特許拒絶査定不服審判
2019-008659
印刷制御装置、印刷制御装置の制御方法、及びプリンタドライバプログラム
- 審判番号
- 2019-008659
- 法域
- 特許
- 審判種別
- 拒絶査定不服審判(拒絶査定不服の審決)
- 出願番号
- 特願2015-104722外部サイト(J-PlatPat)へ移動します
- 請求日
- 2019年06月28日
- 審決日
- 2020年09月24日
- 公報発行日
- 2020年11月27日
- 結論
- 原査定取消(特許/登録すべき)
- 分類
- P18 .121-WY (G06F)
- 条文(本文から自動抽出・参考)
- 特許法第29条第2項
- データ出所
- 審決公報(SGML)
事件の表示
特願2015-104722「印刷制御装置、印刷制御装置の制御方法、及びプリンタドライバプログラム」拒絶査定不服審判事件〔平成28年12月22日出願公開、特開2016-218854、請求項の数(8)〕について、次のとおり審決する。
結論
【結 論】
原査定を取り消す。
本願の発明は、特許すべきものとする。
理由
【理 由】
第1.手続きの経緯
本願は、平成27年5月22日の出願であって、平成30年11月9日付けで拒絶理由通知がされ、平成31年1月10日に意見書が提出されるとともに手続補正がなされたが、平成31年3月26日付けで拒絶査定(原査定)がされ、これに対し、令和元年6月28日に拒絶査定不服審判の請求がなされたものである。
第2.原査定の概要
原査定(平成31年3月26日付け拒絶査定)の概要は次のとおりである。
本願の請求項1-2、7-8に係る発明は、以下の引用文献1、2に基づいて、また、本願の請求項3-6に係る発明は、以下の引用文献1-3に基づいて、その発明の属する技術の分野における通常の知識を有する者(以下、「当業者」という。)が容易に発明できたものであるから、特許法第29条第2項の規定により特許を受けることができない。
引用文献等一覧
1.特開2006-85359号公報
2.特開2013-110470号公報
3.特開2001-344051号公報
第3 本願発明
本願の請求項1-8に係る発明(以下、それぞれ「本願発明1」-「本願発明8」という。)は、平成31年1月10日になされた手続補正で補正された特許請求の範囲の請求項1-8に記載された事項により特定される発明であり、本願発明1は以下のとおりの発明である。
「【請求項1】
印刷装置に接続される印刷制御装置であって、
表示装置の表示を制御するための表示制御手段と、
前記表示装置に表示される画面に対する操作を受付けるための受付手段と、
前記受付手段が受付けた操作に応じて、前記印刷装置で実行される機能の条件設定を行なうための設定手段と、を含み、
前記表示制御手段は、
前記印刷装置が実行可能な機能の条件を選択して設定するための操作項目を含む基本設定画面を表示するよう、前記表示装置の表示を制御するための第1の表示制御手段と、
前記基本設定画面において、前記操作項目に対する第1の操作を前記受付手段が受付けたことに応答して、前記基本設定画面に代えて、操作された前記操作項目で設定される機能の詳細な条件を設定するための詳細設定画面を表示するよう、前記表示装置の表示を制御するための第2の表示制御手段と、を含み、
前記設定手段は、前記操作項目に対する前記第1の操作とは異なる第2の操作を前記受付手段が受付けたことに応答して、当該操作項目の操作により選択された条件を設定するための条件設定手段を含む、印刷制御装置。」
なお、本願発明2-8の概要は以下のとおりである。
本願発明2は、本願発明1を減縮した発明である。
本願発明3は、本願発明1又は2を減縮した発明である。
本願発明4は、本願発明3を減縮した発明である。
本願発明5は、本願発明4を減縮した発明である。
本願発明6は、本願発明1~5のいずれかを減縮した発明である。
本願発明7は、本願発明1に対応する方法の発明であり、本願発明1とカテゴリ表現が異なるだけの発明である。
本願発明8は、本願発明1に対応するプログラムの発明であり、本願発明1とカテゴリ表現が異なるだけの発明である。
第4 引用文献、引用発明等
1.引用文献1について
原査定の拒絶の理由に引用された上記引用文献1には、図面とともに次の事項が記載されている(下線は、当審付与。以下同様。)。
(1)
「【0019】
以下、本発明を具体的に説明する。
図1には本例に係るユーザインタフェース装置の構成を示してあり、図2には当該ユーザインタフェース装置を適用した複写機能、プリンタ機能、ファクシミリ機能を備えた複合機を示してある。
本例のユーザインタフェース装置1は、ユーザに対して情報を表示し、また、ユーザからの操作入力を受け付けるために複合機2に設けられており、複合機2の種々な機能処理がユーザインタフェース装置1からの操作によって設定される。
【0020】
なお、図2に示す複合機2は情報を表示出力する画面(表示部)11の他に、番号キーボタン等の操作手段3を備えているが、以下の説明では、本例のユーザインタフェース装置1は、表示部11の画面上に重ねて設けられた透過性のタッチパネル12によりユーザからの操作入力を受け付けて動作する場合とする。
すなわち、本例のユーザインタフェース装置1は、液晶パネルからなる画面を表示部11として備え、当該画面11上にユーザからの操作入力を受け付ける操作ボタンを構成するタッチパネル(操作部)12を備えている。」
(2)
「【0021】
ユーザインタフェース装置1は、更に、操作ボタンの押下時間と予め設定された所定時間とに基づいて表示部の画面11への表示処理に係る判定を行う判定部13、画面11への設定メニューやガイド情報に係る表示処理を行う表示処理部14、画面11に表示する設定メニューやガイド情報等の表示用データを保持する記憶部15を備えている。
また、判定部13は操作ボタンの押下時間を計時するタイマ16を有している。また、表示処理部14は、画面11でのガイド情報の表示時間を計時するタイマ17、画面11における設定メニューやガイド情報の表示態様を切り換える表示切り換え部18、画面11に透過表示するガイド情報の情報内容記述部分を抽出する部分表示部19を有している。
なお、図1において20は複合機2へ設定処理を行う実処理部であり、判定部13が操作ボタンからの操作入力が複合機2への設定操作と判定した場合に、当該操作入力に応じた機能の設定処理を行う。」
(3)
「【0022】
次に、図3~図6を参照して、本例のユーザインタフェース装置1による関連する設定メニューの透過表示処理を説明する。
まず、表示処理部14が記憶部15の表示用データに基づいて画面11に設定メニューを表示している状態において、当該設定メニュー中の項目に対してタッチパネル12の操作ボタン領域がユーザによって押下されると(ステップS1)、タイマ16が当該押下時間を計時する(ステップS2)。」
(4)
「【0023】
例えば、図4に示すように文書保存先の指定に係る「基本スキャン」の設定メニュー21を画面11に表示している状態において、当該設定メニュー21に含まれる項目(文書の保存先を設定するための「メール」「親展ボックス」、カラーモードを設定するための「フルカラー」「白黒」「白黒(写真)、」、読取解像度を設定するための「200dpi」「400dpi」「600dpi」)に対応するタッチパネル12の操作ボタン領域が押下されると、当該押下時間が計時される。
【0024】
上記の計時により、予め設定されている第1所定時間(例えば、1秒間)以上で連続して操作ボタンが押下(長押し)されている場合には、判定部13が関連する他の設定メニューの透過表示することを判定する(ステップS2)。この判定に応じて、表示処理部14が記憶部15から表示用データを取得して(ステップS3)、当該画面表示されている設定メニュー21の次に表示するように関連付けられている他の設定メニュー(次ぎのページ)22を当該設定メニューに重ねて画面11に透過表示する(ステップS4)
【0025】
例えば、図4に示すように設定メニュー21が画面11に表示されている状態において、設定項目「メール」に対して操作ボタンが第1所定時間以上にわたって押下されると、図5に示すように、設定事項の記入欄「宛先」「件名」「返信先」、操作ボタン項目「ヘルプ」「アドレス帳」「閉じる」を含んだ次ぎの設定メニュー22が設定メニュー21に重ねて画面11に透過状態で表示される。
したがって、ユーザは設定項目「メール」を選択した場合に次ぎにどのような項目の設定を行うかを知ることができ、設定メニュー間の関連を認知した上で的確な設定操作を行うことができる。」
(5)
「【0027】
上記のように透過表示している状態で、操作ボタンが更に長押しされている場合には、当該押下時間をタイマ16が継続して計時し、予め設定されている第1所定時間以上の第2所定時間(例えば、3秒間)以上で連続して操作ボタンが押下(長押し)されている場合には、判定部13が当該操作ボタンによる設定項目に対するユーザの操作入力と判定し(ステップS5)、当該判定に応じて、実処理部20が操作入力に従った設定処理を行い(ステップS6 )、表示処理部14が記憶部15から表示用データを取得して表示されている設定メニューを次の設定メニューに切り換えて画面11に表示する(ステップS7)。
【0028】
例えば、図5に示すように次ぎの設定メニュー22が設定メニュー21に重ねて画面11に透過で表示される状態で、設定項目「メール」の操作ボタンが更に長押しされると、図6に示すように、画面11の表示は次ぎの設定メニュー22に切り換えられる。
したがって、ユーザは設定項目を選択した場合に、第1と第2の所定時間の間(例えば、2秒間)の間で次ぎにどのような項目の設定を行うかを知ることができ、当該操作ボタンの押下を更に継続することで次ぎの設定メニューの画面表示に切り換えることができる。」
(6)
「【0029】
上記の処理において、第1所定時間未満で操作ボタンの押下が終了した場合には(ステップS2)、判定部13が当該操作ボタンによる設定項目に対するユーザの操作入力と判定し、当該判定に応じて、実処理部20が操作入力に従った設定処理を行い(ステップS8)、表示処理部14が記憶部15から表示用データを取得して(ステップS9)、表示されている設定メニューを次の設定メニューに切り換えて画面11に表示する(ステップS7)。
したがって、第1所定時間未満の短時間の押下操作によって、画面11に表示される設定メニューを順次切り換えながら設定を行う操作を迅速に行うことができる。
【0030】
また、上記の処理において、第1所定時間以上で第2所定時間に達するまでの間に、操作ボタンの押下が終了した場合には(ステップS5)、表示処理部14が次ぎの設定メニュー22の透過表示を終了し(ステップS10)、画面11に設定メニュー21を表示して操作ボタンの入力待ち状態に復帰する(ステップS1)。
したがって、ユーザは操作ボタンを第1所定時間以上で長押し、次ぎの設定メニューが透過表示されたところで操作ボタンから指を離すといった作法を行うことで、次ぎの設定メニューの内容を透過表示させて容易に知ることができる。」
(7)
「【図4】
【図5】
【図6】
」
したがって、上記引用文献1には次の発明(以下、「引用発明」という。)が記載されていると認められる。
「ユーザインタフェース装置を適用した複写機能、プリンタ機能、ファクシミリ機能を備えた複合機において、ユーザインタフェース装置1は、ユーザに対して情報を表示し、また、ユーザからの操作入力を受け付けるために複合機2に設けられており、複合機2の種々な機能処理がユーザインタフェース装置1からの操作によって設定され、(【0019】)
複合機2は情報を表示する画面(表示部)11を備え、ユーザインタフェース装置1は、表示部11の画面上に重ねて設けられた透過性のタッチパネル12によりユーザからの操作入力を受け付けて動作し、すなわち、ユーザインタフェース装置1は、液晶パネルからなる画面を表示部11として備え、当該画面11上にユーザからの操作入力を受け付ける操作ボタンを構成するタッチパネル(操作部)12を備え、(【0020】)
ユーザインタフェース装置1は、更に、操作ボタンの押下時間と予め設定された所定時間とに基づいて表示部の画面11への表示処理に係る判定を行う判定部13、画面11への設定メニューに係る表示処理を行う表示処理部14、画面11に表示する設定メニュー等の表示用データを保持する記憶部15を備え、
また、判定部13は、操作ボタンの押下時間を計時するタイマ16を有し、前記表示処理部14は、画面11における設定メニューの表示態様を切り替える表示切り換え部18を有しており、
また、複合機2へ設定処理を行う実処理部20は、判定部13が操作ボタンからの操作入力が複合機2への設定操作と判定した場合に、当該操作入力に応じた機能設定を行い、(【0021】)
表示処理部14が記憶部15の表示用データに基づいて画面11に設定メニューを表示している状態において、例えば、文書保存先の指定に係る「基本スキャン」の設定メニュー21を画面11に表示している状態において、当該設定メニュー21に含まれる項目(文書の保存先を指定するための「メール」「親展ボックス」、カラーモードを設定するための「フルカラー」「白黒」「白黒(写真)、」、読取解像度を設定するための「200dpi」「400dpi」「600dpi」)に対応するタッチパネル12の操作ボタン領域が押下されると、当該押下時間が計時され、(【0022】~【0023】)
上記計時により、予め設定されている第1所定時間(例えば、1秒間)以上で連続して操作ボタンが押下(長押し)されている場合には、判定部13が関連する他の設定メニューの透過表示することを判定し、この判定に応じて、表示処理部14が記憶部15から表示用データを取得して、当該画面表示されている設定メニュー21の次に表示するように関連付けられている他の設定メニュー(次ぎのページ)22を当該設定メニューに重ねて画面11に透過表示するものであり、(【0024】)
例えば、設定メニュー21が画面11に表示されている状態において、設定項目「メール」に対して操作ボタンが第1所定時間以上にわたって押下されると、設定事項の記入欄「宛先」「件名」「返信先」、操作ボタン項目「ヘルプ」「アドレス帳」「閉じる」を含んだ次ぎの設定メニュー22が設定メニュー21に重ねて画面11に透過状態で表示され、(【0025】)
上記のように透過表示している状態で、操作ボタンが更に長押しされ、予め設定されている第1所定時間以上の第2所定時間(例えば、3秒間)以上で連続して操作ボタンが押下(長押し)されている場合には、判定部13が当該操作ボタンによる設定項目に対するユーザの操作入力と判定し、当該判定に応じて、実処理部20が操作入力に従った設定処理を行い、表示処理部14が記憶部15から表示用データを取得して表示されている設定メニューを次の設定メニューに切り換えて画面11に表示し、(【0027】)
例えば、次ぎの設定メニュー22が設定メニュー21に重ねて画面11に透過で表示される状態で、設定項目「メール」の操作ボタンが更に長押しされると、画面11の表示は次ぎの設定メニュー22に切り換えられ、(【0028】)
上記の処理において、第1所定時間未満で操作ボタンの押下が終了した場合には、判定部13が当該操作ボタンによる設定項目に対するユーザの操作入力と判定し、当該判定に応じて、実処理部20が操作入力に従った設定処理を行い、表示処理部14が記憶部15から表示用データを取得して、表示されている設定メニューを次の設定メニューに切り換えて画面11に表示し、(【0029】)
また、上記の処理において、第1所定時間以上で第2所定時間に達するまでの間に、操作ボタンの押下が終了した場合には、表示処理部14が次ぎの設定メニュー22の透過表示を終了し、画面11に設定メニュー21を表示して操作ボタンの入力待ち状態に復帰し、(【0030】)
上記画面11において「基本スキャン」の設定メニュー21から操作ボタンの操作により表示される「次の設定メニュー22」は、依然として、「基本スキャン」の設定メニューの画面のままであって、隣接するタブによって同時にその存在が図示されている「詳細設定」の画面に切り換えられていない、(【図4】、【図6】)
ユーザインタフェース装置1。」
2.引用文献2について
原査定の拒絶の理由に引用された上記引用文献2には、図面とともに次の事項が記載されている。
(8)
「【0031】
以下に説明する画像処理システムは、電子写真方式や静電記録方式などによって画像形成を行う画像形成装置(画像処理装置の一例)を含むシステムである。本実施の形態における画像形成装置は、スキャナ機能、ファクシミリ機能、複写機能、プリンタとしての機能、データ通信機能、およびサーバ機能を備えたMFPや、ファクシミリ装置、複写機、プリンタなどであってもよい。画像処理システムは、画像形成装置の代わりにPCやスキャナなどの画像処理装置を含むシステムであってもよい。」
(9)
「【0038】
携帯情報端末2は、CPU(Central Processing Unit)、RAM(Random Access Memory)、固定記憶装置、モニター、およびタッチ操作可能なLCD(Liquid Crystal Display)パネルなどを有する携帯型のコンピュータ装置である。携帯情報端末2によれば、電子化された文書を固定記憶装置内に蓄積して持ち運び、任意の場所において閲覧、編集を行うことが可能である。また携帯情報端末2は、無線通信部を有しており、画像形成装置1や情報処理装置3などとの間で文書の送受信を行うことができる。」
(10)
「【0057】
画像形成装置1は、画像形成装置1と通信可能な状態にある携帯情報端末2、および操作パネル130のうち少なくとも一方を通じて、画像形成装置1に関する各種の操作を受け付ける。画像形成装置1は、携帯情報端末2が画像形成装置1と通信不可能な状態にある場合に、画像形成装置1の操作に関する画面を操作パネル130に表示する。画像形成装置1は、携帯情報端末2が画像形成装置1と通信可能な状態にある場合に、画像形成装置1の操作に関する画面であって互いに関連する画面を、携帯情報端末2と操作パネル130との各々に表示する。具体的には、画像形成装置1は、画像形成装置1と通信可能な状態にある携帯情報端末2、および操作パネル130のうち一方を通じて操作を受け付けた場合に、受け付けた操作に他方の画面を連動させる。」
したがって、上記引用文献2には、スキャナ機能、ファクシミリ機能、複写機能、プリンタとしての機能などの画像形成装置と無線通信可能な携帯情報端末が、画像形成装置の操作に関する画面を表示し、画像形成装置に関する各種の操作を受け付けるという技術的事項が記載されていると認められる。
3.引用文献3について
原査定の拒絶の理由に引用された上記引用文献3には、図面とともに次の事項が記載されている。
(11)
「【0021】図1に示したように、第1実施形態に係る情報処理装置20は、CPU21とRAM23等の周辺機器とからなるコンピュータ本体11(ダイアログボックス表示手段、変更制御手段及び変更?度管理手段に相当),ディスプレイ12及び入力装置13を備えたコンピュータ10に、第1実施形態に係るコンピュータ可読媒体(CD-ROM)32に記録されたプリンタ30用のプリンタドライバ31をインストールした構成を有する。」
(12)
「【0025】図示してあるように、プリンタフォルダ内のプリンタアイコンの操作により、プリンタ30のプロパティDBの表示が指示された場合、CPU21は、当該プリンタアイコンに対応づけられてレジストリ内に記憶されている各種情報に基づき、表示すべきプロパティDBの内容を規定する情報(プリンタ30の動作条件に関する各項目(情報項目)の値、前面に表示するタブページを示す情報、入力フォーカスがあるコントロールを示す情報等からなる情報:以下、表示用情報と表記する)を特定し(RAM23上に記憶し)、特定した表示用情報に応じた内容のプロパティDBを、ディスプレイ12に表示させる(ステップS101)。
【0026】図3及び図4に、プリンタプロパティ変更処理時に表示されるプロパティDBの構成を示す。各図に示してあるように、プロパティDB40 1は、全般タブと詳細タブと基本設定タブ41と用紙設定タブ42とレイアウトタブ43とユーティリティタブ44とを有するタブページ部45,リスト領域46,OKボタン47,キャンセルボタン48等を備えている。」
(13)
「【0028】基本設定タブ41の選択によって表示される(最前面に出される)基本設定タブページには、図3に示してあるように、用紙種類を設定するための用紙種類ドロップダウンリストボックス51、印刷をカラーで行なうか否かを設定するためのカラーラジオボタン52及び黒ラジオボタン53、詳細設定ダイアログボックスを表示させるための設定変更ボタン54等が設けられている。ここで、詳細設定ダイアログボックスとは、印刷品質に関する設定を行なうための各種のコントロールが設けられたダイアログボックスのことである。」
(14)
「【0031】リスト領域46は、全般タブページ、詳細タブページが前面に出ているときは、表示されないが、基本設定タブページ、用紙設定タブページ、レイアウトタブページ及びユーティリティタブページのいずれかが前面に出ている場合には、表示されるもの(一種のリストボックス)となっている。
【0032】また、このリスト領域46は、内部に示されている項目情報の中に、入力フォーカスを有しているコントロールに関する項目情報があった場合には、その項目情報(図3では、“用紙種類光沢紙”、図4では、“拡大縮小 144%”)が反転表示されるように制御される領域となっている。さらに、リスト領域46は、ユーザが項目情報を選択できる領域ともなっている。項目情報が選択された場合のCPU21の動作については後述するが、各項目情報は、図5に模式的に示したように、項目情報に割り当てられている項目INDEXを介して、項目名,設定値,及び,項目を設定するためのコントロールが設けられているタブやダイアログボックス(DB)の識別情報に対応づけられている。換言すれば、情報処理装置20(プリンタドライバ31とレジストリ)は、図5に示したような構成の情報を管理している。」
(15)
「【0036】具体的には、この場合(ステップS103;タブ選択)、CPU21は、ディスプレイ12に表示させているプロパティDB401を、表示を指示されたタブページを前面に有し、当該タブページのデフォルトのコントロールに入力フォーカスがあるものに変更する(ステップS104)。なお、本実施形態では、デフォルトのコントロールを、各タブページの最も上側に位置しているコントロール(図4におけるラジオボタン61~63のようにグループ化されているコントロールでは、オンとされているコントロール)としてある。また、ステップS104では、必要である場合、リスト領域46内の、反転表示されている項目情報を通常の表示形態のものに変更する処理や、通常の形態で表示されていた項目情報を反転表示する処理も行なわれる。」
(16)
「【0043】一方、リスト領域46内の項目情報を選択する操作がなされたことを検出した場合(ステップS103;項目情報選択)、CPU21は、プロパティDB401を、選択された項目情報に対応するコントロールを含むタブページ或いはダイアログボックスが前面に示され、当該コントロールに入力フォーカスがあるものに変更する(ステップS105)。」
(17)
「【図3】
【図4】
」
したがって、上記引用文献3には、プリンタ30用のプリンタドライバ31をインストールした情報処理装置20において、当該情報処理装置20のディスプレイ12にプリンタプロパティDB40を表示し、当該プリンタプロパティDB40は、全般タブ、詳細タブ、基本設定タブ41等を備え、当該基本設定タブ41には、印刷品質に関する設定を行う詳細設定ダイアログボックスを表示させるための設定変更ボタン54等が設けられ、
当該基本設定タブ41のリスト領域46は、内部に示されている項目情報の中に、入力フォーカスを有しているコントロールに関する項目情報があった場合には、その項目情報が反転表示されるように制御される技術的事項、及び、当該リスト領域46内の項目情報がユーザによって選択されると、選択された項目情報に対応するコントロールを含むタブページ或いはダイアログボックスが前面に示され、当該コントロールに入力フォーカスがあるものに変更する技術的事項が、記載されていると認められる。
第5 対比・判断
1.本願発明1について
(1)対比
本願発明1と引用発明とを対比すると、次のことがいえる。
ア.引用発明の「複合機2」は、複写機能、プリンタ機能、ファクシミリ機能を備えており、これらは印刷する機能を備えることは自明であるから、本願発明1の「印刷装置」に相当する。
また、引用発明の「ユーザインタフェース装置1」は、前記「複合機2」に設けられ、当該「ユーザインタフェース装置1」からの操作によって前記「複合機2」の種々な機能処理が設定されるものであるから、本願発明1の「印刷装置に接続される印刷制御装置」とは、「印刷装置のための印刷制御装置」である点で共通するといえる。
イ.引用発明の「情報を表示する画面(表示部)11」は、本願発明1の「表示装置」に相当する。そして、引用発明の「表示処理部14」は、当該画面11への設定メニューに係る表示処理を行うことから、本願発明1の「表示装置の表示を制御するための表示制御手段」に相当する。
ウ.引用発明の「タッチパネル12」は、前記表示部11の画面上に重ねて設けられた、ユーザからの操作入力を受け付ける操作ボタンを構成することから、本願発明1の「前記表示装置に表示される画面に対する操作を受付けるための受付手段」に相当する。
エ.引用発明の「実処理部20」は、前記タッチパネルの操作ボタンからの操作入力に応じた機能の設定処理を行うことから、本願発明1に記載された「前記受付手段が受付けた操作に応じて、前記印刷装置で実行される機能の条件設定を行うための設定手段」に相当する。
オ.引用発明の「複合機2」に設けられた「ユーザインタフェース装置1」が備える「表示処理部14」が、画面11に、文書保存先の指定に係る「基本スキャン」の設定メニュー21を表示している状態において例示された「文書の保存先を指定するための「メール」「親展ボックス」、カラーモードを設定するための「フルカラー」「白黒」「白黒(写真)、」、読取解像度を設定するための「200dpi」「400dpi」「600dpi」」は、ユーザからの操作入力を受け付ける操作ボタンであって、当該操作入力に応じた機能の設定処理を行うための「設定項目」であるから、本願発明1の「前記印刷装置が実行可能な機能の条件を選択して設定するための操作項目」に相当する。そして、引用発明の「「基本スキャン」の設定メニュー21」は、上記の操作ボタンが表示された画面であるから、本願発明1の「基本設定画面」に相当する。
そして、引用発明の「表示処理部14」は、画面11に、文書保存先の指定に係る「基本スキャン」の設定メニュー21を表示している状態において、上記「文書の保存先を指定するための「メール」「親展ボックス」、カラーモードを設定するための「フルカラー」「白黒」「白黒(写真)、」、読取解像度を設定するための「200dpi」「400dpi」「600dpi」」を表示するための表示処理を行うことから、本願発明1に記載された「前記印刷装置が実行可能な機能の条件を選択して設定するための操作項目を含む基本設定画面を表示するよう、前記表示装置の表示を制御するための第1の表示制御手段」の機能を有するといえる。
カ.引用発明に記載された、画面11に「基本スキャン」の設定メニュー21を表示している状態において、当該設定メニュー21に含まれる項目の上記操作ボタンが予め設定されている第1所定時間(例えば、1秒間)以上連続して押下(長押し)されると、判定部13が関連する他の設定メニューの透過表示することを判定し、この判定に応じて、表示処理部14は、当該画面表示されている設定メニュー21の次に表示するように関連付けられている他の設定メニュー(次のページ)22を当該設定メニューに重ねて画面11に透過表示し、
例えば、前記設定メニュー21に含まれる設定項目「メール」に対して設定ボタンが第1所定時間以上にわたって押下されると、設定事項の記入欄「宛先」「件名」「返信先」、操作ボタン項目「ヘルプ」「アドレス帳」「閉じる」を含んだ次ぎの設定メニュー22が設定メニュー21に重ねて画面11に透過状態で表示され、
当該透過表示している状態で、操作ボタンが更に長押しされ、予め設定されている第1所定時間以上の第2所定時間(例えば、3秒間)以上で連続して操作ボタンが押下(長押し)されると、判定部13が当該操作ボタンによる設定項目に対するユーザの操作入力と判定し、当該判定に応じて、実処理部20が操作入力に従った設定処理を行い、表示処理部14は、表示されている設定メニューを次の設定メニュー22に切り換えて画面11に表示することから、
引用発明における「操作ボタンが予め設定されている第1所定時間(例えば、1秒間)以上連続して押下(長押し)され、操作ボタンが更に長押しされ、予め設定されている第1所定時間以上の第2所定時間(例えば、3秒間)以上で連続して操作ボタンが押下(長押し)される操作」は、本願発明1の「第1の操作」に相当する。
また、引用発明に記載された、操作ボタンを第1所定時間以上連続して押下されることで透過表示され、第1所定時間以上の第2所定時間以上連続して押下されることで、切り換えて表示される「他の設定メニュー(次のページ)22」は、本願発明1の「詳細設定画面」とは、「設定画面」である点で共通している。
さらに、引用発明に記載された、前記「他の設定メニュー(次のページ)22」は、例えば、設定項目「メール」の操作ボタンが上記第1所定時間以上の第2所定時間以上連続して押下されることで、切り換えて表示される項目であって、「設定事項の記入欄「宛先」「件名」「返信先」、操作ボタン項目「ヘルプ」「アドレス帳」「閉じる」を含んだ次の設定メニュー22」であることから、本願発明1の「操作された前記操作項目で設定される機能の詳細な条件を設定するための詳細設定画面」とは、「操作された前記操作項目で設定される機能の条件を設定するための設定画面」である点で共通している。
よって、引用発明の「表示処理部14」は、本願発明1の「前記基本設定画面において、前記操作項目に対する第1の操作を前記受付手段が受付けたことに応答して、前記基本設定画面に代えて、操作された前記操作項目で設定される機能の詳細な条件を設定するための詳細設定画面を表示するよう、前記表示装置の表示を制御するための第2の表示制御手段」とは、「前記基本設定画面において、前記操作項目に対する第1の操作を前記受付手段が受付けたことに応答して、前記基本設定画面に代えて、操作された前記操作項目で設定される機能の条件を設定するための設定画面を表示するよう、前記表示装置の表示を制御するための第2の表示制御手段」の機能を有する点で共通するといえる。
キ.引用発明に記載された、画面11に「基本スキャン」の設定メニュー21を表示している場合において、当該設定メニュー21に含まれる項目の上記操作ボタンが、第1所定時間未満で押下が終了した場合には、判定部13が当該操作ボタンによる設定項目に対するユーザの操作入力と判定し、当該判定に応じて、実処理部20が操作入力に従った設定処理を行い、表示処理部14は、表示されている設定メニューを次の設定メニューに切り換えて画面11に表示することから、
引用発明における「操作ボタンが第1所定時間未満で押下される操作」は、「第1所定時間以上の第2所定時間以上連続して押下される操作」とは異なるものであり、本願発明1の「前記第1の操作とは異なる第2の操作」に相当する。
また、引用発明の「実処理部20」は、第1所定時間未満で当該操作ボタンの押下が終了した場合、当該操作ボタンによる設定項目に対するユーザの操作入力との判定に応じて、当該操作入力に従った設定処理を行うことから、本願発明1の「前記操作項目に対する前記第1の操作とは異なる第2の操作を前記受付手段が受付けたことに応答して、当該操作項目の操作により選択された条件を設定するための条件設定手段」の機能を有するといえる。
したがって、本願発明1と引用発明との間には、次の一致点、相違点があるといえる。
<一致点>
「印刷装置のための印刷制御装置であって、
表示装置の表示を制御するための表示制御手段と、
前記表示装置に表示される画面に対する操作を受付けるための受付手段と、
前記受付手段が受付けた操作に応じて、前記印刷装置で実行される機能の条件設定を行なうための設定手段と、を含み、
前記表示制御手段は、
前記印刷装置が実行可能な機能の条件を選択して設定するための操作項目を含む基本設定画面を表示するよう、前記表示装置の表示を制御するための第1の表示制御手段と、
前記基本設定画面において、前記操作項目に対する第1の操作を前記受付手段が受付けたことに応答して、前記基本設定画面に代えて、操作された前記操作項目で設定される機能の条件を設定するための設定画面を表示するよう、前記表示装置の表示を制御するための第2の表示制御手段と、を含み、
前記設定手段は、前記操作項目に対する前記第1の操作とは異なる第2の操作を前記受付手段が受付けたことに応答して、当該操作項目の操作により選択された条件を設定するための条件設定手段を含む、印刷制御装置。」
<相違点>
(相違点1)
印刷装置に印刷制御装置は、本願発明1では、「接続される」のに対し、引用発明では、印刷装置の内部に「設けられる」点。
(相違点2)
基本設定画面において、操作項目に対する第1の操作を受付手段が受付けたことに応答して、基本設定画面に代えて、本願発明1では、操作された操作項目で設定される機能の「詳細な条件を設定するための詳細設定画面」を表示するのに対し、引用発明では、「条件を設定するための設定画面」を表示する点。
(2)相違点についての判断
事案に鑑み、上記相違点2について検討すると、引用発明の「「基本スキャン」の設定メニュー21」に含まれる設定項目「メール」に対して、「操作ボタンが予め設定されている第1所定時間(例えば、1秒間)以上連続して押下(長押し)され、操作ボタンが更に長押しされ、予め設定されている第1所定時間以上の第2所定時間(例えば、3秒間)以上で連続して操作ボタンが押下(長押し)される操作」がなされると、「次の設定メニュー22」に画面11が切り換えられるが、当該「次の設定メニュー22」は、引用発明においては、依然として、「基本スキャン」の設定メニューの画面のままであって、「基本スキャン」の画面において、隣接するタブによって同時にその存在が図示されている「詳細設定」の画面に切り換えられていないものである。
すなわち、引用発明の「次の設定メニュー22」には、設定事項の記入欄「宛先」「件名」「返信先」、操作ボタン項目「ヘルプ」「アドレス帳」「閉じる」を含む項目が表示されるが、これらの項目は、当該引用発明において、依然として「基本スキャン」の設定メニューに含まれる別の項目に過ぎないものであって、本願発明1のように、「詳細な条件を設定するための詳細設定画面」を表示する技術的事項とは異なるものである。
また、「第4 引用文献、引用発明等」の「2.引用文献2について」及び「3.引用文献3について」には、それぞれ引用文献2及び引用文献3に記載された技術的事項が示されているが、上記相違点2に係る本願発明1の「基本設定画面において、操作項目に対する第1の操作を受付手段が受付けたことに応答して、前記基本設定画面に代えて、操作された前記操作項目で設定される機能の詳細な条件を設定するための詳細設定画面を表示する」という構成は、上記いずれの引用文献にも記載されておらず、当業者といえども、引用発明、引用文献2及び引用文献3に記載された技術的事項から、相違点2に係る本願発明1の上記構成を容易に想到することはできない。
したがって、上記相違点1について判断するまでもなく、本願発明1は、当業者であっても、引用発明、引用文献2及び引用文献3に記載された技術的事項に基づいて容易に発明できたものとはいえない。
2.本願発明2-6について
本願発明2-6も、本願発明1の「基本設定画面において、操作項目に対する第1の操作を受付手段が受付けたことに応答して、前記基本設定画面に代えて、操作された前記操作項目で設定される機能の詳細な条件を設定するための詳細設定画面を表示する」構成と同一の構成を備えるものであるから、本願発明1と同じ理由により、当業者であっても、引用発明、引用文献2及び引用文献3に記載された技術的事項に基づいて容易に発明できたものとはいえない。
3.本願発明7について
本願発明7は、本願発明1に対応する方法の発明であり、本願発明1の「基本設定画面において、操作項目に対する第1の操作を受付手段が受付けたことに応答して、前記基本設定画面に代えて、操作された前記操作項目で設定される機能の詳細な条件を設定するための詳細設定画面を表示する」構成に対応する構成を備えるものであるから、本願発明1と同様の理由により、当業者であっても、引用発明、引用文献2及び引用文献3に記載された技術的事項について容易に発明できたものとはいえない。
4.本願発明8について
本願発明8は、本願発明1に対応するプログラムの発明であり、本願発明1の「基本設定画面において、操作項目に対する第1の操作を受付手段が受付けたことに応答して、前記基本設定画面に代えて、操作された前記操作項目で設定される機能の詳細な条件を設定するための詳細設定画面を表示する」構成に対応する構成を備えるものであるから、本願発明1と同様の理由により、当業者であっても、引用発明、引用文献2及び引用文献3に記載された技術的事項について容易に発明できたものとはいえない。
第6 むすび
以上のとおり、本願発明1-8は、当業者が引用発明、引用文献2及び引用文献3に記載された技術的事項に基づいて容易に発明をすることができたものではない。したがって、原査定の理由によっては、本願を拒絶することはできない。
また、他に本願を拒絶すべき理由を発見しない。
よって、結論のとおり審決する。
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2019-008659