特許無効審判
2018-800048
ポリオレフィン系延伸フィルムの製造方法および該方法により製造されたポリオレフィン系延伸フィルム
- 審判番号
- 2018-800048
- 法域
- 特許
- 審判種別
- 無効審判(無効の審決)
- 出願番号
- 特願2014-520113
- 登録番号
- 5934355
- 請求日
- 2018年04月26日
- 審決日
- 2021年05月10日
- 公報発行日
- 2022年01月28日
- 結論
- 訂正認容
- 当事者
- 【請求人】株式会社 ユポ・コーポレーション
- 【請求人代理人】柳下 彰彦
- 【請求人代理人】篠田 淳郎
- 【被請求人】ヨウル チョン ケミカル カンパニー,リミテッド
- 【被請求人代理人】青木 篤
- 【被請求人代理人】三橋 真二
- 【被請求人代理人】胡田 尚則
- 【被請求人代理人】出野 知
- 【被請求人代理人】高橋 正俊
- 審判長/審判官
- 審判長 近野 光知
- 審判官 細井 龍史
- 審判官 植前 充司
- 分類
- P1123.121-YAA(B29C) / P1123.4 -YAA(B29C) / P1123.851-YAA(B29C)
- 根拠条文(結論部分から自動抽出・参考)
- 特許法29条2項特許法39条1項特許法123条1項2号特許法126条特許法134条の2第1項特許法134条の2第9項特許法135条特許法169条2項民事訴訟法62条
- 条文(本文から自動抽出・参考)
- 特許法第134条の2第1項、特許法第29条第2項、特許法第39条第1項、特許法第135条、特許法第169条第2項
- データ出所
- 審決公報(XML)
事件の表示
上記当事者間の特許第5934355号「ポリオレフィン系延伸フィルムの製造方法および該方法により製造されたポリオレフィン系延伸フィルム」の特許無効審判事件についてされた平成31年 4月15日付け審決に対し、知的財産高等裁判所において、請求項7及び8に係る部分についての審決を取り消す、その余の請求を棄却する旨の審決取消しの判決(令和元年(行ケ)第10075号、令和 2年 5月28日判決言渡、同年6月4日更正決定)がされ、当該判決は確定したので、さらに請求項7及び8に係る特許について審理のうえ、次のとおり審決する。
結論
結 論
特許第5934355号の特許請求の範囲を訂正請求書に添付された訂正特許請求の範囲のとおり、訂正後の請求項[7、8]について訂正することを認める。
特許第5934355号の請求項7及び8に係る発明についての審判請求を却下する。
審判費用は、これを3等分し、その1を請求人の負担とし、その余を被請求人の負担とする。
理由
理 由
第1 手続の経緯
1 本件審判請求がされるまでの経緯
特許第5934355号(以下、「本件特許」という。)の請求項1ないし8に係る発明についての出願は、2012年(平成24年)6月29日(パリ条約による優先権主張外国庁受理 2011年7月15日、大韓民国)を国際出願日とする特許出願であって、平成28年5月13日に特許権の設定登録がされ、同年12月14日及び同年12月15日に特許異議の申立て(異議2016-701139号)がされ、平成29年5月1日に訂正請求書が提出され、同年7月11日付けで「特許第5934355号の特許請求の範囲を訂正請求書に添付された訂正特許請求の範囲のとおり、訂正後の請求項〔1~6〕について訂正することを認める。請求項1についての申立てを却下する。特許第5934355号の請求項2ないし8に係る特許を維持する。」ことを結論とする異議の決定がされ、この決定は確定した。
2 一次審決までの主な手続の経緯
平成31年 4月15日付け審決(以下、「一次審決」という。)までの主な手続の経緯は次のとおりである。
平成30年 4月26日 :請求項6ないし8に記載された発明につい
ての特許の無効審判請求(請求人)
同年 8月14日 :審判事件答弁書及び訂正請求書提出(被請
求人)
同年 9月26日 :審判事件弁駁書提出(請求人)
同年11月13日付け:審理事項通知書(特許庁審判長から請求人
及び被請求人双方に対して)
平成31年 1月10日 :口頭審理陳述要領書提出(請求人)
口頭審理陳述要領書提出(被請求人)
同年 1月21日 :上申書(請求人)
同年 1月25日 :第1回口頭審理
同年 3月26日付け:審理終結通知
同年 4月15日付け:一次審決
3 一次審決
一次審決の結論は「特許第5934355号の特許請求の範囲を訂正請求書に添付された訂正特許請求の範囲のとおり、訂正後の請求項〔7、8〕について訂正することを認める。本件審判の請求は、成り立たない。審判費用は、請求人の負担とする。」というものである。
4 審決取消訴訟
請求人は、上記一次審決の取消しを求めて、令和元年5月24日に知的財産高等裁判所に訴えを提起した。
上記訴えは、知的財産高等裁判所において、令和元年(行ケ)第10075号事件として審理され、令和2年5月28日に、主文を「1(1) 特許庁が無効2018-800048号事件について平成31年4月15日にした審決のうち、特許第5934355号の請求項7及び8に係る部分を取り消す。(2) 原告のその余の請求を棄却する。2 訴訟費用は、これを3分し、その1を被告の負担とし、その余を被告の負担とする。3 被告に対し、この判決に対する上告及び上告受理申立てのための付加期間を30日と定める」とする判決(同年6月4日に更正決定されたもの。以下、「取消判決」という。)の言渡しがあり、その後確定した(これにより、請求項6に記載された発明に係る特許についての無効審判請求は不成立であるとの審決は確定した。)。
5 取消判決確定後における主な手続の経緯
取消判決確定後における主な手続の経緯は以下のとおりである。
令和 2年 9月 7日付け:審理再開通知
同年 9月 7日付け:審尋(請求人及び被請求人双方に対して)
同年10月 2日 :回答書(被請求人)
同年10月 5日 :回答書(請求人)
同年12月 7日付け:審決の予告
令和 3年 3月18日 :訂正請求書提出(被請求人)
第2 訂正の可否についての判断
1 訂正の内容
令和 3年 3月18日に提出された訂正請求書による訂正の内容は、以下のとおりである。
(1) 訂正事項1
特許請求の範囲の請求項7を削除する。
(2) 訂正事項2
特許請求の範囲の請求項8を削除する。
なお、訂正前の請求項8は請求項7を引用するものであるから、請求項7、8は一群の請求項である。
2 訂正の目的の適否、新規事項の有無、及び、特許請求の範囲の拡張・変更の存否。
(1) 訂正事項1の訂正について
訂正事項1に係る請求項7の訂正は、請求項7を削除するものであるから、特許請求の範囲の減縮を目的とするものである。
そして、訂正事項1に係る請求項7に係る訂正は、願書に添付した明細書、特許請求の範囲又は図面に記載した事項の範囲内においてするものであって、新規事項の追加に該当せず、実質上特許請求の範囲を拡張し、又は変更するものではないことも明らかである。
(2) 訂正事項2の訂正について
訂正事項2に係る請求項8の訂正は、請求項8を削除するものであるから、特許請求の範囲の減縮を目的とするものである。
そして、訂正事項2に係る請求項8に係る訂正は、願書に添付した明細書、特許請求の範囲又は図面に記載した事項の範囲内においてするものであって、新規事項の追加に該当せず、実質上特許請求の範囲を拡張し、又は変更するものではないことも明らかである。
(3) むすび
以上のとおり、上記訂正事項1及び2は、特許法第134条の2第1項ただし書第1号に掲げる事項を目的とするものであり、同条第9項で準用する同法第126条第5及び6項の規定に適合するものであるから、本件訂正を認める。
したがって、結論のとおり、本件特許の特許請求の範囲を訂正請求書に添付された訂正特許請求の範囲のとおり、訂正後の請求項[7、8]について訂正することを認める。
第3 本件発明
上記第2のとおり、本件訂正は認められるから、本件特許の請求項7及び8に係る発明は、訂正請求書に添付した訂正特許請求の範囲の請求項7及び8に記載されたとおり、削除された。
第4 請求人の主張の概要及び証拠方法
1 請求人は、取消判決後においては実質的に、「特許第5934355号の請求項7及び8に係る発明についての特許を無効とする。審判費用は被請求人の負担とする。」との審決を求め、その理由として、次の無効理由2及び3により、本件発明は無効とされるべきであると主張し、証拠方法として下記2の書証を提出している。
なお、請求人が審判請求書で主張するところの無効理由1-1、1-2及び4ないし6については、請求人は回答書において撤回する旨主張し、被請求人はその撤回を承諾している。
(1)無効理由2(進歩性)
本件発明7及び8は、いずれも、特開平3-260689号公報(甲第2号証)に記載された発明に基づいて、本件特許の優先日前に当業者が容易に発明をすることができたものであるから、特許法第29条第2項の規定により特許を受けることができないものであり、それらについての特許は、同法第123条第1項第2号に該当し、無効とされるべきである。
(4)無効理由3(ダブルパテント)
本件発明7及び8は、いずれも、特許第5807070号(甲第11号証)の請求項1及び4に係る発明と実質同一であるから、特許法第39条第1項の規定により特許を受けることができないものであり、それらについての特許は、同法第123条第1項第2号に該当し、無効とされるべきである。
2 証拠方法
甲第1号証 特開平1-182040号公報
甲第2号証 特開平3-260689号公報
甲第3号証 プラスチックフィルムの延伸技術と評価、表紙、目次、10
7~129頁、144~156頁、奥付、1992年10月
16日
甲第4号証 プラスチックフィルムの基礎と応用、表紙、目次、33~3
8頁、奥付、2010年1月26日
甲第5号証 公益社団法人日本印刷技術協会(JAGAT)の「インモー
ルドラベルってどんなものですか」と題するウェブページ
(https://www.jagat.or.jp/archives/12626)、2002年
4月15日
甲第6号証 特開平2-244189号公報
甲第7号証 「合成紙の新用途展開」(ケミトビア No.14 January
1994の表紙、目次、34~41頁、奥付)、1994年1月
甲第8号証 特開2002-258752号公報
甲第9号証の1 米国特許出願公開第2010/0260989号明細書
甲第9号証の2 特開2000-71368号公報
甲第9号証の3 特開2002-328607号公報
甲第9号証の4 特開2002-113771号公報
甲第10号証 異議の決定(本件特許についてされた特許異議申立の異議
の決定)
甲第11号証 特許第5807070号公報
甲第12号証 実務詳説 特許関係訴訟[第3版]、平成28年8月31
日
甲第13号証 株式会社マツムラの 「インラインラミネート」と題する
ウェブページ(https://www.ensoku.jp/mobile_mg/pop_t-
dai/big_image_in_line_lami_.html)、2001年
甲第14号証 ラミネートフィルムの加工技術、202頁、奥付、199
0年4月12日
甲第15号証 特開2008-150541号公報
甲第16号証 特開2001-139712号公報
甲第17号証 審判事件答弁書(無効2018-800047号で提出さ
れた書類)
甲第18号証 特開平3-69361号公報
甲第19号証 特開平3-73341号公報
甲第20号証 特開平9-1660号公報
甲第21号証 訂正請求書及び訂正特許請求の範囲(無効2018-80
0047号で提出された書類)
(甲第22号証~甲第30号証は欠番)
甲第31号証 化学大辞典6 縮刷版、666~669頁、奥付、昭和5
2年9月20日
甲第32号証 ジーニアス英和大辞典、1940~1941頁、奥付、平
成13年4月25日
甲第33号証 特開昭58-69015号公報
甲第34号証 特開昭57-181829号公報
甲第35号証 審決(無効2018-800047号事件)
甲第36号証 特許第5934355号特許登録原簿
甲第37号証 特許第5934355号公報
甲第38号証 「プラスチックの融点、耐熱温度の一覧」と題するウェブ
ページ、(https://www.toishi.info/sozai/plastic/hr.
html)、令和元年11月7日(印刷日)
甲第39号証 包装用フィルム概論、表紙、79~80頁、奥付、平成9
年3月30日
甲第40号証 技術説明会資料(原告)、令和2年1月31日
第5 被請求人の主張及び証拠方法
1 被請求人は、「本件審判請求は成り立たない。審判費用は請求人の負担とする。」との審決を求め、その理由として、請求人が主張する上記無効理由2ないし3はいずれも理由がない旨主張し、証拠方法として下記2の書証を提出している。
2 証拠方法
乙第1号証 中国特許(登録番号201280034931.2号)無効
請求事件審決
乙第2号証 意見書(本件特許の審査段階の平成27年6月2日に提出さ
れた書類)
乙第3号証 ユポ・コーポレーションの「合成紙とは」と題するウェブペ
ージ、(https://japan.yupo.com/paper.thing.html)、2
019年9月22日(印刷日)
乙第4号証 広辞苑 第7版、241頁、奥付、2018年1月12日
乙第5号証 広辞苑 第7版、2499頁、奥付、2018年1月12日
乙第6号証 被告技術説明会資料、令和2年1月31日
第6 合議体の判断及び結語
上記第2及び第3のとおり、請求項7及び8に係る発明は、訂正により削除された。これにより、請求人による請求項7及び8に係る無効審判請求は、その対象が存在しないものとなったため、特許法第135条の規定により却下する。
審判に関する費用については、特許法第169条第2項の規定で準用する民事訴訟法第62条の規定により、これを3分し、その1を請求人の負担とし、その余を被請求人の負担とすべきものとする。
よって、結論のとおり審決する。
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