特許訂正審判
2021-390032
成形品の製造方法、成形品の製造装置
- 審判番号
- 2021-390032
- 法域
- 特許
- 審判種別
- 訂正審判(訂正の審決)
- 出願番号
- 特願2015-521730
- 登録番号
- 特許第6628605号(P6628605)
- 請求日
- 2021年02月03日
- 審決日
- 2021年03月29日
- 公報発行日
- 2021年07月30日
- 結論
- 訂正認容
- 当事者
- 【請求人】鈴木 康公
- 【請求人代理人】横井 俊之
- 審判長/審判官
- 審判長 大島 祥吾
- 審判官 大畑 通隆
- 審判官 細井 龍史
- 分類
- P141 .852-Y (B29C)
- 条文(本文から自動抽出・参考)
- 特許法第126条第1項、特許法第126条第5項、特許法第126条第7項
- データ出所
- 審決公報(SGML)
事件の表示
特許第6628605号に関する訂正審判事件について、次のとおり審決する。
結論
【結 論】
特許第6628605号の明細書及び特許請求の範囲を本件審判請求書に添付された訂正明細書及び特許請求の範囲のとおり訂正することを認める。
理由
【理 由】
第1 主な手続の経緯
特許第6628605号(請求項の数4。以下、「本件特許」という。)に係る出願は、2015年(平成27年)4月24日(優先権主張 2014年(平成26年)5月11日)を国際出願日とする特許出願であって、令和1年11月7日付けで特許査定がされ、同年12月13日にその特許権の設定登録がされたものである。
そして、令和3年2月3日に本件訂正審判が請求された。
第2 請求の趣旨及び理由
1 請求の趣旨
結論同旨
2 請求の理由(訂正の内容)
請求人の求めた訂正(以下「本件訂正」という場合がある。)について、訂正事項ごとに掲記すると、概略、以下のとおりである。
(1) 訂正事項1
特許請求の範囲の請求項1に「圧力が1atomで」とあるのを、「圧力が1atmで」に訂正する。
請求項1の記載を引用する請求項2も同様に訂正する。
(2) 訂正事項2
特許請求の範囲の請求項3に「圧力が1atomで」とあるのを、「圧力が1atmで」に訂正する。
請求項3の記載を引用する請求項4も同様に訂正する。
(3) 訂正事項3
明細書の段落【0298】において2箇所に「圧力が1atomで」とあるのを、共に「圧力が1atmで」に訂正する。
第3 当審の判断
1 訂正の目的、新規事項の追加及び特許請求の範囲の拡張又は変更の存否についての検討
事案に鑑み、訂正事項3から検討する。
(1) 訂正事項3(上記第2 2(3))についての検討
ア 訂正の目的
本件訂正前の明細書の段落【0298】における「圧力が1atomで」との記載に関し、圧力の計量単位の記号として「atm」が一般に用いられること(例えば、計量単位規則(平成4年通商産業省令第80号)の別表第2(第2条関係)として、「物象の状態の量」としての「圧力」の「計量単位」である「気圧」に関し、その記号として「atm」が規定されている。)、また、気圧の単位記号としての「atm」は、日本国内において、「アトム」と呼称することが慣用であって、「atom」は、その音写に基づく誤記であると推認することができることから、「圧力が1atmで」との誤記であることは、当業者にとって明らかである。
したがって、訂正事項3は、特許法第126条第1項ただし書第2号に規定する誤記の訂正を目的とするものに該当する。
イ 新規事項の追加及び特許請求の範囲の拡張又は変更の存否
上記アで述べたことによると、明細書の段落【0298】に係る訂正事項3の訂正は、願書に最初に添付した明細書、特許請求の範囲又は図面に記載した事項の全ての記載を総合することにより導かれる技術的事項との関係において、新たな技術的事項を導入するものでないことは明らかである。
また、明細書の段落【0298】に関連する特許請求の範囲を実質上拡張し、又は変更するものと認めることはできない。
したがって、訂正事項3は、特許法第126条第5項及び第6項の規定に適合するといえる。
(2) 訂正事項1(上記第2 2(1))についての検討
ア 訂正の目的
本件特許の請求項1における「圧力が1atomで」について、上記(1)で述べたのと同様、「atom」との記載は「atm」の誤記であることが明らかである。
また、請求項1の記載を引用する請求項2も同様である。
したがって、訂正事項1は、特許法第126条第1項ただし書第2号に規定する誤記の訂正を目的とするものに該当する。
イ 新規事項の追加及び特許請求の範囲の拡張又は変更の存否
請求項1の記載に対応する、明細書の段落【0298】については、上記(1)で述べたとおりであるから、請求項1に係る訂正事項1の訂正は、願書に最初に添付した明細書に記載した事項においてしたものである。
また、請求項1の訂正前後の記載を比較しても、請求項1に係る訂正事項1の訂正は、特許請求の範囲を実質上拡張し、又は変更するものと認めることはできない。
したがって、訂正事項1は、特許法第126条第5項及び第6項の規定に適合するといえる。
(3) 訂正事項2(上記第2 2(2))についての検討
本件特許の請求項3における「圧力が1atomで」についても、請求項1及び2に係る訂正について上記(2)で述べたのと同様、「atom」との記載は「atm」の誤記であることが明らかである。
また、請求項3の記載を引用する請求項4も同様である。
2 独立特許要件について
上記1で検討したとおり、訂正事項1ないし3は、いずれも誤記の訂正を目的とするものである。そこで、訂正後における特許請求の範囲に記載されている事項により特定される発明が特許出願の際独立して特許を受けることができるか(いわゆる独立特許要件の充足性。特許法第126条第7項)について検討したが、独立特許要件を欠くとする事由を見いだすことができない。
したがって、本件訂正は特許法第126条第7項の規定に適合する。
第4 むすび
以上の次第であるから、本件訂正は、特許法第126条第1項ただし書第2号に掲げる事項を目的とし、かつ、同条第5項ないし第7項の規定に適合するので、適法な訂正と認める。
よって、結論のとおり審決する。
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