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特許拒絶査定不服審判

2020-007781

冷凍装置通信システム

審判番号
2020-007781
法域
特許
審判種別
拒絶査定不服審判(拒絶査定不服の審決)
出願番号
特願2019-078346外部サイト(J-PlatPat)へ移動します
請求日
2020年06月05日
審決日
2021年08月20日
公報発行日
2021年10月29日
結論
原査定取消(特許/登録すべき)
審判長/審判官
分類
P18 .121-WY (G06F)
条文(本文から自動抽出・参考)
特許法第29条第2項
データ出所
審決公報(SGML)

事件の表示

特願2019- 78346「冷凍装置通信システム」拒絶査定不服審判事件〔令和 2年 2月20日出願公開、特開2020- 27605、請求項の数(7)〕について、次のとおり審決する。

結論

【結 論】
原査定を取り消す。
本願の発明は、特許すべきものとする。

理由

目次 ▾ 24項目
【理 由】

第1 手続の経緯

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本願は,平成31年4月17日(優先権主張 平成30年8月9日(以下,「優先日」という。))の出願であって,令和1年6月25日付けで拒絶理由通知がされ,令和1年8月29日に手続補正がされるとともに意見書が提出され,令和1年10月3日付けで最後の拒絶理由通知がされ,令和1年12月5日に手続補正がされるとともに意見書が提出されたが,令和2年3月12日付けで前記令和1年12月5日付け手続補正を却下する旨の補正の却下の決定がなされるとともに,同日付けで拒絶査定(以下,「原査定」という。)がなされた。これに対し,令和2年6月5日に拒絶査定不服審判の請求がされると同時に手続補正がされ,令和3年1月29日付けで当審より拒絶理由通知(以下,「当審拒絶理由通知(1)」という。)がされ,令和3年3月17日に手続補正がされるとともに意見書が提出され, 令和3年3月26日付けで当審より最後の拒絶理由通知(以下,「当審拒絶理由通知(2)」という。)がされ,令和3年5月21日に手続補正がされるとともに意見書が提出されたものである。

第2 原査定の概要

原査定(令和2年3月12日付け拒絶査定)の概要は次のとおりである。

本願の請求項1に係る発明は,以下の引用文献A,Eに基づいて,本願の請求項2-7に係る発明は,以下の引用文献A-Eに基づいて,その発明の属する技術の分野における通常の知識を有する者(以下,「当業者」という。)が容易に発明できたものであるから,特許法第29条第2項の規定により特許を受けることができない。

引 用 文 献 等 一 覧

A.特開2014-212496号公報

B.特開2017-183905号公報

C.特開2016-078011号公報

D.特開2014-142099号公報

E.特開平07-318143号公報

第3 当審拒絶理由の概要

当審拒絶理由の概要は次のとおりである。

1 当審拒絶理由(1)の概要

本願請求項1-7に係る発明は,引用文献1-6に基づいて,当業者が容易に発明をすることができたものであるから,特許法第29条第2項の規定により特許を受けることができない。

引 用 文 献 等 一 覧

1.特開2018-91621号公報

2.特開2007-222438号公報

3.特開2008-117020号公報

4.特開2017-183905号公報(拒絶査定時の引用文献B)

5.特開2016-078011号公報(拒絶査定時の引用文献C)

6.特開2000-333365号公報

2 当審拒絶理由(2)の概要

本願請求項1-7に係る発明は,引用文献1-8に基づいて,当業者が容易に発明をすることができたものであるから,特許法第29条第2項の規定により特許を受けることができない。

引 用 文 献 等 一 覧

1.特開2018-91621号公報

2.特開2007-222438号公報

3.特開2008-117020号公報

4.特開2017-183905号公報(拒絶査定時の引用文献B)

5.特開2016-078011号公報(拒絶査定時の引用文献C)

6.特開2000-333365号公報

7.特開2016-051340号公報

8.特開2002-223483号公報

第4 本願発明

本願請求項1ないし7に係る発明(以下,それぞれ「本願発明1」ないし「本願発明7」という。)は,令和3年5月21日付けの手続補正で補正された特許請求の範囲の請求項1ないし7に記載された事項により特定される発明であり,以下のとおりのものである。

「【請求項1】
冷凍装置(1)と、前記冷凍装置(1)に付属して設けられ、当該冷凍装置(1)のネットワーク通信部としての機能を有する無線LANアダプタ(2)と、前記無線LANアダプタ(2)とローカルエリアネットワークを構成するルータ(3)と、電気通信回線(6)を介して前記ルータ(3)と通信可能なサーバ(5)と、を備え、端末装置(4)から、前記電気通信回線(6)を介して前記冷凍装置(1)の運転を遠隔制御することができる冷凍装置通信システム(S)であって、
前記冷凍装置(1)は、当該冷凍装置(1)の停止を望まないサーバルームまたは食品貯蔵室に対して空調する冷凍装置であり、
前記無線LANアダプタ(2)は、
続きを表示(全25行)
前記冷凍装置(1)のための制御データ要求を前記サーバ(5)に定期的に送信可能であり、
前記冷凍装置(1)が前記サーバ(5)から遠隔制御されている場合において、前記無線LANアダプタ(2)とサーバ(5)との通信が遮断されたときに、再起動を行い、当該再起動後に前記サーバ(5)に前記制御データ要求を送信し、前記サーバ(5)から前記制御データ要求に対する返信として前記端末装置(4)の指令が受信された場合には、再度、前記受信された指令により前記冷凍装置(1)の遠隔制御を行うことで、前記冷凍装置(1)の運転を継続させる、冷凍装置通信システム(S)。
【請求項2】
前記無線LANアダプタ(2)は、当該無線LANアダプタ(2)を再起動させる再起動部(20)を有しており、
前記サーバ(5)との通信が所定の時間できないとき、前記再起動部(20)により無線LANアダプタ(2)を再起動させる、請求項1に記載の冷凍装置通信システム(S)。
【請求項3】
前記無線LANアダプタ(2)は、
前記サーバ(5)に対し送信要求を定期的に発信する発信部(21)と、
前記サーバ(5)からの指令を受信する受信部(22)と、
前記発信部(21)から発信された送信要求に対するサーバ(5)からの返信を前記受信部(22)が初めて受信しないときからの時間をカウントするタイマ部(23)と
を有しており、
前記タイマ部(23)が前記所定の時間をカウントしたときに、前記再起動部(20)が無線LANアダプタ(2)を再起動させる、請求項2に記載の冷凍装置通信システム(S)。
【請求項4】
前記無線LANアダプタ(2)は、前記冷凍装置(1)の運転情報を前記サーバ(5)に送信する機能を有しており、
サーバ(5)との間の通信が復帰した後、通信が遮断されている間に送信不可であった運転情報を当該サーバ(5)に送信する、請求項1~請求項3のいずれか1項に記載の冷凍装置通信システム(S)。
【請求項5】
前記冷凍装置(1)は、無線LANアダプタ(2)とサーバ(5)との間の通信が遮断された直前の運転設定を維持して運転を継続させる、請求項1~請求項4のいずれか1項に記載の冷凍装置通信システム(S)。
【請求項6】
サーバ(5)との通信が遮断された情報を前記端末装置(4)に送信する、請求項1~請求項5のいずれか1項に記載の冷凍装置通信システム(S)。
【請求項7】
前記冷凍装置(1)により空調されるエリアの空調負荷が所定の値より小さいときに、当該冷凍装置(1)の運転を停止させる、請求項1~請求項6のいずれか1項に記載の冷凍装置通信システム(S)。」

第5 引用文献,引用発明等

1 引用文献1について

(1) 令和3年3月26日付けの当審拒絶理由通知(2)に引用された引用文献1には,図面とともに次の事項が記載されている。(下線は当審により付与。以下同じ。)

a 「【0009】
(第1実施形態)
以下、第1実施形態について図1から図8を参照しながら説明する。
【0010】
続きを表示(全17行)
図1に示すように、本実施形態のカメラシステム1は、本実施形態における撮像対象である冷蔵庫2、冷蔵庫2に設けられている通信アダプタ3、通信アダプタ3との間で近距離通信などの無線通信を行うアクセスポイント4、携帯端末5(表示端末、外部機器)、サーバ6、および、本実施形態では冷蔵庫2の庫内に設置されているカメラ装置7等により構成されている。これら冷蔵庫2、携帯端末5、サーバ6およびカメラ装置7は、アクセスポイント4および外部ネットワーク8を介して互いに通信可能に接続されている。つまり、本実施形態では、カメラシステム1は、冷蔵庫2の庫内の画像を取得する冷蔵庫2用の画像取得システムとして機能している。
【0011】
冷蔵庫2に設けられている通信アダプタ3は、アクセスポイント4との間で近距離無線通信を行うものであり、本実施形態では冷蔵庫2の上部に着脱可能(後付け可能)に設けられている。なお、通信アダプタ3を冷蔵庫2に内蔵した構成としてもよいし、冷蔵庫2とアクセスポイント4との間を有線通信方式で接続してもよい。
【0012】
携帯端末5は、いわゆるスマートフォン(高機能携帯電話)やタブレットPCなどを想定しており、住宅内あるいは住宅外から冷蔵庫2やサーバ6との間で通信可能となっている。この携帯端末5は、住宅内であっても、広域通信により外部ネットワーク8を経由して冷蔵庫2側と通信することが可能である。また、携帯端末5の表示部5aにはタッチパネルが設けられており、ユーザの操作を受け付ける。
【0013】
サーバ6は、周知のコンピュータシステムにより構成されており、画像情報を記憶するための記憶部を備えている。ここで、画像情報とは、画像を示す情報(データ)であり、例えばビットマップ形式やJPEG形式、MPEG形式などの周知の静止画あるいは動画フォーマットの画像データや、その画像データを圧縮や暗号化あるいは画像処理などにより変換したデータ等、サーバ6に送信可能であって、最終的に携帯端末5で画像を閲覧することができるものであれば、どのような形式の情報であってもよい。本実施形態では、画像は静止画を想定している。また、サーバ6には、画像情報の他に、冷蔵庫2側にアクセスするための情報(例えばIPアドレスなど)や、後述する撮像設定(カメラ装置7で撮像を行うための条件)等を記憶している。
【0014】
次に、カメラシステム1における冷蔵庫2およびカメラ装置7の電気的構成について説明する。
【0015】
図2に示すように、撮像対象となる冷蔵庫2は、制御部10を有している。この制御部10は、CPU10a、ROM10b、RAM10cおよびタイマ10d等を有するマイクロコンピュータにより構成されており、ROM10b等に記憶されているプログラムを実行することで冷蔵庫2の全体を制御する。具体的には、制御部10は、操作パネル11から設定された運転状態となるように、温度センサ12で検出した庫内の温度や開扉センサ13で検出した扉の開閉状態等に基づいて、周知の冷凍サイクルを構成する冷蔵用冷却器14や冷凍用冷却器15およびコンプレッサ16等を制御する。また、制御部10は、冷蔵室の扉が開放された際には冷蔵室照明17を点灯し、野菜室の扉が開放された際には野菜室照明18を点灯する。また、詳細は後述するが、冷蔵室照明17および野菜室照明18は、カメラ装置7に撮像タイミングであること伝達する伝達手段としても機能する。冷蔵庫が有する貯蔵室のうち、冷蔵室は概ね縦長の空間として形成されており、野菜室は概ね横長の空間として形成されている。なお、この冷蔵庫2の構成は一例である。
【0016】
カメラ装置7は、本実施形態では、図1に示したように冷蔵庫2の冷蔵室内に2つ、野菜室内に1つの合計3つが設けられている。より具体的には、冷蔵室の中央部に設けられているカメラ装置7(図2に冷蔵室中央部と示す)は、本実施形態では冷蔵室の観音開きの扉の内側(ドアポケットが設けられている側)に、扉が閉鎖された際に冷蔵室のほぼ中央となる位置に取り付けられている。このため、扉が閉鎖された状態では、冷蔵室の全体が、正面側すなわちユーザの視野と同様の状態で撮像される。冷蔵室の下部に設けられているカメラ装置7(図2に冷蔵室下部と示す)は、冷蔵室の最下段の棚板(図示省略。透明材料で形成されている)に設置されており、最下段の棚板に置かれている食材を主として、透明な棚板を透かして上段側の食材等も撮像する。野菜室に設けられているカメラ装置7(図2に野菜室と示す)は、野菜室の扉に設けられており、野菜室の内部を撮像する。」
b 「【0033】
ユーザがサーバ6にアクセスすると、携帯端末5の画面には、図5に示すトップ画面が表示される。このトップ画面には、冷蔵庫2に関する情報を表示するための運転状況ボタンM1、庫内の食材を管理するための食材管理ボタンM2、カメラ装置7で撮像した画像情報を表示するための庫内カメラボタンM3、冷蔵庫2の節電機能を設定するための節電設定ボタンM4、操作方法等を表示するための取扱説明書ボタンM5、ヘルプ機能を利用するためのQ&AボタンM6、現在の冷蔵庫2の運転状態(消費電力や設定状態)を表示する運転状態表示部M7、最新の画像情報を表示する最新画像表示部M8、画像情報の履歴を参照するための履歴ボタンM9等が設けられている。」
c 「【図1】
」
d 「【図2】
」
e 「【図5】
」

f 上記aの段落【0010】,及び【0011】には,“冷蔵庫2と,冷蔵庫2に設けられている近距離無線通信を行う通信アダプタ3と,通信アダプタ3との間で近距離通信などの無線通信を行うアクセスポイント4と,アクセスポイント4および外部ネットワーク8を介して冷蔵庫2と通信可能に接続されているサーバ6と,を備えるカメラシステム1”が記載されている。

また,段落【0015】には,“冷凍サイクルを構成するコンプレッサ16等を制御する制御部10を有する冷蔵庫2”が記載されている。

してみると,引用文献1には,“冷凍サイクルを構成するコンプレッサ16等を制御する制御部10を有する冷蔵庫2と,冷蔵庫2に設けられて近距離無線通信を行う通信アダプタ3と,通信アダプタ3との間で近距離通信などの無線通信を行うアクセスポイント4と,アクセスポイント4および外部ネットワーク8を介して冷蔵庫2と通信可能に接続されているサーバ6と,を備えるカメラシステム1”が記載されているといえる。

g また,上記aの段落【0015】,及び【0016】には,“冷蔵庫2は貯蔵室を有し,貯蔵室のうち冷蔵室には食材が置かれて”いることが記載されている。

h 上記aの段落【0012】には,“携帯端末5は,住宅外から冷蔵庫2やサーバ6との間で通信可能である”ことが,また,上記bの段落【0033】には,“ユーザがサーバ6にアクセスすると,携帯端末5の画面に表示されるトップ画面には,冷蔵庫2の節電機能を設定するための節電設定ボタンM4等が設けられている”ことが記載されている

してみると,引用文献1には,“携帯端末5から,外部ネットワーク8を介して冷蔵庫2と通信可能に接続されているサーバ6にアクセスすることで,冷蔵庫2の節電機能を住宅外から設定することができる”ことが記載されているといえる。

イ 上記aないしhの記載内容(特に,下線部を参照)からすると,上記引用文献1には次の発明(以下,「引用発明」という。)が記載されている。

「冷凍サイクルを構成するコンプレッサ16等を制御する制御部10を有する冷蔵庫2と,冷蔵庫2に設けられて近距離無線通信を行う通信アダプタ3と,通信アダプタ3との間で近距離通信などの無線通信を行うアクセスポイント4と,アクセスポイント4および外部ネットワーク8を介して冷蔵庫2と通信可能に接続されているサーバ6と,を備えるカメラシステム1において,
冷蔵庫2は貯蔵室を有し,貯蔵室のうち冷蔵室には食材が置かれており,
携帯端末5から,外部ネットワーク8を介して冷蔵庫2と通信可能に接続されているサーバ6にアクセスすることで,冷蔵庫2の節電機能を住宅外から設定することができる,
カメラシステム1。」

2 引用文献2について

令和3年3月26日付けの当審拒絶理由通知(2)に引用された引用文献2には,図面とともに次の事項が記載されている。

「【0040】
(1)上記実施形態では、商品取出口14が常時開放したオープンショーケースに本発明を適用していたが、商品取出口14が常には扉によって閉じられ、商品の出し入れの際には扉を開放可能な扉付きのショーケースに本発明を適用してもよい。また、上述したショーケース10に限らず、商品や保存対象物を常温よりも高い高温状態で収容可能な温蔵ケースや、食品などの保存対象物を収容可能な低温空調空間(冷蔵室、冷凍室、製氷室等)を有する冷凍・冷蔵庫や、保冷車、冷凍車に搭載された冷却保存コンテナ、その他の温度維持ケースに本発明を適用してもよい。」

3 引用文献3について

令和3年3月26日付けの当審拒絶理由通知(2)に引用された引用文献3には,図面とともに次の事項が記載されている。

a 「【0015】
このような構造の冷蔵庫21において、サーバ10?1は例えば図3に示すように、上段右側の冷蔵室216における右上の隅に配置される。このように、サーバ10?1を冷蔵室の内部に配置すれば、冷蔵庫31の冷却機能をそのまま利用してサーバ10?1の温度上昇を抑えることができるため、サーバ10?1を安定に動作させることができる。」
b 「【0025】
図7は、冷蔵庫21に収容されるサーバ10?1の構成の一例を示す図である。
サーバ10?1は、例えば図7に示すように、ネットワーク・インターフェース部(ネットワークI/F部)101と、無線通信部102と、電源部103と、メモリ104と、記憶部105と、制御部106とを有する。」

4 引用文献4について

引用文献Bと同一であって,令和3年3月26日付けの当審拒絶理由通知(2)に引用された引用文献4には,図面とともに次の事項が記載されている。

「【0079】
次に、本実施形態において、通信中に何らかの障害が発生したときの通信装置50および対向する通信装置60の動作について、図8のシーケンスチャートを参照して説明する。なお、図8では、通信装置50から通信装置60へ送信した信号に何らかの障害が発生し、通信装置60がその障害を検知した場合の一例を説明する。図8とは逆に、通信装置60から通信装置50へ送信した信号に何らかの障害が発生し、通信装置50がその障害を検知した場合は、図8に示すシーケンスチャートの通信装置50の動作を通信装置60が行い、通信装置60の動作を通信装置50が行う。
【0080】
図8を参照すると、まず、通信装置50と通信装置60との間での回線同期の確立(S3301)の動作と、死活監視信号を含めた信号のやり取り(S3302およびS3303)の動作とは、図3のシーケンスチャートに示すS1101の動作と、S1102およびS1103の動作と同じである。
続きを表示(全17行)
【0081】
次に、通信装置50は、ユーザデータを示す信号または死活監視信号を通信装置60に送信する(S3304)。このとき、通信装置50または通信装置60のどちらかに何らかの障害が発生し、通信装置60では、第1の所定の時間内に正常な信号を受信できなかったとする(S3305)。
【0082】
正常な信号を受信できなかった通信装置60は、その旨を示すために、通信装置50への送信データを停止し(S3306)、第2の所定の時間経過後に自装置をリセット(再起動)する(S3307)。(すなわち、図7に示すフローチャートのステップS303、S304、S305の処理を実行する。)
そして、通信装置50においても、第1の所定の時間内に正常な信号を受信できない(S3308)ため、S3306、S3307と同様に、通信装置60への送信データを停止し(S3309)、第2の所定の時間経過後に自装置をリセット(再起動)する(S3310)。
【0083】
そして、リセットした通信装置50と通信装置60との間で、回線同期が再度確立され(S3311)、続いてS3302、S3303の動作が繰り返される。
【0084】
なお、S3307またはS3310で、第2の所定の時間が経過する前に、通信装置60または通信装置50が回線の同期はずれを検出した場合は、第2の所定の時間が経過するのを待たずに自装置をリセット(再起動)してもよい。
【0085】
以上、本実施形態には、第1および第2の実施形態と同様に、対向する通信装置の異常検出のために双方を監視する異常検出手段を設ける必要なしに、送信側の通信装置、または受信側の通信装置のどちらに障害が発生した場合でも正常な通信を復旧できるという効果がある。
【0086】
その理由としては、第1の所定の時間内に正常な信号を受信できなかった通信装置50は、対向する通信装置60に信号を送信することなしに、第2の所定の時間経過後に自装置をリセット(再起動)する。そして、対向する通信装置60も、第1の所定の時間内に正常な信号を受信できないので、通信装置50と同様に、第2の所定の時間経過後に自装置をリセット(再起動)するからである。」

5 引用文献5について

引用文献Cと同一であって,令和3年3月26日付けの当審拒絶理由通知(2)に引用された引用文献5には,図面とともに次の事項が記載されている。

「【0008】
特許文献2のような通信を用いてリアルタイムに稼働記録を行うシステムにおいては、通信経路に障害が発生するとデータ管理装置による記録ができなくなる。記録が残らずに遠心分離された試料はトレーサビリティが成立しないため、状況によっては次工程の製剤・製薬の原料として使用することができず、廃棄等による多額の損失を生じるリスクを抱えている。このような通信障害によるリスク回避のために、障害期間中の稼働データを遠心機本体の記憶装置に一時的に記憶しておき、障害復旧時にデータ管理装置にアップロードすれば良い。ところが遠心機本体の記憶装置は、データ管理装置として用いるパソコン等と比べると極めてメモリ容量が少ないことが多く、たとえば通信障害が長時間に及ぶ場合には記憶装置の残容量が不足し、それ以上の記録が残せないという制約があった。」

6 引用文献6について

令和3年3月26日付けの当審拒絶理由通知(2)に引用された引用文献6には,図面とともに次の事項が記載されている。

「【0002】
【従来の技術】冷蔵庫の制御回路と制御回路に電力を供給する電源回路の一従来例が、例えば、特開平9?79727号公報に記載されている。この従来例では、制御回路に電源電圧を供給する直流電源としてスイッチングレギュレータが用いられており、このスイッチングレギュレータの入力段には、整流回路を介して商用電源が接続されている。
【0003】冷蔵庫の主な制御対象としては、冷凍サイクルを駆動する圧縮機や冷却用の各種ファンモータ,冷気調節用ダンパなどがある。そして、圧縮機を除く制御対象には、スイッチングレギュレータによって直流電力が供給され、圧縮機には、別途設けられた圧縮機駆動用の電源回路から電力が供給される。
【0004】圧縮機が停止しているときには、圧縮機モータ駆動用の電源回路から圧縮機モータへの電力供給を停止している。また、圧縮機モータを除く冷却用の各種ファンモータなどの制御対象には、圧縮機モータの駆動電源がオフしている場合でも、常に、スイッチングレギュレータによって直流電力がその制御回路に供給される。これは、スイッチングレギュレータの入力段に整流回路を介して商用電源を直接接続されているために、圧縮機モータの駆動電源がオフしている場合でも、常に、このスイッチングレギュレータによって直流電力がその制御回路に供給されるからである。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】ところで、上記従来技術の回路構成では、圧縮機が停止した場合のような軽負荷時、即ち、待機時でも、不必要な電力を消費するという問題があった。以下、この点について具体的に説明する。」

7 引用文献7について

令和3年3月26日付けの当審拒絶理由通知(2)に引用された引用文献7には,図面とともに次の事項が記載されている。

a 「【0011】
この電気掃除機本体11は、本実施形態において、走行面としての被掃除面である床面上を自律走行(自走)しつつ床面を掃除する、いわゆる自走式のロボットクリーナ(掃除ロボット)である。この電気掃除機本体11は、中空状の本体ケース20と、この本体ケース20を床面上で走行させる走行部21と、床面などの塵埃を掃除する掃除部22と、充電装置を含む外部装置と通信する通信部23と、各種情報を表示する表示部24と、画像を撮像する撮像部25と、走行部21、掃除部22、通信部23、表示部24および撮像部25を制御する制御手段26と、これら走行部21、掃除部22、通信部23、表示部24、撮像部25および制御手段26などに給電する二次電池27とを備えている。なお、以下、電気掃除機本体11(本体ケース20)の走行方向に沿った方向を前後方向(図1などに示す矢印FR,RR方向)とし、この前後方向に対して交差(直交)する左右方向(両側方向)を幅方向として説明する。
・・・中略・・・
【0022】
通信部23は、ホームゲートウェイ14およびネットワーク15を介して外部装置17と無線通信をするための無線通信手段および自律走行体信号受信手段としての無線LANデバイス54、充電装置12などへと無線信号(赤外線信号)を送信するなどの送信手段55、および、充電装置12や図示しないリモコンなどの外部装置からの無線信号(赤外線信号)を受信するなどの受信手段56などを備えている。」
b 「【0039】
そして、撮像部25(カメラ61)での撮像についてより詳細に説明すると、所定の撮像トリガが作用したとき、制御手段26は、ランプ62を動作させて照明し、カメラ61により撮像する(ステップ1)。ここで、撮像トリガとしては、電気掃除機本体11が自発的に撮像対象を検出した場合、予め設定された所定の撮像開始時刻になった場合、あるいは、外部装置17などによってネットワーク15を経由してホームゲートウェイ14から送信された無線信号である撮像指令信号を電気掃除機本体11が無線LANデバイス54によって受信した場合などがある。したがって、カメラ61による撮像対象は、予め設定されている場合もあるし、無作為に撮像する場合もある。
【0040】
そして、カメラ61による撮像の際には、通常、制御手段26は、例えばモータ35,35(駆動輪34,34)を停止させて電気掃除機本体11(本体ケース20)を静止させた状態とするが、例えば動画を撮像する場合には、モータ35,35(駆動輪34,34)を駆動させて電気掃除機本体11(本体ケース20)を走行させていてもよい。また、制御手段26は、モータ35,35(駆動輪34,34)を駆動させて電気掃除機本体11(本体ケース20)を所定角度ずつ旋回させたり、所定距離ずつ走行したりする毎にカメラ61により順次撮像して、複数の画像(静止画)を取得してもよい。
続きを表示(全13行)
【0041】
撮像した画像のデータは、制御手段26が例えばjpegなどの所定のデータ形式に圧縮して、メモリ65に保存する(ステップ2)。
【0042】
次いで、制御手段26は、無線LANデバイス54を介して、画像の撮像完了を示す無線信号である撮像完了信号を送信し(ステップ3)、画像のデータを外部に(ホームゲートウェイ14を介してネットワーク15に)送信するかどうか判断する(ステップ4)。すなわち、ステップ3で送信された撮像完了信号をホームゲートウェイ14が受信した場合には、このホームゲートウェイ14が、画像のデータの送信を指示する無線信号である送信指示信号を送信するため、この送信指示信号を無線LANデバイス54によって受信したかどうかによって、制御手段26は画像のデータの外部への送信をするかどうかを判断できる。
【0043】
そして、ステップ4において、画像のデータを外部に送信しないと判断した場合には、画像のデータの外部への送信に失敗したものと判断し、制御手段26は、画像のデータの送信失敗カウンタCを1にセットして(C=1、ステップ5)、掃除作業や撮像作業を継続したり、電気掃除機本体11(本体ケース20)を充電装置12に帰還させるように制御したりする。また、ステップ4において、画像のデータを外部に送信すると判断した場合には、制御手段26は、無線LANデバイス54を介して、画像のデータを外部に送信する(ステップ6)。そして、制御手段26は、画像のデータを所定容量、例えば1kバイト送信したかどうかを判断する(ステップ7)。
・・・中略・・・
【0048】
ステップ17に示す画像データ再送信処理は、まず、無線LANデバイス54を、電源ラインをリセットさせるなどの方法によって再起動(リブート)した後、ステップ3~ステップ11と同様の処理を行い、その後は画像のデータの送信の成功と失敗とに拘らず、掃除作業または撮像作業を終了する。」
c 「【0079】
さらに、無線LANデバイス54の不具合や、何らかの原因により無線通信が切断された場合などに起因する無線通信障害によって画像のデータの外部への送信に失敗している場合も想定されるので、無線LANデバイス54により外部へと画像のデータを再送信させる前に、制御手段26が無線LANデバイス54を再起動させることで、無線LANデバイス54を復帰させ、画像のデータをより確実に外部へと送信できる。なお、無線LANデバイス54については、定期的に外部へのデータの送信を実施させ、その応答が返ってくるかどうかによって無線通信状況を定期的に確認し、外部へと画像のデータを再送信させる前に無線LANデバイス54を再起動させるかどうか、制御手段26が判断してもよい。」

8 引用文献8について

令和3年3月26日付けの当審拒絶理由通知(2)に引用された引用文献8には,図面とともに次の事項が記載されている。

a 「【0002】
【従来の技術】最近では、一般家庭において、照明、テレビ(TV)、ビデオデッキ、エアコン(空気調和機)等の一般電化製品や、パーソナルコンピュータ(パソコン)、電動式カーテン、防犯用機器、給湯システム、オーディオ製品等の家庭内にある電子機器を通信回線でネットワーク化し、外出先や勤務先等から遠隔操作により消し忘れや帰宅時間に合わせてエアコンのスイッチを入れたり、風呂を沸かしたりする技術が提案されている。また、集合住宅の共用スペースの照明や各種防犯機器等の電子機器についても同様に通信回線でネットワーク化し、遠隔操作する技術が提案されている。」
b 「【0023】
【発明の実施の形態】図1は、本発明にかかる遠隔管理システムの構成図を示す図である。図において、1は遠隔管理サーバであり、インターネット6と接続されている。この遠隔管理サーバ1は、管理者により管理されている。2は電子機器であり、複数の電子機器21~2nがLAN(Local Area Network)等の内部ネットワーク7により相互に接続されている。この電子機器2には、例えば、照明、テレビ、ビデオデッキ、エアコン、パーソナルコンピュータ(PC)、電動式カーテン、給湯システム、オーディオ製品等の家庭内や集合住宅の共用スペース等にある電子機器が含まれ、さらに防犯用の各種センサーも含まれる。電子機器2は、必ずしも複数である必要はなく、単数であってもよい。その場合には内部ネットワーク7は不要となる。3は電子機器2の接続されたネットワーク7に接続されたパーソナルコンピュータである。このPC3は、各電子機器2から状態情報を取得し遠隔管理サーバ1に対して送信する役割や各電子機器2に対する要求情報を遠隔管理サーバ1より受信し、各電子機器2に対して送信する役割等を有する。本PC3は本発明において、補助的な役割を有するため、当該PC3を介して遠隔管理サーバ1と電子機器2が情報のやりとりを行う場合であっても以下の説明においてPC3の言及を省略する場合がある。尚、各電子機器2が直接遠隔管理サーバ1と通信を行う場合には、このPC3は必須の構成ではない。
【0024】4はファイアウォール(FW)である。ファイアウォールは、内部ネットワークに対する外部からの命令の通過を拒絶する機能を様々な方式により実現しているが、特に本実施の形態におけるファイアウォール4は、内部ネットワーク7上の電子機器2からインターネット6に対して送信されたリクエスト及びそのリクエストに対するレスポンスを通過させ、それ以外の信号は通過を制限するよう設定がなされている。5はインターネット6と接続可能な携帯電話51、ノート型PC52等のウェブ(WEB)端末であり、ブラウザを搭載しており、ユーザにより使用される。」

c 「【0034】まず、電子機器2より所定のタイミングで電子機器2の状態情報及び命令取得要求が内部ネットワーク7を介してファイアウォール4を通過し、インターネット6を介して遠隔管理サーバ1に送信される(S601)。これらの情報の送信タイミングは、電子機器2又は電子機器2を管理するPC3上の所定プログラムに設定される。遠隔管理サーバ1は、制御部11及びデータ収集手段13により状態情報を電子機器状態データベース122の所定領域に格納する(S602)。電子機器状態データベース122の格納情報の例を図7に示す。この例では、電子機器2からの状態情報の送信は、2分毎に実行されている。また、デバイス1、デバイス2、デバイスnについては、状態情報としてオンオフ情報が送信されている。デバイス3については例えば水道の使用量等の量を示す情報が送信されている。この状態情報には、このようにオンオフ情報、量を示す情報の他、監視カメラにより撮像した映像情報や電子カーテンの閉まり具合を数値で表した情報等、電子機器2の種類に応じて様々な状態を示す情報が含まれる。」

d 「【0042】その後、電子機器2より定期的に実行される状態情報及び命令取得の要求が遠隔管理サーバ1に送信される(S612)。遠隔管理サーバ1では、S602及びS603と同様にして、受信した状態情報を電子機器状態データベース122に格納し(S613)、命令情報の検索を命令データベース123より行う(S614)。このとき、命令データベース123には、S611において格納された命令情報が存在するため、当該命令情報が読み出され、遠隔管理サーバ1から電子機器2に対して送信される(S615)。この命令情報の送信は、命令取得要求(S612)のレスポンスとして実行されるため、ファイアウォール4を通過することができる。遠隔管理サーバ1では、命令情報の送信が終了すると、命令データベース123の命令の状態(ステータス)のデータを送信済みを示すデータに書き換える(S616)。このようにすることにより二重に送信することを防止することができる。電子機器2では当該命令情報を受信し、命令を実行する(S617)。例えば、照明に対する命令がオフ命令であった場合には、照明がオフになるよう制御される。」

9 引用文献Aについて

令和1年10月3日付けの最後の拒絶理由通知に引用された引用文献Aには,図面とともに次の事項が記載されている。

a 「【0022】
実施例の遠隔制御システムは、多機能携帯電話(携帯端末装置)100を使用して、住宅外1から住宅内3のエアーコンディショナー400Aやヒートポンプ給湯機(図示せず)などの冷凍サイクル機器(制御媒体装置)400を遠隔制御するために、多機能携帯電話100からインターネット10を介して接続される多機能携帯電話用のメールサーバ500と専用メールサーバ200及び住宅内の無線LAN接続アダプタ300を主体に構築される。
【0023】
尚、実施例の冷凍サイクル機器は、エアーコンディショナー400Aを例に説明している。また、LAN接続アダプタ300は、図1に図示のようにエアーコンディショナー400が複数台(400A・400B)の場合、それに対応して複数(300A・300B)設ける。
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【0024】
実施例の遠隔制御システムは、専用メールサーバ200を備え、インターネット10に接続している。このシステムは、専用メールサーバ200を介して、インターネット10上にサービスサイトを開設し、このサービスサイトに接続する複数の多機能携帯電話100とその持ち主の住宅内3に多機能携帯電話100による住宅内3の制御媒体装置400の遠隔操作サービスを提供する。
【0025】
多機能携帯電話に遠隔制御システムのアプリケーションソフトをインストールすることにより、遠隔制御システムに対応した入力操作・制御部110、コマンド編集・送信部120、表示更新・制御部、メール受信・解析部130などの機能が加えられる。
【0026】
尚、本発明の実施例に記載の遠隔制御システムは一実施例であり、種々の構成が考えられる。更には、採用台数が多くなる場合や技術の進歩等の状況の変化により、具体的構成および具体的機能は変化していくものである。例えば、採用台数が多くなった場合は、空気調和機等の冷凍サイクル機器に、上記実施例の無線LANアダプタ300の機能と同様な処理が可能な手段を内蔵させ、これにより更に高機能な制御を可能とする。或いは、日々進歩する技術変化・技術進歩に対応して、例えば冷凍サイクル機器に搭載されるカメラ機能を加えて、更に正確に判断可能とする情報として用いる。これにより、通信が遮断した場合でも、冷凍サイクル機器の運転を在室者の有無・状態を考慮して、快適性を充分考慮した上で安全サイドへ運転状態を移行することを可能にできる。
【0027】
例えば、エアーコンディショナーの場合は、暖房又は冷房運転を在室者が居ると検出されると、通信が遮断した場合でも快適性を考慮して運転を止めるような制御を回避できる。ヒートポンプ給湯機の場合も同様に、ヒートポンプ運転によりお湯を生成し床パネル若しくは天井パネル等に循環供給して暖房、室温が高い場合は水に切り替えて天井パネル若しくは壁パネル等に循環供給して室内空間を冷却する冷房を行うことを、上記在室者の有無や、その他の情報等を考慮して快適且つ安全な運転制御を精度良く行うことを可能にする。
【0028】
上記遠隔制御システムの実施例による初期設定を図3を用いて説明する。図3は初期設定概略フロー図である。」
b 「【0047】
ステップS256で第1の所定時間が経過している場合は、ステップS257に進み、通信が遮断したことにより、住宅内の対象機400が「制御不能状態にある」旨のメールを携帯端末装置100に送信する。ステップS158でメールを受信した携帯端末装置100の所持者は、ステップS159においてメールで受信した内容、つまり「エアーコンディショナーが制御不能状態にある」旨の表示を見ることで、住宅内の対象機400が 制御不能状態になっていることを知り、適切な処置、行動をとることができる。」

10 引用文献Dについて

令和1年10月3日付けの最後の拒絶理由通知に引用された引用文献Dには,図面とともに次の事項が記載されている。

「【0002】
冷房、暖房などの空気調和を行う空気調和機には、在室者が設定する設定室温に対し、室温が所定の温度となった時点で圧縮機の運転を停止し、室内の送風も最小限とするサーモオフの制御が搭載されていることが多い。また、サーモオフ中の空調負荷により室温が所定の温度となった時点で圧縮機の運転を再開するサーモオンの制御は、サーモオフの制御と併せて搭載される。」

11 引用文献Eについて

令和1年10月3日付けの最後の拒絶理由通知に引用された引用文献Eには,図面とともに次の事項が記載されている。

「【0005】
【課題を解決するための手段】そこで請求項1項の発明は、病室に送る空調機の風量を、夜間就寝モードでは最小風量とし、昼間就寝モードでは中間風量とし、昼間診察・歓談モードでは高風量とするようにし、また一日の時刻を夜間スケジュール時刻と昼間スケジュール時刻とに分け、夜間スケジュール時刻で人体の活動の無いときには夜間就寝モードで上記空調機を運転し、夜間スケジュール時刻で人体活動のあるとき及び昼間スケジュール時刻で人体活動のないときは昼間就寝モードで上記空調機を運転し、昼間スケジュール時刻で人体活動のあるとき及び特別の指令又は信号があるときは昼間診察・歓談モードにて上記空調機を運転するようにし、上記病室での人体の活動の有無は人体活動検出センサにより検出する、病室の人体活動識別送風量制御方法とした。」

第6 対比・判断

1 本願発明1について

(1)対比

本願発明1と引用発明とを対比する。

ア 引用発明の「冷蔵庫2」は,「冷凍サイクルを構成するコンプレッサ16等を制御する制御部10を有する」ものであるから,本願発明1の「冷凍装置(1)」に相当する。

イ 引用発明の「通信アダプタ3」は,「冷蔵庫2に設けられ」,また,引用発明の「通信アダプタ3」と「アクセスポイント4」とは「近距離無線通信を行う」ものであるから,引用発明の「通信アダプタ3」と「アクセスポイント4」とは,いわゆる,ローカルエリアネットワークを構成しているといえる。

してみると,引用発明の「通信アダプタ3」は,本願発明1の「前記冷凍装置(1)に付属して設けられ、当該冷凍装置(1)のネットワーク通信部としての機能を有する無線LANアダプタ(2)」に相当し,また,引用発明の「アクセスポイント4」は,本願発明1の「前記無線LANアダプタ(2)とローカルエリアネットワークを構成するルータ(3)」に相当する。

ウ 引用発明の「外部ネットワーク8」は,本願発明1の「電気通信回線(6)」に相当する。

そして,引用発明の「サーバ6」は,「アクセスポイント4および外部ネットワーク8を介して冷蔵庫2と通信可能に接続され」ものであるから,本願発明1の「電気通信回線(6)を介して前記ルータ(3)と通信可能なサーバ(5)」に相当する。

エ 引用発明の「カメラシステム1」は,「冷蔵庫2」と,「通信アダプタ3」と,「アクセスポイント4」と,「サーバ6」と,「を備え」,「携帯端末5から,外部ネットワーク8を介して冷蔵庫2と通信可能に接続されているサーバ6にアクセスすることで,冷蔵庫2の節電機能を住宅外から設定することができる」ものであるから,引用発明の「カメラシステム1」は,本願発明1の「冷凍装置(1)と、前記冷凍装置(1)に付属して設けられ、当該冷凍装置(1)のネットワーク通信部としての機能を有する無線LANアダプタ(2)と、前記無線LANアダプタ(2)とローカルエリアネットワークを構成するルータ(3)と、電気通信回線(6)を介して前記ルータ(3)と通信可能なサーバ(5)と、を備え、端末装置(4)から、前記電気通信回線(6)を介して前記冷凍装置(1)の運転を遠隔制御することができる冷凍装置通信システム(S)」に相当する。

オ また,引用発明の「冷蔵庫2」は,「貯蔵室を有し,貯蔵室のうち冷蔵室には食材が置かれている」ものであり,引用発明の「冷蔵室」は,本願発明1の「食品貯蔵室」に相当する。

そして,引用発明の「冷蔵庫2は貯蔵室を有し,貯蔵室のうち冷蔵室には食材が置かれている」ことと,本願発明1の「前記冷凍装置(1)は、当該冷凍装置(1)の停止を望まないサーバルームまたは食品貯蔵室に対して空調する冷凍装置であ」ることとは,後記の点で相違するものの,“前記冷凍装置(1)は,食品貯蔵室に対して空調する冷凍装置である”ことの点では共通する。

したがって,本願発明1と引用発明との間には,以下の一致点と相違点とがある。

〈一致点〉

「冷凍装置(1)と,前記冷凍装置(1)に付属して設けられ,当該冷凍装置(1)のネットワーク通信部としての機能を有する無線LANアダプタ(2)と,前記無線LANアダプタ(2)とローカルエリアネットワークを構成するルータ(3)と,電気通信回線(6)を介して前記ルータ(3)と通信可能なサーバ(5)と,を備え,端末装置(4)から,前記電気通信回線(6)を介して前記冷凍装置(1)の運転を遠隔制御することができる冷凍装置通信システム(S)であって,
前記冷凍装置(1)は,当該冷凍装置(1)の食品貯蔵室に対して空調する冷凍装置である,
冷凍装置通信システム(S)。」

〈相違点1〉

「冷凍装置(1)」の「空調」が,本願発明1では,「当該冷凍装置(1)の停止を望まないサーバルームまたは食品貯蔵室に対」するものであるのに対し,引用発明では,「冷蔵室」に対するものではあるが,「停止を望まない」こと,及び「サーバルーム」に対するものである旨の特定がされていない点。

〈相違点2〉

本願発明1では,「無線LANアダプタ(2)は、前記冷凍装置(1)のための制御データ要求を前記サーバ(5)に定期的に送信可能であり、前記冷凍装置(1)が前記サーバ(5)から遠隔制御されている場合において、前記無線LANアダプタ(2)とサーバ(5)との通信が遮断されたときに、再起動を行い、当該再起動後に前記サーバ(5)に前記制御データ要求を送信し、前記サーバ(5)から前記制御データ要求に対する返信として前記端末装置(4)の指令が受信された場合には、再度、前記受信された指令により前記冷凍装置(1)の遠隔制御を行うことで、前記冷凍装置(1)の運転を継続させる」ものであるのに対し,引用発明では,「通信アダプタ3」にその旨の特定がされていない点。

(2)相違点についての判断

事案に鑑みて,上記〈相違点2〉について先に検討する。

上記「第5 7」の引用文献7に記載されるように,電化製品(「電気掃除機本体11」)に備えられるLANアダプタ(「無線LANデバイス54」)がデータを送信する際に,LANアダプタの通信が遮断された時には,LANアダプタを一度のみ再起動しデータを送信することは周知の技術と認められる。

また,上記「第5 8」の引用文献8に記載されるように,ファイアウォールを介して電化製品の遠隔制御を行う際に,電化製品が遠隔管理サーバに対して,定期的に制御データ(「命令取得」)の要求を送信することは周知の技術である。

しかしながら,本願発明1は,「無線LANアダプタ(2)は、前記冷凍装置(1)のための制御データ要求を前記サーバ(5)に定期的に送信可能であり、前記冷凍装置(1)が前記サーバ(5)から遠隔制御されている場合において、前記無線LANアダプタ(2)とサーバ(5)との通信が遮断されたときに、再起動を行い、当該再起動後に前記サーバ(5)に前記制御データ要求を送信し、前記サーバ(5)から前記制御データ要求に対する返信として前記端末装置(4)の指令が受信された場合には、再度、前記受信された指令により前記冷凍装置(1)の遠隔制御を行う」と記載されるように,無線LANアダプタ(2)の再起動後,無線LANデバイス(2)はサーバ(5)に制御データ要求を送信して,サーバ(5)からの返信を待ち,サーバ(5)から無線LANデバイス(2)へ端末装置(4)の指令に関する返信が送信された場合には,再度,当該指令による冷凍装置(1)の遠隔制御を行うことを特徴とするものであり,上記相違点に係る構成が,引用発明,引用文献7及び引用文献8に記載の技術事項に基づき当業者が容易に構成し得たものであるとはいえない。

また,引用文献2ないし6には,電化製品に備えられる無線LANアダプタが,制御データ要求を遠隔管理サーバに定期的に送信し,通信が遮断された際の再起動後に遠隔管理サーバに制御データ要求を送信し,遠隔管理サーバから制御データ要求に対する返信として指令を受信した場合には,再度,受信した指令により電化製品の遠隔制御を行うことで,電化製品の運転を継続させることは記載されておらず,また,本願優先日前における周知技術とも認められない。

したがって,本願発明1は,当業者であっても引用発明,及び引用文献2ないし引用文献8に記載の周知技術に基づいて容易に発明できたものであるとはいえない。

2 本願発明2ないし7について

本願発明2ないし7は,本願発明1を更に限定したものであるので,同様に,当業者であっても引用発明,及び引用文献2ないし引用文献8に記載の周知技術に基づいて容易に発明をすることができたものであるとはいえない。

第7 当審拒絶理由(1)について

令和3年5月21日付けの補正により,補正後の請求項1-7は,本願発明1の上記「無線LANアダプタ(2)は、前記冷凍装置(1)のための制御データ要求を前記サーバ(5)に定期的に送信可能であり、前記冷凍装置(1)が前記サーバ(5)から遠隔制御されている場合において、前記無線LANアダプタ(2)とサーバ(5)との通信が遮断されたときに、再起動を行い、当該再起動後に前記サーバ(5)に前記制御データ要求を送信し、前記サーバ(5)から前記制御データ要求に対する返信として前記端末装置(4)の指令が受信された場合には、再度、前記受信された指令により前記冷凍装置(1)の遠隔制御を行うことで、前記冷凍装置(1)の運転を継続させる」という技術的事項を有するものとなった。当該技術的事項は,当審拒絶理由(1)における引用文献1-7には記載されておらず,本願優先日前における周知技術でもないので,本願発明1-7は,当業者であっても,当審拒絶理由(1)における引用文献1-7に基づいて容易に発明をすることができたものではない。したがって,この拒絶の理由は解消した。

第8 原査定についての判断

令和3年5月21日付けの補正により,補正後の請求項1は,「無線LANアダプタ(2)は、前記冷凍装置(1)のための制御データ要求を前記サーバ(5)に定期的に送信可能であり、前記冷凍装置(1)が前記サーバ(5)から遠隔制御されている場合において、前記無線LANアダプタ(2)とサーバ(5)との通信が遮断されたときに、再起動を行い、当該再起動後に前記サーバ(5)に前記制御データ要求を送信し、前記サーバ(5)から前記制御データ要求に対する返信として前記端末装置(4)の指令が受信された場合には、再度、前記受信された指令により前記冷凍装置(1)の遠隔制御を行うことで、前記冷凍装置(1)の運転を継続させる」という技術的事項を有するものとなった。当該技術事項は,原査定における引用文献A-Eには記載されておらず,本願優先日前における周知技術でもないので,本願発明1-7は,当業者であっても,原査定における引用文献A-Eに基づいて容易に発明できたものではない。したがって,原査定を維持することはできない。

第9 むすび

以上のとおり,原査定の理由によっては,本願を拒絶することはできない。

また,他に本願を拒絶すべき理由を発見しない。

よって,結論のとおり審決する。

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2020-007781

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