2020-012080
情報処理装置、情報処理方法、プログラム、記憶媒体
- 審判番号
- 2020-012080
- 法域
- 特許
- 審判種別
- 拒絶査定不服審判(拒絶査定不服の審決)
- 出願番号
- 特願2019-545452外部サイト(J-PlatPat)へ移動します
- 請求日
- 2020年08月28日
- 審決日
- 2021年08月23日
- 公報発行日
- 2021年10月29日
- 結論
- 原査定取消(特許/登録すべき)
- 当事者
- 【請求人】楽天グループ株式会社
- 【請求人代理人】岩田 雅信
- 【請求人代理人】中川 裕人
- 分類
- P18 .121-WY (G06Q)
- 条文(本文から自動抽出・参考)
- 特許法第29条第2項
- データ出所
- 審決公報(SGML)
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結論
理由
目次 ▾ 18項目
第1 手続の経緯
本願は、2017年(平成29年)9月27日を国際出願日とする出願であって、その手続の経緯は以下のとおりである。
第2 原査定の概要
原査定(令和2年5月29日付け拒絶査定)の概要は次のとおりである。
請求項1-13に係る発明は、引用文献1に記載された発明及び引用文献2-4に記載された周知技術から、当業者が容易に発明をすることができたものであるから、特許法第29条第2項の規定により特許を受けることができない。
引用文献等一覧
1.特開2015-149020号公報
2.特開2013-219749号公報(周知技術を示す文献)
3.特開2001-350798号公報(周知技術を示す文献)
4.特開2006-39651号公報(周知技術を示す文献)
第3 本願発明
本願請求項1-9に係る発明(以下、それぞれ「本願発明1」-「本願発明9」という。)は、令和2年8月28日の手続補正で補正された特許請求の範囲の請求項1-9に記載された事項により特定される、以下のとおりの発明である。
【請求項1】
店舗におけるユーザの支払いの有無及び店舗からの退店を検出する検出部と、
退店が検出された店舗における前記支払いが検出されなかった場合に当該退店が検出されたユーザのユーザ端末に当該退店が検出された店舗とは異なる代替店舗に関する情報をレコメンド情報として送信するレコメンド部と、を備え、
前記代替店舗は前記退店が検出された店舗と同種の商品またはサービスを提供する店舗とされた
情報処理装置。
【請求項2】
前記レコメンド部は、前記代替店舗が利用不可である場合には該代替店舗に関する前記レコメンド情報の送信を行わない
請求項1に記載の情報処理装置。
【請求項3】
前記レコメンド部は、複数の代替店舗が抽出された場合には、前記支払いを行ったユーザが多く検出された店舗を前記レコメンド情報として送信する
請求項1に記載の情報処理装置。
【請求項4】
前記レコメンド部は、ユーザが支払いを行った時間情報を用いて前記レコメンド情報の送信を行う
請求項1に記載の情報処理装置。
【請求項5】
前記レコメンド部は、送信対象とされたユーザの位置に関する気象情報を用いて前記レコメンド情報の送信を行う
請求項1に記載の情報処理装置。
【請求項6】
前記検出部は、ユーザが所定エリア内に位置することを検出した状態から検出されない状態へと変化することによって退店したことを検出する
請求項1に記載の情報処理装置。
【請求項7】
前記検出部は、近距離無線通信を用いて店舗から退店したことを検出する
請求項1に記載の情報処理装置。
【請求項8】
店舗におけるユーザの支払いの有無を検出するステップと、
ユーザが店舗から退店したことを検出するステップと、
退店が検出された店舗における前記支払いが検出されなかった場合に当該退店が検出されたユーザのユーザ端末に当該退店が検出された店舗とは異なる代替店舗に関する情報をレコメンド情報として送信するレコメンドステップと、を備え、
前記代替店舗は前記退店が検出された店舗と同種の商品またはサービスを提供する店舗とされた
情報処理装置が実行する情報処理方法。
【請求項9】
店舗におけるユーザの支払いの有無を検出する機能と、
ユーザが店舗から退店したことを検出する機能と、
退店が検出された店舗における前記支払いが検出されなかった場合に当該退店が検出されたユーザのユーザ端末に当該退店が検出された店舗とは異なる代替店舗に関する情報をレコメンド情報として送信するレコメンド機能と、を備え、
前記代替店舗は前記退店が検出された店舗と同種の商品またはサービスを提供する店舗とされた
コンピュータに実行させるプログラム。
第4 引用文献、引用発明等
1.引用文献1について
原査定の拒絶の理由に引用された引用文献1(特開2015-149020号公報)には、次の事項が記載されている。(下線は当審が付与した。)
【技術分野】
【0001】
本発明は、ユーザに対し情報を提供するための技術に関する。
【0013】
[概略]
通信システムでは、施設に設置されている中継装置に対して通信端末が無線接続を開始した後の所定のタイミングで、通信端末に対し第一提供情報が提供される。また、中継装置と通信端末との無線接続が解除された後の所定のタイミングで、通信端末に対し第二提供情報が提供される。
【図1】
【0016】
[詳細]
図1は、通信システム1のシステム構成を表すシステム構成図である。
通信端末10は、ユーザ20によって携帯される通信装置である。通信端末10は、例えば携帯電話機、スマートフォン、タブレット、携帯型ゲーム機である。通信端末10は、中継装置30及び基地局装置80と無線通信可能である。通信端末10は、中継装置30及び第一ネットワーク60を介して情報提供装置50と通信する。また、通信端末10は、基地局装置80及び第二ネットワーク70を介して情報提供装置50と通信する。
【0017】
ユーザ20は、通信端末10を携帯し、中継装置30が設置されている施設40に訪れる。
中継装置30は、通信端末10と第一ネットワーク60との間の通信を中継する中継装置である。中継装置30は、例えば無線LANのアクセスポイントである。通信システム1には、複数の中継装置30(中継装置30-1及び中継装置30-2)が設置される。各中継装置30は、施設40と対応付けて設置される。中継装置30と施設40との対応関係に関する情報は、情報提供装置50に記憶されている。
中継装置30が通信端末10と通信可能な距離は、例えば中継装置30が設置される施設40の領域と同程度であることが好ましい。このように構成された場合、中継装置30と通信可能である通信端末10のユーザについて、施設40を訪れているユーザであると判定できる。同様に、中継装置30と通信可能でない通信端末10のユーザについて、施設40の外に位置していると判定できる。
【0018】
施設40は、ユーザに対して何らかのサービスを提供する施設である。施設40においてユーザに提供されるサービスはどのようなものであってもよい。サービスは、例えば飲食物の提供、映像の提供、スポーツ観戦や演劇鑑賞の提供、商品の販売、交通機関による移動であってもよい。
【0019】
情報提供装置50は、第一ネットワーク60及び第二ネットワーク70のいずれか一方又は双方を介し、通信端末10に対して第一提供情報及び第二提供情報を送信する。情報提供装置50は、サーバやパーソナルコンピュータ等の情報処理装置を用いて構成される。
【図4】
【0030】
図4は、情報提供装置50の機能構成を示す概略ブロック図である。情報提供装置50は、1 台又は複数台の情報処理装置によって構成される。例えば、情報提供装置50が一台の情報処理装置で構成される場合、情報処理装置は、バスで接続されたCPUやメモリや補助記憶装置などを備え、情報提供プログラムを実行する。情報提供プログラムの実行によって、情報処理装置は、通信部501、情報提供部502、提供情報記憶部503、AP情報記憶部504、ユーザ情報記憶部505、タイミング情報記憶部506、解析部507を備える装置として機能する。なお、情報提供装置50の各機能の全て又は一部は、ASICやPLDやFPGA等のハードウェアを用いて実現されても良い。また、情報提供装置50は、専用のハードウェアによって実現されても良い。情報提供プログラムは、コンピュータ読み取り可能な記録媒体に記録されても良い。コンピュータ読み取り可能な記録媒体とは、例えばフレキシブルディスク、光磁気ディスク、ROM、CD-ROM、半導体記憶装置等の可搬媒体、コンピュータシステムに内蔵されるハードディスクや半導体記憶装置等の記憶装置である。情報提供プログラムは、電気通信回線を介して提供されても良い。
【0031】
通信部501は、第一ネットワーク60及び第二ネットワーク70を介して通信端末10と通信する。
情報提供部502は、通信部501を介して、通信端末10に対し情報を提供する。
提供情報記憶部503は、磁気ハードディスク装置や半導体記憶装置などの記憶装置を用いて構成される。提供情報記憶部503は、提供情報テーブルを記憶する。提供情報テーブルには、情報提供部502によって通信端末10に提供される情報(以下、「提供情報」という。)が登録されている。
【0032】
AP情報記憶部504は、磁気ハードディスク装置や半導体記憶装置などの記憶装置を用いて構成される。AP情報記憶部504は、AP情報テーブルを記憶する。AP情報テーブルには、各中継装置30に関する情報が登録されている。
ユーザ情報記憶部505は、磁気ハードディスク装置や半導体記憶装置などの記憶装置を用いて構成される。ユーザ情報記憶部505は、ユーザ情報テーブルを記憶する。ユーザ情報テーブルには、各ユーザ20に関する情報が登録されている。
【0033】
タイミング情報記憶部506は、磁気ハードディスク装置や半導体記憶装置などの記憶装置を用いて構成される。タイミング情報記憶部506は、タイミングテーブルを記憶する。タイミングテーブルには、通信端末10に対して情報が提供されるタイミングが登録されている。
解析部507は、通信端末10が中継装置30に接続を開始したタイミングと、通信端末10が中継装置30の接続が終了したタイミングと、を解析することによって、各情報が提供されるべきタイミングを判定する。
【図5】
【0034】
図5は、提供情報テーブルの具体例を示す図である。提供情報テーブルは、施設40と、その施設40を訪れたユーザ20の通信端末10に提供される提供情報との対応関係を表すテーブルである。提供情報テーブルは、複数のレコード91を有する。レコード91は、FID、第一提供情報及び第二提供情報の値を有する。FIDの値は、施設40を一意に表す識別情報である。第一提供情報は、同じレコード91のFIDが表す施設40の中継装置30に接続を開始してから所定の時間が経過したタイミングで通信端末10に提供される情報である。第二提供情報は、同じレコード91のFIDが表す施設40の中継装置30との接続が終了したタイミングで通信端末10に提供される情報である。
【0035】
図5の最も上に位置するレコード91によれば、Xそば店に訪れたユーザ20の通信端末10には、Xそば店に設置された中継装置30と通信が開始されてから所定時間経過後に、クーポン1の情報が提供されることが分かる。クーポン1の情報は、例えばXそば店で利用可能なクーポンである。また、Xそば店に訪れたユーザ20の通信端末10には、Xそば店に設置された中継装置30との通信が終了したタイミングで、店舗情報1が提供されることが分かる。店舗情報1は、例えばXそば店の近隣に位置する喫茶店を紹介するための情報である。このような情報が各タイミングで提供されることにより、ユーザ20は、訪れたXそば店で利用可能なクーポン1を会計前に取得することが可能であり、食事の後にお茶を飲むためのお店を知ることが可能となる。
【0036】
図5の上から2番目に位置するレコード91によれば、Y水族館に訪れたユーザ20の通信端末10には、Y水族館に設置された中継装置30と通信が開始されてから所定時間経過後に、特別展示情報2が提供されることが分かる。特別展示情報2は、例えばY水族館で行われている特別展示に関する情報である。また、Y水族館に訪れたユーザ20の通信端末10には、Y水族館に設置された中継装置30との通信が終了したタイミングで、店舗情報2が提供されることが分かる。店舗情報2は、例えばY水族館の近隣に位置する喫茶店を紹介するための情報である。このような情報が各タイミングで提供されることにより、ユーザ20は、訪れたY水族館における特別展示の情報を退場前に取得することが可能であり、水族館を見た後に休憩するためのお店を知ることが可能となる。
【0057】
図5に示される提供情報テーブルにおいて、第一提供情報又は第二提供情報のいずれか一方又は双方は、ユーザの行動履歴等の情報に基づいて決定されてもよい。例えば、各施設40にユーザが訪問した際の環境情報(例えば、天気、時刻、日時、曜日、月、季節)、各ユーザの属性情報(例えば性別、年代、趣味、職業)、それまでに訪れた施設40の履歴(行動履歴)などの情報を用いて、協調フィルタリング等のレコメンドアルゴリズムを実行することによって、第一提供情報又は第二提供情報が提供されるタイミングでユーザの次の行動の予測が行われてもよい。そして、その予測結果に応じて提供情報が決定されてもよい。このような決定は、情報提供部502によって行われてもよいし、解析部507によって行われてもよい。
以上の記載によれば、引用文献1には次の発明(以下、「引用発明」という。)が記載されている。
「ユーザによって携帯される通信端末に対して第二提供情報を送信する情報提供装置(【0016】、【0019】)であって、通信部、情報提供部、提供情報記憶部及び解析部を備え(【0030】)、情報提供部は、通信部を介して、通信端末に対し情報を提供し(【0031】)、提供情報記憶部は、情報提供部によって通信端末に提供される情報(以下、「提供情報」という。)が登録されている提供情報テーブルを記憶し(【0031】)、解析部は、通信端末が施設と対応付けて設置される中継装置の接続が終了したタイミングを解析することによって、情報が提供されるべきタイミングを判定し(【0017】、【0033】)、施設は、ユーザに対して、例えば飲食物の提供、商品の販売のサービスを提供する施設であり(【0018】)、中継装置が通信端末と通信可能な距離は、例えば中継装置が設置される施設の領域と同程度であり、中継装置と通信可能である通信端末のユーザについて、施設を訪れているユーザであると判定でき、中継装置と通信可能でない通信端末のユーザについて、施設の外に位置していると判定でき(【0017】)、提供情報テーブルは、第二提供情報の値を有する複数のレコードを有し、第二提供情報は、施設の中継装置との接続が終了したタイミングで通信端末に提供される情報であり(【0034】)、Xそば店に訪れたユーザの通信端末には、Xそば店に設置された中継装置との通信が終了したタイミングで、例えばXそば店の近隣に位置する喫茶店を紹介するための情報である店舗情報1が第二提供情報として提供される(【0035】)、情報提供装置。」
2.引用文献2について
原査定の拒絶の理由に周知技術を示す文献として引用された引用文献2(特開2013-219749号公報)には、次の事項が記載されている。
【0049】
また、無線端末2のユーザが無線LANアクセスポイント3の設置店舗で提供されるサービスを注文した場合、アクション内容は「サービス注文情報」( 例えば、図4に示す例では「スパゲティ注文」) である。サービスの注文は、例えば、無線端末2から後述する店舗ポータルから行うことができ、情報管理装置4は、店舗ポータルを介して無線端末2からの注文要求を受け付けて、ユーザ店舗行動履歴データに追加する。また、店舗に設けられ、通信ネットワーク5に接続されたPOSシステムから通信ネットワーク5を介してユーザの注文情報を情報管理装置4へ通知するようにしてもよい。
【0050】
また、アクション内容には、例えば、無線端末2のユーザが後述する店舗ポータルに対して行ったアクションの内容なども含まれる。例えば、無線端末2のユーザが店舗ポータルにおいて、試してみたいサービス(例えば、食べたいメニューや購入したい商品)として登録や投票を行った場合、かかる情報がアクションの内容としてユーザ店舗行動履歴データに追加される。
【0131】
また、取得部22は、通知用エリア情報を選択するためのユーザ情報として、例えば、性別、年齢、住所などのデモグラフィック属性や、ユーザの嗜好情報(例えば、よく行く店、ユーザが気になっている店、ユーザが食べたい料理が提供される店などの情報)、ユーザの行動履歴などを用いる。なお、ユーザの属性や行動履歴として、例えば、ユーザ情報DB31に記憶されたユーザ情報テーブル、ユーザ店舗行動履歴データ、エリアDB33に記憶されたユーザエリア行動履歴テーブル、店舗DB32に記憶された端末存在データの履歴情報などが用いられる。
【0222】
また、実施形態に係る情報提供システム1では、情報管理装置4において、収集部23(エリア履歴収集手段の一例に相当)が無線LANアクセスポイント群の通信エリアにおける無線端末2のユーザの行動履歴を収集し、取得部22が、エリアDB33から取得するレコメンド情報を、収集部23によって収集された行動履歴に応じたレコメンド情報とする。
【0223】
これにより、実施形態に係る情報提供システム1では、ユーザの行動に応じたより適切なレコメンド情報をユーザに提示することができ、そのため、レコメンド情報に従って行動するユーザを増やすことができる。
3.引用文献3について
原査定において周知技術を示す文献として引用された引用文献3(特開2001-350798号公報)には、次の事項が記載されている。
【0007】
顧客が商品を購入しなかった場合であっても、その顧客の来店情報が得られる。この来店情報より、顧客の来店回数や店内における滞在時間を知ることができる。この情報から商品購入意欲のある顧客を探り、その顧客に対する情報提供やイベント企画をタイムリーに実施することが可能となる。
4.引用文献4について
原査定において周知技術を示す文献として引用された引用文献4(特開2006-39651号公報)には、次の事項が記載されている。
【0006】
顧客が商品を購入せずに退店した場合でも、売り場毎に設定した無線タグ読取り装置により顧客が携帯している無線タグから顧客氏名などの顧客情報を自動的に収集し、その収集した顧客情報により顧客データベースに蓄積された過去の売り場訪問履歴、商品購入履歴の情報により顧客の趣向を分析し、顧客の趣向に適合する商品の案内サービスを行うことが可能になる。
第5 対比・判断
1.本願発明1について
(1)対比
本願発明1と引用発明とを対比すると、次のことがいえる。
ア 検出部について
引用発明の、ユーザに対して、飲食物の提供、商品の販売等のサービスを提供する「施設」は、本願発明1の「店舗」に相当する。
また、ユーザが通信端末を携帯し、中継装置が通信端末と通信可能な距離が、中継装置が設置される施設の領域と同程度とされる引用発明では、中継装置と通信可能である通信端末のユーザを店舗を訪れているユーザと判定でき、中継装置と通信可能でない通信端末のユーザを店舗の外に位置していると判定できることから、引用発明において通信端末が中継装置の接続が終了したことは、店舗を訪れているユーザが店舗の外に位置したこと、すなわち、ユーザの店舗からの退店を意味するものである。
そうすると、引用発明の、「通信端末が中継装置の接続が終了したタイミングを解析することによって、店舗の中継装置との接続が終了したタイミングで通信端末に提供される情報が提供されるべきタイミングを判定する」「解析部」は、下記相違点1で相違するものの、「ユーザの店舗からの退店を検出する」点で、本願発明1の「検出部」と共通する。
イ レコメンド部について
上記アに検討したところによれば、引用発明の「中継装置との接続が終了した」「通信端末」は、本願発明1の「当該退店が検出されたユーザのユーザ端末」に相当する。
また、引用発明において、Xそば店に設置された中継装置との通信が終了した、すなわち、Xそば店という店舗からの退店を検出した、タイミングで上記通信端末に提供される、第二提供情報であるXそば店の近隣に位置する喫茶店を紹介するための情報である店舗情報1は、当該退店が検出されたXそば店という店舗とは異なる店舗である喫茶店に関し、当該喫茶店を紹介、すなわち、レコメンドする情報として送信されるものである。そうすると、引用発明の「第二提供情報」の送信は、下記相違点2で相違するものの、本願発明1と「当該退店が検出されたユーザのユーザ端末に当該退店が検出された店舗とは異なる」「店舗に関する情報」をレコメンド情報として送信する点で共通する。
そして、当該端末に対して提供される第二提供情報も、情報提供部が通信部を介して提供する提供情報であるから、引用発明の「情報提供部」及び「通信部」は、下記相違点3で相違するものの、「当該退店が検出されたユーザのユーザ端末に当該退店が検出された店舗とは異なる」「店舗に関する情報をレコメンド情報として送信する」点で、本願発明1の「レコメンド部」と共通する。
ウ 情報処理装置について
上記構成を備える引用発明である「情報提供装置」は、本願発明1と同様の「情報処理装置」であるといえる。
したがって、本願発明1と引用発明との間には、次の一致点、相違点があるといえる。
<一致点>
ユーザの店舗からの退店を検出する検出部と、
当該退店が検出されたユーザのユーザ端末に当該退店が検出された店舗とは異なる店舗に関する情報をレコメンド情報として送信するレコメンド部と、を備えた、
情報処理装置。
<相違点>
(相違点1)本願発明1の検出部は「店舗におけるユーザの支払いの有無」も検出するのに対し、引用発明の検出部はこれを検出しない点。
(相違点2)本願発明1のレコメンド情報に係る店舗は「前記退店が検出された店舗と同種の商品またはサービスを提供する店舗とされた」「代替店舗」であるのに対し、引用発明のレコメンド情報に係る店舗はそのようではない点。
(相違点3)本願発明1のレコメンド情報の送信は、「退店が検出された店舗における前記支払いが検出されなかった場合」にされるのに対し、引用発明におけるレコメンド情報の送信はこれを考慮しない点。
(2)相違点についての判断
上記相違点1ないし3は、関連する相違点であり、まとめて検討する。
相違点1ないし3に係る、本願発明1の「店舗におけるユーザの支払いの有無」も検出する「検出部」により「退店が検出された店舗における前記支払いが検出されなかった場合」に「前記退店が検出された店舗と同種の商品またはサービスを提供する店舗とされた」「代替店舗」に関する情報をレコメンド情報として送信することにより、「来店したにも関わらず購買行動が検出されなかった店舗は、ユーザが目的が果たせなかった可能性が高い。そのような店舗の代替となる店舗がユーザに提示される。」(本願明細書【0009】)ようにする点は、引用文献1-4には記載されておらず、本願出願前において周知技術であるともいえない。
したがって、本願発明1は、当業者であっても、引用発明及び引用文献1-4の記載事項に基づいて容易に発明をすることができたものとはいえない。
2.本願発明2-7について
本願発明2-7は、相違点1ないし3に係る本願発明1の構成と同一の構成を備えるものであるから、本願発明1と同じ理由により、当業者であっても、引用発明及び引用文献1-4の記載事項に基づいて容易に発明をすることができたものとはいえない。
3.本願発明8-9について
本願発明8、9は、それぞれ、本願発明1に対応する方法、プログラムの発明であり、相違点1ないし3に係る本願発明1の構成に対応する構成を備えるものであるから、本願発明1と同様の理由により、当業者であっても、引用発明及び引用文献1-4の記載事項に基づいて容易に発明をすることができたものとはいえない。
第6 原査定について
原査定の理由は、請求項1-13に係る発明は、引用文献1に記載された発明及び引用文献2-4に記載された周知技術から、当業者が容易に発明をすることができたものであるから、特許法第29条第2項の規定により特許を受けることができないというものである。
しかしながら、令和2年8月28日の手続補正で補正された請求項1-9に係る発明は、第5 1(2)に検討した相違点1ないし3に係る本願発明1の構成又は対応する構成を備えるものであるから、引用文献1に記載された発明及び引用文献2-4に記載された周知技術に基づいて、当業者が容易に発明をすることができたものではない。
したがって、原査定の理由を維持することはできない。
第7 むすび
以上のとおり、原査定の理由によっては、本願を拒絶することはできない。
また、他に本願を拒絶すべき理由を発見しない。
よって、結論のとおり審決する。
審決本文(J-PlatPat)
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2020-012080