2020-002580
利用予約情報管理システム、利用予約情報管理方法、及びプログラム
- 審判番号
- 2020-002580
- 法域
- 特許
- 審判種別
- 拒絶査定不服審判(拒絶査定不服の審決)
- 出願番号
- 特願2018-155498外部サイト(J-PlatPat)へ移動します
- 請求日
- 2020年02月26日
- 審決日
- 2021年02月18日
- 公報発行日
- 2021年04月30日
- 結論
- 原査定取消(特許/登録すべき)
- 分類
- P18 .121-WY (G06Q)
- 条文(本文から自動抽出・参考)
- 特許法第29条第2項
- データ出所
- 審決公報(SGML)
事件の表示
結論
理由
目次 ▾ 16項目
第1 手続の経緯
本願は、平成30年8月22日の出願であって、令和元年7月23日付けで拒絶理由通知がなされ、同年9月4日に手続補正がなされたが、同年11月22日付けで拒絶査定(原査定)がなされ、これに対し、令和2年2月26日に拒絶査定不服審判の請求がなされるとともに、同時に手続補正がなされたものである。
第2 原査定の概要
原査定(令和元年11月22日付け拒絶査定)の概要は次のとおりである。
本願請求項1-7に係る発明は、以下の引用文献1に記載された発明及び引用文献2に記載された周知技術に基づいて、その発明の属する技術の分野における通常の知識を有する者(以下、「当業者」という。)が容易に発明をすることができたものであるから、特許法第29条第2項の規定により特許を受けることができない。
引用文献等一覧
1.特開2008-102757号公報
2.特開2017-107588号公報
第3 本願発明
本願請求項1-6に係る発明(以下、それぞれ「本願発明1」-「本願発明6」という。)は、令和2年2月26日付けの手続補正で補正された特許請求の範囲の請求項1-6に記載された事項により特定される発明であり、本願発明1及び5は以下のとおりの発明である。
<本願発明1>
「【請求項1】施設の利用者を示す少なくとも2ワード以上からなる利用者名が登録された利用予約情報を記憶する予約情報記憶部と、前記施設に配置され前記施設の利用許可手続きに用いられる所定の端末装置から検索ワードとして少なくとも2ワード以上からなる前記利用者を示す人名が入力された場合に、前記人名と前記利用予約情報に含まれる前記利用者名とを照合する人名照合部と、を備え、前記人名照合部は、前記人名と前記利用予約情報に含まれる前記利用者名とを照合し、照合不一致と判定された場合に、前記人名を構成する複数の人名ワード又は前記利用者名を構成する複数の利用者名ワードのいずれかにミドルネームが含まれているか否かを判定し、前記ミドルネームが含まれていると判定された場合に、前記ミドルネームが除去された前記複数の人名ワードと前記複数の利用者名ワードとをワード単位で照合するワード照合処理を行い、前記ワード照合処理によって、前記複数の人名ワード及び前記複数の利用者名ワードそれぞれの各ワードが互いに一致していると判定された場合に、前記人名と前記利用者名とが同等と判定する、利用予約情報管理システム。」
<本願発明5>
「【請求項5】施設の利用許可手続きに用いられる所定の端末装置から入力された検索ワードを用いて、前記施設の利用者を示す少なくとも2ワード以上からなる利用者名が登録された利用予約情報に対して照合を行う利用予約情報管理方法であって、前記所定の端末装置から前記検索ワードとして少なくとも2ワード以上からなる前記利用者を示す人名が入力された場合に、前記人名と前記利用予約情報に含まれる前記利用者名とを照合する人名照合ステップを含み、前記人名照合ステップは、前記人名と前記利用予約情報に含まれる前記利用者名とを照合し、照合不一致と判定された場合に、前記人名を構成する複数の人名ワード又は前記利用者名を構成する複数の利用者名ワードのいずれかにミドルネームが含まれているか否かを判定し、前記ミドルネームが含まれていると判定された場合に、前記ミドルネームが除去された前記複数の人名ワードと前記複数の利用者名ワードとをワード単位で照合するワード照合処理を行い、前記ワード照合処理によって、前記複数の人名ワード及び前記複数の利用者名ワードそれぞれの各ワードが互いに一致ししていると判定された場合に、前記人名と前記利用者名とが同等と判定する、利用予約情報管理方法。」
本願発明2-4は、本願発明1を減縮した発明である。
本願発明6は、本願発明5のステップをコンピュータに実行させるためのプログラムに係る発明である。
第4 引用文献、引用発明等
1.引用文献1
原査定の拒絶の理由に引用された引用文献1には、図面とともに次の事項が記載されている(下線は、当審において付与した。)。
「【0001】本発明は、ルームキー発行システムに関し、特に、パスポートを読み取ってルームキーを自動的に発行するルームキー発行システムに関する。」
「【0013】(中略)ルームキー発行システムは、チェックインシステム1と、ホテルフロントシステム3と、これらの間を接続するネットワーク2からなる。」
「【0014】チェックインシステム1は、ホテルの顧客のチェックインを自動的に行うコンピュータであり、ホテルのチェックインカウンタ等に設けられる。チェックインシステム1は、読取処理部11、イメージ情報の保存手段としてのイメージ情報格納部14、予約情報の取得手段としての予約情報処理部15、カードキー発行処理部16、イメージスキャナ17、表示装置18、カードキー発行装置19を備える。読取処理部11は、イメージ情報処理部12、文字情報の認識手段としてのOCR処理部13を備える。」
「【0015】ホテルフロントシステム3は、ホテルの種々のフロント業務を管理するコンピュータであり、ホテルのフロント又は管理室等に設けられる。ホテルフロントシステム3は、イメージ情報管理部21、予約情報管理部22、イメージ情報マスタ(ファイル)23、予約情報マスタ(ファイル)24を備える。」
「【0026】ここで、予約情報管理部22は、図3に示すように、予約情報マスタ24に複数の予約情報241を予め格納する。1個の予約情報241は、例えば予約した顧客の氏名及び国籍に応じて、受付日、ルームナンバ、滞在予定、食事、出発便、チェックイン等の情報を格納する。」
図3に示された予約情報マスタ24には、顧客の氏名が「TOKYO」という姓のアルファベットと、「ICHIRO」という名のアルファベットで表記されている。
「【0042】ホテルの顧客は、チェックインシステム1の表示に従って、パスポート4をイメージスキャナ17に挿入する(ステップS1)。これに応じて、イメージスキャナ17は、パスポート4の所定の領域R1を読み取って読取処理部11のイメージ情報処理部12に送信し、これを受信したイメージ情報処理部12はイメージ情報格納部14に当該イメージ情報142を一時的に保存し(ステップS2)、これをOCR処理部13に通知する。【0043】この通知に応じて、OCR処理部13は、イメージ情報格納部14からイメージ情報142を読み出して、文字認識すべき認識領域R2のイメージ情報143を抽出し(ステップS3)、当該イメージ情報143についてのOCR処理を行い、アルファベットで記述された氏名及び国籍からなる文字情報144を認識し(ステップS4)、これを予約情報処理部15に送る。続きを表示(全12行)【0044】これに応じて、予約情報処理部15は、当該文字情報144と共に、予約情報241の照会要求をホテルフロントシステム3の予約情報管理部22に送信することにより、対応する予約情報241の照会を行い(ステップS5)、予約情報管理部22から当該照会要求に応じる応答を受信することにより、当該文字情報144に対応する予約情報241を取得する(ステップS6)。【0045】次に、予約情報処理部15は、取得した予約情報241が正常か否かを調べ(ステップS7)、正常である(エラー通知でない)場合、取得した予約情報241を当該文字情報144と共に表示装置18に表示する(ステップS8)。【0046】表示装置18を見た顧客は、確認ボタンを押下げる。予約情報処理部15は、前記表示から所定の時間内に確認ボタンが押下げられたか否かを調べ(ステップS9)、押下げられた場合、イメージ情報処理部12にイメージ情報142の送信を依頼する。これに応じて、イメージ情報処理部12は、イメージ情報格納部14に保存した当該イメージ情報142をホテルフロントシステム3に送信し(ステップS10)、この後、当該イメージ情報142をイメージ情報格納部14から削除した上で(ステップS11)、送信の終了を予約情報処理部15に通知する。これに応じて、予約情報処理部15は、当該予約情報241をカードキー発行処理部16に送る。【0047】これに応じて、カードキー発行処理部16は、当該予約情報241と共に、カードキーの発行命令をカードキー発行装置19に送信する。この発行命令に応じて、カードキー発行装置19は、カードキー5の磁気記録部51に当該予約情報241を書き込むことにより、カードキー5を作成し(ステップS12)、これを顧客に対して発行して(ステップS13)、処理を終了する。」
「【0052】予約情報管理部22は、チェックインシステム1の予約情報処理部15からの予約情報241の照会(取得要求)を受信したか否かを調べ(ステップS21)、受信しない場合、ステップS21を繰り返す。受信した場合、予約情報管理部22は、当該照会要求に含まれる文字情報144を用いて予約情報マスタ24を検索して(ステップS22)、当該文字情報144と一致する予約情報241を抽出し、これを照会元である予約情報処理部15に応答として送信し(ステップS23)、当該照会要求に含まれる文字情報144をイメージ情報管理部21に送る。」
上記記載によれば、引用文献1には、
「 パスポートを読み取ってルームキーを自動的に発行するルームキー発行システムであって(【0001】)、ルームキー発行システムは、チェックインシステム1と、ホテルフロントシステム3と、これらの間を接続するネットワーク2とからなり(【0013】)、チェックインシステム1は、ホテルの顧客のチェックインを自動的に行うコンピュータであり、ホテルのチェックインカウンタに設けられ、読取処理部11、イメージ情報格納部14、予約情報処理部15、カードキー発行処理部16、イメージスキャナ17、表示装置18、カードキー発行装置19を備え、読取処理部11は、イメージ情報処理部12、OCR処理部13を備え(【0014】)、ホテルフロントシステム3は、ホテルのフロント業務を管理するコンピュータであり、ホテルのフロント又は管理室に設けられ、イメージ情報管理部21、予約情報管理部22、予約情報マスタ24を備え(【0015】)、続きを表示(全17行)予約情報マスタ24は、複数の予約情報241を予め格納し、1個の予約情報241は、予約した顧客の氏名及び国籍の情報を含み、顧客の氏名は姓のアルファベットと名のアルファベットで表記され(【0026】、図3)、ホテルの顧客が、パスポート4をイメージスキャナ17に挿入すると、イメージスキャナ17は、パスポート4の所定の領域R1を読み取ってイメージ情報処理部12に送信し(【0042】)、イメージ情報処理部12はイメージ情報格納部14に当該イメージ情報142を一時的に保存し、これをOCR処理部13に通知し(【0042】)、この通知に応じて、OCR処理部13は、イメージ情報格納部14からイメージ情報142を読み出して、文字認識すべき認識領域R2のイメージ情報143を抽出し、当該イメージ情報143についてのOCR処理を行い、アルファベットで記述された氏名及び国籍からなる文字情報144を認識し、これを予約情報処理部15に送り(【0043】)、これに応じて、予約情報処理部15は、当該文字情報144と共に、予約情報241の照会要求をホテルフロントシステム3の予約情報管理部22に送信し(【0044】)、予約情報管理部22は、照会要求を受信すると、当該照会要求に含まれる文字情報144を用いて予約情報マスタ24を検索して、当該文字情報144と一致する予約情報241を抽出し、これを照会元である予約情報処理部15に応答として送信し(【0052】)、予約情報処理部15は、受信した予約情報241を表示装置18に表示し(【0045】)、表示装置18を見た顧客が確認ボタンを押下げると、予約情報処理部15は、イメージ情報処理部12にイメージ情報142の送信を依頼し(【0046】)、これに応じて、イメージ情報処理部12は、イメージ情報格納部14に保存したイメージ情報142をホテルフロントシステム3に送信し、送信の終了を予約情報処理部15に通知し(【0046】)、これに応じて、予約情報処理部15は、予約情報241をカードキー発行処理部16に送り(【0046】)、カードキー発行処理部16は、当該予約情報241と共に、カードキーの発行命令をカードキー発行装置19に送信し(【0047】)、この発行命令に応じて、カードキー発行装置19は、カードキー5の磁気記録部51に当該予約情報241を書き込むことによりカードキー5を作成し、これを顧客に対して発行する(【0047】)、ルームキー発行システム。」の発明(以下、「引用発明」という。)が記載されている。
2.引用文献2
原査定の拒絶の理由に引用された引用文献2には、次の事項が記載されている。
「【0096】検索語又は比較フィールドが同一ではない場合に整合を見出して判定するために、採点関数を使用して、変形値(variant value)を認識してもよい。候補整合を、変形検索語を使用して取り出し、採点関数を使用して評価して、確証フィールド間の整合の品質を定量化してもよい。これらの採点関数は、様々なデータ品質問題を明らかにするように設計される。それらは、これらの問題にもかかわらず、減点されたスコアで整合を認識する。例えば、個人名についての採点関数は、姓(ラスト・ネーム)と名(ファースト・ネーム)との入れ替え又はミドル・イニシャルの使用には寛容であるようにしてもよく、企業名用に調整された採点関数は、欠落している単語よりも単語の順序に重きを置くようにしてもよい。」
3.その他の文献について
前置報告書において周知技術を示す文献として引用された引用文献3(東芝、輸出管理システムにベイシス・テクノロジーのRosette(R)名称照合モジュールを採用,[online],2016年6月23日,[令和2年4月23日検索],インターネット<URL:https://japan.zdnet.com/release/30148373/>には、次の事項が記載されている。
「Basis TechnologyのRosette(R) 名称照合モジュールは、人名照合の課題となる外国語による人名表記、省略や綴誤りなどの表記のばらつきに左右されることなく、人名や会社名等のさまざまな名称リスト間の照合を行う製品です。本製品による名称照合は、知的ベースを使い音韻学や綴字法を利用したアプローチであるため、表記された文字によらず、どの国の人名・会社名でも照合可能です。また、表記ゆれのパターンを複数想定したファジーマッチであることから、照合漏れも防ぐことができます。製品の主な特長は以下の通りです:・調査する名称表記が、リストの人名表記と異なっていても照合可能・表記ゆれやスペルミスもキャッチ・姓・名の順番が入れ替わっても照合可能・名前の要素(ミドルネームなど)やスペルの一部の欠落等でも照合可能」
第5 対比・判断
1.本願発明1について
(1)対比
本願発明1と引用発明とを対比すると、次のことがいえる。
ア 引用発明の「顧客」はホテルという施設の利用者であり、予約情報として格納されている顧客の氏名は、姓のアルファベットと名のアルファベットの2つのワードからなる。
よって、引用発明の「複数の予約情報241を予め格納し、1個の予約情報241は、予約した顧客の氏名及び国籍の情報を含み、顧客の氏名は姓のアルファベットと名のアルファベットで表記され」ている「予約情報マスタ24」は、本願発明1の「施設の利用者を示す少なくとも2ワード以上からなる利用者名が登録された利用予約情報を記憶する予約情報記憶部」に相当する。
イ 引用発明の「ホテルのチェックインカウンタに設けられ」た「ホテルの顧客のチェックインを自動的に行うコンピュータ」である「チェックインシステム1」は、本願発明1の「前記施設に配置され前記施設の利用許可手続きに用いられる所定の端末装置」に相当する。
ウ 引用発明の「ホテルフロントシステム3」において、「チェックシステム1」の「予約情報処理部15」から、「照会要求を受信し」、「当該照会要求に含まれる文字情報144を用いて予約情報マスタ24を検索して、当該文字情報144と一致する予約情報241を抽出し、これを照会元である予約情報処理部15に応答として送信」する「予約情報管理部22」は、本願発明1の「前記施設に配置され前記施設の利用許可手続きに用いられる所定の端末装置から検索ワードとして少なくとも2ワード以上からなる前記利用者を示す人名が入力された場合に、前記人名と前記利用予約情報に含まれる前記利用者名とを照合する人名照合部」に相当し、また、引用発明の「予約情報管理部22」が「当該照会要求に含まれる文字情報144を用いて予約情報マスタ24を検索」することは、本願発明1の「前記人名照合部は、前記人名と前記利用予約情報に含まれる前記利用者名とを照合」することに相当する。
エ 引用発明の「チェックインシステム1と、ホテルフロントシステム3と、これらの間を接続するネットワーク2と」からなる「ルームキー発行システム」は、「ホテルフロントシステム3」の「予約情報管理部22」において、ホテルを「予約した顧客」の「氏名」を「予約情報241」において管理しており、ホテルの顧客が、パスポートを読み取らせると、パスポートに記載された氏名と予約情報241の氏名との照合を行うから、本願発明1と同様の「利用予約情報管理システム」であるといえる。
したがって、本願発明1と引用発明との間には、次の一致点、相違点があるといえる。
[一致点]
「 施設の利用者を示す少なくとも2ワード以上からなる利用者名が登録された利用予約情報を記憶する予約情報記憶部と、前記施設に配置され前記施設の利用許可手続きに用いられる所定の端末装置から検索ワードとして少なくとも2ワード以上からなる前記利用者を示す人名が入力された場合に、前記人名と前記利用予約情報に含まれる前記利用者名とを照合する人名照合部と、を備え、前記人名照合部は、前記人名と前記利用予約情報に含まれる前記利用者名とを照合する、利用予約情報管理システム。」
[相違点]
「人名照合部」が、本願発明1では「照合不一致と判定された場合に、前記人名を構成する複数の人名ワード又は前記利用者名を構成する複数の利用者名ワードのいずれかにミドルネームが含まれているか否かを判定し、前記ミドルネームが含まれていると判定された場合に、前記ミドルネームが除去された前記複数の人名ワードと前記複数の利用者名ワードとをワード単位で照合するワード照合処理を行い、前記ワード照合処理によって、前記複数の人名ワード及び前記複数の利用者名ワードそれぞれの各ワードが互いに一致していると判定された場合に、前記人名と前記利用者名とが同等と判定する」のに対し、引用発明では、文字情報に含まれる顧客の氏名と予約情報に含まれる顧客の氏名との一致を判定するのみで、それが不一致と判定された場合に、上記のような一連の処理を行うものではない点。
(2)相違点についての判断
引用文献2には、検索語又はフィールドが同一ではない場合に整合を見出して判定するために、姓(ラスト・ネーム)と名(ファースト・ネーム)との入れ替え又はミドル・イニシャルの使用に寛容な採点関数を使用することが記載されている。すなわち、照合される氏名が同一ではない場合に、姓と名の順序が入れ替わり及びミドル・イニシャルのあるなしにかかわらず整合すると採点する採点関数を使用することが記載されているものの、ミドルネームが含まれている場合、入力された人名及び利用予約情報に含まれる利用者名からミドルネームを除去した後、ワード単位で照合するという、上記相違点に係る一連の処理は、記載も示唆もされていない。
また、引用文献3には、人名の照合において、姓・名の順番が入れ替わっても、また、ミドルネームが欠落しても人名を照合可能であるとの記載はあるが、どのように照合処理をするのかが不明であり、ミドルネームが含まれている場合、入力された人名及び利用予約情報に含まれる利用者名からミドルネームを除去した後、ワード単位で照合するという、上記相違点に係る一連の処理が周知技術であるとはいえない。
したがって、本願発明1は、当業者であっても、引用発明、引用文献2に記載された技術的事項及び周知技術に基づいて当業者が容易に発明することができたとはいえない。
2.本願発明2-4について
本願発明2-4は本願発明1を減縮した発明であり、上記相違点に係る構成を備えるものであるから、本願発明1と同様に、当業者であっても、引用発明、引用文献2に記載された技術的事項及び周知技術に基づいて当業者が容易に発明することができたとはいえない。
3.本願発明5について
本願発明5は、本願発明1に対応する方法の発明であり、上記相違点に係る構成と同様の「照合不一致と判定された場合に、前記人名を構成する複数の人名ワード又は前記利用者名を構成する複数の利用者名ワードのいずれかにミドルネームが含まれているか否かを判定し、
前記ミドルネームが含まれていると判定された場合に、前記ミドルネームが除去された前記複数の人名ワードと前記複数の利用者名ワードとをワード単位で照合するワード照合処理を行い、
前記ワード照合処理によって、前記複数の人名ワード及び前記複数の利用者名ワードそれぞれの各ワードが互いに一致ししていると判定された場合に、前記人名と前記利用者名とが同等と判定する」という構成を備えるものである。
したがって、本願発明5は、本願発明1と同様に、当業者であっても、引用発明、引用文献2に記載された技術的事項及び周知技術に基づいて当業者が容易に発明をすることができたとはいえない。
4.本願発明6について
本願発明6は、本願発明5の各ステップをコンピュータに実行させるためのプログラムとした発明であり、上記相違点に係る構成と同様の「照合不一致と判定された場合に、前記人名を構成する複数の人名ワード又は前記利用者名を構成する複数の利用者名ワードのいずれかにミドルネームが含まれているか否かを判定し、
前記ミドルネームが含まれていると判定された場合に、前記ミドルネームが除去された前記複数の人名ワードと前記複数の利用者名ワードとをワード単位で照合するワード照合処理を行い、
前記ワード照合処理によって、前記複数の人名ワード及び前記複数の利用者名ワードそれぞれの各ワードが互いに一致ししていると判定された場合に、前記人名と前記利用者名とが同等と判定する」という構成を備えるものである。
したがって、本願発明6は、本願発明1と同様に、当業者であっても、引用発明、引用文献2に記載された技術的事項及び周知技術に基づいて当業者が容易に発明をすることができたとはいえない。
第6 原査定について
審判請求時の補正により、本願発明1-6は「照合不一致と判定された場合に、前記人名を構成する複数の人名ワード又は前記利用者名を構成する複数の利用者名ワードのいずれかにミドルネームが含まれているか否かを判定し、
前記ミドルネームが含まれていると判定された場合に、前記ミドルネームが除去された前記複数の人名ワードと前記複数の利用者名ワードとをワード単位で照合するワード照合処理を行い、
前記ワード照合処理によって、前記複数の人名ワード及び前記複数の利用者名ワードそれぞれの各ワードが互いに一致していると判定された場合に、前記人名と前記利用者名とが同等と判定する」という事項を有するものとなっており、当業者であっても、引用発明、引用文献2に記載された技術的事項及び周知技術に基づいて、容易に発明をすることができたとはいえない。
したがって、原査定の理由を維持することはできない。
第7 むすび
以上のとおり、本願発明1-6は、当業者が引用発明、引用文献2に記載された技術的事項及び周知技術に基づいて容易に発明をすることができたものではない。したがって、原査定の理由によっては、本願を拒絶することはできない。
また、他に本願を拒絶すべき理由を発見しない。
よって、結論のとおり審決する。
審決本文(J-PlatPat)
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2020-002580