特許拒絶査定不服審判
2019-017416
電気機械的構造体を製造するための方法およびその方法を実施するための装置
- 審判番号
- 2019-017416
- 法域
- 特許
- 審判種別
- 拒絶査定不服審判(拒絶査定不服の審決)
- 出願番号
- 特願2016-544776
- 請求日
- 2019年12月24日
- 審決日
- 2020年10月26日
- 公報発行日
- 2021年05月28日
- 結論
- 請求不成立
- 当事者
- 【請求人】タクトテク オーユー
- 【請求人代理人】小林 浩
- 【請求人代理人】大森 規雄
- 【請求人代理人】藤田 尚
- 【請求人代理人】阿久津 勝久
- 【請求人代理人】鈴木 康仁
- 審判長/審判官
- 審判長 大島 祥吾
- 審判官 神田 和輝
- 審判官 植前 充司
- 分類
- P18 .113-Z (B29C) / P18 .121-Z (B29C) / P18 .561-Z (B29C) / P18 .575-Z (B29C)
- 根拠条文(結論部分から自動抽出・参考)
- 特許法29条1項3号特許法29条2項
- 条文(本文から自動抽出・参考)
- 特許法第29条第1項第3号、特許法第29条第2項、特許法第17条の2第6項、特許法第17条の2第5項第2号
- データ出所
- 審決公報(SGML)
事件の表示
特願2016-544776「電気機械的構造体を製造するための方法およびその方法を実施するための装置」拒絶査定不服審判事件〔平成27年 4月 2日国際公開、WO2015/044523、平成28年12月15日国内公表、特表2016-539034〕について、次のとおり審決する。
結論
【結 論】
本件審判の請求は、成り立たない。
理由
【理 由】
第1 手続の経緯
本願は、2014年(平成26年) 9月25日(パリ条約による優先権主張外国庁受理2013年(平成25年) 9月27日 アメリカ合衆国)を国際出願日とする出願であって、その後の手続の概要は、以下のとおりである。
平成29年12月19日 :手続補正書及び上申書の提出
平成30年10月 2日付け:拒絶理由通知
平成31年 3月 8日 :意見書及び手続補正書の提出
令和 1年 8月23日付け:拒絶査定
令和 1年12月24日 :審判請求書及び手続補正書の提出
令和 2年 6月18日 :上申書の提出
第2 令和 1年12月24日にされた手続補正についての補正の却下の決定
[補正の却下の決定の結論]
令和 1年12月24日にされた手続補正(以下、「本件補正」という。)を却下する。
[理由]
1 本件補正について(補正の内容)
(1) 本件補正後の特許請求の範囲の請求項1の記載
本件補正における特許請求の範囲の補正は、請求項1についての次の補正事項を含む。(下線部は、補正箇所である。)
「電気機械的構造体を製造するための方法であって、
平坦なフィルム上に、複数の導体および/または複数のグラフィック体を作る工程と、
前記平坦なフィルムの所望の3次元形状に関連する、前記平坦なフィルム上の、SMT部品から構成される、複数の電子素子を取り付ける工程であって、前記複数の電子素子が取り付けられる、前記3次元形状における選択された位置は、前記3次元形状における他の位置の曲率よりも小さい曲率を有し、前記複数の電子素子は、前記3次元形状における、最大の曲率を有する位置に取り付けられていない、複数の電子素子を取り付ける工程と、
前記複数の電子素子を収容する前記平坦なフィルムを3次元フィルムに形成する工程であって、前記形成することは、前記平坦なフィルムを伸ばすことを少なくとも含む、前記平坦なフィルムを3次元フィルムに形成する工程と、
射出成形プロセス中に金型の中に前記3次元フィルムを挿入することにより、前記3次元フィルム上に材料を成形する工程であって、前記3次元フィルムの表面に前記材料の好ましい層が取り付けられて、電気機械的構造体を作り出す、3次元フィルムの上に材料を成形する工程とを備える、方法。」
(2) 本件補正前の特許請求の範囲の請求項1の記載
本件補正前の、平成31年 3月 8日にされた手続補正により補正された特許請求の範囲のうち、請求項1の記載は次のとおりである。
「電気機械的構造体を製造するための方法であって、
平坦なフィルム上に、複数の導体および/または複数のグラフィック体を作る工程と、
前記平坦なフィルムの所望の3次元形状に関連する、前記平坦なフィルム上の、SMT部品から構成される、複数の電子素子を取り付ける工程であって、前記複数の電子素子が取り付けられる、前記3次元形状における選択された位置は、前記3次元形状における他の位置の曲率よりも小さい曲率を有し、前記複数の電子素子は、前記3次元形状における、最大の曲率を有する位置に取り付けられていない、複数の電子素子を取り付ける工程と、
前記複数の電子素子を収容する前記平坦なフィルムを3次元フィルムに形成する工程と、
射出成形プロセス中に金型の中に前記3次元フィルムを挿入することにより、前記3次元フィルム上に材料を成形する工程であって、前記3次元フィルムの表面に前記材料の好ましい層が取り付けられて、電気機械的構造体を作り出す、3次元フィルムの上に材料を成形する工程とを備える、方法。」
2 補正の適否
本件補正のうち、請求項1についての補正は、本件補正前の請求項1に記載された発明を特定するために必要な事項である「平坦なフィルムを3次元フィルムに形成する工程」について、「前記形成することは、前記平坦なフィルムを伸ばすことを少なくとも含む」との限定を付加するものであって、本件補正前の請求項1に記載された発明と本件補正後の請求項1に記載される発明の産業上の利用分野及び解決しようとする課題が同一であるから、特許法第17条の2第5項第2号の特許請求の範囲の減縮を目的とするものに該当する。
そこで、本件補正後の請求項1に記載される発明(以下、「本件補正発明」という。)が特許法第17条の2第6項において準用する同法第126条第7項の規定に適合するか(特許出願の際に独立して特許を受けることができるものであるか)について、以下、検討する。
(1) 本件補正発明
本件補正発明は、上記1(1)に記載したとおりのものである。
(2) 引用文献の記載事項等
ア 引用文献1の記載事項
原査定の拒絶の理由で引用された本願優先権主張日前に頒布された又は電気通信回線を通じて公衆に利用可能となった文献である国際公開第2013/058708号(以下、「引用文献1」という。)には、図面とともに次の記載がある。なお、仮訳もあわせて示す。
「CLAIMS:
1. A method comprising:
patterning one or more electrical layers on a substrate;
shaping the patterned substrate into a 3-dimensional contour, wherein the contour including a significant change in gradient in or adjacent to one or more sensing areas of the electrical layer, and
over-moulding the shaped substrate,
wherein degradation of a trace in the electrical layer at or adjacent to the one or more sensing areas during shaping and/or over-moulding is substantially minimised based on:
the width of the trace,
the thickness or number of layers of the trace,
the bending radius of the trace,
the material of the trace, and/ or
a primer over layer on the trace.」
(【特許請求の範囲】
【請求項1】
1つまたは複数の電気的な層を基板上にパターン形成するステップ、
前記パターン化された基板を三次元の起伏に成形するステップであって、前記起伏が、前記電気的な層の1つまたは複数の感知領域内で、あるいはそれに隣接して有意な勾配の変化を含むステップ、および
前記成形された基板をオーバーモールディングするステップを含む方法であって、
前記成形および/またはオーバーモールディングステップにおいて前記1つまたは複数の感知領域における、あるいはそれに隣接した前記電気的な層内のトレースの劣化が、
前記トレースの幅、
前記トレースの層の厚さまたは幅、
前記トレースの曲げ半径、
前記トレースの材料および/または
前記トレース上の層の上にあるプライマーオーバー層
に基づいて実質的に最小限になる方法。)
「[0014] In an embodiment, a true 3-D moulded article including contours spanning sensing is shown in FIG. 2A and 2B. A touch panel assembly 200 includes a moulded panel 201 having a functional layer 202, such as an electrical layer made from conductive paste. The functional layer 202 can be a paste configured so as to allow additional flexibility and workability while maintaining characteristics such as conductivity. FIM processes are commonly used for printing decorative designs; the decorative printed surface can be used to apply the functional layer 202, such as by a silkscreen printing process or inkjet printing.
[0015] After the printing process for the functional layer 202 is completed, the functional layer 202 can be formed and worked, such as moulded into the moulded panel 201 to form the touch panel assembly 200. Initial forming or shaping can refer to processes that are used to shape the film permanently include processes such as high pressure forming, thermoforming and the like. The formed articles can then be subject to additional moulding such as injection moulding processes that can be used to over-mould the formed films into a more conventional plastic package. Connector areas may be left exposed or un-encapsulated.
[0016] FIG. 2B shows a cut-away section of the touch panel assembly 200 of FIG. 2A. In an embodiment, the functional ink layer 202 can be printed with a plurality of electrodes 203, and a plurality of traces 204 connecting the electrodes 203 to form an electrical circuit. The functional ink layer 202 can be a touch sensor layer and/or lighting layer. The functional ink on the functional ink layer 202 has an ink material characteristic which can be set by controlling an admixture of the ink and one or more additional constituents according to a specific ratio or ratios, so as to enable the functional ink layer to be shaped while maintaining an acceptable level of conductivity after the forming. If the functional ink layer is a touch sensor layer, this acceptable level of conductivity is a range in which the touch sensor retains its touch sensitive capability. If the functional ink layer is a lighting layer, this acceptable level of conductivity is a range in which the lighting layer can emit light.
[0017] FIG. 2C shows a sectional view A-A from FIG. 2B, where the touch panel assembly 200 can include a film 205, a decorative layer 206 printed on the film 205, a functional ink layer 202 which can be a touch sensor layer 207 and/or a lighting layer 208. The touch sensor layer 207 can be configured and applied as an electrical circuit that includes, for example, capacitive switches capable of detecting a change in capacitance when an object such as a finger comes into contact or proximity thereto. Such a switch can perform functions of a mechanical switch such as a rotary switch, a slider switch, a push button switch, or the like, with greatly reduced friction and the elimination of moving parts, which can become an expensive liability. Such touch sensor switches can be widely used in home appliances, such as in touch panels for dishwashers, washing machines, coffee makers, and the like, photocopiers, space heaters, audio systems, and the like, portable devices such as iPods, mobile phones, and the like, and automotive electronics systems such as audio systems, handles and controls located, for example within the central stack. In particular, the functional ink layer 202 (i.e. the touch sensor layer 207 and/or the lighting layer 208) can be advantageously configured to be formed into a three-dimensional shape, including contours that span sensing zones, without cracking or otherwise losing its electrical integrity for the purposes of touch sensor, emitting light or the like.
[0018] To better illustrate the configuration of moulding process prior completion of touch panel assembly, FIG. 2D2 shows an exploded view of a touch panel assembly 200 having a 3-dimensional shape; arranged or structured in reverse FIM configuration.
[0019] The touch panel assembly 200 has a film substrate 205. The decorative ink layer 210 and a functional ink layer 202 are printed on the film substrate 205. A thermoplastic moulding 209 is moulded on the A-surface of the film substrate 205.
[0020] FIG. 2D1 illustrates an exploded view of a touch panel assembly 200 having a 3-dimensional shape; in regular FIM configuration. The touch panel assembly 200 has a film substrate 205. The decorative ink layer 210 and a functional ink layer 202 are printed on the film substrate 205. A thermoplastic moulding 209 is moulded on the B-surface of the film substrate 205.
[0021] Decorative graphics 210 and a decorative layer 206 can be printed on the film 205, or the functional ink layer 202 can be printed directly on the decorative layer 206. In some instances, the electrodes 203 are printed with transparent conductive ink, such that they are transparent and conductive. The traces 204 are translucent or opaque.」
([0014]
一実施形態において、感知区域に広がる起伏を含む真の3次元の成形品が図2Aおよび図2Bに示されている。タッチパネル組立体200は、例えば導電性ペーストから作製された電気的な層などの機能層202を有する成形パネル201を含む。機能層202は、さらなる柔軟性を加え、作業をし易くすることができる一方で、導電性などの特徴を維持するように構成された特定のペーストであってよい。FIM工程を使用して装飾的な設計をプリントするのが一般的であり、装飾的なプリント面を利用して、シルクスクリーンプリント工程やインクジェットプリント作用などによって機能層202を適用することができる。
[0015]
機能層202のプリント工程が完了した後、機能層202を形成し、作用させることができ、例えば成形パネル201に成形し、タッチパネル組立体200を形成することができる。初期の形成または成形作業は、フィルムを永続的に成形するのに使用される工程を指しており、例えば高圧成形、熱成形などの工程を含むことができる。形成された物品はその後、例えば射出成形工程などの追加の成形作業を受ける場合もあり、この工程は、形成されたフィルムをより従来式のプラスチックパッケージにオーバーモールドするのに使用することができる。コネクタ領域は、露出したまま、または封入されないまま残されてよい。
[0016]
図2Bは、図2Aのタッチパネル組立体200の切欠き図を示している。一実施形態において、複数の電極203、および電極203をつなぐ複数のトレース204を有するように機能的インク層202をプリントすることで、電子回路を形成することができる。機能的インク層202は、タッチセンサ層および/または照明層であってよい。機能的インク層202にある機能的なインクは、特定のインク材料の特徴を有しており、これはインクの混合材と1つまたは複数の補助成分を、特定の1つまたは複数の比率に従って調節することによって設定することができ、これにより機能的インク層が成形される一方で、形成後の許容可能な導電レベルを維持することができる。機能的インク層が、タッチセンサ層である場合、この許容可能な導電レベルは、タッチセンサがそのタッチセンシティブ力を保持する特定の範囲である。機能的インク層が照明層である場合、この許容可能な導電レベルは、照明層が光を放出することができる特定の範囲である。
[0017]
図2Cは、図2BのA-Aの断面図であり、ここではタッチパネル組立体200は、フィルム205、フィルム205上にプリントされた装飾層206、タッチセンサ層207および/または照明層208であり得る機能的インク層202を含むことができる。例えば指などの物体が、タッチセンサ層207に接触したり、近づいたりしたときの静電容量の変化を検知することができる静電容量式スイッチを含む電子回路としてとして、タッチセンサ層207を構成し適用させることができる。このようなスイッチは、回転式スイッチ、スライダスイッチ、押しボタンスイッチなど機械的なスイッチの機能を果たし、摩擦が大幅に削減され、可動部品をなくすことができるが、これにはコストがかかることになる可能性がある。このようなタッチセンサスイッチは、例えば食器洗浄機、洗濯機、コーヒーメーカーなど、写真複写機、ストーブ、オーディオシステムなど、iPod、携帯電話などの携帯機器、オーディオシステム、中央スタックに配置されたハンドルおよび制御装置などの自動車の電子系でのタッチパネルなどで、家庭用電化製品で広く利用することができる。具体的には機能的インク層202(すなわちタッチセンサ層207および/または照明層208)は有利には、三次元形状に形成されるように構成することができ、これには、ひび割れが生じることなく感知区域に広がる起伏を含み、あるいはそうでなければタッチセンサの目的としてその電気的な完全性を失うことなく、光を放出する。
[0018]
タッチパネル組立体が完成する前の成形工程の構成をより適切に例示するために、図2D2は、逆向きのFIM構成で構成または構築された三次元形状を有するタッチパネル組立体200の分解組立図を示している。
[0019]
タッチパネル組立体200は、フィルム基板205を有する。装飾的インク層210と機能的インク層202が、フィルム基板205上にプリントされる。熱可塑性成形品209が、フィルム基板205のA面上に成形される。
[0020]
図2D1は、三次元形状を有するタッチパネル組立体200の、通常のFIM構成での分解組立図を示している。タッチパネル組立体200は、フィルム基板205を有する。装飾的インク層210と機能的インク層202が、フィルム基板205上にプリントされる。熱可塑性成形品209が、フィルム基板205のB面上に成形される。
[0021]
装飾的な図形210と装飾層206をフィルム205にプリントすることができる、または機能的インク層202を、装飾層206に直接プリントすることもできる。一部の例では、透明な導電性インクによって電極203がプリントされるため、それらは透明で導電性である。トレース204は半透明または不透明である。)
「[0084] FIG. 31 illustrates the FIM process to produce electronic apparatus such as a touch sensor, lighting or both. It also illustrates different configurations for forming and moulding.
[0085] At 3110 the film substrate is cut to size from a roll form. The film substrate can be of polycarbonate or PET. Film thickness varies from 0.175 to 0.5 mm. The surface finish of film substrate includes glossy-glossy, glossy-matt, matt-matt and other special texture such as bushed line.
[0086] At 3120 the decorative (graphic) inks layer are printed on B-surface of film substrate. The decorative inks are specially formulated for high pressure thermal forming and meanwhile able to withstand thermoplastic injection moulding without being washed-off.
[0087] At 3131 to 3133 the electrical or functional layers may include touch sensor 3131, lighting 3132 or combination of touch sensor & lighting 3133. At 3131 the touch sensor functional layer is printed using electrically conductive ink/paste, including translucent and opaque. The touch sensor functional layer consists of traces and electrodes. The trace width may be > 0.2mm or > 0.3mm at bending or stretching areas depending on product design and other trace parameters, which may minimise the chance of cracking. The trace and/or electrode can be silver paste e.g.: EA-510, manufactured by Advance Electronic Material Inc. In order to thicken (not widen) the trace, the same trace can be printed two layers and above. The curing process needs to complete prior the subsequent printing of new layer. The thickness of each layer varies from 8 to 14 μm.
[0088] At 3132 the lighting layer is printed; for example if EL is to be used as a light source, the printing includes a translucent conductive 401, phosphor 402, dielectric 403 and conductive electrode 404.
[0089] At 3133 the touch sensor and lighting require a grounding layer in between to block the interference generated by lighting layer; otherwise the touch sensor will not be able to function. The grounding layer consists of a transparent primer and conductive trace (translucent or opaque). The transparent primer may protect against cracking as well as preventing conductive trace wear and oxidation. The primer may be the same family or same manufacturer of the decorative ink. The primer insulates, allows transmission of light, adheres two incompatible layers, protects the conductive trace from wear & corrosion and adheres the printing layer and moulding layer.
[0090] At 3140 after printing and curing the functional layer, one to two layers of primer are printed on top. The primer may provide a protection to the functional layer and enable strong adhesion between the functional layer and thermoplastic moulding interface.
[0091] At 3151 regular shaping or forming results in a printed film substrate with B-surface or printed surface in contact with the forming tool and the other side of the film substrate exposed to high pressure air. The film substrate will be formed to create the desired shape or contour. In order to minimize the trace circuitry print mark reveal in A-surface, glossy-matt film substrate with thickness 0.25mm and above can be used.
[0092] At 3152 reversed shaping or forming is the opposite to regular forming, so the printed film substrate is formed with A-surface or non-printed surface in contact with the forming tool and the other side of the film substrate exposed to high pressure air. The film substrate will be formed to create desired shape or contour. For this forming method, the thickness of film substrate is 0.25mm and above.
[0093] For single layer conductive trace with a trace width 0.3 mm; the bending radius of any contoured sensing regions may be twice the thickness of the film substrate. For double layer conductive trace with a trace width of 0.3 mm; the bending radius can be slightly reduced. For tighter geometry thicker traces or more trace layers may be required.
[0094] At 3160 the formed film substrate is singulated or trimmed to desired size to be mounted in the injection mould cavity. At 3170 the singulated formed film is inserted into injection mould for the thermoplastic moulding process.
[0095] At 3181 regular FIM or overmoulding can minimize unpleasant printing marks on A-surface, by using reverse forming film substrate 3152. Thermoplastic material is injected into the mould to fill the B-surface of the film substrate. Typically, the thermoplastic material for this stage is transparent/translucent thermal plastic material; the thickness is more than 1mm. To avoid decorative ink "wash-off', the gating locating of the injection mould should be appropriately chosen and/or the decorative ink should be adequately cured.
[0096] At 3182 reverse FIM or overmoulding injects thermoplastic material into the mould to fill the A-surface of the film. Typically, the thermoplastic material for this stage is transparent/translucent thermal plastic material; the thickness is less than 3mm.
[0097] At 3191 a second thermoplastic moulding is injected over the first moulding layer. Typically the 2nd moulding is opaque. The selective area not moulded with opaque plastic allows light to pass through as backlighting for touch activation points or lighting feedback from an LED.
[0098] At 3192 thermoplastic is injected on B-surface, similar to 3191. The 2nd moulding is opaque but moulding is on the opposite side of the transparent moulding. The selective area not moulded with opaque plastic allows light to pass through as backlighting for touch activation points or lighting feedback from an LED.
[0099] At 3193 the FIM part is completed. Depending on different requirement and application; 3191, 3181, 3192 or 3182 can be the final stage of electronic apparatus. At 3194 the connecter is attached to the electronic apparatus and connected to the PCB.」
([0084]
図31は、例えばタッチセンサ、照明またはその両方などの電子機器を形成するためのFIM工程を例示している。これはまた、形成および成形するための種々の構成を例示している。
[0085]
3110において、フィルム基板は、特定のロール形態から所定のサイズになるように切断される。フィルム基板は、ポリカーボネートまたはPETであってよい。フィルムの厚さは、0.175から0.5mmまで変動する。フィルム基板の表面仕上げには、光沢と光沢、光沢と艶消し、艶消しと艶消し、およびブッシュラインなどの他の特定の質感が含まれる。
[0086]
3120において、装飾的な(図形の)インク層が、フィルム基板のB面にプリントされる。装飾的なインクは、高圧熱成形用に特別に考案されており、一方で熱可塑性の射出成形にも洗い落とされず、これに耐えることができる。
[0087]
3131から3133において、電気的または機能的な層は、タッチセンサ3131、照明3132またはタッチセンサと照明を組み合わせたもの3133を含むことができる。3131においてタッチセンサの機能的な層は、半透明または不透明なものを含めた導電性のインク/ペーストを利用してプリントされる。タッチセンサの機能的な層は、トレースと、電極で構成される。トレースの幅は、>0.2mmまたは>0.3mmである、あるいは製造設計または他のトレースパラメータによって領域を曲げる又は延ばす場合もあり、これによりひび割れが生じる可能性を最小限にすることができる。トレースおよび/または電極は銀ペースト、例えばAdvance Electronic Material社によって製造されるEA-510であってよい。トレースを厚くする(幅広にするのではなく)ために、同一のトレースを2つの層およびその上にプリントすることができる。硬化工程は、その後に新たな層をプリントする前に完了する必要がある。各々の層の厚さは、8から14μmまで変動する。
[0088]
3132において、照明層がプリントされ、例えば光源としてELが使用される場合、プリント作業は、半透明の導電性インク層401、蛍光インク層402、誘電層403および導電電極404を含む。
[0089]
3133において、タッチセンサおよび照明は、照明層によって生成される干渉をブロックするためにその間に接地層を必要とし、そうでなければ、タッチセンサは、機能することができない。接地層は、透明のプライマーと、導電トレース(半透明または不透明の)で構成される。透明プライマーは、ひび割れから保護するだけでなく、導電トレースの摩耗や酸化を防ぐことができる。プライマーは、同一族の装飾的なインクであってよい、あるいは同一製造者の装飾的なインクであってよい。プライマーは、絶縁し、光を伝達することが可能であり、2つの不適合な層をくっつけ、導電トレースを摩耗や腐食から保護し、プリント層と成形層をくっつける。
[0090]
3140において、機能的な層のプリントおよび硬化作業の後に、1つから2つのプライマーの層が頂部にプリントされる。このプライマーによって機能的な層に対する防護物を提供することができ、機能的な層と熱可塑性の成形境界面を強力に密着させることができる。
[0091]
3151において、通常の成形作業または形成作業の結果、B面またはプリント面が形成用工具に接触する、あるいはフィルム基板の他の面が高圧の空気に曝されることになる。フィルム基板は、所望の形状または起伏を生み出すように形成される。A面に見られるトレース回路プリントマークを最小限にするために、厚さ0.25mm以上の光沢と艶消しのフィルム基板を使用することができる。
[0092]
3152において、逆向きの成形または形成作業は、通常の成形作業と反対方向であり、そのためプリントフィルム基板は、A面またはプリントされない面が形成用工具に接触し、フィルム基板の他の面が、高圧空気に曝される。フィルム基板は、所望の形状または外形を生み出すように形成される。このような成形方法の場合、フィルム基板の厚さは、0.25mm以上である。
[0093]
トレース幅が0.3mmの1つの層の導電トレースの場合、任意の起伏が付けられた感知領域の曲げ半径は、フィルム基板の厚さの2倍であってよい。トレース幅が0.3mmの二重の層の導電トレースの場合、曲げ半径はわずかに縮小される可能性がある。より余裕のない幾何学形状の場合、より厚いトレースまたはより多くのトレース層が恐らく必要となる。
[0094]
3160において、形成されたフィルム基板は、射出成形キャビティの中に設置されるのに望ましいサイズになるまで個片化される、または不要な部分が切り捨てられる。3170において、個片化されて形成されたフィルムが、熱可塑性成形工程のために射出キャビティに挿入される。
[0095]
3181において、逆向きのフィルム基板3152の形成作業を利用して、通常のFIMまたはオーバーモールディングは、A面上の望ましくないプリントマークを最小限にすることができる。熱可塑性物質が、金型に射出され、フィルム基板のB面を充填する。典型的にはこの段階の熱可塑性物質は、透明/半透明の熱可塑性プラスチック物質であり、その厚さは、1mmを超える。装飾的なインクを「洗い流す」のを回避するために、射出金型のゲート位置を適切に選択すべきである、および/または装飾的なインクを適切に硬化すべきである。
[0096]
3182において、逆向きのFIMまたはオーバーモールディングが、熱可塑性物質を金型に射出し、フィルムのA面を充填する。典型的にはこの段階の熱可塑性物質は、透明/半透明の熱可塑性プラスチック物質であり、その厚さは、3mmを下回る。
[0097]
3191において、第2の熱可塑性成形物が、第1の成形層の上に射出される。典型的には第2の成形物は不透明である。不透明のプラスチックによって成形されない選択領域によって、タッチ始動地点またはLEDからの照明フィードバックのためのバックライト作用として光が通過することができる。
[0098]
3192において、3191と同様に熱可塑性物質が、B面に射出される。第2の成形物は、不透明であるが、成形物は、透明な成形物の反対側にある。不透明のプラスチックによって成形されない選択領域によって、タッチ始動地点またはLEDからの照明フィードバックのためのバックライト作用として光が通過することが可能になる。
[0099]
3193において、FIM部品が完成する。種々の要件および用途によって、3191、3181、3192または3182は、電子機器の最終段階になる可能性がある。3194において、コネクタが電子機器に装着され、PCBに接続される。)
「
」
「
」
「
」
「
」
「
」
(
)
イ 引用文献1に記載された発明
引用文献1の段落[0014]~段落[0021]及び図2A~図2D2には、「タッチパネル組立体200」が記載されており、タッチパネル200は、「導電性ペーストから作製された電気的な層などの機能層202を有する成形パネル201を含む」ものであり、「複数の電極203、および電極203をつなぐ複数のトレース204を有するように機能的インク層202(合議体注:「機能層202」のこと)をプリントすることで、電子回路を形成する」こと、「タッチセンサ層207および/または照明層208であり得る機能的インク層202を含むことができる」ことが記載されている。
そして、その具体的な製造工程例が、段落[0084]~段落[0099]及び図31に記載されており、図31の3131の工程ではタッチセンサ機能層(3132の工程ではEL機能層、3133の工程では、タッチセンサ機能層とEL機能層)をフィルム基板上に設けること、3151または3152の工程において、フィルム基板の他の面が高圧の空気に曝されることでフィルム基板は、所望の形状または起伏を生み出すように形成されることが記載されている。
ここで、3151または3152の工程で、フィルム基板が所望の形状又は起伏を生み出すように形成するのであるから、当初のフィルム基板が平坦であることは明らかである。
さらに、3160の工程において、形成されたフィルム基板は、不要な部分を切り捨て所望のサイズにし、3170の工程において、不要な部分を切り捨て所望のサイズに形成されたフィルム基板が、熱可塑性成形工程のために射出キャビティに挿入され、3181~3192の工程において、FIMまたはオーバーモールディングされることが記載されている。
してみると、引用文献1には、
「タッチパネルを製造する方法であって、
平坦なフィルム基板上に、複数のトレース、複数の電極、タッチセンサ機能層やEL機能層を設ける工程と、
複数のトレース、複数の電極、タッチセンサ機能層やEL機能層を設けた平坦なフィルム基板が、高圧の空気に曝されることで、所望の形状または起伏を生み出すように形成する工程と、
前記形成する工程に続いて、形成されたフィルム基板を射出成形キャビティの中に設置し、FIMまたはオーバーモールディングされる工程とを備える、方法。」(以下、「引用発明」という。)が記載されていると認める。
ウ 引用文献2の記載事項
原査定の拒絶の理由で引用された本願優先権主張日前に頒布された又は電気通信回線を通じて公衆に利用可能となった文献である特開昭63-284888号公報(以下、「引用文献2」という。)には、図面とともに次の記載がある。
「〔実施例〕
以下、本発明の一実施例を図面を参照して詳細に説明する。
まず第1図のようなプリント配線フィルム11を作成する。このプリント配線フィルム11は、可撓性を有する絶縁フィルム12の片面または両面に所要パターンの回路導体13を形成したものである。絶縁フィルム12としては例えばポリイミドフィルムやポリエチレンテレフタレートフィルムのような耐熱性フィルムが使用される。これは後工程の射出成形時の熱に耐え得るようにするためである。回路導体13は、絶縁フィルム12に銅箔を張り付け、その上にレジストパターンを印刷した後、エッチングして形成してもよいし、絶縁フィルム12に導電ペーストを印刷することにより形成してもよい。なお点線部分は折り曲げ部であり、この部分を折り曲げるとプリント配線フィルム11を箱形にできる。つまりこの例ではプリント配線フィルム11は箱を展開した形に形成されている。
次に第2図に示すようにプリント配線フィルム11の所定位置に電子部品14を実装し、回路本体15を作成する。電子部品14の実装は表面実装法により行われる。すなわちプリント配線フィルム11のランド部にクリーム半田を印刷し、その上に各種の電子部品14を載置した後、リフロー炉を通して半田付けを行う。この一連の作業は、プリント配線フィルム11を折り曲げる前の平坦な状態で行われるので、従来の実装技術をそのまま適用できる。なお回路導体13のパターンは、点線で示した折り曲げ部に部品14が実装されないように配慮されている。
以上のようにして作られた回路本体15を、点線の部分で部品実装面が外側になるように折り曲げ、第3図に示すように可動側金型16に装着する。可動側金型16には回路本体15を箱形にして装着できるキャビティコア17が形成されており、回路本体15はこのキャビティコア17に接着剤などにより仮止めされる。また固定側金型18にはキャビティ19と樹脂注入口20が形成されている。
次に金型16・18を閉じて型締めを行った後、第4図に示すようにキャビティ内に溶融熱可塑性樹脂21を注入し、射出成形を行う。冷却後、金型16・18を開放すると、第5図に示すように回路本体15と樹脂成形体22とが一体となった立体形状(この例では箱形)の回路成形体23を得ることができる。射出成形用の樹脂としては、半田耐熱性を考慮する必要がないので種々のものを使用できるが、部品実装面に射出成形を行うことから溶融粘度の低いものが好ましく、例えばアクリロニトリル・ブタジエン・スチレン樹脂、ポリメチルメタアクリレート、ポリフェニレンサルファイド、ポリエチレンテレフタレート、液晶ポリマーなどが使用可能である。また射出成形用の樹脂とプリント配線フィルムとの接着性が十分でない場合は、プリント配線フィルムの部品実装部以外の箇所に予め成形樹脂との接着剤を塗布しておくとよい。
なお上記実施例では、樹脂成形体を熱可塑性樹脂の射出成形により形成したが、本発明はこれに限定されるものではなく、樹脂成形体を熱硬化性樹脂(エポキシ、不飽和ポリエステル、ジアリルテレフタレートなど)のトランスファ成形、注型等により形成することもできる。」
「
」
「
」
「
」
「
」
(3) 対比・判断
ア 対比
本件補正発明と引用発明とを対比する。
引用発明の「タッチパネル」は、本件補正発明の「電気機械的構造体」に相当する。
また、引用発明の「複数のトレース」は、本件補正発明の「複数の導体および/または複数のグラフィック体」に相当し、引用発明の「複数の電極、タッチセンサ機能層やEL機能層」は、本件補正発明の「複数の電気素子」に相当する。
次に、引用発明の「フィルム基板」は、「高圧の空気に曝されることで、所望の形状または起伏を生み出すように形成する工程」を経るものであるから、当該工程により形成されたフィルム基板は、所望の形状に立体化している、つまり、本件補正発明の「3次元フィルム」に相当するといえる。
さらに、引用発明は、形成された「フィルム基板」を「射出成形キャビティの中(「金型の中」に相当)に設置し、FIMまたはオーバーモールディングする工程」を有するものであるから、本件補正発明の「射出成形プロセス中に金型の中に前記3次元フィルムを挿入することにより、前記3次元フィルム上に材料を成形する工程であって、前記3次元フィルムの表面に前記材料の好ましい層が取り付けられて、電気機械的構造体を作り出す、3次元フィルムの上に材料を成形する工程」を有するものであるといえる。
してみると、本件補正発明と引用発明は、
「電気機械的構造体を製造するための方法であって、
平坦なフィルム上に、複数の導体および/または複数のグラフィック体を作る工程と、
前記平坦なフィルムの所望の3次元形状に関連する、前記平坦なフィルム上に複数の電子素子を取り付ける工程と、
前記複数の電子素子を収容する前記平坦なフィルムを3次元フィルムに形成する工程と、
射出成形プロセス中に金型の中に前記3次元フィルムを挿入することにより、前記3次元フィルム上に材料を成形する工程であって、前記3次元フィルムの表面に前記材料の好ましい層が取り付けられて、電気機械的構造体を作り出す、3次元フィルムの上に材料を成形する工程とを備える、方法。」
で一致し、次の点で一応相違する。
<相違点1>
複数の電気素子について、本件補正発明は、「SMT部品から構成される」と特定するのに対し、引用発明は、そのような特定がない点。
<相違点2>
複数の電気素子を取り付ける工程において、本件補正発明は、「前記複数の電子素子が取り付けられる、前記3次元形状における選択された位置は、前記3次元形状における他の位置の曲率よりも小さい曲率を有し、前記複数の電子素子は、前記3次元形状における、最大の曲率を有する位置に取り付けられていない」と特定するのに対し、引用発明は、そのような特定がない点。
<相違点3>
平坦なフィルムを3次元フィルムに形成する工程において、本件補正発明は、「平坦なフィルムを伸ばすことを少なくとも含む」と特定するのに対し、引用発明は、そのような特定がない点。
イ 相違点についての判断
上記相違点について順次検討する。
<相違点1について>
SMT部品について、本件補正発明(請求項1)の従属項である請求項7及び8には、
「【請求項7】
取り付けられた前記電子素子は、柔軟な既製の表面実装技術(SMT)の実体、柔軟な既製のスルーホールの実体、柔軟な既製のフリップチップの実体、または柔軟な既製の印刷された実体である、請求項1から6のいずれか一項に記載の方法。
【請求項8】
前記電子素子は、(すなわち、前記平坦なフィルム以外の)基板上に印刷することによって作ることができ、その後、前記平坦なフィルムに取り付けることができる、請求項1から7のいずれか一項に記載の方法。」
と記載されている。
「SMT」とは表面実装技術(広辞苑第六版)であるから、通常、表面実装できる素子であればこと足り、その態様として印刷法による電子素子の形成も含まれる(本件特許請求の範囲の請求項1を引用する請求項7及び8の関係からも明らかともいえる。)と解されるから、本件補正発明1の「SMT部品」とは、印刷法により形成された電子素子も含む概念である。
そして、引用発明の「タッチセンサ機能層やEL機能層」は、フィルム基板上にプリントすることで設けられたものである(【図31】)から、本件補正発明1の「SMT部品」から構成されるものといえる。
してみると、相違点1は、実質上の相違点とはならない。
また、仮に実質上の相違点であったとしても、いわゆるスルーホールに装着する部品やフリップチップなどの実装部品は、例えば引用文献2の実施例及び図面にも示されるように、本願優先権主張日前において周知のものにすぎず、かつ、引用発明において、スルーホールに装着する部品やフリップチップなどの実装部品を用いることを阻害する事項もないから、引用発明において、スルーホールに装着する部品やフリップチップなどの周知の実装部品を用い、相違点1に係る本件補正発明の特定事項を満たすものとすることは、当業者が容易になし得たことである。
<相違点2について>
引用文献1の図2A~図2D2から、形成された「タッチパネル組立体200」において、最も曲率が高い部分(図2Bでいうところの、外周縁部で段差が設けられている部分(図中符号201が指す部分よりも外周部分))には電気素子が設けられていないことが看取できる。
してみれば、相違点2は、実質的に引用文献1に記載されているといえることから、実質上の相違点とはならない。
また、仮に実質上の相違点であったとしても、フィルム基板が大きく曲げられる部分は、部品を配する上で好ましくないことは明らかであり、そのような部分に部品を配置することを避けることは、例えば引用文献2の第1図~第4図からも看取できるように、当業者が通常考慮すべき技術事項にすぎない。
したがって、引用発明において、電子素子の配置箇所として、基板が大きく曲げられる部分を避け、相違点2に係る本件補正発明の特定事項を満たすものとすることは、当業者が容易になし得たことである。
<相違点3について>
引用発明は、「平坦なフィルム基板が、高圧の空気に曝されることで、所望の形状または起伏を生み出すように形成する」ものであるから、屈曲などの作用を受ける際に、「平坦なフィルムを伸ばす」作用を受けることは明らかである。
してみれば、当該相違点3は実質上の相違点とはならない。
ウ 審判請求人の主張について
なお、審判請求人は、審判請求書の請求の理由において、「引用文献1には、そもそもSMT部品を用いることを記載しておりません。」と主張し、令和 2年 6月18日提出の上申書において、「引用文献1は、SMT部品の使用をまったく開示しておらず、印刷された部品のみを開示しています。なお、特許文献1のタッチセンサの構成要素も、印刷されているものとして開示されています。」とし、さらに、引用文献1及び2には、「3次元成形後におけるフィルムの特性(曲率等)を考慮することにより、3次元形成前にSMT部品を平坦なフィルムに取り付けることはまったく記載も示唆もされていない」から、本件補正発明は、引用文献1及び2に対して、新規性・進歩性を有するものである旨主張する。
しかしながら、「SMT部品」については、上記「<相違点1について>」において検討したとおり、本件補正発明において、「SMT部品」は、印刷によるものを排除するものであると解することはできず、また、仮に印刷によるものを排除するものであるとしても、周知部品にすぎないから、引用発明において採用することは容易である。
(なお、平成31年 3月 8日提出の意見書において、引用発明においてSMT部品を採用すると、図2D1のような湾曲した層を積み重ねることができない旨主張するが、これは、部品の大きさ、高さに依存するものであるから、引用発明における阻害要因にあたるとまでいうことはできない。)
次に、部品を配する位置については、上記「<相違点2について>」において検討したとおりであり、引用発明においても、最も屈曲率が高い部分には電子素子にあたるものは配されていない。また、屈曲率が高い部分に部品を配することは、固定技術の面から見ても通常避けられるものであることは、先に述べたとおりである。
エ 小括
上記アないしウのとおり、本件補正発明は、引用発明、すなわち引用文献1に記載された発明であるから、特許法第29条第1項第3号に該当し、特許出願の際独立して特許を受けることができないものであるか、そうではないとしても、引用発明及び周知技術に基いて、当業者が容易に発明をすることができたものであるから、特許法第29条第2項の規定により、特許出願の際独立して特許を受けることができないものである。
(4) 本件補正についてのむすび
以上のとおりであるから、本件補正は、特許法第17条の2第6項において準用する同法第126条第7項の規定に違反するので、同法第159条第1項の規定において読み替えて準用する同法第53条第1項の規定により却下すべきものである。
よって、上記補正の却下の決定の結論のとおり決定する。
第3 本願発明について
1 本願発明
令和 1年12月24日にされた手続補正は、上記のとおり却下されたので、本願の請求項1ないし18に係る発明は、平成31年 3月 8日にされた手続補正により補正された特許請求の範囲の請求項1ないし18に記載された事項により特定されるものであるところ、その請求項1に係る発明(以下、「本願発明」という。)は、その請求項1に記載された事項により特定される、前記第2[理由]1(2)に記載のとおりのものである。
2 原査定の拒絶の理由
原査定の拒絶の理由は、
この出願の請求項1に係る発明は、本願の優先権主張日前に頒布された又は電気通信回線を通じて公衆に利用可能となった下記の引用文献1に記載された発明であるから、特許法第29条第1項第3号に該当し、特許を受けることができないものである、
この出願の請求項1に係る発明は、本願の優先権主張日前に頒布された又は電気通信回線を通じて公衆に利用可能となった下記の引用文献1に記載された発明に基いて、その出願前にその発明の属する技術の分野における通常の知識を有する者(以下、「当業者」という。)が容易に発明をすることができたものであるから、特許法第29条第2項の規定により特許を受けることができないものである、
との理由を含むものである。
引用文献1:国際公開第2013/058708号
引用文献2:特開昭63-284888号公報
4 対比・判断
本願発明は、前記第2の[理由]2で検討した本件補正発明から、「前記形成することは、前記平坦なフィルムを伸ばすことを少なくとも含む」との限定事項を削除したものである。
そうすると、本願発明の発明特定事項を全て含み、さらに他の事項を付加したものに相当する本件補正発明が、前記第2の[理由2](3)に記載したとおり、引用文献1に記載された発明であるか、仮にそうではないとしても、引用文献1に記載された発明に基いて当業者が容易に発明をすることができたものであるから、本願発明も、引用文献1に記載された発明であるか、仮にそうではないとしても、引用文献1に記載された発明に基いて当業者が容易に発明をすることができたものである。
第4 むすび
以上のとおり、本願発明は、引用文献1に記載された発明であるから、特許法第29条第1項第3号に該当し、特許を受けることができないか、そうではないとしても、引用発明に基いて当業者が容易に発明をすることができたものであるから、特許法第29条第2項の規定により、特許を受けることができない。
したがって、他の請求項に係る発明について検討するまでもなく、本願は拒絶されるべきものである。
よって、結論のとおり審決する。
審決本文(J-PlatPat)
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2019-017416