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特許拒絶査定不服審判

2020-007675

光通信装置および光通信方法

審判番号
2020-007675
法域
特許
審判種別
拒絶査定不服審判(拒絶査定不服の審決)
出願番号
特願2018-122125外部サイト(J-PlatPat)へ移動します
請求日
2020年06月04日
審決日
2020年12月21日
公報発行日
2021年02月26日
結論
原査定取消(特許/登録すべき)
当事者
審判長/審判官
分類
P18 .121-WY (H04B)
条文(本文から自動抽出・参考)
特許法第29条第2項、特許法第17条の2第3項
データ出所
審決公報(SGML)

事件の表示

特願2018-122125「光通信装置および光通信方法」拒絶査定不服審判事件〔平成30年11月22日出願公開、特開2018-186531、請求項の数(24)〕について、次のとおり審決する。

結論

【結 論】
原査定を取り消す。
本願の発明は、特許すべきものとする。

理由

目次 ▾ 13項目
【理 由】

第1 手続の経緯

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本件特許出願は、平成28年3月1日を国際出願日とする特願2017-503346号(国内優先権主張 平成27年3月4日)の一部を平成30年6月27日に新たな出願としたものであって、その手続の経緯は以下のとおりである。

平成30年 9月27日   :手続補正書及び上申書の提出
令和 元年 6月25日付け :拒絶理由の通知
令和 元年 9月 2日   :期間延長請求書の提出
令和 元年10月24日   :意見書及び手続補正書の提出
令和 2年 3月 2日付け :拒絶査定
令和 2年 6月 4日   :審判請求書及び手続補正書の提出

第2 原査定の概要

原査定(令和2年3月2日付け拒絶査定)の概要は次のとおりである。

本願請求項1-24に係る発明は、以下の引用文献に基づいて、その発明の属する技術の分野における通常の知識を有する者(以下、「当業者」という。)が容易に発明できたものであるから、特許法第29条第2項の規定により特許を受けることができない。

・請求項1-10、及び請求項13-22に係る発明については、引用文献1

・請求項11、12、23、24に係る発明については、引用文献1及び2

引用文献等一覧

1.特開2002-51013号公報

2.特開2007-274482号公報

第3 審判請求時の補正について

審判請求時の補正は、特許法第17条の2第3項から第6項までの要件に違反しているものとはいえない。

そして、「第4 本願発明」から「第6 対比・判断」までに示すように、補正後の請求項1-24に係る発明は、独立特許要件を満たすものである。

第4 本願発明

本願請求項1-24に係る発明(以下、それぞれ「本願発明1」-「本願発明24」という。)は、令和2年6月4日の手続補正で補正された特許請求の範囲の請求項1-24に記載された事項により特定される以下のとおりの発明である。

「
【請求項1】
複数の帯域のそれぞれに含まれる複数の光信号を合波する波長多重部と、
前記合波された波長多重光信号の前記複数の帯域における光強度を、前記複数の帯域を細分化した帯域幅毎にモニタするモニタ部と、
続きを表示(全54行)
前記モニタ部によるモニタ結果と前記複数の帯域のそれぞれに応じた閾値とに基づき、当該複数の帯域に応じたダミー光を制御する制御部と、を備える光通信装置。
【請求項2】
前記制御部は、前記複数の帯域を、前記ダミー光の出力帯域に対応させて設定する、請求項1に記載の光通信装置。
【請求項3】
前記モニタ部は、光信号の出力される信号帯域において前記光信号の光強度の変化をモニタし、前記制御部は、前記光強度の変化のモニタ結果と、前記信号帯域における前記閾値とに基づいて、ダミー光を調整する制御を行う、請求項1または2に記載の光通信装置。
【請求項4】
前記制御部は、前記光強度の変化のモニタ結果と、前記信号帯域における前記閾値とに基づいて、前記ダミー光の挿入または遮断を制御する、請求項3に記載の光通信装置。
【請求項5】
前記複数の帯域は、少なくとも、第一のダミー光を出力する第一の帯域と、第二のダミー光を出力する第二の帯域とを含み、前記複数の光信号は、少なくとも、第一の信号帯域に対応する第一の光信号と、第二の信号帯域に対応する第二の光信号とを含む、請求項1から4のいずれか一項に記載の光通信装置。
【請求項6】
第一のグリッド幅を持つ第一の光信号を前記第一の信号帯域で出力する第一の送信機と、第二のグリッド幅を持つ第二の光信号を前記第二の信号帯域で出力する第二の送信機とをさらに備える、請求項5に記載の光通信装置。
【請求項7】
前記光通信装置は、さらに第三の光信号を、第三の信号帯域において出力する第三の送信機を備え、前記複数の帯域は、前記第三の信号帯域に対応する第三の帯域を含む、請求項6に記載の光通信装置。
【請求項8】
前記第一の帯域と前記第二の帯域とにそれぞれ対応する第一の閾値と第二の閾値を記憶する記憶部をさらに備える、請求項5から7のいずれか一項に記載の光通信装置。
【請求項9】
前記記憶部は、さらに前記第三の帯域に対応する第三の閾値を記憶する請求項7に記載の光通信装置。
【請求項10】
前記複数の帯域の少なくとも1つは任意の帯域幅に設定可能である、請求項1から9のいずれか一項に記載の光通信装置。
【請求項11】
前記複数の帯域を、対応する光信号のグリッド幅に基づいて分割した複数の計測用帯域を設定する設定部をさらに備える、請求項1から10のいずれか一項に記載の光通信装置。
【請求項12】
前記制御部は、前記複数の帯域のそれぞれに応じた閾値を、それぞれ複数種設定し、前記モニタ結果と、前記複数種の閾値と複数段階での比較を行う、請求項1から11のいずれか一項に記載の光通信装置。
【請求項13】
複数の帯域のそれぞれに含まれる複数の光信号を合波し、
前記合波された波長多重光信号の前記複数の帯域における光強度を、前記複数の帯域を細分化した帯域幅毎にモニタし、
前記モニタすることによるモニタ結果と前記複数の帯域のそれぞれに応じた閾値とに基づき、当該複数の帯域に応じたダミー光を制御する光通信方法。
【請求項14】
前記ダミー光を制御することは、前記複数の帯域を、前記ダミー光の出力帯域に対応させて設定することを含む、請求項13に記載の光通信方法。
【請求項15】
前記光強度をモニタすることは、光信号の出力される信号帯域において前記光信号の光強度の変化をモニタすることを含み、前記ダミー光を制御することは、前記光強度の変化のモニタ結果と、前記信号帯域における前記閾値とに基づいて、ダミー光を調整する制御を行うことを含む、請求項13または14に記載の光通信方法。
【請求項16】
前記ダミー光を制御することは、前記光強度の変化のモニタ結果と、前記信号帯域における前記閾値とに基づいて、前記ダミー光の挿入または遮断を制御することを含む、請求項15に記載の光通信方法。
【請求項17】
前記複数の帯域は、少なくとも、第一のダミー光を出力する第一の帯域と、第二のダミー光を出力する第二の帯域とを含み、前記複数の光信号は、少なくとも、第一の信号帯域に対応する第一の光信号と、第二の信号帯域に対応する第二の光信号とを含む、請求項13から16のいずれか一項に記載の光通信方法。
【請求項18】
第一のグリッド幅を持つ第一の光信号を前記第一の信号帯域で出力し、第二のグリッド幅を持つ第二の光信号を前記第二の信号帯域で出力する、ことをさらに含む、請求項17に記載の光通信方法。
【請求項19】
第三の光信号を、第三の信号帯域において出力することをさらに含み、前記複数の帯域は、前記第三の信号帯域に対応する第三の帯域を含む、請求項18に記載の光通信方法。
【請求項20】
前記第一の帯域と前記第二の帯域とにそれぞれ対応する第一の閾値と第二の閾値を記憶することをさらに含む、請求項17から19のいずれか一項に記載の光通信方法。
【請求項21】
前記第三の帯域に対応する第三の閾値を記憶することをさらに含む請求項19に記載の光通信方法。
【請求項22】
前記複数の帯域の少なくとも1つは任意の帯域幅に設定可能である、請求項13から21のいずれか一項に記載の光通信方法。
【請求項23】
前記複数の帯域を、対応する光信号のグリッド幅に基づいて分割した複数の計測用帯域を設定することをさらに含む、請求項13から22のいずれか一項に記載の光通信方法。
【請求項24】
前記ダミー光を制御することは、前記複数の帯域のそれぞれに応じた閾値を、それぞれ複数種設定し、前記モニタ結果と、前記複数種の閾値と複数段階での比較を行う、請求項13から23のいずれか一項に記載の光通信方法。
」

第5 引用文献の記載及び引用発明

1.引用文献の記載

(1)引用文献1(特開2002-51013号公報)の記載及び引用発明

原査定の拒絶の理由に引用された引用文献1には、図面とともに次の事項が記載されている。(なお、下線は当審にて付与した。)

(1-1)「【0001】

【発明の属する技術分野】この発明は、例えば、インターネットを介して大容量の情報を伝送する場合などに用いられる波長分割多重(Wavelength Division Multiplexing、以下、「WDM」という)伝送システムに係り、加入者の増加や需要に応じて多重チャネル数が少数から漸次増加する場合に用いて好適なWDM伝送システム、及びこのWDM伝送システムにおけるチャネルの増設方法に関する。」

(1-2)「【0005】

【発明が解決しようとする課題】しかしながら、上記従来のWDM伝送システムでは、次のような問題点があった。すなわち、このWDM伝送システムでは、同WDM伝送システムが構築された当初から入力電気信号i1,i2,…,i32の全てが入力されることは少なく、加入者の増加や需要に応じて少数から漸次増加することが多い。そのため、初期の段階では、信号光A1,A2,…,A32のうちの一部が中継伝送路3に入力されて伝送され、信号光のチャネル数が徐々に増加することになる。このとき、チャネル数の増加に従って中継伝送路3に入力される光のパワーが増加し、このパワーのレベルによってはEDFA3b1,3b2,…,3bmの波長特性が平坦にならず、合波信号光Bに含まれる信号光C1,C2,…,C32のうちの波長が短いものほど中継伝送路3の出力側のレベルが低下することがある。このとき、光受信器51,52,…,532に対する入力レベルが不足し、出力電気信号D1,D2,…,D32のうちの一部のレベルが低下したり、出力されないことがあるという問題があった。

【0006】この発明は、上述の事情に鑑みてなされたもので、波長の異なる複数の光信号を合波しても、出力側のレベルがチャネル数の影響を受けないWDM伝送システム、及びこのWDM伝送システムにおけるチャネルの増設方法を提供することを目的としている。」

(1-3)「【0013】

【発明の実施の形態】以下、図面を参照して、この発明の実施の形態について説明する。図1は、この発明の実施形態であるWDM伝送システムの構成図である。この形態のWDM伝送システムは、同図に示すように、光送信器111,112,…,1132、光合波器121,122,…,128、光分岐器131,132,…,138、受光部141,142,…,148、レベル制御部151,152,…,158、制御光発生部161,162,…,168、光合波器17、中継伝送路18、光分波器19、及び光受信器201,202,…,2032を備えている。光送信器111,112,…,1132は、例えば、変調器や電気信号/光信号変換器などで構成され、32チャネルの入力電気信号i1,i2,…,i32をそれぞれ入力し、異なる波長の32チャネルの搬送用の信号光を入力電気信号i1,i2,…,i32でそれぞれ変調することにより、32チャネルの第1の信号光E1,E2,…,E32をそれぞれ生成する。これらの光送信器111,112,…,1132で光送信器群が構成されている。

【0014】光合波器121,122,…,128は、例えば、干渉膜フィルタや回折格子などで構成され、信号光E1,E2,…,E32を例えば4チャネル毎にグループGR1,GR2,…,GR8化し、各グループGR1,GR2,…,GR8毎の信号光を合波して8系統の第1の合波信号光F1,F2,…,F8をそれぞれ生成する。これらの光合波器121,122,…,128で光合波器群が構成されている。

【0015】光分岐器131,132,…,138は、例えば、ハーフミラーなどで構成され、合波信号光F1,F2,…,F8を分岐して信号光G1,G2,…,G8をそれぞれ出力する。受光部141,142,…,148は、例えば、ホトダイオードを用いた光信号/電気信号変換器などで構成され、信号光G1,G2,…,G8を入力し、同信号光G1,G2,…,G8のレベルに基づいて電気信号H1,H2,…,H8を生成する。レベル制御部151,152,…,158は、電気信号H1,H2,…,H8を入力し、同電気信号H1,H2,…,H8に対して相補的なレベルで制御信号I1,I2,…,I8を生成する。

【0016】制御光発生部161,162,…,168は、例えば、電気信号/光信号変換器などで構成され、制御信号I1,I2,…,I8を入力し、各グループGR1,GR2,…,GR8毎の信号光のうちの1つの信号光と同一波長の8系統の制御光J1,J2,…,J8を制御信号I1,I2,…,I8のレベルに基づいたレベル、すなわち、前記第1の合波信号光F1,F2,…,F8の光パワーのレベルに基づいたレベルでグループGR1,GR2,…,GR8毎に生成する。制御光J1,J2,…,J8は、例えば、CW(Continuous Wave 、連続波)光として生成され、情報が含まれていない。これらの光分岐器131,132,…,138、受光部141,142,…,148、レベル制御部151,152,…,158、及び制御光発生部161,162,…,168で制御光生成部群が構成されている。

【0017】光合波器17は、例えば、干渉膜フィルタや回折格子などで構成され、合波信号光F1,F2,…,F8と制御光J1,J2,…,J8とを合波して第2の合波信号光Kを生成する。中継伝送路18は、光ファイバ・ケーブル18a及びEDFA18b1,18b2,…,18bm(但し、m;整数)で構成され、合波信号光Kを伝送する。光分波器19は、例えば、干渉膜フィルタや回折格子などで構成され、中継伝送路18を介して伝送された合波信号光Kを各波長毎に分波して32チャネルの第2の信号光L1,L2,…,L32を生成する。光受信器201,202,…,2032は、例えば、光信号/電気信号変換器や復調器などで構成され、信号光L1,L2,…,L32を受信して32チャネルの出力電気信号V1,V2,…,V32に復調する。これらの光受信器201,202,…,2032で光受信器群が構成されている。

【0018】図2、図3、図4、図5、図6、図7、図8、及び図9は、この形態のWDM伝送システムにおけるチャネルの増設方法を説明するための各部の信号光のスペクトル図であり、縦軸に光パワーのレベル、及び横軸に波長がとられている。これらの図を参照して、図1のWDM伝送システムにおけるチャネルの増設方法の処理内容を説明する。入力電気信号i1,i2,…,i32は、光送信器111,112,…,1132にそれぞれ入力され、異なる波長の32チャネルの搬送用の信号光が同入力電気信号i1,i2,…,i32でそれぞれ変調され、信号光E1,E2,…,E32が生成される(第1の信号光生成処理)。信号光E1,E2,…,E32は、4チャネル毎にグループGR1,GR2,…,GR8化されて光合波器121,122,…,128にそれぞれ入力されて合波され、同光合波器121,122,…,128で合波信号光F1,F2,…,F8がそれぞれ生成される(第1の合波信号光生成処理)。

【0019】合波信号光F1,F2,…,F8は、光分岐器131,132,…,138でそれぞれ分岐され、同光分岐器131,132,…,138から信号光G1,G2,…,G8がそれぞれ出力される。信号光G1,G2,…,G8は、受光部141,142,…,148にそれぞれ入力され、同信号光G1,G2,…,G8のレベルに基づいた電気信号H1,H2,…,H8が同受光部141,142,…,148からそれぞれ出力される。電気信号H1,H2,…,H8は、レベル制御部151,152,…,158にそれぞれ入力され、同レベル制御部151,152,…,158 から同電気信号H1,H2,…,H8に対して相補的なレベルで制御信号I1,I2,…,I8がそれぞれ出力される。

【0020】制御信号I1,I2,…,I8は、制御光発生部161,162,…,168に入力され、各グループGR1,GR2,…,GR8毎の4チャネルの信号光のうちの最後に入力される予定の信号光と同一波長の制御光J1,J2,…,J8が制御信号I1,I2,…,I8のレベルに基づいたレベルで制御光発生部161,162,…,168でそれぞれ生成される(制御光生成処理)。

【0021】制御光J1,J2,…,J8と合波信号光F1,F2,…,F8とは、光合波器17で合波され、同光合波器17から合波信号光Kが出力される。この場合、合波信号光Kの光パワーのレベルは、前記制御光生成部群(すなわち、光分岐器131,132,…,138、受光部141,142,…,148、レベル制御部151,152,…,158、及び制御光発生部161,162,…,168)で各グループGR1,GR2,…,GR8毎の信号光の光パワーのレベルに対して相補的なレベルで制御光J1,J2,…,J8のパワーを調整することにより、中継伝送路18における波長特性が平坦になるように一定のレベルに設定されている(第2の合波信号光生成処理)。

【0022】例えば、入力電気信号i1,i2,…,i32が全て入力されていない状態において、各グループGR1,GR2,…,GR8の制御光J1,J2,…,J8のパワーは、信号光E1,E2,…,E32の予め設定されたレベル(このレベルを0dBとする)の4倍(すなわち、6dB)に設定される。次に、入力電気信号i4が光送信器114に入力されて同光送信器114から信号光E4が出力されたとき、図2に示すように、グループGR1において、制御光J1の0.8nm長波長側に同信号光E4が挿入されると共に、制御光J1のレベルが3倍(すなわち、4.8dB)に低下する。」

(1-4)「【図1】

」

上記(1-1)から(1-4)の記載事項より、引用文献1には、以下の発明(以下、「引用発明」という。)が記載されていると認められる。

「インターネットを介して大容量の情報を伝送する場合などに用いられる波長分割多重(Wavelength Division Multiplexing、以下、「WDM」という)伝送システムであって(【0001】)、
当該WDM伝送システムは、光送信器111,112,…,1132、光合波器121,122,…,128、光分岐器131,132,…,138、受光部141,142,…,148、レベル制御部151,152,…,158、制御光発生部161,162,…,168、光合波器17、中継伝送路18、光分波器19、及び光受信器201,202,…,2032を備えており(【0013】)、
前記光送信器111,112,…,1132は、例えば、変調器や電気信号/光信号変換器などで構成され、32チャネルの入力電気信号i1,i2,…,i32をそれぞれ入力し、異なる波長の32チャネルの搬送用の信号光を入力電気信号i1,i2,…,i32でそれぞれ変調することにより、32チャネルの第1の信号光E1,E2,…,E32をそれぞれ生成し(【0013】)、
前記光合波器121,122,…,128は、例えば、干渉膜フィルタや回折格子などで構成され、信号光E1,E2,…,E32を例えば4チャネル毎にグループGR1,GR2,…,GR8化し、各グループGR1,GR2,…,GR8毎の信号光を合波して8系統の第1の合波信号光F1,F2,…,F8をそれぞれ生成し(【0014】)、
続きを表示(全11行)
前記光分岐器131,132,…,138は、例えば、ハーフミラーなどで構成され、合波信号光F1,F2,…,F8を分岐して信号光G1,G2,…,G8をそれぞれ出力し(【0015】)、
前記受光部141,142,…,148は、例えば、ホトダイオードを用いた光信号/電気信号変換器などで構成され、信号光G1,G2,…,G8を入力し、同信号光G1,G2,…,G8のレベルに基づいて電気信号H1,H2,…,H8を生成し(【0015】)、
前記レベル制御部151,152,…,158は、電気信号H1,H2,…,H8を入力し、同電気信号H1,H2,…,H8に対して相補的なレベルで制御信号I1,I2,…,I8を生成し(【0015】)、
前記制御光発生部161,162,…,168は、例えば、電気信号/光信号変換器などで構成され、制御信号I1,I2,…,I8を入力し、各グループGR1,GR2,…,GR8毎の信号光のうちの1つの信号光と同一波長の8系統の制御光J1,J2,…,J8を制御信号I1,I2,…,I8のレベルに基づいたレベル、すなわち、前記第1の合波信号光F1,F2,…,F8の光パワーのレベルに基づいたレベルでグループGR1,GR2,…,GR8毎に生成し(【0016】)、
前記制御光J1,J2,…,J8は、例えば、CW(Continuous Wave 、連続波)光として生成され、情報が含まれておらず(【0016】)、グループGR1,GR2,…,GR8毎の4チャネルの信号光のうちの最後に入力される予定の信号光と同一波長であり(【0020】)、
前記光合波器17は、例えば、干渉膜フィルタや回折格子などで構成され、合波信号光F1,F2,…,F8と制御光J1,J2,…,J8とを合波して第2の合波信号光Kを生成する(【0017】)、
WDM伝送システム。」

(2)引用文献2(特開2007-274482号公報)の記載

原査定の拒絶の理由に引用された引用文献2には、図面とともに次の事項が記載されている。(なお、下線は当審にて付与した。)

(2-1)「【0001】

本発明は光伝送装置に関し、特に複数波長の信号光を波長分割多重して長距離伝送する光伝送装置に関するものである。」

(2-2)「【0014】

従って、本発明は、少数波長時においても、信号光断検出を正常に行うことができると共に、装置の初期立ち上げ時の高速化及び安定化が図れる光伝送装置を提供することを目的とする。」

(2-3)「【0015】

上記の課題を達成するため、本発明の一態様に係る光伝送装置は、光伝送路への出力光の波長数と各波長の光パワーを検出するスペクトルアナライザと、該波長数及び光パワーが所定範囲になるようにスーパーコンティニューム光源から出力される光パワーを制御する制御部と、該スーパーコンティニューム光の内、信号光に相当する波長成分を除去するフィルタと、該フィルタの出力光と該光伝送路への出力光とを合波するカプラと、を備えたことを特徴としている。」

(2-4)「【0017】

図1(a)に示す光伝送系統は、図13(a)に示した従来例と同様であるが、この光伝送系統において、送信側の波長多重部20とEDFA11との間に光カプラ50を挿入し、スペクトルアナライザ80と制御部81とフィルタ70によってダミー光400を生成して光カプラ50に挿入する構成が付加されている。

【0018】

すなわち、EDFA11の出力側には、波長に応じた光パワー測定手段としてのスペクトルアナライザ80が接続され、EDFA11の出力光における波長数と各波長の光パワーとがスペクトルアナライザ80によって検出されて制御部81に送られる。制御部81は、スーパーコンティニューム(SC:Super Continuum)光源60を含む。このスーパーコンティニューム光源60はさらに高非線形ファイバ(図示せず)を含み、この高非線形ファイバからスーパーコンティニューム光(以下、単にSC光と称することがある。)300がフィルタ70に与えられる。制御部81は、スペクトルアナライザ80で検出された波長数と各波長の光パワーが所定範囲になるようにSC光源60からのスーパーコンティニューム光300の出力光パワーを制御する。

【0019】

この結果、SC光源60からのSC光300は、図1(b)に示すように、広い波長帯域に渡って光パワーが存在する。フィルタ70ではこれを各波長成分に分離して、この内、波長多重部20から供給される主信号光、例えば図1(a)におけるチャネルch1の信号光に相当する部分(帯域)を除去することにより、図1(c)に示すようなダミー光400を生成し、光カプラ50に与える。

【0020】

この結果、図1(d)に示すように、EDFA11から出力される出力光においては主信号光(ch1)100とダミー光400とが含まれる。従って、このような出力光が伝送路を伝わってEDFA15から出力されて受信側に送られる際には、ダミー光400の存在により、主信号光100は、図1(e)に示すように、ASE光+ASS光に対する光SN比が劣化しない状態となる。つまり、伝送すべき主信号は1波長(ch1)と少数であるが、ダミー光により、伝送されるのは図1(d)に示すように多数波長であるので、図14(a)の状態となり、光SN比の劣化が抑圧され、また、主信号断の検出も確実にできることとなる。」

(2-5)「【0042】

このような制御例(1)を適用したときの図2の実施例[1]の動作フローチャートが図5(1)に示されている。すなわち、スペクトルアナライザ80は、EDFA11の出力光に含まれる波長数λo(波長λ1~λi(i=1~max))及びこれらの波長λ1~λiの各々の光パワーP1~Pi(i=1~max)を検出する(ステップS1)。ポンプ光発生部82におけるLD選択部82_1は、この波長数λoが適正か否か、すなわち、λo≧λthか否かを判定する(ステップS2)。なお、λthは光断検出に必要な最低波長数である。この結果、波長数が適正であることが分ったときには、LD選択部82_1はレーザダイオード82_2に対して制御を行わない(ステップS3)。ここで、検出した波長数λoが、同図(2)に示す装置の最大波長数λmaxを超えることは通常無いが、λo≧λmaxになるような異常な場合も想定するのであれば、レーザダイオード82_2の出力を下げるようにその駆動電流を減少させればよい。

【0043】

一方、波長数が適正でない(λo<λth)ことが分ったときには、LD選択部82_1は、n個のレーザダイオード82_2中の1つのレーザダイオードLD1を選択して(図4(a))、その出力パワーを増加するように駆動電流を増加する(ステップS4)。

【0044】

このようにレーザダイオードLD1の光パワーを増加した結果、スペクトルアナライザ80で再び検出された波長数λo及び各波長λ1~λiの光パワーP1~Piが適正か否かを再び判定する(ステップS5)。これは、λo≧λth及びPth-max≧P1~Pi≧Pth-minの両方が成立するか否かによって判定する。なお、図5(2)に示すように、Pth-maxは各波長の最大光レベルを示し、Pth-minは各波長の最光小光レベルを示している。

【0045】

この結果、波長数λo及び光パワーP1~Piが適正であることが分ったときには、このルーチンを終了するが、そうでないときには再びステップS4に戻ってレーザダイオードLD1の光出力パワーを増加させる。

【0046】

このようにして、ステップS5において波長数及び光パワーが適正であることが判定されるまでレーザダイオードLD1の光出力パワーを増加することになる。図示の例では、最終的にPi=PmaxまでステップS4~S5を繰り返すことになる。

【0047】

このように、ポンプ光発生部82からの光パワーを変化させることにより、モード同期ファイバレーザ83及び高非線形ファイバ84を経由して出力されるSC光300は、図4(b)及び(c)に示すように波長数が制御された形でフィルタ70に与えられる。

【0048】

このフィルタ70においては、例えば図4(c)に示すように光パワーが大きくなった結果、波長数(波長帯域)の一部に、波長多重部20から出力される信号光の波長帯域を含むことがある。従って、この波長帯域は予め分っているので、フィルタ70で除くことにより、図1(d)に示すように主信号光100とダミー光400とが、互いに重ならない状態で合成された出力光が光カプラ50から出力されてEDFA11に与えられることとなる。なお、フィルタ70のAWG71は入力したSC光300の波長成分の分離部を構成し、AWG72はその多重部を構成する。」

(2-6)「【図1】

」

(2-7)「【図2】

」

第6 対比及び判断

1.本願発明1について

(1)対比

本願発明1と引用発明とを対比する。

(1-1)『複数の帯域のそれぞれに含まれる複数の光信号を合波する波長     多重部』について

引用発明が備える「光合波器121,122,…,128」は、「例えば、干渉膜フィルタや回折格子などで構成され、信号光E1,E2,…,E32を例えば4チャネル毎にグループGR1,GR2,…,GR8化し、各グループGR1,GR2,…,GR8毎の信号光を合波して8系統の第1の合波信号光F1,F2,…,F8をそれぞれ生成」するものであるから、本願発明1でいう『波長多重部』に対応するものである。

してみると、本願発明1と引用発明とは、『複数の光信号を合波する波長多重部』を備えるという点で共通している。

(1-2)『前記合波された波長多重光信号の前記複数の帯域における光強     度を、前記複数の帯域を細分化した帯域幅毎にモニタするモニタ     部』について

引用発明が備える「受光部141,142,…,148」は、「例えば、ホトダイオードを用いた光信号/電気信号変換器などで構成され、信号光G1,G2,…,G8を入力し、同信号光G1,G2,…,G8のレベルに基づいて電気信号H1,H2,…,H8を生成」するものであり、前記「信号光G1,G2,…,G8」のそれぞれは、本願発明1でいう『合波された波長多重光信号』に対応するものである。

そして、前記「受光部141,142,…,148」が生成する「電気信号H1,H2,…,H8」のそれぞれは、「信号光G1,G2,…,G8のレベルに基づいて」生成されるのであるから、前記「レベル」は、本願発明1でいう『光強度』に対応するといえる。

してみると、前記「受光部141,142,…,148」は、「電気信号H1,H2,…,H8」を生成するために、「信号光G1,G2,…,G8のレベルをモニタする」構成要素であるといえる。

以上のことを踏まえると、本願発明1と引用発明とは、『前記合波された波長多重光信号の光強度を、モニタするモニタ部』を備えるという点で共通している。

(1-3)『前記モニタ部によるモニタ結果と前記複数の帯域のそれぞれに     応じた閾値とに基づき、当該複数の帯域に応じたダミー光を制御     する制御部』について

引用発明においては、「レベル制御部151,152,…,158」は、「(受光部141,142,…,148が生成する)電気信号H1,H2,…,H8を入力し、同電気信号H1,H2,…,H8に対して相補的なレベルで制御信号I1,I2,…,I8を生成」し、「制御光発生部161,162,…,168」は、「(レベル制御部151,152,…,158が生成した)制御信号I1,I2,…,I8を入力し、各グループGR1,GR2,…,GR8毎の信号光のうちの1つの信号光と同一波長の8系統の制御光J1,J2,…,J8を制御信号I1,I2,…,I8のレベルに基づいたレベル、すなわち、前記第1の合波信号光F1,F2,…,F8の光パワーのレベルに基づいたレベルでグループGR1,GR2,…,GR8毎に生成」するものである。

そして、前記「制御光J1,J2,…,J8」は、「例えば、CW(Continuous Wave 、連続波)光として生成され、情報が含まれていない」ものである。

そこで、これらの事項と前記(1-2)で言及した事項とを併せ読むと、レベル制御部151,152,…,158が生成する制御信号I1,I2,…,I8は、受光部141,142,…,148がモニタした信号光G1,G2,…,G8のレベルに基づいて生成される電気信号H1,H2,…,H8に対して相補的なレベルで生成されるのであるから、本願発明1でいう『モニタ部によるモニタ結果に基づく』ものといえる。

また、制御光発生部161,162,…,168が生成する制御光J1,J2,…,J8は、制御信号I1,I2,…,I8のレベルに基づいたレベルで生成されるものであって、情報が含まれていないものであるから、本願発明1でいう『ダミー光』に対応するものといえる。

してみると、引用発明における「レベル制御部151,152,…,158」と「制御光発生部161,162,…,168」とからなる構成要素は、本願発明1でいう『制御部』に対応するものであるといえる。

以上のことを踏まえると、本願発明1と引用発明とは、『前記モニタ部によるモニタ結果に基づき、ダミー光を制御する制御部』を備えるという点で共通している。

(1-4)『光通信装置』について

引用発明の「WDM伝送システム」が、本願発明1でいう『光通信装置』に対応するものであることは明らかである。

上記(1-1)から(1-4)で対比した結果を踏まえると、本願発明1と引用発明とは、

「複数の光信号を合波する波長多重部と、
前記合波された波長多重光信号の光強度をモニタするモニタ部と、
前記モニタ部によるモニタ結果に基づき、ダミー光を制御する制御部と、を備える光通信装置。」

という点で一致し、以下の点で相違している。

[相違点1]

本願明細書の段落【0014】の記載を参酌するに、本願発明1における『複数の帯域』とは、「ダミー光の平均グリッドに応じて設定された帯域幅nのN個の判定エリアi」のことであり、本願発明1の『複数の光信号』には、『複数の帯域のそれぞれに含まれる』との事項が特定されているのに対し、引用発明は、本願発明1が前提とする『複数の帯域』(即ち、「ダミー光の平均グリッドに応じて設定された帯域幅nのN個の判定エリアi」)という概念がなく、引用発明における「複数(異なる波長の32チャネル)の信号光」については、本願発明1でいう『複数の帯域のそれぞれに含まれる』との事項が特定されていない点。

[相違点2]

本願発明1に係る『モニタ部』は、『前記合波された波長多重光信号の前記複数の帯域における光強度を、前記複数の帯域を細分化した帯域幅毎にモニタする』ものであるのに対し、引用発明における「受光部141,142,…,148」は、「信号光G1,G2,…,G8のレベルに基づいて電気信号H1,H2,…,H8を生成する」ものであり、信号光G1,G2,…,G8のレベルをモニタする帯域幅について、本願発明1で特定されている上記下線で示した事項が特定されていない点。

[相違点3]

本願発明1に係る『制御部』は、『前記モニタ部によるモニタ結果と前記複数の帯域のそれぞれに応じた閾値とに基づき、当該複数の帯域に応じたダミー光を制御する』ものであるのに対し、引用発明における「レベル制御部151,152,…,158」と「制御光発生部161,162,…,168」とからなる構成要素には、本願発明1で特定されている上記下線で示した事項が特定されていない点。

(2)判断

事案に鑑みて、上記[相違点2]について検討する。

上記「第6 対比及び判断」の「(1-2)」で言及した様に、引用発明が備える「受光部141,142,…,148」は、「信号光G1,G2,…,G8のレベル(光強度)をモニタする」構成要素であるものの、光強度を本願発明1の様に『複数の帯域(即ち、ダミー光の平均グリッドに応じて設定された帯域幅nのN個の判定エリアi)を細分化した帯域幅毎(即ち、判定エリアiの帯域幅nを、監視対象の光信号のグリッド幅よりも十分小さな帯域幅mごと)にモニタ』しているものではなく、更に、引用文献1には、その旨を示唆する記載もない。

また、本願発明1に対する拒絶査定の理由において提示されたものではないが他の請求項に係る発明に対して提示された引用文献2の記載事項(上記「第5 引用文献の記載及び引用発明」の「(2)引用文献2(特開2007-274482号公報)の記載」で摘記した下線部分)を参酌しても、本願発明1が備える上記[相違点2]で言及した構成は、記載も示唆もされていない。

さらに、当該事項が当業者にとって自明なもの又は技術常識であるとする証拠や合理的な理由もない。

してみると、他の相違点である[相違点1]及び[相違点3]を検討するまでもなく、本願発明1は、引用発明に記載された事項に基づいて、更には、他の引用文献2に記載されている事項を参酌したとしても、当業者が容易に想到し得たものであるとはいえない。

2.本願発明2-12、13-24について

本願発明2-12は、いずれも、本願発明1を直接的又は間接的に引用するものであるから、上記「1.本願発明1について」で検討したのと同じ理由により、本願発明2-12は、当業者であっても引用発明に記載された事項に基づいて、更には、他の引用文献2に記載されている事項を参酌したとしても、当業者が容易に想到し得たものであるとはいえない。

また、本願発明13及び本願発明13を直接的又は間接的に引用する本願発明14-24は、本願発明1を方法のカテゴリで特定したものであり、上記「1.本願発明1について」で検討したのと実質的に同じ理由により、本願発明13-24は、当業者であっても引用発明に記載された事項に基づいて、更には、他の引用文献2に記載されている事項を参酌したとしても、当業者が容易に想到し得たものであるとはいえない。

第7 原査定について

本願発明1-24は、『前記合波された波長多重光信号の前記複数の帯域における光強度を、前記複数の帯域を細分化した帯域幅毎にモニタ』するとの特定事項を備えるものであるから、当業者であっても、拒絶査定において引用された引用文献1に基づいて、又は、引用文献1及び引用文献2に基づいて、容易に発明できたものとはいえない。

したがって、原査定の理由を維持することはできない。

第8 むすび

以上のとおり、原査定の理由によっては、本願を拒絶することはできない。

また、他に本願を拒絶すべき理由を発見しない。

よって、結論のとおり審決する。

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2020-007675

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