2020-000240
美容ローラー用ヘッド
- 審判番号
- 2020-000240
- 法域
- 意匠
- 審判種別
- 拒絶査定不服審判(拒絶査定不服の審決)
- 出願番号
- 意願2018-027695外部サイト(J-PlatPat)へ移動します
- 登録番号
- 1666790
- 請求日
- 2020年01月08日
- 審決日
- 2020年06月30日
- 公報発行日
- 2023年09月29日
- 結論
- 原査定取消(特許/登録すべき)
- 分類
- D18 .121-WY (J7-1)
- 条文(本文から自動抽出・参考)
- 意匠法第3条
- データ出所
- 審決公報(XML)
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結論
理由
目次 ▾ 8項目
第1 手続の経緯
本願は、平成30年(2018年)12月19日の意匠登録出願であって、その後の主な手続の経緯は、以下のとおりである。
令和1年(2019年) 7月29日付け 拒絶理由の通知
同年 9月 6日 意見書の提出
同年 10月 7日付け 拒絶査定
令和2年(2020年) 1月 8日 審判請求書の提出
第2 本願の意匠
本願の意匠(以下「本願意匠」という。)は、意匠に係る物品を「美容ローラー用ヘッド」とし、その形状、模様若しくは色彩又はこれらの結合(以下、「形状、模様若しくは色彩又はこれらの結合」を「形態」という。)を、願書の記載及び願書に添付した図面に記載されたとおりとしたものである。(別紙第1参照)
第3 原審の拒絶の理由及び引用した意匠
原審における拒絶の理由は、本願意匠は、出願前にその意匠の属する分野における通常の知識を有する者(以下、「その意匠の属する分野における通常の知識を有する者」を「当業者」という。)が日本国内又は外国において公然知られた形状、模様若しくは色彩又はこれらの結合に基づいて容易に意匠の創作をすることができたものと認められるので、意匠法3条2項の規定に該当するとしたものであって、具体的には、以下のとおりである。
「本願は、美容器具に用いられる球状のヘッドであり、トップの円状部を除き、全体に斜め放射状に凹凸線状模様が施され、それぞれの凹凸線状模様は極細帯状凸部とその間の小円弧状凹部により構成されています。美容器具に用いられる球状のヘッドであって、トップの円状部を除き、全体に放射状に凹凸線状模様が施され、それぞれの凹凸線状模様は極細帯状凸部とその間の小円弧状凹部により構成されているものは、例えば意匠1のように本願出願前より見られる態様です。また、本願意匠の線状模様はやや斜線状になっていますが、意匠1のような直線放射状の線模様に僅かに傾斜を付けて斜線状模様とすることは、当該意匠の属する物品分野に限らず格別の創作を要するとは考えられません。(本願意匠が属するマッサージ器具の分野における斜線模様の例としては、例えば意匠2があります。)そうすると、本願意匠は、本願出願前に知られた意匠に基づいて当業者の知識を有する者が容易に創作出来たものと言わざるを得ません。意匠1特許庁発行の意匠公報記載意匠登録第1586553号の意匠意匠2特許庁発行の意匠公報記載意匠登録第1603437号の意匠」
第4 当審の判断
以下、本願意匠の意匠法3条2項の該当性、すなわち、本願意匠が当業者であれば容易に創作することができたか否かについて検討し、判断する。
1 本願意匠
(1)意匠に係る物品
意匠に係る物品は、身体に押し付けて転がすことにより美容効果を得る目的で使用する美容ローラーの先端に取り付ける「美容ローラー用ヘッド」である。
(2)形態
ア 全体
全体は、底面側の一部を水平に切り欠いた略球形で、上面中央の一部と底面を除いた表面全体に縦軸に対し右傾した縦長細幅略さじ面状の浅溝を多数密接して形成したものである。
イ 具体的態様
上面中央の平滑面は、上面視、略円形で、その径の長さは全体径の約4割強である。
底面中央の平坦面は、底面視、略円形で、その径の長さは全体径の約7割である。また、平坦面の真ん中に、その径の長さの約7割の径で、全高の約8割の深さの略円孔を形成している。
表面に形成した浅溝の傾斜角度は約20度で、合計60本形成している。
2 引用意匠の認定
(1)意匠1(別紙第2参照)
ア 意匠に係る物品
意匠に係る物品は、身体に押し付けて転がすことにより美容効果を得る目的で使用する美容ローラーの先端に取り付ける「美容装置用ローラーヘッド」である。
イ 形態
(ア)全体
全体は、底面側の一部を水平に切り欠いた略球形で、上面中央の一部と底面を除いた表面全体に縦長細幅略さじ面状の浅溝を多数密接して形成したものである。
(イ)具体的態様
上面中央の平滑面は、上面視、略円形で、その径の長さは全体径の約4割弱である。
底面中央の平坦面は、底面視、略円形で、その径の長さは全体径の約5割弱である。また、平坦面の真ん中に、その径の長さの約9割の径で、全高の約9割弱の深さの略円孔を形成している。
表面に形成した浅溝は、垂直状で、合計58本形成している。
(2)意匠2(別紙第3参照)
ア 意匠に係る物品
意匠に係る物品は、身体に圧接することにより、内蔵されるモーターの駆動により振動等を伴うマッサージ効果を発揮する「マッサージ器」である。
イ 形態
(ア)全体
全体は、上端近くを略樽形に膨出した略縦長円柱形で、周側面の上端近傍から真ん中やや下寄りまで略縦長逆S字状に湾曲した縦長細幅略さじ面状の浅溝を多数密接して形成したものである。
(イ)具体的態様
上面は、上面視、4辺を僅かに弧状に膨出した略正方形で、上面全体がややドーム状に膨出している。
底面中央に5枚花様の模様を施し、その周りに外縁に沿って円環状の浅い凹陥を形成している。
周側面に形成した浅溝は、合計28本形成している。
3 本願意匠の創作性の検討
この物品の属する分野において、全体を、底面側の一部を水平に切り欠いた略球形とし、その上面中央の一部と底面を除いた表面全体に縦長細幅略さじ面状の浅溝を多数密接して形成したものは、前記、意匠1に見られるとおり、本願出願前から公然知られているものである。しかしながら、その浅溝を縦軸に対し右に傾斜して配置したものは、本願意匠の他には見られないものであるから、本願意匠のこの態様は、当業者にとって、格別の創作を要したものといわざるを得ない。
なお、原審において、当該浅溝を傾斜状に配したものの例として、意匠2を挙げているが、意匠2の浅溝は、前記2(2)イ(ア)のとおり、略縦長逆S字状に湾曲したものであるから、本願意匠の態様とは異なるものというほかない。
そうすると、本願意匠の態様は、この種物品分野において独自の着想によって創出したものであり、当業者が公然知られた形態に基づいて容易に本願意匠の創作をすることができたということはできない。
第5 むすび
以上のとおりであって、本願意匠は、原審が示した理由によっては意匠法3条2項に規定する意匠に該当しないものであるから、この拒絶の理由によって本願を拒絶すべきものとすることはできない。
また、当審において、更に審理した結果、他に拒絶すべき理由を発見しない。
よって、結論のとおり審決する。
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