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特許拒絶査定不服審判

2020-011696

情報処理装置、情報処理装置の制御方法、情報処理システム、及びプログラム

審判番号
2020-011696
法域
特許
審判種別
拒絶査定不服審判(拒絶査定不服の審決)
出願番号
特願2015-247646外部サイト(J-PlatPat)へ移動します
請求日
2020年08月21日
審決日
2022年03月08日
公報発行日
2022年04月28日
結論
原査定取消(特許/登録すべき)
当事者
審判長/審判官
分類
P18 .113-WY (G06Q) / P18 .121-WY (G06Q)
条文(本文から自動抽出・参考)
特許法第29条第2項、特許法第29条第1項第3号
データ出所
審決公報(XML)

事件の表示

特願2015-247646「情報処理装置、情報処理装置の制御方法、情報処理システム、及びプログラム」拒絶査定不服審判事件〔平成29年 6月22日出願公開、特開2017-111747、請求項の数(15)〕について、次のとおり審決する。

結論

結 論
原査定を取り消す。
本願の発明は、特許すべきものとする。

理由

目次 ▾ 17項目
理 由

第1 手続の経緯

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本願は、平成27年12月18日の出願であって、平成30年12月12日に手続補正がなされ、令和1年10月31日付けで拒絶理由が通知され、令和2年1月9日に意見書及び手続補正書が提出され、同年5月18日付けで拒絶査定がなされ、これに対し、同年8月21日に拒絶査定不服審判の請求がされると同時に手続補正がなされたものである。

その後、当審において、令和3年7月29日付けで拒絶理由(以下「当審拒絶理由」という。)が通知され、これに対し、同年10月1日に意見書及び手続補正書が提出された。

第2 原査定及び当審拒絶理由の概要

1 原査定(令和2年5月18日付け拒絶査定)の概要は以下のとおりである。

理由1(新規性)

この出願の請求項1、2、8~12に係る発明は、以下の引用文献Aに記載された発明であるから、特許法第29条第1項第3号に該当し、特許を受けることができない。

理由2(進歩性)

この出願の請求項3~7に係る発明は、以下の引用文献A~Cに記載された発明に基いて、その出願前にその発明の属する技術の分野における通常の知識を有する者が容易に発明をすることができたものであるから、特許法第29条第2項の規定により特許を受けることができない。

引用文献A.特開2012-203747号公報

引用文献B.辻 順平,災害避難シミュレーションの実証展示に関する事例報告,一般社団法人人工知能学会 研究会 DOCMAS:データ指向構成マイニングとシミュレーション研究会 DOCMAS-009 [online],一般社団法人人工知能学会,2015年 2月27日

引用文献C.特開2013-108837号公報

2 当審拒絶理由(令和3年7月29日付けの拒絶理由)の概要は以下のとおりである。

理由1(進歩性)

この出願の請求項1~12に係る発明は、以下の引用文献1~4に記載された発明に基いて、その出願前にその発明の属する技術の分野における通常の知識を有する者が容易に発明をすることができたものであるから、特許法第29条第2項の規定により特許を受けることができない。

引用文献1.特開2012-203747号公報 (拒絶査定時の引用文献A)

引用文献2.特開2013-89078号公報(当審において新たに引用した文献)

引用文献3.特開2006-106124号公報(当審において新たに引用した文献)

引用文献4.特開2013-108837号公報(拒絶査定時の引用文献C)

第3 本願発明

1 本願の請求項1~15に係る発明(以下、それぞれ「本願発明1」~「本願発明15」という。)は、令和3年10月1日提出の手続補正書により補正された特許請求の範囲の請求項1~15に記載された事項により特定される発明であり、そのうち「本願発明1」は、以下のとおりのものである。

「【請求項1】
地図を分割した分割領域を取得可能な情報処理装置であって、
前記分割領域のうち、災害の被害地域を含まず、地図上において避難者が歩行可能な領域である歩行領域を含む分割領域を、前記避難者の避難目的地の候補となる分割領域として表示画面に表示するように制御する表示制御手段と、
前記候補の中から決定された避難目的地に対して複数の避難者オブジェクトをそれぞれ移動させるシミュレーションを実行するように制御する制御手段と、
を備えることを特徴とする情報処理装置。」

なお、本願発明2~15の概要は、以下のとおりである。

本願発明2~12は、本願発明1を減縮した発明である。

本願発明13は、本願発明1の情報処理装置の発明に対応する情報処理装置の制御方法の発明であり、本願発明1とはカテゴリ表現が異なるのみの発明である。

本願発明14は、本願発明1の情報処理装置の発明に対応する情報処理システムの発明である。

本願発明15は、本願発明1~12の情報処理装置の発明に対応するプログラムの発明である。

第4 引用文献、引用発明等

1 引用文献1について

(1)引用文献1の記載事項

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当審拒絶理由で引用した引用文献1には、図面とともに以下の事項が記載されている(下線は、当審にて付したものである)。

ア「【0010】

本願発明は、以上の課題を鑑み、比較的少ない予算で、津波を初めとする災害に対してより適切な避難を市民に行わせることができる防災システム及び当該システムで用いられる装置を提供することを目的とする。」

イ 「【0096】
(実施の形態2)
本実施の形態2の表示装置は、実施の形態1の表示装置と比較して避難情報を保有していない。その一方で、海抜まで含めた3次元地図を地図情報として記憶している。また、位置検出部は、海抜まで含めた3次元位置を検出する。以下、詳細に説明する。
【0097】
続きを表示(全65行)
図9は、本実施の形態2にかかる表示装置300のブロック図である。本実施の形態2にかかる表示装置300は、位置検出部310と、記憶部120と、入力部130と、受信部140と、算出部150と、表示部160と、から構成される。以下、各ブロックについて説明する。但し、実施の形態1の表示装置100と同一のブロックに関しては一部説明を省略する。
【0098】
位置検出部310は、現在の位置を求める検出手段であり例えばGPSを用いた位置検出方法によって現在位置を求める。ここで、位置検出部310は、緯度(Latitude)、経度(Longitude)に加えて海抜高度(altitude)も検出する。すなわち、位置検出部310はX方向、Y方向、Z方向の3次元における現在位置を検出する。
【0099】
記憶部120は、地図情報を記憶する。ここで記憶部120に記憶されている地図情報は、3次元地図であることを特徴としている。すなわち、記憶部120には、緯度、経度の他に海抜高度や等高線といった“高さ”の概念を有する地図が記憶されている。
【0100】
受信部140は、外部より緊急情報を受信する。ここでは、特に緊急情報が津波に関する情報であるとして説明する。受信部140は、緊急情報を受信すると、受信した当該緊急情報を算出部150へ出力する。
【0101】
算出部150は、受信部140より津波に関する緊急情報を入力すると、位置検出部310より現在位置に関する情報である現在位置情報を読み込む。
【0102】
算出部150は、読み込んだ現在位置情報と緊急情報に含まれる津波に関する情報とに基づいて、現在位置が津波の被害を受ける可能性がある範囲内にあるかどうかの判断を行う。より具体的には、算出部150は、緊急情報に含まれる予想される津波の高さと津波の到達位置とに基づいて、津波の被害を受け得る範囲を特定するための第1算出処理を行う。次に、上記第1算出処理で求めた範囲内に現在位置が含まれるかを判定する第2算出処理を行う。上記第2算出処理によって現在の位置が津波の被害を受けうる範囲に属すると判定された場合は、上記津波の被害を受けない範囲であって、現在の位置から予想される津波の到達時刻までに移動可能な1の場所を上記地図情報に基づいて特定する第3算出処理を行う。算出部140は、特定された場所を避難場所として目的地に設定し、現在位置から当該避難場所までの最適な経路を求める第4算出処理を行う。
【0103】
表示部160は、記憶部120に記憶されている地図情報に基づいて描画した地図の上に、前記第1算出処理で求めた津波の被害を受けうる範囲を示す描画をオーバーレイ表示することで、津波の被害を受けうる範囲をユーザに警告する。また、表示部は、算出部150における前記第4算出処理で求めた最適な避難経路を合わせてオーバーレイ表示する。
【0104】
図13は、表示部160が表示する表示画面の一例を示している。表示部は、表示画面に、現在位置901、第1算出処理で求めた津波の被害を受けうる範囲902及び903と、第3算出処理で求められた避難場所904と、現在位置901から避難場所904までの最適な経路905を、描画した地図上にオーバーレイ表示して表示している。ここで902は津波の被害を高い確率で受ける範囲(いわゆる警報範囲であり退避勧告が出ている範囲)を示しており、903は津波の被害を受ける可能性がある範囲(いわゆる注意範囲であり、注意喚起が出ている範囲)である。
【0105】
次に、上記表示装置における処理動作について説明する。図14は、当該処理フローを示したフローチャートである。以下、津波に関する緊急情報を特に津波情報と記載して説明する。また、ここでは高さ6mの津波が予測される場合について説明する。
【0106】
位置検出部110は、所定のタイミングで現在の位置を検出する(ステップ001)。ここで、所定のタイミングは例えば1秒に1回の割合で現在の位置を検出する。検出した位置に関する情報は、必要に応じて算出部に出力される。
【0107】
次に、受信部140は、外部より送信された津波情報を受信する(ステップ002)。受信部140で受信された津波情報は算出部140へ出力される。
【0108】
算出部140は、受信部より津波情報を入力すると、位置検出部110より現在の位置に関する情報である現在位置情報を読み込む(ステップ003)。
【0109】
次に、算出部140は、読み込んだ現在位置情報と津波情報に含まれる津波警報が発令されている地域とから、現在の位置が津波の影響を受けるエリアであるかに関する大まかな判断を行う(ステップ004)。例えば、津波警報が日本海側に出ている場合に、現在位置が内陸部や太平洋側である場合には、避難誘導を行う必要が無いため処理を終了する。
【0110】
一方、現在の位置が津波警報が発令されている地域内である場合には、津波情報に含まれる予想される津波の高さと津波到達場所と地図情報と現在位置に基づいて、陸地であって津波の影響を受ける場所を特定する(ステップ005)。当該特定方法を図15及び図16を用いて説明する。
【0111】
図15は、上記3次元地図情報の中から海岸付近の地図をXZ平面図を切り出した図である。図右側のAの部分が海であり、図左側が陸地である。ここで点線は海面が津波により6m上昇した場合の海面の高さであり、上部の点線は海面が津波により10m上昇した場合の海面の高さを模式的に示している。
【0112】
図から読み取れるように、海面が6m上昇した場合、海岸付近の陸地であって海抜が6m以下の場所は海面下となる。すなわち津波が押し寄せてきた場合被害を受けうる範囲となる。なお10mの場合も同様である。従って、図15内においてAlertで示されている位置は、6mの津波が襲ってきた場合に水没する地域であり、退避勧告が発せられる警戒地域となる。一方、予報が外れた場合や、地形によってさらに津波が内陸部まで入り込んでくる可能性を考慮して海抜10m以下のエリア(図12内においてCautionで示されている位置)が注意喚起が発せられる注意地域となる。
【0113】
図16は、図15に対応する地図をXY平面で表した図である。図右側が海であり、図左側が陸地を表している。ここで、図16において、斜線の範囲が注意喚起が発せされている範囲を、網掛けの範囲が退避勧告が発せられている範囲を示している。算出部150は、3次元の地図情報から海岸線から所定の距離以内であって海抜6m以下の範囲と10m以下の範囲を抽出し、当該範囲を津波の被害を受けうる範囲であると特定する。また、河川付近は、海抜が津波の高さ以上であっても容易に津波が浸食してくるため、算出部150は、河川付近についてはマージンを20mとり、海抜26m以下の河川付近の場所についても津波の被害を受けうる範囲として特定する。また、算出部150は、当該抽出した範囲に関するデータを図示せぬバッファメモリに一時記憶する。
【0114】
次に、算出部150は、現在の位置がステップ005で特定された津波の被害を受けうる範囲内であるかどうかの判定を行う(ステップ006)。具体的には、バッファメモリに一時記憶されている津波の被害予想地域として抽出された位置範囲内に現在の位置が含まれているかどうかの判定を行う。
【0115】
算出部150は、ステップ006において現在の位置が津波の被害を受けうる範囲内であると判断した場合には、津波の被害を受けうる範囲外であって、現在の位置から津波の到達時刻内に到達可能な場所を避難場所として特定する(ステップ007)。ここで、算出部150は、避難場所としては、現在位置と海岸とを結ぶ線上であって、海岸と反対側の位置でかつ海抜高度が予想される津波の高さに所定のマージンを加えた高さ以上の場所を避難場所として特定することができる。また、算出部150は、現在の位置から所定の半径の同心円内に、海抜高度が予想される津波の高さに所定のマージンを加えた高さ以上の場所がないかどうかの検索処理を行い、当該場所が存在する場合には、その場所を避難場所として特定しても良い。また、当該同心円内に該当する場所が無い場合には、同心円の半径を拡大して同様の処理を繰り返しても良い。
【0116】
次に算出部150は、上記避難場所を新たな目的地として設定する(ステップ008)。予めユーザが目的地を入力して経路誘導が行われていた場合でも、上記ステップで求めた避難場所を新たな目的地として強制的に設定する。
【0117】
次に、算出部150は、現在位置から上記避難場所までの最適な経路を算出する(ステップ009)。
【0118】
次に、表示部160は、地図情報に基づいて描画した地図に、ステップ005で求めた津波の影響をうけうる範囲やステップ007で求めた避難場所やステップ008で求めた最適な経路をオーバーレイ表示する(S010)。このような処理を行うことにより、ユーザに適切な避難行動が取れるようにする。
【0119】
以上説明したように本実施の形態2にかかる表示装置では、現在の位置を検出する位置検出手段と、3次元の地図情報を記憶する記憶手段と、少なくとも予想される津波の到達時刻と津波の到達場所と津波の高さに関する情報を含む津波情報を受信する受信手段と、前記津波情報が受信された場合に、前記地図情報と前記津波情報とに基づいて前記現在の位置から所定の範囲内において津波の影響を受け得る範囲を求める第1の算出処理を行う算出手段と、前記地図情報を読み込んで描画した地図に前記求められた津波の影響を受け得る範囲を示す描画をオーバーレイ表示する表示手段と、を具備する。
【0120】
このように構成することで、津波の被害を受けるエリアを視覚的に捉えることができるため、どこに避難すれば安全であるかを感覚的に捉えることができる。従って、冷静さを失っている場合においてもユーザは適切な避難行動を取ることが可能となる。
【0121】
また、本実施の形態2にかかる表示装置では、算出手段が、前記3次元の地図情報に基づいて前記予想される津波の到達時刻までに現在位置から移動可能な範囲内であって、前記予想される津波の高さよりも海抜高度が高い1つの場所を最適な避難場所として選ぶ選択処理を行うことができる。このように構成することで、当該装置が適切な避難場所を提示するため、ユーザは、当該提示された避難場所に適切に避難することができる。
【0122】
また、上記算出手段は、前記3次元の地図情報に基づいて前記予想される津波の到達時刻までに現在位置から移動可能な範囲内であって、前記予想される津波の高さよりも海抜高度が高い場所を避難場所候補として抽出する抽出処理をまず行う。そして、前期抽出した避難場所候補の中から、最適な避難場所として1の避難場所を選ぶ選択処理を行うことも可能である。このような2段階の処理で避難場所を特定することで処理速度を速めることができる。
【0123】
また、上記前記算出手段は、前記現在の位置から前記選ばれた最適の避難場所までの最適な避難経路を求める第3の算出処理を行い、前記表示手段は、前記目的地までの最適な経路のオーバーレイ表示を中止し、前記最適の避難場所までの最適な避難経路を地図上にオーバーレイ表示することができる。その効果は実施の形態1の場合と同様である。
【0124】
以上説明したように表示装置を上記構成とすることで、予め避難情報を保有しない場合でも現在位置の海抜と地図情報に含まれる海抜とに基づいて、予想される津波の高さよりも高い位置を最適な避難場所として特定し、当該避難場所を新たな目的地として経路誘導することが可能となる。
【0125】
また、上記表示装置では、現在位置情報と津波情報と地図情報とに基づいて現在位置周辺の津波の影響を受けうる範囲を特定し、視覚的にユーザに表示する。従って、津波の被害を受けうる範囲外にいるユーザが誤って津波の被害を受けうる範囲内に入ってしまうことを防ぐことができる。
【0126】
また、津波の影響を受ける範囲外から津波の影響を受ける範囲内に誤って入ってしまった場合は、図示せぬスピーカーより警告音を発するよう構成していても良い。すなわち、算出部150は、位置検出部110より入力した位置情報に基づいて、現在位置が津波の影響を受けうる範囲内であると判定した場合は、記憶部130に記憶されている所定の警告音を読み出して再生し、スピーカーよりユーザに注意喚起を行うよう構成するとなお良好である。
【0127】
また、避難する車や人が渋滞しないように、避難場所は津波の影響をうけうる範囲の境界線よりもより内陸側若しくはより高度の高い場所を避難場所として特定するアルゴリズムを用いることがなお良好である。」
ウ 「【0170】
また、上記実施の形態1~3においては最適な避難場所を1箇所選ぶ場合について説明したが、これに限定するものではない。一定の基準を満たした複数の避難場所を最適な避難場所として特定し、ユーザに提示する形態をとることも当然可能である。すなわち、本発明でいう最適な避難場所とは特に1つに限定しない場合は、一定の基準を満たした複数の避難場所を表している。このように構成することで、避難場所としての適格を満たした複数の避難場所の中からユーザが最も都合の良い避難場所を選ぶことができるとともに、避難者の集中を分散させる効果が期待できる。ある表示装置によって特定される避難場所は、他の表示装置においても避難場所と特定される可能性が高いためである。しかし、複数の候補の中からユーザが最終的に選ぶ場合は、分散効果が期待できる。」
エ 「【図12】
[図:0001382706000001.jpg]
」
オ 「【図13】
[図:0001382706000002.jpg]
」

(2)引用文献1に記載された発明

上記(1)のア~オによれば、引用文献1には、次の発明(以下、「引用発明」という。)が記載されている。

<引用発明>

「位置検出部310と、記憶部120と、入力部130と、受信部140と、算出部150と、表示部160と、から構成される表示装置300において(【0097】)、
位置検出部310は、現在の位置を求める検出手段であり例えばGPSを用いた位置検出方法によって現在位置を求め、位置検出部310は、緯度(Latitude)、経度(Longitude)に加えて海抜高度(altitude)、すなわち、位置検出部310はX方向、Y方向、Z方向の3次元における現在位置を検出し(【0098】)、
記憶部120は、地図情報を記憶し、記憶部120に記憶されている地図情報は、3次元地図であり、記憶部120には、緯度、経度の他に海抜高度や等高線といった“高さ”の概念を有する地図が記憶され(【0099】)、
受信部140は、外部より緊急情報を受信し、緊急情報は津波に関する情報であり、受信部140は、緊急情報を受信すると、受信した当該緊急情報を算出部150へ出力し(【0100】)、
続きを表示(全11行)
算出部150は、受信部140より津波に関する緊急情報を入力すると、位置検出部310より現在位置に関する情報である現在位置情報を読み込み(【0101】)、
算出部150は、読み込んだ現在位置情報と緊急情報に含まれる津波に関する情報とに基づいて、現在位置が津波の被害を受ける可能性がある範囲内にあるかどうかの判断を行い、算出部150は、緊急情報に含まれる予想される津波の高さと津波の到達位置とに基づいて、津波の被害を受け得る範囲を特定するための第1算出処理を行い、次に、上記第1算出処理で求めた範囲内に現在位置が含まれるかを判定する第2算出処理を行い、上記第2算出処理によって現在の位置が津波の被害を受けうる範囲に属すると判定された場合は、上記津波の被害を受けない範囲であって、現在の位置から予想される津波の到達時刻までに移動可能な1の場所を上記地図情報に基づいて特定する第3算出処理を行い、算出部140は、特定された場所を避難場所として目的地に設定し、現在位置から当該避難場所までの最適な経路を求める第4算出処理を行い(【0102】)、
表示部160は、記憶部120に記憶されている地図情報に基づいて描画した地図の上に、前記第1算出処理で求めた津波の被害を受けうる範囲を示す描画をオーバーレイ表示することで、津波の被害を受けうる範囲をユーザに警告し、また、表示部は、算出部150における前記第4算出処理で求めた最適な避難経路を合わせてオーバーレイ表示し(【0103】)、
表示部160は、表示画面に、現在位置901、第1算出処理で求めた津波の被害を受けうる範囲902及び903と、第3算出処理で求められた避難場所904と、現在位置901から避難場所904までの最適な経路905を、描画した地図上にオーバーレイ表示して表示し、902は津波の被害を高い確率で受ける範囲(いわゆる警報範囲であり退避勧告が出ている範囲)を示しており、903は津波の被害を受ける可能性がある範囲(いわゆる注意範囲であり、注意喚起が出ている範囲)であり(【0104】)、
上記算出手段は、前記3次元の地図情報に基づいて前記予想される津波の到達時刻までに現在位置から移動可能な範囲内であって、前記予想される津波の高さよりも海抜高度が高い場所を避難場所候補として抽出する抽出処理をまず行い、抽出した避難場所候補の中から、最適な避難場所として1の避難場所を選ぶ選択処理を行うことも可能であり(【0122】)、
一定の基準を満たした複数の避難場所を最適な避難場所として特定し、ユーザに提示する形態をとることも可能であり、最適な避難場所とは特に1つに限定しない場合は、一定の基準を満たした複数の避難場所を表しており、避難場所としての適格を満たした複数の避難場所の中からユーザが最も都合の良い避難場所を選ぶことができるとともに、避難者の集中を分散させる効果が期待できる(【0170】)、
表示装置300」

2 引用文献2について

(1)引用文献2に記載された事項

当審拒絶理由で引用した引用文献2には、図面とともに以下の事項が記載されている(下線は、当審にて付したものである。)。

ア 「【0001】
本発明は、地震発生時に発生する津波からのユーザの避難を支援するための技術に関する。」
イ 「【0020】
《津波避難支援装置の構成》
本実施形態の津波避難支援装置110の構成を、図1に従って詳細に説明する。
【0021】
続きを表示(全11行)
通信制御部111は、ネットワーク190を介してユーザの通信端末150~170や各サーバ130,140と通信する。属性情報取得部112は、属性情報DB113にあらかじめ登録された属性情報、あるいは通信端末150~170から送信された属性情報を取得する。属性情報DB113には、例えば、ユーザの性別や年齢などから所有する乗り物などに至るユーザの属性情報がユーザIDに対応付けて記憶される(図6参照)。
【0022】
現在位置情報取得部114は、ユーザの通信端末が例えばGPS衛星からの信号に基づいて得たユーザの現在位置情報を取得する。そして、移動速度算出部115は、異なる2時点(好ましくは、現在時刻と1つ前の時刻)の位置情報の差と時刻差とからユーザの移動速度を算出する(図7B参照)。到達予測時刻取得部116は、津波到達予測時刻提供サーバ130から、ユーザが居る地域の各地点の津波到達予測時刻を取得する(図9参照)。地図情報取得部117は、地図情報DB118から、または、地図情報DB118に無い場合は地図情報提供サーバ140から、対象地域の地図情報を取得する。地図情報DB118は、目標位置を中心とした対象地域の各地点の標高などを含む地図情報を格納する(図8参照)。
【0023】
安全度予測値算出部119は、ユーザの現在位置情報と移動速度、地図情報と各地点の津波の到達予測時刻、さらに、ユーザの属性情報とから、地図情報上の各地点の位置座標(緯度,経度)に対応付けて複数指標119aを生成する(図10A参照)。そして、複数指標を演算して、各地点位置座標(緯度,経度)に対応付けて安全度予測値119bを算出する(図12参照)。避難候補情報生成部120は、安全度予測値算出部119が算出した各地点の安全度予測値119bに基づいて、避難候補地および現在位置から避難候補地までの避難候補ルート120aを選別する(図12~図15参照)。ここで、避難候補地および避難候補ルート120aは、複数の異なる条件により選別されて、2つか3つの推奨避難候補地および推奨避難候補ルートが生成される。
【0024】
避難候補情報生成部120からの避難候補地および避難候補ルート120bを受けて、支援情報送信部121は、支援情報を生成し、対応する通信端末IDを有する通信端末に支援情報を送信する。なお、支援情報は、避難候補地および避難候補ルートを地図上に重畳した表示画面情報と共に、警報や津波情報などを含む通知情報やユーザを誘導する誘導情報の表示画面情報や音声情報を含む。なお、表示画面においては避難候補地や避難候補ルートが識別可能に重畳された表示画面生成がなされる。識別可能とは、色の違いや線の違いなどを含む。」
ウ 「【0078】
(安全度予測値のための複数指標)
図10Aは、本実施形態に係る安全度予測値のための複数指数119aの構成を示す図である。なお、安全度予測値算出部119が設定する安全度予測値のための複数指数119aの構成は、図10Aに限定されない。かかる各指標について、各地点の安全度予測値を算出するための元となるスコアが記憶される。なお、スコアは、安全度予測値の演算への寄与の程度に対応してあらかじめ重み付けされてもよいし、あるいは、それぞれ独立に設定されて安全度予測値の演算時に重み付けされてもよい。
【0079】
図10Aの複数指数119aは、図8および図9に示したと同様の、緯度1001と経度1002との組みで表わされる領域内の各地点に対応付けて、本実施形態においては以下の情報が記憶される。図9にように取得した、津波到達予測時刻1003、津波予測高さ1004、津波の予測エネルギー1005、地震の予測エネルギー1006のスコアが記憶される。また、ユーザの現在位置情報からこの地点までの距離とユーザの移動速度とから、この地点へのユーザ到達予測時刻1007、そして、津波到達予測時刻1003とユーザ到達予測時刻との到達予測時刻の時間差1008のスコアが記憶される。また、この地点の地図上の情報から想定される津波に対する安全度の条件として、例えば、標高1009、海岸線からの距離および方向1010、河川からの距離および方向1011、道
路上の地点では道路の向きおよび幅1012などのスコアが記憶される。さらに、緊急時の安全度を考慮する、例えば、一時避難地となり得る高層建築物までの距離などのスコアが記憶される。」
エ 「【0088】
(避難候補地および避難候補ルートの抽出)
図12は、本実施形態に係る安全度予測値119bからの避難候補地および避難候補ルートの抽出を説明する図である。
【0089】
図12においては、各地点の緯度1201と経度1202とに対応付けて、図11の安全度予測値演算アルゴリズムで算出された安全度予測値1203が記憶されている。
【0090】
この安全度予測値1203が、図11の避難地選択用第1閾値Th1より大きい地点を避難候補地に選択する。図12においては、2つの避難候補地HP01とHP02とが選択されている。なお、1地点の範囲(図8の例では3.1m×2.5m)のみでは避難地とならないので、所定領域が避難地選択用第1閾値Th1を超える場合に避難候補地とするのが望ましい。なお、この選択された避難候補地が最終的な避難候補地になる訳ではない。例えば、避難候補地への避難候補ルートが選択あるいは選別できなければ、避難候補地には選別されない。本実施形態においては、安全度予測値も避難候補ルートの選択あるいは選別も時々刻々変化するので、避難候補地もそれに従って逐次変化する。しかし、避難候補地をユーザに移動の度に変更するのは危険であるので、今までの避難候補地の安全度予測値が低下する、あるいは今までの避難候補地よりかなり高い安全度予測値が出た場合に変更するなどの制御が必要である。
【0091】
また、安全度予測値1203が、図11の避難ルート選択用第2閾値Th2より大きい地点の現在位置から避難候補地までの列を避難候補ルートに選択する。図12においては、現在位置から避難候補地HP01に続く避難候補ルートHL011が選択されている。なお、この選択された避難候補ルートがすべて最終的な避難候補ルートに選別される訳ではない。図11の避難ルート選別用第3閾値や時々刻々変化し新たに得られた他の障害条件などに基づいて、より確実で安全な避難候補ルートが選別されてユーザに報知されることになる。かかる避難ルートの変更も、上記避難候補地同様に、ユーザに混乱を起こさないように制御されるのが望ましい。」

(2)引用文献2記載の技術的事項

上記(1)のア~エによれば、引用文献2には、次の技術的事項が記載されているといえる。

<引用文献2記載の技術的事項>

「安全度予測値算出部119は、ユーザの現在位置情報と移動速度、地図情報と各地点の津波の到達予測時刻、さらに、ユーザの属性情報とから、地図情報上の各地点の位置座標(緯度,経度)に対応付けて複数指標119aを生成し、複数指標を演算して、各地点位置座標(緯度,経度)に対応付けて安全度予測値119bを算出し、避難候補情報生成部120は、安全度予測値算出部119が算出した各地点の安全度予測値119bに基づいて、避難候補地および現在位置から避難候補地までの避難候補ルート120aを選別し(【0023】)、
地図上の情報から想定される津波に対する安全度の条件として、例えば、標高1009、海岸線からの距離および方向1010、河川からの距離および方向1011、道路上の地点では道路の向きおよび幅1012などのスコアが記憶され、さらに、緊急時の安全度を考慮して、例えば、一時避難地となり得る高層建築物までの距離などのスコアが記憶され(【0079】)、
安全度予測値1203が、避難地選択用第1閾値Th1より大きい地点を避難候補地に選択する(【0090】)、津波避難支援装置。」

3 引用文献3について

(1)引用文献3に記載された事項

当審拒絶理由で引用した引用文献3には、図面とともに以下の事項が記載されている(下線は、当審にて付したものである。)。

ア 「【0001】
本発明は、ハザードマップ作成支援サーバに関するものである。」
イ 「【0006】
ハザードマップ10には、河川氾濫による洪水ハザードマップをはじめとして、津波、火山、地震等、災害の種類に応じた各種のものが含まれ、ハザードマップ10の作成に際して、災害原因発生時における災害の深刻度(規模や被害金額等)をシミュレートした災害分布図1が作成される。シミュレーションは、対象地域を分割したメッシュ内での災害の深刻度を演算し、災害の深刻度により対象地域を複数に区分して行われ、災害分布図1には、このメッシュデータをそのまま使用することも、さらには、メッシュデータから各メッシュ内の地形の特殊性等を考慮して詳細に作り直したものを使用することもできる。」

ウ 「【0014】

一方、サーバAは、入出力部14と、制御部15と、制御部15内のデータベースアクセス部16を介してアクセスされるデータベース部17とからなる。データベース部17は、洪水シミュレーションによる河川流域の災害分布図1を格納した災害シミュレーションデータベース2と、河川流域の地形図を格納した地形図データベース4と、ハザードマップ作成主体によって設定される重畳画像を格納する重畳画像データベース7とを有して構成される。

(2)引用文献3記載の技術的事項

上記(1)のア~ウによれば、引用文献3には、次の技術的事項が記載されているといえる。

<引用文献3記載の技術的事項>

「データベース部17は、洪水シミュレーションによる河川流域の災害分布図1を格納し(【0014】)、災害分布図1には、このメッシュデータをそのまま使用する(【0006】)こと」

4 引用文献4について

(1)引用文献4に記載された事項

当審拒絶理由で引用した引用文献4には、図面とともに以下の事項が記載されている(下線は、当審にて付したものである。)。

ア 「【0018】
地図情報記憶手段103は、ハードディスクやメモリなどによって構成される。地図情報記憶手段103は、道路情報記憶手段104及び分岐周辺の車線情報記憶手段105を備えている。
【0019】
道路情報記憶手段104は、道路に関する道路情報や案内表示などの情報を所定のメッシュ領域ごとに格納している。道路情報は、各メッシュ領域について、当該メッシュ領域内の各道路を表すための道路ノード番号、道路ノード位置、道路リンク番号、道路リンクの幅員、車線数、道路リンクに対応する車線情報の有無フラグ、車線情報の格納場所などの各情報を含む。なお、道路ノードは道路上の交差点や分岐等に対応して設定された点であり、道路リンクは道路に沿って並んだ2つの道路ノード間を結んだ線である。」

(2)引用文献4記載の技術的事項

上記(1)のアによれば、引用文献4には、次の技術的事項が記載されているといえる。

<引用文献4記載の技術的事項>

「道路情報記憶手段104は、道路に関する道路情報や案内表示などの情報を所定のメッシュ領域ごとに格納しており、道路情報は、各メッシュ領域について、当該メッシュ領域内の各道路を表すための道路ノード番号、道路ノード位置、道路リンク番号、道路リンクの幅員、車線数、道路リンクに対応する車線情報の有無フラグ、車線情報の格納場所などの各情報を含み、道路ノードは道路上の交差点や分岐等に対応して設定された点であり、道路リンクは道路に沿って並んだ2つの道路ノード間を結んだ線である(【0019】)こと。」

第5 進歩性(特許法第29条第2項)について

1 本願発明1について

(1)対比

本願発明1と引用発明を、以下で対比する。

ア 引用発明における「表示装置300」は、第1算出処理~第4算出処理のような情報処理を行うから、本願発明1と同様の「情報処理装置」といえる。

イ 引用発明における「記憶部120」は、「地図情報を記憶」するから、本願発明1と「地図を記憶する」点で共通する。

ウ 引用発明において、「ユーザ」は、避難する者であるから、本願発明1における「避難者」に相当し、「算出部150」が行う「第3算出処理」で、「津波の被害を受けない範囲」は、災害の被害がない地域であるから、本願発明1における「災害の被害地域を含まず」に相当し、引用発明における「現在の位置から予想される津波の到達時刻までに移動可能な1の場所を上記地図情報に基づいて特定する」ことは、ユーザが避難可能な場所を特定することであるから、本願発明1における「地図上において避難者が歩行可能な領域である歩行領域を含む分割領域」とは、「地図上において避難者が避難可能な場所」を特定する点で共通する。

エ 引用発明において、「算出部150」が行う「第4算出処理」では、「第3算出処理」で「特定された場所を避難場所として目的地に設定し」、「表示部160」は、「第3算出処理で求められた避難場所904」を、「描画した地図上にオーバーレイ表示して表示」し、「避難場所」は、まず「候補」として抽出したり、複数の避難場所をユーザに提示してユーザが選ぶこともできるから、本願発明1における「避難者の避難目的地の候補となる分割領域として表示画面に表示」することとは、「避難者の避難目的地の候補となる場所として表示画面に表示」する点で共通する。

また、引用発明における「表示部160」での表示は、表示制御手段によってなされることは明らかであるから、引用発明には、本願発明1における「表示画面に表示すべく制御する表示制御手段」に相当する構成がある。

(2)一致点及び相違点

以上のことから、本願発明1と引用発明との一致点及び相違点は、次のとおりである。

<一致点>

「地図を記憶する情報処理装置であって、
災害の被害地域を含まず、地図上において避難者が避難可能な場所を、前記避難者の避難目的地の候補となる場所として表示画面に表示すべく制御する表示制御手段を備える情報処理装置。」

<相違点1>

「情報処理装置」が、本願発明1では、「地図を分割した分割領域を取得可能」としたものであるのに対し、引用発明では、地図が分割したものであるのか、表示装置300が地図情報を取得可能とするか否か明確でない点。

<相違点2>

「避難者が避難可能な場所」が、本願発明1では、「避難者が歩行可能な領域である歩行領域を含む分割領域」であるのに対し、引用発明では、そのような領域であるか否か明確でない点。

<相違点3>

本願発明1は「前記候補の中から決定された避難目的地に対して複数の避難者オブジェクトをそれぞれ移動させるシミュレーションを実行するように制御する制御手段」を備えるのに対し、引用発明はそのような制御手段を備えていない点。

(3)相違点についての判断

上記相違点3について検討する。

引用文献1~4には本願発明1の「前記候補の中から決定された避難目的地に対して複数の避難者オブジェクトをそれぞれ移動させるシミュレーションを実行するように制御する制御手段」に対応する構成は明示されておらず、引用発明において本願発明1の「避難目的地」に対応する避難場所を表示する際にその他の動作を併せて行うようにすることについて何ら示唆や動機づけもされておらず、引用文献1~4の記載事項から相違点3に係る構成を導出することができないことは明らかである。

そして、本願発明1は、相違点3に係る構成を有することにより、「避難場所を容易に設定することができる。」(段落【0010】)という効果を奏するものである。

したがって、他の相違点について検討するまでもなく、本願発明1は、引用発明と、引用文献2~4に記載の技術的事項に基づいて、当業者が容易に発明をすることができたものではない。

2 本願発明2~12、15について

本願発明2~12は、本願発明1を減縮した発明であり、本願発明15は本願発明1~12に対応したプログラムに関する発明であり、いずれも本願発明1の上記相違点3に係る構成を有するから、本願発明1と同様の理由により、引用発明及び引用文献2~4に記載の技術的事項に基づいて当業者が容易に発明をすることができたものではない。

3 本願発明13について

本願発明13は、本願発明1に対応する「情報処理装置の制御方法」の発明であって、本願発明1の上記相違点3に対応する構成を有するから、本願発明1と同様の理由により、引用発明及び引用文献2~4に記載の技術的事項に基づいて当業者が容易に発明をすることができたものではない。

4 本願発明14について

本願発明14は、本願発明1に対応する「情報処理システム」の発明であって、本願発明1の上記相違点3に対応する構成を有するから、本願発明1と同様の理由により、引用発明及び引用文献2~4に記載の技術的事項に基づいて当業者が容易に発明をすることができたものではない。

第6 原査定について

1 理由1(新規性)について

本願発明1~本願発明15を引用発明と対比すると、上記第5に示した相違点3に対応する構成において少なくとも相違する。よって、本願発明1~15は、原査定の拒絶の理由において引用された引用文献Aに記載された発明ではなく、特許法第29条第1項第3号に該当しない。

2 理由2(進歩性)について

上記第5に示した相違点3に対応する構成は、原査定の引用文献A~Cのいずれにも記載されていない。よって、本願発明1~15は、原査定の拒絶の理由において引用された引用文献A~Cに基づいて当業者が容易に発明をすることができたものではない。

第7 むすび

以上のとおり、原査定の理由及び当審拒絶理由によって本願を拒絶することはできない。

また、他に本願を拒絶すべき理由を発見しない。

よって、結論のとおり審決する。

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2020-011696

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