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特許訂正審判

2019-390014

逸脱防止コネクタを備えたステント

審判番号
2019-390014
法域
特許
審判種別
訂正審判(訂正の審決)
出願番号
特願2016-542110
登録番号
特許第6197122号(P6197122)
請求日
2019年01月31日
審決日
2019年03月15日
公報発行日
2019年06月28日
結論
訂正認容
当事者
  • 【請求人】ボストン サイエンティフィック サイムド,インコーポレイテッド
  • 【請求人代理人】恩田 誠
  • 【請求人代理人】恩田 博宣
  • 【請求人代理人】本田 淳
審判長/審判官
  • 審判長 内藤 真徳
  • 審判官 船越 亮
  • 審判官 芦原 康裕
分類
P141 .852-Y (A61F)
根拠条文(結論部分から自動抽出・参考)
特許法126条1項特許法126条3項特許法126条5項
条文(本文から自動抽出・参考)
特許法第126条第1項、特許法第126条第3項、特許法第184条の3第3項、特許法第126条第5項、特許法第126条第6項、特許法第126条第7項
データ出所
審決公報(SGML)

事件の表示

特許第6197122号に関する訂正審判事件について、次のとおり審決する。

結論

【結 論】 特許第6197122号の明細書、特許請求の範囲を本件審判請求書に添付された訂正明細書、特許請求の範囲のとおり、訂正後の請求項〔1-8〕について訂正することを認める。

理由

【理 由】 第1 手続きの経緯 本件訂正審判の請求に係る特許第6197122号(以下、「本件特許」という。)は、2014年9月11日(パリ条約による優先権主張 外国庁受理 2013年9月12日 米国)を国際出願日とする外国語特許出願(PCT/US2014/055220,以下、「国際出願」という。)を特許法第184条の3第3項の規定により特許出願とみなされた出願(特願2016-542110号)であって、その請求項1ないし20に係る発明について、平成29年8月25日に特許権の設定登録がなされ、平成31年1月31日に本件訂正審判の請求がなされたものである。 第2 請求の趣旨及び訂正事項 1 請求の趣旨 本件訂正審判の趣旨は、「特許第6197122号の明細書、特許請求の範囲を本件審判請求書に添付した訂正明細書、特許請求の範囲のとおり、訂正後の請求項1~8について訂正することを認める、との審決を求める。」というものである。 2 訂正事項 本件訂正審判の請求に係る訂正(以下、「本件訂正」という。)の内容は、以下の訂正事項1~2のとおりである(下線は、審判請求人が訂正箇所を示したものである。)。 (1)訂正事項1 明細書の段落[0002]、[0003]、[0005]、[0010]、[0016]、[0027]、[0045]、[0053]~[0055]、[0057]及び[0058]の記載において、「体腔」を「体管腔]に訂正する。 (2)訂正事項2 特許請求の範囲の請求項1において、「前記人工器官が体腔に植え込まれた後に該人工器官が逸脱することを抑制するために、前記拡張状態において前記コネクタが体腔の壁と係合するように構成されており」と記載されているのを、「前記人工器官が体管腔に植え込まれた後に該人工器官が逸脱することを抑制するために、前記拡張状態において前記コネクタが体管腔の壁と係合するように構成されており」に訂正する。要するに、「体腔」の文言を「体管腔」に訂正する。また、請求項1の記載を引用する請求項2~8も同様に訂正する。 第3 当審の判断 1 一群の請求項について 本件訂正前の請求項1~8について、請求項2~8は、請求項1を引用しているから、本件訂正は、一群の請求項に対して請求されたものであり、特許法第126条第3項の規定に適合する。 2 訂正要件の検討 (1)訂正の目的 ア 訂正事項1 (ア)段落【0002】 a 国際出願の明細書、請求の範囲又は図面(以下、「本件国際出願時の明細書等」といい、国際公開2015/038790号を参照。なお、頁番号、行数(空行含む)は、当該国際公開公報のものを付記した。以下、同様。)の第1頁第14行~第24行には、「An endoprosthesis may be configured to be positioned in a body lumen for a variety of medical applications. For example, an endoprosthesis may be used to treat a stenosis in a blood vessel, used to maintain a fluid opening or pathway in the vascular, urinary, biliary, tracheobronchial, esophageal or renal tracts, or to position a device such as an artificial valve or filter within a body lumen, in some instances. ・・・. However, if it is desired to remove the endoprosthesis at some later time, the ingrown tissue must be cut away, causing significant trauma to the body lumen. ・・・ However, fully covered endoprostheses are prone to migrate through the body lumen.」と記載されているが、本件特許明細書の段落【0002】には、「人工器官は、様々な医療用途において体腔に留置されるように構成されている。例えば、人工器官は、血管狭窄の治療や、血管、尿管、胆管、気管、食道、腎臓管等における流体用の開口および通路の維持に用いられ、場合によっては、人工弁やフィルタ等の器具を体腔に留置するために用いられる。・・・しかし、後で人工器官を除去する必要がある場合には、内部成長した組織を切除しなければならないため、体腔に著しい外傷を与えてしまう。・・・。しかし、完全に被覆された人工器官は、体腔内において逸脱しやすい。」と記載されている(下線は、当審で付与した。以下、同様。)。 b ここで、本件国際出願時の明細書等における「body lumen」の翻訳について、「body lumen」における「body」は「体」を意味し、「body lumen」における「lumen」は「管腔」を意味することから、本件国際出願時の明細書等における「body lumen」の正しい翻訳は、「体管腔」と認められる。 c そうすると、本件特許明細書の段落【0002】の「人工器官は、様々な医療用途において体腔に留置されるように構成されている。例えば、人工器官は、血管狭窄の治療や、血管、尿管、胆管、気管、食道、腎臓管等における流体用の開口および通路の維持に用いられ、場合によっては、人工弁やフィルタ等の器具を体腔に留置するために用いられる。・・・しかし、後で人工器官を除去する必要がある場合には、内部成長した組織を切除しなければならないため、体腔に著しい外傷を与えてしまう。・・・。しかし、完全に被覆された人工器官は、体腔内において逸脱しやすい。」との翻訳は、「人工器官は、様々な医療用途において体管腔に留置されるように構成されている。例えば、人工器官は、血管狭窄の治療や、血管、尿管、胆管、気管、食道、腎臓管等における流体用の開口および通路の維持に用いられ、場合によっては、人工弁やフィルタ等の器具を体管腔に留置するために用いられる。・・・しかし、後で人工器官を除去する必要がある場合には、内部成長した組織を切除しなければならないため、体管腔に著しい外傷を与えてしまう。・・・。しかし、完全に被覆された人工器官は、体管腔内において逸脱しやすい。」の誤訳であることは明白であり、「体腔」を「体管腔」に訂正することは、誤訳の訂正を目的とするものである。 d したがって、訂正事項1における段落【0002】の訂正は、特許法第126条第1項ただし書第2号に掲げる誤訳の訂正を目的とするものに該当する。 (イ)段落【0003】 a 本件国際出願時の明細書等の第1頁第25行~第27行には、「Accordingly, it is desirable to provide endoprostheses that exhibit anti- migration features, while reducing the trauma to the body lumen of the patient if removal of the endoprosthesis is desired.」と記載されているが、本件特許明細書の段落【0003】には、「したがって、逸脱防止特性を有しながらも、人工器官の除去が必要になった場合に患者体腔に与える外傷を低減できる人工器官を提供することが望ましい。」と記載されている。 b ここで、上記(ア)bのとおりであるから、本件特許明細書の段落【0003】の「したがって、逸脱防止特性を有しながらも、人工器官の除去が必要になった場合に患者体腔に与える外傷を低減できる人工器官を提供することが望ましい。」との翻訳は、「したがって、逸脱防止特性を有しながらも、人工器官の除去が必要になった場合に患者体管腔に与える外傷を低減できる人工器官を提供することが望ましい。」の誤訳であることは明白であり、「体腔」を「体管腔」に訂正することは、誤訳の訂正を目的とするものである。 c したがって、訂正事項1における段落【0003】の訂正は、特許法第126条第1項ただし書第2号に掲げる誤訳の訂正を目的とするものに該当する。 (ウ)段落【0005】 a 本件国際出願時の明細書等の第2頁第7行~第9行には、「The connectors are configured to engage a wall of a body lumen in the expanded state to inhibit migration of the endoprosthesis subsequent implanting the endoprosthesis in the body lumen.」と記載されているが、本件特許明細書の段落【0005】には、「人工器官が体腔に植え込まれた後に人工器官が逸脱することを抑制するために、拡張状態においてコネクタが体腔の壁と係合するように構成されている。」と記載されている。 b ここで、上記(ア)bのとおりであるから、本件特許明細書の段落【0005】の「人工器官が体腔に植え込まれた後に人工器官が逸脱することを抑制するために、拡張状態においてコネクタが体腔の壁と係合するように構成されている。」との翻訳は、「人工器官が体管腔に植え込まれた後に人工器官が逸脱することを抑制するために、拡張状態においてコネクタが体管腔の壁と係合するように構成されている。」の誤訳であることは明白であり、「体腔」を「体管腔」に訂正することは、誤訳の訂正を目的とするものである。 c したがって、訂正事項1における段落【0005】の訂正は、特許法第126条第1項ただし書第2号に掲げる誤訳の訂正を目的とするものに該当する。 (エ)段落【0010】 a 本件国際出願時の明細書等の第4頁第18行~第19行には、「FIGS. 7 and 8 illustrate aspects of delivering the endoprosthesis of FIG. 1 into a body lumen.」と記載されているが、本件特許明細書の段落【0010】には、「【図7】体腔にて図1の人工器官を送達させる態様を示す図。【図8】体腔にて図1の人工器官を送達させる態様を示す図。」と記載されている。 b ここで、上記(ア)bのとおりであるから、本件特許明細書の段落【0010】の「【図7】体腔にて図1の人工器官を送達させる態様を示す図。【図8】体腔にて図1の人工器官を送達させる態様を示す図。」との翻訳は、「【図7】体管腔にて図1の人工器官を送達させる態様を示す図。【図8】体管腔にて図1の人工器官を送達させる態様を示す図。」の誤訳であることは明白であり、「体腔」を「体管腔」に訂正することは、誤訳の訂正を目的とするものである。 c したがって、訂正事項1における段落【0010】の訂正は、特許法第126条第1項ただし書第2号に掲げる誤訳の訂正を目的とするものに該当する。 (オ)段落【0016】 a 本件国際出願時の明細書等の第5頁第20行~第31行には、「An exemplary implantable endoprosthesis 10 is shown in FIG. 1. The endoprosthesis 10 may be configured to be positioned in a body lumen for a variety of medical applications. For example, the endoprosthesis 10 may be used to treat a stenosis in a blood vessel, used to maintain a fluid opening or pathway in the vascular, urinary, biliary, tracheobronchial, esophageal or renal tracts, or position a device such as an artificial valve or filter within a body lumen, in some instances. In some instances, the endoprosthesis 10 may be a prosthetic graft, a stent-graft, or a stent (e.g., a vascular stent, tracheal stent, bronchial stent, esophageal stent, etc.). Although illustrated as a stent, the endoprosthesis 10 may be any of a number of devices that may be introduced endoscopically, subcutaneously, percutaneously or surgically to be positioned within an organ, tissue, or lumen, such as a heart, artery, vein, urethra, esophagus, trachea, bronchus, bile duct, or the like.」と記載されているが、本件特許明細書の段落【0016】には、「図1に例示的な植え込み型人工器官10を示す。人工器官10は、様々な医療用途において体腔に留置されるように構成されている。例えば、人工器官10は、血管狭窄の治療や、血管、尿管、胆管、気管、食道、腎臓管等における流体用の開口および通路の維持に用いられ、場合によっては、人工弁やフィルタ等の器具を体腔に留置するために用いられる。いくつかの例において、人工器官10は、人工血管、ステントグラフトまたはステント(例えば、血管ステント、気管ステント、気管支ステント、食道ステント)である。ステントとして示されているが、人工器官10は、心臓、動脈、静脈、尿道、食道、気管、気管支、胆管等の器官、組織または体腔に留置されるために内視鏡的に、皮下に、経皮的にまたは外科的に導入される多くの器具のうちのいずれであってもよい。」と記載されている。 b-1 上記aにおける本件国際出願時の明細書の記載の「body lumen」について 上記(ア)bのとおりであるから、本件特許明細書の段落【0016】における「図1に例示的な植え込み型人工器官10を示す。人工器官10は、様々な医療用途において体腔に留置されるように構成されている。例えば、人工器官10は、血管狭窄の治療や、血管、尿管、胆管、気管、食道、腎臓管等における流体用の開口および通路の維持に用いられ、場合によっては、人工弁やフィルタ等の器具を体腔に留置するために用いられる。」との翻訳は、「図1に例示的な植え込み型人工器官10を示す。人工器官10は、様々な医療用途において体管腔に留置されるように構成されている。例えば、人工器官10は、血管狭窄の治療や、血管、尿管、胆管、気管、食道、腎臓管等における流体用の開口および通路の維持に用いられ、場合によっては、人工弁やフィルタ等の器具を体管腔に留置するために用いられる。」の誤訳であることは明白であり、「体腔」を「体管腔」に訂正することは、誤訳の訂正を目的とするものである。 b-2 上記aにおける本件国際特許明細書の記載の「lumen」について 上記「lumen」は、体の中にある「lumen」であることは、文理解釈上、明らかであるから、上記「lumen」は、「体管腔」を意味するものであり、段落【0016】における「ステントとして示されているが、人工器官10は、心臓、動脈、静脈、尿道、食道、気管、気管支、胆管等の器官、組織または体腔に留置されるために内視鏡的に、皮下に、経皮的にまたは外科的に導入される多くの器具のうちのいずれであってもよい。」との翻訳は、「ステントとして示されているが、人工器官10は、心臓、動脈、静脈、尿道、食道、気管、気管支、胆管等の器官、組織または体管腔に留置されるために内視鏡的に、皮下に、経皮的にまたは外科的に導入される多くの器具のうちのいずれであってもよい。」の誤訳であることは明白であり、「体腔」を「体管腔」に訂正することは、誤訳の訂正を目的とするものである。 c したがって、訂正事項1における段落【0016】の訂正は、特許法第126条第1項ただし書第2号に掲げる誤訳の訂正を目的とするものに該当する。 (カ)段落【0027】 a 本件国際出願時の明細書等の第8頁第18行~第20行には、「The plurality of connectors 22 may be configured to engage a wall of a body lumen in the expanded state to inhibit migration of the endoprosthesis 10 subsequent to implanting the endoprosthesis in the body lumen.」と記載されているが、本件特許明細書の段落【0027】には、「複数のコネクタ22は、人工器官10を体腔内に植え込んだ後に人工器官10が逸脱することを抑制するために、拡張状態において体腔の壁と係合するように構成されていてもよい。」と記載されている。 b ここで、上記(ア)bのとおりであるから、本件特許明細書の段落【0027】の「複数のコネクタ22は、人工器官10を体腔内に植え込んだ後に人工器官10が逸脱することを抑制するために、拡張状態において体腔の壁と係合するように構成されていてもよい。」との翻訳は、「複数のコネクタ22は、人工器官10を体管腔内に植え込んだ後に人工器官10が逸脱することを抑制するために、拡張状態において体管腔の壁と係合するように構成されていてもよい。」の誤訳であることは明白であり、「体腔」を「体管腔」に訂正することは、誤訳の訂正を目的とするものである。 c したがって、訂正事項1における段落【0027】の訂正は、特許法第126条第1項ただし書第2号に掲げる誤訳の訂正を目的とするものに該当する。 (キ)段落【0045】 a 本件国際出願時の明細書等の第14頁第23行~第28行には、「In one such embodiment, a greater thickness of the cover 30 throughout the first and second end regions of the expandable framework 12 may strengthen the cover 30 in these regions to prevent tearing and/or mucous buildup while implanted in a body lumen. The cover 30 throughout the intermediate region may be thinner to maintain a low axial extension force to prevent migration of the endoprosthesis 10 in the body lumen and enhance patient comfort.」と記載されているが、本件特許明細書の段落【0045】には、「このような実施形態では、拡張型フレーム構造12の第1端部領域および第2端部領域全体における被覆部30の厚さがより大きいため、これらの領域においては被覆部30が補強され、体腔に植え込まれた状態において裂けおよび/または粘液堆積が抑制される。中間領域全体において被覆部30がより薄いことにより、軸方向の拡張力が抑えられ、体腔内における人工器官10の逸脱が防止されるとともに患者の快適性が向上する。」と記載されている。 b ここで、上記(ア)bのとおりであるから、本件特許明細書の段落【0045】の「このような実施形態では、拡張型フレーム構造12の第1端部領域および第2端部領域全体における被覆部30の厚さがより大きいため、これらの領域においては被覆部30が補強され、体腔に植え込まれた状態において裂けおよび/または粘液堆積が抑制される。中間領域全体において被覆部30がより薄いことにより、軸方向の拡張力が抑えられ、体腔内における人工器官10の逸脱が防止されるとともに患者の快適性が向上する。」との翻訳は、「このような実施形態では、拡張型フレーム構造12の第1端部領域および第2端部領域全体における被覆部30の厚さがより大きいため、これらの領域においては被覆部30が補強され、体管腔に植え込まれた状態において裂けおよび/または粘液堆積が抑制される。中間領域全体において被覆部30がより薄いことにより、軸方向の拡張力が抑えられ、体管腔内における人工器官10の逸脱が防止されるとともに患者の快適性が向上する。」の誤訳であることは明白であり、「体腔」を「体管腔」に訂正することは、誤訳の訂正を目的とするものである。 c したがって、訂正事項1における段落【0045】の訂正は、特許法第126条第1項ただし書第2号に掲げる誤訳の訂正を目的とするものに該当する。 (ク)段落【0053】 a 本件国際出願時の明細書等の第16頁第31行~第17頁第5行には、「FIGS. 7 and 8 illustrate aspects of delivering the endoprosthesis 10 into a body lumen. As shown in FIG. 7, the endoprosthesis 10 may be advanced in a compressed state within a tubular sheath 80 to a target location within a body lumen 90, such as a body lumen of the vascular, urinary, biliary, tracheobronchial, esophageal or renal tracts.」と記載されているが、本件特許明細書の段落【0053】には、「図7および8に、体腔に人工器官10を送達する態様を示す。図7に示すように、人工器官10は、血管、尿管、胆管、気管、食道、腎臓管等の体腔90内の標的部位まで、圧縮状態にて管状シース80内を移動する。」と記載されている。 b ここで、上記(ア)bのとおりであるから、本件特許明細書の段落【0053】の「図7および8に、体腔に人工器官10を送達する態様を示す。図7に示すように、人工器官10は、血管、尿管、胆管、気管、食道、腎臓管等の体腔90内の標的部位まで、圧縮状態にて管状シース80内を移動する。」との翻訳は、「図7および8に、体管腔に人工器官10を送達する態様を示す。図7に示すように、人工器官10は、血管、尿管、胆管、気管、食道、腎臓管等の体管腔90内の標的部位まで、圧縮状態にて管状シース80内を移動する。」の誤訳であることは明白であり、「体腔」を「体管腔」に訂正することは、誤訳の訂正を目的とするものである。 c したがって、訂正事項1における段落【0053】の訂正は、特許法第126条第1項ただし書第2号に掲げる誤訳の訂正を目的とするものに該当する。 (ケ)段落【0054】 a 本件国際出願時の明細書等の第17頁第8行~第13行には、「As shown in FIG. 7, once a first strut row 20 exits the distal opening 82 of the delivery sheath 80, the first strut row 20 may automatically expand toward its expanded state and press against the luminal wall 92 of the body lumen 90. The connectors 22 may be of sufficient length such that the first strut row 20 may expand against the luminal wall 92 of the body lumen 90 while the adjacent, second strut row 20 may remain in a compressed state within the delivery sheath 80.」と記載されているが、本件特許明細書の段落【0054】には、「図7に示すように、第1ストラット列20が運搬シース80の先端開口82から出ると、第1ストラット列20が自動的に拡張状態に拡張して体腔90の内腔壁92を押す。コネクタ22は、第1ストラット列20に隣り合う第2ストラット列20が運搬シース80内にて圧縮状態に維持されていても、第1ストラット列20が拡張して体腔90の内腔壁92に当接できる長さを有している。」と記載されている。 b ここで、上記(ア)bのとおりであるから、本件特許明細書の段落【0054】の「図7に示すように、第1ストラット列20が運搬シース80の先端開口82から出ると、第1ストラット列20が自動的に拡張状態に拡張して体腔90の内腔壁92を押す。コネクタ22は、第1ストラット列20に隣り合う第2ストラット列20が運搬シース80内にて圧縮状態に維持されていても、第1ストラット列20が拡張して体腔90の内腔壁92に当接できる長さを有している。」との翻訳は、「図7に示すように、第1ストラット列20が運搬シース80の先端開口82から出ると、第1ストラット列20が自動的に拡張状態に拡張して体管腔90の内腔壁92を押す。コネクタ22は、第1ストラット列20に隣り合う第2ストラット列20が運搬シース80内にて圧縮状態に維持されていても、第1ストラット列20が拡張して体管腔90の内腔壁92に当接できる長さを有している。」の誤訳であることは明白であり、「体腔」を「体管腔」に訂正することは、誤訳の訂正を目的とするものである。 c したがって、訂正事項1における段落【0054】の訂正は、特許法第126条第1項ただし書第2号に掲げる誤訳の訂正を目的とするものに該当する。 (コ)段落【0055】 a 本件国際出願時の明細書等の第17頁第19行~第22行には、「The plurality of connectors 22 extending between the first strut row 20 and the second strut row 20 may have a length sufficient to allow the first strut row 20 to fully expand to the expanded state against the luminal wall 92 of the body lumen 90 without expansion of the second strut row 20.」と記載されているが、本件特許明細書の段落【0055】には、「第1ストラット列20と第2ストラット列20との間を延びる複数のコネクタ22は、第2ストラット列20を拡張させることなく第1ストラット列20が完全に拡張状態まで拡張して体腔90の内腔壁92に当接できる長さを有している。」と記載されている。 b ここで、上記(ア)bのとおりであるから、本件特許明細書の段落【0055】の「第1ストラット列20と第2ストラット列20との間を延びる複数のコネクタ22は、第2ストラット列20を拡張させることなく第1ストラット列20が完全に拡張状態まで拡張して体腔90の内腔壁92に当接できる長さを有している。」との翻訳は、「第1ストラット列20と第2ストラット列20との間を延びる複数のコネクタ22は、第2ストラット列20を拡張させることなく第1ストラット列20が完全に拡張状態まで拡張して体管腔90の内腔壁92に当接できる長さを有している。」の誤訳であることは明白であり、「体腔」を「体管腔」に訂正することは、誤訳の訂正を目的とするものである。 c したがって、訂正事項1における段落【0055】の訂正は、特許法第126条第1項ただし書第2号に掲げる誤訳の訂正を目的とするものに該当する。 (サ)段落【0057】 a 本件国際出願時の明細書等の第18頁第1行~第4行には、「Thus, unlike other expandable endoprostheses in which expansion of the endoprosthesis tends to cause adjacent strut rows to "jump" out of the delivery sheath 80 uncontrollably, the endoprosthesis 10 may allow for precise and controlled placement of the endoprosthesis 10 in the body lumen 90.」と記載されているが、本件特許明細書の段落【0057】には、「したがって、人工器官の拡張時に隣り合うストラット列が運搬シース80から制御不能に「跳ね出る」ことの多い他の拡張型人工器官と異なり、人工器官10は、体腔90において正確であるとともに制御された留置が可能である。」と記載されている。 b ここで、上記(ア)bのとおりであるから、本件特許明細書の段落【0057】の「したがって、人工器官の拡張時に隣り合うストラット列が運搬シース80から制御不能に「跳ね出る」ことの多い他の拡張型人工器官と異なり、人工器官10は、体腔90において正確であるとともに制御された留置が可能である。」との翻訳は、「したがって、人工器官の拡張時に隣り合うストラット列が運搬シース80から制御不能に「跳ね出る」ことの多い他の拡張型人工器官と異なり、人工器官10は、体管腔90において正確であるとともに制御された留置が可能である。」の誤訳であることは明白であり、「体腔」を「体管腔」に訂正することは、誤訳の訂正を目的とするものである。 c したがって、訂正事項1における段落【0057】の訂正は、特許法第126条第1項ただし書第2号に掲げる誤訳の訂正を目的とするものに該当する。 (シ)段落【0058】 a 本件国際出願時の明細書等の第18頁第7行~第11行には、「For example, a snapping effect or pulse generated at the moment the strut row 20 is fully exposed from the delivery sheath 80 and exits the delivery sheath 80 entirely may translate down the delivery sheath 80 to the operator and may allow the operator to feel when each strut row 20 has expanded in the body lumen 90.」と記載されているが、本件特許明細書の段落【0058】には、「例えば、ストラット列20が運搬シース80から完全に露出して運搬シース80から完全に出る瞬間の素早い作用もしくは瞬動は、運搬シース80を介してオペレータに伝わるため、オペレータは、各ストラット列20が体腔90内で拡張したことを感じることができる。」と記載されている。 b ここで、上記(ア)bのとおりであるから、本件特許明細書の段落【0058】の「例えば、ストラット列20が運搬シース80から完全に露出して運搬シース80から完全に出る瞬間の素早い作用もしくは瞬動は、運搬シース80を介してオペレータに伝わるため、オペレータは、各ストラット列20が体腔90内で拡張したことを感じることができる。」との翻訳は、「例えば、ストラット列20が運搬シース80から完全に露出して運搬シース80から完全に出る瞬間の素早い作用もしくは瞬動は、運搬シース80を介してオペレータに伝わるため、オペレータは、各ストラット列20が体管腔90内で拡張したことを感じることができる。」の誤訳であることは明白であり、「体腔」を「体管腔」に訂正することは、誤訳の訂正を目的とするものである。 c したがって、訂正事項1における段落[0058]の訂正は、特許法第126条第1項ただし書第2号に掲げる誤訳の訂正を目的とするものに該当する。 (ス)小括 上記(ア)~(シ)のとおりであるから、訂正事項1は、特許法第126条第1項ただし書第2号に掲げる誤訳の訂正を目的とするものである。 イ 訂正事項2 a 本件国際出願時の明細書等における請求の範囲の請求項1には、「wherein the connectors are configured to engage a wall of a body lumen in the expanded state to inhibit migration of the endoprosthesis subsequent implanting the endoprosthesis in the body lumen」と記載されているが、本件特許請求の範囲の請求項1には、「前記人工器官が体腔に植え込まれた後に該人工器官が逸脱することを抑制するために、前記拡張状態において前記コネクタが体腔の壁と係合するように構成されており」と記載されている。 b ここで、上記ア(ア)bのとおりであるから、本件特許請求の範囲の請求項1の「前記人工器官が体腔に植え込まれた後に該人工器官が逸脱することを抑制するために、前記拡張状態において前記コネクタが体腔の壁と係合するように構成されており」との翻訳は、「前記人工器官が体管腔に植え込まれた後に該人工器官が逸脱することを抑制するために、前記拡張状態において前記コネクタが体管腔の壁と係合するように構成されており」の誤訳であることは明白であり、「体腔」を「体管腔」に訂正することは、誤訳の訂正を目的とするものである。 c したがって、訂正事項2は、特許法第126条第1項ただし書き第2号に掲げる誤訳の訂正を目的とするものである。 (2)新規事項 本件訂正は、上記(1)のとおり、誤訳の訂正を目的とするものであって、願書に最初に添付した明細書、特許請求の範囲及び図面のすべての記載を総合することにより導かれる技術的事項との関係において、新たな技術的事項を導入するものではないから、特許法第126条第5項の規定に適合する。 (3)特許請求の範囲の拡張、変更 本件訂正は、上記(1)のとおり、誤訳の訂正を目的とするものであって、本件訂正の前後で特許請求の範囲を拡張又は変更するものではないから、特許法第126条第6項の規定に適合する。 (4)独立特許要件 本件訂正は、特許法第126条第1項ただし書第2号に掲げる事項を目的とするものを含むので、本件訂正後の請求項1~8に係る発明が特許出願の際独立して特許を受けることができるか検討するに、本件訂正後の請求項1~8に係る発明が特許出願の際独立して特許を受けることができないとする新たな理由は発見しない。 したがって、本件訂正は、特許法第126条第7項の規定に適合する。 第4 むすび 以上のとおりであるから、本件訂正審判の請求は、特許法第126条第3項の規定に適合するものである。そして、本件訂正は、特許法第126条第1項ただし書第2号に掲げる事項を目的とし、同条第5項~第7項の規定に適合するものである。 よって、結論のとおり審決する。

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2019-390014

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