特許拒絶査定不服審判
2019-016990
フレキシブルディスプレイを伴う電子装置
- 審判番号
- 2019-016990
- 法域
- 特許
- 審判種別
- 拒絶査定不服審判(拒絶査定不服の審決)
- 出願番号
- 特願2017-101613
- 請求日
- 2019年12月17日
- 審決日
- 2022年01月17日
- 公報発行日
- 2022年02月25日
- 結論
- 原査定取消(特許/登録すべき)
- 当事者
- 【請求人】アップル インコーポレイテッド
- 【請求人代理人】田中 伸一郎
- 【請求人代理人】▲吉▼田 和彦
- 【請求人代理人】大塚 文昭
- 【請求人代理人】西島 孝喜
- 【請求人代理人】那須 威夫
- 審判長/審判官
- 審判長 稲葉 和生
- 審判官 林 毅
- 審判官 ▲高▼瀬 健太郎
- 分類
- P18 .113-WY (G06F) / P18 .121-WY (G06F) / P18 .537-WY (G06F) / P18 .55 -WY (G06F)
- 条文(本文から自動抽出・参考)
- 特許法第29条第2項、特許法第17条の2第3項、特許法第29条第1項第3号、特許法第36条第6項第1号、特許法第36条第6項第2号
- データ出所
- 審決公報(XML)
事件の表示
特願2017-101613「フレキシブルディスプレイを伴う電子装置」拒絶査定不服審判事件〔平成29年10月26日出願公開、特開2017-194975、請求項の数(19)〕について、次のとおり審決する。
結論
結 論
原査定を取り消す。
本願の発明は、特許すべきものとする。
理由
理 由
第1 手続の経緯
本願は、2012年(平成24年)3月20日(パリ条約による優先権主張 外国庁受理 2011年3月21日 米国、2011年5月16日 米国、2011年6月28日 米国、2011年7月15日 米国、2012年3月16日 米国)を国際出願日とする出願である特願2013-557948号の一部を、平成27年11月12日に新たな特許出願とした特願2015-222405号の一部を、平成29年5月23日に新たな特許出願としたものであって、その手続の経緯は次のとおりである。
平成29年 6月22日 :手続補正書の提出
平成30年 3月 1日付け:拒絶理由通知書
平成30年 5月28日 :意見書、手続補正書の提出
平成30年10月12日付け:拒絶理由(最後の拒絶理由)通知書
平成31年 3月20日 :意見書、手続補正書の提出
令和 元年 8月 7日付け:拒絶査定(原査定)
令和 元年12月17日 :審判請求書、手続補正書の提出
令和 2年11月24日付け:拒絶理由(当審拒絶理由1)通知書
令和 3年 4月23日 :意見書、手続補正書の提出
令和 3年 5月11日付け:拒絶理由(当審拒絶理由2)通知書
令和 3年 8月12日 :意見書、手続補正書の提出
令和 3年 9月 7日付け:拒絶理由(最後の拒絶理由;
当審拒絶理由3)通知書
令和 3年12月 8日 :意見書、手続補正書の提出
第2 原査定の概要
原査定(令和元年8月7日付け拒絶査定)の概要は次のとおりである。
本願請求項1ないし6に係る発明は、「ガラスカバー層」を「ディスプレイ」とは別に設ける態様を含むため、願書に最初に添付した明細書、特許請求の範囲又は図面(以下、「当初明細書等」という。)に記載した事項の範囲内のものでないから、特許法第17条の2第3項に規定する要件を満たしていない。
第3 当審拒絶理由3の概要
令和3年9月7日付けで当審が通知した拒絶理由(以下、「当審拒絶理由3」という。)の概要は次のとおりである。
[理由1]新規性
本願請求項1、3、5、7、9、10ないし12、16及び17に係る発明は、引用文献1に記載された発明であるから、特許法第29条第1項第3号に該当し、特許を受けることができない。
[理由2]進歩性
本願請求項1ないし19に係る発明は、以下の引用文献1ないし3に記載された発明に基いて、また、本願請求項20に係る発明は、以下の引用文献1ないし4に記載された発明に基いて、当業者が容易に発明をすることができたものであるから、特許法第29条第2項の規定により特許を受けることができない。
[引用文献等一覧]
1 特表2001-519585号公報
2 意匠登録公報第1400563号公報
3 特開2010-257259号公報
4 特開2001-69213号公報
第4 当審拒絶理由2の概要
令和3年5月11日付けで当審が通知した拒絶理由(以下、「当審拒絶理由2」という。)の概要は、次のとおりである。
[理由1]サポート要件
本願請求項16ないし20に係る発明において、「前記2つのカーブしている側壁面は前記電子装置の前面とは異なる曲率を有し、滑らかな連続的な面を形成するように前記ハウジング及び前記堅牢なカバー層は前記2つのカーブしている側壁面の各々において接する」ことは、発明の詳細な説明には記載されていないため、本願請求項16ないし20に係る発明は、特許法第36条第6項第1号に規定する要件を満たしていない。
[理由2]明確性要件
本願請求項19に係る発明の「前記前面及び後面は前記電子装置の対向する外面を形成し、前記ディスプレイは前記前面をカバーする第1の部分を含み」及び「前記電子コンポーネントは前記ディスプレイの前記第1及び第2の部分の間に配置される」は明確ではないから、本願請求項19に係る発明は、特許法第36条第6項第2号に規定する要件を満たしていない。
[理由3]進歩性
本願請求項1ないし20に係る発明は、上記引用文献1ないし3に記載された発明に基いて、その発明の属する技術の分野における通常の知識を有する者(以下、「当業者」という。)が容易に発明をすることができたものであるから、特許法第29条第2項の規定により特許を受けることができない。
第5 当審拒絶理由1の概要
令和2年11月24日付けで当審が通知した拒絶理由(以下、「当審拒絶理由1」という。)の概要は、次のとおりである。
本願請求項1ないし20に係る発明は、上記引用文献3、以下の引用文献5及び上記引用文献1に記載された発明に基いて、その発明の属する技術の分野における通常の知識を有する者(以下、「当業者」という。)が容易に発明をすることができたものであるから、特許法第29条第2項の規定により特許を受けることができない。
引用文献5:戸田覚、戸田覚の買うか買わぬか思案中 もはやスマートフォンの代名詞「向かうところ敵なし」で独走 iPhone 4(32GB)、日経PC21、日経BP社、2010年7月24日、第15巻、第14号、第148-151頁
第6 本願発明
本願請求項1ないし19に係る発明(以下、それぞれ「本願発明1」ないし「本願発明19」という。)は、令和3年12月8日に提出された手続補正書に係る手続補正(以下、「本件補正」という。)により補正された特許請求の範囲の請求項1ないし19に記載された事項により特定される発明であり、このうち、本願発明1、7及び16は以下のとおりの発明である。
[本願発明1]
「 対向する前部外面及び後部外面を有する電子装置であって、
側壁及び前記電子装置の後部外面の少なくとも一部を形成する後部ガラス部を有するハウジングと、
前記ハウジングにマウントされ、フレキシブルディスプレイ層及びガラスカバー層を有する有機発光ダイオードディスプレイであって、前記ガラスカバー層は前記フレキシブルディスプレイ層に重畳し、前記電子装置の前部外面の少なくとも一部を形成し、前記後部ガラス部及び前記ガラスカバー層の間に内部スペースが包含され、前記ガラスカバー層は前記側壁に接するカーブした部分を有し、前記カーブした部分はカーブした内面と外面を有し、前記有機発光ダイオードディスプレイは前記ガラスカバー層を通して画像を表示し、前記後部ガラス部を通して表示しない、有機発光ダイオードディスプレイと、
前記内部スペース内にマウントされる電子的コンポーネントと、
を備える、電子装置。」
[本願発明7]
「 電子装置であって、
後部ガラス部及び側壁を有するハウジングと、
前記ハウジングにマウントされた有機発光ダイオードディスプレイと、
を備え、前記有機発光ダイオードディスプレイは当該有機発光ダイオードディスプレイに重畳し、カーブした部分を有する堅牢なカバー層を含み、前記カーブした部分はカーブした内面及び外面を有し、内部スペースは前記後部ガラス部及び前記堅牢なカバー層の間に配置され、電子的コンポーネントが前記内部スペース内にマウントされ、前記有機発光ダイオードディスプレイは前記カーブした内面に合致するフレキシブルディスプレイ層を含み、前記有機発光ダイオードディスプレイは前記堅牢なカバー層を通して画像を表示し、前記後部ガラス部を通して表示しない、電子装置。」
[本願発明16]
「 少なくとも前面及び後面を有する電子装置において、
側壁及び後部ガラス部を備えるハウジングであって、前記電子装置の後面の少なくとも一部を形成するハウジングと、
有機発光ダイオードディスプレイであって、前記有機発光ダイオードディスプレイは、堅牢なカバー層を通して画像を表示し、前記後部ガラス部を通して表示せず、前記堅牢なカバー層は前記側壁に接するカーブした部分を備え、前記カーブした部分はカーブした内面と外面を有し、前記有機発光ダイオードディスプレイは、前記カーブした内面に合致するように曲げられたフレキシブルディスプレイ層を含む、有機発光ダイオードディスプレイと、
前記後部ガラス部と前記堅牢なカバー層との間に介在された電子コンポーネントと、
を備える、電子装置。」
なお、本願発明2ないし6は、本願発明1を減縮するものであり、本願発明8ないし15は、本願発明7を減縮するものであり、また、本願発明17ないし19は、本願発明16を減縮するものである。
第7 引用文献、引用発明等
1 引用文献1について
(1)引用文献1記載事項
当審拒絶理由1ないし3に引用された引用文献1には、図面とともに次の事項が記載されている。なお、下線は、強調のため当審が付与した。(以降においても同様。)
「 【0011】
(好適な実施例の詳細な説明)
最初に図1を参照すると、ここには本発明の教えに基づいて構築された移動無線電話機加入者局の様な図式的モジュール型通信機器11の透視上面図が示されている。理解されるように、モジュール型機器11の外部容器はその他の通信装置例えばページング機、個人用ディジタル支援機器(PDA:Personal Digital Assistance)、ラップトップ・コンピュータ等にも適合されるであろう。見て分かるように、移動電話機11の上表面12は一般的に平面で滑らかで、電話機内部のスピーカから使用者の耳へ音声を排出する事を可能とする開口13と、使用者の音声が電話機11内のマイクロフォンへ達することが可能とする開口14とを具備する。折りたたみ式無線送信および受信アンテナ15もまた図示されている。電話機11の底面図に示されるように、電話機の外部表面16は比較的平面で滑らかであり、電話機の回路を選択的に電源投入する簡単なオン/オフスイッチ17のみが組み込まれている。移動電話機の容器の外郭の一部または全てが有機エレクトロルミネセンス材質で構成されている。これらの材質は合成モノマおよびポリマ、すなわちプラスティックを含み、これは電位を加えられると光を発生する特性を有する。…(以下省略)」
「 【0012】
図3を参照すると、此処には先に説明し、本発明の中で採用されている型式の有機エレクトロルミネセンス材質を含む外郭のセグメントの図式的断面図が示されている。セグメント21の最上部層22は透明なプラスティック、ガラスまたは同様の透明な基盤を含み、これは湿気並びに酸素の両方を浸透させない。透明層22の直下には層23が有り、好適にインジウム酸化錫(ITO)またはその他のその様な合成物で合成された第1の半透明な導電材質の複数の細い条片を含む。この層23はITOの固体層を作り、続いて並行して間隔を置いて離された条片を選択的にエッチングで取り除き、互いに分離された並行で細長い一連の導電性「ワイヤ」を全領域に残すことで形成される。底部導電層24もまた好適に第2の好適な導電性材質の細長い並行条片で形成され、これは光を反射し好適にアルミニウム(Al)の合成物またはその他の好適な合成物である。底部層24はまた複数の並行で互いに分離されている導電性条片で形成され、これらはそれぞれITO層23内の条片に垂直であり、これはまた「ワイヤ」の様に動作し層24の表面に沿って電気を導通させる。ITO導電層23とAl導電層24の間には、1つまたは複数のエレクトロルミネセンス材質、例えばLEPまたはAlqの層25および26が配置されている。LEPまたはAlq材質が使用されている場合、ホール伝送および電子伝送層がそれぞれLEPまたはAlq層の上面および底面上に含まれているはずである。先に説明したように、例えばPPVまたはAlqの様なこれらのエレクトロルミネセンス材質はかなり高レベルのエレクトロルミネセンスを生成し、比較的低電圧電位に曝されている各々の個別領域内で発光27する。従って、層23および24内のエッチングされた「ワイヤ」に掛かる電圧または電流は、2本の「ワイヤ」の交点でその電圧に曝されているエレクトロルミネセンス材質の合成層25/26の領域から光を発生させる。エレクトロルミネセンス材質25/26の単一層は単色光を生成し、その色は合成層を形成するために選択された材質で決定される。」
「 【0016】
次に図5を参照すると、此処には本発明に基づいて構築された電話機11の外部容器の図1の線5-5に沿った部分断面図が示されている。電話機の外部容器9が、電話機回路を囲むように互いに整合された2つの部分から作られる様子が分かる。容器の各々の半分は内側下部外郭31と外側上部外郭37を含み、これらは互いに密閉されている。各々の外郭31および37は共に湿気および酸素を浸透させない。密閉された外郭31と37の間にはタッチスクリーン層33が配置されていて、これは既知の技術に基づいて構築されており、使用者が指または器具でスクリーンを触ることで情報を入力できるようにしている。触ることで、触られたスクリーン上の特定領域を示す信号が生成され、その後触られた領域を覆うスクリーン上のメッセージに基づき回路によって解釈される。」
「 【0018】
タッチスクリーン層33の上には導電性表面34が存在し、これはエッチングまたはその他の方法で部分的に取り除かれて細長い平行なアルミニウム(Al)、またはその他の好適な材質の配列、導電性「ワイヤ」24を形成している。アルミニウム「ワイヤ」を含む層24の上には、エレクトロルミネセンス材質を含む材質の一対の層25-26が存在する。エレクトロルミネセンス・ポリマ25-26の合成層35の直ぐ上にはインジウム酸化錫(ITO)、またはその他の好適な材質の導電性材質36の層が存在し、これもまた「ワイヤ」23を含む一連の並行条片にエッチングされている。図3および図4に関連して先に説明したように、各々の「ワイヤ」23および24は供給電源に接続されていて、図示されていない回路によって電流を選択的に駆動されるようになっている。ITO層36内の各々の「ワイヤ」24はアルミニウム層34内の「ワイヤ」23と直角方向に延びるように配置されており、各々は個別の駆動回路(図示せず)に接続され、これは電位を選択された「ワイヤ」に選択的に接続して、有機エレクトロルミネセンス材質の層25-26内の、それぞれの層34または36内の電気的に励起されたワイヤの各々の交点の「画素」領域を発光させて光27を生成し、これは透明外郭37を通って外に出る。上部外郭37を含む配列の上部表面は、湿気並びに酸素を共に浸透させない透明な材質で形成されている。容器の半分となるアセンブリを形成する各々の内部および外部外郭の密閉は有機エレクトロルミネセンス機器では重要であって、それは湿気および酸素が共に有機エレクトロルミネセンス材質の効率を急速に劣化させるためである。その様な材質はこれらの成分から不浸透性の受容器内部に密閉することにより保護されなければ成らない。これに代わって、透明なタッチに感応する装置33を密閉されたアセンブリ内に配置する代わりに外部外郭37の上部表面に適用することも可能である。
【0019】
図5は電話機11の上部表面と湾曲した側面のみを有機エレクトロルミネセンス材質の1つまたは複数の層で囲むように示されているが、理解されるように電話機11の全外部表面をその様な材質で囲むことも可能であろう。タッチに感応する表面は使用者入力を受け入れる領域以外には不要であろうが、電話機11の全外部表面を以下に更に説明する理由により、有機エレクトロルミネセンス材質で好適に囲むことが可能である。」
「 【0022】
電話機の上部表面12はキーパッド領域9と表示領域10に任意に分割されている。キーパッド領域9の下側には、キーパッド領域9の上部表面を触ることによる使用者入力に応答するように適合されたタッチ感応キーパッド素子33とが存在している。…(以下省略)」
「 【0034】
加えて、タッチ・スクリーン内の有機エレクトロルミネセンス層が柔軟であるため、必要で有れば電話機の外部外殻の全ての表面を覆うことが可能である。これは表示器またはキーパッドまたは使用者インタフェースおよびそれらの組み合わせが、電話機11の表面12として図示されているように、電話機の上部可視表面領域の全体を取るようにできる。タッチ・スクリーンと同様にITOおよびAl(またはそれぞれその他の好適な材質)層への接続は、電話機の外殻上に蒸着された導電性層または、2つの導電性層のエッチングされたワイヤへの接続とタッチ・スクリーンへの接続を可能とする穴を単に残すことで作製できる。図5に示された実施例のオプションとして、タッチ・スクリーン装置を有機エレクトロルミネセンス材質の上面に配置出来ることを注意されたい。これはタッチ・スクリーン装置を底面ではなくて電話機外部外殻の上部表面上に配置する。」
「【図1】
[図:0001381211000001.jpg]
」
[当審注]
【0022】の記載「電話機の上部表面12はキーパッド領域9と表示領域10に任意に分割されている」からすると、【図1】中の記号「9」及び「12」はそれぞれ「12」及び「9」の誤記と認められる。
「【図3】
[図:0001381211000002.jpg]
」
「【図5】
[図:0001381211000003.jpg]
」
「【図6】
[図:0001381211000004.jpg]
」
[当審注]
【0022】の記載「電話機の上部表面12はキーパッド領域9と表示領域10に任意に分割されている」からすると、【図6】中の記号「12」は「9」の誤記と認められる。
(2)引用発明
前記(1)より、引用文献1には、次の発明(以下、「引用発明」という。)が記載されていると認められる。
「 移動電話機11であって、
移動電話機の容器の外郭の一部または全てが有機エレクトロルミネセンス材質で構成され、
有機エレクトロルミネセンス材質を含む外郭のセグメント21の最上部層22は透明なプラスティック、ガラスまたは同様の透明な基盤を含み、
透明層22の直下には層23が有り、好適にインジウム酸化錫(ITO)またはその他のその様な合成物で合成された第1の半透明な導電材質の複数の細い条片を含み、
底部導電層24もまた好適に第2の好適な導電性材質の細長い並行条片で形成され、これは光を反射し好適にアルミニウム(Al)の合成物またはその他の好適な合成物であり、
ITO導電層23とAl導電層24の間には、1つまたは複数のエレクトロルミネセンス材質、例えばLEPまたはAlqの層25および26が配置され、LEPまたはAlq材質が使用されている場合、ホール伝送および電子伝送層がそれぞれLEPまたはAlq層の上面および底面上に含まれ、
層23および24内のエッチングされた「ワイヤ」に掛かる電圧または電流は、2本の「ワイヤ」の交点でその電圧に曝されているエレクトロルミネセンス材質の合成層25/26の領域から光を発生させ、
電話機の外部容器9が、電話機回路を囲むように互いに整合された2つの部分から作られ、容器の各々の半分は内側下部外郭31と外側上部外郭37を含み、これらは互いに密閉され、
それぞれの層34または36内の電気的に励起されたワイヤの各々の交点の「画素」領域を発光させて光27を生成し、これは透明外郭37を通って外に出、
電話機11の上部表面と湾曲した側面のみを有機エレクトロルミネセンス材質の1つまたは複数の層で囲むように示されているが、電話機11の全外部表面をその様な材質で囲むことも可能であり、
有機エレクトロルミネセンス層が柔軟である、
移動電話機11。」
2 引用文献2について
当審拒絶理由2及び3に引用された引用文献2(図面)には、断面形状が楕円形で、前面及び後面並びに側面がカーブした形状の携帯形マルチメディア機が記載されている。
3 引用文献3について
(1)引用文献3記載事項
当審拒絶理由1ないし3に引用された引用文献3には、図面とともに次の事項が記載されている。
「【0024】
[外観構成]
図1は本実施形態にかかる携帯端末装置100の外観を説明する6面図である。図1に示すように、携帯端末装置100は、筐体の1つの面に配置された表示部110と、表示部110に重畳されるタッチセンサ130aとを備えている。
【0025】
本実施形態では、表示部110の反対側にさらに第2表示部120を設け、表示領域の大画面化を図っている。ただし、本実施形態において第2表示部120は必須では無い。
【0026】
表示部110と第2表示部120とは長辺において湾曲し、それぞれが連接することによって筐体の外周を巻回するように配置されている。そして筐体の外形(表面においてはタッチセンサ130aが外形を構成している)は、表示部110および第2表示部120が湾曲する方向を含む断面の形状が略楕円形となっている。すなわち表示部110と第2表示部120とによって全体的に平たい筒のような形状となっている。この筒の両端には、端部部材114、116が備えられている。
【0027】
なお、略楕円形とは正確な楕円以外の形状も含む。例えば、端部が全体的に丸みを帯びた形状である主表面が平坦であって端部が半円を描く長丸形状、さらに長丸形状の主表面の中央部が膨出した形状、楕円形を短軸または長軸方向につぶした形状も略楕円形に含まれるものとする。
【0028】
筐体の1つの側面に当たる端部部材114の端面には、音声出力部142、電源ボタン146、赤外線ポート214aが備えられている。また、この端部部材114の端面と対向して配置される端部部材116の端面には、音声入力部144が備えられている。音声出力部142および音声入力部144を端部部材114、116の端面(筐体の側面)に配置することにより、通話する際には筐体の表裏に関係なく把持することができる。」
「【0033】
[機能構成]
図2は本実施形態にかかる携帯端末装置100の概略的な機能を示すブロック図である。図2に示すように、携帯端末装置100は、機能構成要素として、上述した表示部110、第2表示部120、操作部130(タッチセンサ130a)、カメラ140、音声出力部142、音声入力部144、ステレオスピーカ148に加えて、制御部200、通信部210、メモリ230、取得部240を含んで構成される。
【0034】
制御部200は、中央処理装置(CPU)を含む半導体集積回路により携帯端末装置100全体を管理および制御する。具体的には、メモリ230に記憶され得る様々なアプリケーション(タスク)等を用いて、通話機能、文字入力機能、音楽再生機能、TV視聴機能などを遂行する。制御部200は、特に、表示制御部202、切替制御部204、送信制御部206を包含する。」
「【0052】
表示部110および第2表示部120は、樹脂基板上にトランジスタを形成したTFT液晶ディスプレイ(Thin Film Transistor Liquid Crystal Display)、有機ELディスプレイ(organic Electro Luminescence Display)、コレステリック液晶ディスプレイ(Cholesteric Liquid Crystal Display)等で構成され、ユーザにデータを出力する。」
「【図1】
[図:0001381211000005.jpg]
」
「【図2】
[図:0001381211000006.jpg]
」
(2)引用発明3
引用文献3は、表示部の構成として、表示部110のみならず、第2表示部120を備えた構成を前提として記載されているが、引用文献3の【0025】に「本実施形態において第2表示部120は必須では無い。」と記載されていることから、「第2表示部120」を備えない構成も開示されているといえる。
そのような構成を前提とすれば、前記(1)より、引用文献3には、次の発明(以下、「引用発明3」という。)が記載されていると認められる。
「 携帯端末装置100であって、
携帯端末装置100は、筐体の1つの面に配置された表示部110と、表示部110に重畳されるタッチセンサ130aとを備え、
表示部110は長辺において湾曲し、筐体の外周を巻回するように配置され、筐体の外形は、表示部110が湾曲する方向を含む断面の形状が略楕円形となっており、筒の両端には、端部部材114、116が備えられており、
携帯端末装置100は、機能構成要素として、上述した表示部110、操作部130(タッチセンサ130a)、カメラ140、音声出力部142、音声入力部144、ステレオスピーカ148に加えて、制御部200、通信部210、メモリ230、取得部240を含んで構成され、
制御部200は、中央処理装置(CPU)を含む半導体集積回路により携帯端末装置100全体を管理および制御し、
表示部110は、有機ELディスプレイで構成される、
携帯端末装置100。」
4 引用文献4について
当審拒絶理由3に引用された引用文献4(特に、【0063】~【0065】、図1、図2)には、携帯電話のケースの側壁(46、47)の内面に平行して金属製の補強壁(44、45)を係合・配置することが記載されている。
5 引用文献5について
当審拒絶理由1に引用された引用文献5(特に、第148ページ上段、第149ページ上段)には、次の技術的事項が記載されているといえる。
「2010年6月に発売された、iPhone 4の本体は9.3ミリと非常に薄く、しかもフラットなデザインで、手に触れる部分にプラスチックがほとんど使われておらず、前面だけでなく背面にもガラスが使われていることで、実物を手にすると、心地よい重さとともに、高級感と剛性感が伝わってくること。」
第8 当審拒絶理由3についての判断
1 本願発明1について
(1)対比
本願発明1と引用発明とを対比する。
ア 引用発明の「移動電話機11」は、本願発明1の「電子装置」に含まれる。
イ 引用発明は、「電話機の外部容器9が、電話機回路を囲むように互いに整合された2つの部分から作られ、容器の各々の半分は内側下部外郭31と外側上部外郭37を含み、これらは互いに密閉され」との構成を備えることから、「移動電話機11」は、「2つの部分」からなる「外部容器9」から構成されており、当該「2つの部分」は、「上部表面」を備える部分と、これと整合・密閉する部分とで構成され、前者を「前部」、後者を「後部」と称することは任意である。
そして、この「前部」の外面と「後部」の外面はそれぞれ、「前部外面」及び「後部外面」といい得るものであって、これらは「対向」するものといえる。
よって、引用発明の「外部容器9」は、「対向する前部外面及び後部外面を有する」ものといえるから、前記アを参酌すると、引用発明の「移動電話機11」は、本願発明1の「対向する前部外面及び後部外面を有する電子装置」に含まれる。
ウ 引用発明の「後部」は、「外部容器9」の一部であるから「ハウジング」といい得るものである。
エ 引用文献1の【図1】を参酌すれば、引用発明の「上部表面」を正面に見た場合に、「後部」の上下及び左右に面している部分は、「側壁」といい得る部分である。
オ 引用発明は、
「移動電話機の容器の外郭の一部または全てが有機エレクトロルミネセンス材質で構成され、
有機エレクトロルミネセンス材質を含む外郭のセグメント21の最上部層22は透明なプラスティック、ガラスまたは同様の透明な基盤を含み」及び
「電話機11の上部表面と湾曲した側面のみを有機エレクトロルミネセンス材質の1つまたは複数の層で囲むように示されているが、電話機11の全外部表面をその様な材質で囲むことも可能であり」
との構成を備えることから、「電話機11」の「全外部表面」を、「有機エレクトロルミネセンス材質」を含む「外郭のセグメント21」とする場合を含み、また、「有機エレクトロルミネセンス材質」を含む「外郭のセグメント21」の「最上部層22」(「外側上部外郭37」と同一視できる。)は、「ガラス」である場合を含む。
よって、引用発明の「後部」(ハウジング)は、「移動電話機」の「最上部層22」(「外側上部外郭37」)の少なくとも一部を形成する「ガラス」を有するものといえ、当該「ガラス」の部分を「後部ガラス部」と称することは任意である。
よって、引用発明の「後部」の外面(後部外面)のうち、「ガラス」が形成された部分は、本願発明1の「前記電子装置の後部外面の少なくとも一部を形成する後部ガラス部」に相当する。
カ 前記ウないしオより、引用発明の「後部」は、本願発明1の「側壁及び前記電子装置の後部外面の少なくとも一部を形成する後部ガラス部を有するハウジング」に相当する。
キ 引用発明の「前部」は、その全外部表面を、その「合成層25/26の領域から光を発生」する「有機エレクトロルミネセンス材質」を含む層とするものであるから、「有機」の材質による「発光」により画像を表示する「有機発光ディスプレイ」といい得るものである。
引用発明の「前部」は、「後部」と整合・密着するものであるから、「後部」にマウントされているといえる。
引用発明の「有機エレクトロルミネセンス層」(「有機エレクトロルミネセンス材質」を含む層)は、「ITO導電層23」と「Al導電層24」と、これらの間の「エレクトロルミネセンス材質の合成層25/26」とから構成されているといえ、また、「柔軟である」(フレキシブルである)から、「フレキシブルディスプレイ層」といい得るものである。
また、「前部」において、「有機エレクトロルミネセンス材質」を含む外部表面の「最上部層22」は、「ガラス」である場合を含み、また、「最上部」に位し、「前部」をカバーするものといえるから、「ガラスカバー層」といい得るものである。
よって、引用発明の「前部」と、本願発明1の「前記ハウジングにマウントされ、フレキシブルディスプレイ層及びガラスカバー層を有する有機発光ダイオードディスプレイ」とは、「前記ハウジングにマウントされ、フレキシブルディスプレイ層及びガラスカバー層を有する有機発光ディスプレイ」との点において共通する。
ク 前記ア、イ及びキより、引用発明の「前部」の「最上部層22」(「ガラスカバー層」)は、「有機エレクトロルミネセンス層」(「フレキシブルディスプレイ層」)に重畳し、「移動電話機11」(「電子装置」)の「前部」の外面(「前部外面」)の少なくとも一部を形成したものといえる。
ケ 引用発明は、「電機の外部容器9が、電話機回路を囲むように互いに整合された2つの部分から作られ」との構成を備えるから、「外部容器9」を構成する「前部」と「後部」の内側に、「電話機回路」がマウントされる空間(スペース)が包含されているといえ、当該空間を「内部スペース」と称することは任意である。
よって、前記オ及びキを参酌すれば、引用発明において、「後部」の一部を形成する「後部ガラス部」と「前部」の「ガラスカバー層」との間に「内部スペース」が包含されているといえる。
コ 引用発明は、「湾曲した側面」を備え、「前部」のうち、「後部」の「側壁」(前記(エ)参照)と接する部分は、前記「湾曲した側面」の一部を形成し、「湾曲」しているから、「前部」を構成する「最上部層22」(「ガラスカバー層」)のうち、「後部」の「側壁」と接する部分も「湾曲」(カーブ)した部分を備えているといえる。
また、「最上部層22」(「ガラスカバー層」)の湾曲(カーブ)した部分が、「有機エレクトロルミネセンス層」(「フレキシブルディスプレイ層」)に重畳する側の「内面」と、外部に露出した側の「外面」とを備えることは自明である。
よって、引用発明の「前部」の「最上部層22」(「ガラスカバー層」)は、「後部」の「側壁」と接する「カーブした部分」を備えているといえる。
サ 引用発明の「それぞれの層34または36内の電気的に励起されたワイヤの各々の交点の「画素」領域を発光させて光27を生成し、これは透明外郭37を通って外に出」との構成、並びに、前記(キ)及び(ク)より、引用発明の「前部」(「ディスプレイ」)は、「画素」領域」を発光させることにより、「最上部層22」(「ガラスカバー層」)を介して、「前部」側の正面に向けて、画像を表示するものといえる。
一方、引用発明は、本願発明1の「前記有機発光ダイオードディスプレイは」「前記後部ガラス部を通して表示しない」との構成を備えることは開示されていない。
シ 前記キないしサより、引用発明の「前部」と、本願発明1の「前記ハウジングにマウントされ、フレキシブルディスプレイ層及びガラスカバー層を有する有機発光ダイオードディスプレイであって、前記ガラスカバー層は前記フレキシブルディスプレイ層に重畳し、前記電子装置の前部外面の少なくとも一部を形成し、前記後部ガラス部及び前記ガラスカバー層の間に内部スペースが包含され、前記ガラスカバー層は前記側壁に接するカーブした部分を有し、前記カーブした部分はカーブした内面と外面を有し、前記有機発光ダイオードディスプレイは前記ガラスカバー層を通して画像を表示し、前記後部ガラス部を通して表示しない、有機発光ダイオードディスプレイ」とは、「前記ハウジングにマウントされ、フレキシブルディスプレイ層及びガラスカバー層を有する有機発光ディスプレイであって、前記ガラスカバー層は前記フレキシブルディスプレイ層に重畳し、前記電子装置の前部外面の少なくとも一部を形成し、前記後部ガラス部及び前記ガラスカバー層の間に内部スペースが包含され、前記ガラスカバー層は前記側壁に接するカーブした部分を有し、前記カーブした部分はカーブした内面と外面を有し、前記有機発光ディスプレイは前記ガラスカバー層を通して画像を表示し、有機発光ダイオードディスプレイ」との点において共通する。
ス 引用発明の「電話機回路」は、本願発明1の「電子的コンポーネント」に相当する。
よって、前記ケを参酌すれば、引用発明は、本願発明1の「前記内部スペース内にマウントされる電子的コンポーネント」との構成を備える。
(2)一致点、相違点
したがって、本願発明1と引用発明とは、次の点において一致ないし相違する。
[一致点]
「 対向する前部外面及び後部外面を有する電子装置であって、
側壁及び前記電子装置の後部外面の少なくとも一部を形成する後部ガラス部を有するハウジングと、
前記ハウジングにマウントされ、フレキシブルディスプレイ層及びガラスカバー層を有する有機発光ディスプレイであって、前記ガラスカバー層は前記フレキシブルディスプレイ層に重畳し、前記電子装置の前部外面の少なくとも一部を形成し、前記後部ガラス部及び前記ガラスカバー層の間に内部スペースが包含され、前記ガラスカバー層は前記側壁に接するカーブした部分を有し、前記カーブした部分はカーブした内面と外面を有し、前記有機発光ディスプレイは前記ガラスカバー層を通して画像を表示し、有機発光ディスプレイと、
前記内部スペース内にマウントされる電子的コンポーネントと、
を備える、電子装置。」
[相違点]
<相違点1>
共通点の「有機発光ディスプレイ」が、本願発明1では、「有機発光ダイオードディスプレイ」であるのに対し、引用発明の「有機エレクトロルミネセンス材質」は、
「ITO導電層23とAl導電層24の間には、1つまたは複数のエレクトロルミネセンス材質、例えばLEPまたはAlqの層25および26が配置され、LEPまたはAlq材質が使用されている場合、ホール伝送および電子伝送層がそれぞれLEPまたはAlq層の上面および底面上に含まれ、
層23および24内のエッチングされた「ワイヤ」に掛かる電圧または電流は、2本の「ワイヤ」の交点でその電圧に曝されているエレクトロルミネセンス材質の合成層25/26の領域から光を発生させ」
との構成を備えるものの、「有機発光ダイオードディスプレイ」を構成するものとは具体的に特定していない点。
<相違点2>
本願発明1は、「前記有機発光ダイオードディスプレイは」「前記後部ガラス部を通して表示しない」との構成を備えるのに対し、引用発明においては、そのような構成を備えることが特定されていない点。
(3)理由1(新規性)についての判断
本願発明1と引用発明との間には、上記相違点1及び2があり、少なくとも相違点2は形式的なものではなく実質的なものであるから、本願発明1は、引用文献1に記載された発明ではない。
(4)理由2(進歩性)についての判断
事案に鑑みて、上記相違点2について先に検討するに、引用発明は、前記(1)オより、「有機エレクトロルミネセンス層」を含む「外郭のセグメント21」の「最上部層22」が、「ガラス」である場合を含むものの、「有機エレクトロルミネセンス層」(「フレキシブルディスプレイ層」)が「後部」(「ハウジング」)へ延在することなく、「最上部層22」(「ガラスカバー層」)のみが「後部」(「ハウジング」)まで延在することを開示するものではない(令和3年12月8日提出の意見書第3頁の「オ.」欄参照のこと。)。そして、引用発明において、相違点2に係る本願発明1の構成とするために、「有機エレクトロルミネセンス層」(「フレキシブルディスプレイ層」)が「後部」(「ハウジング」)へ延在することなく、「最上部層22」(「ガラスカバー層」)のみが「後部」(「ハウジング」)まで延在するように構成することは、上記引用文献2ないし4にも記載されておらず、本願優先日前において周知技術であるともいえない。
したがって、相違点1について判断するまでもなく、本願発明1は、当業者であっても引用文献1ないし4に記載された発明に基いて容易に発明をすることができたものであるとはいえない。
2 本願発明2ないし6について
本願発明2ないし6は、本願発明1を減縮するものであり、本願発明1と同一の構成を備えるものであるから、本願発明1と同じ理由により、引用文献1に記載された発明ではなく、また、当業者であっても、引用文献1ないし4に記載された発明に基いて容易に発明をすることができたものであるとはいえない。
3 本願発明7について
本願発明7と引用発明とを対比すると、引用発明の「前部」の「最上部層22」は、本願発明7の「堅牢なカバー層」に相当する。
また、引用発明の「前部」の「有機エレクトロルミネセンス層」は、本願発明7の「前記カーブした内面に合致するフレキシブルディスプレイ層」に相当する。
その余の点については、前記「1 本願発明1について」の「(1)対比」で述べたとおりである。
よって、本願発明7と引用発明とは、以下の点において一致ないし相違する。
[一致点]
「 電子装置であって、
後部ガラス部及び側壁を有するハウジングと、
前記ハウジングにマウントされた有機発光ディスプレイと、
を備え、前記有機発光ディスプレイは当該有機発光ディスプレイに重畳し、カーブした部分を有する堅牢なカバー層を含み、前記カーブした部分はカーブした内面及び外面を有し、内部スペースは前記後部ガラス部及び前記堅牢なカバー層の間に配置され、電子的コンポーネントが前記内部スペース内にマウントされ、前記有機発光ディスプレイは前記カーブした内面に合致するフレキシブルディスプレイ層を含み、前記有機発光ディスプレイは前記堅牢なカバー層を通して画像を表示する、電子装置。」
[相違点]
<相違点7-1>
共通点の「有機発光ディスプレイ」が、本願発明7では、「有機発光ダイオードディスプレイ」であるのに対し、引用発明の「有機エレクトロルミネセンス材質」は、
「ITO導電層23とAl導電層24の間には、1つまたは複数のエレクトロルミネセンス材質、例えばLEPまたはAlqの層25および26が配置され、LEPまたはAlq材質が使用されている場合、ホール伝送および電子伝送層がそれぞれLEPまたはAlq層の上面および底面上に含まれ、
層23および24内のエッチングされた「ワイヤ」に掛かる電圧または電流は、2本の「ワイヤ」の交点でその電圧に曝されているエレクトロルミネセンス材質の合成層25/26の領域から光を発生させ」
との構成を備えるものの、「有機発光ダイオードディスプレイ」を構成するものとは具体的に特定していない点。
<相違点7-2>
本願発明7は、「前記有機発光ダイオードディスプレイは」「前記後部ガラス部を通して表示しない」との構成を備えるのに対し、引用発明においては、そのような構成が特定されていない点。
本願発明7と引用発明との間には、上記相違点7-1及び7-2があり、少なくとも相違点7-2は形式的なものではなく実質的なものであるから、本願発明7は、引用文献1に記載された発明ではない。
また、事案に鑑みて、上記相違点7-2について先に検討するに、引用発明は、前記「1 本願発明1について」の(1)オより、「有機エレクトロルミネセンス層」を含む「外郭のセグメント21」の「最上部層22」が、「ガラス」である場合を含むものの、「有機エレクトロルミネセンス層」(「フレキシブルディスプレイ層」)が「後部」(「ハウジング」)へ延在することなく、「最上部層22」(「堅牢なカバー層」)のみが「後部」(「ハウジング」)まで延在することを開示するものではない(令和3年12月8日提出の意見書第3頁の「オ.」欄参照のこと。)。そして、引用発明において、相違点7-2に係る本願発明7の構成とするために、「有機エレクトロルミネセンス層」(「フレキシブルディスプレイ層」)が「後部」(「ハウジング」)へ延在することなく、「最上部層22」(「堅牢なカバー層」)のみが「後部」(「ハウジング」)まで延在するように構成することは、上記引用文献2ないし4にも記載されておらず、本願優先日前において周知技術であるともいえない。
したがって、相違点7-1について判断するまでもなく、本願発明7は、当業者であっても引用文献1ないし4に記載された発明に基いて容易に発明をすることができたものであるとはいえない。
4 本願発明8ないし15について
本願発明8ないし15は、本願発明7を減縮するものであり、本願発明7と同一の構成を備えるものであるから、本願発明7と同じ理由により、引用文献1に記載された発明ではなく、また、当業者であっても、引用文献1ないし4に記載された発明に基いて容易に発明をすることができたものであるとはいえない。
5 本願発明16について
前記「1 本願発明1について」の「(1)対比」及び前記「3 本願発明7について」を参酌すれば、本願発明16と引用発明とは、以下の点において一致ないし相違するといえる。
[一致点]
「 少なくとも前面及び後面を有する電子装置において、
側壁及び後部ガラス部を備えるハウジングであって、前記電子装置の後面の少なくとも一部を形成するハウジングと、
有機発光ディスプレイであって、前記有機発光ディスプレイは、堅牢なカバー層を通して画像を表示し、前記堅牢なカバー層は前記側壁に接するカーブした部分を備え、前記カーブした部分はカーブした内面と外面を有し、前記有機発光ダイオードディスプレイは、前記カーブした内面に合致するように曲げられたフレキシブルディスプレイ層を含む、有機発光ディスプレイと、
前記後部ガラス部と前記堅牢なカバー層との間に介在された電子コンポーネントと、
を備える、電子装置。」
[相違点]
<相違点16-1>
共通点の「有機発光ディスプレイ」が、本願発明16では、「有機発光ダイオードディスプレイ」であるのに対し、引用発明の「有機エレクトロルミネセンス材質」は、
「ITO導電層23とAl導電層24の間には、1つまたは複数のエレクトロルミネセンス材質、例えばLEPまたはAlqの層25および26が配置され、LEPまたはAlq材質が使用されている場合、ホール伝送および電子伝送層がそれぞれLEPまたはAlq層の上面および底面上に含まれ、
層23および24内のエッチングされた「ワイヤ」に掛かる電圧または電流は、2本の「ワイヤ」の交点でその電圧に曝されているエレクトロルミネセンス材質の合成層25/26の領域から光を発生させ」
との構成を備えるものの、「有機発光ダイオードディスプレイ」を構成するものとは具体的に特定していない点。
<相違点16-2>
本願発明16は、「前記有機発光ダイオードディスプレイは」「堅牢なカバー層を通して画像を表示し、前記後部ガラス部を通して表示せず」との構成を備えるのに対し、引用発明においては、そのような構成が特定されていない点。
本願発明16と引用発明との間には、上記相違点16-1及び16-2があり、少なくとも相違点16-2は形式的なものではなく実質的なものであるから、本願発明16は、引用文献1に記載された発明ではない。
また、事案に鑑みて、上記相違点16-2について先に検討するに、引用発明は、前記「1 本願発明1について」の(1)オより、「有機エレクトロルミネセンス層」を含む「外郭のセグメント21」の「最上部層22」が、「ガラス」である場合を含むものの、「有機エレクトロルミネセンス層」(「フレキシブルディスプレイ層」)が「後部」(「ハウジング」)へ延在することなく、「最上部層22」(「堅牢なカバー層」)のみが「後部」(「ハウジング」)まで延在することを開示するものではない(令和3年12月8日提出の意見書第3頁の「オ.」欄参照のこと。)。そして、引用発明において、相違点16-2に係る本願発明16の構成とするために、「有機エレクトロルミネセンス層」(「フレキシブルディスプレイ層」)が「後部」(「ハウジング」)へ延在することなく、「最上部層22」(「堅牢なカバー層」)のみが「後部」(「ハウジング」)まで延在するように構成することは、上記引用文献2ないし4にも記載されておらず、本願優先日前において周知技術であるともいえない。
したがって、相違点16-1について判断するまでもなく、本願発明16は、当業者であっても引用文献1ないし4に記載された発明に基いて容易に発明をすることができたものであるとはいえない。
6 本願発明17ないし19について
本願発明17ないし19は、本願発明16を減縮するものであり、本願発明16と同一の構成を備えるものであるから、本願発明16と同じ理由により、引用文献1に記載された発明ではなく、また、当業者であっても、引用文献1ないし4に記載された発明に基いて容易に発明をすることができたものであるとはいえない。
7 小括
以上のとおりであるから、本願発明1ないし19は、引用文献1に記載された発明ではなく、また、当業者であっても、引用文献1ないし4に記載された発明に基いて容易に発明をすることができたものであるとはいえないから、当審拒絶理由3の理由1(新規性)及び理由2(進歩性)は、いずれも解消した。
第9 当審拒絶理由2についての判断
1 理由1(サポート要件)について
本件補正により、請求項20は削除され、また、本件補正後の請求項16及び19に係る発明は、「前記2つのカーブしている側壁面は前記電子装置の前面とは異なる曲率を有し、滑らかな連続的な面を形成するように前記ハウジング及び前記堅牢なカバー層は前記2つのカーブしている側壁面の各々において接する」との構成を有さないものとなった。
よって、請求項16ないし19に係る発明は、発明の詳細な説明に記載したものであり、理由1(サポート要件)は、解消した。
2 理由2(明確性要件)について
本件補正により、請求項19に係る発明は、「前記前面及び後面は前記電子装置の対向する外面を形成し、前記ディスプレイは前記前面をカバーする第1の部分を含み」及び「前記電子コンポーネントは前記ディスプレイの前記第1及び第2の部分の間に配置される」との構成を有さないものとなった。
よって、請求項19に係る発明は、明確であり、理由2(明確性要件)は、解消した。
3 理由3(進歩性)について
前記「第8」で述べたように、本願発明1ないし19は、当業者であっても、引用文献1ないし4に記載された発明に基いて容易に発明をすることができたものであるとはいえない以上、当業者が、引用文献1ないし3に記載された発明に基いて容易に発明をすることができたものとはいえない。
よって、理由3(進歩性)は、解消した。
第10 当審拒絶理由1についての判断
1 本願発明1について
(1)対比
本願発明1と引用発明3を対比する。
ア 引用発明3の「携帯端末装置100」は、「電子装置」といい得るものである。
また、引用発明3において、「表示部110」が配置された「筐体の1つの面」は、本願発明1の「前部外面」に相当する。
また、引用発明3は、「筐体の外形は、表示部110が湾曲する方向を含む断面の形状」が「略楕円形」となっているため、「筐体の1つの面」と対向する、「筐体の他方の面」を備えているといえ、この面は、本願発明1の「後部外面」に相当する。
よって、引用発明3の「携帯端末装置100」は、本願発明1の「対向する前部外面及び後部外面を有する電子装置」に相当する。
イ 引用発明3において、「筐体の他方の面」と「端部部材114、116」は、、「表示部110」が配置(マウント)される「ハウジング」といい得るものであり、また、「携帯端末装置100」の「側壁」(の一部)と「後部外面」をなすものである。
よって、引用発明3の「筐体の他方の面」及び「端部部材114、116」と、本願発明1の「側壁及び前記電子装置の後部外面の少なくとも一部を形成する後部ガラス部を有するハウジング」とは、「側壁及び前記電子装置の後部外面を有するハウジング」である点において共通する。
ウ 引用発明3において、「表示部110」を構成する「有機ELディスプレイ」と、本願発明1の「有機発光ダイオードディスプレイ」とは、「有機発光ディスプレイ」である点において共通する。
また、引用発明3の「有機ELディスプレイ」は、電圧の印加により発光する有機物の層で構成されることは本願優先日前の技術常識であり、当該層と、本願発明1の「フレキシブルディスプレイ層」とは、「ディスプレイ層」である点において共通する。
よって、前記イを参酌すれば、引用発明3の「有機ELディスプレイ」で構成される「表示部110」と、本願発明1の「前記ハウジングにマウントされ、フレキシブルディスプレイ層及びガラスカバー層を有する有機発光ダイオードディスプレイ」とは、「前記ハウジングにマウントされ、ディスプレイ層を有する有機発光ディスプレイ」である点において共通する。
エ 引用発明3の「筐体の他方の面」と、これに対向する「筐体の1つの面」は、その両端に「端部部材114、116」が備えられる「筒」を構成することから、両者の間には内部スペースが包含されるものと認められる。
また、本願発明1の「前記後部ガラス部及び前記ガラスカバー層の間に内部スペースが包含され」ることは、「後部ガラス部」がその一部を形成する「後部外面」と「ガラスカバー層」がその一部を形成する「前部外面」との間に「内部スペース」が包含されることに等しい。
よって、引用発明3と、本願発明1の「前記後部ガラス部及び前記ガラスカバー層の間に内部スペースが包含され」ることとは、「前記後部外面及び前記前部外面の間に内部スペースが包含され」ることという共通の構成を備える。
オ 引用発明3において、「筐体の外形」は「表示部110が湾曲する方向を含む断面の形状が略楕円形」であるから、「表示部110」は全体的にカーブしており、そうすると、「筐体の他方の面」の側壁と接する「カーブした部分」を有しているといえる。
また、本願発明1において、「前記ガラスカバー層」が「前記側壁に接するカーブした部分」を有することは、「前記ガラスカバー層」がその一部を形成する「前部外面」が「前記側壁に接するカーブした部分」を有することに等しい。
また、当該「カーブした部分」が「カーブした外面と内面」を有することは自明である。
よって、引用発明3と、本願発明1の「前記ガラスカバー層は前記側壁に接するカーブした部分を有し、前記カーブした部分はカーブした内面と外面を有し」との構成とは、「前記前部外面は前記側壁に接するカーブした部分を有し、前記カーブした部分はカーブした内面と外面を有し」との共通の構成を備える。
カ 引用発明3のものが、「後部外面」を通して画像を表示しないことは、「携帯端末装置100」の構造からして自明である。
また、本願発明1の「前記有機発光ダイオードディスプレイは前記ガラスカバー層を通して画像を表示し、前記後部ガラス部を通して表示しない」は、「前記有機発光ダイオードディスプレイは前記前部外面を通して画像を表示し、前記後部外面を通して表示しない」ともいえる。
よって、引用発明3と、本願発明1の「前記有機発光ダイオードディスプレイは前記ガラスカバー層を通して画像を表示し、前記後部ガラス部を通して表示しない」とは、「前記有機発光ディスプレイは前記前部外面を通して画像を表示し、前記後部外面を通して表示しない」との共通の構成を備える。
キ 前記ウないしカより、引用発明3の「有機ELディスプレイ」で構成される「表示部110」と、本願発明1の「前記ハウジングにマウントされ、フレキシブルディスプレイ層及びガラスカバー層を有する有機発光ダイオードディスプレイであって、前記ガラスカバー層は前記フレキシブルディスプレイ層に重畳し、前記電子装置の前部外面の少なくとも一部を形成し、前記後部ガラス部及び前記ガラスカバー層の間に内部スペースが包含され、前記ガラスカバー層は前記側壁に接するカーブした部分を有し、前記カーブした部分はカーブした内面と外面を有し、前記有機発光ダイオードディスプレイは前記ガラスカバー層を通して画像を表示し、前記後部ガラス部を通して表示しない、有機発光ダイオードディスプレイ」とは、「前記ハウジングにマウントされ、ディスプレイ層を有する有機発光ディスプレイであって、前記後部外面及び前記前部外面の間に内部スペースが包含され、前記前部外面は前記側壁に接するカーブした部分を有し、前記カーブした部分はカーブした内面と外面を有し、前記有機発光ディスプレイは前記前部外面を通して画像を表示し、前記後部外面を通して表示しない、有機発光ディスプレイ」との点において共通する。
ク 引用発明3の「制御部200」により制御され「中央処理装置(CPU)を含む半導体集積回路」は、本願発明1の「電子的コンポーネント」に相当する。
よって、引用発明3の「中央処理装置(CPU)を含む半導体集積回路」と、本願発明1の「前記内部スペース内にマウントされる電子的コンポーネント」とは、「電子的コンポーネント」である点において共通する。
(2)一致点、相違点
したがって、本願発明1と引用発明3とは、次の点において一致ないし相違する。
[一致点]
「 対向する前部外面及び後部外面を有する電子装置であって、
側壁及び前記電子装置の後部外面を有するハウジングと、
前記ハウジングにマウントされ、ディスプレイ層を有する有機発光ディスプレイであって、前記後部外面及び前記前部外面の間に内部スペースが包含され、前記前部外面は前記側壁に接するカーブした部分を有し、前記カーブした部分はカーブした内面と外面を有し、前記有機発光ディスプレイは前記前部外面を通して画像を表示し、前記後部外面を通して表示しない、有機発光ディスプレイと、
電子的コンポーネントと、
を備える、電子装置。」
[相違点]
<相違点a>
本願発明1は、「前記電子装置の後部外面の少なくとも一部を形成する後部ガラス部」を備えるのに対し、引用発明3においては、「筐体の他方の面」の少なくとも一部が(後部)ガラスにより形成されることについて具体的に特定していない点。
<相違点b>
「有機発光ディスプレイ」が、本願発明1は、「有機発光ダイオードディスプレイ」であるのに対し、引用発明3の「有機ELディスプレイ」で構成される「表示部110」は、「有機発光ダイオード」で構成されたものと具体的に特定されていない点。
<相違点c>
「有機発光ディスプレイ」を構成する「ディスプレイ層」が、本願発明1は、「フレキシブルディスプレイ層」であるのに対し、引用発明3の「有機ELディスプレイ」は、フレキシブルな層として具体的に特定されていない点。
<相違点d>
本願発明3は、「フレキシブルディスプレイ層」に重畳する「ガラスカバー層」を有するのに対し、引用発明3においては、「有機ELディスプレイ」で構成される「表示部110」が当該「ガラスカバー層」を備えることについて具体的に特定されていない点。
(3)相違点についての判断
上記相違点aについて検討する。
まず、引用文献5に記載された技術的事項は、「フラットなデザイン」を前提として、「前面だけでなく背面にもガラスが使われ」るものであるから、「断面の形状が略楕円形」を備えるデザインの携帯端末装置に係る引用発明3に適用することには技術的な阻害要因があるというべきである。
また、引用文献1に記載された技術的事項(引用発明)は、「有機エレクトロルミネセンス層」(「フレキシブルディスプレイ層」)が「後部」(「ハウジング」)へ延在することなく、「最上部層22」(「ガラスカバー層」)のみが「後部」(「ハウジング」)まで延在することを開示するものではないから、仮に、引用発明3に引用文献1に記載された技術的事項を適用しても、相違点aに係る本願発明1の構成には至らない。
したがって、他の相違点について検討するまでもなく、本願発明1は、当業者であっても引用文献3、5及び1に記載された発明に基いて容易に発明をすることができたものであるとはいえない。
2 本願発明2ないし6について
本願発明2ないし6は、本願発明1を減縮するものであり、本願発明1と同一の構成を備えるものであるから、本願発明1と同じ理由により、当業者であっても、引用文献3、5及び1に記載された発明に基いて容易に発明をすることができたものであるとはいえない。
3 本願発明7ないし19について
本願発明7及び16は、上記相違点aに係る本願発明1の構成に対応する技術的事項を備えるものであり、本願発明8ないし15は、本願発明7を減縮するものであり、本願発明17ないし19は本願発明16を減縮するものであるから、本願発明7ないし19は、本願発明1と同じ理由により、当業者であっても、引用文献3、5及び1に記載された発明に基いて容易に発明をすることができたものであるとはいえない。
4 小括
以上のとおりであるから、本願発明1ないし19は、当業者であっても、引用文献3、5及び1に記載された発明に基いて容易に発明をすることができたものであるとはいえないから、当審拒絶理由1は、解消した。
第11 原査定についての判断
本件補正後の請求項1ないし6に係る発明は、「フレキシブルディスプレイ層及びガラスカバー層を有する有機発光ダイオードディスプレイであって、前記ガラスカバー層は前記フレキシブルディスプレイ層に重畳し」との構成を含み、「ガラスカバー層」を「ディスプレイ」とは別に設ける態様とはなっておらず、かつ、当初明細書等に記載された事項の範囲内のものである。
よって、原査定の理由は解消した。
第12 むすび
以上のとおり、原査定の理由によって、本願を拒絶することはできない。
他に本願を拒絶すべき理由を発見しない。
よって、結論のとおり審決する。
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2019-016990