特許拒絶査定不服審判
2018-017471
塗材表面仕上げ方法
- 審判番号
- 2018-017471
- 法域
- 特許
- 審判種別
- 拒絶査定不服審判(拒絶査定不服の審決)
- 出願番号
- 特願2014-057749
- 請求日
- 2018年12月28日
- 審決日
- 2019年11月01日
- 公報発行日
- 2019年12月27日
- 結論
- 原査定取消(特許/登録すべき)
- 当事者
- 【請求人】アイカ工業株式会社
- 審判長/審判官
- 審判長 秋田 将行
- 審判官 有家 秀郎
- 審判官 住田 秀弘
- 分類
- P18 .121-WY (E04F)
- 条文(本文から自動抽出・参考)
- 特許法第29条第2項
- データ出所
- 審決公報(SGML)
事件の表示
特願2014- 57749「塗材表面仕上げ方法」拒絶査定不服審判事件〔平成27年10月22日出願公開、特開2015-183357、請求項の数(1)〕について、次のとおり審決する。
結論
【結 論】
原査定を取り消す。
本願の発明は、特許すべきものとする。
理由
【理 由】
第1 手続の経緯
本願は、平成26年3月20日の出願であって、原審におけるその後の手続の経緯は、以下のとおりである。
平成29年 8月14日付け 拒絶理由通知
(平成29年 8月17日発送)
平成29年10月13日 意見書及び手続補正書の提出
平成30年 3月 2日付け 拒絶理由通知(最後)
(平成30年 3月 8日発送)
平成30年 4月24日 意見書及び手続補正書の提出
平成30年 9月20日付け 補正の却下の決定
(同年4月24日付け手続補正書を却下)
平成30年 9月20日付け 拒絶査定
(平成30年10月 1日発送)
本件はこれに対し、原査定の謄本送達から3月以内の平成30年12月28日に、拒絶査定不服審判の請求がされると同時に手続補正(以下、「審判補正」という。)がされたものである。
第2 原査定の概要
原査定(平成30年9月20日付け拒絶査定)の概要は次のとおりである。
審判補正前の本願請求項1ないし3に係る発明は、下記引用文献1,2及び4に記載された発明、若しくは引用文献1ないし4に記載された発明に基いて、当業者が容易に発明できたものであるから、特許法第29条第2項の規定により特許を受けることができない。
引用文献:
1.特開2004-211035号公報
2.特開2006-152231号公報
3.特開2001-192255号公報
4.特開2013-129831号公報
第3 本願発明
本願請求項1に係る発明(以下、「本願発明」という。)は、審判補正後の特許請求の範囲の請求項1に記載された事項により特定される発明であって、以下のとおりの発明である。
「【請求項1】
消石灰若しくは炭酸カルシウムのいずれか又は消石灰と炭酸カルシウムの混合物を40~80重量%含有し、合成樹脂エマルションが樹脂成分として10重量%以下3重量%以上である漆喰調塗材100重量部とガラス片の表面を二酸化ケイ素で被覆し更に二酸化チタンで被覆した透明性金属光沢顔料を3~5重量部とを均一に混合した塗材を、下地に0.5~0.7kg/m2塗布し、乾燥後、さらに0.6~1.0kg/m2塗布し、乾燥後に金属性鏝のエッジにて塗材表面を擦り押さえて塗材表面に光沢と光輝点を付与することを特徴とする塗材表面仕上げ方法。」
第4 進歩性
1 引用文献の記載
(1)引用文献1
ア 記載事項
原査定に引用された引用文献1には、次の事項が記載されている(下線は、当審で付した。以下同様。)。
(ア)明細書
「【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、建築物の内装・外装用仕上げ材として好適に用いられる塗料組成物及び塗装模様形成方法に関する。
【0002】
【従来の技術】
従来より、建築物の内装・外装をマーブル調塗装模様や濃淡模様に仕上げるために、種々の塗料組成物、塗装模様形成方法が用いられている。ここで言うマーブル調塗装とは大理石のような模様を被塗装物に付与する模様調塗装のことである。(特開平10-183030号公報)。
・・・・(中略)・・・・。
【0013】
本発明は、従来行なわれてきたマーブル調仕上げ塗装における前記問題点の解決を可能にするべく完成されたものであり、その目的は、簡便、安全、かつ、低コストで、所望の濃淡模様等の塗装模様を現出することができる塗料組成物及び塗装模様形成方法を提供するところにある。
・・・・(中略)・・・・。
【0024】
【発明の実施の形態】
本発明の塗料組成物は、炭酸カルシウム及びバインダー樹脂を含むほか、必要に応じて、水溶性増粘材、消泡材、減水材、顔料等が含まれ、これらが水と混練されてなる。
【0025】
本発明の塗料組成物は、炭酸カルシウムの累積量90%に相当する粒子直径(Dp90%)が3~20μmの範囲内であることが好ましい。炭酸カルシウムのDp90%が3~20μmであれば、容易にコテ等による光沢、グラデーション(色の階調)のあるマーブル調模様や濃淡模様の塗膜を形成することが可能となる。Dp90%が3μm未満であると、作業中の発塵、必要水分量の増加による乾燥後の塗膜の亀裂等の欠陥等が発生するおそれがある。また、Dp90%が20μmより大きくなると、光沢、色の階調等を発現し難くなる。
【0026】
本発明の塗料組成物において、炭酸カルシウムの平均粒子径は、特に限定されないが、0.1~10μmであれば、容易にコテ等による光沢、グラデーション(色の階調)のあるマーブル調模様または濃淡模様の塗装模様を形成することが可能となるため、好ましい。
【0027】
平均粒子径が0.1μm未満であると、作業中の発塵、必要水分量の増加による乾燥後の塗膜の亀裂等の欠陥が発生するおそれがある。また、平均粒子径が10μmよりも大きくなると、光沢、色の階調等を発現しなくなるおそれがある。
【0028】
バインダー樹脂としては酢酸ビニル樹脂、アクリル樹脂などを例示することが出来るが、その他、水の蒸発によって硬化を生じさせる樹脂であれば使用することが出来る。
【0029】
水溶性増粘材としては、メチルセルロース、ヒドロキシエチルセルロース等の合成高分子物質あるいは海藻類、澱粉類等の天然高分子物質から選ばれる水溶性増粘材を例示することが出来る。この水溶性増粘材はローラー作業に適度な粘性を与えると同時に接着性を向上させる効果を有するものも少なくない。
【0030】
また、消泡剤としては、従来より公知の消泡剤を使用することができる。
【0031】
減水材としては、ナフタリンスルフォン酸系、ポリカルボン酸系、リグニンスルフォン酸系、メラミンスルフォン酸系、ポリエ-テルカルボン酸系などを例示することが出来る。減水材は出来るだけ少ない水で塗料組成物を分散混合することにより、乾燥に伴うひび割れを防止することが出来る。
【0032】
次に、本発明の塗装模様形成方法について説明する。
本発明の塗装模様形成方法は、前記本発明の塗料組成物を、被塗装面に塗りつけ、塗料組成物の表面を乾燥した後、再度被塗装面の全面に塗りつけ、次いで、例えば、金属製のコテ等、コテ面を被塗装面の全面に対し擦り付ける、すなわち、全面をコテ塗りすることで、光沢やグラデーションのあるマーブル模様または濃淡模様を形成する構成である。
【0033】
これにより、1種類の塗料組成物によってマーブル調模様、濃淡模様等、光沢のある内装・外装塗装を簡便、安全かつ低コストで再現性よく施工することができる。
【0034】
より具体的には、本発明の塗装模様形成方法では、まず、前記塗料組成物を被塗装面の8割~3割に塗りつける。次に、塗りつけられた塗料組成物の表面を乾燥する。次いで、塗りつけられていない残りの2~7割の被塗装面に、同じ塗料組成物を塗りつける。さらに、塗りつけられた塗料組成物の表面を乾燥した後、再度同塗料組成物を被塗装面全面に塗りつける。その後、金属製のコテ等により塗装面の全面を擦り付けることにより、光沢のあるマーブル調模様または濃淡模様の塗膜を形成することができる。
【0035】
さらに具体的には、例えば、70cm四方の石膏ボードの8割~3割の面積に、本発明の塗料組成物をウィンナーローラ-等で任意の方向に塗りつける。例えば、回転軸方向長さが20cm程度のウィンナーローラ-で10cm程度の塗装部分を多数形成する。次に、上記石膏ボードの2~7割の面積に当る未塗装面を埋めるように、上記ウィンナーローラ-等で塗料組成物を塗りつける。その後、塗料組成物の表面が乾燥した後、再度全面に塗料組成物を塗りつける。
【0036】
その後、上記金属製のコテ(たとえばステンレスゴテ)等によりコテ塗りを行うことで、簡便、安全かつ低コストで所望の濃淡模様等の塗装模様を現出させることができる。
【0037】
被塗装面への塗料組成物の塗りつけは、上記金属製等のコテ、ローラー、はけ、へら等から1つ以上選択し施工することができる。
【0038】
【実施例】
以下において、本発明の実施例を用いて説明するが本発明は、これら実施例により何ら限定されるものではない。尚、本明細書において特に限定しない限り、「%」は「重量%」を意味する。
【0039】
〔実施例1〕
表1に示す配合組成により塗料組成物を調合し、以下に示す性能評価試験を行なった。
【0040】
【表1】
【0041】
炭酸カルシウム;三精製粉社製エスカロン#2300、Dp90%=5μm(平均粒子径1μm)
バインダー樹脂;高圧ガス工業社製、エチレン酢酸ビニル系樹脂、LX671
増粘材;信越化学工業社製、メチルセルロース系、90SH-4000
消泡材;旭電化工業社製、B-111F
減水材;SKWイ-ストアジア社製、ナフタリンスルフォン酸系、POWER CON100
顔料1;大日精化工業社製、AF Brown E-3
顔料2;大日精化工業社製、AF Yellow E-26
顔料3;大日精化工業社製、AF Red E-6
(マーブル調模様確認試験)
表1の組成物を10.5mm厚の石膏ボードにコテを用い、被塗装面の6割に塗りつけ、塗料組成物の乾燥後、塗りつけられていない残りの4割をコテで塗りつけ、塗料組成物の乾燥後、全面を塗りつけ、金属製のコテにより全面を擦り付けるようにして磨くことで全工程を終了した。総塗布量は300g/m2であった。仕上がりは、光沢のあるマーブル調模様を呈しており、全体の色調は薄い赤茶色であり、赤茶の濃淡に変化のあるマーブル調模様を形成していた。
【0042】
〔実施例2~7、比較例〕
各表2に示すDp90%(μm)を有する炭酸カルシウムを前記表1に示す実施例1と同一の配合で調製した。各塗料組成物について、光沢、濃淡、グラデーション(色の階調)の観点から、粒子径の相違が及ぼす影響を検証した。実施例2に使用した炭酸カルシウムは丸尾カルシウム社製で、またこれを分級して実施例3に使用した。上記以外の炭酸カルシウムは全て三精製粉社製で、水量はフロー値180~190になるように加えた。(表2の実施例4の塗料組成物は、表1のものと同一組成である。)
反射率の測定には、測定機器としてミノルタ社色彩色差計CR310を使用し、XYZ座標系のY値から以下の式に従って反射率を評価した。
反射率=各試験体のY値/色彩色差計に付属の基準白色板のY値
グラデーションおよび濃淡の評価は人(20人)による官能検査から3段階評価により実施した。
ひび割れは施工乾燥後に、表面のひび割れの有無を確認した。
【0043】
【表2】
【0044】
表2より、粒子径を問わず色の濃淡は全ての試験体に認められた。しかしながら、芸術性を示す評価手法の1つと考えられるグラデーション(色の階調)はDp90%=20μm(平均粒子径10μm)を境に低くなる。また、反射率はDp90%=5μm(平均粒子径1μm)で最大値を示し(最も光の反射量が多い)、Dp90%=20μm(平均粒子径10μm)を境に急激に低下する。炭酸カルシウムのDp90%=3μm(平均粒子径が0.1μm)以上であればひび割れは発生しなかった。」
(イ)表1
上記(ア)の段落【0025】、段落【0040】の表1、及び段落【0041】の記載を整理すると、実施例1の塗料組成物は、
Dp90%(累積量90%に相当する粒子直径)が5μmの炭酸カルシウム49.61重量%、
エチレン酢酸ビニル系樹脂17.51重量%、
顔料茶 1.38重量%、
顔料黄 5.30重量%、
顔料赤 0.11重量%、
及び増粘材、消泡材、減水材を含み、これらが
水 23.902重量%、
と混練されてなる塗料組成物であることが、読み取れる。
イ 引用文献1に記載された発明
上記アより、引用文献1には次の発明(以下、「引用発明1」という。)が記載されていると認められる。
「大理石のような模様であるマーブル調塗装模様を仕上げるための塗装模様形成方法であって、
1種類の塗料組成物でマーブル調塗装模様を簡便、安全かつ低コストで施工するために、炭酸カルシウムの累積量90%に相当する粒子直径であるDp90%を3~20μmの範囲内とした塗料組成物を用い、具体的には、Dp90%が5μmの炭酸カルシウム49.61重量%、エチレン酢酸ビニル系樹脂17.51重量%、顔料茶1.38重量%、顔料黄5.30重量%、顔料赤0.11重量%、及び増粘材、消泡材、減水材を含み、これらが水23.902重量%と混練されてなる塗料組成物を、
石膏ボードにコテを用い、被塗装面の6割に塗りつけ、塗料組成物の乾燥後、塗りつけられていない残りの4割の被塗装面に、同じ塗料組成物をコテで塗りつけ、
さらに、塗りつけられた塗料組成物の表面を乾燥した後、再度同塗料組成物を被塗装面全面に塗りつけ、
その後、金属製のコテにより塗装面の全面を擦り付けるようにして磨き、
総塗布量を300g/m2として、
光沢があり、全体の色調は薄い赤茶色であり、赤茶の濃淡に変化のあるマーブル調模様を形成する、
マーブル調塗装模様を仕上げるための塗装模様形成方法。」
(2)引用文献2
原査定に引用された引用文献2には、次の事項が記載されている。
「【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、新規な装飾性塗材及び装飾性建材に関するものである。
・・・・(中略)・・・・。
【0005】
本発明は上述のような問題点に鑑みなされたものであり、本発明における第1の課題は、形成塗膜の割れ発生を抑制することができる装飾性塗材を得ることである。第2の課題は、微妙に色合いが変化する自然な多彩感が表出可能な装飾性塗材を得ることである。さらには、このような装飾性塗材をシート状に成形して、同様の効果を奏する装飾性建材を得ることである。
【課題を解決するための手段】
【0006】
本発明者は、上記目的を達成するため鋭意検討を行なった結果、結合剤及び平均粒子径10~1000μmの粒状骨材を含有する装飾性塗材において、厚みが異なる複数種の鱗片状骨材を特定条件で配合すること、さらには当該鱗片状骨材として透明性及び/または光干渉性を有するものを使用することに想到し、本発明を完成させるに到った。
・・・・(中略)・・・・。
【0028】
本発明塗材では、真珠光沢顔料(E)(以下「(E)成分」という)を含むこともできる。このような(E)成分を配合することにより、形成塗膜における輝度感を高めることができる。特に、(B)成分として(B-1)成分が含まれる場合に、その効果は顕著となる。このような(E)成分は、高屈折率の極めて薄い鱗片状(平均厚みは通常0.05μm以上1μm未満)であって、入射光を多重反射させて真珠光沢を呈するものである。具体的に(E)成分としては、白雲母、合成雲母、シリカフレーク、またはガラスフレーク等の基体に、金属または金属酸化物を被覆したものを使用することができる。このうち、金属または金属酸化物に含まれる金属としては、チタン、鉄、アルミニウム、亜鉛、錫、ジルコニウム、コバルト、ニッケル、金、銀等が挙げられる。
【0029】
(E)成分の平均粒子径は、通常1μm以上600μm以下(好ましくは1μm以上200μm以下、より好ましくは5μm以上50μm以下)である。なお、(E)成分の平均粒子径は、遠心沈降式粒度分布測定装置によって測定される50%粒子径の値である。
【0030】
(E)成分の混合比率は、(A)成分の固形分100重量部に対し、通常0.1~200重量部、好ましくは1~50重量部である。
・・・・(中略)・・・・。
【0040】
(実施例1)
塗材の製造
水分散性樹脂200重量部(固形分100重量部)に対し、粒状骨材1を200重量部、粒状骨材2を120重量部、粒状骨材3を80重量部、薄型鱗片状骨材1を15重量部、厚型鱗片状骨材を20重量部、水を30重量部、造膜助剤を8重量部、増粘剤を1重量部、消泡剤を2重量部混合し、常法にて均一に攪拌して塗材を製造した。なお、塗材の製造に使用した原料は、以下の通りである。
【0041】
・水分散性樹脂:アクリル樹脂エマルション(固形分50%、ガラス転移温度20℃)
・粒状骨材1:着色珪砂(茶色、平均粒子径70μm)
・粒状骨材2:着色珪砂(赤色、平均粒子径100μm)
・粒状骨材3:着色珪砂(淡黄色、平均粒子径150μm)
・粒状骨材4:寒水石(白色半透明、平均粒子径180μm、光透過率16%)
・薄型鱗片状骨材1:着色雲母(黒色、平均粒子径1.2mm、平均厚み50μm)
・薄型鱗片状骨材2:天然雲母(無色透明、平均粒子径1.0mm、平均厚み40μm)
・薄型鱗片状骨材3:光干渉性フィルム片(平均粒子径0.5mm、平均厚み50μm)
・厚型鱗片状骨材:貝殻片(白色、平均粒子径3mm、平均厚み0.6mm)
・真珠光沢顔料:酸化チタン被覆雲母(平均粒子径30μm)
・造膜助剤:2,2,4-トリメチル-1,3-ペンタンジオールモノイソブチレート
・増粘剤:ヒドロキシエチルセルロース粉
・消泡剤:シリコーン系消泡剤(固形分50重量%)」
(3)引用文献3
原査定に引用された引用文献3には、図面とともに次の事項が記載されている。
「【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】この発明は、建築物の内壁や外壁等に適用できる磨き漆喰風の壁面を現出させることが可能な磨き漆喰風壁材組成物に関するものである。
・・・・(中略)・・・・。
【0007】この発明は、従来例の上記欠点を解消するため鋭意研究を重ねた結果、磨き漆喰風の壁面を現出させることが可能な磨き漆喰風壁材組成物が得られたものであり、従来の磨き漆喰にほとんど遜色のない風合いで、しかも非常に強度等に優れ、かつひび割れ等の発生しにくい磨き漆喰風の壁材が得られる磨き漆喰風壁材組成物を提供しようとするものである。
・・・・(中略)・・・・。
【0025】
【実施例】(実施例1)消石灰100重量部に対して、珪砂40重量部、エチレン-酢ビ系共重合体樹脂からなる合成樹脂エマルジョン5重量部、マニラすさ2重量部、250メッシュのクレイ成分1.5重量部、分散剤2重量部、セルロース系増粘剤0.5重量部、消泡剤0.5重量部を添加し、また赤色系の大理石パウダーからなる体質顔料を3重量部添加した上、コテ塗りに適した所定の粘度になるよう水に溶解し、所定時間放置した。
【0026】そして得たコテ塗り材料を用いて下地層の上に凹凸ができないようにコテ塗りしたところ、そのままで非常にすべすべした手触りを有し、しかもしっとりとして磨き漆喰のような風合いや質感を有する表面状態を備えていた。また、上記体質顔料によって薄いピンク色を呈するものとなっていた。
・・・・(中略)・・・・。
【0028】またこの発明によれば、コテ塗り作業を行なうだけで熟練を要することなく磨き漆喰を得ることができ、非常に作業性がよいので効率よく仕上げることができて品質の良い、また色合いも自在に変化させることが可能な磨き漆喰風壁材組成物が提供できるようになった。
【0029】なおこの発明の磨き漆喰風壁材組成物においては、全体の成分を水等で混練して所定の粘度にしたものを市場に供給することができる。また、主要成分を粉末状として供給し、現場において分散剤や水等を添加して混練し、その上でコテ塗り作業を行なってもよい。」
(4)引用文献4
ア 記載事項
原査定に引用された引用文献4には、図面とともに次の事項が記載されている。
「【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、円形係数が1.2~2であるフレーク状基材に基づいていて(based on)、少なくとも1つの高屈折率層によりコーティングされている効果顔料(effect pigments)と、とりわけ、塗料、コーティング剤、印刷インク、プラスチックにおける、および化粧用配合物(cosmetic formulations)における、該効果顔料の使用とに関する。
【背景技術】
【0002】
例えば真珠光沢顔料または金属効果顔料などの効果顔料は、多くの産業分野、特に、自動車用塗料、工業用コーティング剤、化粧コーティング剤の分野において、プラスチックにおいて、塗料、印刷インクにおいて、および化粧用配合物において用いられている。このタイプの顔料は、単一または複数コーティングを有する、フレーク状の長楕円形(oblong)基材に基づく。
・・・・(中略)・・・・。
【0005】
本発明の目的は、高い彩度を有し、同時に、光学特性、特に、光沢(lustre)および色純度を失うことなく高い隠蔽力を示し、有利な適用特性(applicational properties)によって特徴づけられる、効果顔料を見出すことである。
【0006】
驚いたことに、丸みのある(roundish)形状を有するフレーク状基材に基づく効果顔料は、縁の粗さ(edge roughness)がより大きい長楕円形状を有する基材に基づく先行技術による効果顔料と比較して、彩度および隠蔽力が増していることが今や判明した。
【0007】
したがって、本発明は、円形係数(周囲長2/円に標準化された面積(circumference2/area standardised to a circle))が1.2~2であるフレーク状基材に基づいていて、屈折率がn≧1.8である少なくとも1つの高屈折率層によりコーティングされている、効果顔料に関する。
・・・・(中略)・・・・。
【0011】
本発明による効果顔料に好適なベース基材は、透明なフレーク状基材である。好ましい基材は、例えば、天然または合成雲母、タルク、カオリンなどのフィロシリケート、グラファイト、フレーク状の酸化鉄、ガラスフレーク、SiO2フレーク、Al2O3フレーク、TiO2フレークもしくは合成セラミックフレーク、支持体のない合成フレーク(synthetic support-free flakes)、LCP(液晶ポリマー)、または他の同等な材料である。非常に特に好ましい基材フレークは、天然または合成雲母フレーク、ガラスフレーク、Al2O3フレーク、およびSiO2フレークである。
【0012】
本発明による効果顔料については、円形係数が、1.2~2、好ましくは1.2~1.8、非常に特に好ましくは1.2~1.7である基材フレークを用いる。
【0013】
好ましい基材フレークは、粒径が、5~60μm、特に、5~40μmである。好ましい基材フレークの厚さは、好ましくは、0.2~0.6μmである。
・・・・(中略)・・・・。
【0025】
丸みのある基材フレークは、フィラーとして、特に、化粧用フィラーとして、または効果顔料を製造するためのベース基材として機能することができる。この場合には、丸みのある基材フレークに、1つまたは複数のコーティング、好ましくは、金属酸化物層が与えられる。
【0026】
丸みのある基材フレークは、好ましくは、少なくとも1つの高屈折率層(n≧1.8)によりコーティングされる。
【0027】
例えば、ガラスフレークなどの、酸および/または塩基に影響を受けやすい基材フレークの場合には、例えばコーティングの間の基材の浸出および/または膨張を防止するために、実際のコーティングの前に、まず、薄い保護層でそれらをコーティングするのが望ましいことが多い。しかし、保護層は、さらに滑らかな基材表面を実現するのに役立つこともできる。この保護層は、一般に、非常に薄く、好ましくは、<20nm(20nm未満)であり、したがって、最終的な効果顔料の光学特性に、極めて小さい影響しか与えないか、全く影響を与えない。保護層は、好ましくは、SiO2層である。
【0028】
本特許出願において、高屈折率とは、屈折率n≧1.8、好ましくは、n≧2.0を意味するものとする。本特許出願において、低屈折率とは、屈折率n<1.8を意味するものとする。
【0029】
好適な層材料は、膜様におよび耐久的に基材粒子に付けることのできる、当業者に既知のすべての高屈折率材料であり、例えば、金属酸化物、金属酸化物混合物、金属オキシ水和物(metal oxyhydrates)、金属硫化物、チタン酸鉄(iron titanates)、酸化鉄水和物、亜酸化チタン、金属、および、当該物質の混合物または混合相(mixed phase)などである。特に好適なのは、例えば、TiO2、BiOCl、Ce2O3、Cr2O3、CoO、Co3O4、Fe2O3、Fe3O4、FeOOH、NiO、SnO2、VO2、V2O3、ZrO2、ZnO、CoAl2O4、BiVO4、チタン酸鉄、酸化鉄水和物、亜酸化チタン(Ti3O5、Ti2O3からTiOなどの、<4(4未満)から2の酸化数を有する部分的に還元されたTiO2)などの金属酸化物または金属酸化物混合物、および、例えば、Ce2S3、MoS2などの金属硫化物、および、当該化合物の互いのまたは他の金属酸化物との混合物または混合相、ならびに、例えば、アルミニウム、クロム、ニッケル、銀、金、チタン、銅、またはそれらの合金などの金属である。
【0030】
基材フレークが、直接基材の表面上で、1つ、2つまたはそれより多い高屈折率層によりコーティングされる場合、そのコーティングは、好ましくは、TiO2、Fe2O3の層、またはTiO2/Fe2O3の混合物(TiO2とFe2O3の混合物)の層、または、TiO2のコーティングの後にFe2O3層が続くものである。
【0031】
少なくとも3つの層を有する多層顔料は、好ましくは、高屈折率層および低屈折率層の交互のコーティングを有する。特に好ましいのは、例えば、TiO2-SiO2-TiO2コーティングなどの、高屈折率-低屈折率-高屈折率コーティングを有する基材フレーク上の3層系である。
【0032】
高屈折率層の厚さは、一般的には、20~500nm、好ましくは30~400nm、特に、40~350nmである。
【0033】
コーティングに好適な無色の低屈折率材料は、好ましくは、例えば、SiO2、Al2O3、AlO(OH)、B2O3などの金属酸化物もしくは対応する酸化物水和物、さらに、MgF2、MgSiO3、または前記化合物の混合物である。低屈折率層は、好ましくは、SiO2、Al2O3、またはMgF2から、特に、SiO2からなる。
【0034】
低屈折率層の厚さは、好ましくは10~200nm、特に、10~80nm、非常に特に好ましくは20~80nmである。
【0035】
前記高屈折率層および低屈折率層の他に、効果顔料は、追加的に、最後の層としての吸収層によりコーティングされてもよい。その時(then)、効果顔料は、好ましくは、ベルリンブルー、カルミンレッド、チオインジゴまたは酸化クロムによりコーティングされる。
【0036】
吸収層は、好ましくは、3~300nmの層厚を有する。
【0037】
銀白色効果顔料の調製のために、例えば、EP1865032A2に記載されているように、二酸化チタンの他に少なくとも1つの低溶解性アルカリ土類金属化合物を含む高屈折率層により基材フレークをコーティングすることが望ましい。この層の屈折率は、≧1.9(1.9以上)、好ましくは≧2.0(2.0以上)、特に、≧2.1(2.1以上)である。この高屈折率コーティングは、TiO2と低溶解性アルカリ土類金属化合物および/または酸化亜鉛との混合物、または2つの別個の層からなってもよい。この場合、低溶解性アルカリ土類金属化合物または酸化亜鉛の薄層が、TiO2層に付けられる。
【0038】
高屈折率コーティングにおける二酸化チタンは、ルチルまたはアナターゼ変態、好ましくはルチルの形態をとることができる。ルチルを調製するための方法は、先行技術、例えば、U.S.5,433,779、U.S.4,038,099、U.S.6,626,989、DE2522572C2、EP0271767B1に記載されている。ルチル相としてのTiO2を得るための添加剤として機能する、薄い二酸化スズ層(<10nm)は、TiO2の析出の前に、基材フレーク、好ましくは、天然または合成雲母フレークに好ましくは付けられる。
【0039】
本発明による好ましい効果顔料は、直接、基材フレークの表面上に以下のコーティングを有する:
基材フレーク+TiO2(アナターゼ)
基材フレーク+SnO2+TiO2(ルチル)
基材フレーク+TiO2+アルカリ土類金属チタン酸塩
基材フレーク+SnO2+TiO2+アルカリ土類金属チタン酸塩
基材フレーク+TiO2+Fe2O3
基材フレーク+SnO2+TiO2+Fe2O3
基材フレーク+TiO2+Fe3O4
基材フレーク+SnO2+TiO2+Fe3O4
基材フレーク+TiO2+Cr2O3
基材フレーク+SnO2+TiO2+Cr2O3
基材フレーク+TiO2+カルミンレッド
基材フレーク+SnO2+TiO2+カルミンレッド
基材フレーク+TiO2+ベルリンブルー
基材フレーク+SnO2+TiO2+ベルリンブルー
基材フレーク+TiO2/Fe2O3
基材フレーク+SnO2+TiO2/Fe2O3
基材フレーク+TiO2+SiO2+TiO2
基材フレーク+SnO2+TiO2+SiO2+SnO2+TiO2
基材フレーク+Fe2O3
基材フレーク+Fe3O4
基材フレーク+TiO2+SiO2+TiO2/Fe2O3
基材フレーク+SnO2+TiO2+SiO2+TiO2/Fe2O3
基材フレーク+TiO2+SiO2+TiO2+TiO2/Fe2O3
基材フレーク+SnO2+TiO2+SiO2+TiO2+TiO2/Fe2O3
基材フレーク+SnO2+TiO2+SiO2+SnO2+TiO2+TiO2/Fe2O3
基材フレーク+TiO2/Fe2O3+SiO2+TiO2+TiO2/Fe2O3
基材フレーク+TiO2/Fe2O3+SiO2+SnO2+TiO2+TiO2/Fe2O3
基材フレーク+TiO2/Fe2O3+SiO2+TiO2
基材フレーク+TiO2/Fe2O3+SiO2+SnO2+TiO2
基材フレーク+TiO2/Fe2O3+SiO2+TiO2/Fe2O3
基材フレーク+TiO2+SiO2+Fe3O4
基材フレーク+TiO2+SiO2+Cr2O3
基材フレーク+Cr2O3
基材フレーク+Ag
基材フレーク+Au
基材フレーク+Fe2O3+SiO2+TiO2/Fe2O3
基材フレーク+SiO2+TiO2(アナターゼ)
基材フレーク+SiO2+SnO2+TiO2(ルチル)
基材フレーク+SiO2+TiO2+アルカリ土類金属チタン酸塩
基材フレーク+SiO2+SnO2+TiO2+アルカリ土類金属チタン酸塩
基材フレーク+SiO2+TiO2+Fe2O3
基材フレーク+SiO2+SnO2+TiO2+Fe2O3
基材フレーク+SiO2+TiO2+Fe3O4
基材フレーク+SiO2+SnO2+TiO2+Fe3O4
基材フレーク+SiO2+TiO2+Cr2O3
基材フレーク+SiO2+SnO2+TiO2+Cr2O3
基材フレーク+SiO2+TiO2+カルミンレッド
基材フレーク+SiO2+SnO2+TiO2+カルミンレッド
基材フレーク+SiO2+TiO2+ベルリンブルー
基材フレーク+SiO2+SnO2+TiO2+ベルリンブルー
基材フレーク+SiO2+TiO2/Fe2O3
基材フレーク+SiO2+SnO2+TiO2/Fe2O3
基材フレーク+SiO2+TiO2+SiO2+TiO2
基材フレーク+SiO2+SnO2+TiO2+SiO2+SnO2+TiO2
基材フレーク+SiO2+Fe2O3
基材フレーク+SiO2+Fe3O4
基材フレーク+SiO2+TiO2+SiO2+TiO2/Fe2O3
基材フレーク+SiO2+SnO2+TiO2+SiO2+TiO2/Fe2O3
基材フレーク+SiO2+TiO2+SiO2+TiO2+TiO2/Fe2O3
基材フレーク+SiO2+SnO2+TiO2+SiO2+TiO2+TiO2/Fe2O3
基材フレーク+SiO2+SnO2+TiO2+SiO2+SnO2+TiO2+TiO2/Fe2O3
基材フレーク+SiO2+TiO2/Fe2O3+SiO2+TiO2+TiO2/Fe2O3
基材フレーク+SiO2+TiO2/Fe2O3+SiO2+SnO2+TiO2+TiO2/Fe2O3
基材フレーク+SiO2+TiO2/Fe2O3+SiO2+TiO2
基材フレーク+SiO2+TiO2/Fe2O3+SiO2+SnO2+TiO2
基材フレーク+SiO2+TiO2/Fe2O3+SiO2+TiO2/Fe2O3
基材フレーク+SiO2+TiO2+SiO2+TiO2/Fe2O3
基材フレーク+SiO2+TiO2+SiO2+Fe3O4
基材フレーク+SiO2+TiO2+SiO2+Cr2O3
基材フレーク+SiO2+Cr2O3
基材フレーク+SiO2+Ag
基材フレーク+SiO2+Au
基材フレーク+SiO2+Fe2O3+SiO2+TiO2/Fe2O3
基材フレーク+TiO2(アナターゼ)+SiO2
基材フレーク+SnO2+TiO2(ルチル)+SiO2。」
イ 引用文献4に記載された発明
上記アにおいて、引用文献4には基材フレークの材料、及びコーティング層の材料として、複数の材質が示されているが、基材フレークのうち「ガラスフレーク」は段落【0027】において個別に注記がなされている素材であるから、基材フレークとして「ガラスフレーク」を用いるという技術的事項は、実質的にも引用文献4に記載されているということができる。
また、同段落【0027】において、基材フレークとして「ガラスフレーク」を用いる場合には、実際のコーティングの前に薄い保護層でコーティングを行うべきこと、及び、その際の保護層としてはSiO2層が好ましいことが、記載されているから、基材フレークとして「ガラスフレーク」を用いたうえで、「SiO2」の薄い「保護層」を設け、その上に高屈折率のコーティング層を設ける、という一連の技術的事項も、引用文献4には実質的に記載されているということができる。
そして、引用文献4において、「TiO2」は、段落【0029】において「特に好適な」高屈折率の層材料として筆頭に記載され、また段落【0039】の例示においても多数の例で高屈折率コーティング層材料として用いられているものであるから、高屈折率のコーティング層として「TiO2層」を選択するという技術的事項も、引用文献4には実質的に記載されているということができる。
以上をふまえると、上記アより、引用文献4には次の発明(以下、「引用発明4」という。)が記載されていると認められる。
「円形係数が1.2~2である透明なフレーク状基材である基材フレークを、少なくとも1つの高屈折率層によりコーティングした、効果顔料であり、
基材フレークとして、酸および/または塩基に影響を受けやすいガラスフレークを用いる場合には、まず非常に薄いSiO2保護層でコーティングを行ったうえで、実際のコーティングを行い、
高屈折率コーティング層材料として特に好適なTiO2層は、ルチルまたはアナターゼ変態の形態をとることができる、
高い彩度を有し、同時に、光学特性、特に、光沢および色純度を失うことなく高い隠蔽力を示し、有利な適用特性を有し、塗料における使用が可能な、
真珠光沢顔料または金属光沢顔料である効果顔料。」
(5)参考文献1
本願の出願日前に頒布された特開平8-52849号公報(以下、「参考文献1」という。)には、次の事項が記載されている。
「【0012】石目柄層3は、ビヒクルに必要に応じて顔料、染料などの着色剤、体質顔料、溶剤、安定剤、可塑剤などを適宜混合調整した従来公知のインキを、グラビア印刷法、フレキソ印刷法、シルクスクリーン印刷法などの公知の印刷方法によって、花崗岩(御影石)、大理石(トラバーチン、オニックス、マーブル等)等の石目柄を形成したものである。なお、ビヒクルには、例えば、ニトロセルロース等のセルロース系樹脂、スチレン系樹脂、アクリル系樹脂、ポリ塩化ビニル、ポリ酢酸ビニル、塩化ビニル-酢酸ビニル共重合体、ポリビニルブチラール等のビニル系樹脂、ロジン系樹脂等の天然または合成の熱可塑性樹脂が使用できる。
【0013】また、石目柄層の形成には、光輝性顔料を含有した光輝性インキを、少なくとも一色使用すると、石目柄独特の結晶粒の光輝感の表現に好ましい。但し、上述したように、下層の熱可塑性樹脂基材に光輝性を持たせれば、省略することも場合によっては可能である。石目柄の各結晶粒によって光輝感の色合いが異なる場合は、着色剤と併用したりして着色した複数の色合いの光輝性インキの多色刷で多様な表現が可能となる。なお、下層の熱可塑性樹脂基材に光輝性を持たせた場合には、上述した様に、その光輝性を有効ならしめるために、石目柄層は、部分的に開口部があり、そこから下層の熱可塑性樹脂基材が見えるか、石目柄層自身に、染料系の透明性の着色剤を使用したり、顔料系でも添加量を少なくして下層を見えるようにすると良い。また、石目柄層を多色刷りしたり、着色の熱可塑性樹脂基材として光輝性インクによる層の下の着色した層の色を生かす場合には、光輝性インクによる層は、光輝性顔料の配合量を、光輝性の層から下が透けて見える程度に抑えると良い。
【0014】図2は、石目柄層3の柄の一例を示すものであるが、各領域は、異なる結晶粒を表す。これらの各領域は、全てが光輝性インキによって形成することは必ずしも必要ではない。また、石目柄層と、その上層となる樹脂層との屈折率差によっても、これらの層の界面で光の反射がおこり、光輝性顔料による輝きよりは小さいが光輝感を演出できるからである。
【0015】前記熱可塑性樹脂内、或いは前記熱可塑性樹脂に形成しておく光輝性層内、或いは石目柄層に使用する光輝性顔料としては、金属光沢顔料やパール顔料等がある。金属光沢顔料としては、金粉、銀粉、アルミニウム粉、銅粉、真鍮粉等の金属粉や金属薄片、あるいは金属蒸着した合成樹脂フィルムの裁断片等の金属光沢を有するものが挙げられる。またパール顔料としては、二酸化チタン被覆雲母、魚鱗片、塩化酸化ビスマス等の真珠光沢や干渉光沢を有する顔料が挙げられる。特に、二酸化チタン被覆雲母、魚鱗片、塩化酸化ビスマス等のパール顔料は、光輝性の意匠効果に優れている。これらの顔料の配合量は熱可塑性樹脂あるいはインク又は塗液の樹脂分の100重量部当たり0.5~20重量部、より好ましくは1~10重量部の範囲が好ましい。特に、これらの光輝性顔料を有する層と、内部凹凸となる溝状凹凸模様とが接することによって、独特の光輝感による石目柄の意匠感が表現されることになる。なお、溝状凹凸模様と光輝性顔料を有する層とによる光輝感は、溝状凹凸模様の凹凸面による光の反射の変調作用によるが、これは前述した凹凸界面による屈折率差でも、光の反射量は少ないが反射が起こり、光輝感は小さいが表現される。」
(6)参考文献2
本願の出願日前に頒布された特開2003-12962号公報(以下、「参考文献2」という。)には、次の事項が記載されている。
「【0017】透明光輝性顔料は、ガラス粒子を基材として、その表面に高屈折率材料である二酸化チタンからなる被膜を成形したものである。ガラス粒子は非晶質であるため、その表面が極めて平滑であり、そこで反射光が大きく散乱することはない。この表面平滑な基材を用いることにより、結晶性材料である二酸化チタンの被膜を成形しても、被膜表面の凹凸を小さくすることができる。これに対し、従来の光輝性顔料の基材であるマイカや金属粒子などは結晶性であるため、その表面に凹凸が形成され易い。そのため、従来の基材上に二酸化チタンの被膜を成形すると、被膜成形段階で結晶成長速度に部分的な差が生じて、被膜表面に比較的大きな凹凸が形成される。
・・・・(中略)・・・・。
【0023】ガラスフレークの形状は、使用用途によって多少異なるが、一般的には平均粒径5~1,000μm、かつ、平均厚さ0.5~20μmであることが好ましい。粒径が大きすぎる場合は、透明光輝性顔料を塗料や樹脂組成物に配合/混合撹拌する際に、ガラスフレークが破砕され、二酸化チタンで被覆されていない断面が現れてその反射率が低下するなどの問題が生じる。一方、粒径が小さすぎると、塗膜や樹脂成型品中で透明光輝性顔料の平面がバラバラの方向を向いてしまい、また個々の粒子が放つ反射光が弱くなるため、反射光が散乱したのと同様の外観を製品に与えてしまう。
【0024】二酸化チタンには、その結晶型によりアナターゼ型、ルチル型およびブルッカイト型の3種が存在する。これらの内、屈折率と化学的安定性が最も高いルチル型が好ましい。二酸化チタンの屈折率が高いほど、透明光輝性顔料の反射率が高くなり、製品により高い光輝性を付与することができる。また、その化学的安定性が高いので、光触媒機能による塗料や樹脂組成物中の他成分の分解などの問題を生じ難いからである。ちなみに、一般的なEガラス組成からなるガラスフレークの屈折率は、1.5~1.6であり、アナターゼ型二酸化チタンの屈折率は2.55、ルチル型二酸化チタンの屈折率は2.70である。
【0025】ガラス粒子上に二酸化チタンの被膜を成形する方法は、とくに限定されるものではなく、たとえばスパッタリング法、ゾルゲル法、CVD法またはLPD法など公知の方法を利用することができる。ただし、ガラスフレークのような鱗片状粒子に被膜を形成する方法としては、金属塩から酸化物をその表面に析出させる液相法が好ましい。とくに、ルチル型二酸化チタンをガラス粒子表面に直接析出させることのできる特開2001-31421公報に記載の方法が最適である。
【0026】この透明光輝性顔料は、従来から顔料を利用してきた各種用途において、とくに表面処理など施すことなくそのまま使用できる。しかし、強酸性/強アルカリ性の溶液を利用する用途においては、耐薬品性をさらに向上させるため、透明な光輝性を製品に付与するというこの発明の目的を阻害しない範囲で、シリカ(SiO2)やアルミニウムなどからなる保護膜を設けてもよい。同様に、耐水性や樹脂との混練性を高めるためにカップリング剤で表面処理してもよく、耐光性を向上させるために紫外線吸収被膜を成形してもよい。
・・・・(中略)・・・・。
【0034】人造大理石成型品に透明光輝性顔料を使用する場合は、最表層に透明ゲルコート層、その内部に透明光輝性顔料を含む中間層、その中間層の下に着色された骨材を含む人造大理石層の3層構造にすることが好ましい。この構成であれば、最表層が透明ゲルコート層であるため、中間層の発する強い反射光と人造大理石層の模様とが相まって、キラキラとした高い光輝感を有する大理石調の外観が形成される。」
2 対比・判断
(1)対比
本願発明における「消石灰若しくは炭酸カルシウムのいずれか又は消石灰と炭酸カルシウムの混合物」のうち、「炭酸カルシウム」の選択肢に着目して、本願発明と引用発明1とを対比する。
引用発明1における「塗料組成物」は、成分の詳細はひとまず措くとして、本願発明における「塗材」に相当する。
引用発明1における「塗料組成物」が含む「Dp90%が5μmの炭酸カルシウム」は、本願発明における「塗材」が含む「炭酸カルシウム」に相当する。
引用発明1における「塗料組成物」が含む「エチレン酢酸ビニル系樹脂」は、合成樹脂であることが明らかであり、本願発明における「塗材」が含む「合成樹脂エマルション」とは、「合成樹脂」という点で共通する。
引用発明1における「塗料組成物」が含む「顔料茶」、「顔料黄」、及び「顔料赤」と、本願発明における「塗材」が含む「ガラス片の表面を二酸化ケイ素で被覆し更に二酸化チタンで被覆した透明性金属光沢顔料」とは、「顔料」という点で共通する。
引用発明1における「塗料組成物」内では、「エチレン酢酸ビニル系樹脂」は「水」と「混練」されているから、樹脂が水中に分散したエマルションの状態になっていると解される。本願発明における「塗材」中でも、「漆喰調塗材100重量部」中の「合成樹脂エマルション」は、「透明性金属光沢顔料」の「3~5重量部」と「均一に混合」しても、「エマルション」の状態を維持していると解される。そのため、引用発明1と本願発明とは、「塗材」が「合成樹脂エマルション」を含むという点で、共通する。
引用発明1において、「塗料組成物」を、「石膏ボードにコテを用い、被塗装面の6割に塗りつけ、塗料組成物の乾燥後、塗りつけられていない残りの4割の被塗装面に、同じ塗料組成物をコテで塗りつけ」ることと、本願発明において、「塗材を、下地に0.5~0.7kg/m2塗布」することとは、「塗材を、下地に塗布」する点で、共通する。
引用発明1において、「さらに、塗りつけられた塗料組成物の表面を乾燥した後、再度同塗料組成物を被塗装面全面に塗りつけ」ることと、本願発明において、「乾燥後、さらに0.6~1.0kg/m2塗布」することとは、「乾燥後、さらに塗布」する点で、共通する。
引用発明1において、「再度同塗料組成物を被塗装面全面に塗りつけ」てから、「その後、金属製のコテにより塗装面の全面を擦り付けるようにして磨」くことと、本願発明において、「さらに0.6~1.0kg/m2塗布」した後に、「乾燥後に金属性鏝のエッジにて塗材表面を擦り押さえ」ることとは、引用発明1において「擦り付けるようにして磨」く際には、力を加えて押さえることも必要と解されることを勘案すると、「その後、金属性鏝にて塗材表面を擦り押さえ」るという点で、共通する。
引用発明1において、「金属製のコテにより塗装面の全面を擦り付けるようにして磨」くことは、塗装面の表面への処理であるから、引用発明1において、当該塗装面の表面への処理を通じて「光沢」がある「マーブル調模様を形成する」ことと、本願発明において、「塗材表面に光沢と光輝点を付与する」こととは、「塗材表面に光沢を付与する」点で共通する。
以上より、本願発明と引用発明1とは、次の点で一致する。
「炭酸カルシウム、合成樹脂エマルション、及び顔料を含む塗材を、
下地に塗布し、乾燥後、さらに塗布し、
その後に金属性鏝にて塗材表面を擦り押さえて塗材表面に光沢を付与する、
塗材表面仕上げ方法。」
一方、本願発明と引用発明1とは、以下の点で相違する。
<相違点1>
塗材が含む顔料に関して、
本願発明では、「顔料」として「ガラス片の表面を二酸化ケイ素で被覆し更に二酸化チタンで被覆した透明性金属光沢顔料」を用いるのに対し、
引用発明1では、「顔料」として「ガラス片の表面を二酸化ケイ素で被覆し更に二酸化チタンで被覆した透明性金属光沢顔料」を用いていない点。
<相違点2>
塗材の調整に関して、
本願発明では、「塗材」が、「炭酸カルシウム」と「合成樹脂エマルション」とを含む「漆喰調塗材」と、「顔料」とを、「均一に混合」したものであると特定されているのに対し、
引用発明1では、「塗料組成物」が、「炭酸カルシウム」、「樹脂」、「顔料」及び「水」を含むものの、「炭酸カルシウム」と「合成樹脂エマルション」とを含む「漆喰調塗材」と、「顔料」とを、「均一に混合」したものとは特定されていない点。
<相違点3>
塗材の成分比に関して、
本願発明では、「炭酸カルシウム」を「40~80重量%含有」し、「合成樹脂エマルション」を「樹脂成分として10重量%以下3重量%以上」である「漆喰調塗材」の「100重量部」と、「顔料」の「3~5重量部」とを混合したと特定されているのに対し、
引用発明1では、「塗料組成物」中の「炭酸カルシウム」の含有量である「49.61重量%」のみに着目すれば、本願発明における「塗材」中の「炭酸カルシウム」は、「漆喰調塗材100重量部」に対する「40~80重量%」を、「顔料」の「3~5重量部」を加えた総重量に対する重量%で換算すると、概略40/1.05重量%~80/1.03重量%、すなわち約38~78重量%となると解されるから、本願発明における「塗材」中の炭酸カルシウムの成分比と一致すると解されるものの、「樹脂」については「合成樹脂エマルション」の分量が「漆喰調塗材」中に「樹脂成分として10重量%以下3重量%以上」であると特定されておらず、また「顔料」については「漆喰調塗材」の「100重量部」に対して「3~5重量部」であると特定されていない点。
<相違点4>
塗材を用いた塗布処理、及び効果に関して、
本願発明では、「塗材」の「下地に0.5~0.7kg/m2塗布」し、「乾燥後、さらに0.6~1.0kg/m2塗布」したうえで、さらなる塗布の「乾燥後」に、金属製鏝の「エッジ」で塗材表面を擦り押さえて、塗材表面に「光沢と光輝点」とを付与すると特定されているのに対し、
引用発明1では、「塗料組成物」の「総塗布量」が「300g/m2」であるとともに、二度目の塗布である「再度同塗料組成物を被塗装面全面に塗りつけ」た後については、「乾燥後」にコテの「エッジ」で擦り付けるとは特定されておらず、「光沢」は付与しても「光輝点」は付与しない点。
(2)判断
ア 相違点1及び4について
事案に鑑み、上記相違点1及び4から判断する。
引用発明4は、真珠光沢顔料または金属光沢顔料として、ガラスフレークを非常に薄いSiO2保護層でコーティングしたうえで、高屈折率コーティング層材料であるTiO2層でコーティングした効果顔料、という構成を有しており、当該構成は、上記相違点1に係る本願発明の構成である「ガラス片の表面を二酸化ケイ素で被覆し更に二酸化チタンで被覆した透明性金属光沢顔料」に相当する。
引用発明1は、1種類の塗料組成物で、大理石のようなマーブル調塗装模様を仕上げることを意図しているところ、上記1(5)及び(6)に摘記した参考文献1及び参考文献2の記載に示されるように、大理石の光輝感を出すために二酸化チタンの被膜を有するパール顔料を用いることが、従来から適宜行われている事項であることを勘案すると、引用発明1において、大理石の光輝感を出すために、引用発明4の効果顔料を使用すること自体については、当業者が容易に想到し得たということができる。
しかしながら、引用発明1は、大理石のような模様であるマーブル調塗装模様を仕上げるために、「炭酸カルシウム」の「累積量90%に相当する粒子直径であるDp90%」を「3~20μm」と選定したうえで、第1層目の塗装については「コテを用い、被塗装面の6割に塗りつけ、塗料組成物の乾燥後、塗りつけられていない残りの4割の被塗装面に、同じ塗料組成物をコテで塗りつけ・・・塗りつけられた塗料組成物の表面を乾燥」するという、一部の箇所の塗装及び乾燥が終わってから他の箇所の塗装及び乾燥を行う段階的処理をとっている。そのうえで、引用発明1では、その後に「再度同塗料組成物を被塗装面全面に塗りつけ」てから、「金属製のコテにより塗装面の全面を擦り付けるようにして磨」くまでの間に、再度の塗装を乾燥させることは特定されていないとともに、「総塗布量」が「300g/m2」とされている。
ここで、引用文献1において、再度の塗装により被覆される1層目の塗装及び乾燥を、場所ごとに2段階で行う理由は特に説明されていないが、「炭酸カルシウム」の選定された粒径、再度の上塗りと金属のコテによる処理、及び選定された総塗布量とともに、当該1層目の塗装と乾燥とを2段階で行うことは「濃淡に変化のあるマーブル調模様」の生成に関係すると解することが自然である。また、引用発明1における「再度同塗料組成物を被塗装面全面に塗りつけ、その後、金属製のコテにより塗装面の全面を擦り付けるようにして磨」く処理、及び「総塗布量を300g/m2と」することも、「炭酸カルシウム」の選定された粒径を前提として、1層目の塗装と乾燥とを2段階で行う処理との関連において、「赤茶の濃淡に変化のあるマーブル調模様を形成する」ために選択されたものと解することが自然である。
そうであるところ、引用発明1において、大理石の光輝感を出すために引用発明4の効果顔料を採用することを当業者が検討したとしても、その際に引用発明1における塗布の処理及び塗布量を維持すべきか、それとも引用発明4の効果顔料の採用と併せて引用発明1における塗布の処理及び塗布量を変更すべきかは、引用文献1及び引用文献4に記載されておらず、上記相違点4に係る本願発明の構成である「下地に0.5~0.7kg/m2塗布」し、「乾燥後、さらに0.6~1.0kg/m2塗布」したうえで、さらなる塗布の「乾燥後」に、金属製鏝の「エッジ」で塗材表面を擦り押さえる、という処理及び塗布量とすることは、引用文献1及び引用文献4のいずれにも、記載も示唆もされていない。
上記1(2)に摘記した引用文献2には、真珠光沢顔料の使用、及び水分散性樹脂としてのアクリル樹脂エマルションに関する記載があり、上記1(3)に摘記した引用文献3には、磨き漆喰風壁材組成物として消石灰及びエチレン-酢ビ系共重合体樹脂からなる合成樹脂エマルジョンを用いる記載があるが、いずれも引用発明1において、引用発明4の効果顔料を採用する際に、上記相違点4に係る本願発明の構成を採用することを示唆するものではない。また、上記1(5)及び(6)に摘記した参考文献1及び2には、大理石の光輝感を出すために、二酸化チタンの被膜を有するパール顔料を用いることが従来から行われていたことが示されているものの、引用発明1において引用発明4の効果顔料を採用する際に、上記相違点4に係る本願発明の構成を採用することを示唆するものではない。
そして、本願発明は、上記相違点1に係る「ガラス片の表面を二酸化ケイ素で被覆し更に二酸化チタンで被覆した透明性金属光沢顔料」を用いるとともに、上記相違点4に係る「塗材」を「下地に0.5~0.7kg/m2塗布」し、「乾燥後、さらに0.6~1.0kg/m2塗布」したうえで、さらなる塗布の「乾燥後」に、金属製鏝の「エッジ」で塗材表面を擦り押さえる、という構成を併せて有することにより、明細書の段落【0023】-【0025】に
「【0023】
また本発明に使用する塗材は、まず下塗りとして0.5~0.7kg/m2を金鏝等にて塗布する。0.5kg/m2未満では下地の隠ぺい力が不十分となり、0.7kg/m2超では凹凸が生じて平滑性が不十分となる。
【0024】
下塗りが乾燥後、同じ塗材を上塗りとして0.6~1.0kg/m2塗布し乾燥させる。塗布量が0.6kg/m2未満では混合された透明性金属光沢顔料が脱落しやすい状態となり、1.0kg/m2超では凹凸が生じて平滑性が不十分となる。
【0025】
上塗りが乾燥後には、金属製の鏝のエッジを立てるようにして、該エッジにて塗材表面を擦り押さえる。これにより塗材表面に光沢と光輝点が現れる。」
と記載されるように、「透明性金属光沢顔料」の存在を前提として、引用発明1とは異なる塗布の処理、及び塗布量のもとで、所定の効果を奏するものと解される。
そのため、引用発明1において、引用発明4の効果顔料を採用する際に、併せて上記相違点4に係る本願発明の構成を採用することは、単なる設計事項ということもできない。
したがって、引用発明1において、上記相違点1及び相違点4に係る本願発明の構成を採用することは、引用文献2ないし4、及び参考文献1及び2を考慮しても、当業者が容易に想到できた事項ということができない。
イ まとめ
上記アのとおり、上記相違点1及び4に係る本願発明の構成は、引用発明1に基づいて、引用発明4、引用文献2及び3に記載された事項、並びに参考文献1及び2の記載を考慮しても、本願出願前に当業者が容易に想到することができたとはいえない。
したがって、上記相違点2及び3について検討することを要さず、本願発明は、当業者であっても、引用発明1、引用発明4、引用文献2及び3に記載された事項、並びに参考文献1及び2に記載された事項に基いて、容易に発明できたものであるとはいえない。
第5 原査定について
本願発明は、前記第4で検討したとおり、当業者であっても、原査定において引用された引用文献1ないし4に記載された発明に基いて、容易に発明できたものとはいえない。
したがって、原査定の理由を維持することはできない。
第6 むすび
以上のとおり、原査定の理由によっては、本願を拒絶することはできない。
また、他に本願を拒絶すべき理由を発見しない。
よって、結論のとおり審決する。
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2018-017471