特許訂正審判
2019-390109
射出成形機
- 審判番号
- 2019-390109
- 法域
- 特許
- 審判種別
- 訂正審判(訂正の審決)
- 出願番号
- 特願2017-145117
- 登録番号
- 特許第6557296号(P6557296)
- 請求日
- 2019年09月17日
- 審決日
- 2019年11月01日
- 公報発行日
- 2020年01月31日
- 結論
- 訂正認容
- 当事者
- 【請求人】ファナック 株式会社
- 【請求人代理人】正林 真之
- 【請求人代理人】芝 哲央
- 【請求人代理人】星野 寛明
- 【請求人代理人】岩池 満
- 審判長/審判官
- 審判長 須藤 康洋
- 審判官 大畑 通隆
- 審判官 植前 充司
- 分類
- P141 .852-Y (B29C)
- 条文(本文から自動抽出・参考)
- 特許法第126条第5項、特許法第126条第7項、特許法第126条第1項
- データ出所
- 審決公報(SGML)
事件の表示
特許第6557296号に関する訂正審判事件について、次のとおり審決する。
結論
【結 論】
特許第6557296号の明細書及び特許請求の範囲を本件審判請求書に添付された訂正明細書及び特許請求の範囲のとおり訂正することを認める。
理由
【理 由】
第1 主な手続の経緯
特許第6557296号(請求項の数6。以下、「本件特許」という。)に係る出願は、平成29年7月27日に出願され(特願2017-145117号)、令和1年5月31日付けで特許査定がされ、同年7月19日に特許権の設定登録がされたものである。
また、令和1年9月17日に本件訂正審判が請求された。
第2 請求の趣旨及び理由
1 請求の趣旨
結論同旨
2 請求の理由(訂正の内容)
請求人の求めた訂正(以下「本件訂正」という場合がある。)について、訂正事項ごとに掲記すると、概略、以下のとおりである。
(1) 訂正事項1
特許請求の範囲の請求項1に「回転ピン軸前記固定プラテンと連結される第2の連結部を有し」とあるのを、「前記固定プラテンと連結される第2の連結部を有し」に、訂正する。
(2) 訂正事項2
明細書の段落0036に「プラテン連結部67は、本発明における第1の連結部の一例である。」とあるのを、「プラテン連結部67は、本発明における第2の連結部の一例である。」に、訂正する。
第3 当審の判断
1 訂正の目的、新規事項の追加及び特許請求の範囲の拡張又は変更の存否についての検討
(1) 訂正事項1(上記第2 2(1))についての検討
ア 訂正の目的
本件特許の請求項1における「前記連結部材は・・・前記腕部の上部に、回転ピン軸前記固定プラテンと連結される第2の連結部を有し、」について、出願当初の明細書には、次の記載がある。(なお、下線は合議体が付したものである。以下同じ。)
「【0036】
一対の腕部62は、固定プラテン31の射出ユニット4側(後ろ方向D12側)の表面31bに沿うように、それぞれ支持台部61から上方に向けて(上方向D21に)略垂直に立ち上がっている。支持台部61から立ち上がった各腕部62の上部は、それぞれ固定プラテン31と連結されるプラテン連結部67を有している。プラテン連結部67は、本発明における第1の連結部の一例である。
【0037】
プラテン連結部67は、射出ユニット4のノズル44と略同じ高さに位置し、ノズル44を挟んで左右対称となるように、左右方向D3に一対設けられている。これらプラテン連結部67は、腕部62の上部に固定されておらず、回転ピン軸68を回転中心として回転可能に設けられている。回転ピン軸68の軸方向は、射出ユニット4の移動方向Aと直交する方向(図3に示す左右方向D3)に配置される。従って、プラテン連結部67は、腕部62の上部において、移動方向Aに沿って回転可能である。」
「【図3】
」
「【符号の説明】
【0058】
1 射出成形機
2 機台
31 固定プラテン
33 金型
4 射出ユニット
44 ノズル
5 ノズルタッチ機構
6 連結部材
61 支持台部
62 腕部
64 軸受け部(第1の連結部)
65 ガイドブロック(取付け部)
67 プラテン連結部(第2の連結部)
7 金型機台
71a 第1の位置決め用ピン穴
72 高さ調整機構
73 機台連結部
8 射出機台
81a 第2の位置決め用ピン穴
82 高さ調整機構
83 機台連結部
91 位置決め用ピン
92 機台連結具」
明細書(特に上記段落【0036】、【0058】及び【図3】)には、「プラテン連結部(第2の連結部)」と連結するのは、「固定プラテン31」との記載があるから、「回転ピン軸前記固定プラテン」と連結するとある請求項1の記載は誤記である。
しかも、そもそも「回転ピン軸前記固定プラテン」との用語は、その意味自体が不明であるといわざるを得ない。
そして、出願当初の特許請求の範囲の請求項1には、「前記腕部の上部に、前記固定プラテンと連結される第2の連結部を有し、」と記載されていたことから見ても、本件特許の請求項1の「回転ピン軸前記固定プラテン」との記載は、「前記固定プラテン」の誤記であることが明らかである。
イ 新規事項の追加及び特許請求の範囲の拡張又は変更の存否
訂正事項1は、上記のとおり、出願当初の明細書に記載した事項においてしたものである。また、請求項1の訂正の前後の記載を比較しても、本件訂正は、特許請求の範囲を実質上拡張し、又は変更するものと認めることはできない。
したがって、訂正事項1は、特許法第126条第5項及び第6項の規定に適合するといえる。
(2) 訂正事項2(上記第2 2(2))についての検討
ア 訂正の目的
出願当初の明細書には、段落【0058】の記載及び【図3】(いずれも上記(1)アを参照)に加えて、次の記載がある。
「【0015】
(1) 本発明に係る射出成形機は、固定プラテン(例えば、後述の固定プラテン31)を有する金型(例えば、後述の金型33)と、前記金型に対して接近又は離間可能に設けられ、前記金型に押し付けられた状態で前記金型内に溶融材料を射出するノズル(例えば、後述のノズル44)を有する射出ユニット(例えば、後述の射出ユニット4)と、前記射出ユニットに駆動力を作用させて前記金型へ接近する方向(例えば、後述の接近方向A1)に移動させることにより、前記ノズルを前記金型に押し付けるノズルタッチ機構(例えば、後述のノズルタッチ機構5)と、前記ノズルタッチ機構と前記固定プラテンとを連結する連結部材(例えば、後述の連結部材6)と、を機台(例えば、後述の機台2、金型機台7、射出機台8)上に備え、前記連結部材は、前記機台に取り付けられる支持台部(例えば、後述の支持台部61)と、前記支持台部の前記固定プラテン側から上方に立ち上がる腕部(例えば、後述の腕部62)とを有し、前記支持台部に、前記ノズルタッチ機構と連結される第1の連結部(例えば、後述の軸受け部64)を有すると共に、前記腕部の上部に、前記固定プラテンと連結される第2の連結部(例えば、後述のプラテン連結部67)を有し、前記ノズルを前記金型に押し付けるノズルタッチ力が、前記固定プラテン及び前記連結部材を介して前記ノズルタッチ機構に伝達される構成を有する射出成形機(例えば、後述の射出成形機1)であって、前記連結部材の前記第2の連結部は、前記射出ユニットの移動方向(例えば、後述の移動方向A)に沿う方向に回転可能に設けられる。」
「【0033】
ノズルタッチ機構5のボールねじ軸52の他端は、これらの突出脚部63の間に配置される支持台部61の後端面61aに、軸受け部64によって連結している。即ち、軸受け部64は、突出脚部63、63よりも固定プラテン31側に引っ込んだ位置にある。なお、この軸受け部64は、本発明における連結部材6の第1の連結部の一例である。」
以上の記載からみて、「軸受け部64」が「第1の連結部」であって、「プラテン連結部67」は「第2の連結部」を指すことは明らかであるから、「プラテン連結部67は、本発明における第1の連結部の一例である。」との記載は、「プラテン連結部67は、本発明における第2の連結部の一例である。」の誤記であることは明らかである。
イ 新規事項の追加及び特許請求の範囲の拡張又は変更の存否
訂正事項2は、上記のとおり、出願当初の明細書に記載した事項においてしたものである。また、訂正事項2の訂正によって、訂正前の特許請求の範囲が実質上拡張し、又は変更されたと認めることはできない。
したがって、訂正事項2は、特許法第126条第5項及び第6項の規定に適合するといえる。
2 独立特許要件について
上記1で検討したとおり、訂正事項1、2は、いずれも誤記の訂正を目的とするものである。そこで、訂正後における特許請求の範囲に記載されている事項により特定される発明が特許出願の際独立して特許を受けることができるか(いわゆる独立特許要件の充足性。特許法第126条第7項)について検討したが、独立特許要件を欠くとする事由を見いだすことができない。
したがって,本件訂正は特許法第126条第7項の規定に適合する。
第4 むすび
以上の次第であるから、本件訂正は、特許法第126条第1項ただし書第2号に掲げる事項を目的とし、かつ、同条第5項ないし第7項の規定に適合するので、適法な訂正と認める。
よって,結論のとおり審決する。
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