特許拒絶査定不服審判
2023-002331
包装材料及び包装製品
- 審判番号
- 2023-002331
- 法域
- 特許
- 審判種別
- 拒絶査定不服審判(拒絶査定不服の審決)
- 出願番号
- 特願2018-186157外部サイト(J-PlatPat)へ移動します
- 請求日
- 2023年02月10日
- 審決日
- 2024年12月10日
- 公報発行日
- 2025年02月28日
- 結論
- 請求不成立
- 分類
- P18 .121-Z (B65D) / P18 .113-Z (B65D)
- 根拠条文(結論部分から自動抽出・参考)
- 特許法29条1項3号特許法29条2項
- 条文(本文から自動抽出・参考)
- 特許法第29条第1項第3号、特許法第29条第2項、特許法第17条の2第5項第2号、特許法第17条の2第6項
- データ出所
- 審決公報(XML)
事件の表示
特願2018-186157号「包装材料及び包装製品」拒絶査定不服審判事件〔令和2年4月9日出願公開、特開2020-55575号〕について、次のとおり審決する。
結論
結 論
本件審判の請求は、成り立たない。
理由
理 由
第1 手続の経緯
本願は、平成30年9月28日に出願された特願2018-186157号に係る特許出願であり、その手続の経緯は、概略、以下のとおりである。
令和 4年 5月19日付け : 拒絶理由通知
4年11月15日付け : 拒絶査定
5年 2月10日 : 審判請求
5年 2月10日 : 手続補正書の提出
5年 4月11日付け : 前置報告書
5年 5月22日 : 上申書の提出
第2 本件補正についての補正の却下の決定
[補正の却下の決定の結論]
令和5年2月10日にされた手続補正(以下、「本件補正」という。)を却下する。
[理由]
1 本件補正について(補正の内容)
(1) 本件補正後の特許請求の範囲の記載
本件補正により、特許請求の範囲の記載は、次のとおり補正された。なお、下線部は補正箇所を示す。
「【請求項1】
少なくとも、表面保護層、印刷層、紙基材層が順に積層された包装材料であって、
前記表面保護層は、着色剤を含まず、
前記印刷層は、着色剤と、バイオマス由来のニトロセルロースと、を含み、
前記印刷層は、ポリオールとイソシアネート化合物との硬化物を更に含む、包装材料。
【請求項2】
前記ポリオールまたは前記イソシアネート化合物の少なくともいずれかがバイオマス由来成分を含む、請求項1に記載の包装材料。
【請求項3】
前記印刷層は、ポリアミド樹脂を更に含む、請求項1又は2に記載の包装材料。
【請求項4】
前記ポリアミド樹脂がバイオマス由来成分を含む、請求項3に記載の包装材料。
【請求項5】
前記表面保護層がニトロセルロースを含む、請求項1乃至4のいずれか一項に記載の包装材料。
【請求項6】
前記表面保護層のニトロセルロースがバイオマス由来成分を含む、請求項5に記載の包装材料。
【請求項7】
請求項1乃至6のいずれか一項に記載の包装材料を備える、包装製品。」
(2) 本件補正前の特許請求の範囲
本件補正前の、本願の願書に最初に添付された特許請求の範囲の請求項1~8の記載は次のとおりである。
「【請求項1】
少なくとも、表面保護層、印刷層、紙基材層が順に積層された包装材料であって、
前記印刷層は、着色剤と、バイオマス由来のニトロセルロースと、を含む、包装材料。
【請求項2】
前記印刷層は、ポリオールとイソシアネート化合物との硬化物を更に含む、請求項1に記載の包装材料。
【請求項3】
前記ポリオールまたは前記イソシアネート化合物の少なくともいずれかがバイオマス由来成分を含む、請求項2に記載の包装材料。
【請求項4】
前記印刷層は、ポリアミド樹脂を更に含む、請求項1乃至3のいずれか一項に記載の包装材料。
【請求項5】
前記ポリアミド樹脂がバイオマス由来成分を含む、請求項4に記載の包装材料。
【請求項6】
前記表面保護層がニトロセルロースを含む、請求項1乃至5のいずれか一項に記載の包装材料。
【請求項7】
前記表面保護層のニトロセルロースがバイオマス由来成分を含む、請求項6に記載の包装材料。
【請求項8】
請求項1乃至7のいずれか一項に記載の包装材料を備える、包装製品。」
2 補正の適否
本件補正における請求項1に係る補正は、本件補正前の請求項1を引用する請求項2を独立請求項の形式に書き直し、さらに、表面保護層が着色剤を含まない点を限定する補正であって、本件補正前の請求項2に記載された発明と補正後の請求項1に記載される発明の産業上の利用分野及び解決しようとする課題が同一であるから、特許法第17条の2第5項第2号に規定される特許請求の範囲の減縮を目的とするものに該当する。
そこで、本件補正後の請求項1に記載された発明(以下「本件補正発明」という。)が同条第6項において準用する同法第126条第7項の規定に適合するか(特許出願の際独立して特許を受けることができるものであるか否か)について、以下、検討する。
(1) 本件補正発明
本件補正発明は、上記1(1)の【請求項1】に記載したとおりのものである。
(2) 引用文献の記載事項と引用発明
ア 引用文献1
(ア)引用文献1の記載
原査定の拒絶の理由に引用文献1として引用された特開2018-12744号公報(「引用文献1」という。)には、次の記載がある。(下線は当審にて付した。「・・・」は省略を示す。以下、同様。)
「【技術分野】
【0001】
本発明は、紙基材に表刷りするための溶剤型グラビア印刷インキ組成物に関する。
【背景技術】
【0002】
従来より、フィルム基材や紙基材上に印刷可能なグラビア印刷インキ組成物として、ポリアミド樹脂や硝化綿樹脂などを主成分とするものが知られている。
【0003】
特許文献1には、金属樹脂酸塩で変性させたポリアミド樹脂を含有する出版物用グラビア印刷インキが記載され、・・・
【0004】
特許文献2には、包装用グラビア印刷およびフレキソ印刷に使用する顔料または顔料調製物の使用方法であり、顔料単離直前に非イオン界面活性剤を添加し、バインダーとしてニトロセルロースを使用するものが記載されている・・・
【0006】
ニトロセルロース樹脂は、セルロース骨格の水酸基の一部を硝酸エステル化したニトロ基置換体のセルロースであり、セルロース骨格はバイオマス材料である。
一方、ポリアミド樹脂は重合脂肪酸が原料となり、・・・植物油由来である重合脂肪酸はバイオマス材料である。
ここで、バイオマスとは、再生可能な生物由来の有機性資源で化石資源を除いたもの、と定義されている。・・・
前記特許文献1~3は、主に紙用途としてポリアミド樹脂やニトロセルロース樹脂が使用されるものであるが、耐水性、耐熱性、バイオマス度についての記載や示唆はない。
・・・
【0016】
紙を基材とする包装材としては、上記した紙器をはじめとする紙容器や液体紙容器、ラベル、蓋材、紙袋、バーガーラップなどがある。また、建材用の化粧紙や壁材などもあり、グラビア印刷により作製されている。
・・・
【0027】
また、地球温暖化対策としては、全世界的に取り組むべきもので、2015年に開催された気候変動枠組条約第21回締約国会議(COP21)では、各国の削減目標が提出された。・・・近年では企業にとって重要な事業戦略として「環境にやさしい」商品を提案し、いかに企業イメージを向上させるかが重視されてきている。・・・
したがって、廃棄されるものをいかに利用し、環境負荷を増加させずに「環境にやさしい」パッケージや材料としてアピールでき、紙用のさまざまな包装材や資材に使用できる溶剤型グラビア印刷インキ組成物が望まれていた。」
「【発明が解決しようとする課題】
【0029】
そこで、本発明は、環境負荷を増加させない紙用溶剤型グラビア印刷インキ組成物であって、該インキ組成物を紙基材上に作成し、印刷塗膜としたときに該印刷塗膜中のバイオマス度が従来の紙用溶剤型グラビア印刷インキよりも高くなる表刷り紙用溶剤型グラビア印刷インキ組成物を提供することを目的とする。」
「【課題を解決するための手段】
【0030】
本発明者らは、バイオマス材料であるニトロセルロース樹脂とバイオマス由来のポリアミド樹脂とキレートを含有する紙用溶剤型グラビア印刷インキ組成物であって、該インキ組成物を紙基材上に作成した印刷塗膜としたときに該印刷塗膜中のバイオマス度(顔料を含まない)が26~85質量%であることにより、上記目的を達成できることを見出し、本発明を完成するに至った。」
「【0048】
さらに、本発明のインキ組成物には、デザイン性、用途、色相などの要求物性や、インキ安定性、印刷適性の向上を目的として、色材、無機充填剤、有機充填剤、消泡剤、レベリング剤、ブロッキング防止剤、ワックス、顔料分散剤、帯電防止剤、離型剤、スリップ剤、可塑剤、粘着付与剤などを含有することもできる。公知慣用のものであればいかなるものも、その印刷適性、インキ組成物の特性を損なわない範囲で、適宜選択できる。また、バイオマス由来であるものが好ましい。」
「【0056】
本発明の紙容器は、前記積層体を用いて作成することが好ましい。食品包装用の紙器やトレイ、カップ、皿、ボトル、テトラパック、ゲーブルトップ、ブリック、カートン缶、ケーキ箱などや日用品用などの液体紙容器や保水箱、粉洗剤箱などのボトルや箱の形態として好ましく使用できる。」
「【実施例】
【0066】
・・・
【0069】
ワニス3(製造例3)
ニトロセルロース樹脂(固形分70%、バイオマス度49%)7部、バイオマス材料を使用したポリアミド樹脂(固形分100%、米糠由来ダイマー酸使用、バイオマス度80%)19.5部に、メチルシクロヘキサン44部、メタノール10部、イソプロピルアルコール12.5部、酢酸エチル7部を仕込み、溶解、混合し、ワニス3を作製した。
・・・
【0074】
[インキ組成物の作製]
インキ1(実施例1)
・・・
【0080】
インキ7(実施例7)
製造例3で作製したワニス3を60部に、墨顔料(ピグメントブラック7)10部、イソプロピルアルコール6部、メチルシクロヘキサン10部を仕込み、ペイントシェーカーにて練肉し、ミルベースを作製した。チタンアセチルアセテート(金属キレート)3部、メチルシクロヘキサン5部、イソプロピルアルコール3部、酢酸エチル3部にて、混合溶液を作製し、前記ミルベースに加えて、混合し、インキ7を作製した。
・・・
【0088】
[コーティング組成物の作製]
インキ15(実施例9)
製造例3で作製したワニス3を50部に、チタンアセチルアセテート(金属キレート)3部、メチルシクロヘキサン28部、イソプロピルアルコール14部、酢酸エチル5部にて、混合溶液を作製し、前記ミルベースに加えて、混合し、インキ15を作製した。
・・・
【0096】
5色機グラビア印刷機を用いて、60g/m2のラベル用コート紙に、第一ユニットでインキ7、第二ユニットでインキ15(略称:インキ15)を印刷して、巻き取り、積層体7を作製した。このとき、インキ7、15はCN104にて、希釈した。これによって、積層体7は、「インキ15/インキ7/コート紙」の構成の積層体となった。
・・・
【0107】
積層体1~17について、印刷塗膜のバイオマス度、耐熱性、密着性、耐水性を評価し、表1に結果を示した。
・・・」
「【0112】
【表1】
[図:0001418573000001.jpg]
【0113】
表1によると、実施例10~20の積層体は、印刷面の耐熱性、耐水性に優れ、印刷面と紙基材層との密着性も良好であることが明確である。また、従来例である参考例2よりも印刷塗膜のバイオマス度が高く、環境負荷も少ない。さらに、実施例10~13、15~20の積層体は、米糠由来のダイマー酸を使用したポリアミド樹脂であるので、フードマイレージの観点からも非常に有効である。一方、比較例6は、ニトロセルロース樹脂のみであるため、耐水性が劣る。比較例7は、バイオマス材料を使用したポリアミド樹脂のみであるため、バイオマス度は高いものの、耐熱性が劣る。比較例8はキレートを含まないものであるため、耐熱性が劣る。比較例9は、引用文献6に類似の例であるニトロセルロースとアクリル樹脂を含有するものであるが、バイオマス度が低く、耐熱性、耐水性が劣る。比較例10は、引用文献19に類似の例であるニトロセルロースと金属キレートと可塑成分としてブチラール樹脂を含有するものであるが、耐水性が劣る。
また、食料品を扱う企業、特に米飯品を扱う流通企業にとっては、米を精米する際に発生し、処分される米糠から、これを材料として米糠由来のダイマー酸を生成して利用するポリアミド樹脂からなる印刷物を作製できることから、環境負荷低減、フードマイレージの低減、地産地消への取り組みについて、アピールできる。さらにグラビア印刷方式にて塗工できることから、食品包装用途に限らず、食品保存用途、農業用途、土木用途、漁業用途、自動車内外装用途、船舶用途、日用品用途、建材内外装用途、住設機器用途、医療・医療機器用途、医薬用途、家電品用途、家具類用途、文具類・事務用品用途、販売促進用途、商業用途、電機電子産業用途および産業資材用途などのさまざまな業態の各種紙容器、ラベル、蓋材、紙袋、紙製品などに広く適用できる。」
(イ) 引用文献1に記載されていると認められる事項
上記(ア)の記載事項から以下のことがわかる。
a 【0096】の記載から、積層体7は、「インキ15/インキ7/コート紙」の構成を有すること。
b 【0069】の記載から、ワニス3(製造例3)は、ニトロセルロース樹脂(バイオマス度49%)7部、バイオマス材料を使用したポリアミド樹脂19.5部、メチルシクロヘキサン44部、メタノール10部、イソプロピルアルコール12.5部、酢酸エチル7部から作製されたものであること。
c 【0080】の記載から、インキ7(実施例7)として、製造例3で作製したワニス3を60部に、墨顔料(ピグメントブラック7)10部、イソプロピルアルコール6部、メチルシクロヘキサン10部を仕込み、ペイントシェーカーにて練肉し、ミルベースを作製し、チタンアセチルアセテート(金属キレート)3部、メチルシクロヘキサン5部、イソプロピルアルコール3部、酢酸エチル3部から混合溶液を作製し、ミルベースに加えて混合し、作製したものであること。
d 【0088】の記載から、コーティング組成物は、インキ15(実施例9)として、製造例3で作製したワニス3を50部に、チタンアセチルアセテート(金属キレート)3部、メチルシクロヘキサン28部、イソプロピルアルコール14部、酢酸エチル5部から作製したものであること。
e 【0113】の記載から、実施例16の積層体が食品包装用途に適用し得ること。
(ウ) 引用文献1に記載された発明
上記(ア)及び(イ)より、引用文献1には、積層体7(実施例16)として、以下の発明(以下、「引用発明」という。)が記載されていると認める。
「インキ15/インキ7/コート紙の構成を有する積層体7であって、
インキ15は、コーティング組成物であり、ニトロセルロース樹脂(バイオマス度49%)7部、バイオマス材料を使用したポリアミド樹脂19.5部、メチルシクロヘキサン44部、メタノール10部、イソプロピルアルコール12.5部、酢酸エチル7部から作製されたワニス3を50部に、チタンアセチルアセテート(金属キレート)3部、メチルシクロヘキサン28部、イソプロピルアルコール14部、酢酸エチル5部から作製したものであり、
インキ7は、ニトロセルロース樹脂(バイオマス度49%)7部、バイオマス材料を使用したポリアミド樹脂19.5部、メチルシクロヘキサン44部、メタノール10部、イソプロピルアルコール12.5部、酢酸エチル7部から作製されたワニス3を60部に、墨顔料(ピグメントブラック7)10部、イソプロピルアルコール6部、メチルシクロヘキサン10部を仕込み、ペイントシェーカーにて練肉し、ミルベースを作製し、チタンアセチルアセテート(金属キレート)3部、メチルシクロヘキサン5部、イソプロピルアルコール3部、酢酸エチル3部から混合溶液を作製し、ミルベースに加えて混合し、作製したものである、積層体7。」
イ 引用文献2
(ア)引用文献2の記載
原査定の拒絶の理由に引用文献2として引用された特開2018-62642号公報(「引用文献2」という。)には、次の記載がある。
「【技術分野】
【0001】
本発明は、裏刷り用溶剤型グラビア印刷インキ組成物をグラビア印刷法によりフィルム基材層上に作成した印刷塗膜に関する。」
「【背景技術】
【0002】
従来より、フィルム基材に印刷可能なグラビア印刷インキ組成物として、ポリウレタン樹脂を主成分とするものが知られている。特に、ポリマージオールとジイソシアネートを用いるポリウレタン樹脂は、適度な極性と凝集力を有しており、印刷適性に影響を与えるエステル系/アルコール系溶剤への溶解性や、耐ブロッキング性などの皮膜物性を両立できるため、広く用いられている。
特に、耐ボイル性や耐ブロッキング性などの皮膜物性を向上させるために、ポリマージオールとして特定のグリコール成分を使用するものが提案されている。
・・・
【0014】
また、地球温暖化対策としては、全世界的に取り組むべきもので、2015年に開催された気候変動枠組条約第21回締約国会議(COP21)では、各国の削減目標が提出された。・・・近年では企業にとって重要な事業戦略として「環境にやさしい」商品を提案し、いかに企業イメージを向上させるかが重視されてきている。・・・
したがって、食料品として廃棄されるものをいかに利用し、環境負荷を増加させずに「環境にやさしい」パッケージとしてアピールでき、フィルム用の包装材に使用できる溶剤型グラビア印刷インキ組成物をグラビア印刷法によりフィルム基材層上に印刷塗膜としたときに、該印刷塗膜中のバイオマス度が高くなる印刷塗膜が望まれていた。
・・・
【0016】
そこで、本発明は、裏刷り用溶剤型グラビア印刷インキ組成物をグラビア印刷法により作成した印刷塗膜であって、該インキ組成物に使用する樹脂として、バイオマス由来成分を含有するバイオマス由来のポリウレタンウレア樹脂が選択され、該樹脂の特性として、インキ組成物としての安定性を十分保持でき、印刷時の印刷適性を損なわず、裏刷り印刷に必要な印刷塗膜の耐ブロッキング性、フィルム密着性、耐溶剤性、耐版詰まり性を有し、さらにラミネート性が良好で、ラミネート層が形成された積層体となったときの耐熱水処理性を有する印刷塗膜を提供することを目的とする。」
「【発明を実施するための形態】
【0020】
以下、本発明を実施するための形態を詳細に説明する。なお、本実施形態は、本発明を実施するための一形態に過ぎず、本発明は本実施形態によって限定されるものではなく、本発明の要旨を逸脱しない範囲で種々の変更、実施の形態が可能である。
【0021】
本発明の印刷塗膜は、炭化水素系溶剤、ケトン系溶剤、エステル系溶剤、グリコール系溶剤およびアルコール系溶剤からなる群から選ばれる少なくとも1種と、バイオマス由来成分とを含有するバイオマス由来のポリウレタンウレア樹脂を含み、前記バイオマス由来のポリウレタンウレア樹脂のアミン価が1~13mgKOH/gであり、かつ、前記バイオマス由来のポリウレタンウレア樹脂の重量平均分子量が10,000~100,000である裏刷り用溶剤型グラビア印刷インキ組成物(以下、単に「インキ組成物」ともいう。)を、グラビア印刷法によりフィルム基材層上に印刷塗膜としたとき、該印刷塗膜中のバイオマス度(顔料を含まない)(以下、単に「バイオマス度」ともいう。)が3~40質量%であることが好ましい。
【0022】
前記バイオマス由来のポリウレタンウレア樹脂は、ポリオール(I)とポリイソシアネート(II)および鎖伸長剤(III)を反応させることにより得られ、前記ポリオール(I)、前記ポリイソシアネート(II)および前記鎖伸長剤(III)の少なくとも1つがバイオマス素材を使用して製造されることが好ましい。」
「【0039】
<鎖伸長剤(III)>
前記鎖伸長剤(III)は、ポリウレタン樹脂にウレア結合を導入することができる。プレポリマーのイソシアネート基に対して、反応性を有する活性水素原子を分子中に2個以上有する化合物が好ましい。このような鎖伸長剤(III)としては、例えば、1分子中に2個以上の1級または2級アミノ基を含有するポリアミン化合物、ヒドラジド化合物、あるいは分子量600未満の低分子量ポリオールなどが挙げられる。」
「【0051】
本発明のインキ組成物には、バイオマス由来のポリウレタンウレア樹脂に、必要に応じて適宜、他の樹脂を併用してもよい。他の樹脂としては、石油由来のポリウレタンウレア樹脂、ポリウレタン樹脂、塩化ビニル-酢酸ビニル共重合体樹脂、ポリアミド樹脂、アクリル樹脂、エチレン-酢酸ビニル共重合体樹脂、塩素化オレフィン樹脂、アルキッド樹脂、セルロース系樹脂(硝化綿、セルロースアセテートプロピオネートやセルロースアセテートブチレートなど)、酢酸ビニル樹脂、ロジン系樹脂(ロジン、硬化ロジン、重合ロジン、ロジンエステル、ロジン変性マレイン酸樹脂など)、ケトン樹脂、ポリブチラール樹脂、環化ゴム系樹脂、塩化ゴム系樹脂、石油樹脂、オレフィン系樹脂、ポリエステル樹脂、ポリ乳酸樹脂などが挙げられる。これらの樹脂は、単独もしくは2種以上をバイオマス由来のポリウレタンウレア樹脂と併用でき、インキ組成物中、30質量%以下の範囲内であることが好ましい。
なかでもバイオマス由来の樹脂として、セルロース系樹脂、ポリアミド樹脂、ロジン系樹脂、ポリ乳酸樹脂などが挙げられる。」
(イ) 引用文献2に記載されていると認められる事項
a 【0022】の「前記バイオマス由来のポリウレタンウレア樹脂は、ポリオール(I)とポリイソシアネート(II)および鎖伸長剤(III)を反応させることにより得られ、」という記載の「ポリウレタンウレア樹脂」について、【0039】には、「このような鎖伸長剤(III)としては、・・・低分子量ポリオールなどが挙げられる。」と記載されており、「鎖伸長剤(III)」として「低分子量ポリオール」を選択した場合は、「ポリオールとイソシアネート化合物との硬化物と表現することができることは明らかである。そうすると、【0022】の「前記ポリオール(I)、前記ポリイソシアネート(II)および前記鎖伸長剤(III)の少なくとも1つがバイオマス素材を使用して製造される」という記載と併せると、【0022】の「前記バイオマス由来のポリウレタンウレア樹脂」は、「バイオマス由来成分を含有するポリオールとイソシアネート化合物との硬化物」と表現することができる。
(ウ) 引用文献2記載事項
上記(ア)及び(イ)より、引用文献2には、以下の技術事項(以下「引用文献2記載事項」という。)が記載されていると認める。
「印刷塗膜中のバイオマス度が高くなる印刷塗膜におけるグラビア印刷インキ組成物に使用する樹脂として、バイオマス由来成分を含有するポリオールとイソシアネート化合物との硬化物が選択されること。」
ウ 引用文献3
(ア)引用文献3の記載
当審で調査して発見した学術雑誌の解説論文である「丹田煕人、“印刷インキ基礎講座(第VIII講) グラビアキンキ”、色材協会誌61巻3号、p153-160、1988年」(「引用文献3」という。)には、次の記載がある。
「
[図:0001418573000002.jpg]
[図:0001418573000003.jpg]
[図:0001418573000004.jpg]
」
(第153頁右欄第4行~第12行)
「
[図:0001418573000005.jpg]
」
(第154頁左欄上方)
「
[図:0001418573000006.jpg]
[図:0001418573000007.jpg]
・・・
[図:0001418573000008.jpg]
・・・
[図:0001418573000009.jpg]
」
(第154頁右欄第16行~第156頁左欄第17行)
(イ) 引用文献3に記載されていると認められる事項
上記(ア)の記載事項から以下のことがわかる。
a 「2.グラビアインキの組成」の記載及び図-2より、グラビアインキが、皮膜形成要素及び皮膜形成助要素からなり、当該皮膜形成要素は、顔料、樹脂及び添加剤からなること。
b 「2.2 樹脂」には、樹脂に要求される性能として「被印刷体に対する接着が強固なこと」と記載されており、「2.2 樹脂」で説明されている樹脂は、「バインダー樹脂」であること。
c 「2.2 樹脂」の記載より、樹脂として「2.2.2 硝化綿」で説明される硝化綿(ニトロセルロース)、及び「2.2.5 ウレタン樹脂」で説明されるポリオール化合物とジイソシアネート化合物からなるウレタン樹脂が知られていること。
d 「2.2.2 硝化綿」の記載より、硝化綿(ニトロセルロース)が他の樹脂との相溶性が良いこと。
(ウ) 周知技術
引用文献3は、学術雑誌の解説論文であることから、上記(ア)及び(イ)の記載より把握できる以下の事項は、周知の技術(以下「周知技術1」及び「周知技術2」という。)といえる。
周知技術1
「グラビアインキに一般的に利用されるバインダー樹脂として、ポリオール化合物とジイソシアネート化合物からなるウレタン樹脂が知られていること。」
周知技術2
「グラビアインキに一般的に利用されるバインダー樹脂として、硝化綿(ニトロセルロース)が知られており、硝化綿(ニトロセルロース)は他の樹脂との相溶性が良いこと。」
(3) 引用発明との対比、判断
ア 対比
本件補正発明と引用発明を対比する。
引用発明の「コート紙」は、積層体7を構成する層であるから、本件補正発明の「紙基材層」に相当する。同様に、引用発明の「インキ7」は本件補正発明の「印刷層」に相当する。また、引用発明の「インキ15」は「コーティング組成物であ」るから、本件補正発明の「表面保護層」に相当する。そうすると、引用発明の「インキ15/インキ7/コート紙の構成を有する積層体7」は、本件補正発明の「包装材料」が積層体であることは明らかであるから、本件補正発明の「少なくとも、表面保護層、印刷層、紙基材層が順に積層された包装材料」と「少なくとも、表面保護層、印刷層、紙基材層が順に積層された積層体」である限りにおいて一致する。
また、引用発明の「インキ15は、コーティング組成物であり、ニトロセルロース樹脂(バイオマス度49%)7部、バイオマス材料を使用したポリアミド樹脂19.5部、メチルシクロヘキサン44部、メタノール10部、イソプロピルアルコール12.5部、酢酸エチル7部から作製されたワニス3を50部に、チタンアセチルアセテート(金属キレート)3部、メチルシクロヘキサン28部、イソプロピルアルコール14部、酢酸エチル5部から作製したものであ」ることは、当該構成はインキ15(表面保護層)に着色剤が含まれてないことを示すものであるから、本件補正発明の「表面保護層は、着色剤を含ま」ないことに相当する。
さらに、引用発明の「インキ7は、ニトロセルロース樹脂(バイオマス度49%)7部、バイオマス材料を使用したポリアミド樹脂19.5部、メチルシクロヘキサン44部、メタノール10部、イソプロピルアルコール12.5部、酢酸エチル7部から作製されたワニス3を60部に、墨顔料(ピグメントブラック7)10部、イソプロピルアルコール6部、メチルシクロヘキサン10部を仕込み、ペイントシェーカーにて練肉し、ミルベースを作製し、チタンアセチルアセテート(金属キレート)3部、メチルシクロヘキサン5部、イソプロピルアルコール3部、酢酸エチル3部から混合溶液を作製し、ミルベースに加えて混合し、作製したものであ」ることは、「インキ7」に含まれる「墨顔料(ピグメントブラック7)」は、本願補正発明の「着色剤」に相当し、また、「インキ7」には、「ニトロセルロース樹脂(バイオマス度49%)7部」が配合されているから、本件補正発明の「前記印刷層は、着色剤と、バイオマス由来のニトロセルロースと、を含」むことに相当する。
これらを踏まえると、本件補正発明と引用発明とは、
「少なくとも、表面保護層、印刷層、紙基材層が順に積層された積層体であって、
前記表面保護層は、着色剤を含まず、
前記印刷層は、着色剤と、バイオマス由来のニトロセルロースと、を含む、
積層体。」
である点で一致し、以下の点で相違する。
<相違点1>
本件補正発明は、「包装材料」であるのに対し、引用発明は、「積層体7」である点。
<相違点2>
印刷層(インキ7)に関し、本件補正発明は、「ポリオールとイソシアネート化合物との硬化物を更に含」むのに対し、引用発明は、ニトロセルロース樹脂(バイオマス度49%)7部、バイオマス材料を使用したポリアミド樹脂19.5部、メチルシクロヘキサン44部、メタノール10部、イソプロピルアルコール12.5部、酢酸エチル7部から作製されたワニス3を60部に、墨顔料(ピグメントブラック7)10部、イソプロピルアルコール6部、メチルシクロヘキサン10部を仕込み、ペイントシェーカーにて練肉し、ミルベースを作製し、チタンアセチルアセテート(金属キレート)3部、メチルシクロヘキサン5部、イソプロピルアルコール3部、酢酸エチル3部から混合溶液を作製し、ミルベースに加えて混合し、作製したものであり、「ポリオールとイソシアネート化合物との硬化物を更に含」むものではない点。
イ 判断
以下、相違点について検討する。
(ア) 相違点1について
上記(2)ア(ア)の【0016】及び【0113】の記載から見て、引用文献1に記載されている積層体は包装材料へ適用することが意図されていることは明らかである。
そうすると、引用文献1における【課題を解決するための手段】を具体化した実施例16である積層体7に基づいて認定した引用発明を包装材料とすることは、引用文献1に記載されているに等しい事項であるから、相違点1は実質的な相違点でない。
仮に、相違点1が実質的な相違点であったとしても、上記記載から、引用発明を包装材料とし、相違点1に係る本件補正発明の構成とすることは、当業者が容易に想到し得たことである。
(イ) 相違点2について
上記(2)ア(ア)の【0001】、【0029】及び【0030】の記載のとおり、引用文献1は、グラビア印刷インキ組成物に係る発明を開示するものであり、上記(2)イ(ウ)の引用文献2記載事項もグラビア印刷インキ組成物に関する事項である。そして、引用発明及び引用文献2記載事項は、ともにバイオマス由来の材料を活用しているという点でも共通している。加えて、上記(2)ウ(ウ)の周知技術1を参照すると、引用発明に引用文献2記載事項を適用する動機付けは十分存在するといえる。
ここで、上記(2)ウ(ウ)の周知技術2及び上記(2)イ(ア)の引用文献2の【0051】の「本発明のインキ組成物には、バイオマス由来のポリウレタンウレア樹脂に、必要に応じて適宜、他の樹脂を併用してもよい。他の樹脂としては、・・・セルロース系樹脂(硝化綿、セルロースアセテートプロピオネートやセルロースアセテートブチレートなど)、・・・などが挙げられる。」の記載をふまえ、引用発明のインキ7(印刷層)において、 ニトロセルロース樹脂に加えて、「ポリオールとイソシアネート化合物との硬化物」を適用すること、すなわち、相違点2に係る本件補正発明の構成とすることは、当業者が容易に想到し得たことである。
また、そのことによる効果についても、当業者が予測し得る程度のものにすぎない。
ウ まとめ
以上のとおり、本件補正発明は、引用発明、引用文献2記載事項、周知技術1及び周知技術2に基づいて当業者が容易に発明をすることができたものである。
エ 審判請求人の主張について
(ア) 審判請求人の主張
審判請求人は、審判請求書において、
「(引用文献1,2の組合せについて)
引用文献1においては、インキ組成物が、ニトロセルロース樹脂とバイオマス由来のポリアミド樹脂とキレートを含有することが提案されている(例えば引用文献1の請求項1参照)。引用文献1には、インキ組成物が、ポリオールとイソシアネート化合物との硬化物を更に含有する旨の記載はなく、そのような旨を示唆する記載もない。・・・引用文献1の請求項1には、ニトロセルロース樹脂とバイオマス由来のポリアミド樹脂とキレートを含有するインキ組成物を用いて作成した印刷塗膜中のバイオマス度(顔料を含まない)が、26~85質量%であることが規定されている。一方、引用文献2の請求項1には、バイオマス由来のポリウレタンウレア樹脂を含むインキ組成物を用いて作成した印刷塗膜中のバイオマス度(顔料を含まない)が、3~40質量%であることが規定されている。このように、引用文献2のインキ組成物によって作成される印刷塗膜中のバイオマス度は、引用文献1のインキ組成物によって作成される印刷塗膜中のバイオマス度に比べて低い。
引用文献1に記載された発明において、引用文献2に記載された技術を適用して、印刷層にバイオマス由来のポリオールとイソシアネート化合物との硬化物を用いることは、引用文献1のインキ組成物の一部を、引用文献2のインキ組成物によって置き換えることを意味する。これによって得られるインキ組成物によって作成される印刷塗膜中のバイオマス度は、引用文献1の請求項1で規定されるバイオマス度と、引用文献2の請求項1で規定されるバイオマス度との間の値になる。すなわち、引用文献1に記載された発明に、引用文献2に記載された技術を適用することによって得られる印刷塗膜中のバイオマス度は、引用文献1の請求項1で規定されるバイオマス度よりも低くなると考えられる。
引用文献1に記載の発明においては、従来の印刷インキを用いる場合に比べて、印刷塗膜中のバイオマス度を高めることが目的とされている(引用文献1の段落〔0029〕参照)。この目的に鑑みると、当業者が、引用文献1に記載された発明において、引用文献2に記載された技術を適用しようとする動機は無いと考える。従って、本願発明は、引用文献1、2に記載の発明に基づいて当業者が容易に想到しうるものではないと考える。」と主張する。
(イ) 審判請求人の主張の検討
上記(2)ウ(ウ)で周知技術1として示したとおり、「グラビアインキに一般的に利用されるバインダー樹脂として、ポリオール化合物とジイソシアネート化合物からなるウレタン樹脂が知られていること。」は周知の技術である。そして、当該周知技術1における「ポリオール化合物とジイソシアネート化合物からなるウレタン樹脂」については、特定のバイオマス度を規定するものではない。当該「ポリオール化合物とジイソシアネート化合物からなるウレタン樹脂」については、種々のバイオマス度のものが存在し、実際、引用文献2でも様々なバイオマス度のものが実施例として例示されているものである(【0109】の【表10】、【0110】の【表11】、【0111】の【表12】、【0112】の【表13】及び【0113】の【表14】)。そうすると、引用発明に引用文献2記載事項を適用することが、単純にバイオマス度が低下することを受け入れることになるというものではないことは明らかである。したがって、「印刷塗膜中のバイオマス度を高めることが目的」であったとしても、審判請求人のいう、「当業者が、引用文献1に記載された発明において、引用文献2に記載された技術を適用しようとする動機は無い」という主張は、採用することはできない。
3 本件補正についてのむすび
よって、本件補正は、特許法第17条の2第6項において準用する同法第126条第7項の規定に違反するので、同法第159条第1項の規定において読み替えて準用する同法第53条第1項の規定により却下すべきものである。
以上のことから、上記補正の却下の決定の結論のとおり決定する。
第3 本願発明について
1 本願発明
本件補正は、上記第2のとおり却下されたので、本願の請求項1~8に係る発明は、願書に最初に添付された特許請求の範囲の請求項1~8に記載された事項により特定されるものであるところ、その請求項1に係る発明(以下「本願発明」という。)は、その請求項1に記載された事項により特定される、前記第2[理由]1(2)の【請求項1】として記載のとおりのものである。
2 原査定の拒絶の理由の概要
原査定の拒絶の理由は、本願発明は、本願の出願前に頒布された又は電気通信回線を通じて利用可能となった上記第2[理由]2(2)の引用文献1に記載された発明であるから、特許法第29条第1項第3号に該当し特許を受けることができないものであるか、上記第2[理由]2(2)の引用文献1に記載された発明及び引用文献2に記載の技術事項に基いて、その出願前に当業者が容易に発明をすることができたものであるから、特許法第29条第2項の規定により特許受けることができない、というものである。
3 引用文献
原査定の拒絶の理由で引用された引用文献1及び2の記載事項は、前記第2[理由]2(2)に記載したとおりである。
4 対比・判断
本願発明は、前記第2[理由]2で検討した本件補正発明から、本件補正前の請求項1に記載された発明を特定するために必要な事項である包装材料の表面保護層及び印刷層に関して、層構成をさらに特定する補正事項を削除したものである。
そして、本願発明と引用文献1に記載の発明とを対比すると、上記第2[理由]2(3)アで対比したとおりであって、相違点1で一応相違しているが、上記第2[理由]2(3)イ(ア)での判断のとおり当該相違点1は実質的な相違点でないか、当業者が容易に想到し得たものである。
そうすると、本願発明は、引用文献1に記載された発明であるから、特許法第29条第1項第3号に該当し特許を受けることができないものであるか、引用文献1に記載された発明に基いて、その出願前に当業者が容易に発明をすることができたものであるから、特許法第29条第2項の規定により特許受けることができないものである。
第4 むすび
以上のとおり、本願発明、すなわち、本願の請求項1に係る発明は、特許法第29条第1項第3号に該当し特許を受けることができない、又は、同法第29条第2項の規定により特許を受けることができないから、他の請求項に係る発明について検討するまでもなく、本願は拒絶されるべきものである。
よって、結論のとおり審決する。
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2023-002331