特許拒絶査定不服審判
2020-015708
リソース衝突低減方法およびUE
- 審判番号
- 2020-015708
- 法域
- 特許
- 審判種別
- 拒絶査定不服審判(拒絶査定不服の審決)
- 出願番号
- 特願2018-507517外部サイト(J-PlatPat)へ移動します
- 請求日
- 2020年11月13日
- 審決日
- 2022年01月06日
- 公報発行日
- 2022年02月25日
- 結論
- 原査定取消(特許/登録すべき)
- 分類
- P18 .121-WY (H04W) / P18 .113-WY (H04W) / P18 .537-WY (H04W)
- 条文(本文から自動抽出・参考)
- 特許法第29条第2項、特許法第36条第6項第2号、特許法第29条第1項第3号
- データ出所
- 審決公報(XML)
事件の表示
特願2018-507517「リソース衝突低減方法およびUE」拒絶査定不服審判事件〔平成29年 2月23日国際公開、WO2017/028044、平成30年 9月20日国内公表、特表2018-527824、請求項の数(11)〕について、次のとおり審決する。
結論
結 論
原査定を取り消す。
本願の発明は、特許すべきものとする。
理由
理 由
第1 手続の経緯
本願は、2015年(平成27年)8月14日を国際出願日とする出願であって、その手続の経緯は以下のとおりである。
平成30年 3月27日 :手続補正書の提出
平成31年 1月30日付け:拒絶理由通知書
令和 元年 5月 8日 :意見書、手続補正書の提出
令和 元年10月29日付け:拒絶理由通知書
令和 2年 2月12日 :意見書、手続補正書の提出
令和 2年 7月 8日付け:拒絶査定
令和 2年11月13日 :拒絶査定不服審判の請求、手続補正書の提出
令和 3年 1月28日 :上申書
令和 3年 4月26日 :上申書
令和 3年 7月29日付け:拒絶理由通知書(当審)
令和 3年11月 2日 :意見書、手続補正書の提出
第2 原査定の概要
原査定(令和2年7月8日付け拒絶査定)の概要は次のとおりである。
(進歩性):この出願の下記の請求項に係る発明は、その出願前に日本国内又は外国において、頒布された下記の刊行物に記載された発明又は電気通信回線を通じて公衆に利用可能となった発明に基いて、その出願前にその発明の属する技術の分野における通常の知識を有する者が容易に発明をすることができたものであるから、特許法第29条第2項の規定により特許を受けることができない。 記
・請求項1ないし3、5ないし10、12ないし15に対して、引用文献1、4、5又は、2、4、5又は3、4、5
引用文献等一覧
1.Huawei, HiSilicon,Mode 2 resource allocation for D2D[online],3GPP TSG-RAN WG1#78 R1-142839,2014年 8月10日,[検索日2019.01.30], インターネット<URL:https://www.3gpp.org/ftp/tsg_ran/WG1_RL1/TSGR1_78/Docs/R1-142839.zip>, 2節, 3.1節, 3.2節, 3.4節(以下、「引用文献1」という。)
2.Huawei, HiSilicon,Distributed resource allocation from mode-2[online],3GPP TSG-RAN WG1#77 R1-141929,2014年 5月10日,[検索日2019.01.30], インターネット<URL:https://www.3gpp.org/ftp/tsg_ran/WG1_RL1/TSGR1_77/Docs/R1-141929.zip>, 2節, 3.1節, 3.2節, 3.4節(以下、「引用文献2」という。)
3.特開2015-12591号公報(以下、「引用文献3」という。)
4.Ericsson, Qualcomm,WF on Pools Configuration[online],3GPP TSG-RAN WG1#78 R1-143455,2014年 8月27日,[検索日2019.10.29], インターネット<URL:https://www.3gpp.org/ftp/tsg_ran/WG1_RL1/TSGR1_78/Docs/R1-143455.zip>, "Proposal: Resource Pool Parameters"スライド(以下、「引用文献4」という。)
5.Ericsson,SA resource allocation[online],3GPP TSG-RAN WG1#78b R1-144326,2014年 9月27日,[検索日2019.10.29], インターネット<URL:https://www.3gpp.org/ftp/tsg_ran/WG1_RL1/TSGR1_78b/Docs/R1-144326.zip>, 1節,2節(以下、「引用文献5」という。)
第3 当審拒絶理由の概要
当審における令和3年7月29日付け拒絶理由通知書で通知した拒絶理由(以下、「当審拒絶理由」という。)の概要は次のとおりである。
1.(明確性)この出願は、特許請求の範囲の記載が下記の点で、特許法第36条第6項第2号に規定する要件を満たしていない。
2.(新規性)この出願の下記の請求項に係る発明は、その出願前に日本国内又は外国において、頒布された下記の刊行物に記載された発明又は電気通信回線を通じて公衆に利用可能となった発明であるから、特許法第29条第1項第3号に該当し、特許を受けることができない。
3.(進歩性)この出願の下記の請求項に係る発明は、その出願前に日本国内又は外国において、頒布された下記の刊行物に記載された発明又は電気通信回線を通じて公衆に利用可能となった発明に基いて、その出願前にその発明の属する技術の分野における通常の知識を有する者が容易に発明をすることができたものであるから、特許法第29条第2項の規定により特許を受けることができない。
記
理由1(明確性)について
(1)請求項1には「前記第1のUEにより、前記N個の利用可能なリソースに応じてM個のリソースを決定するステップと、」と記載されている。しかしながら、前記N個の利用可能なリソースとの記載前にN個の利用可能なリソースとの記載は存在しないため、当該前記N個が何を表しているのか不明である。
請求項7についても同様である。
よって、請求項1、7に係る発明、及び、請求項1、7を引用する請求項2ないし6、8ないし12、13に係る発明、すなわち、請求項1ないし13に係る発明は明確でない。
(2)請求項1には、「Sが1以上の整数であり、Nが0以上S以下の整数であり、Mが0以上N以下の整数である、」及び「mおよびnが正の数であり、Sが前記第1のUEによって」と記載されている。これらのS、N、M、m及びnには前記が記載されていないため、当該記載の前のS、N、M、m、nとは異なるものを特定しているものと解されるが、何を特定しているのか不明である。
請求項7についても同様である
よって、請求項1、7に係る発明、及び、請求項1、7を引用する請求項2ないし6、8ないし12、及び請求項13に係る発明、すなわち、請求項1ないし13に係る発明は明確でない。
(3)請求項3には、「Tが、利用可能なリソースの数N、利用できないリソースの数N-S、前記利用可能なリソースの割合N/S、前記第1のUEの衝突回数c、衝突時間w、前記第1のUEのサービス優先度Q、または前記第1のUEの優先度のうちの少なくとも1つに応じて決定され」ると記載されているが、当該Tには、前記が記載されていないため、当該記載の前のTとは異なるものを特定しているものと解されるが、何を特定しているのか不明である。請求項4に記載される「S」や「N」についても、前記が記載されていないため、当該記載の前のSやNとは異なるものを特定しているものと解されるが、何を特定しているのか不明である。
請求項9、請求項10についても同様である。
よって、請求項3、4、9、10に係る発明、及び、請求項3、4を引用する請求項13に係る発明、すなわち、請求項3、4、9、10、13に係る発明は明確でない。
(4)請求項3には、「S個のリソースからN個の利用可能なリソースを決定する前記ステップ」との記載があるが、請求項3が引用する請求項1には、「S個のリソースからN個の利用可能なリソースを決定するステップ」なる記載は存在しないため、請求項3の当該「前記ステップ」が請求項1のどのステップを特定しようとしているのか不明である。
請求項9においても、「前記決定ユニットが、・・・利用可能なリソースを決定する・・・」と記載されているが、請求項9が引用する請求項7の「決定ユニット」は「利用可能なリソースであると判断する」ものであって、決定するものではないため、請求項7と請求項9で整合しておらず明確でない。
よって、請求項3、9に係る発明、及び、請求項3を引用する請求項13に係る発明、すなわち、請求項3、9、13に係る発明は明確でない。
(5)請求項4には、「Sが第1のグループ内のUEの数に対応し、Nが、前記第1のグループ内にあり、データを送信するUEの数に対応するか、またはSが前記第1のUEの隣接UEの数に対応し、Nが、前記第1のUEの前記隣接UEの中にあり、データを送信するUEの数に対応し、前記第1のUEの前記隣接UEが、前記第1のUEと直接通信することができるUEである、」と記載されている。しかしながら、第1のグループがどのようなグループを表すものであるのか特定されていないためグループ内のUEとはどのようなUEを特定しているのか不明である。また、Nが前記第1のグループ内にありとの記載、及び、Nが前記第1のUEの前記隣接UEの中にありとの記載は、それぞれ日本語として意味不明である。
請求項10についても同様である。
よって、請求項4、10に係る発明、及び、請求項4を引用する請求項13に係る発明、すなわち、請求項4、10、13に係る発明は明確でない。
(6)請求項7には、「ユーザ機器」、「第1のUE」、及び「第2のUE」が記載されているが、これらユーザ機器、第1のUE、第2のUEの関係が規定されていないため、ユーザ機器、第1のUE、第2のUEの間の関係が不明確である。
よって、請求項7に係る発明、及び、請求項7を引用する請求項8ないし12に係る発明、すなわち、請求項7ないし12に係る発明は明確でない。
理由2(新規性)、理由3(進歩性)について
・請求項1、2、4ないし6、7、8、10ないし13に対して、引用文献1、2、4、5
引用文献等一覧
1.Huawei, HiSilicon,Mode 2 resource allocation for D2D[online],3GPP TSG-RAN WG1#78 R1-142839,2014年 8月10日アップロード,[検索日2021.7.16], インターネット<URL:https://www.3gpp.org/ftp/tsg_ran/WG1_RL1/TSGR1_78/Docs/R1-142839.zip>
2.Huawei, HiSilicon,Distributed resource allocation from mode-2[online],3GPP TSG-RAN WG1#77 R1-141929,2014年 5月10日アップロード,[検索日2021.7.16], インターネット<URL:https://www.3gpp.org/ftp/tsg_ran/WG1_RL1/TSGR1_77/Docs/R1-141929.zip>
4.Ericsson, Qualcomm,WF on Pools Configuration[online],3GPP TSG-RAN WG1#78 R1-143455,2014年 8月27日アップロード,[検索日2021.7.16], インターネット<URL:https://www.3gpp.org/ftp/tsg_ran/WG1_RL1/TSGR1_78/Docs/R1-143455.zip>, "Proposal: Resource Pool Parameters"スライド
5.Ericsson,SA resource allocation[online],3GPP TSG-RAN WG1#78b R1-144326,2014年 9月27日アップロード,[検索日2019.10.29], インターネット<URL:https://www.3gpp.org/ftp/tsg_ran/WG1_RL1/TSGR1_78b/Docs/R1-144326.zip>
第4 本願発明
本願請求項1ないし11に係る発明(以下、それぞれ「本願発明1」ないし「本願発明11」という。)は、令和3年11月2日にされた手続補正により補正された特許請求の範囲の請求項1ないし11に記載された事項により特定される発明であり、以下のとおりの発明である。
「 【請求項1】
リソース衝突低減方法であって、
第1のユーザ機器(UE)により、S個のリソースからN個の利用可能なリソースを決定するステップであって、
前記第1のUEにより、リソース構成情報を取得するステップであって、前記リソース構成情報が前記S個のリソースについての情報を備え、前記リソース構成情報が基地局によって構成されるか、または事前構成される、ステップと、
前記第1のUEにより、前記S個のリソースの各々で搬送される信号のエネルギーもしくは電力を検出し、前記リソース上で搬送される前記信号の前記エネルギーがしきい値mよりも小さいか、もしくは前記リソース上で搬送される前記信号の前記電力がしきい値nよりも小さい場合、前記リソースが利用可能なリソースであると決定するステップであって、前記mおよび前記nが正の数であり、前記Sが前記第1のUEによって取得された前記リソース構成情報によって示されるリソース数である、ステップと、
を備えるステップと、
前記第1のUEにより、前記N個の利用可能なリソースに応じてM個のリソースを決定するステップであって、
前記第1のUEが第1の事前設定条件を満たすかどうかを判定するステップと、
前記第1のUEが前記第1の事前設定条件を満たす場合、前記第1のUEにより、前記N個の利用可能なリソースに応じて前記M個のリソースを決定し、
前記第1のUEが前記第1の事前設定条件を満たさない場合、事前設定継続時間Tの間隔をおいて、前記第1のUEにより、前記N個の利用可能なリソースに応じて前記M個のリソースを決定するか、もしくは前記S個のリソースからN個の利用可能なリソースを再決定し、前記再決定されたN個の利用可能なリソースに応じて前記M個のリソースを決定するステップと、
を備えるステップと、
前記第1のUEにより、前記M個のリソースを使用することにより、少なくとも1つの第2のUEにデータを送信するステップと
を備え、
前記Sが1以上の整数であり、前記Nが0以上前記S以下の整数であり、前記Mが0以上前記N以下の整数であり、
前記Tが、前記利用可能なリソースの数N、利用できないリソースの数S-N、前記利用可能なリソースの割合N/S、前記第1のUEの衝突回数c、衝突時間w、前記第1のUEのサービス優先度Q、または前記第1のUEの優先度のうちの少なくとも1つに応じて決定され、前記第1の事前設定条件が、N≧a、N/S≧b、Q≧Q0、前記第1のUEの前記衝突回数cがC0よりも大きいこと、前記第1のUEの前記衝突時間wがW0よりも大きいこと、または、前記第1のUEの前記サービス優先度Qもしくは前記第1のUEの前記優先度がQ0よりも大きいことであり、前記aがリソースのしきい値であり、前記bが事前設定リソースに対する前記利用可能なリソースの最小割合であり、前記C0が前記衝突回数のしきい値であり、前記W0が前記衝突時間のしきい値であり、前記Q0が優先度のしきい値であり、前記cが0以上の整数であり、前記wが正の数である、
リソース衝突低減方法。
【請求項2】
前記第1のUEにより、前記N個の利用可能なリソースに応じて前記M個のリソースを決定することが、
前記第1のUEにより、前記N個の利用可能なリソースから前記M個のリソースをランダムに選択すること
を備える、請求項1に記載の方法。
【請求項3】
前記Sが前記第1のUEに対応する第1のグループ内のUEの数に対応し、前記Nが、前記第1のグループ内の、データを送信するUEの数に対応するか、または
前記Sが前記第1のUEの隣接UEの数に対応し、前記Nが、前記第1のUEの前記隣接UEの中の、データを送信するUEの数に対応し、前記第1のUEの前記隣接UEが、前記第1のUEと直接通信することができるUEである、
請求項1に記載の方法。
【請求項4】
前記リソースが、スケジューリング割当て(SA)リソース、サービスデータリソース、または発見リソースのうちの少なくとも1つであり、前記少なくとも1つの第2のUEに送信される前記データが、SA、サービスデータ、または発見信号のうちの少なくとも1つである、
請求項1に記載の方法。
【請求項5】
前記リソースが、SAリソースプール内のリソース、サービスデータリソースプール内のリソース、もしくは発見リソースプール内のリソースのうちの少なくとも1つであるか、またはある時間期間内に、SA、サービスデータ、もしくは発見信号のうちの少なくとも1つを送信することに利用可能なリソースである、
請求項1に記載の方法。
【請求項6】
第1のユーザ機器(UE)であって、
S個のリソースからN個の利用可能なリソースを決定するように構成された決定ユニットと、
リソース構成情報を取得するように構成され、前記リソース構成情報が前記S個のリソースについての情報を備え、前記リソース構成情報が基地局によって構成されるか、または事前構成される、取得ユニットと、を備え、
前記S個のリソースから前記N個の利用可能なリソースを決定することが、前記S個のリソースの各々で搬送される信号のエネルギーもしくは電力を検出し、前記リソース上で搬送される前記信号の前記エネルギーがしきい値mよりも小さいか、もしくは前記リソース上で搬送される前記信号の前記電力がしきい値nよりも小さい場合、前記リソースが利用可能なリソースであると決定することを含み、前記mおよび前記nが正の数であり、前記Sが前記第1のUEによって取得された前記リソース構成情報によって示されるリソース数であり、
前記決定ユニットが、前記N個の利用可能なリソースに応じてM個のリソースを決定するようにさらに構成され、
前記N個の利用可能なリソースに応じて前記M個のリソースを決定することが、
前記第1のUEが第1の事前設定条件を満たすかどうかを判定することと、
前記第1のUEが前記第1の事前設定条件を満たす場合、前記N個の利用可能なリソースに応じて前記M個のリソースを決定し、
前記第1のUEが前記第1の事前設定条件を満たさない場合、事前設定継続時間Tの間隔をおいて、前記N個の利用可能なリソースに応じて前記M個のリソースを決定するか、もしくは前記S個のリソースからN個の利用可能なリソースを再決定し、前記再決定されたN個の利用可能なリソースに応じて前記M個のリソースを決定することと、を含み
前記第1のUEが、前記M個のリソースを使用することにより、少なくとも1つの第2のUEにデータを送信するように構成された送信ユニットをさらに備え、
前記Sが1以上の整数であり、前記Nが0以上前記S以下の整数であり、前記Mが0以上前記N以下の整数であり、
前記Tが、前記利用可能なリソースの数N、利用できないリソースの数S-N、前記利用可能なリソースの割合N/S、前記第1のUEの衝突回数c、衝突時間w、前記第1のUEのサービス優先度Q、または前記第1のUEの優先度のうちの少なくとも1つに応じて決定され、前記第1の事前設定条件が、N≧a、N/S≧b、Q≧Q0、前記第1のUEの前記衝突回数cがC0よりも大きいこと、前記第1のUEの前記衝突時間wがW0よりも大きいこと、または、前記第1のUEの前記サービス優先度Qもしくは前記第1のUEの前記優先度がQ0よりも大きいことであり、前記aがリソースのしきい値であり、前記bが事前設定リソースに対する前記利用可能なリソースの最小割合であり、前記C0が前記衝突回数のしきい値であり、前記W0が前記衝突時間のしきい値であり、前記Q0が優先度のしきい値であり、前記cが0以上の整数であり、前記wが正の数である、
第1のUE。
【請求項7】
前記決定ユニットが、具体的には、前記N個の利用可能なリソースから前記M個のリソースをランダムに選択するように構成される、請求項6に記載の第1のUE。
【請求項8】
前記Sが前記第1のUEに対応する第1のグループ内のUEの数に対応し、前記Nが、前記第1のグループ内の、データを送信するUEの数に対応するか、または
前記Sが前記第1のUEの隣接UEの数に対応し、前記Nが、前記第1のUEの前記隣接UEの中の、データを送信するUEの数に対応し、前記第1のUEの前記隣接UEが、前記第1のUEと直接通信することができるUEである、
請求項6に記載の第1のUE。
【請求項9】
前記リソースが、スケジューリング割当て(SA)リソース、サービスデータリソース、または発見リソースのうちの少なくとも1つであり、前記少なくとも1つの第2のUEに送信される前記データが、SA、サービスデータ、または発見信号のうちの少なくとも1つである、請求項6に記載の第1のUE。
【請求項10】
前記リソースが、SAリソースプール内のリソース、サービスデータリソースプール内のリソース、もしくは発見リソースプール内のリソースのうちの少なくとも1つであるか、またはある時間期間内に、SA、サービスデータ、もしくは発見信号のうちの少なくとも1つを送信することに利用可能なリソースである、請求項6に記載の第1のUE。
【請求項11】
コンピュータによって実行されるときに請求項1から5の何れか1項の方法を前記コン
ピュータに実行させる命令を具備する、コンピュータ読み出し可能な記憶媒体。」
第5 引用文献の記載及び引用発明
1 引用文献1について
原査定の拒絶の理由及び当審拒絶理由で引用された、Huawei, HiSilicon,Mode 2 resource allocation for D2D(当審訳:D2Dのためのモード2のリソース割り当て)[online],3GPP TSG-RAN WG1#78 R1-142839,2014年 8月10日アップロード, インターネット<URL:https://www.3gpp.org/ftp/tsg_ran/WG1_RL1/TSGR1_78/Docs/R1-142839.zip>(引用文献1)には、以下の事項が記載されている。(下線は当審が付与。)
「2 Resource pool design
(中略)
Resource pool configration
The resource pool can be either pre-configured or semi-statically allocated. As agreed in RAN1 #76 meeting, D2D communication capable UE shall support Mode 2 for at least edge-of-coverage and/or out-of-coverage scenarios. For the out-of-coverage scenario, a pre-configured resource pool should be defined since there is no centralized controller to indicate the information of resource pool. For edge-of-coverage scenario, eNB can semi-statically allocate a Mode 2 resource pool to D2D communication capable UEs.
(後略)」(1ページ14行目~1ページ25行目)
(当審訳:
2 リソースプールの設計
(中略)
リソースプールの構成
リソースプールは、事前に設定することも、半静的に割り当てることもできる。RAN1#76の会議で合意されたように、D2D通信が可能なUEは、少なくともエッジ・オブ・カバーリッジおよび/またはアウト・オブ・カバーリッジのシナリオにおいて、モード2をサポートしなければならない。アウト・オブカバーリッジのシナリオでは、リソースプールの情報を示す集中型コントローラーがないため、事前構成されたリソースプールを定義する必要がある。エッジ・オブ・カバレッジ・シナリオでは、eNBは、モード2のリソースプールをD2D通信が可能なUEに半静的に割り当てることができる。
(後略))
「3 Resource selection procedure
(中略)
3.1 Sense
(中略)
Listening before transmitting alleviates this collision problem.
Each transmitting UE may measure all the resource units in the resource pool and determine the energy/SNR/SINR on each of them to determine if there is a close-by UE transmitting. If the energy/SNR/SINR level “X” is beyond a predefined threshold X0, then the resource should be considered as occupied, otherwise it is available. Through sensing, UEs can know which resources are already occupied by other transmitters and which resources are available. Only the available resources can be selected for direct transmission.
(中略)
3.2 Select
UEs can obtain a set of available resources in the current period through sensing. Then they can randomly select some resource units from the available resources set as shown in Figure 2.
(中略)
3.4 Transmit
Finally, a Mode 2 transmitting UE can transmit data on its selected resource which will indicate to the receivers on a related SA resource.
(後略)」(2ページ4行目~5ページ7行目)
(当審訳:
3 リソース選択手順
(中略)
3.1 センス
(中略)
送信前にリスニングすることで、この衝突問題を軽減する。
各送信UEは、リソースプール内のすべてのリソースユニットを測定し、それぞれのリソースユニットのエネルギー/SNR/SINRを決定して、送信している近くのUEがいるかどうかを判断する。エネルギー/SNR/SINRレベル「X」が事前定義された閾値X0を超えると、リソースは占有されているとみなされるべきであり、そうでなければそれは利用可能である。センシングにより、UEは、どのリソースが他の送信機によってすでに占有されているか、どのリソースが利用可能かを知ることができる。利用可能なリソースのみを選択して直接送信することができる。
(中略)
3.2 選択
UEは、センシングによって現在の期間内に利用可能なリソースのセットを取得できる。次に、図2に示すように、利用可能なリソースセットからランダムにいくつかのリソースユニットを選択できる。
(中略)
3.4 送信
最後に、モード2の送信UEは、選択したリソース上でデータを送信することができ、これにより、受信者は関連するSAリソース上でデータを受信できる。
(後略))
上記記載及び当業者の技術常識を考慮すると、次のことがいえる。
ア 上記「2 リソースプールの設計」の「リソースプールの構成」には、「D2D通信が可能なUEは、少なくともエッジ・オブ・カバーリッジおよび/またはアウト・オブ・カバーリッジのシナリオにおいて、モード2をサポートしなければならない。アウト・オブ・カバーリッジのシナリオでは、リソースプールの情報を示す集中型コントローラーがないため、事前構成されたリソースプールを定義する必要がある。エッジ・オブ・カバレッジ・シナリオでは、eNBは、モード2のリソースプールをD2D通信が可能なUEに半静的に割り当てることができる。」と記載されているから、引用文献1には、「D2D通信が可能なUEは、エッジ・オブ・カバーリッジおよび/またはアウト・オブ・カバーリッジのシナリオにおいて、モード2をサポートするものであ」ること、「アウト・オブ・カバーリッジのシナリオでは、事前構成されたリソースプールを定義し、エッジ・オブ・カバレッジ・シナリオでは、eNBは、モード2のリソースプールをD2D通信が可能なUEに半静的に割り当てる」こと、すなわち、「アウト・オブ・カバーリッジのシナリオでは、事前構成されたリソースプールを定義し、エッジ・オブ・カバレッジ・シナリオでは、モード2のリソースプールをD2D通信が可能なUEはeNBから半静的に割り当てられる」ことが記載されているといえる。
イ 上記「3 リソース選択手順」の「3.1 センス」には、「各送信UEは、リソースプール内のすべてのリソースユニットを測定し、それぞれのリソースユニットのエネルギー/SNR/SINRを決定して、送信している近くのUEがいるかどうかを判断する。エネルギー/SNR/SINRレベル「X」が事前定義された閾値X0を超えると、リソースは占有されているとみなされるべきであり、そうでなければそれは利用可能である。センシングにより、UEは、どのリソースが他の送信機によってすでに占有されているか、どのリソースが利用可能かを知ることができる。利用可能なリソースのみを選択して直接送信することができる。」と記載されているから、引用文献1には、「各送信UEは、センシングにより、リソースプール内のすべてのリソースユニットを測定し、それぞれのリソースユニットのエネルギーレベル「X」が事前定義された閾値X0を超えると、リソースは占有されているとみなし、そうでなければリソースは利用可能であるかを知る」ことが記載されているといえる。
ウ 上記「3 リソース選択手順」の「3.2 選択」には、「UEは、センシングによって現在の期間内に利用可能なリソースのセットを取得できる。」、「利用可能なリソースセットからランダムにいくつかのリソースユニットを選択できる。」と記載されているから、引用文献1には、「UEは、センシングによって、利用可能なリソースのセットを取得し、利用可能なリソースのセットからランダムにいくかのリソースユニットを選択できる」ことが記載されているといえる。
エ 上記「3 リソース選択手順」の「3.4 送信」には、「モード2の送信UEは、選択したリソース上でデータを送信することができ」ると記載されているから、引用文献1には、「モード2の送信UEは、選択したリソース上でデータを送信することができる」ことが記載されているといえる。
オ 引用文献1は、引用文献1のタイトルに「D2Dのためのモード2のリソース割り当て」とあるように、リソース割り当てについて記載されたものであって、上記「3 リソース選択手順」の「3.1 センス」には、「送信前にリスニングすることで、この衝突問題を軽減する。」と記載され、上記「ア」ないし「エ」での各動作は、利用可能なリソースを取得することによって衝突問題を軽減するためのリソース選択方法であるといえるから、引用文献1には、「D2Dのためのモード2のリソース割り当ての際の衝突問題軽減方法」が記載されているといえる。
以上を総合すると、引用文献1には、以下の発明(以下、「引用発明1」という。)が記載されていると認められる。
「D2Dのためのモード2のリソース割り当ての際の衝突問題軽減方法であって、
D2D通信が可能なUEは、エッジ・オブ・カバーリッジおよび/またはアウト・オブ・カバーリッジのシナリオにおいて、モード2をサポートするものであり、
アウト・オブ・カバーリッジのシナリオでは、事前構成されたリソースプールを定義し、エッジ・オブ・カバレッジ・シナリオでは、モード2のリソースプールをD2D通信が可能なUEはeNBから半静的に割り当てられ、
各送信UEは、センシングにより、リソースプール内のすべてのリソースユニットを測定し、それぞれのリソースユニットのエネルギーレベル「X」が事前定義された閾値X0を超えると、リソースは占有されているとみなし、そうでなければリソースは利用可能であるかを知り、
UEは、センシングによって、利用可能なリソースのセットを取得し、利用可能なリソースのセットからランダムにいくかのリソースユニットを選択でき、
モード2の送信UEは、選択したリソース上でデータを送信することができる、
方法。」
2 引用文献2について
原査定の拒絶の理由及び当審拒絶理由で引用された、Huawei, HiSilicon,Distributed resource allocation from mode-2(当審訳:モード2からの分散型リソース割り当て)[online],3GPP TSG-RAN WG1#77 R1-141929,2014年 5月10日アップロード,インターネット<URL:https://www.3gpp.org/ftp/tsg_ran/WG1_RL1/TSGR1_77/Docs/R1-141929.zip>(引用文献2)には、以下の事項が記載されている。(下線は当審が付与。)
「2 Resource pool
(中略)
For the out-of-coverage scenario, some pre-configured resource pools should be defined. Similarly for edge-of-coverage scenario, the resource pools can be semi-statically allocated. The pre-configured and/or semi-statically allocated resource pools are used for mode 2 UEs to select resources for D2D transmission.(後略)」(1ページ13行目~1ページ18行目)
(当審訳:
2 リソースプール
(中略)
アウト・オブ・カバーリッジのシナリオでは、事前に設定されたリソースプールを定義する必要がある。同様に、エッジ・オブ・カバーリッジのシナリオでは、リソースプールを半静的に割り当てることができる。事前設定および/または半静的に割り当てられたリソースプールは、モード2UEがD2D伝送用のリソースを選択するために使用される。(後略))
「3 Mode 2 procedure
(中略)
3.1 Sensing
(中略)
Before the UEs select resources, they sense the available resources within the resource pool, with a similar process than what is used in WiFi. For example, they may perform some energy detection. If the energy is beyond some predefined threshold, then the resource should be considered as occupied, otherwise it is available.
Through sensing, UEs can know which resources are already occupied by other UEs and which resources are available. Only the available resources can be selected for direct transmission.
(中略)
3.2 Selection
After sensing, UEs can estimate the set of available resources in the current period. They can randomly select one or more resource units from the available resources set.
(中略)
3.4 Transmission
If the UE has obtained some available resources, the UE can transmit in the same resources in every period for a given duration of time to avoid frequent contention.
(後略)」(1ページ下から12行目~3ページ下から20行目)
(当審訳:
3 モード2の手順
(中略)
3.1 センシング
(中略)
UEは、リソースを選択する前に、リソースプール内の利用可能なリソースをWiFiで使用されているものと同様のプロセスで感知する。例えば、UEはエネルギーの検出を行う。エネルギーが事前に定義されたしきい値を超えていれば、そのリソースは占有されているとみなされ、そうでなければ利用可能であるとみなされる。
UEは、センシングにより、どのリソースが他のUEによってすでに占有されているか、どのリソースが利用可能かを知ることができる。利用可能なリソースのみを直接送信用に選択することができる。
(中略)
3.2 選択
センシング後、UEは現在の期間で利用可能なリソースのセットを推定することができる。UEは、利用可能なリソースセットから1つまたは複数のリソースユニットをランダムに選択できる。
(中略)
3.4 送信
UEがいくつかの利用可能なリソースを取得した場合、UEは頻繁な競合を避けるために、所定の期間ごとに同じリソースで送信することができる。
(後略))
上記記載及び当業者の技術常識を考慮すると、次のことがいえる。
ア 上記「2 リソースプール」には、「アウト・オブ・カバーリッジのシナリオでは、事前に設定されたリソースプールを定義する必要がある。同様に、エッジ・オブ・カバーリッジのシナリオでは、リソースプールを半静的に割り当てることができる。事前設定および/または半静的に割り当てられたリソースプールは、モード2UEがD2D伝送用のリソースを選択するために使用される。」と記載されているから、引用文献2には、「アウト・オブ・カバーリッジのシナリオでは、事前設定されたリソースプールを定義し、エッジ・オブ・カバレッジ・シナリオでは、リソースプールを半静的に割り当てる」こと、「事前設定および/または半静的に割り当てられたリソースプールは、モード2UEがD2D伝送用のリソースを選択するために使用される」ことが記載されているといえる。
イ 上記「3 モード2の手順」の「3.1 センシング」には、「UEは、リソースを選択する前に、リソースプール内の利用可能なリソースをWiFiで使用されているものと同様のプロセスで感知する。例えば、UEはエネルギーの検出を行う。エネルギーが事前に定義されたしきい値を超えていれば、そのリソースは占有されているとみなされ、そうでなければ利用可能であるとみなされる。」と記載されているから、引用文献2には、「リソースを選択する前に、リソースプール内の利用可能なリソースを感知し、UEはエネルギーの検出を行い、エネルギーが事前に定義されたしきい値を超えていれば、そのリソースは占有されているとみなし、そうでなければ利用可能であるとみなす」ことが記載されているといえる。
ウ 上記「3 モード2の手順」の上記「3.2 選択」には、「センシング後、UEは現在の期間で利用可能なリソースのセットを推定することができる。UEは、利用可能なリソースセットから1つまたは複数のリソースユニットをランダムに選択できる。」と記載されているから、引用文献2には、「UEは、センシング後、利用可能なリソースのセットを推定し、利用可能なリソースセットから1つまたは複数のリソースユニットをランダムに選択できる」ことが記載されているといえる。
エ 上記「3 モード2の手順」の上記「3.4 送信」には、「UEがいくつかの利用可能なリソースを取得した場合、UEは頻繁な競合を避けるために、所定の期間ごとに同じリソースで送信することができる。」と記載されており、当該送信の際に利用されるリソースは、上記ウで述べた「3.2 選択」において選択されたリソースであることは明らかであるから、引用文献2には、「モード2の送信UEは、選択したリソース上でデータを送信することができる」ことが記載されているといえる。
オ 引用文献2は、タイトルにもあるように「モード2からの分散型リソース割り当て」に関するものであって、上記「ア」ないし「エ」での各動作の動作を行うものであるから、引用文献2には、「モード2からの分散型リソース割り当て方法」が記載されているといえる。
以上を総合すると、引用文献2には、以下の発明(以下、「引用発明2」という。)が記載されていると認められる。
「モード2からの分散型リソース割り当て方法であって、
アウト・オブ・カバーリッジのシナリオでは、事前設定されたリソースプールを定義し、エッジ・オブ・カバレッジ・シナリオでは、リソースプールを半静的に割り当てるものであり、
事前設定および/または半静的に割り当てられたリソースプールは、モード2UEがD2D伝送用のリソースを選択するために使用され、
リソースを選択する前に、リソースプール内の利用可能なリソースを感知し、UEはエネルギーの検出を行い、エネルギーが事前に定義されたしきい値を超えていれば、そのリソースは占有されているとみなし、そうでなければ利用可能であるとみなし、
UEは、センシング後、利用可能なリソースのセットを推定し、利用可能なリソースセットから1つまたは複数のリソースユニットをランダムに選択でき、
モード2の送信UEは、選択したリソース上でデータを送信することができる、
方法。」
3 引用文献3について
原査定の拒絶の理由で引用された、特開2015-12591号公報(引用文献3)には、以下の事項が記載されている。(下線は当審が付与。)
「【0014】
本発明は上記の点に鑑みてなされたものであり、限られたリソースを用いて端末間通信を行う複数のユーザ装置UE間において、衝突が生じる可能性を低減させ、端末間通信のパフォーマンスを向上させるための技術を提供することを目的とする。
(中略)
【0021】
図5は、本実施の形態における発見リソースに関わるリソース構成の例を説明するための図である。図5に示す例では、説明を分かり易くするための一例として、図5(a)に示すように、1回の発見信号送信機会(発見期間)において、4×4=16個の発見リソース(DR:discovery resource)が使用可能であるとする。便宜上、発見リソースDRとして使用可能な当該領域を発見リソース全体領域と呼ぶことにする。ここで、1個の発見リソースDRは、ユーザ装置UEが発見信号を送信するために用いる最小単位のリソースであり、例えば、LTEで規定された複数のRB(リソースブロック)からなる。」
「【0083】
(第2の実施の形態)
次に、第2の実施の形態を図面を参照して説明する。第2の実施の形態は、第1の実施の形態において、分散型での割り当てを受けたユーザ装置UEが、割り当てられたリソースプール(RP)内で任意にDRを選択する際の詳細な処理例を説明するものである。ただし、第2の実施の形態で説明するバックオフ制御を用いる処理は、第1の実施の形態での処理の有無に関わりなく、ユーザ装置UEがDRの集合からDRを選択する際に一般的に使用できるものである。
(中略)
【0086】
発見期間において、ユーザ装置UEは、使用可能な全てのDRをモニタ(状態検知)する(ステップ201)。ユーザ装置UEは、全てのDRの受信電力レベル(エネルギレベル)が所定の閾値以上か否かを判定する(ステップ202)。
(中略)
【0090】
図23に戻り、ステップ202において、全てのDRの受信電力レベルが所定の閾値以上ではないと判定された場合(ステップ202のNo)、ステップ205に進む。ステップ205において、ユーザ装置UEは、DRの受信電力レベル等に基づいて空きのDR(他のUEに使用されていないDR)が有るか否かを判定する。
【0091】
ステップ205において空きDRが有ると判定された場合(ステップ205のYes)、ユーザ装置UEは、空きDRの中から1つのDRを任意に(例:ランダムに)選択し、当該DRを用いて発見信号の送信を行う(ステップ206)。」
上記記載及び当業者の技術常識を考慮すると、次のことがいえる。
ア 上記段落【0021】には、「発見リソース(DR:discovery resource)」と記載され、上記段落【0083】には、「分散型での割り当てを受けたユーザ装置UEが、割り当てられたリソースプール(RP)内で任意にDRを選択する際の詳細な処理例を説明するものである。」と記載されているから、引用文献3には、「ユーザ装置UEが、割り当てられたリソースプール(RP)内で任意に発見リソース(DR)を選択する」ことが記載されているといえる。
イ 上記段落【0086】には、「ユーザ装置UEは、使用可能な全てのDRをモニタ(状態検知)する(ステップ201)。ユーザ装置UEは、全てのDRの受信電力レベル(エネルギレベル)が所定の閾値以上か否かを判定する(ステップ202)。」と記載され、上記段落【0090】には、「全てのDRの受信電力レベルが所定の閾値以上ではないと判定された場合(ステップ202のNo)、ステップ205に進む。ステップ205において、ユーザ装置UEは、DRの受信電力レベル等に基づいて空きのDR(他のUEに使用されていないDR)が有るか否かを判定する。」と記載されているから、引用文献3には、「ユーザ装置UEは、使用可能な全てのDRをモニタ(状態検知)し、ユーザ装置UEは、全てのDRの受信電力レベル(エネルギレベル)が所定の閾値以上か否かを判定し、全てのDRの受信電力レベルが所定の閾値以上ではないと判定された場合、ユーザ装置UEは、DRの受信電力レベル等に基づいて空きのDR(他のUEに使用されていないDR)が有るか否かを判定する」ことが記載されているといえる。
ウ 上記段落【0091】には、「空きDRが有ると判定された場合(ステップ205のYes)、ユーザ装置UEは、空きDRの中から1つのDRを任意に(例:ランダムに)選択し、当該DRを用いて発見信号の送信を行う(ステップ206)。」と記載されているから、引用文献3には、「空きDRが有ると判定された場合、ユーザ装置UEは、空きDRの中から1つのDRをランダムに選択し、当該DRを用いて発見信号の送信を行う」ことが記載されている。
エ 引用文献3は、段落【0014】に「限られたリソースを用いて端末間通信を行う複数のユーザ装置UE間において、衝突が生じる可能性を低減させ、端末間通信のパフォーマンスを向上させるための技術を提供することを目的とする」とあるように、ユーザ装置UE間において(リソースの)衝突が生じる可能性を低減させるためのものであって、上記「ア」ないし「ウ」での各動作は、当該空きDRを判定することによって、リソースの衝突が発生しないようにするための方法であるといえるから、引用文献3には、「端末間通信のためのリソース衝突低減方法」が記載されているといえる。
以上を総合すると、引用文献3には、以下の発明(以下、「引用発明3」という。)が記載されていると認められる。
「端末間通信のためのリソース衝突低減方法であって、
ユーザ装置UEが、割り当てられたリソースプール(RP)内で任意に発見リソース(DR)を選択し、
ユーザ装置UEは、使用可能な全てのDRをモニタ(状態検知)し、ユーザ装置UEは、全てのDRの受信電力レベル(エネルギレベル)が所定の閾値以上か否かを判定し、全てのDRの受信電力レベルが所定の閾値以上ではないと判定された場合、ユーザ装置UEは、DRの受信電力レベル等に基づいて空きのDR(他のUEに使用されていないDR)が有るか否かを判定し、
空きDRが有ると判定された場合、ユーザ装置UEは、空きDRの中から1つのDRをランダムに選択し、当該DRを用いて発見信号の送信を行う、
方法。」
4 引用文献4について
原査定の拒絶の理由で引用された、Ericsson, Qualcomm,WF on Pools Configuration(当審訳:WFプールの構成)[online],3GPP TSG-RAN WG1#78 R1-143455,2014年 8月27日,[検索日2019.10.29], インターネット<URL:https://www.3gpp.org/ftp/tsg_ran/WG1_RL1/TSGR1_78/Docs/R1-143455.zip>, "Proposal: Resource Pool Parameters"スライド(引用文献4)には、以下の事項が記載されている。(下線は当審が付与。)
「Proposal: Resource Pool Parameters
Transmission and reception resource pool for SA, Discovery, and Mode 2 data of a cell is indicated using
(中略)
-prbLength: length of a D2D allocation in PRB
(後略)」(スライド2枚目)
(当審訳:
提案:リソースプールのパラメータ
セルのSA、Discovery、Mode2データの送受信リソースプールは、以下を用いて示される。
(中略)
prbLength:PRBにおけるD2Dアロケーションの長さ
(後略))
そうすると、引用文献4には、「Mode2データの送受信リソースプールは、PRBにおけるD2Dアロケーションの長さ(prbLength)を用いて示される」という技術事項が記載されていると認められる。
5 引用文献5について
原査定の拒絶の理由で引用された、Ericsson,SA resource allocation(当審訳:SAリソースの割り当て)[online],3GPP TSG-RAN WG1#78b R1-144326,2014年 9月27日,[検索日2019.10.29], インターネット<URL:https://www.3gpp.org/ftp/tsg_ran/WG1_RL1/TSGR1_78b/Docs/R1-144326.zip>,(引用文献5)には、以下の事項が記載されている。(下線は当審が付与。)
「1 Introduction
(中略)
The SA resource allocation for D2D was also discussed at RAN1 #78 but no agreement can be reached. This paper discussed the SA resource allocation for D2D communication. We provide a SA resource pattern and address the mapping between SA resource index and SA resource patterns for mode-1 communication.
2 SA resource allocation
The SA resource pool configuration was agreed at RAN1 #78. In summary, it was defined in time domain and frequency domain respectively.
(中略)
・Frequency domain: Three parameters are used to indicate the SA resources in frequency
・Length of SA pool in PRBs
・The start PRB index of SA pool
・The end PRB index of SA pool
(後略)」(1ページ7行目~1ページ26行目)
(当審訳:
1 序論
(中略)
RAN1#78でもD2DのSAリソース配分について議論されたが、合意には至らなかった。本稿では、D2D通信のSAリソース割り当てについて議論した。SAリソースパターンを提供し、mode-1通信のSAリソースインデックスとSAリソースパターンのマッピングを扱う。
2 SAリソースの割り当て
SAリソースプールの構成は、RAN1#78で合意された。要約すると、時間領域と周波数領域でそれぞれ定義された。
(中略)
周波数ドメイン:SAリソースを周波数で示すために、以下の3つのパラメータを使用する。
SAプールの長さ(PRB)
SAプールの開始PRBインデックス
SAプールの終了PRBインデックス
(後略))
そうすると、引用文献5には、「D2D通信のSAリソース割り当てにおいて、SAリソースプールの構成は、少なくともSAプールの長さ(PRB)を使用する。」という技術事項が記載されていると認められる。
第6 対比・判断
1 本願発明1について
(1)対比
本願発明1と引用発明1とを対比すると、以下のことがいえる。
ア 引用発明1の「UE」は、本願発明1の「第1のユーザ機器(UE)」に含まれる。そして、引用発明1では、リソースプールは、事前構成されるか、若しくはeNBから半静的に割り当てられるものであるから、本願発明1と引用発明1は、「リソースが基地局によって構成されるか、または事前構成されるステップ」を有する点で共通する。
イ 引用発明1には、各送信UEは、それぞれのリソースユニットのエネルギーレベル「X」が事前定義された閾値X0を超えると、リソースは占有されているとみなし、そうでなければリソースは利用可能であるかを知るものであるから、リソースユニットのエネルギーレベルは、リソースが利用可能なリソースであると知るため、すなわち、リソースが利用可能なリソースであると決定するためのものである。そして、エネルギーレベル「X」が閾値X0を超えるとリソースを占有されているとみなし、そうでなければ、リソースは利用可能なリソースであると判断するものであるから、エネルギーレベル「X」が閾値X0を超えない場合、すなわちエネルギーが閾値X0より小さい場合、リソースが利用可能なリソースであると決定するものであるといえ、引用発明1の「閾値X0」は、本願発明1の「しきい値m」に相当するものといえる。また、引用発明1のUEは、センシングにより、リソースプール内のすべてのリソースユニットを測定し、リソースユニットのエネルギーレベル「X」が閾値X0を超えているか否かの判断を行っているものであり、リソースユニットのエネルギーレベルが一定の閾値を超える値を有しているということは、そのリソースユニットにおいて信号が搬送されていることは明らかであるから、引用発明1は、送信UEにより各リソースユニットで搬送される信号のエネルギーを検出するもの、すなわち、第1のUEにより、リソースの各々で搬送される信号のエネルギーを検出するものであるといえる。また、リソースユニットが少なくとも1つのリソースを含むことは明らかである。
そうすると、本願発明1と引用発明1は、「第1のユーザ機器(UE)により、リソースの各々で搬送される信号のエネルギーを検出し、エネルギーがしきい値mより小さい場合、リソースが利用可能なリソースであると決定するステップ」を有する点で共通する。
ウ 引用発明1のUEは、センシングによって、利用可能なリソースセットを取得し、利用可能なリソースのセットからランダムにいくつかのリソースユニットを選択するものであるから、利用可能なリソースセットには、ランダムに選択されたいくつかのリソースユニットの数よりも、多く又は同数のリソースユニットが含まれるものであり、リソーセット及びリソースユニットがそれぞれ少なくとも1つのリソースを含むことは明らかである。また、引用発明1の選択されたリソースユニットは、データ送信のために利用されるものであるから、リソースユニットを選択することは、送信に利用するリソースユニットを決定するものであるといえる。一方、本願発明1においても、N個の利用可能なリソースに応じて、M個のリソースを決定するものである(MがN以下)から、本願発明1と引用発明1は、「第1のユーザ機器(UE)により、N個の利用可能なリソースに応じてM個のリソースを決定するステップ」を有する点で共通する。
エ 上記イ及びウで述べたように、引用発明1は、リソースプール内のすべてのリソースユニットを測定し、それぞれのリソースユニットのエネルギーレベルを検出し、リソースユニットが有するエネルギーレベルによって、リソースが送信に利用可能なリソースであると決定するのであるから、リソースプールには、送信に利用不可能なリソースも含むものであり、引用発明1の該リソースが送信に利用不可能なリソースを含むリソースプールは、N個の利用可能なリソースよりも多くのリソースであることは明らかであるから、該リソースプール(リソースが送信に利用不可能なリソースを含むリソースプール)は、本願発明1の「S個のリソース」に相当する。
また、上記イ及びウで述べたとおり、引用発明1は、リソースプールから、リソースのセットを取得し、リソースのセットからリソースユニットを選択するものであり、リソースプール、リソースのセット、リソースユニットは少なくとも1以上のリソースを含むものであるから、リソースプールのリソースは1以上の整数個であり、リソースのセット内のリソースの個数は、0以上リソースプールのリソースの個数以下の整数であり、リソースユニット内のリソースの個数は、0以上リソースのセット内のリソースの個数となることは自明である。
そうすると、本願発明1と引用発明1は、「Sが1以上の整数であり、Nが0以上S以下の整数であり、Mが0以上N以下の整数である」点で共通する。
そして、上記アないしウに述べたとおり、該リソースプールから、送信に利用可能なリソースを決定するものであるといえるから、引用発明1は、S個のリソースに相当するリソースプールから、送信に利用可能なリソース、すなわちN個の利用可能なリソースを決定するものであるといえる。
そうすると、本願発明1と引用発明1は、「第1のユーザ機器(UE)により、S個のリソースからN個の利用可能なリソースを決定するステップ」を有し、当該ステップが、「リソースが基地局によって構成されるか、または事前構成されるステップ」、及び「第1のユーザ機器(UE)により、リソースの各々で搬送される信号のエネルギーを検出し、エネルギーがしきい値mより小さい場合、リソースが利用可能なリソースであると決定するステップ」、を備える点で共通する。
オ 引用発明1の送信UEは、選択したリソース上でデータを送信するものであり、D2D通信において送信UEが存在すれば、受信するUEが少なくとも1つ存在することは明らかである。そして、引用発明1の該受信するUEは、本願発明1の「第2のUE」に含まれる。
そうすると、本願発明1と引用発明1は、「第1のユーザ機器(UE)により、M個のリソースを使用することにより、少なくとも1つの第2のUEにデータを送信するステップ」を有する点で共通する。
カ 引用発明1は、D2Dのためのモード2のリソース割り当ての際の衝突問題軽減方法であって、上記アないしエに述べたとおり、第1のUEにより、リソースの各々で搬送される信号のエネルギーを検出し、リソースが有するエネルギーによって、リソースが送信に利用可能なリソースであると決定し、利用可能なリソースから、一部のリソースを使用しデータを送信することによって、利用不可のリソースを選択しない、すなわちリソース衝突低減するためのものであるといえる。
そうすると、本願発明1と引用発明1は、「リソース衝突低減方法」である点で共通する。
以上を総合すると、本願発明1と引用発明とは、以下の点で一致し、また、相違している。
(一致点)
「 リソース衝突低減方法であって、
第1のユーザ機器(UE)により、S個のリソースからN個の利用可能なリソースを決定するステップであって、
リソースが基地局によって構成されるか、または事前構成されるステップと、
前記第1のユーザ機器(UE)により、リソースの各々で搬送される信号のエネルギーを検出し、エネルギーがしきい値mより小さい場合、リソースが利用可能なリソースであると決定するステップと、
を備えるステップと、
前記第1のユーザ機器(UE)により、前記N個の利用可能なリソースに応じて、M個のリソースを決定するステップと、
前記第1のユーザ機器(UE)により、前記M個のリソースを使用することにより、少なくとも1つの第2のUEにデータを送信するステップとを備え、
前記Sが1以上の整数であり、前記Nが0以上前記S以下の整数であり、前記Mが0以上前記N以下の整数である、
リソース衝突低減方法。」
(相違点1)
第1のユーザ機器(UE)により、S個のリソースからN個の利用可能なリソースを決定するステップにおいて、本願発明1では「第1のUEにより、リソース構成情報を取得するステップであって、前記リソース構成情報が前記S個のリソースについての情報を備え」るという発明特定事項を有するのに対し、引用発明1では、当該発明特定事項を有していない点。
(相違点2)
基地局によって、構成されるか、または事前構成されるステップにおいて、本願発明1では、構成されるのは「リソース構成情報」であるのに対し、引用発明は「リソース」である点。
(相違点3)
リソースの各々で搬送される信号のエネルギーを検出し、エネルギーがしきい値mより小さい場合、リソースが利用可能なリソースであると決定するステップにおいて、本願発明1では、リソースが「S個」であると特定されているのに対し、引用発明では特定されていない点。
(相違点4)
リソースが利用可能なリソースであると決定するステップにおいて、本願発明1では、「S個のリソースの各々で搬送される信号の電力を検出し、前記リソース上で搬送される前記信号の前記電力がしきい値nより小さい場合」に決定が行われるのに対し、引用発明では、当該特定がされていない点。
(相違点5)
本願発明1は、「前記mおよび前記nが正の数であり、前記Sが前記第1のUEによって取得された前記リソース構成情報によって示されるリソース数である」ことが特定されているのに対し、引用発明では当該特定がされていない点。
(相違点6)
第1のユーザ機器(UE)により、N個の利用可能なリソースに応じて、M個のリソースを決定するステップにおいて、本願発明1では、「前記第1のUEが第1の事前設定条件を満たすかどうかを判定するステップと、前記第1のUEが前記第1の事前設定条件を満たす場合、前記第1のUEにより、前記N個の利用可能なリソースに応じて前記M個のリソースを決定し、前記第1のUEが前記第1の事前設定条件を満たさない場合、事前設定継続時間Tの間隔をおいて、前記第1のUEにより、前記N個の利用可能なリソースに応じて前記M個のリソースを決定するか、もしくは前記S個のリソースからN個の利用可能なリソースを再決定し、前記再決定されたN個の利用可能なリソースに応じて前記M個のリソースを決定するステップと、を備えるステップ」と、「前記Tが、前記利用可能なリソースの数N、利用できないリソースの数S-N、前記利用可能なリソースの割合N/S、前記第1のUEの衝突回数c、衝突時間w、前記第1のUEのサービス優先度Q、または前記第1のUEの優先度のうちの少なくとも1つに応じて決定され、前記第1の事前設定条件が、N≧a、N/S≧b、Q≧Q0、前記第1のUEの前記衝突回数cがC0よりも大きいこと、前記第1のUEの前記衝突時間wがW0よりも大きいこと、または、前記第1のUEの前記サービス優先度Qもしくは前記第1のUEの前記優先度がQ0よりも大きいことであり、前記aがリソースのしきい値であり、前記bが事前設定リソースに対する前記利用可能なリソースの最小割合であり、前記C0が前記衝突回数のしきい値であり、前記W0が前記衝突時間のしきい値であり、前記Q0が優先度のしきい値であり、前記cが0以上の整数であり、前記wが正の数である、」という発明特定事項を有するのに対し、引用発明1は、当該発明特定事項を有していない点。
(2)相違点についての判断
事案に鑑み、まず、相違点6について検討する。
相違点6に係る本願発明1の第1のユーザ機器(UE)により、N個の利用可能なリソースに応じて、M個のリソースを決定するステップにおいて「前記第1のUEが第1の事前設定条件を満たすかどうかを判定するステップと、前記第1のUEが前記第1の事前設定条件を満たす場合、前記第1のUEにより、前記N個の利用可能なリソースに応じて前記M個のリソースを決定し、前記第1のUEが前記第1の事前設定条件を満たさない場合、事前設定継続時間Tの間隔をおいて、前記第1のUEにより、前記N個の利用可能なリソースに応じて前記M個のリソースを決定するか、もしくは前記S個のリソースからN個の利用可能なリソースを再決定し、前記再決定されたN個の利用可能なリソースに応じて前記M個のリソースを決定するステップと、を備えるステップ」と、「前記Tが、前記利用可能なリソースの数N、利用できないリソースの数S-N、前記利用可能なリソースの割合N/S、前記第1のUEの衝突回数c、衝突時間w、前記第1のUEのサービス優先度Q、または前記第1のUEの優先度のうちの少なくとも1つに応じて決定され、前記第1の事前設定条件が、N≧a、N/S≧b、Q≧Q0、前記第1のUEの前記衝突回数cがC0よりも大きいこと、前記第1のUEの前記衝突時間wがW0よりも大きいこと、または、前記第1のUEの前記サービス優先度Qもしくは前記第1のUEの前記優先度がQ0よりも大きいことであり、前記aがリソースのしきい値であり、前記bが事前設定リソースに対する前記利用可能なリソースの最小割合であり、前記C0が前記衝突回数のしきい値であり、前記W0が前記衝突時間のしきい値であり、前記Q0が優先度のしきい値であり、前記cが0以上の整数であり、前記wが正の数である、」という発明特定事項は、引用文献1並びに引用文献4及び引用文献5には記載も示唆もされていない。さらに、当該無線通信の技術分野において周知技術であるともいえない。
したがって、上記相違点1ないし5を判断するまでもなく、本願発明1は、引用発明であるとはいえないし、また、当業者といえども、引用発明1において、上記相違点3に係る本願発明1の第1のユーザ機器(UE)により、N個の利用可能なリソースに応じて、M個のリソースを決定するステップにおいて「前記第1のUEが第1の事前設定条件を満たすかどうかを判定するステップと、前記第1のUEが前記第1の事前設定条件を満たす場合、前記第1のUEにより、前記N個の利用可能なリソースに応じて前記M個のリソースを決定し、前記第1のUEが前記第1の事前設定条件を満たさない場合、事前設定継続時間Tの間隔をおいて、前記第1のUEにより、前記N個の利用可能なリソースに応じて前記M個のリソースを決定するか、もしくは前記S個のリソースからN個の利用可能なリソースを再決定し、前記再決定されたN個の利用可能なリソースに応じて前記M個のリソースを決定するステップと、を備えるステップ」と、「前記Tが、前記利用可能なリソースの数N、利用できないリソースの数S-N、前記利用可能なリソースの割合N/S、前記第1のUEの衝突回数c、衝突時間w、前記第1のUEのサービス優先度Q、または前記第1のUEの優先度のうちの少なくとも1つに応じて決定され、前記第1の事前設定条件が、N≧a、N/S≧b、Q≧Q0、前記第1のUEの前記衝突回数cがC0よりも大きいこと、前記第1のUEの前記衝突時間wがW0よりも大きいこと、または、前記第1のUEの前記サービス優先度Qもしくは前記第1のUEの前記優先度がQ0よりも大きいことであり、前記aがリソースのしきい値であり、前記bが事前設定リソースに対する前記利用可能なリソースの最小割合であり、前記C0が前記衝突回数のしきい値であり、前記W0が前記衝突時間のしきい値であり、前記Q0が優先度のしきい値であり、前記cが0以上の整数であり、前記wが正の数である、」ものとすることは、容易に想到し得たとはいえない。
よって、本願発明1は、引用発明であるとはいえないし、また、当業者であっても、引用発明並びに引用文献4ないし引用文献5に記載の技術事項に基いて容易に発明をすることができたものであるとはいえない。
また、引用発明2及び引用発明3は、引用発明1と同様のステップを有するものであって、本願発明1と引用発明1の相違点3に対応する発明特定事項を有するものでないことは明らかであるから、本願発明1は、引用発明2又は引用発明3であるとはいえないし、また、当業者であっても、引用発明2並びに引用文献4及び引用文献5に記載の技術事項、引用発明3並びに引用文献4及び引用文献5に記載の技術事項、に基いて容易に発明をすることができたものであるとはいえない。
2 本願発明2ないし5について
本願発明2ないし5は、少なくとも本願発明1に記載の発明特定事項を全て含むから、本願発明1と同じ理由により、本願発明2ないし5は、引用発明又は引用発明2又は引用発明3であるとはいえないし、また、当業者であっても、引用発明並びに引用文献4及び引用文献5に記載の技術事項、引用発明2並びに引用文献4及び引用文献5に記載の技術事項、引用発明3並びに引用文献4及び引用文献5に記載の技術事項、に基づいて容易に発明をすることができたものであるとはいえない。
3 本願発明6について
本願発明6は、本願発明1の第1のユーザ機器(UE)において用いられるリソース衝突低減方法を、第1のユーザ機器(UE)として記載したものであって、少なくとも本願発明1に記載の発明特定事項に対応する発明特定事項を全て含むから、本願発明1と同じ理由により、本願発明6は、引用発明又は引用発明2又は引用発明3であるとはいえないし、また、当業者であっても、引用発明並びに引用文献4及び引用文献5に記載の技術事項、引用発明2並びに引用文献4及び引用文献5に記載の技術事項、引用発明3並びに引用文献4及び引用文献5に記載の技術事項、に基づいて容易に発明をすることができたものであるとはいえない。
4 本願発明7ないし10について
本願発明7ないし10は、少なくとも本願発明6に記載の発明特定事項に対応する発明特定事項を全て含むから、本願発明6と同じ理由により、本願発明7ないし10は、引用発明又は引用発明2又は引用発明3であるとはいえないし、また、当業者であっても、引用発明並びに引用文献4及び引用文献5に記載の技術事項、引用発明2並びに引用文献4及び引用文献5に記載の技術事項、引用発明3並びに引用文献4及び引用文献5に記載の技術事項、に基づいて容易に発明をすることができたものであるとはいえない。
5 本願発明11について
本願発明11は、本願発明1ないし5の第1のユーザ機器(UE)において用いられるリソース衝突低減方法を、コンピュータに実行させる命令を具備する、コンピュータ読み出し可能な記憶媒体としたものであって、少なくとも本願発明1に記載の発明特定事項に対応する発明特定事項を全て含むから、本願発明1と同じ理由により、本願発明11は、引用発明又は引用発明2又は引用発明3であるとはいえないし、また、当業者であっても、引用発明並びに引用文献4及び引用文献5に記載の技術事項、引用発明2並びに引用文献4及び引用文献5に記載の技術事項、引用発明3並びに引用文献4及び引用文献5に記載の技術事項、に基づいて容易に発明をすることができたものであるとはいえない。
第7 原査定について
令和3年11月2日にされた手続補正により、本願発明1ないし11に係る発明は、「第1のユーザ機器(UE)により、M個のリソースを使用することにより、少なくとも1つの第2のUEにデータを送信するステップ」が、「前記第1のUEが第1の事前設定条件を満たすかどうかを判定するステップと、前記第1のUEが前記第1の事前設定条件を満たす場合、前記第1のUEにより、前記N個の利用可能なリソースに応じて前記M個のリソースを決定し、前記第1のUEが前記第1の事前設定条件を満たさない場合、事前設定継続時間Tの間隔をおいて、前記第1のUEにより、前記N個の利用可能なリソースに応じて前記M個のリソースを決定するか、もしくは前記S個のリソースからN個の利用可能なリソースを再決定し、前記再決定されたN個の利用可能なリソースに応じて前記M個のリソースを決定するステップと、を備えるステップ」と、「前記Tが、前記利用可能なリソースの数N、利用できないリソースの数S-N、前記利用可能なリソースの割合N/S、前記第1のUEの衝突回数c、衝突時間w、前記第1のUEのサービス優先度Q、または前記第1のUEの優先度のうちの少なくとも1つに応じて決定され、前記第1の事前設定条件が、N≧a、N/S≧b、Q≧Q0、前記第1のUEの前記衝突回数cがC0よりも大きいこと、前記第1のUEの前記衝突時間wがW0よりも大きいこと、または、前記第1のUEの前記サービス優先度Qもしくは前記第1のUEの前記優先度がQ0よりも大きいことであり、前記aがリソースのしきい値であり、前記bが事前設定リソースに対する前記利用可能なリソースの最小割合であり、前記C0が前記衝突回数のしきい値であり、前記W0が前記衝突時間のしきい値であり、前記Q0が優先度のしきい値であり、前記cが0以上の整数であり、前記wが正の数である、」という発明特定事項、又はそれに対応する発明特定事項を備えているから、上記「第6」のとおり、当業者であっても、拒絶査定において引用された引用文献1に記載された発明並びに引用文献4に記載された技術事項及び引用文献5に記載された技術事項、引用文献2に記載された発明並びに引用文献4に記載された技術事項及び引用文献5に記載された技術事項、引用文献3に記載された発明並びに引用文献4に記載された技術事項及び引用文献5に記載された技術事項、に基づいて、容易に発明をすることができたものとはいえない。したがって、原査定の理由を維持することはできない。
第8 当審拒絶理由についての判断
1 理由1(明確性)について
(1)令和3年11月2日にされた手続補正(以下、「本件補正」という。)によって、補正前の請求項1に対応する請求項1において、「前記第1のUEにより、前記N個の利用可能なリソースに応じてM個のリソースを決定するステップ」との記載より前に「第1のユーザ機器(UE)により、S個のリソースからN個の利用可能なリソースを決定するステップであって、」という文言が追加されたことによって、また、補正前の請求項7に対応する請求項6においても同様に補正されたことによって、理由1の(1)の拒絶理由は解消された。
(2)本件補正によって、補正前の請求項1における「Sが1以上の整数であり、Nが0以上S以下の整数であり、Mが0以上N以下の整数である、」及び「mおよびnが正の数であり、Sが前記第1のUEによって」との記載は、「前記Sが1以上の整数であり、前記Nが0以上前記S以下の整数であり、前記Mが0以上前記N以下の整数である、」及び「前記mおよび前記nが正の数であり、前記Sが前記第1のUEによって」と補正され、また、補正前の請求項7に対応する請求項6においても同様に補正されたことによって、理由1の(2)の拒絶理由は解消された。
(3)理由1の(3)で指摘した「T」「S」「N」という記載は、本件補正によって「前記T」「前記S」「前記N」とそれぞれ補正されたことによって、当該理由1の(3)の拒絶理由は解消された。
(4)本件補正によって、請求項1に「S個のリソースからN個の利用可能なリソースを決定するステップ」との記載が追加され、また、補正前の請求項7に対応する請求項6において、「利用可能なリソースであると決定する」と補正されたことによって、理由1の(4)の拒絶理由は解消された。
(5)本件補正によって、補正前の請求項4に対応する請求項3において「前記Sが前記第1のUEに対応する第1のグループ」であることが特定され、補正前の請求項10に対応する請求項8においても、同様の補正がなされたことによって、理由1の(5)の拒絶理由は解消された。
(6)本件補正によって、補正前の請求項7に対応する請求項6において、「第1のユーザ機器(UE)」であることが特定されることによって、理由1の(6)の拒絶理由は解消された。
以上のとおり、当審拒絶理由の理由1(明確性)で指摘した記載不備は全て解消されたため、本願は特許法第36条第6項第2号に規定する要件を満たしている。
2 理由2(新規性)、理由3(進歩性)について
本件補正により、本願発明1ないし11に係る発明は、「第1のユーザ機器(UE)により、M個のリソースを使用することにより、少なくとも1つの第2のUEにデータを送信するステップ」が、「前記第1のUEが第1の事前設定条件を満たすかどうかを判定するステップと、前記第1のUEが前記第1の事前設定条件を満たす場合、前記第1のUEにより、前記N個の利用可能なリソースに応じて前記M個のリソースを決定し、前記第1のUEが前記第1の事前設定条件を満たさない場合、事前設定継続時間Tの間隔をおいて、前記第1のUEにより、前記N個の利用可能なリソースに応じて前記M個のリソースを決定するか、もしくは前記S個のリソースからN個の利用可能なリソースを再決定し、前記再決定されたN個の利用可能なリソースに応じて前記M個のリソースを決定するステップと、を備えるステップ」と、「前記Tが、前記利用可能なリソースの数N、利用できないリソースの数S-N、前記利用可能なリソースの割合N/S、前記第1のUEの衝突回数c、衝突時間w、前記第1のUEのサービス優先度Q、または前記第1のUEの優先度のうちの少なくとも1つに応じて決定され、前記第1の事前設定条件が、N≧a、N/S≧b、Q≧Q0、前記第1のUEの前記衝突回数cがC0よりも大きいこと、前記第1のUEの前記衝突時間wがW0よりも大きいこと、または、前記第1のUEの前記サービス優先度Qもしくは前記第1のUEの前記優先度がQ0よりも大きいことであり、前記aがリソースのしきい値であり、前記bが事前設定リソースに対する前記利用可能なリソースの最小割合であり、前記C0が前記衝突回数のしきい値であり、前記W0が前記衝突時間のしきい値であり、前記Q0が優先度のしきい値であり、前記cが0以上の整数であり、前記wが正の数である、」という発明特定事項、又はそれに対応する発明特定事項を備えているから、上記「第6」のとおり、本願発明1ないし本願発明11は、引用文献1又は引用文献2に記載された発明であるとはいえないし、また、本願発明1ないし11に係る発明は、当業者であっても、拒絶査定において引用された引用文献1に記載された発明並びに引用文献4に記載された技術事項及び引用文献5に記載された技術事項、引用文献2に記載された発明並びに引用文献4に記載された技術事項及び引用文献5に記載された技術事項、に基づいて、容易に発明をすることができたものとはいえない。
第9 むすび
以上のとおり、原査定の理由によっては、本願を拒絶することはできない。
また、他に本願を拒絶すべき理由を発見しない。
よって、結論のとおり審決する。
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2020-015708