特許拒絶査定不服審判
2020-014029
部品供給装置
- 審判番号
- 2020-014029
- 法域
- 特許
- 審判種別
- 拒絶査定不服審判(拒絶査定不服の審決)
- 出願番号
- 特願2019-136928外部サイト(J-PlatPat)へ移動します
- 請求日
- 2020年10月06日
- 審決日
- 2021年12月08日
- 公報発行日
- 2022年01月28日
- 結論
- 原査定取消(特許/登録すべき)
- 当事者
- 【請求人】パナソニックIPマネジメント株式会社
- 【請求人代理人】鎌田 健司
- 【請求人代理人】野村 幸一
- 分類
- P18 .121-WY (H05K) / P18 .4 -WY (H05K) / P18 .537-WY (H05K)
- 条文(本文から自動抽出・参考)
- 特許法第29条第2項、特許法第39条第2項
- データ出所
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特願2019-136928「部品供給装置」拒絶査定不服審判事件〔令和 1年10月17日出願公開、特開2019-179938、請求項の数(2)〕について、次のとおり審決する。
結論
結 論
原査定を取り消す。
本願の発明は、特許すべきものとする。
理由
理 由
第1 手続の経緯
本願は、平成28年2月26日に出願した特願2016-34945号の一部を令和1年7月25日に新たな特許出願としたものであって、令和2年3月18日付けで拒絶理由通知がされ、令和2年5月28日に意見書及び手続補正書が提出され、令和2年6月29日付けで令和2年5月28日の手続補正について補正の却下の決定がなされるとともに拒絶査定(原査定)がされ、これに対し、令和2年10月6日に拒絶査定不服審判の請求がされると同時に手続補正がされ、令和3年5月28日付けで拒絶理由通知がされ、令和3年7月30日に意見書及び手続補正書が提出されたものである。
第2 本願発明
本願の請求項1及び2に係る発明(以下、それぞれ「本願発明1」及び「本願発明2」という。)は、令和3年7月30日提出の手続補正書で補正された特許請求の範囲の請求項1及び2に記載された事項により特定される以下のとおりの発明である。
「 【請求項1】
部品を収納してカバーテープで覆ったキャリアテープを部品吸着位置にピッチ送りする第1ユニットと、前記キャリアテープを前記第1ユニットに供給する第2ユニットを備え、
前記第1ユニットは、
前記キャリアテープを前記部品吸着位置に案内する第1ユニットテープ走行路と、前記キャリアテープのスプロケット孔にスプロケットの送り爪を噛合させた状態で前記スプロケットを回転させることにより前記キャリアテープを部品吸着位置へ送る第1ユニットスプロケット駆動機構部と、
前記カバーテープが引き剥がされたキャリアテープを部品吸着位置に案内するテープ押さえガイドとを有し、
前記第2ユニットは、
前記キャリアテープが挿入され、前記キャリアテープを前記第1ユニットへ送る第2ユニットテープ走行路と、
前記引き剥がされたカバーテープを収納するカバーテープ収納部と、
前記引き剥がされたカバーテープを前記カバーテープ収納部に送るカバーテープ送り部とを有し、
前記第2ユニットは前記第1ユニットに着脱可能に取り付けられ、
前記第2ユニットは前記キャリアテープを前記第1ユニットに供給する第3ユニットに交換可能であり、
前記第3ユニットは、
前記キャリアテープが挿入され、前記キャリアテープを前記第1ユニットへ送る第3ユニットテープ走行路と、
前記キャリアテープのスプロケット孔にスプロケットの送り爪を噛合させた状態で前記スプロケットを回転させることにより前記キャリアテープを前記第1ユニットへ送る第3ユニットスプロケット駆動機構部を有し、
前記第3ユニットは前記第1ユニットに着脱可能に取り付けられる、部品供給装置。
【請求項2】
前記テープ押さえガイドは、前記カバーテープの一部を露出させる部品露出手段に交換可能であり、
前記テープ押さえガイドが前記カバーテープの一部を露出させる部品露出手段に交換された部品供給装置において、
前記第2ユニットは前記キャリアテープを前記第1ユニットに供給する第4ユニットに交換可能であり、
前記第4ユニットは、
前記キャリアテープが挿入され、前記キャリアテープを前記第1ユニットへ送る第4ユニットテープ走行路を有し、
前記第4ユニットは前記第1ユニットに着脱可能に取り付けられる請求項1に記載の部品供給装置。」
第3 引用文献、引用発明等
1 引用文献1について
原査定の拒絶の理由に引用された引用文献1(特開2007-142064号公報)には、図面とともに次の事項が記載されている。
(1) 「【0011】
(1)本発明の部品供給装置は、部品が一定ピッチで収容封止されたキャリアテープをピッチ送りするとともにキャリアテープからカバーテープを剥離するテープ供給ユニットと、テープ供給ユニットから送り出されてきたキャリアテープをピッチ送りして移載ヘッドによる部品取り出し位置に供給するテープ送りユニットと、前記テープ供給ユニットおよび前記テープ送りユニットが、テープ送り方向に直列状に脱着自在に装着される基台とを備え、前記テープ送りユニットおよび前記テープ供給ユニットは、前記直列状に結合分離可能であって、前記キャリアテープの送り孔にそれぞれ噛み合うテープ送りスプロケットおよびテープ供給スプロケットをそれぞれ有し、前記基台の前後には、同期駆動される前部駆動機構および後部駆動機構が設けられ、前記テープ送りユニットおよび前記テープ供給ユニットを前記基台に装着して、前記テープ送りスプロケットおよび前記テープ供給スプロケットを、前記前部駆動機構および前記後部駆動機構にそれぞれ連動連結するものである。」
(2) 「【0040】
図1に、本発明に係る部品供給装置の全体側面図が、また、図2にその平面図がそれぞれ示されている。この部品供給装置は、多数の部品供給ユニット1を基台2に脱着可能に並列装着して構成されており、多数列の部品供給が行えるようになっている。
【0041】
図3,4に示すように、部品供給ユニット1は、前方のテープ送りユニット1Aと後方のテープ供給ユニット1Bとに分割されている。テープ供給ユニット1Bは、後述の図7に示す部品wが一定ピッチで収容封止されたキャリアテープTを前方へピッチ送りするとともに、キャリアテープTからカバーテープCTを剥離するよう構成されている。テープ送りユニット1Aは、後方のテープ供給ユニット1Bから送り出されてきたキャリアテープTをピッチ送りして真空吸着式の移載ヘッド3による部品取り出し位置Dに供給するよう構成されており、両ユニット1A,1Bがテープ送り方向に直列状に配置されて基台2に装着されている。
【0042】
テープ供給ユニット1Bには、キャリアテープTの幅より若干大きい間隔をもって対向配備された左右一対の板材からなるユニットフレーム4、下方から供給されるキャリアテープTを前後に水平な溝状のテープ走行経路に導くテープガイド5、テープ走行経路の前部下方に配備されたテープ供給スプロケット6、基台側から伝達された回転動力をテープ供給スプロケット6に伝達する入力ギヤ7、テープ走行経路の前端においてキャリアテープTのカバーテープCTを後方上方に折り返して剥離案内するするエッジ部材8、剥離されたカバーテープCTを下方に向けて案内するガイドブロック9、下方に向けられたカバーテープCTを横向きにひねってテープ走行経路の横一側において交差させるカバーテープガイド10、テープ走行経路の下方に導かれたカバーテープCTを元の向きに前後から挟持して下方に送り出す前後一対のウレタンゴム製の送りローラ11,12、等が備えられている。なお、前記エッジ部材8は支点a周りに下方にバネ付勢されて、送られるキャリアテープTを適度の力でテープ走行経路に押しつけるよう構成されている。
【0043】
テープ送りユニット1Aには、所定間隔をもって対向配備された左右一対の板材からなるユニットフレーム14、テープ供給ユニット1Bの前端から送り出されてきた開封状態のキャリアテープTを上方から案内して前後水平のテープ走行経路に沿って移動させるテープガイド15、テープ走行経路の前部下方に配備されたテープ送りスプロケット16、基台側から伝達された回転動力をテープ送りスプロケット16に伝達する入力ギヤ17、等が備えられており、テープガイド15の終端部に移載ヘッド3による部品取り出し位置Dが設定されている。
【0044】
部品供給に利用されるキャリアテープTは、図7に示すように、所定ピッチp1で部品収容孔18が打抜き形成された厚紙材からなるテープ本体19の下面に底テープBTを貼り付け、部品収容孔18にチップ抵抗器などの部品wを収容した上で、テープ本体18(当審注:「テープ本体19」の誤記。)の上面にカバーテープCTを貼り付けて封止したものであり、テープ本体19の一側に沿って形成された送り孔20に同期駆動される前記テープ供給スプロケット6およびテープ送りスプロケット16を係合させてピッチ送りするよう構成されており、送り孔20のピッチp2が部品収容孔18のピッチp1の整数倍(この例では2倍)に設定されるとともに、テープ送りスプロケット16とテープ供給スプロケット6との軸心間距離が送り孔20のピッチp2の整数倍に設定されている。」
したがって、上記引用文献1には次の発明(以下、「引用発明」という。)が記載されていると認められる。
(引用発明)
部品wを収容してテープ本体19の上面にカバーテープCTを貼り付けて封止したキャリアテープTを部品取り出し位置Dにピッチ送りするテープ送りユニット1Aと、前記キャリアテープTを前記テープ送りユニット1Aに供給するテープ供給ユニット1Bを備え、
前記テープ送りユニット1Aは、
前記キャリアテープTを前記部品取り出し位置Dに案内するテープ走行経路と、前記キャリアテープTの送り穴20に係合してピッチ送りするテープ送りスプロケット16を回転駆動して前記キャリアテープTを部品取り出し位置Dへ送る基台側から伝達された回転動力を伝達する入力ギア17と、
前記カバーテープCTが剥離されたキャリアテープTを部品取り出し位置Dに上方から案内するテープガイド15とを有し、
前記テープ供給ユニット1Bは、
前記キャリアテープTが導かれ、前記キャリアテープTを前記テープ送りユニット1Aへ送るテープ走行経路と、
前記剥離されたカバーテープCTを下方に向けて案内するガイドブロック9とを有し、
前記テープ供給ユニット1Bは前記テープ送りユニット1Aに結合分離可能である、
部品供給ユニット1。
2 引用文献2について
また、原査定の拒絶の理由に引用された引用文献2(特開平2-205398号公報)には、図面とともに次の事項が記載されている。
(1) 「このために本発明は、テープフィーダを、電子部品封入テープをピッチ送りするピッチ送り手段を備えたテープ送りユニットと、このテープ送りユニットの後部に連結される供給ユニットとに分割して形成している。そしてこの供給ユニットを、電子部品封入テープが巻回された供給リールの装着部と、電子部品封入テープのカバーテープをベーステープから剥離する剥離部と、この剥離部において剥離されたカバーテープを回収する回収室を備えた回収部とから構成したものである。」(第2頁右下欄第18行ないし第3頁左上欄第8行)
(2) 「このテープフィーダ1は、供給リール4に巻回された電子部品封入テープ5の供給ユニット2と、この供給ユニット2から導出された電子部品封入テープ5をピッチ送りするテープ送りユニット3から成っている。」(第3頁右上欄第4ないし第9行)
(3) 「したがって導出部31から導出されて、上記テープ送りユニット3へ向って走行するテープ5のカバーテープ5dの非貼着部fの下側に剥離部27の先端部が進入することにより、カバーテープ5dはこの剥離部27によりベーステープ5aから難なく剥離され、ガイド部27a,16aにガイドされながら回収室16に回収される。」(第4頁左上欄第19行ないし右上欄第6行)
したがって、上記引用文献2には、「テープフィーダ1は、電子部品封入テープ5の供給ユニット2と、この供給ユニット2から導出された電子部品封入テープ5をピッチ送りするテープ送りユニット3が分割して形成され、供給ユニット2とテープ送りユニット3が連結されるテープフィーダ1において、供給ユニット2が剥離部27により剥離されたカバーテープ5dをガイド部16aがガイドしながら回収室16に回収する構成である」という技術的事項が記載されていると認められる。
3 同一出願人が同日出願した発明について
原査定の拒絶の理由に引用された特願2016-34945号(特許6569082号)の請求項1及び2に係る発明(以下、それぞれ「引用発明1」及び「引用発明2」という。)は、それぞれ以下の請求項1及び2に記載された事項により特定される以下のとおりの発明である。
「【請求項1】
部品を収納してカバーテープで覆ったキャリアテープを部品吸着位置にピッチ送りする第1ユニットと、前記キャリアテープを前記第1ユニットに供給する第2ユニットを備え、
前記第1ユニットは、
前記キャリアテープを前記部品吸着位置に案内する第1ユニットテープ走行路と、前記キャリアテープのスプロケット孔にスプロケットの送り爪を噛合させた状態で前記スプロケットを回転させることにより前記キャリアテープを部品吸着位置へ送る第1ユニットスプロケット駆動機構部と、
前記カバーテープが引き剥がされたキャリアテープを部品吸着位置に案内するテープ押さえガイドとを有し、
前記第2ユニットは、
前記キャリアテープが挿入され、前記キャリアテープを前記第1ユニットへ送る第2ユニットテープ走行路と、
前記引き剥がされたカバーテープを収納するカバーテープ収納部と、
前記引き剥がされたカバーテープを前記カバーテープ収納部に送るカバーテープ送り部とを有し、
前記第2ユニットは前記第1ユニットに着脱可能に取り付けられ、
前記テープ押さえガイドは、前記カバーテープの一部を露出させる部品露出手段に交換可能であり、
前記テープ押さえガイドが前記カバーテープの一部を露出させる部品露出手段に交換された部品供給装置において、
前記第2ユニットは前記キャリアテープを前記第1ユニットに供給する第3ユニットに交換可能であり、
前記第3ユニットは、
前記キャリアテープが挿入され、前記キャリアテープを前記第1ユニットへ送る第3ユニットテープ走行路と、
前記キャリアテープのスプロケット孔にスプロケットの送り爪を噛合させた状態で前記スプロケットを回転させることにより前記キャリアテープを前記第1ユニットへ送る第3ユニットスプロケット駆動機構部を有し、
前記第3ユニットは前記第1ユニットに着脱可能に取り付けられる、部品供給装置。
【請求項2】
部品を収納してカバーテープで覆ったキャリアテープを部品吸着位置にピッチ送りする第1ユニットと、前記キャリアテープを前記第1ユニットに供給する第2ユニットを備え、
前記第1ユニットは、
前記キャリアテープを前記部品吸着位置に案内する第1ユニットテープ走行路と、前記キャリアテープのスプロケット孔にスプロケットの送り爪を噛合させた状態で前記スプロケットを回転させることにより前記キャリアテープを部品吸着位置へ送る第1ユニットスプロケット駆動機構部と、
前記カバーテープが引き剥がされたキャリアテープを部品吸着位置に案内するテープ押さえガイドとを有し、
前記第2ユニットは、
前記キャリアテープが挿入され、前記キャリアテープを前記第1ユニットへ送る第2ユニットテープ走行路と、
前記引き剥がされたカバーテープを収納するカバーテープ収納部と、
前記引き剥がされたカバーテープを前記カバーテープ収納部に送るカバーテープ送り部とを有し、
前記第2ユニットは前記第1ユニットに着脱可能に取り付けられ、
前記テープ押さえガイドは、前記カバーテープの一部を露出させる部品露出手段に交換可能であり、
前記テープ押さえガイドが前記カバーテープの一部を露出させる部品露出手段に交換された部品供給装置において、
前記第2ユニットは前記キャリアテープを前記第1ユニットに供給する第4ユニットに交換可能であり、
前記第4ユニットは、
前記キャリアテープが挿入され、前記キャリアテープを前記第1ユニットへ送る第4ユニットテープ走行路を有し、
前記第4ユニットは前記第1ユニットに着脱可能に取り付けられる、部品供給装置。」
第4 対比・判断
1 本願発明1について
(1) 引用発明について
本願発明1と引用発明とを対比すると、次のことがいえる。
引用発明における「部品w」は、本願発明1における「部品」に相当する。
同様に、
「収容して」は「収納して」に、
「カバーテープCT」は「カバーテープ」に、
「テープ本体19の上面にカバーテープCTを貼り付けて封止した」は「カバーテープで覆った」に、
「キャリアテープT」は「キャリアテープ」に、
「部品取り出し位置D」は「部品吸着位置」に、
「テープ送りユニット1A」は「第1ユニット」に、
「テープ供給ユニット1B」は「第2ユニット」に、
「案内するテープ走行経路」は「案内する第1ユニットテープ走行路」に、
「送り穴20」は「スプロケット孔」に、
「送り穴20に係合してピッチ送りするテープ送りスプロケット16を回転駆動して」は「スプロケット孔にスプロケットの送り爪を噛合させた状態で前記スプロケットを回転させることにより」に、
「基台側から伝達された回転動力を伝達する入力ギア17」は「第1ユニットスプロケット駆動機構部」に、
「剥離された」は「引き剥がされた」に、
「上方から案内するテープガイド15」は「案内するテープ押さえガイド」に、
「送るテープ走行経路」は「送る第2ユニットテープ走行路」に、
「結合分離可能である」は「着脱可能に取り付けられる」に、
「部品供給ユニット1」は「部品供給装置」に、
それぞれ相当する。
したがって、本願発明1と引用発明との間には、次の一致点、相違点があるといえる。
(一致点)
「部品を収納してカバーテープで覆ったキャリアテープを部品吸着位置にピッチ送りする第1ユニットと、前記キャリアテープを前記第1ユニットに供給する第2ユニットを備え、
前記第1ユニットは、
前記キャリアテープを前記部品吸着位置に案内する第1ユニットテープ走行路と、前記キャリアテープのスプロケット孔にスプロケットの送り爪を噛合させた状態で前記スプロケットを回転させることにより前記キャリアテープを部品吸着位置へ送る第1ユニットスプロケット駆動機構部と、
前記カバーテープが引き剥がされたキャリアテープを部品吸着位置に案内するテープ押さえガイドとを有し、
前記第2ユニットは、
前記キャリアテープを前記第1ユニットへ送る第2ユニットテープ走行路と、
を有し、
前記第2ユニットは前記第1ユニットに着脱可能に取り付けられる、
部品供給装置。」
(相違点1)
第2ユニットテープ走行路に係り、本願発明1は「キャリアテープが挿入され」るのに対し、引用発明は「キャリアテープTが導かれ」る点。
(相違点2)
引き剥がされたカバーテープに係り、本願発明1は「引き剥がされたカバーテープを収納するカバーテープ収納部と、前記カバーテープ収納部に送るカバーテープ送り部とを有」する構成を備えるのに対し、引用発明はそのような構成を備えておらず、「剥離されたカバーテープCTを下方に向けて案内するガイドブロック9を有」する点。
(相違点3)
本願発明1は「第2ユニットはキャリアテープを第1ユニットに供給する第3ユニットに交換可能であり、前記第3ユニットは、前記キャリアテープが挿入され、前記キャリアテープを前記第1ユニットへ送る第3ユニットテープ走行路と、前記キャリアテープのスプロケット孔にスプロケットの送り爪を噛合させた状態で前記スプロケットを回転させることにより前記キャリアテープを前記第1ユニットへ送る第3ユニットスプロケット駆動機構部を有し、前記第3ユニットは前記第1ユニットに着脱可能に取り付けられる」という構成を備えるのに対し、引用発明はそのような構成を備えていない点。
事案に鑑み、上記相違点3について検討すると、上記相違点3に係る本願発明1の構成は、少なくとも「キャリアテープを第1ユニットに供給する第2ユニットはキャリアテープを第1ユニットに供給する第3ユニットに交換可能である」と解されるものであり、当該構成は上記引用文献2には記載されていない。
そして、当該構成により、本願発明1は、「異なるテープ供給形態に対応が可能で汎用性に優れた部品供給装置を提供すること」(本願明細書の段落【0006】参照。)を「実現することができる」(同段落【0008】参照。)との効果を有するといえる。
そうすると、上記引用文献2に記載された技術的事項を考慮しても、引用発明をして上記相違点3に係る本願発明1の構成とすることは、当業者が容易に想到し得たことであるということはできない。
したがって、上記相違点1及び2について判断するまでもなく、本願発明1は、当業者であっても引用発明及び引用文献2に記載された技術的事項に基いて容易に発明をすることができたものであるとはいえない。
(2) 引用発明1及び2について
ア 本願発明1と引用発明1とを対比すると、次のことがいえる。
引用発明1は「前記テープ押さえガイドは、前記カバーテープの一部を露出させる部品露出手段に交換可能であり、前記テープ押さえガイドが前記カバーテープの一部を露出させる部品露出手段に交換された部品供給装置において、前記第2ユニットは前記キャリアテープを前記第1ユニットに供給する第3ユニットに交換可能であ」る構成を備えるのに対し、本願発明1は「前記テープ押さえガイドは、前記カバーテープの一部を露出させる部品露出手段に交換可能であ」る構成を備えるか否か不明であり、かつ、「前記第2ユニットは前記キャリアテープを前記第1ユニットに供給する第3ユニットに交換可能であ」るのが、「前記テープ押さえガイドが前記カバーテープの一部を露出させる部品露出手段に交換された部品供給装置において」と特定されていない点で、両者は相違している。
そして、少なくとも、上記相違する構成に係る「前記テープ押さえガイドは、前記カバーテープの一部を露出させる部品露出手段に交換可能であ」る構成を備えるか否かが、実質的な相違点ではないということはできないから、本願発明1は引用発明1であるということはできない。
イ 本願発明1と引用発明2とを対比すると、次のことがいえる。
引用発明2は「前記テープ押さえガイドは、前記カバーテープの一部を露出させる部品露出手段に交換可能であり、前記テープ押さえガイドが前記カバーテープの一部を露出させる部品露出手段に交換された部品供給装置において、前記第2ユニットは前記キャリアテープを前記第1ユニットに供給する第4ユニットに交換可能であり、前記第4ユニットは、前記キャリアテープが挿入され、前記キャリアテープを前記第1ユニットへ送る第4ユニットテープ走行路を有し、前記第4ユニットは前記第1ユニットに着脱可能に取り付けられる」構成を備えるのに対し、本願発明1は当該構成を備えない点、及び、本願発明1は「前記第2ユニットは前記キャリアテープを前記第1ユニットに供給する第3ユニットに交換可能であり、前記第3ユニットは、前記キャリアテープが挿入され、前記キャリアテープを前記第1ユニットへ送る第3ユニットテープ走行路と、前記キャリアテープのスプロケット孔にスプロケットの送り爪を噛合させた状態で前記スプロケットを回転させることにより前記キャリアテープを前記第1ユニットへ送る第3ユニットスプロケット駆動機構部を有し、前記第3ユニットは前記第1ユニットに着脱可能に取り付けられる」構成を備えるのに対し、引用発明2は当該構成を備えない点で、両者はそれぞれ相違している。
そして、少なくとも、上記相違する構成に係る「前記テープ押さえガイドは、前記カバーテープの一部を露出させる部品露出手段に交換可能であ」る構成を備えるか否かが、実質的な相違点でないということはできないから、本願発明1は引用発明2であるということはできない。
したがって、本願発明1は、引用発明1であるとも引用発明2であるともいえない。
2 本願発明2について
(1) 引用発明について
本願発明2も、上記相違点3に係る本願発明1の構成と同一の構成を備えるものであるから、本願発明1と同じ理由により、当業者であっても、引用発明及び引用文献2に記載された技術的事項に基いて容易に発明をすることができたものであるとはいえない。
(2) 引用発明1及び2について
ア 本願発明2と引用発明1とを対比すると、次のことがいえる。
本願発明2は「前記第2ユニットは前記キャリアテープを前記第1ユニットに供給する第3ユニットに交換可能であり、前記第3ユニットは、前記キャリアテープが挿入され、前記キャリアテープを前記第1ユニットへ送る第3ユニットテープ走行路と、前記キャリアテープのスプロケット孔にスプロケットの送り爪を噛合させた状態で前記スプロケットを回転させることにより前記キャリアテープを前記第1ユニットへ送る第3ユニットスプロケット駆動機構部を有し、前記第3ユニットは前記第1ユニットに着脱可能に取り付けられ」かつ「前記第2ユニットは前記キャリアテープを前記第1ユニットに供給する第4ユニットに交換可能であり、前記第4ユニットは、前記キャリアテープが挿入され、前記キャリアテープを前記第1ユニットへ送る第4ユニットテープ走行路を有し、前記第4ユニットは前記第1ユニットに着脱可能に取り付けられ」る構成を備えるのに対し、引用発明1は「前記第2ユニットは前記キャリアテープを前記第1ユニットに供給する第3ユニットに交換可能であり、前記第3ユニットは、前記キャリアテープが挿入され、前記キャリアテープを前記第1ユニットへ送る第3ユニットテープ走行路と、前記キャリアテープのスプロケット孔にスプロケットの送り爪を噛合させた状態で前記スプロケットを回転させることにより前記キャリアテープを前記第1ユニットへ送る第3ユニットスプロケット駆動機構部を有し、前記第3ユニットは前記第1ユニットに着脱可能に取り付けられ」るものの、「前記第2ユニットは前記キャリアテープを前記第1ユニットに供給する第4ユニットに交換可能であ」る「第4ユニット」に係る事項が特定されていないから、結局、当該構成を備えない点で、両者は相違している。
そして、少なくとも、上記相違する構成に係る「前記第2ユニットは前記キャリアテープを前記第1ユニットに供給する第3ユニットに交換可能であり」かつ「前記第2ユニットは前記キャリアテープを前記第1ユニットに供給する第4ユニットに交換可能であ」ることが、実質的な相違点でないということはできないから、本願発明2は引用発明1であるということはできない。
イ 本願発明2と引用発明2とを対比すると、次のことがいえる。
本願発明2は「前記第2ユニットは前記キャリアテープを前記第1ユニットに供給する第3ユニットに交換可能であり、前記第3ユニットは、前記キャリアテープが挿入され、前記キャリアテープを前記第1ユニットへ送る第3ユニットテープ走行路と、前記キャリアテープのスプロケット孔にスプロケットの送り爪を噛合させた状態で前記スプロケットを回転させることにより前記キャリアテープを前記第1ユニットへ送る第3ユニットスプロケット駆動機構部を有し、前記第3ユニットは前記第1ユニットに着脱可能に取り付けられ」かつ「前記第2ユニットは前記キャリアテープを前記第1ユニットに供給する第4ユニットに交換可能であり、前記第4ユニットは、前記キャリアテープが挿入され、前記キャリアテープを前記第1ユニットへ送る第4ユニットテープ走行路を有し、前記第4ユニットは前記第1ユニットに着脱可能に取り付けられ」る構成を備えるのに対し、引用発明2は「前記第2ユニットは前記キャリアテープを前記第1ユニットに供給する第4ユニットに交換可能であり、前記第4ユニットは、前記キャリアテープが挿入され、前記キャリアテープを前記第1ユニットへ送る第4ユニットテープ走行路を有し、前記第4ユニットは前記第1ユニットに着脱可能に取り付けられ」るものの、「前記第2ユニットは前記キャリアテープを前記第1ユニットに供給する第3ユニットに交換可能であ」る「第3ユニット」に係る事項が特定されていないから、結局、当該構成を備えない点で、両者は相違している。
そして、少なくとも、上記相違する構成に係る「前記第2ユニットは前記キャリアテープを前記第1ユニットに供給する第3ユニットに交換可能であり」かつ「前記第2ユニットは前記キャリアテープを前記第1ユニットに供給する第4ユニットに交換可能であ」ることが、実質的な相違点でないということはできないから、本願発明2は引用発明2であるということはできない。
したがって、本願発明2は、引用発明1であるとも引用発明2であるともいえない。
第5 原査定の概要及び原査定についての判断
原査定は、(理由1)請求項1及び2に係る発明について、上記引用文献1及び2に基いて、当業者が容易に発明をすることができたものであるから、特許法第29条第2項の規定により特許を受けることができない、また、(理由2)請求項2及び3に係る発明について、同一出願人が同日出願した特願2016-34945号(特許6569082号)の請求項1及び2に係る発明と同一であると認められるから、特許法第39条第2項の規定により特許を受けることができない、というものである。しかしながら、令和3年7月30日の手続補正により補正された請求項1及び2に係る発明、すなわち本願発明1及び2は、上記第4の1(1)及び2(1)のとおり、上記引用文献1に記載された発明及び上記引用文献2に記載された技術的事項に基いて、当業者が容易に発明をすることができたものではない。また、上記第4の1(2)及び2(2)のとおり、本願発明1及び2は、特願2016-34945号(特許6569082号)の請求項1及び2に係る発明と同一であるとも認められない。
したがって、原査定を維持することはできない。
第6 当審拒絶理由について
当審では、請求項2の文頭の「前記テープ押さえガイド」の「テープ押さえガイド」は前記されておらず、その意味が不明確であるとの拒絶の理由を通知しているが、令和3年7月30日の手続補正において、請求項2の記載が請求項1の記載を引用する形式に補正された結果、この拒絶の理由は解消した。
第7 むすび
以上のとおり、本願発明1及び2は、当業者が引用発明及び引用文献2に記載された技術的事項に基いて容易に発明をすることができたものではないし、特願2016-34945号(特許6569082号)の請求項1及び2に係る発明と同一であるとも認められない
したがって、原査定の理由によっては、本願を拒絶することはできない。
また、他に本願を拒絶すべき理由を発見しない。
よって、結論のとおり審決する。
審決本文(J-PlatPat)
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2020-014029