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特許異議申立

2018-700376

車両の案内輪緩衝装置

審判番号
2018-700376
法域
特許
審判種別
異議申立(異議の決定)
出願番号
特願2014-040127
登録番号
特許第6228038号(P6228038)
請求日
2018年05月07日
審決日
2018年07月13日
公報発行日
2018年08月31日
結論
維持
当事者
  • 【権利者】新潟トランシス株式会社
  • 【権利者代理人】越前 昌弘
  • 【異議申立人】一條 淳
審判長/審判官
  • 審判長 和田 雄二
  • 審判官 氏原 康宏
  • 審判官 仁木 学
分類
P1652.537-Y (B61B) / P1652.121-Y (B61B)
条文(本文から自動抽出・参考)
特許法第36条第6項第2号、特許法第36条第6項第1号、特許法第29条第2項、特許法第29条、特許法第36条第6項
データ出所
審決公報(SGML)

事件の表示

特許第6228038号発明「車両の案内輪緩衝装置」の特許異議申立事件について、次のとおり決定する。

結論

【結 論】 特許第6228038号の請求項1ないし5に係る特許を維持する。

理由

【理 由】 第1 手続の経緯 特許第6228038号の請求項1~5に係る特許についての出願は、平成26年3月3日に特許出願され、平成29年10月20日に特許権の設定登録がされ、その後、その請求項1~5に係る特許に対し、平成30年5月7日に、特許異議申立人一條淳(以下「申立人」という。)より特許異議の申立てがされたものである。 第2 本件発明 特許第6228038号の請求項1~5に係る発明(以下「本件発明1~5」という。)は、その特許請求の範囲の請求項1~5に記載された事項により特定される次のとおりのものである。 「【請求項1】 車両の走行軌道に敷設された案内レールに接し車幅方向の反力を受けて転動する案内輪を有する車両の案内輪緩衝装置において、 前記車両に取り付けられ車幅方向外方に延出された取付アームと、 該取付アームの先端に配置され前記車両の進行方向に沿って配置された緩衝リンクと、 該緩衝リンクの一端に設けられ前記緩衝リンクを前記取付アームに揺動可能に支持する緩衝リンク支持部と、 前記緩衝リンクの他端に設けられ前記案内輪を回転自在に支持する案内輪支持部と、 前記緩衝リンクを前記取付アームに対して弾性的に支持する緩衝用弾性部と、を備え、 前記緩衝用弾性部は、前記緩衝リンク支持部と前記案内輪支持部との中間部に配置され前記取付アームに支持された弾性体により構成されている、 ことを特徴とする車両の案内輪緩衝装置。 【請求項2】 車両の走行軌道に敷設された案内レールに接し車幅方向の反力を受けて転動する案内輪を有する車両の案内輪緩衝装置において、 前記車両に取り付けられ車幅方向外方に延出された取付アームと、 該取付アームの先端に配置され前記車両の進行方向に沿って配置された緩衝リンクと、 該緩衝リンクの一端に設けられ前記緩衝リンクを前記取付アームに揺動可能に支持する緩衝リンク支持部と、 前記緩衝リンクの他端に設けられ前記案内輪を回転自在に支持する案内輪支持部と、 前記緩衝リンクを前記取付アームに対して弾性的に支持する緩衝用弾性部と、を備え、 前記緩衝用弾性部は、前記緩衝リンク支持部に配置された第一弾性体と、前記緩衝リンク支持部と前記案内輪支持部との中間部に配置され前記取付アームに支持された第二弾性体と、により構成され、前記第二弾性体は前記第一弾性体よりも柔らかく形成されている、 ことを特徴とする車両の案内輪緩衝装置。 【請求項3】 前記弾性体は、弾性力を有するブッシュである、ことを特徴とする請求項1に記載の車両の案内輪緩衝装置。 【請求項4】 前記第一弾性体及び前記第二弾性体は、弾性力を有するブッシュである、ことを特徴とする請求項2に記載の車両の案内輪緩衝装置。 【請求項5】 前記取付アームは、前記緩衝リンクの一部を摺動可能に支持する挟持部を有する、ことを特徴とする請求項1~4の何れか一項に記載の車両の案内輪緩衝装置。」 第3 申立理由の概要 申立人は、証拠として、次の甲第1及び2号証を提出し、以下の申立理由1~3により特許を取り消すべきものである旨主張している。 甲第1号証:特開2011-88512号公報 甲第2号証:特開2002-274366号公報 1 申立理由1(特許法第36条第6項第2号) 本件発明1は、「前記緩衝リンクを前記取付アームに揺動可能に支持する緩衝リンク支持部」と規定しているが、「揺動可能」とは、回動することを必須とするのか必須としないのか明確でない。 したがって、本件発明1は明確でなく、また、同様の理由で、本件発明2~5も明確でないから、本件発明1~5は、特許法第36条第6項第2号に規定する要件を満たしていない特許出願にされたものであり、同法第113条第4号の規定により取り消されるべきものである。 2 申立理由2(特許法第36条第6項第1号) 本件発明1の課題は、案内輪と緩衝部材との中間に支持軸を配置した場合には、応力が集中しやすく、また案内リンクの端部が移動できる空間を確保しなければならいというものであるが、本件発明1においては、緩衝リンクが一端を支点として回動することを必須の発明特定事項としていないため、課題を解決できない態様を含んでいる。 したがって、本件発明1は、発明の詳細な説明に記載された発明ではなく、また、同様の理由で、本件発明2~5も発明の詳細な説明に記載された発明ではなから、本件発明1~5は、特許法第36条第6項第1号に規定する要件を満たしていない特許出願にされたものであり、同法第113条第4号の規定により取り消されるべきものである。 3 申立理由3(特許法第29条第2項) 本件発明1及び3は、甲第1号証に記載された発明に基いて、あるいは、甲第1号証及び甲第2号証に記載された発明に基いて、当業者が容易に発明をすることができたものであるから、特許法第29条第2項の規定により特許を受けることができない。 したがって、本件発明1及び3に係る特許は、特許法第29条の規定に違反してなされたものであり、同法第113条第2号の規定により取り消されるべきものである。 第4 申立理由についての判断 1 申立理由1(特許法第36条第6項第2号)について (1)申立人は、上記「第3 1」のとおり 本件発明1は、「前記緩衝リンクを前記取付アームに揺動可能に支持する緩衝リンク支持部」と規定しているが、「揺動可能」とは、回動することを必須とするのか必須としないのか明確でなく、同様の理由で、本件発明2~5も明確でない旨主張するので、以下検討する。 (2)検討 「揺動」とは、字義的に「揺れ動くこと。揺り動かすこと。動揺。」(広辞苑第6版)を意味する。そして、本件特許の願書に添付した明細書(以下「本件明細書」といい、特許請求の範囲及び図面をも併せて「本件明細書等」という。)にも、「本発明に係る車両の案内輪緩衝装置によれば、車両の進行方向に沿って配置された緩衝リンクの一端が取付アームに支持され、緩衝リンクの他端に案内輪が支持されていることから、車両の走行に伴って案内輪が案内レールから反力を受けた際に、緩衝リンクは一端を支点として揺動し、緩衝リンクの全長を生かして効果的に衝撃を吸収することができる。」(段落【0014】:下線は当審で付した。以下同様。)と記載され、上記「揺動」とは、「緩衝リンクの一端が取付アームに支持され」ることを前提とし、「緩衝リンク」が、その「一端を支点として揺動」すること、すなわち、「揺れ動くこと」が明確に記載されているから、上記「揺動可能」という構成が不明確ということはできない。 さらに、本件発明1は、「前記緩衝リンクを前記取付アームに揺動可能に支持する緩衝リンク支持部」と特定しているのであって(本件発明2~5も同様である。)、「回動」するものとして特定するものではないから、上記「揺動可能」という構成を、「回動すること」を含めて解釈すべき合理性もない。 したがって、申立人の上記主張は採用できない。 よって、申立人の主張する申立理由1によっては、本件発明1~5に係る特許を取り消すことはできない。 2 申立理由2(特許法第36条第6項第1号)について (1)申立人は、上記「第3 2」のとおり、本件発明1は、緩衝リンクが一端を支点として回動することを必須の発明特定事項としていないため、課題を解決できない態様を含んでおり、発明の詳細な説明に記載された発明ではなく、同様の理由で、本件発明2~5も発明の詳細な説明に記載された発明ではない旨主張するので、以下検討する。 (2)検討 ア 特許法第36条第6項は、「第2項の特許請求の範囲の記載は、次の各号に適合するものでなければならない。」と規定し、その第1号において「特許を受けようとする発明が発明の詳細な説明に記載したものであること。」と規定している。同号は、明細書のいわゆるサポート要件を規定したものであって、特許請求の範囲の記載が明細書のサポート要件に適合するか否かは、特許請求の範囲の記載と発明の詳細な説明の記載とを対比し、特許請求の範囲に記載された発明が、発明の詳細な説明に記載された発明で、発明の詳細な説明の記載により当業者が当該発明の課題を解決できると認識できる範囲のものであるか否か、また、その記載や示唆がなくとも当業者が出願時の技術常識に照らし当該発明の課題を解決できると認識できる範囲のものであるか否かを検討して判断すべきものである(知財高裁特別部判決平成17年(行ケ)第10042号参照)。 以下、この観点に立って検討する。 イ 特許請求の範囲の記載 特許請求の範囲の記載は、上記「第2」に示すとおりであり、本件発明1~5は、少なくとも「該緩衝リンクの一端に設けられ前記緩衝リンクを前記取付アームに揺動可能に支持する緩衝リンク支持部と、前記緩衝リンクの他端に設けられ前記案内輪を回転自在に支持する案内輪支持部と、前記緩衝リンクを前記取付アームに対して弾性的に支持する緩衝用弾性部と、を備え」ること(以下「事項A」という。)を発明特定事項とするものである。 ウ 発明の詳細な説明の記載 本件明細書の発明の詳細な説明には、以下の事項が記載されている。 (ア)「【0001】 本発明は、車両の案内輪緩衝装置に関し、特に、車両の走行軌道に敷設された案内レールに接し車幅方向の反力を受けて転動する案内輪を有する車両の案内輪緩衝装置に関する。 ・・・ 【発明が解決しようとする課題】 【0006】 ところで、特許文献1に記載された緩衝装置では、荷重を受ける案内輪に対して比較的離れた位置に支持軸を有することから、支持軸周りのブッシュやワッシャが摩耗しやすく、メンテナンスの回数が増加してしまうという問題があった。また、部品点数が多く、案内輪の組立やメンテナンスに時間を要するという問題もあった。 【0007】 また、特許文献2に記載された緩衝装置では、案内輪と緩衝部材との中間に支持軸が配置されていることから、支持軸に応力が集中しやすく、支持軸周りのブッシュやワッシャが摩耗しやすく、特許文献1に記載された発明と同様に、メンテナンスの回数が増加してしまうという問題があった。また、案内リンクの中間に支持軸を有することから、案内輪が案内レールから反力を受けることによって、緩衝部材側の端部が案内輪と反対方向に移動することとなる。したがって、緩衝量を大きくしようとすれば、その分だけ案内リンクの端部が移動できる空間を確保しなければならないという設計上の制約もあった。 【0008】 本発明は、以上の事情に鑑みて創案されたものであり、部品点数の削減、部品の摩耗の低減及び設計上の制約の低減を図ることができ、組立やメンテナンスに要する工数を低減することができる、車両の案内輪緩衝装置を提供する。 【課題を解決するための手段】 【0009】 本発明によれば、車両の走行軌道に敷設された案内レールに接し車幅方向の反力を受けて転動する案内輪を有する車両の案内輪緩衝装置において、前記車両に取り付けられ車幅方向外方に延出された取付アームと、該取付アームの先端に配置され前記車両の進行方向に沿って配置された緩衝リンクと、該緩衝リンクの一端に設けられ前記緩衝リンクを前記取付アームに揺動可能に支持する緩衝リンク支持部と、前記緩衝リンクの他端に設けられ前記案内輪を回転自在に支持する案内輪支持部と、前記緩衝リンクを前記取付アームに対して弾性的に支持する緩衝用弾性部と、を備え、前記緩衝用弾性部は、前記緩衝リンク支持部と前記案内輪支持部との中間部に配置され前記取付アームに支持された弾性体により構成されている、ことを特徴とする車両の案内輪緩衝装置が提供される。 【0010】 また、本発明によれば、車両の走行軌道に敷設された案内レールに接し車幅方向の反力を受けて転動する案内輪を有する車両の案内輪緩衝装置において、前記車両に取り付けられ車幅方向外方に延出された取付アームと、該取付アームの先端に配置され前記車両の進行方向に沿って配置された緩衝リンクと、該緩衝リンクの一端に設けられ前記緩衝リンクを前記取付アームに揺動可能に支持する緩衝リンク支持部と、前記緩衝リンクの他端に設けられ前記案内輪を回転自在に支持する案内輪支持部と、前記緩衝リンクを前記取付アームに対して弾性的に支持する緩衝用弾性部と、を備え、前記緩衝用弾性部は、前記緩衝リンク支持部に配置された第一弾性体と、前記緩衝リンク支持部と前記案内輪支持部との中間部に配置され前記取付アームに支持された第二弾性体と、により構成され、前記第二弾性体は前記第一弾性体よりも柔らかく形成されている、ことを特徴とする車両の案内輪緩衝装置が提供される。 ・・・ 【0014】 本発明に係る車両の案内輪緩衝装置によれば、車両の進行方向に沿って配置された緩衝リンクの一端が取付アームに支持され、緩衝リンクの他端に案内輪が支持されていることから、車両の走行に伴って案内輪が案内レールから反力を受けた際に、緩衝リンクは一端を支点として揺動し、緩衝リンクの全長を生かして効果的に衝撃を吸収することができる。 【0015】 また、緩衝リンクの一端を支点とすることにより、緩衝リンクと取付アームとの間に緩衝用弾性部を配置するだけで緩衝機構を形成することができ、部品点数の削減を図ることができる。また、緩衝リンクの一端が大きく揺動しないことから、設計上の制約を低減することができる。また、上述した特許文献1に記載された発明と比較して、荷重を受ける案内輪に対する支持軸の距離を短縮することができ、上述した特許文献2に記載された発明と比較して、支持軸に生じる応力を緩和することができ、部品の摩耗を低減することができる。したがって、組立やメンテナンスに要する工数を低減することもできる。」 (イ)「【0018】 図1~図4を用いて本発明の第一実施形態に係る車両の案内輪緩衝装置1について説明する。本実施形態に係る案内輪緩衝装置1を備えた車両は、例えば、予め定められた走行軌道を走行する案内軌条式鉄道車両であり、走行軌道に沿って敷設された主案内レール2に接して転動する主案内輪3と、走行軌道の分岐部に敷設された分岐案内レール4に接して転動する分岐案内輪5と、を有する。車両は、図1に示した主案内レール2に沿って、図中、下方から上方又は上方から下方に移動する。 ・・・ 【0023】 緩衝リンク11は、主案内輪3及び分岐案内輪5が主案内レール2及び分岐案内レール4に接して反力を受けた際、緩衝リンク支持部12を支点として回動(揺動)する。このように緩衝リンク11が揺動する際、主案内輪3及び分岐案内輪5が主案内レール2及び分岐案内レール4から受ける衝撃は、緩衝リンク11を取付アーム10に弾性的に支持する緩衝用弾性部14によって吸収される。 ・・・ 【0035】 上述した第一実施形態に係る車両の案内輪緩衝装置1によれば、車両の進行方向に沿って配置された緩衝リンク11の一端が取付アーム10に支持され、緩衝リンク11の他端に案内輪(主案内輪3及び分岐案内輪5)が支持されていることから、車両の走行に伴って案内輪が案内レール(主案内レール2及び分岐案内レール4)から反力を受けた際に、緩衝リンク11は一端(緩衝リンク支持部12)を支点として揺動し、緩衝リンク11の全長を生かして効果的に衝撃を吸収することができる。 【0036】 また、緩衝リンク11の一端(緩衝リンク支持部12)を支点とすることにより、緩衝リンク11と取付アーム10との間に緩衝用弾性部14を配置するだけで緩衝機構を形成することができ、部品点数の削減を図ることができる。また、緩衝リンク11の一端が大きく揺動しないことから、設計上の制約を低減することができる。 【0037】 また、緩衝リンク11は、第一弾性ブッシュ18及び第二弾性ブッシュ23を介して取付アーム10に支持されており、軸受構造を有していない。したがって、軸受構造の摺動部分の摩耗損傷を心配する必要がなく、部品の摩耗を低減することができ、メンテナンスに要する工数を低減することができる。さらに、緩衝リンク11は、車両の進行方向に間隔が隔てられた第一弾性ブッシュ18と第二弾性ブッシュ23との2ヶ所で取付アーム10に支持されていることから、取付アーム10に対する支持剛性を向上させることができ、車両の走行安定性を確保することができる。」 (ウ)本件明細書等には、以下の図が示されている。 エ 検討 (ア)本件明細書の発明の詳細な説明の記載(上記ウ(ア))によれば、本件発明1~5は、少なくとも、従来技術における「荷重を受ける案内輪に対して比較的離れた位置に支持軸を有することから、支持軸周りのブッシュやワッシャが摩耗しやすく、メンテナンスの回数が増加してしまうという問題・・・また、部品点数が多く、案内輪の組立やメンテナンスに時間を要するという問題」(段落【0006】)や「案内輪と緩衝部材との中間に支持軸が配置されていることから、支持軸に応力が集中しやすく、支持軸周りのブッシュやワッシャが摩耗しやすく、・・・メンテナンスの回数が増加してしまうという問題・・・また、案内リンクの中間に支持軸を有することから、・・・緩衝部材側の端部が案内輪と反対方向に移動することとなる。したがって、緩衝量を大きくしようとすれば、その分だけ案内リンクの端部が移動できる空間を確保しなければならないという設計上の制約」(段落【0007】)に鑑み、「部品点数の削減、部品の摩耗の低減及び設計上の制約の低減を図ることができ、組立やメンテナンスに要する工数を低減することができる、車両の案内輪緩衝装置を提供する」(段落【0008】)ことを課題とするものであり、かかる課題を解決するために、本件発明1~5は、上記事項Aを発明特定事項として特定したものといえる(段落【0009】、【0010】)。 (イ)ここで、本件発明1~5は、上記事項Aを採用することで、緩衝リンクの一端が緩衝リンク支持部を介して取付アームに支持されるとともに、緩衝リンクの他端に案内輪支持部を介して案内輪が支持されることが明らかであるところ、本件明細書の発明の詳細な説明(上記ウ(ア))には、「車両の進行方向に沿って配置された緩衝リンクの一端が取付アームに支持され、緩衝リンクの他端に案内輪が支持されていることから、車両の走行に伴って案内輪が案内レールから反力を受けた際に、緩衝リンクは一端を支点として揺動し、・・・効果的に衝撃を吸収することができる。 」と記載されているから(段落【0014】)、本件発明1~5は、上記事項Aを採用することで、案内輪が案内レールから反力を受けた際に、緩衝リンクは一端を支点として揺動するものと理解することができる。 さらに、本件明細書の発明の詳細な説明には、「緩衝リンクの一端を支点とすることにより、緩衝リンクと取付アームとの間に緩衝用弾性部を配置するだけで緩衝機構を形成することができ、部品点数の削減を図ることができる。また、緩衝リンクの一端が大きく揺動しないことから、設計上の制約を低減することができる。また、上述した特許文献1に記載された発明と比較して、荷重を受ける案内輪に対する支持軸の距離を短縮することができ、上述した特許文献2に記載された発明と比較して、支持軸に生じる応力を緩和することができ、部品の摩耗を低減することができる。したがって、組立やメンテナンスに要する工数を低減することもできる。」(段落【0015】)ことが記載されているから、本件発明1~5は、少なくとも上記事項Aを採用することで、「部品点数の削減」、「設計上の制約を低減」、「部品の摩耗を低減」及び「組立やメンテナンスに要する工数を低減」させるという課題を解決するものと理解することもできる。 そして、本件明細書等に記載された、発明を実施するための第一実施形態(上記ウ(イ)(ウ))においても、「緩衝リンク11は、主案内輪3及び分岐案内輪5が主案内レール2及び分岐案内レール4に接して反力を受けた際、緩衝リンク支持部12を支点として回動(揺動)する。このように緩衝リンク11が揺動する際、主案内輪3及び分岐案内輪5が主案内レール2及び分岐案内レール4から受ける衝撃は、緩衝リンク11を取付アーム10に弾性的に支持する緩衝用弾性部14によって吸収される 」こと(段落【0023】)、「車両の進行方向に沿って配置された緩衝リンク11の一端が取付アーム10に支持され、緩衝リンク11の他端に案内輪(主案内輪3及び分岐案内輪5)が支持されていることから、車両の走行に伴って案内輪が案内レール(主案内レール2及び分岐案内レール4)から反力を受けた際に、緩衝リンク11は一端(緩衝リンク支持部12)を支点として揺動し、緩衝リンク11の全長を生かして効果的に衝撃を吸収することができる」こと(段落【0035】)、「緩衝リンク11の一端(緩衝リンク支持部12)を支点とすることにより、緩衝リンク11と取付アーム10との間に緩衝用弾性部14を配置するだけで緩衝機構を形成することができ、部品点数の削減を図ることができる。また、緩衝リンク11の一端が大きく揺動しないことから、設計上の制約を低減することができる」こと(段落【0036】)、及び「緩衝リンク11は、第一弾性ブッシュ18及び第二弾性ブッシュ23を介して取付アーム10に支持されており、軸受構造を有していない。したがって、軸受構造の摺動部分の摩耗損傷を心配する必要がなく、部品の摩耗を低減することができ、メンテナンスに要する工数を低減することができる」こと(段落【0037】)、が記載され、上記事項Aを採用することで、「部品点数の削減」、「設計上の制約を低減」、「部品の摩耗を低減」及び「組立やメンテナンスに要する工数を低減」させるという課題を解決することが合理的に説明されている。 (ウ)ところで、申立人は、本件発明1~5は、緩衝リンクが一端を支点として回動することを必須の発明特定事項としていないため、課題を解決できない態様を含んでおり、発明の詳細な説明に記載された発明ではない旨主張するが、上記(イ)で述べたとおり、本件発明1~5は、少なくとも上記事項Aを採用することで、本件発明1~5の課題を解決するものと理解することができるし、また、緩衝リンクが一端を支点として「回動」することを必須の発明特定事項と解すべき合理性もないから、申立人の上記主張は採用できない。 (エ)したがって、申立人の主張する申立理由2によっては、本件発明1~5に係る特許を取り消すことはできない。 3 申立理由3(特許法第29条第2項)について 3-1 各甲号証の記載事項等 (1)甲第1号証の記載事項及び甲第1号証に記載された発明 甲第1号証には、以下の事項が記載されている。 (1a)「【0001】 本発明は、予め定められた軌道上を走行する軌条式車両に関し、詳しくは、案内輪を走行軌道の案内レールに当接させることにより、車両を走行軌道に沿って案内しながら走行させる案内装置を有する軌条式車両に関する。 ・・・ 【0016】 また、本発明によれば、前記緩衝機構は、前記第1の回動軸を挟んで前記案内輪に対して反対側に配置されており、前記緩衝機構は、前記案内アームと前記案内リンクとの間において前記第1の回動軸に対して平行に配置された軸部材と、該軸部材の周囲を囲うように配置された円筒状受け部材と、前記軸部材と前記円筒状受け部材との間に配置された円筒状弾性部材とから構成され、前記円筒状弾性部材には、前記案内輪にかかる荷重方向と平面的に直交する方向に複数のスリットが形成されており、前記複数のスリットが、前記軸部材を挟んで対称に配置されている。」 (1b)「【0038】 [第1実施形態] 以下、本発明の第1実施形態に係る軌条式車両を、図面を参照しながら説明する。図1は、本発明の第1実施形態に係る軌条式車両の台車の平面図であり、図2は、本発明の第1実施形態に係る軌条式車両の案内装置の平面図である。また、図3は、図2のA-A線断面図である。 【0039】 図1に示すように、第1実施形態に係る軌条式車両は、車両前後方向における前後部分(後部分は図示せず)にそれぞれ台車1を備えており、予め定められた走行軌道2上を走行するものである。 【0040】 図1に示すように、第1実施形態に係る軌条式車両の案内装置は、車両の経路となる走行軌道2に沿ってその左右両側にそれぞれ設置される案内レール3と、台車1の案内枠4に取付けられる案内輪5とを備えている。したがって、軌条式車両は、案内装置を構成する案内輪5が案内レール3に接して転動することにより、走行軌道2に沿って案内されながら走行するようになっている。 【0041】 このような案内レール3は、走行軌道2において、関連を持たせて設置される2種類の主案内レール31と分岐案内レール32とから構成されている。主案内レール31は、例えば、剛性を有するH形鋼材などを用いて形成され、走行軌道2の軌道面上の左右両側に設けられている。また、分岐案内レール32は、走行軌道2の途中に位置して別の走行軌道へ導くための分岐箇所に設置され、主案内レール31の下側内方の軌道面に立設されている。 【0042】 また、案内輪5は、主案内輪51と分岐案内輪52とから構成されている。軌条式車両が走行軌道2上を走行する際、主案内輪51は、主案内レール31に接し、分岐案内輪52は、分岐案内レール32に接するようになっている。 【0043】 図1に示すように、軌条式車両の台車1は、車幅方向に延びる車軸6を備えており、この車軸6の車幅方向における両端部には、一対の走行輪7が操舵可能に取付けられている。また、台車1の案内枠4は、車両前後方向に延在する2本の縦梁8と、これら縦梁8の車両前後方向における両端部を連結する2本の横梁9とから構成されている。この横梁9の車幅方向両端部には、車幅方向に延びる案内アーム10が設けられている。また、案内アーム10の車幅方向外側の端部は、図2に示すように、案内輪受け11を備えている。 【0044】 図2及び図3に示すように、案内輪受け11には、車両前後方向に沿って延在する案内リンク12が取付けられている。案内リンク12の一端12aと案内輪受け11とは、これらの間に回動軸13のフランジ14を挟んで第1の回動軸13を介して回動自在に連結されている。 【0045】 また、図3に示すように、第1の回動軸13は、ブッシュ12cを介して案内リンク12を支持している。第1の回動軸13は、ボルトなどの締結部材15により座金を介して案内輪受け11に取付けられている。一方、案内リンク12の他端12bには、第2の回動軸16が回動自在に取付けられており、この第2の回動軸16の上下両端部には、主案内輪51と分岐案内輪52とが回動自在に取付けられている。」 (1c)「【0056】 [第2実施形態] 以下、本発明の第2実施形態に係る軌条式車両を、図面を参照しながら説明する。図4は、本発明の第2実施形態に係る軌条式車両の案内装置の平面図である。図5は、図4のA-A線断面図であり、図6は、図4のB-B線断面図である。なお、前述した実施形態で説明したものと同様の部分については、同一の符号を付して重複する説明は省略する。 【0057】 この第2実施形態においては、図4及び5に示すように、緩衝機構19が、案内輪受け11の第1の支持部17と案内リンク12の第2の支持部18との間において第1の回動軸13に対して平行に配置された軸部材25と、軸部材25の周囲を囲うように配置された円筒状受け部材26と、軸部材25と円筒状受け部材26との間に配置された円筒状緩衝ゴム27とから構成されている。 【0058】 図5及び6に示すように、軸部材25は、案内リンク12の第2の支持部18にボルトなどの締結部材28により固定されている。一方、円筒状受け部材26は、案内輪受け11の第1の支持部17に取付けられており、円筒状緩衝ゴム27は、案内輪受け11の第1の支持部17において軸部材25と円筒状受け部材26との間に配置されている。 【0059】 また、図4に示すように、円筒状緩衝ゴム27には、案内輪5にかかる荷重方向と平面的に直交する方向に複数のスリット29が形成されている。これら複数のスリット29は、軸部材25を挟んで対称となるように形成されている。つまり、緩衝機構19の円筒状緩衝ゴム27は、スリット29を設けることにより円筒状受け部材26内で弾性変形ができるような構成となっている。このような構成から、緩衝機構19の円筒状緩衝ゴム27は、案内リンク12が第1の回動軸13を中心に回動する際に軸部材25にかかる荷重を弾性変形により吸収するようになっている。」 (1d)甲第1号証には、第1実施形態として、以下の図1~3が示されている。 (1e)甲第1号証には、第2実施形態として、以下の図4~6が示されている。 甲第1号証には、「軌条式車両の案内装置」について、図1~3(摘示(1d))とともに第1実施形態(摘示(1b))が、図4~6(摘示(1e))とともに第2実施形態(摘示(1c))が記載されているところ、第2実施形態について、「なお、前述した実施形態で説明したものと同様の部分については、同一の符号を付して重複する説明は省略する。」(段落【0056】)と記載されているから、第2実施形態は、第1実施形態の構成と一部同様の構成を備えていることが明らかである。 なお、第2実施形態を示す図5(摘示(1e))には、図番12a、12b及び12cの記載はないが、かかる第2実施形態においても、第1実施形態を示す図3(摘示(1d))に記載された「一端12a」、「他端12b」及び「ブッシュ12c」が存在することは明らかである。 以上によれば、甲第1号証には、「軌条式車両の案内装置」の第2実施形態として、 軌条式車両の案内装置は、軌条式車両の経路となる走行軌道2に沿ってその左右両側にそれぞれ設置される案内レール3と、台車1の案内枠4に取付けられる案内輪5とを備え、軌条式車両は、案内装置を構成する案内輪5が案内レール3に接して転動することにより、走行軌道2に沿って案内されながら走行するようになっていること(段落【0040】)、 案内レール3は、主案内レール31と分岐案内レール32とから構成されていること(段落【0041】)、 案内輪5は、主案内輪51と分岐案内輪52とから構成され、軌条式車両が走行軌道2上を走行する際、主案内輪51は、主案内レール31に接し、分岐案内輪52は、分岐案内レール32に接するようになっていること(段落【0042】)、 台車1の案内枠4は、車両前後方向に延在する2本の縦梁8と、これら縦梁8の車両前後方向における両端部を連結する2本の横梁9とから構成され、この横梁9の車幅方向両端部には、車幅方向に延びる案内アーム10が設けられ、案内アーム10の車幅方向外側の端部は、案内輪受け11を備えること(段落【0043】)、 案内輪受け11には、車両前後方向に沿って延在する案内リンク12が取付けられ、案内リンク12の一端12aと案内輪受け11とは、これらの間に回動軸13のフランジ14を挟んで第1の回動軸13を介して回動自在に連結されること(段落【0044】)、 第1の回動軸13は、ブッシュ12cを介して案内リンク12を支持し、ボルトなどの締結部材15により座金を介して案内輪受け11に取付けられており、案内リンク12の他端12bには、第2の回動軸16が回動自在に取付けられており、この第2の回動軸16の上下両端部には、主案内輪51と分岐案内輪52とが回動自在に取付けられていること(段落【0045】) 緩衝機構19が、案内輪受け11の第1の支持部17と案内リンク12の第2の支持部18との間において第1の回動軸13に対して平行に配置された軸部材25と、軸部材25の周囲を囲うように配置された円筒状受け部材26と、軸部材25と円筒状受け部材26との間に配置された円筒状緩衝ゴム27とから構成されていること(段落【0057】)、 軸部材25は、案内リンク12の第2の支持部18にボルトなどの締結部材28により固定され、円筒状受け部材26は、案内輪受け11の第1の支持部17に取付けられ、円筒状緩衝ゴム27は、案内輪受け11の第1の支持部17において軸部材25と円筒状受け部材26との間に配置されていること(段落【0058】) 緩衝機構19の円筒状緩衝ゴム27は、案内リンク12が第1の回動軸13を中心に回動する際に軸部材25にかかる荷重を弾性変形により吸収するようになっていること(段落【0059】)が明らかである。 以上によれば、甲第1号証には、次の発明(以下「甲1発明」という。)が記載されていると認められる。 「軌条式車両の案内装置であって、 軌条式車両の案内装置は、軌条式車両の経路となる走行軌道2に沿ってその左右両側にそれぞれ設置される案内レール3と、台車1の案内枠4に取付けられる案内輪5とを備え、 軌条式車両は、案内装置を構成する案内輪5が案内レール3に接して転動することにより、走行軌道2に沿って案内されながら走行するようになっており、 案内レール3は、主案内レール31と分岐案内レール32とから構成され、 案内輪5は、主案内輪51と分岐案内輪52とから構成され、軌条式車両が走行軌道2上を走行する際、主案内輪51は、主案内レール31に接し、 分岐案内輪52は、分岐案内レール32に接するようになっており、 台車1の案内枠4は、車両前後方向に延在する2本の縦梁8と、これら縦梁8の車両前後方向における両端部を連結する2本の横梁9とから構成され、この横梁9の車幅方向両端部には、車幅方向に延びる案内アーム10が設けられ、案内アーム10の車幅方向外側の端部は、案内輪受け11を備え、 案内輪受け11には、車両前後方向に沿って延在する案内リンク12が取付けられ、案内リンク12の一端12aと案内輪受け11とは、これらの間に回動軸13のフランジ14を挟んで第1の回動軸13を介して回動自在に連結され、 第1の回動軸13は、ブッシュ12cを介して案内リンク12を支持し、ボルトなどの締結部材15により座金を介して案内輪受け11に取付けられており、 案内リンク12の他端12bには、第2の回動軸16が回動自在に取付けられており、この第2の回動軸16の上下両端部には、主案内輪51と分岐案内輪52とが回動自在に取付けられ、 緩衝機構19が、案内輪受け11の第1の支持部17と案内リンク12の第2の支持部18との間において第1の回動軸13に対して平行に配置された軸部材25と、軸部材25の周囲を囲うように配置された円筒状受け部材26と、軸部材25と円筒状受け部材26との間に配置された円筒状緩衝ゴム27とから構成され、 軸部材25は、案内リンク12の第2の支持部18にボルトなどの締結部材28により固定され、円筒状受け部材26は、案内輪受け11の第1の支持部17に取付けられ、円筒状緩衝ゴム27は、案内輪受け11の第1の支持部17において軸部材25と円筒状受け部材26との間に配置され、 緩衝機構19の円筒状緩衝ゴム27は、案内リンク12が第1の回動軸13を中心に回動する際に軸部材25にかかる荷重を弾性変形により吸収するようになっている、 軌条式車両の案内装置。」 (2)甲第2号証の記載事項 甲第2号証には、以下の事項が記載されている。 (2a)「【0001】 【発明の属する技術分野】本発明は、車両を走行路に沿って案内する車両ガイド機構に関するものである。」 (2b)「【0021】図1に示すように、本実施形態に係る車両ガイド機構1は、車両2の走行案内をする機構であり、両側部にガイド壁3a、3aを構築した走行路3を走行する車両の走行案内に用いられる。車両ガイド機構1は、車両2の前方部に設けられており、車両2の側方に配置されるガイド輪4、4を備えている。ガイド輪4は、車両2がガイド壁3aに衝突するのを防止しつつ、車両2を走行路3に沿って進行させるものであり、車両2の側方に突出して設けられている。 ・・・ 【0023】ガイド輪4は、アーム6の先端部に回転自在に軸着されている。アーム6は、車両2の左右方向へ向けて配置される棒状の部材であり、ガイド輪4を回転自在に支持する第一支持部材である。アーム6の先端部には上下方向に向けたピン7が設けられている。ピン7は、ガイド輪4の中心を挿通しガイド輪4を回転自在に支持している。 【0024】アーム6は、ビーム8にゴムブッシュ9を介して取り付けられている。ビーム8は、車両2の左右方向に向けて配設される棒状の部材であり、アーム6等を介してガイド輪4を支持する第二支持部材である。ゴムブッシュ9は、筒状のゴム材であり、複数設けられ、例えば一つのアーム6の取付に対し三つ設けられる。これらのゴムブッシュ9は、車両2の左右方向に向けて直列に配置されている。ゴムブッシュ9を用いた取付構造の詳細については、後述する。 ・・・ 【0027】図3にアーム6及びビーム8の取付構造を示す。 【0028】本図示すように、ビーム8の端部には、上下方向に貫通する縦孔14が形成されている。ゴムブッシュ9は、筒状のカラー15に圧入されており、カラー15と共に縦孔14に挿入されている。カラー15は、溶接又はボルト止めなどによりビーム8に固定されている。 【0029】アーム6には、上下方向に伸びるピン16が複数形成されている。ピン16は、ビーム8に取り付けられたゴムブッシュ9の中央部を貫通するように配設されている。ピン16がゴムブッシュ9を貫通することにより、アーム6がゴムブッシュ9を介してビーム8に対し弾力的に支持される。 ・・・ 【0040】そして、ガイド輪4を介してアーム6に衝撃力Fが伝達されると、上述したように、アーム6が基端部を中心に後方へ回動して撓り、その撓りにより車両2の前後方向の衝撃力Fが緩衝される。これにより、車両2の前後方向の衝撃吸収性能が高いものとなる。 【0041】また、アーム6の基端部が左右方向へ直列に配置される複数のゴムブッシュ9を介してビーム8に取り付けられているため、ゴムブッシュ9の変形に応じてアーム6の回動が適度なものに抑制され、過剰な回動が防止される。これにより、弾力的な衝撃吸収が確保され、車体への強い衝撃が伝達されることを防止できる。 【0042】更に、複数配置されるゴムブッシュ9により、衝撃力Fが車両2の左右方向に分散され各ゴムブッシュ9により緩衝される。このため、車両2の左右方向への衝撃吸収性も高いものとなる。また、ゴムブッシュ9が左右方向へ直列に配置されているため、所定の衝撃吸収性能を確保しながら、車両ガイド機構1をコンパクトに構成することができる。」 (2c)甲第2号証には、以下の図が示されている。 3-2 当審の判断 (1)本件発明1について (1-1)対比 本件発明1と甲1発明とを対比する。 ア 甲1発明の「軌条式車両」は、本件発明1の「車両」に相当する。 イ 甲1発明の「主案内レール31と分岐案内レール32とから構成され」る「案内レール3」であって、「軌条式車両の経路となる走行軌道2に沿ってその左右両側にそれぞれ設置される案内レール3」は、本件発明1の「走行軌道に敷設された案内レール」に相当する。 ウ 甲1発明の「主案内輪51と分岐案内輪52とから構成され」る「案内輪5」は、「案内レール3に接して転動する」ものであって、案内レール3に接することで車幅方向の反力を受けて転動することが明らかであるから、上記ア及びイの相当関係をも踏まえると、本件発明1の「車両の走行軌道に敷設された案内レールに接し車幅方向の反力を受けて転動する案内輪」に相当するものといえる。 エ 甲1発明の「軌条式車両」は、「台車1」を具備するところ、「台車1の案内枠4は、車両前後方向に延在する2本の縦梁8と、これら縦梁8の車両前後方向における両端部を連結する2本の横梁9とから構成され、この横梁9の車幅方向両端部には、車幅方向に延びる案内アーム10が設けられ」るものであるから、甲1発明の「案内アーム10」は、「軌条式車両」に取り付けられるものであって、車幅方向外方に延出されていることが明らかである。 したがって、甲1発明の「案内アーム10」は、前記アの相当関係をも踏まえると、本件発明1の「前記車両に取り付けられ車幅方向外方に延出された取付アーム」に相当するものといえる。 オ 甲1発明は、「案内アーム10の車幅方向外側の端部は、案内輪受け11を備え、案内輪受け11には、車両前後方向に沿って延在する案内リンク12が取付けられ」るものであるところ、上記「車両前後方向」とは、車両の進行方向ということができ、さらに、上記「案内リンク12」は、その配設態様に照らして、案内アーム10の先端に配置されるものということもできる。 したがって、甲1発明の「案内リンク12」は、上記ア、エの相当関係をも踏まえると、本件発明1の「該取付アームの先端に配置され前記車両の進行方向に沿って配置された緩衝リンク」に相当するものといえる。 カ 甲1発明は、「案内輪受け11には、車両前後方向に沿って延在する案内リンク12が取付けられ、案内リンク12の一端12aと案内輪受け11とは、これらの間に回動軸13のフランジ14を挟んで第1の回動軸13を介して回動自在に連結され」るものであって、「第1の回動軸13は、ブッシュ12cを介して案内リンク12を支持し、ボルトなどの締結部材15により座金を介して案内輪受け11に取付けられ」るものであるから、甲1発明の「第1の回動軸13」及び「ブッシュ12c」は、案内リンク12に設けられるものであって、案内リンク12を案内アーム10の案内輪受け11に回動自在に支持する支持部をなすことが明らかである。 さらに、本件明細書の「図1~図3に示したように、案内輪緩衝装置1は、・・・緩衝リンク11の一端に設けられ緩衝リンク11を取付アーム10に揺動可能に支持する緩衝リンク支持部12と、・・・を備えている。」(段落【0021】)、及び「緩衝リンク11は、主案内輪3及び分岐案内輪5が主案内レール2及び分岐案内レール4に接して反力を受けた際、緩衝リンク支持部12を支点として回動(揺動)する。」(段落【0023】)等の記載によれば、本件発明1の「緩衝リンク支持部」による「前記緩衝リンクを前記取付アームに揺動可能に支持する」との構成は、緩衝リンクが、緩衝リンク支持部を支点として回動(揺動)することをも含み得ることが技術的に明らかである。 したがって、甲1発明の「第1の回動軸13」及び「ブッシュ12c」と、本件発明1の「該緩衝リンクの一端に設けられ前記緩衝リンクを前記取付アームに揺動可能に支持する緩衝リンク支持部」とは、上記エ、オの相当関係をも踏まえると、「該緩衝リンクに設けられ前記緩衝リンクを前記取付アームに揺動可能に支持する緩衝リンク支持部」の限度で共通するものといえる。 キ 甲1発明は、「案内リンク12の他端12bには、第2の回動軸16が回動自在に取付けられており、この第2の回動軸16の上下両端部には、主案内輪51と分岐案内輪52とが回動自在に取付けられ」るものであるから、上記「案内リンク12の他端12bに」「回動自在に取付けられて」いる「第2の回動軸16」は、主案内輪51と分岐案内輪52を回転自在に支持する支持部をなすことが明らかである。 したがって、甲1発明の「第2の回動軸16」は、上記ウ、オの相当関係をも踏まえると、本件発明の「前記緩衝リンクの他端に設けられ前記案内輪を回転自在に支持する案内輪支持部」に相当するものといえる。 ク 甲1発明は、「案内アーム10の車幅方向外側の端部は、案内輪受け11を備え」、「緩衝機構19が、案内輪受け11の第1の支持部17と案内リンク12の第2の支持部18との間において第1の回動軸13に対して平行に配置された軸部材25と、軸部材25の周囲を囲うように配置された円筒状受け部材26と、軸部材25と円筒状受け部材26との間に配置された円筒状緩衝ゴム27とから構成され」、「緩衝機構19の円筒状緩衝ゴム27は、案内リンク12が第1の回動軸13を中心に回動する際に軸部材25にかかる荷重を弾性変形により吸収するようになっている」ことから、上記「緩衝機構19」が、「案内リンク12の第2の支持部18」を、「案内アーム10」が「備え」る「案内輪受け11の第1の支持部17」に対して、弾性的に支持する緩衝用の弾性部として機能することは技術的に明らかである。 したがって、甲1発明の「緩衝機構19」は、上記エ、オの相当関係をも踏まえると、本件発明1の「前記緩衝リンクを前記取付アームに対して弾性的に支持する緩衝用弾性部」に相当するものといえる。 さらに、甲1発明における「緩衝機構19が、案内輪受け11の第1の支持部17と案内リンク12の第2の支持部18との間において第1の回動軸13に対して平行に配置された軸部材25と、軸部材25の周囲を囲うように配置された円筒状受け部材26と、軸部材25と円筒状受け部材26との間に配置された円筒状緩衝ゴム27とから構成され」ていることと、本件発明1における「前記緩衝用弾性部は、前記緩衝リンク支持部と前記案内輪支持部との中間部に配置され前記取付アームに支持された弾性体により構成されている」こととは、「前記緩衝用弾性部は、前記取付アームに支持された弾性体により構成されている」ことの限度で共通するものといえる。 ケ 甲1発明の「軌条式車両の案内装置」は、その技術的意義において、本件発明1の「車両の案内輪緩衝装置」に相当する。 以上によれば、本件発明1と甲1発明とは、 「車両の走行軌道に敷設された案内レールに接し車幅方向の反力を受けて転動する案内輪を有する車両の案内輪緩衝装置において、 前記車両に取り付けられ車幅方向外方に延出された取付アームと、 該取付アームの先端に配置され前記車両の進行方向に沿って配置された緩衝リンクと、 該緩衝リンクに設けられ前記緩衝リンクを前記取付アームに揺動可能に支持する緩衝リンク支持部と、 前記緩衝リンクの他端に設けられ前記案内輪を回転自在に支持する案内輪支持部と、 前記緩衝リンクを前記取付アームに対して弾性的に支持する緩衝用弾性部と、を備え、 前記緩衝用弾性部は、前記取付アームに支持された弾性体により構成されている、 車両の案内輪緩衝装置。」の点で一致し、以下の点で相違する。 <相違点> 「緩衝リンク支持部(第1の回動軸13及びブッシュ12c)」及び「緩衝用弾性部(緩衝機構19)」の配設について、 本件発明1は、緩衝リンク支持部が、「該緩衝リンクの一端に設けられ」るものであり、緩衝用弾性部が、「前記緩衝リンク支持部と前記案内輪支持部との中間部に配置され」て配設されるものであるのに対し、 甲1発明は、第1の回動軸13が、「ブッシュ12cを介して案内リンク12を支持し、ボルトなどの締結部材15により座金を介して案内輪受け11に取付けられ」るものであり、緩衝機構19が、「案内輪受け11の第1の支持部17と案内リンク12の第2の支持部18との間において第1の回動軸13に対して平行に配置された軸部材25と、軸部材25の周囲を囲うように配置された円筒状受け部材26と、軸部材25と円筒状受け部材26との間に配置された円筒状緩衝ゴム27とから構成され」て配設されるものである点。 (1-2)判断 上記相違点について検討する。 ア 本件発明1は、緩衝リンク支持部が、「該緩衝リンクの一端に設けられ」るものであり、緩衝用弾性部が、「前記緩衝リンク支持部と前記案内輪支持部との中間部に配置され」て配設されるものである。 他方、甲1発明は、第1の回動軸13が、「ブッシュ12cを介して案内リンク12を支持し、ボルトなどの締結部材15により座金を介して案内輪受け11に取付けられ」るものであり、緩衝機構19が、「案内輪受け11の第1の支持部17と案内リンク12の第2の支持部18との間において第1の回動軸13に対して平行に配置された軸部材25と、軸部材25の周囲を囲うように配置された円筒状受け部材26と、軸部材25と円筒状受け部材26との間に配置された円筒状緩衝ゴム27とから構成され」て配設されるものであって、要するに、「前記緩衝機構は、前記第1の回動軸を挟んで前記案内輪に対して反対側に配置され」(摘示(1a)段落【0016】)るものであるから、緩衝リンク支持部(第1の回動軸13、ブッシュ12c)が、緩衝リンク(案内リンク12)の一端に設けられるものではないし、また、緩衝用弾性部(緩衝機構19)が、緩衝リンク支持部(第1の回動軸13、ブッシュ12c)と案内輪支持部(第2の回動軸16)との中間部に配置されるものでもない。 イ そして、本件明細書の段落【0015】には、「また、緩衝リンクの一端を支点とすることにより、緩衝リンクと取付アームとの間に緩衝用弾性部を配置するだけで緩衝機構を形成することができ、部品点数の削減を図ることができる。また、緩衝リンクの一端が大きく揺動しないことから、設計上の制約を低減することができる。また、上述した特許文献1に記載された発明と比較して、荷重を受ける案内輪に対する支持軸の距離を短縮することができ、上述した特許文献2に記載された発明と比較して、支持軸に生じる応力を緩和することができ、部品の摩耗を低減することができる。したがって、組立やメンテナンスに要する工数を低減することもできる。」と記載されているとおり、本件発明1は、少なくとも、上記相違点に係る本件発明の構成、すなわち、緩衝リンク支持部が、「該緩衝リンクの一端に設けられ」るものであり、緩衝用弾性部が、「前記緩衝リンク支持部と前記案内輪支持部との中間部に配置され」て配設される構成を採用することで、本件発明1の「部品点数の削減、部品の摩耗の低減及び設計上の制約の低減を図ることができ、組立やメンテナンスに要する工数を低減することができる、車両の案内輪緩衝装置を提供する」(段落【0008】)との課題を解決したものと理解することができるが、甲1発明は、上記アで述べたとおり、緩衝リンク支持部(第1の回動軸13、ブッシュ12c)が、緩衝リンク(案内リンク12)の一端に設けられるものではなく、また、緩衝用弾性部(緩衝機構19)が、緩衝リンク支持部(第1の回動軸13、ブッシュ12c))と案内輪支持部(第2の回動軸16)との中間部に配置されるものでもないから、本件発明1の上記課題の解決を目的とした発明ということはできない。 ウ ところで、申立人は、甲1発明の実施にあたって、ブッシュ12cとして何らかの材質を選択する必要が生じた場合、弾性体からなるブッシュ12cを用いることは、設計事項として容易であるから、本件発明1は、甲1発明に基いて容易に想到し得る旨主張するので(特許異議申立書33頁下から5行~34頁9行)、検討する。 甲1発明は、「第1の回動軸13は、ブッシュ12cを介して案内リンク12を支持し、ボルトなどの締結部材15により座金を介して案内輪受け11に取付けられ」るものであるから、申立人が主張するとおり、甲1発明の実施に際し、「ブッシュ12c」として何らかの材質を選択することも想定される。そして、「ブッシュ12c」の材質を選択する場合には、当然のことながら、「ブッシュ12c」に要求される機能を十分考慮して選択されるべきである。 甲1発明は、「第1の回動軸13は、ブッシュ12cを介して案内リンク12を支持」するものであって、「緩衝機構19の円筒状緩衝ゴム27は、案内リンク12が第1の回動軸13を中心に回動する際に軸部材25にかかる荷重を弾性変形により吸収するようになっている」というものであるから、甲1発明の「ブッシュ12c」には、案内リンク12を「回動」させるための軸受的な機能が要求されていると解されるが、そのような「ブッシュ12c」に、上記円筒状緩衝ゴム27が有するような緩衝機能を求めることは、甲第1号証に記載も示唆もさなれていない。 また、案内リンクの回動による軸部材25にかかる荷重は、緩衝機構19の円筒状緩衝ゴム27によって吸収されるのであるから、甲1発明の「ブッシュ12c」に、あえて上記円筒状緩衝ゴム27が有するような緩衝機能までもが求められるものと解すべき合理性もない。 さらに、仮に、甲1発明の「ブッシュ12c」に、円筒状緩衝ゴム27が有するような緩衝機能を持たせると、その緩衝機能がゆえに、案内リンク12の所期する「回動」が維持し得なくなるおそれも想定されることから、甲1発明の「ブッシュ12c」に緩衝機能を持たせることには、阻害要因が存在するということもできる。 したがって、申立人の上記主張は採用できない。 エ また、申立人は、甲第2号証には、ゴムブッシュ9が、アーム6を弾性的に支持することが記載されているから、甲1発明に甲第2号証に記載された技術を適用することで、本件発明1は容易に想到し得る旨主張するので(特許異議申立書34頁10行~36頁9行)、以下検討する。 甲第2号証には、「車両を走行路に沿って案内する車両ガイド機構」に関し(摘示(2a))、摘示(2b)及び(2c)のとおり、 車両ガイド機構1は、車両2の走行案内をする機構であり、両側部にガイド壁3a、3aを構築した走行路3を走行する車両の走行案内に用いられること、また、車両ガイド機構1は、車両2の側方に配置されるガイド輪4、4を備えていること(段落【0021】)、 ガイド輪4は、アーム6の先端部に回転自在に軸着され、アーム6は、車両2の左右方向へ向けて配置される棒状の部材であること(段落【0023】)、 アーム6は、ビーム8にゴムブッシュ9を介して取り付けられ、ビーム8は、車両2の左右方向に向けて配設される棒状の部材であること、また、ゴムブッシュ9は、筒状のゴム材であり、複数設けられ、例えば一つのアーム6の取付に対し三つ設けられるものであって、車両2の左右方向に向けて直列に配置されること(段落【0024】)、 ビーム8の端部には、上下方向に貫通する縦孔14が形成され、ゴムブッシュ9は、筒状のカラー15に圧入され、カラー15と共に縦孔14に挿入されていること(段落【0028】)、 アーム6には、上下方向に伸びるピン16が複数形成され、ピン16は、ビーム8に取り付けられたゴムブッシュ9の中央部を貫通するように配設されており、ピン16がゴムブッシュ9を貫通することにより、アーム6がゴムブッシュ9を介してビーム8に対し弾力的に支持されること(段落【0029】)、が記載されている。 かかる記載から把握できる技術は、ガイド輪4を介してアーム6に衝撃力Fが伝達されると、アーム6が基端部を中心に後方へ回動して撓り、その撓りにより車両2の前後方向の衝撃力Fが緩衝される、というものであり(段落【0040】)、より具体的には、アーム6の基端部が左右方向へ直列に配置される複数のゴムブッシュ9を介してビーム8に取り付けられているため、ゴムブッシュ9の変形に応じてアーム6の回動が適度なものに抑制され、過剰な回動が防止され、これにより、弾力的な衝撃吸収が確保され、車体への強い衝撃が伝達されることを防止できるとともに(段落【0041】)、ゴムブッシュ9が左右方向へ直列に配置されているため、所定の衝撃吸収性能を確保しながら、車両ガイド機構1をコンパクトに構成することができる(段落【0042】)、というものである。要するに、甲第2号証に記載された「ゴムブッシュ9」は、車両2の左右方向へ向けて配置される棒状のアーム6と、同じく車両2の左右方向に向けて配設される棒状のビーム8との連結に用いられるものであって、車両2の左右方向に向けて直列に複数配置することが前提とされ、かかる配設構成によって、弾力的な衝撃吸収機能を確保した技術ということができる。 しかし、甲1発明の「案内リンク12」は、「車両前後方向に沿って延在する」ように配設されたものであって、甲第2号証に記載された「アーム6」のように「車両2の左右方向に向けて配設される」ものではなく、その前提構成が異なるばかりか、甲1発明は、案内リンクの回動による軸部材25にかかる荷重を、緩衝機構19の円筒状緩衝ゴム27によって吸収する機能を備えるものであるから、甲1発明の「ブッシュ12c」に要求される機能と、甲第2号証に記載された「ゴムブッシュ9」に要求される機能とが共通するものということもできない。 したがって、甲1発明の「ブッシュ12c」として、甲第2号証に記載された「ゴムブッシュ9」を適用すべき動機付けが存在するということはできないから、申立人の上記主張は採用できない。 エ 以上のとおり、本件発明1は引用発明と上記相違点で相違するものであるところ、上記相違点に係る本件発明1の構成が容易想到というべき理由はないから、本件発明1は、甲第1号証に記載された発明に基いて、あるいは、甲第1号証及び甲第2号証に記載された発明に基いて、当業者が容易に発明をすることができたものであるとはいえない。 1-2 本件発明3について 本件発明3は、本件発明1の発明特定事項を全て含み、さらに減縮したものであるから、本件発明1と同様に、甲第1号証に記載された発明に基いて、あるいは、甲第1号証及び甲第2号証に記載された発明に基いて、当業者が容易に発明をすることができたものであるとはいえない。 第5 むすび 以上のとおり、特許異議申立ての理由及び証拠によっては、請求項1~5に係る特許を取り消すことはできない。 また、他に請求項1~5に係る特許を取り消すべき理由を発見しない。 よって、結論のとおり決定する。

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2018-700376

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