意匠拒絶査定不服審判
2018-014233
ヘアードライヤー取付け用ブラシ
- 審判番号
- 2018-014233
- 法域
- 意匠
- 審判種別
- 拒絶査定不服審判(拒絶査定不服の審決)
- 出願番号
- 意願2017-012750外部サイト(J-PlatPat)へ移動します
- 請求日
- 2018年10月26日
- 審決日
- 2019年05月08日
- 公報発行日
- 2019年06月28日
- 結論
- 原査定取消(特許/登録すべき)
- 当事者
- 【請求人】株式会社LOUVREDO
- 【請求人代理人】奥村 秀行
- 分類
- D18 .113-WY (B7-3)
- 根拠条文(結論部分から自動抽出・参考)
- 意匠法3条1項3号
- 条文(本文から自動抽出・参考)
- 意匠法第3条第1項第3号、意匠法第4条第2項
- データ出所
- 審決公報(SGML)
事件の表示
意願2017- 12750「ヘアードライヤー取付け用ブラシ」拒絶査定不服審判事件について、次のとおり審決する。
結論
【結 論】
原査定を取り消す。
本願の意匠は、登録すべきものとする。
理由
【理 由】
第1 手続の経緯
本願は、意匠法第4条第2項の規定(新規性喪失の例外)の適用を受けようとする、平成29年6月14日の意匠登録出願であって、その後の主な手続の経緯は以下のとおりである。
平成30年 3月12日付け 拒絶理由通知書
平成30年 4月23日 意見書の提出
平成30年 7月23日付け 拒絶査定
平成30年10月26日 拒絶査定不服審判の請求
第2 本願意匠
本願意匠は、意匠に係る物品を「ヘアードライヤー取付け用ブラシ」とし、その形状、模様もしくは色彩又はこれらの結合(以下、「形態」という。)を願書の記載及び願書に添付した図面に記載されたとおりとしたものである(別紙第1参照)。
第3 原査定の拒絶の理由および引用意匠
原査定の拒絶の理由は、本願意匠は、その出願前に日本国内又は外国において頒布された刊行物に記載された意匠又は電気通信回線を通じて公衆に利用可能となった意匠(以下「引用意匠」という。)に類似するものであるから、意匠法第3条第1項第3号に規定する意匠(先行の公知意匠に類似するため、意匠登録を受けることのできない意匠)に該当する、というものである。
引用意匠は、以下のとおりである(別紙第2参照)。
「<引用意匠>
著者の氏名 YouTube, LLC
表題 TESCOM カールドライヤー/基本の使い方
媒体のタイプ [online]
掲載年月日 2016年 3月 8日
検索日 2018年 3月 8日
情報の情報源 インターネット
情報のアドレス https://www.youtube.com/watch?v=ZgD12Hja44w
に掲載の動画に表された「ヘアードライヤー取付け用ブラシ」の意匠」
第4 対比
本願意匠の向きに合わせて引用意匠の向きを認定する。
1 意匠に係る物品の対比
本願意匠と引用意匠(以下「両意匠」という。)の意匠に係る物品は、いずれも「ヘアードライヤー取付け用ブラシ」であり、一致する。
2 形態の対比
(1)形態の共通点
(共通点A)ブラシ部(ブラシ毛及びブラシ台部)を保持するケース部
(共通点A-1)ヘアードライヤー本体に取り付けられる筒部(以下、「筒部」という。)からケース先端に向って、ゆるやかに先細りとなる形状を有し、
(共通点A-2)筒部のブラシ部側端部は、ブラシ毛から離れる方向に傾斜したテーパ面となっていて、当該テーパ面に空気の吹き出し口が設けられており、
(A-3)ケース先端のブラシ部側上方に、ブラシ台の短手方向に並んだ3つに区切られた孔からなる吹き出し口が設けられている点。
(共通点B)ブラシ部
(共通点B-1)ケース先端と筒部との間の切欠き部分に、略蒲鉾形のブラシ台が嵌め込まれて取り付けられており、
(共通点B-2)ブラシ台の長手方向に直線状に並んだブラシ毛の列が複数列設けられ、それらがブラシ台から平面視放射状に突出しており、
(共通点B-3)ブラシ台の左右両端長手方向に前記放射状に設けられたブラシ毛とは独立した一列のブラシ毛(以下、「左右の独立ブラシ毛」という。)を有し、
(共通点B-4)ブラシ毛の隣接する列と列の間に設けられた吹き出し口の孔がブラシ台の長手方向に複数並んでおり、その孔の形状が、略細長トラック形状である点。
(2)形態の相違点
(相違点1)本願意匠には、ケース先端から筒部に至るまでの間の、ブラシ部と反対側の面(ケース背面)からブラシ台とケースの境界にわたって、ゆるやかに波打つ3本の平行なレリーフ状の模様が表れているのに対し、引用意匠にはそのような態様はなく、平坦状に表れている点。
(相違点2)ブラシ毛の隣接する列と列の間に設けられた、吹き出し口の孔について、本願意匠は、ブラシ部を正面から見た際、中央縦一列のブラシ毛を挟んで片側6つの細長吹き出し口の孔が見られ、外側のブラシ毛の列と列の間にも左右に2列ずつ同様の吹き出し口の孔が配され、さらに左右の独立ブラシ毛との間には縦に3つの吹き出し口の孔が設けられているのに対し、引用意匠は、別紙第2の第1/3頁及び第2/3頁に表れているように、ブラシ部を正面から見た際、中央縦一列にはブラシ毛ではなく、3つの細長吹き出し口の孔がブラシ台部より明るいトーンによる枠で囲って配されており、また、左右の独立ブラシ毛との間に吹き出し口の孔は設けられていない点。
(相違点3)ブラシ毛について、本願意匠は、中央部に放射状に設けられたブラシ毛を先細りのものとし、左右の独立ブラシ毛はほぼ同径のもので構成しているのに対し、引用意匠は、先端を丸く膨らませたもの、先細りとしたものの他、赤色で先端がやや広がった刷毛状のもので構成している点。
第5 判断
1 意匠に係る物品の類否判断
両意匠の意匠に係る物品は、同一である。
2 形態の共通点及び相違点の評価
両意匠の意匠に係る物品は、ヘアードライヤー取付け用ブラシであり、使用時において髪に直に接するブラシ部が需要者の最も注意を惹く部分ということはできるが、ケース部の態様についても外観に表れる部分であり、注意を惹く部分であるということができる。
(1)形態の共通点
共通点A-1ないしB-4は、いずれも両意匠の形態を概括的に捉えた場合の共通点であり、また、この種物品分野における形態として、両意匠のみに認められる格別の特徴とはいえず、これらが意匠全体の美感に与える影響は一定程度に留まる。
(2)形態の相違点
相違点1は、本願意匠が有するゆるやかに波打つ3本の平行なレリーフ状の模様は、当該物品分野においてこれまでに無い態様であり、意匠全体の美感に与える影響は大きい。
相違点2は、直接髪に接する部分の態様であり、引用意匠の吹き出し口の孔は、ブラシ部を正面から見た際に、ブラシ台部より明るいトーンの枠で囲ったものが中央縦に配されている点で、強い視覚的効果を持つことから、意匠全体の美感に大きな影響を与えるものといえる。
相違点3は、ブラシ毛の具体的な形態に係るものであるが、直接髪に接する部分であることから、意匠全体の美感に与える影響は一定程度認められる。
3 両意匠の類否判断
両意匠の形態における共通点及び相違点の評価に基づき、意匠全体として総合的に観察した場合、両意匠は、上記2のとおり、ブラシ部の態様に注視しつつも、ケース部においても需要者の注意を惹く部分であることを考慮すると、上記2(2)のとおり、ケース部の美感には大きな差異があり、また、ブラシ部の形態においても美感に目立った差異がある。そうすると、全体の基本構成に共通点があることを考慮しても、意匠全体として観察した際に異なる美感を起こさせるものといえる。
したがって、両意匠の意匠に係る物品は同一であるが、その形態において、需要者に異なる美感を起こさせるものであるから、両意匠は類似しない。
第6 むすび
以上のとおり、本願意匠は、引用意匠に類似せず、意匠法第3条第1項第3号に掲げる意匠に該当しないものである。したがって、原査定の理由によっては、本願を拒絶することはできない。
また、他に本願を拒絶すべき理由を発見しない。
よって、結論のとおり審決する。
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