商標取消審判
2020-300733
バラクーダモト、バラクーダ
- 審判番号
- 2020-300733
- 法域
- 商標
- 審判種別
- 取消審判(商標取消の審決)
- 出願番号
- 商願2019-009219
- 登録番号
- 6167843
- 請求日
- 2020年10月15日
- 審決日
- 2021年11月17日
- 公報発行日
- 2022年02月25日
- 結論
- 請求成立(取消)
- 当事者
- 【請求人】バラクーダ エス.アール.エル.
- 【請求人代理人】石原 進介
- 【請求人代理人】石原 詔二
- 【被請求人】株式会社 ユーロダイレクト
- 【被請求人代理人】松本 龍太郎
- 審判長/審判官
- 審判長 佐藤 松江
- 審判官 大森 友子
- 審判官 石塚 利恵
- 分類
- T131 .6 -Z (W12)
- 根拠条文(結論部分から自動抽出・参考)
- 商標法53条の2
- 条文(本文から自動抽出・参考)
- 商標法第53条の2
- データ出所
- 審決公報(XML)
事件の表示
上記当事者間の登録第6167843号商標の登録取消審判事件について、次のとおり審決する。
結論
結 論
登録第6167843号商標の商標登録を取り消す。
審判費用は、被請求人の負担とする。
理由
理 由
第1 本件商標
本件登録第6167843号商標(以下「本件商標」という。)は「Barracudamoto」の文字を標準文字で表してなり、平成31年1月16日に登録出願、第12類「二輪自動車・自転車並びにそれらの部品及び附属品」を指定商品として令和元年8月2日に設定登録され、現に有効に存続しているものである。
第2 引用商標
請求人が、パリ条約の同盟国、世界貿易機関の加盟国若しくは商標法条約の締結国において、商標に関する権利を有していることを証するために提示した商標は、以下のとおりである(以下、これらをまとめて「引用商標」という。)。
1 欧州連合商標登録第7023534号(甲10、甲29~甲31)
商標の態様:別掲1のとおり
指定商品 :別掲2のとおり
出願日 :2008年6月30日
登録日 :2011年1月30日
2 英国商標登録第907023534号(甲11)
商標の態様:別掲1のとおり
指定商品 :別掲2のとおり
出願日 :2008年6月30日
登録日 :2011年1月30日
第3 請求人の主張
請求人は、結論同旨の審決を求め、その理由、答弁に対する弁駁及び令和3年6月8日付け審尋に対する回答を要旨以下のように述べ、証拠方法として甲第1号証ないし甲第31号証を提出した。
1 請求の理由
本件商標は、商標法第53条の2の規定により取り消されるべきものである。
(1)請求人は、モーターサイクル関連の商品を2002年から販売しているイタリアの会社である。商品は、Barracuda及びBarracudamotoのブランド名で販売されている(甲2)。2014年に請求人は、Mr.Kazuto Nishijima(西嶋和人氏。以下「西嶋氏」という。)が代表を務める被請求人を独占的な販売代理店として、日本での販売を始め、それは2019年まで続いた。
(2)2014年7月7日に、請求人が被請求人に対し、2014/2015版の新しいカタログ中「世界のバラクーダ正式販売代理店」のリストに日本も入れたいと思っている旨伝えたところ、被請求人は、その翌日に、被請求人を正式販売代理店として、請求人のカタログに載せるように依頼した(甲3)。また、西嶋氏は、2014年8月6日ないし同年11月10日において被請求人が、barracudamoto.jpに係るウェブサイト及び店舗の運営を行う旨述べている(甲4~甲6)ことから、2014年当時には、被請求人は、請求人の正式販売代理店であったことがわかる。
(3)2019年になり、被請求人は、請求人が期待していた程の商業的利益をあげていないことから、請求人が被請求人の地位を独占的販売代理店から販売代理店に変えると、西嶋氏は、請求人に対して、Barracudamotoという商標の登録を有していること、Barracudamoto.jpというドメインネームを被請求人に渡すこと及び請求人が被請求人の地位を以前のように独占的販売代理店に戻さない限り日本での該Barracudamotoという商標を止めるように、ということを伝えてきた(甲7)。
2020年2月6日には、西嶋氏は、本件商標が被請求人の日本の商標登録であること通知した上で、1)法的措置を取る前に至急barracudamoto.jpのドメインを渡すこと、2)BARRACUDAMOTOという商標を日本及び世界で被請求人の商品を売るために使用するつもりであること、3)被請求人の商品を被請求人のbarracudamoto japanというフェイスブックで宣伝すること、4)もし日本の会社がBARRACUDAMOTO又はBARRACUDAを使用しているのを見かけたら、被請求人の弁護士が直ちに差し止めること、を通知してきた(甲9)。
(4)以上から明らかなように、本件商標は、請求人の日本の販売代理店であった被請求人が、請求人に無断で日本において商標登録出願し、商標登録したものである。本件商標は、「パリ条約の同盟国であるイタリアにおいて商標に関する権利を有する者である請求人の当該権利に係る商標又はこれに類似する商標であって当該権利に係る商品又はこれに類似する商品を指定商品とするもの」であり、「その商標登録出願が、正当な理由がないのに、その商標に関する権利を有する者である請求人の承諾を得ないでその代理人若しくは代表者又は当該商標登録出願の日前1年以内に代理人若しくは代表者であった被請求人によってされたもの」である。
2 弁駁の理由
(1)請求人が、「パリ条約の同盟国、世界貿易機関の加盟国若しくは商標法条約の締約国において商標に関する権利(商標権に相当する権利に限る。)を有する者」であるか否かについて
請求人は、欧州連合商標第7023534号(甲10)及び該欧州連合商標から派生した英国登録商標第907023534号(甲11)の権利者である。
両商標の登録日は、2011年1月30日であって、別掲1のとおり、共に”BARRACUDAMOTO”(MOTO部分は白抜き文字)という商標であり、その指定商品は、第12類「自動二輪車及びモペットの附属品」を含むものである。
したがって、請求人は、「パリ条約の同盟国、世界貿易機関の加盟国若しくは商標法条約の締約国において商標に関する権利(商標権に相当する権利に限る。)を有する者」である。そして、本件商標は、世界貿易機関の加盟国において商標に関する権利(商標権に相当する権利に限る。)を有する者の当該権利に係る商標と類似する商標であって、その指定商品は、当該権利に係る商品と同一又は類似の商品というべきである。
(2)本件商標の登録出願が、「その代理人若しくは代表者又は当該商標登録出願の日前一年以内に代理人若しくは代表者であった者によってされたもの」であるか否かについて
被請求人と「Euroe-Com Trading GmbH」社(以下「ユーロイーコム社」という。)とは、法人格は違えども同一の代表者(西嶋氏)の会社である。
2014年当時において、請求人とユーロイーコム社の西嶋氏との間で、当該商標に係る商品又は役務の取引を行う上での慣行上の信頼関係が形成されていた関係にあった(甲3~甲5)。
さらに、2019年1月10日(本件商標登録出願の6日前)の時点において、請求人とユーロイーコム社の西嶋氏との間で、日本市場における何らかの協業関係があった(コラボレーション関係があった)ことが明らかである(乙1)。また、その翌日の同月11日及び同年6月20日にも、ユーロイーコム社の西嶋氏が「販売代理人であった」ことを自認している(甲15、乙17)。
そして、2018年3月27日及び2019年7月15日おいて、ユーロイーコム社の西嶋氏は、日本の被請求人と自身との関係を認めている(甲8)。
そうすると、被請求人とユーロイーコム社の法人格は違えども同一の代表者の会社であり、本件商標の登録出願が、「その代理人若しくは代表者又は当該商標登録出願の日前一年以内に代理人若しくは代表者であった者によってされたもの」であることは明らかである。
(3)本件商標登録出願が、「正当な理由がないのに、その商標に関する権利を有する者の承諾を得ないで」なされたものであることは、本件審判請求書に記載のとおりである。
3 審尋に対する回答
(1)ア 西嶋氏が代表を務めるユーロイーコム社は、ECサイト「ユーロネットダイレクト」(EuroNetDirect)を運営しており、中欧のオーストリアに本社拠点があるが、ユーロイーコム社の日本国内の会社及びサービスステーションは、被請求人である(甲3、甲18、甲19)。被請求人の代表取締役は西嶋氏であり(甲21)、ユーロイーコム社と被請求人の代表は同一人物である。
イ 請求人及びユーロイーコム社間における2019年の売買契約書(乙4)は、契約期間が2019年1月1日から同年12月31日であることは明らかであり、2019年1月1日から有効である2019年の売買契約書を締結するには、2018年中に契約が締結されることも、商慣習上明らかである。該契約書は、2019年における日本市場向けの請求人とユーロイーコム社との販売提携に係る条件が規定されている。このような、年間純購入目標額の設定及びその目標に関する契約を、被請求人が主張するように、同年9月(審決注:被請求人が提出する「証拠説明書」には、乙第4号証について、「標目 請求人が2019年7月に提示した合意書」、「作成年月日 2019年9月」、「作成者 請求人」の記載がある。)に作成するはずはない。
したがって、該契約書は、本件商標登録出願の日前1年以内である平成30年(2018年)1月16日ないし同31年(2019年)1月16日の期間に含まれる2019年1月1日から同月16日において有効な売買契約書である。
(2)2017年の時点で、被請求人が、請求人商品の正規販売を行っているということを自認している(甲22)。また、本件商標登録出願の日前1年以内に、被請求人のブログ記事において、被請求人が、請求人商品を販売していることを記載して宣伝し、または、請求人商品を日本の販売窓口となって販売している。すなわち、被請求人が請求人の独占的販売を行う代理人であったといえる(甲23~甲27)。
(3)2019年以前には、請求人とユーロイーコム社又は被請求人との間では、口頭で売買契約を交わしており、西嶋氏らが独占的販売代理店であることを認めている。そして、被請求人の代表(西嶋氏)が、本件商標登録出願の日前1年以内である2019年1月11日において、被請求人の日本での独占販売を継続させることを請求人に迫っている(甲15)。
また、上述のとおり、請求人商品を、日本の被請求人(代表は西嶋氏)が販売窓口となって本件商標登録出願の日前1年以内に販売していた。請求人商品の卸先は、オーストリアに本部を置くユーロイーコム社(代表は西嶋氏)である(甲18~甲27)。
また、本件商標登録出願の日前1年以内である2018年2月3日ないし2019年1月14日の期間における、請求人からユーロイーコム社に宛てた請求書(甲28)に示すように、数多くの請求人商品が、毎月のように、継続的に請求人からユーロイーコム社へと卸売されているが、その中には、日本でのウェブサイトの維持費用も含まれている。このように、請求人とユーロイーコム社の間では、上記期間に継続的な取引が行われており、ユーロイーコム社の日本の販売先として、被請求人が、請求人商品を最終的に消費者に販売していたことから、被請求人が、請求人の日本での独占的販売を行う代理人であったことは明らかである。だからこそ、2019年1月11日に、ユーロイーコム社の西嶋氏が、被請求人の「日本」での独占販売を継続させることを請求人に迫り(甲15)、同月16日に被請求人(代表は西嶋氏)が本件商標登録出願を行い、同年6月18日には、ユーロイーコム社の西嶋氏が自分自身が本件商標登録出願を行ったことを述べ、被請求人の「日本」での独占販売を継続させることを請求人に迫ったのである(甲7)。
(4)そうすると、請求人及びユーロイーコム社間における2019年の売買契約書(乙4)は、2019年1月1日ないし同月16日において有効な売買契約書であって、本件商標登録出願の日前1年以内の期間が含まれており、該契約書以前にも、ユーロイーコム社の西嶋氏と請求人との間で、日本における独占的販売について、当事者の合意(契約の成立)があったことは明らかである。
第4 被請求人の主張
被請求人は、本件審判請求は成り立たない、審判費用は請求人の負担とする、との審決を求めると答弁し、その理由を要旨以下のように述べ、証拠方法として、乙第1号証ないし乙第4号証を提出した。
なお、被請求人は、弁駁及び令和3年6月8日付け審尋に対する回答に対しては、何ら意見を述べていない。
1 請求人は、本件商標(甲1)が、パリ条約の同盟国たるイタリアの法人である請求人のブランド、Barracuda及びBarracudamotoと同一又は類似の商標であって、請求人のモーターサイクル関連事業に係る商品が本件商標の指定商品と同一又は類似であることを、一応立証している(甲2)。しかし、請求人が「パリ条約の同盟国、世界貿易機関の加盟国若しくは商標法条約の締約国において商標に関する権利(商標権に相当する権利に限る。)を有する者」であることについては、何ら立証がない。
2 請求人は、被請求人が請求人の代理人(代理店)又は当該商標登録出願の日(2019年1月16日)前一年以内に代理人(代理店)であった者であることを主張・立証しようとしているが、上記事実を立証するに足りない(甲3~甲9)。
(1)仮に、2014年時点の請求人と被請求人の一定の関係が立証されたとしても、「出願時」及び「出願の日(2019年1月16日)前一年以内に」請求人が被請求人の代理人であったことを何ら証明しない(甲3~甲6)。
(2)2019年に請求人が行ったのは「オーストリアの提携地位の変更」である(乙1)。
ここで、請求人、被請求人、ユーロイーコム社の取引関係について説明すると、請求人はイタリアのモーターサイクル関連商品を製造販売するメーカーであり、被請求人は日本でモーターサイクル関連商品を輸入販売する小売店であり、ユーロイーコム社はヨーロッパの商材を調達してオーストリアを含むヨーロッパで販売する一方、日本へと輸出することを主業務としているオーストリア法人である。
被請求人は、確かに請求人商品を日本で販売している。しかし、被請求人は、多くのモーターサイクル関連メーカーの製品を扱っており、顧客の注文に応じて被請求人がユーロイーコム社に発注を出し、ユーロイーコム社がヨーロッパで調達した商品をオーストリアから被請求人に輸出していたものである(乙2、乙3)。
ユーロイーコム社は、2019年1月まで請求人の「オーストリアにおける独占的販売代理店」であったが、被請求人と請求人の直接間においては、2014年の被請求人による請求人商品取り扱い開始から一貫して、発注や受注の連絡、商品の受け取りや発送、代金などの金銭の授受といった取引関係はなく、被請求人と請求人とで契約書などを取り交わしたこともない。その業務形態から、被請求人は一般の輸入販売業者(小売店)という域を出ず、被請求人は請求人の代理人(代理店)といった緊密な関係にはなかった。
請求人が、被請求人を独占的販売代理店であったと主張しながら、両者間の取引や契約などを示す書類を一切提出しないのは、そのようなものが存在しないからである。なお、被請求人の代表者である西嶋氏と、ユーロイーコム社の西嶋氏は確かに同一人であるが、請求人は、被請求人とユーロイーコム社とを区別も説明もすることなく、意図的に両者を混同して主張を展開している。それは、請求人と被請求人とには代理関係がないことを、請求人自身が認識しているからであると推測する。
「請求人が2019年7月に提示した合意書」によれば、請求人は、本件商標に係る出願の日後においても、日本市場に関する合意について、被請求人ではなく、ユーロイーコム社に対して求めている(乙4)。
(3)請求人は、被請求人が過去に請求人の独占的販売代理店であったことを立証しようとしていると思われる。しかし、「被請求人から請求人に宛てた2019年6月18日付けEメール」(甲7)とするメールの署名に示された所属組織はユーロイーコム社であって、「独占的販売代理店」というのはユーロイーコム社の「オーストリアにおける提携地位」についてである。また、被請求人が、ユーロイーコム社が日本に供給する「BARRACUDAMOTO製品」の日本における正式な「ユーロイーコム社の販売代理店」であることを表明しているに過ぎない(甲8)。さらに、請求人は、「出願の日前一年以内に」おける請求人と被請求人の関係を何ら立証しておらず、商標法第53条の2の要件を満たすに足りない。
3 上述したように、請求人提出の甲第1号証ないし甲第9号証によっては、本件取消審判において、本件商標が取り消されるための各要件を立証したことにならず、本件商標が商標法第53条の2の規定により取り消されるべき、との請求人の主張は成り立たない。
第5 当審の判断
商標法第53条の2は、「登録商標がパリ条約の同盟国、世界貿易機関の加盟国若しくは商標法条約の締結国において商標に関する権利(商標権に相当する権利に限る。)を有する者の当該権利に係る商標又はこれに類似する商標であつて当該権利に係る商品若しくは役務又はこれらに類似する商品若しくは役務を指定商品又は指定役務とするものであり、かつ、その商標登録出願が、正当な理由がないのに、その商標に関する権利を有する者の承諾を得ないでその代理人若しくは代表者又は当該商標登録出願の日前1年以内に代理人若しくは代表者であつた者によつてされたものであるときは、その商標に関する権利を有する者は、当該商標登録を取り消すことについて審判を請求することができる。」と規定し、パリ条約第6条の7の規定を実施するため、他の同盟国等で商標に関する権利を有する者の保護を強化することを目的としたものであり、他の同盟国等における商標に関する権利を有する者の承認なしに、その代理人又は代表者等が我が国に当該商標と同一又は類似範囲にある商標について出願した場合であって、それが登録されたときは、商標に関する権利を有する者がその登録を取り消すことについて審判を請求することができる旨を定めたものである。
そこで、本件商標の登録が、上記条項の要件を満たすものであるか否かについて、以下検討する。
1 本件商標が、パリ条約の同盟国等において商標に関する権利を有する者の当該権利に係る商標又はこれに類似する商標であって、当該権利に係る商品又はこれらに類似する商品を指定商品とするものであるか否かについて
(1)パリ条約の同盟国等において商標に関する権利を有する者
請求人は、パリ条約の加盟国であるイタリアに所在する法人と認められ(甲2)、前記第2のとおり、パリ条約の同盟国等である域内市場における調和のための官庁(商標及び意匠)(現:欧州連合知的財産庁)において、2008年6月30日に登録出願し、2011年1月30日に設定登録された欧州連合商標登録第7023534号、及び該欧州連合商標の派生商標である英国商標登録第907023534号の商標権に関する権利を有する者であって、当該商標権は現在も有効に存続しているものといえる(甲10、甲11、甲29~甲31)。
そうすると、請求人は、本件商標の登録出願時である2019年(平成31年)1月16日には、パリ条約の同盟国等において商標に関する権利を有していたと認められる。
(2)商標及び指定商品についての同一又は類似
ア 本件商標について
本件商標は、前記第1のとおり、「Barracudamoto」の文字を標準文字で表してなるところ、該文字は、辞典類に載録されている既成の語ではなく、特定の意味合いを有さない一種の造語と認められる。
そうすると、本件商標は、その構成文字に相応して「バラクーダモト」の称呼を生じ、特定の観念は生じないものである。
イ 引用商標について
引用商標は、別掲1のとおり、「BARRACUDAMOTO」の文字(「MOTO」の文字は白抜きで表されている。)を横書きしてなるところ、上記アと同様に、その構成文字に相応して「バラクーダモト」の称呼を生じ、特定の観念は生じないものである。
ウ 商標の類否
本件商標と引用商標とは、書体の相違、語頭以外の文字に関して小文字と大文字の差異はあるものの、その文字のつづりを共通にすることから、外観において、両者は近似した印象を与えるものである。
また、称呼において、本件商標と引用商標とは「バラクーダモト」の称呼を同一とするものであり、観念において、両者は、特定の観念を生じないものであるから比較できない。
そうすると、本件商標と引用商標とは、観念において比較できないとしても、外観において近似した印象を与え、称呼においては同一であるから、これらを総合的には考慮すれば、両者は類似の商標と判断するのが相当である。
エ 商品の類否
本件商標の指定商品は、前記第1のとおり、第12類「二輪自動車・自転車並びにそれらの部品及び附属品」であり、他方、引用商標の指定商品は、別掲2のとおり、第12類「Fittings for motorcycles and mopeds(自動二輪車及びモペットの附属品)」を含むものであるから、本件商標と引用商標は、その指定商品において、互いに同一又は類似の商品を含むことが明らかである。
(3)小括
以上によれば、本件商標は、商標法第53条の2に規定される「パリ条約の同盟国等において商標に関する権利を有する者の当該権利に係る商標又はこれに類似する商標であって当該権利に係る商品又はこれに類似する商品を指定商品とするもの」に該当する。
2 本件商標の登録出願が、正当な理由がないのに、その商標に関する権利を有する者の承諾を得ないでその代理人若しくは代表者又は当該商標登録出願の日前1年以内に代理人若しくは代表者であった者によってされたものであるか否かについて
(1)両当事者が提出した証拠及び両者の主張によれば、以下の事実が認められる。
ア 請求人について
請求人は、イタリアに所在する法人であって、2002年から、モーターサイクル関連の請求人商品を製造販売している(甲2)。
イ ユーロイーコム社について
ユーロイーコム社は、ECサイト「ユーロネットダイレクト」を運営する法人であって、オーストリアに本社拠点を置き、2002年8月に設立された。ユーロイーコム社の代表は、西嶋氏である(甲19)。
上記ECサイトは、「安く購入可能」であることや、「安心の日本人サポート及び国内サービスステーション」を該ECサイトの特長としてうたいつつ、バイク用品及びカスタムパーツ専門の通信販売店として、ヨーロッパからバイク用の純正部品等を取り寄せ、インターネットを通して我が国の顧客に直接販売、発送している(甲18)。
ウ 被請求人について
被請求人は、ユーロイーコム社の「日本国内サービスステーション」であって、平成19年(2007年)8月に創業し、「モーターサイクル部品及び用品の輸出入及び販売」を事業内容としている。被請求人の代表取締役は、西嶋氏である(甲19、甲21)。
被請求人は、顧客の注文に応じてユーロイーコム社に発注し、ユーロイーコム社は、ヨーロッパで調達した商品をオーストリアから被請求人に輸出していた(被請求人の主張)。
エ 当事者間の取引等について
(ア)2018年1月15日以前
a 2014年7月7日に、請求人がユーロイーコム社に対し、請求人の新規カタログ(2014/2015版)中「世界のバラクーダ正式販売代理店」のリストに日本も入れたい旨のメールを送信したところ、翌日、ユーロイーコム社は、被請求人を請求人カタログに掲載するよう依頼し、被請求人の名称、住所、メールアドレス等をメールで伝え(甲3)、実際に被請求人は、請求人カタログ(2014/2015版)中「世界のバラクーダ正式販売代理店」のリストに「Eurodirect Co.,Ltd」として掲載された(被請求人の主張)。また、ユーロイーコム社(西嶋氏)は、請求人に対し、同年8月6日に「日本の私の会社:被請求人はbarracudamoto.jpを運営する。」旨のメールを送信し(甲4)、同年10月11日には「Barracudamoto.jpの価格表をJPN(日本円)で」送信した(甲5)。
b 2017年9月26日付けの被請求人ブログにおいて、「ユーロダイレクトにて正規販売を行わせて頂いているBARRACUDA社」との記載がある(甲22)。
(イ)本件商標の登録出願の日前1年以内の期間(2018年1月16日ないし2019年1月16日)
a 請求人は、ユーロイーコム社に対し、請求日を2018年2月3日ないし2019年1月14日とする本件商標の登録出願の日前1年以内の期間内(以下、単に「期間内」という。)に、月に1回ないし6回、合計37回インボイスを発行した(甲28)。
請求日を2018年2月15日とする請求書番号「403」のインボイスには、「Descrizione merce(訳:製品説明)」欄に、「WEB MONTHLY COST -month of February 2018 Japan(訳:ウェブ月額費 2018年2月 日本)」の記載がある(同様の記載がある請求書番号として、796、1246、1530、1934、2421、2695、2948、3245、3507、3756が挙げられる。)。
また、請求日を2018年10月4日とする請求書番号「3157」のインボイスには、「Codice(訳:製品コード)/Descrizione merce(訳:製品説明)」欄に、「KTM7119-18/COPRICATENA(訳:チェーンカバー)」、「N1026-XN/MANOPOLA B-LUX NERO(coppia)(訳:ハンドルB-LUX ブラック(ペア))」、「N1026-XU/MANOPOLA B-LUX BLU(coppia)(訳:ハンドルB-LUX 青(ペア))」の記載があり、「Sconti(訳:割引)」の欄に、全商品に対して「-50.00」の記載がある。
なお、請求日を2018年2月3日ないし同年12月21日とする期間内の全請求書において、「Sconti(訳:割引)」の欄には、上記「WEB MONTHLY COST」や出荷費用を除く全商品に対して「-50.00」の記載がある一方、請求日を2019年1月14日とする請求書番号「50」のインボイスには、各商品に対する「Sconti(訳:割引)」の欄に、「-40.00」の記載がある。なお、請求日を2019年とするインボイスは、該請求書番号「50」のみである。
b ユーロイーコム社は、被請求人に対し、「注文日:2018年10月11日」、「Product Name」欄に「BARRACUDA chaine cover KTM 790 DUKE|KTM7119-18」、「BARRACUDA B-LUX Grip black|N1026-XN」、「BARRACUDA B-LUX Grip blue|N1026-XU」などと記載されたインボイスを発行した(乙2)。
c 2018年3月7日、同年9月18日及び同月19日付けの被請求人ブログにおいて、被請求人は、請求人商品の広告宣伝を行い、自らを「問い合わせ先」としてウェブアドレスや電話番号を併記した(甲23~甲25)。また、被請求人は、2018年10月2日から、ECサイト「Amazon.co.jp」において、請求人商品を取り扱っている(甲26、甲27)。
d 2018年3月27日に、ユーロイーコム社(西嶋氏)は、請求人に対し、「ヨーロッパ各国からの小口注文を全て回収し、日本の被請求人にまとめて発送するシステムを構築した。」旨のメールを送信した(甲16)。
e 2019年になり、請求人が期待する利益が出ていなかったため、同年1月10日に、請求人は、ユーロイーコム社(西嶋氏、他)に対し、「2019年1月1日から、ユーロイーコム社の地位を、オーストリアにおける独占的販売代理店から販売代理店に変更した。ユーロイーコム社が請求人商品の販売を継続できるよう、40%の特別割引を提供する。請求人が、日本において独占的プログラムを実施する別のパートナーを見つけた場合は、請求人は、ユーロイーコム社との提携を終了する。現時点では、この選択肢がないため、今のところは、ユーロイーコム社は、日本で請求人商品の販売を継続することができる。」旨のメールを送信した(乙1、請求人の主張)。その翌日(11日)、ユーロイーコム社(西嶋氏)は、請求人に対し、「日本の新しい販売代理店は、バラクーダ事業を円滑に運営できないであろう。」旨、及び「私は、請求人が気を変えて日本での独占販売を我々に継続させるための最後のチャンスを与えることができる。」旨のメールを送信した(甲15)。
f 2019年1月16日、被請求人は、本件商標を登録出願した。
(ウ)2019年1月17日以降
a 2019年6月18日に、ユーロイーコム社(西嶋氏)は、請求人に対し、「<商標について>請求人は、日本において、”Barracuda”や”Barracudamoto”の商標権者ではない。日本は先願主義であり、私は1月16日に特許庁に”Barracudamoto”の商標を出願した。」旨、及び「請求人が、我々を再び、日本市場における独占的販売代理店・パートナーに戻し、50%割引を与えるならば、我々は日本において、ブランドBarracudaを再び販売促進する用意がある。」旨のメールを送信した(甲7)。また、同月20日に、ユーロイーコム社(西嶋氏)は、請求人に対し、「日本での販売店としての代理店を止める請求人の方法は法的に問題がある。」旨を指摘し、「早急に代理店と50%割引を復活させる」ことを勧めるメールを送信した(甲17)。
b ユーロイーコム社(西嶋氏)から請求人に宛てた2019年7月15日付け書面には、「我々が、イタリアのBARRACUDAMOTOから50%の販売代理店割引で購入した商品は、日本市場向けである。我々が受領した全商品は、BARRACUDAMOTOの正規な販売代理店である日本の被請求人に引き渡す。」旨の記載がある(甲8)。
c 2019年7月18日に、本件商標が、第12類「二輪自動車・自転車並びにそれらの部品及び附属品」を指定商品として登録査定され、同年8月2日に設定登録された。
d 2020年2月6日に、ユーロイーコム社(西嶋氏)は、請求人に対し、「”Barracudamoto”は、日本での我々の登録商標であり、請求人にはそれを要求する法的権利はない。」旨伝え、商標登録証を添付するとともに、「(a)我々が請求人に対して法的措置を取る前に、至急“barracudamoto.jp”のドメインを我々に渡されたい、(b)我々は、我々の商標であるBARRACUDAMOTOを使用して、日本及び世界で自社製品を販売する予定である、(c)我々の自社製品は、我々のFacebookのbarracudamoto japanで宣伝する、(d)他の日本の会社がBARRACUDAMOTO又はBARRACUDAを使用しているのを発見したら、当社の弁護士が直ちにそれらを阻止する。」旨のメールを送信した。そして「請求人が、以前のように、我々に日本における独占的販売代理店の立場に戻って欲しいのであれば、我々のBarracudamotoを使用した製品の生産計画を中止することを考えてもよい。請求人にとって、今回が私の申し出を受ける最後のチャンスだ。今回は、請求人は十分に賢いと信じている。」旨を通知した(甲9)。
(エ)その他
請求人がユーロイーコム社に提示した「2019 PURCHASE AND SALE AGREEMENT」(2019年の売買契約書)(乙4)には、「この契約は請求人とユーロイーコム社間の日本市場における事業提携に関する取引関係を規定する。」旨の記載があり、2019年の諸条件として、「以下の条件を満たす場合には、ユーロイーコム社は、2019年の間、請求人商品を50%の特別割引で提供を受けることができる。」旨と2019年12月31日時点における年間純購入目標額が記載されている。また、「該2019年の契約は、2020年の準備のための事前合意書である。」旨と、「2019年12月31日時点で、ユーロイーコム社が2019年の最低純購入目標額を達成していない場合、2020年に向けて、請求人はユーロイーコム社に対して、例外的に日本向けに40%の割引を行うが、請求人は日本市場向けに他の輸入業者と自由に販売提携を行うことができる。」旨、及び「2019年12月31日時点で、ユーロイーコム社が2019年の最低純購入目標額を達成した場合、2020年のための新たな売買契約を締結することで、日本市場向けに50%割引で販売を継続することができる。」旨の記載がある。なお、該契約書には、請求人の名称及び住所が表示されたスタンプ及びサインはあるものの、契約日や契約者等の署名はない。
(2)上記(1)で認定した事実によれば、以下のとおり判断するのが相当である。
ア 「当該商標登録出願の日前1年以内に代理人若しくは代表者であった者」について
ユーロイーコム社は、2014年から請求人の正式販売代理店であり、2018年には、オーストリアにおける請求人の独占的販売代理店として、請求人商品を50%割引で継続的に購入していた。
そして、ユーロイーコム社は、自らが運営するECサイト「ユーロネットダイレクト」において、バイク用の純正部品等を販売する一方、被請求人を「日本国内サービスステーション」としているところ、2018年3月には、ユーロイーコム社は、ヨーロッパ各国からの注文を全て回収し、日本の被請求人にまとめて発送するシステムを構築しており、同年10月には、ユーロイーコム社が請求人から50%割引で購入した「KTM7119-18/COPRICATENA(訳:チェーンカバー)」等の請求人商品が、ユーロイーコム社から被請求人に「BARRACUDA chaine cover KTM 790 DUKE|KTM7119-18」等として輸出されたことが認められる。加えて、被請求人も、2018年に、自らを「問い合わせ先」として、被請求人ブログにおいて様々な請求人商品を広告宣伝していた。
そうすると、ECサイト「ユーロネットダイレクト」において販売されている商品がどのように顧客に発送されているのかは不明であるものの、2018年1月ないし12月の期間には、請求人と、その独占的販売代理店であったユーロイーコム社との間で継続的に取引があり、同年3月からは、ユーロイーコム社から日本に輸出された請求人商品は全て被請求人に納品され、日本においては、被請求人がユーロイーコム社の「日本国内サービスステーション」として、請求人商品の販売元となっていたといえる。もっとも、請求人とユーロイーコム社又は被請求人との間で、書面により日本における独占的販売代理店の契約の締結をしていたとの事実を認めることはできないものの、請求人の独占的販売代理店の立場にある場合、請求人商品を50%割引で購入することが可能であり、実際に2018年1月ないし12月の期間において、ユーロイーコム社が該割引率で請求人商品を購入していた事実や、被請求人はユーロイーコム社の「日本国内サービスステーション」という位置付けであること、ユーロイーコム社の代表と被請求人の代表取締役とが同一人であることに加え、請求人カタログ(2014/2015版)中「世界のバラクーダ正式販売代理店」のリストには、日本の代理店として被請求人の名称等が掲載されたこと、2017年9月に請求人商品を紹介する被請求人ブログにおいて、被請求人が請求人商品の正規販売店である旨の記載があることや、2019年7月にユーロイーコム社が請求人に送付した書面において、被請求人が請求人商品の正規販売代理店である旨の記載があることを勘案すると、請求人とユーロイーコム社及び被請求人との間には、継続的な取引により慣行上の信頼関係が形成され、被請求人は、日本国内における請求人商品の販売体系に組み込まれるような立場にあった者とみることができ、少なくとも2018年末までは、その関係が継続していたと推認できる。
そして、商標法第53条の2にいう「商標に関する権利を有する者の代理人又は代表者」は、必ずしも他の同盟国等の商標権者と代理店契約を締結した者など契約上特別な関係、あるいは、法的関係にある者に限定されることなく、広く他の同盟国等の商標権者の商品を継続的に輸入し販売する又は販売していた者など、継続的な取引により慣行上の信頼関係が形成され、外国の商標権者の商品の、日本国内における販売体系に組み込まれている者をも指すと解すべきである。
以上より、被請求人は、商標法第53条の2に規定される「当該商標登録出願の日前1年以内に代理人若しくは代表者であった者」に該当する。
イ 「本件商標の登録出願が、正当な理由がないのに、請求人の承諾を得ないで被請求人によってされたこと」について
商標法第53条の2に規定される「正当な理由」とは、商標に関する権利を有する者が、その代理店等に対しその国において商標を放棄したこと、またはその商標の権利を取得する関心がないことを信じさせた場合等が挙げられるものと解されるところ、被請求人の主張及びその証拠によっても、本件商標の登録出願及び権利取得が正当なものとする事情は見出せない。また、請求人とユーロイーコム社とが交わしたメールや書面において、被請求人が日本国内において本件商標を登録出願することについて、請求人の承諾があったとする証拠の提出もない。
むしろ、被請求人は、2019年1月10日に、請求人がユーロイーコム社の地位を変更(請求人商品を50%割引で購入できる独占的販売代理店から、40%割引で購入する販売代理店への変更。)した6日後の同月16日に本件商標を登録出願し、その後、ユーロイーコム社が請求人に対して、本件商標は「日本での我々の登録商標」であり、請求人にはそれを要求する法的権利はないことや、「我々」を日本における独占的販売代理店の立場に戻すよう要求している事実から、ユーロイーコム社及び被請求人は、自己に有利な取引を展開するために、本件商標の登録出願をし、取引上で優位な立場を確保しようとした意図をうかがうことができる。
以上より、本件商標の登録出願は、正当な理由がないのに、請求人の承諾を得ないで被請求人によってされたものであるといえる。
(3)小括
以上によれば、本件商標の登録出願は、商標法第53条の2に規定される「正当な理由がないのに、その商標に関する権利を有する者の承諾を得ないでその代理人若しくは代表者又は当該商標登録出願の日前1年以内に代理人若しくは代表者であった者によってされたもの」に該当する。
3 被請求人の主張について
被請求人は、2014年に請求人商品の取り扱いを開始して以降、一貫して、被請求人と請求人間に直接の取引関係はなく、契約書などを取り交わしたこともない旨、また、その業務形態から、被請求人は一般の輸入販売業者(小売店)という域を出ない旨主張する。
しかしながら、上記認定のとおり、請求人と、その独占的販売代理店であったユーロイーコム社との間には、少なくとも2018年1月ないし12月の期間に継続的な取引があり、ユーロイーコム社から日本に輸出された請求人商品は全て被請求人に納品され、被請求人がユーロイーコム社の「日本国内サービスステーション」として、日本における請求人商品の販売元となっていたのであるから、その事実をもってすれば、請求人とユーロイーコム社及び被請求人との間には、継続的な取引により慣行上の信頼関係が形成され、被請求人は、日本国内における請求人商品の販売体系に組み込まれるような立場にあった者とみるべきである。
したがって、被請求人は、商標法第53条の2にいう「当該商標登録出願の日前1年以内に代理人若しくは代表者であった者」に該当するというべきであるから、上記被請求人の主張は採用することができない。
4 むすび
以上のとおり、本件商標は、パリ条約の同盟国等において商標に関する権利を有する者の当該権利に係る商標又はこれに類似する商標であって、当該権利に係る商品又はこれに類似する商品を指定商品とするものであり、かつ、その商標登録出願が、正当な理由がないのに、当該権利を有する者の承諾を得ないで、当該商標登録出願の日前1年以内に代理人であつた者によってされたものと認められる。
したがって、本件商標は、商標法第53条の2に規定する要件をすべて満たしているものと認められるから、その登録は、同規定により、取り消すべきものである。
よって、結論のとおり審決する。
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2020-300733