特許拒絶査定不服審判
2018-007339
無線通信ネットワークにおけるユーザー端末のデュアル接続モード動作
- 審判番号
- 2018-007339
- 法域
- 特許
- 審判種別
- 拒絶査定不服審判(拒絶査定不服の審決)
- 出願番号
- 特願2015-557965外部サイト(J-PlatPat)へ移動します
- 請求日
- 2018年05月29日
- 審決日
- 2019年11月19日
- 公報発行日
- 2020年05月29日
- 結論
- 請求不成立
- 当事者
- 【請求人】サムスン エレクトロニクス カンパニー リミテッド
- 【請求人代理人】阿部 達彦
- 【請求人代理人】実広 信哉
- 【請求人代理人】崔 允辰
- 【請求人代理人】木内 敬二
- 分類
- P18 .561-Z (H04W) / P18 .575-Z (H04W) / P18 .121-Z (H04W)
- 根拠条文(結論部分から自動抽出・参考)
- 特許法29条2項
- 条文(本文から自動抽出・参考)
- 特許法第29条第2項、特許法第17条の2第3項、特許法第17条の2第6項、特許法第126条第7項、特許法第159条第1項、特許法第53条第1項
- データ出所
- 審決公報(SGML)
事件の表示
特願2015-557965「無線通信ネットワークにおけるユーザー端末のデュアル接続モード動作」拒絶査定不服審判事件〔平成27年 7月23日国際公開、WO2015/108389、平成28年 4月 7日国内公表、特表2016-510575〕について、次のとおり審決する。
結論
【結 論】
本件審判の請求は、成り立たない。
理由
【理 由】
第1 手続の経緯
本願は,2015年(平成27年)1月19日(パリ条約による優先権主張外国庁受理 2014年1月17日 インド,2014年3月24日 インド,2015年1月13日 インド)を国際出願日とする出願であって,その手続の経緯は以下のとおりである。
平成27年7月30日 :手続補正書の提出
平成28年7月28日付け:拒絶理由通知書
平成28年11月8日 :意見書,手続補正書の提出
平成29年5月24日付け:拒絶理由(最後の拒絶理由)通知書
平成29年9月5日 :意見書,手続補正書の提出
平成30年1月18日付け:平成29年9月5日にされた手続補正につい ての補正の却下の決定,拒絶査定
平成30年5月29日 :拒絶査定不服審判の請求,手続補正書の提出
第2 平成30年5月29日にされた手続補正についての補正の却下の決定
[補正の却下の決定の結論]
平成30年5月29日にされた手続補正(以下,「本件補正」という。)を却下する。
[理由]
1 本件補正の概要
本件補正は,平成28年11月8日にされた手続補正により補正された特許請求の範囲の請求項1に記載された
「 端末のデュアル接続をサポートする無線通信システムにおけるサービングセルグループ(SCG)の変更を実行する方法であって,
前記デュアル接続のための補助基地局が前記デュアル接続のためのマスタ基地局に前記SCGの変更を指示する情報を含むメッセージを伝送するステップと,
前記補助基地局が前記補助基地局に関連したセキュリティキーを受信するステップと,を含み,
前記セキュリティキーは前記SCGの変更によりリフレッシュされ,
前記SCGの変更を指示する前記情報は,前記補助基地局でパケットデータコンバージェンスプロトコル(PDCP)カウントのラップアラウンドを示す情報を含むことを特徴とする方法。」
との発明(以下,「本願発明」という。)を,
「 端末のデュアル接続をサポートする無線通信システムにおけるサービングセルグループ(SCG)の変更を実行する方法であって,
前記デュアル接続のための補助基地局が前記デュアル接続のためのマスタ基地局に前記SCGの変更を指示する情報を含むメッセージを伝送するステップと,
前記補助基地局が前記補助基地局に関連したセキュリティキーを受信するステップと,を含み,
前記セキュリティキーは前記SCGの変更によりリフレッシュされ,
前記SCGの変更を指示する前記情報は,前記補助基地局でパケットデータコンバージェンスプロトコル(PDCP)カウントのラップアラウンドを示す情報及び前記SCGのPScell(primary secondary cell)の変更を示す情報を含むことを特徴とする方法。」(下線は,補正箇所を示す。)
との発明(以下,「本件補正発明」という。)に補正することを含むものである。
2 補正の適否
(1)新規事項の有無
本件補正発明の「SCGの変更を指示する前記情報は,前記補助基地局でパケットデータコンバージェンスプロトコル(PDCP)カウントのラップアラウンドを示す情報及び前記SCGのPScell(primary secondary cell)の変更を示す情報を含む」との記載によれば,補正後の発明は,SCGの変更を指示する情報が,「補助基地局でパケットデータコンバージェンスプロトコル(PDCP)カウントのラップアラウンドを示す情報」及び「SCGのPScell(primary secondary cell)の変更を示す情報」の両者を含むという事項を含むことになる。このため,当該事項が当初明細書等のすべての記載を総合することにより導かれる技術的事項との関係において新たな技術的事項を導入するものか否かを検討する。
当初明細書の発明の詳細な説明には,以下の記載(下線は,当審が付与した。)がある。
「【0052】
本発明の実施形態は、eNB間キャリアアグリゲーションのためのセキュリティコンテキストを確立するシステム及び方法を提供する。特に、特定の実施形態は、MeNB及びSeNB間のキー分割及びセキュリティハンドリングのためのシステム及び方法を提供する。SeNB106は、MeNBに対するSeNB解除要求メッセージにキーリフレッシュフラグを含めることができる。特定の実施形態で、SeNB106は、(PDCPラップアラウンド、変更される暗号アルゴリズム、変更されるpSCellのようなイベントに基づき)KeNB_sキーをリフレッシュするためにMeNBに対するキーリフレッシュ要求メッセージを開始する。また、特定の実施形態において、UE108は、KeNB_sキーをリフレッシュするためにMeNBに対するキーリフレッシュ要求メッセージを開始する。したがって、MeNBは、2つ以上のSCellがSeNB追加手順で追加され、セル特定物理セル識別子(PCI)とダウンリンク周波数(EARFCN-DL)が入力パラメータとして使用される場合、UE108にキー導出関数(KDF)で入力パラメータとして使用されるPCI及びEARFCN-DLを指示できる。ここで、特定の実施形態では、セキュリティコンテキスト確立は、UE108とMeNB104との間のRRCシグナリングを用いてSeNB106とUE108との間でイネーブルされる。特定の実施形態で、補助情報がセルリストの形態でX2インターフェースを介して提供され、関連したRRM測定値(RSRP/RSRQ測定値)がSCG内で潜在的なpSCellになることに適合したしきい基準を満足させ、セカンダリ情報は、セルリストの形態でX2インターフェースを通じて提供され、関連した物理リソース有用性はSCG内で潜在的なpSCellになることに適合したしきい基準を満足させる。
(中略)
【0071】
本発明の特定の実施形態において、SCG解除及び次の追加は、MeNBハンドオーバー(HO)によりあるいはMeNB104で、あるいはSeNB106でDRBをハンドリングするPDCPエンティティのPDCPカウントのラップアラウンドによってSCGキーリフレッシュ及びMeNBキー変更両方ともに対して適用可能な簡単な接近方式である。
(中略)
【0075】
図7は、本発明の実施形態による、SeNBでDRBをハンドリングする任意のPDCPエンティティのPDCPカウントラップアラウンドによるSeNBキーリフレッシュに対するMeNB開始、SCG解除、及びSCGの、次の追加の望ましいプロセスを示す。
【0076】
SCG解除及び同一のSCGの次の追加、すなわちSCG解除及び追加手順は、SeNB106と関連したユーザープレーンプロトコルスタックがUE108及びSeNB106でリセットされて再確立されることを意味する(702)。SeNB106は、MeNB104にリソース状態アップデート(X2-AP状態アップデート)メッセージ704を送信し、リソース状態アップデートは、PDCP SNラップアラウンド状態を含む。一実施形態において、X2-AP状態アップデートメッセージ704は、PDCPカウントラップアラウンドである原因値を有するSCG変更指示を有するSeNB106の修正要求メッセージである。SeNB修正要求メッセージを受信する場合、MeNB104は、新たなKeNB_s*706を導出する。MeNB104は、新たなKeNB_s*を含むSCell命令メッセージ(X2-APメッセージ708、例えば、SeNB修正要請)をSeNB106に送信する。MeNB104は、RRCConnectionReconfigurationメッセージ710をUE108に送信する。MeNB104は、KeNB_sアップデートさせるためにUE108に対するRRCConnectionReconfigurationに必須パラメータ(SCC)を含める。このメッセージを受信する場合、UE108は、キーKeNB_sをアップデートし(導出し)、RRCConnectionReconfigurationCompleteメッセージ712をMeNB104に送信する。UE108は、アクティブキーKeNB_sを解除し、階層2プロトコルスタックを再確立する(714)。階層2プロトコルスタック再確立することは、UE108がSeNB106に関連したMAC階層をリセットし、UE108とSeNB106との間に確立する各DRBに対してSeNB106に関連したPDCP及びRLCエンティティを再確立することを意味する。また、SeNB106は、既存KeNB_sキーを解除する(716)。その後、MeNB104は、SeNB106にSCellConfigAck718を送信し、SeNB106からSCellCommandAck719を受信する。その後、UE108は、追加された複数のSCellのうち1個のSCellでランダムアクセス720を遂行し、UEがランダムアクセス720を遂行するSCellは、MeNBからのRRCConnectionReconfigurationメッセージ710に指示されるpSCellである。SeNB106は、MeNB104から受信されたKeNB_s*722をKeNB_sとして使用する。UE108及びSeNB106は、すべてのSCellのユーザープレーントラフィック保護のためのアップデートされた(新規)KeNB_sから導出される新たなキーを使用することを開始する(724)。
(中略)
【0078】
図8は、本発明の実施形態による、PSCellを変更することに決定するSeNBでのSeNBキーリフレッシュの望ましいプロセスを示す。
【0079】
SeNB106に関連したユーザープレーンプロトコルスタックは、UE108及びSeNB106でリセットされて再確立される(802)。UE108は、UE108で構成されている他の周波数に対して、測定報告804をMeNB104に送信する。MeNB104は、SeNB106にSeNB修正要請メッセージ(X2-AP)806を送信し、SeNB修正要請メッセージ806は、RRM測定値を含むことができる。SeNB修正要請メッセージ806に基づき、SeNB106は、PSCellを変更することに決定し(810)、適合したPSCellを決定する。PSCellを変更すると決定する場合、SeNB106は、MeNB104にSeNB修正要請受信確認メッセージ812を送信し、ここで、SeNB修正メッセージは、SeNB106により決定されるようなpSCell変更に対する新たなPSCell又は原因、指示、あるいは情報、あるいはそれらの組み合わせを含む。MeNB104は、新たなKeNB_s*を導出し(814)、導出されたKeNB_s*を含むSeNB修正メッセージ816をSeNB106に送信する。MeNB104は、RRCConnectionReconfigurationメッセージ818をUE108に送信する。このメッセージを受信する場合、UE108は、MeNB104にRRCConnectionReconfigurationCompleteメッセージ820を送信する。MeNBは、UEがKeNB_sをアップデートさせるために必要とする必須パラメータ(SCC)をRRCConnectionReconfigurationに含める。UE108は、新たなKeNB_sを導出し、既存キーを解除し(821)、階層2プロトコルスタックを再確立する。SeNB106は、既存キーを解除させる(822)。MeNB104は、SCellConfigAck824をSeNB106に送信し、SeNB106からSCellCommandAck826を受信する。UE108は、追加された複数のSCellのうちいずれか一つのSCellに対してランダムアクセス828を遂行し、UEがランダムアクセス828手順を遂行するSCellは、MeNBからのRRCConnectionReconfigurationメッセージに指示されるpSCellである。SeNB106は、MeNB104から受信されたKeNB_s*830をKeNB_sとして使用して追加的なキーを導出する。UE108とSeNB106は、すべてのSCellのユーザープレーントラフィックに対する保安のためにアップデートされたKeNB_sから新しく導出されるキーを使用し始める(832)。」
これらの記載及び当業者の技術常識によれば,以下のことがいえる。
(i)上記【0052】の記載によれば, SeNB106は,PDCPラップアラウンド,変更されるpSCellのようなイベントに基づいて,KeNB_sキーをリフレッシュするためにMeNBに対してキーリフレッシュ要求メッセージを開始する。
(ii)上記【0071】,【0075】~【0076】によれば,SeNBでDRBをハンドリングするPDCPエンティティのPDCPカウントラップアラウンドによるSeNBキーリフレッシュに対するMeNB開始,SCG解除,及びSCGの,次の追加のプロセスにおいて,SeNB106からMeNB104に,PDCP SNラップアラウンド状態を含むX2-AP状態アップデートメッセージ704が送信され,該X2-AP状態アップデートメッセージ704は,PDCPカウントラップアラウンドである原因値を有するSCG変更指示を有するSeNB106の修正要求メッセージである。
(iii)上記【0078】~【0079】によれば,PSCellを変更することに決定するSeNBでのSeNBキーリフレッシュのプロセスにおいて,SeNB106は,MeNB104にSeNB修正メッセージ812を送信し,該SeNB修正メッセージは,SeNB106により決定されるようなpSCell変更に対する新たなPSCell又は原因,指示,あるいは情報,あるいはそれらの組み合わせを含む。
上記(i)~(iii)を総合すると,SeNBでDRBをハンドリングするPDCPエンティティのPDCPカウントラップアラウンドに基づくSeNBキーリフレッシュのプロセスでは,SeNBからMeNBに,PDCPカウントラップラウンドを示す情報を含むメッセージを送信し,PSCellの変更に基づくSeNBキーリフレッシュのプロセスでは,SeNBからMeNBに,PSCellの変更を指示するメッセージを送信することが記載されているといえる。
しかし,PDCPカウントラップアラウンドを示す情報,及び,PSCellの変更を示す情報を,単一のメッセージを用いてMeNBに伝送することや,PDCPカウントラップアラウンドを示す情報,及び,PSCellの変更を示す情報を含むメッセージをMeNBが受信した場合のSeNBキーリフレッシュの手順等は,当初明細書,特許請求の範囲又は図面には,記載されていない。
したがって,本件補正は,当初明細書等のすべての記載を総合することにより導かれる技術事項との関係において,単一の「SCGの変更を指示する情報」が「補助基地局でパケットデータコンバージェンスプロトコル(PDCP)カウントのラップアラウンドを示す情報」及び「SCGのPScell(primary secondary cell)の変更を示す情報」の両者を含むという新たな技術的事項を導入するものである。
よって,本件補正は,特許法第17条の2第3項の規定に違反する。
(2)独立特許要件について
上記(1)のとおりであるが,更に進んで,仮に本件補正の目的を特許請求の範囲の限定的減縮とした場合に,独立特許要件を満たしていたか否かについても検討する。
ア 本件補正発明
本件補正発明は,上記1の「本件補正発明」のとおりのものと認める。
イ 引用発明及び周知技術
原査定の拒絶の理由に引用された国際公開第2014/000610号(以下,「引用例1」という。)には,図面とともに以下の事項が記載されている。
(ア)「
(中略)
」(1ページ5行~2ページ6行)
(当審仮訳:
技術分野
本発明は,通信の分野に関し,特に,プライマリセカンダリセルおよび基地局を調整する方法に関する。
背景技術
移動通信システムの発展に伴い,通信システムはより高い伝送速度とサービス品質を提供できるようになり,ユーザは伝送速度に対する要求を高めている。構成された帯域幅を大幅に増やすことなくほとんどのユーザのレートを保証し、一部のユーザに高いスループットを提供するために、第3世代パートナーシッププロジェクト(3GPPと呼ばれる)は,キャリアアグリゲーション(Carrier Aggregation,CAと呼ばれる)技術を導入する。
(中略)
キャリアアグリゲーションでは,プライマリセル(primary cell,P-Cellと呼ばれる)がセキュリティ,ハンドオーバー,およびアップリンク物理制御チャネルベアラのタスクを担う。アグリゲーションに参加する他のセルはセカンダリセル(Secondary Cell,S-Cellと呼ばれる)と呼ばれ,データ伝送の仕事を引き受けるために,セキュリティ,スイッチングなどを必要としない。基地局内のセルアグリゲーションの場合,すべての集約されたセルのアップリンク物理制御チャネルを伝送するP-Cellは1つだけである。ただし,基地局間のセルアグリゲーションでは,各基地局は独自のプライマリセルを使用する。ただし,UEの管理機能は,ハンドオーバー管理やセキュリティ制御など,1つの基地局下のプライマリセルのみが引き受けることができるため,他の基地局のプライマリセルはプライマリセカンダリセルと呼ばれ,PCell*というラベルが付いている。対応して,PCellが配置されている基地局(進化したNodeB,eNBと呼ばれる)はプライマリ基地局(Primary evolved NodeB,PeNBと呼ばれる)と呼ばれ,他のPCell*が配置されているeNBはセカンダリ基地局(Secondary Radio Bearer,SeNBと呼ばれる)と呼ばれる。
(イ)「
」(9ページ16行~10ページ13行)
(当審仮訳:
実施例二
この実施形態は,プライマリセカンダリセルを調整する方法を提供し,図3に示すように,この方法は以下を含む。
ステップ201:セカンダリ基地局は,セカンダリ基地局によってサービスされる第1のプライマリセカンダリセルを変更することを決定し,セカンダリ基地局によってサービスされるセルから第2のプライマリセカンダリセルを選択する。
本発明の一実施形態として,UEは,ネットワーク側の測定構成に従ってSeNBによって運ばれる各セルの無線信号品質を連続的に測定し,測定報告メッセージを通じてSeNBに測定結果を報告し,SeNBは,UEから測定報告メッセージを受信する。図4に示すように,測定報告メッセージは,UE測定セカンダリ基地局内の各セルの無線信号品質の測定結果を含む。
SeNBは,測定レポートメッセージでUEによって測定された無線信号品質の測定結果,つまり第1のプライマリセカンダリセルの信号品質が信頼できるかどうかに従って,SeNBの元のPCell*を決定する。それでも信頼できる場合は,最初のプライマリセカンダリセルの使用を継続する。SeNBが元のPCell*の信号品質がもはや信頼できないと判断した場合,またはその他の理由で,SeNBの最初のプライマリセカンダリセルを変更する必要がある。SeNBは,測定結果に従って,SeNBの各セルから新しいPCell*,すなわち第2のプライマリセカンダリセルを選択する。例示的に,SeNBは,各セルから最高の信号品質を有するセルを第2のプライマリセカンダリセルPCell*として選択し得る。
さらに,測定結果に従って第2の補助一次セルが選択された後,この実施形態の方法はさらに以下を含む。
セカンダリ基地局は,新しいプライマリセカンダリセル内のUEにPUCCHリソースを割り当てる。
SeNBが測定結果に従ってSeNB内の各セルから新しいPCell*を選択した後,SeNBはさらに新しいPCell*内のUEにPUCCHリソースを割り当てて,第2のプライマリセカンダリセルを使用するためにUEを準備する。)
(ウ)「
(中略)
」(10ページ14行~11ページ8行)
(当審仮訳:
ステップ202:セカンダリ基地局は,プライマリ基地局に第1のメッセージを送信し,ここで,プライマリセカンダリセルが調整されていることを示すために使用され,第1のメッセージは第2のプライマリセカンダリセルの識別子を含む。
SeNBは,PeNBが新しいPCell*を学習するように,第1のメッセージをPeNBに送信し,第1のメッセージには,第2のプライマリセカンダリセルの識別子が含まれる。
(中略)
加えて,PeNBは,第1のメッセージを受信した後,第2のプライマリセカンダリセルに対応するセキュリティキーK-eNB*を導出してもよく,これには,PeNBが第2のプライマリセカンダリセルに対応するセキュリティキーK-eNB*を導出するように,第1のメッセージにセキュリティキー要求情報情報を含める必要がある。さらに,ユーザー端末識別子(UE ID)などのその他の情報が第1のメッセージに含まれている場合がある。
さらに,セカンダリ基地局がプライマリ基地局に第1のメッセージを送信した後,セカンダリ基地局がUEに第2のメッセージを送信する前に,この方法はさらに以下を含む。
セカンダリ基地局は,プライマリ基地からプライマリセカンダリセル変更応答メッセージを受信する。
第1メッセージを受信した後,PeNBは,第1のメッセージを受信し,新しいPCell*を学習したことをセカンダリ基地局に通知するように,プライマリセカンダリセル変更応答メッセージをSeNBにさらに送信する。さらに,第1のメッセージにセキュリティキー要求情報がある場合,プライマリセカンダリセル変更応答メッセージは,PeNBが導出した第2のプライマリセカンダリセルに対応するセキュリティキーK-eNB*をさらに含む。)
(エ)「
」(11ページ9行~22行)
(当審仮訳:ステップ203:セカンダリ基地局は,UEが第2のプライマリセカンダリセルを使用するように,UEに第2のメッセージを送信する。
具体的には,プライマリセカンダリセル変更応答メッセージを受信した後,SeNBは,UEが既存のPCell*を変更するように第2のメッセージをUEに送信し,第2のメッセージには,第2のプライマリセカンダリセルの識別子とSeNBによって割り当てられたPUCCHリソースが含まれる。第2のメッセージを受信した後,UEは第2のプライマリセカンダリセルを使用できる。PeNBが第2のプライマリセカンダリセルに対応するセキュリティキーK-eNB*を導出する場合,UEは,第2のメッセージを受信した後,UEIDに従ってセキュリティキーを導出することに留意されたい。
さらに,セカンダリ基地局が第2のメッセージをUEに送信した後,この実施形態の方法はさらに以下を含む。
UEは,第2のメッセージを受信した後,第2のプライマリセカンダリセルがアップリンク同期状態にあるかどうかを判断する。
そうでない場合は,第2のプライマリセカンダリセルへのランダムアクセスが開始され,セカンダリベースステーションにアクセスする。)
(オ)「
」
上記(ア)~(エ)の記載,及び(オ)の図面,並びに当業者の技術常識を考慮すると,
(i)上記(イ)の記載によれば,SeNBは,SeNBによってサービスされる第1のプライマリセカンダリセルを変更することを決定し,SeNBによってサービスされる各セルから第2のプライマリセカンダリセルを選択し,第2のプライマリセカンダリセル内のUEにPUCCHリソースを割り当てる。
よって,引用例1には,「SeNBは,SeNBによってサービスされる第1のプライマリセカンダリセルを変更することを決定し,SeNBによってサービスされる各セルから第2のプライマリセカンダリセルを選択し,第2のプライマリセカンダリセル内のUEにPUCCHリソースを割り当てる」ことが記載されていると認められる。
(ii)上記(ウ)の記載によれば,SeNBは,プライマリセカンダリセルが調整されていることを示すために,PeNBに第2のプライマリセカンダリセルの識別子を含む第1メッセージを送信する。
よって,引用例1には,「SeNBは,プライマリセカンダリセルが調整されていることを示すために,PeNBに第2のプライマリセカンダリセルの識別子を含む第1メッセージを送信する」ことが記載されていると認められる。
(iii)上記(ウ)の記載によれば,PeNBは,セキュリティキー要求情報情報を含む第1のメッセージを受信した場合,第2のプライマリセカンダリセルに対応するセキュリティキーK-eNB*を導出し,導出されたセキュリティキーK-eNB*を含むプライマリセカンダリセル変更応答メッセージをSeNBに送信する。
よって,引用例1には,「PeNBは,第2のプライマリセカンダリセルに対応するセキュリティキーK-eNB*を導出し,導出されたセキュリティキーK-eNB*を含むプライマリセカンダリセル変更応答メッセージをSeNBに送信する」ことが記載されていると認められる。
(vi)上記(エ)の記載によれば,PeNBが第2のプライマリセカンダリセルに対応するセキュリティキーK-eNB*を導出する場合,UEは,SeNBから送信された第2のメッセージを受信した後,セキュリティキーを導出し,さらに,UEは,第2のメッセージを受信した後,第2のプライマリセカンダリセルがアップリンク同期状態にない場合,第2のプライマリセカンダリセルへのランダムアクセスを開始する。
よって,引用例1には,「UEは,PeNBが第2のプライマリセカンダリセルに対応するセキュリティキーK-eNB*を導出する場合,SeNBから送信された第2のメッセージを受信した後,セキュリティキーを導出すること」,および,「UEは,第2のプライマリセカンダリセルとランダムアクセスを行う」ことが記載されていると認められる。
(v)上記(i)~(vi)及び上記(ア)の記載によれば、引用例1には、「基地局間のセルのキャリアアグリゲーションを導入した移動通信システムにおけるプライマリセカンダリセルの変更方法」が記載されていると認められる。
以上を総合すると,引用例1には,以下の発明(以下,「引用発明」という。)が記載されていると認められる。
「基地局間のセルのキャリアアグリゲーションを導入した移動通信システムにおけるプライマリセカンダリセルの変更方法であって,
SeNBは,SeNBによってサービスされる第1のプライマリセカンダリセルを変更することを決定し,SeNBによってサービスされる各セルから第2のプライマリセカンダリセルを選択し,第2のプライマリセカンダリセル内のUEにPUCCHリソースを割り当てることと,
SeNBは,プライマリセカンダリセルが調整されていることを示すために,PeNBに第2のプライマリセカンダリセルの識別子を含む第1メッセージを送信することと,
PeNBは,第2のプライマリセカンダリセルに対応するセキュリティキーK-eNB*を導出し,導出されたセキュリティキーK-eNB*を含むプライマリセカンダリセル変更応答メッセージをSeNBに送信することと,
UEは,PeNBが第2のプライマリセカンダリセルに対応するセキュリティキーK-eNB*を導出する場合,SeNBから送信された第2のメッセージを受信した後,セキュリティキーを導出することと,
UEは,第2のプライマリセカンダリセルとランダムアクセスを行うこと を備える,方法。」
[周知技術]
原査定の拒絶の理由に引用されたHuawei, Hisilicon,Security for SCE arc.1A,3GPP TSG-SA WG3#74 S3-140026,2014年1月13日アップロード(以下、「引用例2」という。)には,図面とともに以下の事項が記載されている。
(カ)「
(中略)
」(1葉9行~3葉19行)
(当審仮訳:
1.はじめに
セクション8.1.1.1,R2-134626(TR36.842v1.0.0)では,alt.1Aは次のように描かれている。
代替1Aは,SeNBで終端するS1-Uと独立したPDCP(ベアラ分割なし)の組み合わせである。 下の図8.1.1.1-1に,ダウンリンク方向を例として示す。
(図省略)
この文書は,スモールセル拡張アーキテクチャ1Aのセキュリティ解決策を提供する。
(中略)
2.3オンザフライでのキー変更
1.スモールセルブランチのKeNBリフレッシュ
スモールセルブランチのPDCP COUNTが一巡すると,SeNBはMeNBを介してキー更新手順をトリガーする。詳細な手順には3つの手順が含まれる。
ステップ1.SeNBは,PDCP COUNTラップラウンドを検出する。SeNBは,MeNBにキーの更新が必要であることを示す。新しいメッセージはX2で検出される。
ステップ2.MeNBは,SeNBのセル内HO手順をトリガーする。ハンドオーバコマンドメッセージでSeNBの手順がトリガーされることを,暗黙的または明示的にUEに示す必要がある。暗号化アルゴリズムは,ハンドオーバーコマンドで実行される。
ステップ3.MeNBは,ハンドオーバー完了メッセージを受信すると,UEがスモールセルブランチのASキーを更新したことをSeNBに通知する。新しいメッセージはX2で検出される。SeNBとUEは,更新されたキーでデータの保護を開始する。)
また,引用例2(1葉10行目)で引用されている「R2-134626(TR36.842v1.0.0)」である3GPP TR 36.842 V1.0.0 Technical Specification Group Radio Access Network;Evolved Universal Terrestrial Radio Access (E-UTRA);Study on Small Cell Enhancements for E-UTRA and E-UTRAN - Higher layer aspects(Release 12),3GPP TSG-RAN WG2#84 R2-134626 2013年11月24日アップロードには,以下の事項が記載されている。
(キ)「
」(32ページ17~21行)
(当審仮訳:
8.1 デュアル接続のアーキテクチャとプロトコルの強化
8.1.1 デュアル接続のユーザプレーンアーキテクチャ
デュアル接続は,1つのMeNBと少なくとも1つのSeNBでUEを構成することにある。その際,U-Planeデータを分割するための3つのオプションを区別できる。)
本件の最先の優先日以前に利用可能となったSamsung,Discussion on Security Aspects of SCE UP Architecture,3GPP TSG-SA WG3#73 S3-130989,2013年11月4日アップロード(以下,「引用例3」という。)には,以下の事項が記載されている。
(ク)「
(中略)
」(1葉15行~2葉24行)
(当審仮訳:
2ディスカッション
2.1分散PDCPによるデュアル接続(オプション1A)
2.1.1セキュリティー要求
(中略)
2.1.4オンザフライでのキー変更
MeNBはRRCレイヤーをホストするため,MeNBがKSeNBのキー変更オンザフライ手順を開始することが可能である(UEとSeNB間のUPトラフィック保護キー)。MeNBは,以下のシナリオでイントラSeNB HOを開始することにより,キー変更のオンザフライ手順を開始する:ローカルKUPenc-SeNBリフレッシュ(SeNBは,SeNBとUE間のPDCP COUNTがラップアラウンドになりそうな時,Xnインターフェイスを介してMeNBにキーリフレッシュを要求する),その時KeNBキー再生成がMeNBで実行される。
提案4:セル内HOと同様の手順(たとえば,ScellリリースとScell追加)は,SeNBキーリフレッシュと再実行のためオンザフライでキー変更を実行するために,MeNB(デュアル接続のモビリティアンカー)によって開始される。)
本件の最先の優先日以前に利用可能となったSamsung,Discussion on Security Solution for 1A SCE UP Architecture,3GPP TSG-SA WG3#74 S3-140125,2014年1月13日アップロード(以下,「引用例4」という。)には,以下の事項が記載されている。
(ケ)「
(中略)
」(1葉14行~4葉6行)
(当審仮訳:
2ディスカッション
2.1分散PDCPによるデュアル接続のソリューション(オプション1A)
2.1.1セキュリティキーの導出
(中略)
2.1.2オンザフライでのキー変更
MeNBはRRCレイヤーをホストしているため,MeNBはKeNB_sのキー変更オンザフライ手順を開始する。MeNBは,次のシナリオでSeNBリリースおよびSeNB追加手順を開始することにより,キー変更のオンザフライ手順を開始します:ローカルKUPenc_sリフレッシュ(SeNBとUE間のPDCP COUNTがラップアラウンドになりそうな時,X2インターフェイスを介してMeNBにキーフレッシュを要求する),その時KeNBキー再生成がMeNBで実行される。)
本件の最先の優先日以前に利用可能となったFujitsu,General signalling flow for dual connectivity,3GPP TSG-RAN WG2#84 R2-133999,2013年11月1日アップロード(以下,「引用例5」という。)には,以下の事項が記載されている。
(コ)「
(中略)
」(1葉3行~2葉11行)
(当審仮訳:
議題:7.2.2.1(メッセージフロー、プロトコル機能、およびモデリング)
出典:富士通
タイトル:デュアル接続の一般的なシグナリングフロー
ドキュメント:議論と決定
(中略)
2つの代替方法を比較すると,HOに似た手順では,RRCシグナリングとXnメッセージの数がCAに似た手順よりも少なくなる。つまり,HOに似た手順は,SeNBの追加/アクティブ化と非アクティブ化/削除がRRCシグナリングと組み合わされているため、シグナリングオーバーヘッドと処理負荷を削減できる。)
上記(キ)の記載から,上記(カ)に記載されたキー変更に係わる技術は,「デュアル接続」を前提としていることは明らかである。
そして,上記(カ),(ク),(ケ)の各記載,並びに当業者の技術常識を考慮すると,「デュアル接続におけるキー変更において,SeBNは,PDCP COUNTラップアラウンドを検出した場合,MeNBにキーのリフレッシュを要求する。」ことは周知技術であると認められる。
また,当業者の技術常識を考慮すると,上記(コ)の記載にもあるように,「デュアル接続の一般的なシグナリングフローにおいて,シグナリングオーバーヘッドと処理負荷を削減するために,メッセージの数を少なくする。」ことは一般的な課題であると認められる。
ウ 対比・判断
本件補正発明と引用発明とを対比すると,
(i)本件補正発明の「デュアル接続」に関し,平成27年7月30日にされた手続補正により補正された明細書(以下,「補正された明細書」という。)【0006】に「2つの地理的に分離されているeNB間により制御される少なくとも一つのセル間のキャリアアグリゲーションがなされる場合,これは,eNB間キャリアアグリゲーションと称され,UEは,デュアル接続モードの動作で構成されると称される。」と記載されていることからも明らかなように,引用発明の「基地局間のセルのキャリアアグリゲーションを導入した移動通信システム」は,本件補正発明の「端末のデュアル接続をサポートする無線通信システム」に相当する。
(ii)本件補正発明の「サービングセルグループ(SCG)」に関し,本件補正発明では,「補助基地局」が「マスタ基地局」に「SCGの変更を指示する情報を含むメッセージ」を伝送することからすれば,上記「サービングセルグループ(SCG)」は,「補助基地局によりサービスされるセルのグループ」を含むといえる。
また,本件補正発明の「補助基地局」,「マスタ基地局」と引用発明の「SeNB」,「PeNB」とは表現が異なるのみであって差異はない。
ここで,引用発明の「プライマリセカンダリセルの調整」は,「SeNBによってサービスされる第1のプライマリセカンダリセルを変更することを決定し,SeNBによってサービスされる各セルから第2のプライマリセカンダリセルを選択」することを含むから,引用発明の「プライマリセカンダリセルの調整」は,本件補正発明の「サービングセルグループ(SCG)の変更」に含まれる。
(iii)引用発明では,「プライマリセカンダリセルが変更されていることを示す」ために,PeNBに「第2のプライマリセカンダリセルの識別子を含む第1メッセージ」を送信し,上記(ii)で述べたように,引用発明の「プライマリセカンダリセルの調整」は,本件補正発明の「サービングセルグループ(SCG)の変更」に含まれるから,引用発明の「第2のプライマリセカンダリセルの識別子」は,本件補正発明の「SCGの変更を指示する情報」に含まれる。
(iv)引用発明では,PeNBは,「第2のプライマリセカンダリセルに対応するセキュリティキーK-eNB*を導出し,導出されたセキュリティキーK-eNB*を含むプライマリセカンダリセル変更応答メッセージをSeNBに送信する」ことから,引用発明のSeNBは,「第2のプライマリセカンダリセルに対応するセキュリティキーK-eNB*を含むセカンダリプライマリセル変更応答メッセージ」を「受信」するといえ,「第2のプライマリセカンダリセル」は,「SeNBによってサービスされる各セル」の1つであることからすれば,「第2のプライマリセカンダリセルに対応するセキュリティキーK-eNB*」が,「SeNB」に関連していることは明らかである。
よって,引用発明においても,SeNBがSeNBに関連するセキュリティキーK-eNB*を受信しているといえ,上記(iii)で述べたように,本件補正発明の「補助基地局」と引用発明の「SeNB」とは表現が異なるのみであって差異はないことから,本件補正発明の「前記補助基地局が前記補助基地局に関連したセキュリティーを受信するステップ」に関し、本件補正発明と引用発明との間に差異はない。
(v)引用発明の「セキュリティキーK-eNB*」は,「SeNBによってサービスされる各セル」から選択された「第2のセカンダリプライマリセル」に対応してPeNBにより導出されるセキュリティキーであって,「セキュリティキーK-eNB*」が導出された場合,UEもセキュリティキーを導出するから,「セキュリティキーK-eNB*」は新たなセキュリティキーであると解釈することが相当である。
よって,引用発明の「PeNBは,第2のセカンダリプライマリセルに対応するセキュリティキーK-eNB*を導出」することは,補正後の発明の「セキュリティキーは前記SCGの変更によりリフレッシュされ」ることに含まれる。
(vi)引用発明では,SeNBは「第2のセカンダリプライマリセル内のUEにPUCCHリソースを割り当て」,UEは「第2のセカンダリプライマリセルとランダムアクセスを行う」ことからすれば,引用発明の「第2のセカンダリプライマリセル」は,補正後の発明の「PScell(primary secondary cell)」に相当する。
そして,引用発明の「第2のセカンダリプライマリセルの識別子」は,「セカンダリプライマリセルが変更されていることを示す」ためのものであることからすれば,「第2セカンダリプライマリセルの識別子」は,補正後の発明の「PScell(primary secondary cell)の変更を示す情報」に含まれる。
よって,本件補正発明と引用発明とは,「SCGの変更を指示する前記情報は,前記SCGのPScell(primary secondary cell)の変更を示す情報を含む」点で共通するといえる。
以上を総合すると,本件補正発明と引用発明とは,以下の点で一致し,また,相違している。
(一致点)
「 端末のデュアル接続をサポートする無線通信システムにおけるサービングセルグループ(SCG)の変更を実行する方法であって,
前記デュアル接続のための補助基地局が前記デュアル接続のためのマスタ基地局に前記SCGの変更を指示する情報を含むメッセージを伝送するステップと,
前記補助基地局が前記補助基地局に関連したセキュリティキーを受信するステップと,を含み,
前記セキュリティキーは前記SCGの変更によりリフレッシュされ,
前記SCGの変更を指示する前記情報は,前記SCGのPScell(primary secondary cell)の変更を示す情報を含むことを特徴とする方法。」
(相違点)
「SCGの変更を指示する情報」に関し,本件補正発明は,「前記補助基地局でパケットデータコンバージェンスプロトコル(PDCP)カウントのラップアラウンドを示す情報及び前記SCGのPScell(primary secondary cell)の変更を示す情報」を含むのに対し,引用発明では,「SCGの変更を指示する情報」が「前記補助基地局でパケットデータコンバージェンスプロトコル(PDCP)カウントのラップアラウンドを示す情報」を含むことが明らかではない点。
以下,上記相違点について検討する。
上記イで認定した「周知技術」のとおり,「デュアル接続におけるキー変更において,SeBNは,PDCP COUNTラップアラウンドを検出した場合,MeNBにキーのリフレッシュを要求する。」ことは周知技術であり,引用発明は,基地局間のセルのキャリアアグリゲーション,すなわち,デュアル接続を導入する無線通信システムにおいて,MeNBによるSeNBに対するセキュリティキーを導出する技術であることから,引用発明に上記周知技術を採用する動機は十分あるといえる。
ここで,一般の要求にその理由を付すことは常套手段であるから,周知技術において,「キーのリフレッシュを要求する」際に,「キーのリフレッシュ」の要因である「PDCP COUNTラップアラウンドを検出」したことを示す情報を伝送することは当業者が適宜なし得ることに過ぎない。
さらに,上記イのとおり,「デュアルコネクティビティの一般的なシグナリングフローにおいて、シグナリングオーバーヘッドと処理負荷を削減するために,Xnメッセージの数を少なくする」ことは一般的な課題に過ぎず,引用発明に周知技術を適用するにあたり、上記「PDCP COUNTラップアラウンドを検出」したことを示す情報と、「第2のプライマリセカンダリの識別子」とを含む1つのメッセージとして伝送すること,すなわち,相違点に係る構成とすることは,当業者が容易になし得ることに過ぎない。
そして,本件補正発明の作用効果も,引用発明及び周知技術に基づいて当業者が予測できる範囲のものである。
したがって,本件補正発明は,引用発明及び周知技術に基づいて当業者が容易に発明をすることができたものであるから,特許法第29条第2項の規定により特許出願の際独立して特許を受けることができない。
3 まとめ
したがって,本件補正は,特許法第17条の2第3項の規定に違反するものであり,また,特許法第17条の2第6項において準用する特許法第126条第7項の規定に違反するものであるから,特許法第159条第1項において読み替えて準用する特許法第53条第1項の規定により却下すべきものである。
第3 本願発明について
1 本願発明
平成30年5月29日にされた手続補正は上記のとおり却下されたので,本願発明は,上記「第2」の項の「1 本件補正の概要」の項の「本願発明」のとおりのものと認める。
2 原査定の拒絶の理由
原査定の拒絶理由の概要は,「(進歩性)この出願の下記の請求項に係る発明は,その出願前に日本国内又は外国において,頒布された下記の刊行物に記載された発明又は電気通信回線を通じて公衆に利用可能となった発明に基いて,その出願前にその発明の属する技術の分野における通常の知識を有する者が容易に発明をすることができたものであるから,特許法第29条第2項の規定により特許を受けることができない。」というものであり,請求項1に対して引用例1(国際公開第2014/000610号)及び引用例2(Huawei, Hisilicon,Security for SCE arc.1A,3GPP TSG-SA WG3#74 S3-140026,2014年1月13日アップロード)が引用されている。
3 引用発明及び周知技術
引用発明及び周知技術は,上記「第2 平成30年5月29日にされた手続補正についての補正の却下の決定」の項中の「2 補正の適否」の項中の「(2)独立特許要件について」の項中の「イ 引用発明及び周知技術」の項で認定したとおりでる。
4 対比・判断
本願発明と引用発明とを対比するに,本願発明は補正後の発明から当該補正に係る限定を省いたものである。
そうすると,本願発明の構成に当該補正に係る限定を付加した補正後の発明が,「第2 平成30年5月29日にされた手続補正についての補正の却下の決定」の項中の「2 補正の適否」の項中の「(2)独立特許要件について」の項中の「ウ 対比・判断」の項で検討したとおり,引用発明及び周知技術に基づいて容易に発明できたものであるから,本願発明も同様の理由により,容易に発明できたものである。
5 むすび
以上のとおり,本願発明は,引用発明及び周知技術に基づいて当業者が容易に発明をすることができたものであるから,特許法第29条第2項の規定により,特許を受けることができない。
よって,結論のとおり審決する。
審決本文(J-PlatPat)
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2018-007339