも親しまれた英語の成語であるから、その独創性の程度は低い。
エ 出所の混同のおそれ
本件商標は、申立人に係る引用商標とは、互いに別異の商標であって、類似性の程度は極めて低く、引用商標の独創性の程度も低いから、引用商標の周知性や申立商品と申立人商品との関連性の程度にかかわらず、本件商標に接する需要者が、申立人や引用商標との関連を連想又は想起することは考え難く、その商品が他人(申立人)あるいは同人と経済的若しくは組織的に何らかの関係を有する者の業務に係るものであるかのように、その商品の出所について混同を生ずるおそれはないとするのが相当である。
したがって、本件商標は、商標法第4条第1項第15号に該当しない。
(3)まとめ
以上のとおり、本件商標の登録は、申立商品について、商標法第4条第1項第11号及び同項第15号のいずれの規定にも違反してされたものではないから、同法第43条の3第4項の規定に基づき、その登録を維持すべきものである。
よって、結論のとおり決定する。
審決本文(J-PlatPat)
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