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商標取消審判

2018-300811

スキニスト

審判番号
2018-300811
法域
商標
審判種別
取消審判(商標取消の審決)
出願番号
商願2002-103916
登録番号
商標登録第4704945号(T4704945)
請求日
2018年10月26日
審決日
2020年08月11日
公報発行日
2021年02月26日
結論
請求不成立
当事者
  • 【請求人】顔研全球有限公司
  • 【請求人代理人】安達 友和
  • 【被請求人】有限会社 スカイサポート
  • 【被請求人代理人】瀧野 文雄
  • 【被請求人代理人】今井 貴子
  • 【被請求人代理人】江成 文恵
  • 【被請求人代理人】藤田 朗子
審判長/審判官
  • 審判長 半田 正人
  • 審判官 平澤 芳行
  • 審判官 佐藤 松江
分類
T132 .1 -Y (Y03)
根拠条文(結論部分から自動抽出・参考)
商標法50条
条文(本文から自動抽出・参考)
商標法第50条第1項、商標法第2条第3項第2号、商標法第50条
データ出所
審決公報(SGML)

事件の表示

上記当事者間の登録第4704945号商標の登録取消審判事件について,次のとおり審決する。

結論

【結 論】 本件審判の請求は,成り立たない。 審判費用は,請求人の負担とする。

理由

【理 由】 第1 本件商標 本件登録第4704945号商標(以下「本件商標」という。)は,「SKINIST」の文字を標準文字で表してなり,平成14年12月9日に登録出願,第3類「かつら装着用接着剤,つけまつ毛用接着剤,洗濯用でん粉のり,洗濯用ふのり,せっけん類,歯磨き,化粧品,香料類,研磨紙,研磨布,研磨用砂,人造軽石,つや出し紙,つや出し布,つけづめ,つけまつ毛」を指定商品として,同15年8月29日に設定登録されたものである。 なお,本件審判の請求の登録日は,平成30年11月12日である(以下,同登録前3年以内の期間を「要証期間」という場合がある。)。 第2 請求人の主張 請求人は,商標法第50条第1項の規定により,本件商標の指定商品中,第3類「化粧品」についての登録を取り消す,審判費用は被請求人の負担とする,との審決を求め,その理由を次のように述べ,証拠方法として甲第1号証及び甲第2号証を提出した。 本件商標は,その指定商品中第3類「化粧品」について,継続して3年以上日本国内において商標権者,専用使用権者又は通常使用権者のいずれも使用した事実が存しないから,商標法第50条第1項の規定によりその登録は取り消されるべきものである。 なお,請求人は,被請求人提出の審判事件答弁書に対して,何ら弁駁していない。 第3 被請求人の答弁 被請求人は,結論同旨の審決を求めると答弁し,その理由を要旨次のように述べ,証拠方法として乙第1号証ないし乙第14号証を提出した。 1 本件商標の使用の事実 本件商標の権利者である被請求人は,「病院一般事務の受託,病院の経営の受託,化粧品の開発及び販売業務」等を主たる事業とし,惣角卓矢1名を取締役として,平成14年3月1日に設立(乙2)されたものであるところ,前出の惣角卓矢が平成13年に横浜駅東口のビルに開設,その後,平成18年に横浜駅西口のビルに開設し,院長を務める形成外科,皮膚科及び美容医療を行う「横浜西口スカイクリニック」(乙3)に対し,本件商標について通常使用権を許諾している。そして,当該通常使用権者「横浜西口スカイクリニック」は,本件商標が付された商品「化粧品」を,本件商標が登録された平成15年から現在に至るまでクリニック内で販売するものである。 (1)「横浜西口スカイクリニック(院長 惣角卓矢)」は,商標権者より「黙示の通常使用権」の許諾を受けているものである。 商標権者と「横浜西口スカイクリニック」の間には通常使用権許諾に関する契約書は存在しないが,両者は,共に「神奈川県横浜市西区南幸二丁目7番9号」に所在し,前者の取締役と後者の開設者,院長がいずれも「惣角卓矢」と同一の者であることから,後者が本件商標を使用することについて,両者の間には黙示的に了解があったものと理解でき,後者は本件商標の通常使用権者と認められる。 (2)通常使用権者がクリニック内で販売する「化粧品(美容液)」の正面には,本件商標「SKINIST」の文字及びサブネームである「GA-10」の文字,さらに通常使用権者の名称を欧文字で表した「Yokohana Nishiguchi Sky clinic」の文字が表示されている(乙4)。また,当該美容液の裏面には,本件商標「SKINIST」の表音とサブネームを表した「スキニスト GA10」の文字及び商品の内容を表す「30ml 美容液」とその成分,さらに,発売元として「横浜西口スカイクリニック」の名称と住所・電話番号が記載されている(乙5)。 そして,当該商品の販売方法はクリニック内における直販である。すなわち,本件商標を付した商品「化粧品(美容液)」(以下「使用商品」という。)(乙4,乙5)は,「横浜西口スカイクリニック」の診察室内のショーケースに,スキンケア商品の1つとして置かれていて(乙6),診察の上,医師が患者の治療に有用と判断した場合には,使用商品について説明し,その結果患者が当該商品を購入する。 以上により,商品「化粧品(美容液)」について,本件商標が通常使用権者により使用されていることは明らかである。 (3)使用商品が,「横浜西口スカイクリニック」により販売されていた事実について ア 使用商品を販売した者のカルテ(乙7~乙9) 「カルテ」の「処方・手術・処置等」の欄に,本件商標「SKINIST」の文字は記載されていないが,本件商標が付された使用商品であることを示すサブネームの「GA10」の文字,及び販売価格が明示されていることから,これらは,「横浜西口スカイクリニック」により,使用商品が診察日である平成28年12月ないし同29年1月に販売された事実を客観的に裏付けるものである。 なお,これらのカルテは,必要最小限の情報以外の部分についてはマスキングしたが,「処方・販売された商品名及びその価格」,「診察日(商品販売日)」,横浜西口スカイクリニックの院長である「担当医:惣角卓矢」の氏名,カルテの番号等も表示されており,当該カルテが真正なものであることに疑いはない。 イ 通常使用権者が患者に対し発行した「請求書兼領収書」(乙10~乙12) (ア)当該「請求書兼領収書」の原本は,診察日に発行され,請求金額の支払いと引き換えに,領収印欄にクリニックの領収印を押して患者に渡している。 (イ)上記各領収書が,電子カルテ(乙7~乙9)に対応したものであることは,両者に記載された「患者番号(患者No.)」と「診察日」が一致していることから明らかである。 (ウ)診察日は,審判請求の予告登録日前3年以内,すなわち要証期間内に発行されたものである。 (エ)領収書の金額に対応した項目欄には,「自費・薬剤」とのみ記載され,使用商品の記載はないが,医療機関で発行される領収書には,一定の区分が記載されるだけで,一般に処方した薬品名・販売した商品名までが記載されることはない。 しかしながら,対応する電子カルテの処方欄に記載の「項目・商品名・金額」と領収に記載された「項目・金額」とは一致している。すなわち,乙第13号証(乙7の再提出)と対応する乙第10号証を比較すると,乙第13号証の電子カルテの処方欄に記載の「自費/GA10 9396円」「自費/・・・ 8316円」の二項目が,乙第10号証の領収書の「自費・薬剤/17,712円」の項目に該当しており,その費用は一致している。同様に,乙第14号証(乙8の再提出)と対応する乙第11号証を比較すると,乙第14号証の電子カルテの処方欄に記載の「自費/GA10 9396円」「自費/・・・ 8316円/864円/6156円」の四項目が,乙第11号証の領収書の「自費・薬剤/24,732円」の項目に該当しており,その費用は一致している。そして,乙第9号証と対応する乙第12号証を比較すると,乙第9号証の電子カルテの処方欄に記載の「自費/GA10 9396円」の一項目が,対応する乙第12号証の領収書の「自費・薬剤/9396円」の項目に該当しており,その費用も「9396円」と一致している。 したがって,自費で販売された商品「GA10」が,本件商標「SKINIST」を使用した商品「美容液」であることに疑義の入る余地は全くない。 (4)本件商標は,「SKINIST」の欧文字を標準文字で表してなるところ(甲1),使用商品の容器の表面中央部には,本件商標と社会通念上同一と認識できる表示態様にて「SKINIST」の欧文字が記載され,同容器の裏面上方には,商品名を片仮名で表した「スキニスト GA10」の文字,及び内容物の普通名称である「美容液」の文字が,下方には,発売元として通常使用権者である「横浜西口スカイクリニック」の名称及び住所が記載されている。そして,通常使用権者は,使用商品を,クリニックの診療室内のショーケースに展示し(乙6),電子カルテ(乙7~乙9)に対応した領収書(乙10~乙12)にあるとおり,クリニックで診察を受けた患者に,使用商品を販売している。 通常使用権者が,本件商標を使用商品の包装に使用した商品をクリニック内で展示し,患者に譲渡する行為は,商標法第2条第3項第2号に該当する商標の使用行為に該当するものである。 2 むすび 以上詳述のとおり,本件商標は,要証期間内に,日本国内において,通常使用権者により,取消に係る指定商品である「化粧品」に属する商品「美容液」について使用されていることは明らかである。 第4 当審の判断 1 事実認定 (1)被請求人提出の乙各号証によれば次のとおりである。 ア 商標権者は,「神奈川県横浜市西区南幸二丁目7番9号」所在の有限会社であって,「惣角卓矢」を唯一の取締役としている(乙1,乙2)。 イ 「横浜市西区南幸2-7-9 藤本ビル2F」所在の皮膚科,形成外科を診療科目とする「横浜西口スカイクリニック」では「スキンケア製品」を取り扱っており,院長は「惣角卓矢」である(乙3)。 ウ 「美容液」の容器(乙4,乙5)には「SKINIST」「GA-10」「スキニスト」「GA10」「美容液」の文字とともに「発売元」として「横浜西口スカイクリニック」「横浜市西区南幸2-7-9」の記載がある。 エ 「診療カルテ」とされるもの(乙7~乙9,乙13,乙14)は,いずれも氏名がマスキングされており,それらには「平成28/12/09」(乙7,乙13),「平成28/12/24」(乙8,乙14)及び「平成29/01/11」(乙9)の記載があるほか,いずれにも「担当医:惣角 卓矢」の記載と,「処方・手術・処置等」の欄に「GA10 9396円」の記載がある。 オ 「請求書兼領収書」(乙10~乙12)は,いずれも氏名がマスキングされており,それらには「診察日 平成28年12月9日」「患者番号024937」「自費・薬剤17,712円」(乙10),「診察日 平成28年12月24日」「患者番号024318」「自費・薬剤24,732円」(乙11)及び「診察日 平成29年1月11日」「患者番号027010」「自費・薬剤9,396円」(乙12)の記載があるほか,いずれにも「横浜西口スカイクリニック」「神奈川県横浜市西区南幸2-7-9 藤本ビル2F」の記載がある。 (2)上記(1)ウないしオによれば,「美容液」の容器(乙4,乙5)に記載された「GA10」と,「診療カルテ」(乙7~乙9,乙13,乙14)の「処方・手術・処置等」の欄に記載された「GA10」とが一致することなどから,両者は同一のものと判断するのが相当である。 そして,乙第4号証及び乙第5号証は,その記載内容,形態などから「美容液」とみるのが自然であること,「診療カルテ」(乙7~乙9,乙13,乙14)と「請求書兼領収書」(乙10~乙12)のそれぞれの患者番号が一致し,処方された商品の合計額が「17,712円」(乙10,乙13),「24,732円」(乙11,乙14)及び「9,396円」(乙9,乙12)とそれぞれ一致することを併せみれば,「横浜西口スカイクリニック」の院長である「惣角卓矢」は,平成28年12月9日,同年12月24日及び同29年1月11日に,容器に「SKINIST」の文字(以下「使用商標」という。)が付された「美容液」(以下「本件使用商品」という。)を,「患者番号024937」,「患者番号024318」及び「患者番号027010」に各1つ処方したということができる。 2 判断 (1)使用者について 上記1(1)ア及びイによれば,商標権者の唯一の取締役と「横浜西口スカイクリニック」の院長は,両者の氏名が一致し,当該氏名「惣角卓矢」は珍しい氏名であること,更に商標権者の所在地と「横浜西口スカイクリニック」の所在地が一致することから,両者は同一人とみるのが相当である。 そうすると,「横浜西口スカイクリニック」の院長「惣角卓矢」は,商標権者から本件商標の使用について,黙示の通常使用権の許諾を受けているといえる。 したがって,「横浜西口スカイクリニック」は,本件商標の通常使用権者であると認めることができる。 (2)使用時期(処方の時期)について 「横浜西口スカイクリニック」の院長「惣角卓矢」が患者に処方した平成28年12月9日,同年12月24日及び同29年1月11日は,いずれも要証期間内である。 (3)本件使用商品について 上記第2のとおり,本件審判の請求に係る指定商品は第3類「化粧品」であり,本件使用商品の「美容液」が当該指定商品に含まれていることは明らかである。 (4)使用商標について 使用商標は,上記1(2)のとおり「SKINIST」の文字からなるものであるから,上記第1のとおり「SKINIST」の文字からなる本件商標と同一又は社会通念上同一と認められる商標である。 (5)使用行為(処方したこと)について 上記1(1)エのとおり,「横浜西口スカイクリニック」の院長が本件使用商品(美容液)を患者に処方したこと,また,上記1(1)オのとおり,かかる処方を受けた者が,診察日に「横浜西口スカイクリニック」において,本件使用商品(美容液)を購入したことを併せみれば,「横浜西口スカイクリニック」の院長「惣角卓矢」は,本件使用商品を処方したその日に患者に譲渡したと認められる。 (6)小括 上記(1)ないし(5)からすれば,通常使用権者は,要証期間に含まれる平成28年12月9日,同年12月24日及び同29年1月11日に,日本国内において本件審判の請求に係る指定商品に含まれる「美容液」の包装に本件商標と社会通念上同一と認められる商標を付したものを譲渡したと認められ,かかる行為は商標法第2条第3項第2号にいう「商品の包装に標章を付したものを譲渡する行為」に該当するものと認められる。 3 まとめ 以上のとおりであるから,被請求人は,要証期間内に日本国内において通常使用権者が本件審判の請求に係る指定商品に含まれる「美容液」について,本件商標(社会通念上同一と認められる商標を含む。)の使用をしていることを証明したものと認められる。 したがって,本件商標の登録は,商標法第50条の規定により取り消すことはできない。 よって,結論のとおり審決する。

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2018-300811

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