特許拒絶査定不服審判
2018-014698
搭載可能かつ連結可能なツイストタイ用のシステムおよび方法
- 審判番号
- 2018-014698
- 法域
- 特許
- 審判種別
- 拒絶査定不服審判(拒絶査定不服の審決)
- 出願番号
- 特願2016-502464外部サイト(J-PlatPat)へ移動します
- 請求日
- 2018年11月05日
- 審決日
- 2019年07月09日
- 公報発行日
- 2020年01月31日
- 結論
- 請求不成立
- 分類
- P18 .113-Z (B65D) / P18 .121-Z (B65D)
- 根拠条文(結論部分から自動抽出・参考)
- 特許法29条1項3号特許法29条2項
- 条文(本文から自動抽出・参考)
- 特許法第29条第1項第3号、特許法第29条第2項
- データ出所
- 審決公報(SGML)
事件の表示
特願2016-502464「搭載可能かつ連結可能なツイストタイ用のシステムおよび方法」拒絶査定不服審判事件〔平成26年 9月25日国際公開、WO2014/152590、平成28年 5月26日国内公表、特表2016-515076〕について、次のとおり審決する。
結論
【結 論】
本件審判の請求は、成り立たない。
理由
【理 由】
第1 手続の経緯、本願発明
1.手続の経緯
本願は、2014年(平成26年)3月14日(パリ条約による優先権主張外国庁受理 2013年(平成25年)3月15日 米国)を国際出願日とする特許出願であって、平成29年9月28日付けの拒絶理由が通知され、平成30年3月30日に意見書及び手続補正書が提出され、同年7月2日付けで拒絶査定がされ、それに対して、同年11月5日に審判請求がなされたものである。
2.本願発明
本願の請求項1~11に係る発明(以下、「本願発明1」等という。)は、平成30年3月30日に提出された手続補正書で補正された特許請求の範囲の請求項1~11に記載された事項により特定されるものであるところ、本願発明1は次のとおりのものである。
「【請求項1】
所定位置に成形された部分を含むツイストタイと、
前記ツイストタイ用ループ状端部とを備え、
前記ループ状端部は前記ツイストタイの前記所定位置に成形された部分の周りに成形された部分を有し、前記ループ状端部はさらに、円環端部を含み、前記円環端部は開口部を有する、物品を固定する器具。」
第2 原査定の拒絶の理由
原査定の拒絶の理由の概要は、以下のとおりである。
理由1
本願発明1~9、11は、本願の優先権主張の日(以下「優先日」という。)前に日本国内または外国において頒布された下記の刊行物に記載された発明であるから、特許法第29条第1項第3号に該当し、特許を受けることができない。
理由2
本願発明1~11は、優先日前に日本国内または外国において頒布された下記の刊行物に記載された発明に基いて、その優先日前にその発明の属する技術の分野における通常の知識を有する者が容易に発明をすることができたものであるから、特許法第29条第2項の規定により特許を受けることができない。
記
引用文献1 米国特許出願公開第2011/0286217号明細書
第3 引用刊行物の記載事項
引用文献1には、以下の事項が記載されている。
なお、『』内は当審で付した和訳である。
1.段落[0006]
「In one embodiment, a method of making a twist tie device includes providing an elongated piece of shape-retaining deformable material and heating the shape-retaining deformable material. The method includes coextruding a cover to surround the elongated piece of shape-retaining deformable material so that a bond is formed between the shape-retaining deformable material and the cover. The method includes injection molding an end cap beyond a length of the elongated piece of shape-retaining deformable material.」
『一実施形態では、ツイストタイデバイスを作製する方法は、保形変形可能材料の細長い片を提供することと、保形変形可能材料を加熱することとを含む。この方法は、保形変形可能材料の細長い片を囲うようにカバーを共押出して、保形変形可能材料とカバーとの間に接合部が形成されるようにすることを含む。本方法は、長さ方向の保形変形可能材料の長さを超えてエンドキャップを射出成形することを含む。』
2.段落[0051]
「FIG.22 shows an exploded top perspective view of one embodiment of a lighting device. This lighting device includes a twist tie 2210 as described herein. A connector 2230 having a narrowed end attachment for receiving twist tie 2210 provides for attachment into a lighting mechanism which includes top and bottom cover 2270 , 2220 , a lighting mechanism, and battery which all fit together.・・・」
『図22は、照明装置の一実施形態の分解上面斜視図を示している。この照明装置は、本明細書に記載されているツイストタイ2210を備えている。ツイストタイ2210を受容するための狭められた端部取付具を有するコネクタ2230は、頂部及び底部カバー2270、2220と、照明機構と、バッテリとを含む照明機構への取付けを提供し、すべて一緒に嵌合する。・・・』
3.FIG.22
「
」
4.FIG.22をみると、connector 2230(コネクタ2230)は、リング状部分とend attachment(端部取付具)で形成されていることが看取される。また、リング状部分は中央に丸穴を有することが看取される。
第4 引用発明
上記第3の1.~4.を総合すると、引用文献1には、以下の発明(以下「引用発明」という。)が記載されている。
「cover(カバー)を有するtwist tie 2210(ツイストタイ2210)と、
connector 2230(コネクタ2230)とからなり、
connector 2230(コネクタ2230)は、リング状部分とend attachment(端部取付具)で形成されており、リング状部分は丸穴を有する、twist tie 2210(ツイストタイ2210)及びconnector 2230(コネクタ2230)。」
第5 対比・判断
1.理由1(特許法第29条第1項第3号)について
(1)本願発明1と引用発明を対比すると、引用発明の「twist tie 2210(ツイストタイ2210)」は本願発明1の「ツイストタイ」に相当する。
(2)引用発明の「cover(カバー)」は、上記第3の1.によると、twist tie 2210(ツイストタイ2210)において、elongated piece(細長い片)を囲うように共押出して設けられるものであるから、本願発明1のツイストタイの「所定位置に成形された部分」に相当する。
(3)引用発明の「connector 2230(コネクタ2230)」は、上記第3の2.によると、twist tie 2210(ツイストタイ2210)を受容するためのものであり、上記第3の3.においてtwist tie 2210(ツイストタイ2210)の軸線方向に一点鎖線が図示されていることとあわせみれば、end attachment(端部取付具)のC形筒状部分の内部にtwist tie 2210(ツイストタイ2210)が挿通されて、twist tie 2210(ツイストタイ2210)とend attachment(端部取付具)が固着されるものと理解できる。
(4)引用発明の「リング状部分」の「リング状」は、本願発明1の「ループ状」、「円環」に相当する。そして、引用発明の「リング状部分」は、「twist tie 2210(ツイストタイ2210)」の端に配置されるものであるから、本願発明1の「円環端部」に相当する。また、引用発明の「丸穴」は、本願発明1の「開口部」に相当する。
(5)よって、引用発明の「リング状部分」と「end attachment(端部取付具)」を備えた「connector 2230(コネクタ2230)」は、本願発明1の「ループ状端部」に相当する。そして、引用発明の「twist tie 2210(ツイストタイ2210)」を受容するための「connector 2230(コネクタ2230)」は、本願発明1の「ツイストタイ用ループ状端部」に相当する。
(6)そして、引用発明の「end attachment(端部取付具)」は、そのC形筒状部分の内部にtwist tie 2210(ツイストタイ2210)が挿通されるものであるから、「twist tie 2210(ツイストタイ2210)」の「cover(カバー)」の周りに固着されるものである。
(7)ここで、本願発明1の「成形」については、どのように成形されるものであるのか特定されていない。そして、「成形」とは、一般的に「形をつくること。形成」(広辞苑 第六版 DVD-ROM版 株式会社岩波書店 刊行日2008年1月11日)を意味するものである。
(8)そうすると、本願発明1の「前記ツイストタイの前記所定位置に成形された部分の周りに成形された部分」は、引用発明の「twist tie 2210(ツイストタイ2210)」の「cover(カバー)」の周りに固着される「end attachment(端部取付具)」を含むものである。
(9)引用発明の「twist tie 2210(ツイストタイ2210)及びconnector 2230(コネクタ2230)」は、上記第3の2.によると、connector 2230(コネクタ2230)によって、照明機構への取付けを提供するものである。
よって、引用発明の「twist tie 2210(ツイストタイ2210)及びconnector 2230(コネクタ2230)」は、本願発明1の「物品を固定する器具」に相当する。
(10)してみれば、両者の一致点は以下のとおりとなり、相違点はない。
<一致点>
「所定位置に成形された部分を含むツイストタイと、
前記ツイストタイ用ループ状端部とを備え、
前記ループ状端部は前記ツイストタイの前記所定位置に成形された部分の周りに成形された部分を有し、前記ループ状端部はさらに、円環端部を含み、前記円環端部は開口部を有する、物品を固定する器具。」
(11)小括
したがって、本件発明1は、引用発明であるから、特許法第29条第1項第3号に該当し、特許を受けることができない。
2.理由2(特許法第29条第2項)について
(1)本願発明1の2つの「成形」については、上記1.で述べたとおり、どのように形つくられるものであるのか特定されていないが、仮に「一体成形」を意味するものであるとした場合について検討する。
(2)引用発明の「cover(カバー)」は、上記第3の1.によると、共押出によって一体成形されるものであるから、本願発明1の「所定位置に成形された部分」に相当する。
(3)引用発明の「end attachment(端部取付具)」は、上記第3の2.によると、twist tie 2210(ツイストタイ2210)を受容するための狭められたものであり、上記第3の3.において「end attachment(端部取付具)」の形状がC形筒状部分として示されていることをあわせみると、end attachment(端部取付具)のC形筒状部分の内部にtwist tie 2210(ツイストタイ2210)を挿通した後、C形筒状部分の拡開による弾性変形、又はC形筒状部分をカシメ縮径することによって、twist tie 2210(ツイストタイ2210)とend attachment(端部取付具)が固着されるものと理解できる。
(4)そうすると、引用発明の「end attachment(端部取付具)」は、「ツイストタイの所定位置に成形された部分の周りに配置される部分」の限りにおいて、本願発明1の「前記ツイストタイの前記所定位置に成形された部分の周りに成形された部分」と共通する。
その他の構成要件の対比については、上記1.を参照されたい。
(5)よって、本願発明1と引用発明の一致点および相違点は以下のとおりとなる。
<一致点>
「所定位置に成形された部分を含むツイストタイと、
前記ツイストタイ用ループ状端部とを備え、
前記ループ状端部は前記ツイストタイの前記所定位置に成形された部分の周りに配置される部分を有し、前記ループ状端部はさらに、円環端部を含み、前記円環端部は開口部を有する、物品を固定する器具。」
<相違点>
ツイストタイの所定位置に成形された部分の周りに配置される部分について、本願発明1は「成形された」部分であるのに対して、引用発明は固着される部分である点。
(7)上記<相違点>について検討する。
棒状部材の周囲に筒状部材を配置・固定する技術としては、一体成形のほか、引用発明のような拡開による弾性変形やカシメ縮径、さらには接着、溶接その他、各種の固着技術が慣用的に用いられている。
そして、どのような固着技術を用いるかは、材質や固着強度、使用環境、製造容易性等、各種の要求に応じて適宜選択すべきものである。
してみると、引用発明においては固着技術として弾性変形又はカシメ縮径を用いているけれども、各種の要求に応じて一体成形を選択することは、当業者が適宜なし得るものである。
(8)そして、本件発明1が奏する作用効果は、引用発明及び慣用技術から予測可能なものである。
(9)小括
したがって、本願発明1は、その2つの「成形」を「一体成形」と解したとしても、引用発明及び慣用技術に基いて、当業者が容易に発明をすることができたものである。
3.審判請求人の主張について
審判請求人は、平成30年3月30日提出の意見書及び審判請求書において、「引用例1においては、コネクタ2230はツイストタイ2210に成形されておらず、ツイストタイ2210は、所定の場所において成形されていない。」と主張している。
しかしながら、上記1.で述べたとおり、本願発明1の「成形」は、引用発明のような別体で成形された場合を含むものであるし、そうでないとしても、上記2.で述べたとおり、一体成形を選択することは、当業者が適宜なし得るものである。
したがって、審判請求人の上記主張は、採用することができない。
第6 むすび
以上のとおり、本願発明1は、特許法第29条第1項第3号、ないし同法第29条第2項の規定により特許を受けることができないから、本願発明2~11について検討するまでもなく、本願は拒絶すべきものである。
よって、結論のとおり審決する。
審決本文(J-PlatPat)
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