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特許拒絶査定不服審判

2018-000490

直交周波数分割多元接続移動通信システムにおいてダウンリンク干渉測定方法及び装置

審判番号
2018-000490
法域
特許
審判種別
拒絶査定不服審判(拒絶査定不服の審決)
出願番号
特願2014-516922外部サイト(J-PlatPat)へ移動します
請求日
2018年01月15日
審決日
2019年03月29日
公報発行日
2019年10月25日
結論
請求不成立
当事者
審判長/審判官
分類
P18 .57 -Z (H04W) / P18 .575-Z (H04W) / P18 .121-Z (H04W)
根拠条文(結論部分から自動抽出・参考)
特許法29条2項
条文(本文から自動抽出・参考)
特許法第17条の2第5項第2号、特許法第17条の2第5項、特許法第29条第2項、特許法第17条の2第6項、特許法第17条の2第5項第1号、特許法第159条第1項
データ出所
審決公報(SGML)

事件の表示

特願2014-516922「直交周波数分割多元接続移動通信システムにおいてダウンリンク干渉測定方法及び装置」拒絶査定不服審判事件〔平成24年12月27日国際公開、WO2012/177092、平成26年 9月18日国内公表、特表2014-524182〕について、次のとおり審決する。

結論

【結 論】 本件審判の請求は、成り立たない。

理由

【理 由】 第1 手続の経緯 本願は、2012年(平成24年)6月25日(パリ条約による優先権主張外国庁受理 2011年6月24日 韓国)を国際出願日とする特許出願であって、その手続の経緯は、概略、以下のとおりである。 平成28年4月13日付け :拒絶理由通知書 平成28年7月15日   :意見書、手続補正書の提出 平成28年12月13日付け:拒絶理由通知書(最後) 平成29年3月21日   :意見書、手続補正書の提出 平成29年8月31日付け :補正の却下の決定、拒絶査定 平成30年1月15日   :拒絶査定不服審判の請求、手続補正書の提出 第2 平成30年1月15日にされた手続補正について補正の却下の決定 [結論] 平成30年1月15日にされた手続補正(以下、「本件補正」という。)を却下する。 [理由] 1 補正の内容 本件補正は、平成28年7月15日にされた手続補正により補正された特許請求の範囲の請求項1に記載された 「 無線通信システムにおける基地局のダウンリンク干渉測定方法であって、 端末に対するチャンネルを測定するための第1情報と前記端末に対する干渉を測定するための第2情報を含むメッセージを前記端末に伝送する段階と、 前記第1情報と、前記第2情報によって生成されたチャンネル状態情報を前記端末から受信する段階を含み、 前記第1情報は、チャンネル測定のためのゼロではない伝送電力と関連があり、前記第2情報は、干渉測定のためのゼロ伝送電力と関連がある ことを特徴とする、干渉測定方法。」(以下、「本願発明」という。)を、 「 無線通信システムにおける基地局のダウンリンク干渉測定方法であって、 端末に対するチャンネル状態を測定するための第1情報と前記端末に対する干渉を測定するための第2情報を含むメッセージを前記端末に伝送する段階と、 前記第1情報によって第1基準信号を前記端末に伝送する段階と、 前記第1情報と前記第2情報によって測定された前記チャンネル状態及び干渉に基づいてチャンネル状態情報を前記端末から受信する段階を含み、 前記第1情報は、チャンネル状態測定のためのゼロではない伝送電力の第1基準信号と関連があり、前記第2情報は、干渉測定のためのゼロ伝送電力の第1基準信号と関連があり、 前記第1情報は、チャンネル状態を測定するためのリソース情報であり、 前記第2情報は、干渉を測定するためのリソース情報を含み、前記干渉を測定するためのリソース情報は、予め定められているパターンのうち一つであり、 万一、前記チャンネル状態を測定するためのリソース情報によるリソースと前記干渉を測定するためのリソース情報によるリソースが一部重複する場合、前記重複するリソースにおいては、チャンネル状態が測定される ことを特徴とする、干渉測定方法。」(以下、「本願補正発明」という。下線は、手続補正書の記載のとおり。)とすることを含むものである。 2 補正の適否 上記補正は、本願発明の干渉測定方法の各段階の外に、新たな「前記第1情報によって第1基準信号を前記端末に伝送する段階」を追加する補正を含むものであり、本願発明を特定するために必要な事項を限定するものとはいえないから、特許法17条の2第5項第2号に規定される特許請求の範囲の減縮を目的とするものに該当しない。 また、上記補正は、特許法第17条の2第5項第1号、第3号、及び第4号に規定される事項を目的とした補正にも該当しない。 したがって、上記補正は特許法第17条の2第5項各号に規定される、いずれの事項を目的とするものともいえない。 よって、本件補正は、特許法第17条の2第5項の規定に違反するので、同法第159条第1項において読み替えて準用する同法第53条第1項の規定により却下すべきものである。 次に、仮に、上記補正が特許法17条の2第5項第2号に規定される特許請求の範囲の減縮を目的とするものであるとして、本願補正発明が、特許法第17条の2第6項において準用する同法第126条第7項の規定に適合するか(特許出願の際独立して特許を受けることができるものであるか)について、以下に更に検討する。 (1) 本願補正発明 本願補正発明は、上記1の「本願補正発明」のとおりのものと認める。 (2) 引用発明等 ア 引用例2及び引用発明 原査定の拒絶の理由で引用されたRapporteur (Samsung)、Miscellaneous corrections (related to review in preparation for ASN.1 freeze)[online]、3GPP TSG-RAN WG2#74 R2-113641、インターネット<URL:http://www.3gpp.org/ftp/tsg_ran/WG2_RL2/TSGR2_74/Docs/R2-113641.zip>、2011年5月13日(表題の当審訳:「(ASN.1フリーズに備えるレビューに関連する)その他の修正」、以下、「引用例2」という。)には、次の事項が記載されている。(下線は、当審にて付与。) (ア) 「CHANGE REQUEST 36.331 CR 0674 rev 3 Current version:10.1.0」(1葉3~4行、当審訳: 変更要求 36.311 CR 0674 rev3 現行バージョン:10.1.0) (イ) 「6 Protocal data units, formats and parameters(tabular & ASN.1) 6.1 General The contents of each RRC message is specified in sub-clause 6.2 using ASN.1 to specify the message syntax and using tables when needed to provide further detailed information about the information elements specified in the message syntax. The syntax of the information elements that are defined as stand-alone abstract types is further specified in a similar manner in sub-clause 6.3. (中略) 6.2 RRC messages (中略) 6.3 RRC information elements (中略) 6.3.2 Radio resource control information elements (中略) - CSI-RS-Config The IE CSI-RS-Config is used to specify the CSI(Channel-State Information) reference signal configuration. 」(109ページ3行~167ページ下から10行、当審訳: 6 プロトコルデータ単位、フォーマット及びパラメータ(表、及びASN.1) 6.1 一般 各RRCメッセージの内容は、メッセージ構文を指定するためにASN.1を使用し、メッセージ構文で指定された情報要素に関する更に詳細な情報を提供するために必要に応じてテーブルを使用して6.2節で指定される。独立抽象型として定義される情報要素の構文は、6.3節で同様に更に規定される。 (中略) 6.2 RRCメッセージ (中略) 6.3 RRC情報要素 (中略) 6.3.2 無線リソース制御情報要素 (中略) - CSI-RS-Config CSI-RS-ConfigとのIEは、CSI(チャネル状態情報)基準信号構成を特定するために用いられる。) (ウ) (167~168ページ、表題の当審訳:CSI-RS-Config情報要素) (エ) (168ページ、表題の当審訳:CSI-RS-Configフィールドの詳細) (オ) 引用発明 a 上記(ア)によると、引用例2は3GPP TS36.311の変更要求であるところ、TS36.311は無線リソース制御(RRC)プロトコルを規定した規格書であるから、引用例2は、無線通信システムについて記載されているといえる。 b 上記(イ)によると、引用例2には、RRCメッセージの情報要素(IE)として、CSI(チャネル状態情報)基準信号構成を特定するCSI-RS-Configが記載されている。 そして、CSI-RS-Configを含むRRCメッセージが基地局から端末に伝送されること、及びCSI-RS-Configに規定されるリソースにおいて、基準信号であるCSI-RSが基地局から端末に伝送されることはいずれも技術常識である。 してみると、引用例2には、「CSI-RS-Configを含むRRCメッセージを端末に伝送する段階と、CSI-RS-Configに規定されるリソースにおいて、基準信号であるCSI-RSを端末に伝送する段階と」を含む、基地局の方法が記載されているといえる。 c 上記(エ)によると、CSI-RS-Configは、CSI-RSのパラメータとして「antennaPortsCount」、「p-C」、「resourceConfig」、「subframeConfig」のフィールドが含まれ、また、ゼロパワーCSI-RSのパラメータとして「zeroTxPowerResouceConfigList」、及び「zeroTxPowerSubframeConfig」とのフィールドが含まれる。 そして、CSI-RS-Configで規定されるリソースにおいて、ゼロパワーCSI-RSのパラメータが構成されたリソースでは、ゼロ伝送電力の基準信号であるCSI-RSが送信され、それ以外のリソースでは、ゼロではない伝送電力の基準信号であるCSI-RSが送信されること、及び、ゼロではない伝送電力の基準信号であるCSI-RSが、端末がチャネル状態を測定するための基準信号であることは、いずれも技術常識である。 d CSI-RS-Configに規定されるリソースにおいて伝送される、基準信号であるCSI-RSが、端末によりチャネル状態が測定され、チャネル状態情報をフィードバックするための基準信号であること、また、端末が、CSI-RS-Configにより通知されたリソースにおいて伝送されるCSI-RSでチャネル状態を測定し、端末がCSI-RS-Configによってチャネル状態を測定すること、更に、チャネル状態情報のフィードバックが基地局により受信されること、はいずれも技術常識である。 してみると、引用例2には、「CSI-RS-Configによって測定されたチャネル状態に基づくチャネル状態情報を端末から受信する段階」が記載されているのと同然といえる。 以上を踏まえると、引用例には以下の発明(以下、「引用発明」という。)が記載されていると認められる。 「無線通信システムにおける基地局の方法であって、 CSI-RSのパラメータ、及びゼロパワーCSI-RSのパラメータ(zeroTxPowerResouceConfigList、zeroTxPowerSubframeConfig)を含むCSI-RS-Config、を含むRRCメッセージを端末に伝送する段階と、 CSI-RS-Configに規定されるリソースにおいて、基準信号であるCSI-RSを端末に伝送する段階と、 CSI-RS-Configによって測定されたチャネル状態に基づくチャネル状態情報を端末から受信する段階を含み CSI-RS-ConfigのCSI-RSのパラメータで規定されるリソースにおいて、ゼロパワーCSI-RSのパラメータが構成されたリソースでは、ゼロ伝送電力の基準信号であるCSI-RSが送信され、それ以外のリソースでは、ゼロではない伝送電力の、端末がチャネル状態を測定するための基準信号であるCSI-RSが送信される、 方法。」 イ 引用例3及び公知技術 原査定の拒絶の理由で引用されたEricsson, ST-Ericsson,Views on CSI RS Muting[online], 3GPP TSG-RAN WG1#61b R1-103843,インターネット<URL:http://www.3gpp.org/ftp/tsg_ran/WG1_RL1/TSGR1_61b/Docs/R1-103843.zip>,2010年7月2日(表題の当審訳:「CSI RSミューティングの見解」、以下、「引用例3」という。)には、次の事項が記載されている。(下線は、当審にて付与。) (ア) 「2. Applications of Muting One of the original applications of CSI RS muting is to mute PDSCH REs of cells interfering with CSI RS REs of the serving cell in order to facilitate estimation of non-serving cells’ channels for CSI feedback. The intention was to use this for CoMP in homogenous networks to raise the SINR for channel estimation on non-serving cells. The application of muting is however much wider than that and it needs to be carefully assed what scenarios muting is supposed to support. Muting may for example be useful in HetNet situations for enabling UEs in pico cells to measure its own channel by muting corresponding REs in macro cell. But channel estimation is not the only component in CSI feedback. Also the interference needs to be estimated. Typically, interference estimation would be performed based on the same REs that are used to carry the CSI RS, at least for conventional non-coordinated operation. But if that is not deemed to give sufficiently good performance[5], muted REs could be used as well as long as it is ensured that corresponding REs in interfering cells carry (non-muted) PDSCH. Observation ・ At least three different uses of CSI RS muting ○ Estimation of channels of non-serving cells (homogenous CoMP application) ○ Estimation of channels of serving cell (HetNet application where PDSCH from macro cell avoids CSI RS transmitted for UEs in pico cell) ○ Estimation of inter-cell interference (in all applications) Note that in the case of no coordination as well as HetNet it is rather clear that the UE should measure all existing PDSCH interference, but what kind of interference the UE should measure for CoMP is not as easy to determine since it is not clear whether interference from cells participating in CoMP coordination set should be included or not. Nevertheless, how to perform interference estimation for CoMP operation needs to be clarified before further support for this scenario is decided. Proposal ・ Clarify how the UE should measure interference in a CoMP setting before proceeding with muting for the application of CoMP 3. Interference Measurability As already indicated in the previous section, in order for the UE to send proper feedback, not only the channel but also the interference needs to be estimated. The latter entity is often overlooked, with detrimental impact on the system performance. Obtaining estimates of interference implies measurements on some resources. For this to work, the interference seen on the measurement resources must be representative of the interference level that the PDSCH experiences.」(1葉13行~2葉1行、当審訳: 2.ミューティングの適用 CSI RSミューティングの本来の適用の1つは、CSIフィードバックのための、非サービングセルのチャネルの推定を容易にするために、サービングセルのCSI RS REと干渉するセルのPDSCH REをミュートすることである。ホモジニアスネットワークでのCoMPにこれを使用することの意図は、非サービングセル上のチャネル推定のためのSINRを上げるためであった。しかし、ミューティングの適用はそれよりもはるかに広く、また、ミューティングがどのシナリオをサポートすると想定されているかを慎重に評価する必要がある。ミュートは、例えば、マクロセルの対応するREをミュートすることにより、ピコセル内のUEにそれ自体のチャネルを測定することを可能にする、HetNet状況において有用であり得る。しかし、CSIフィードバックにおいて、チャネル推定は唯一の要素ではない。干渉もまた推定される必要がある。典型的には、干渉推定は、少なくとも従来の非協調運用のために、CSI RSを搬送するために使用されるのと同じREに基づいて実行される。しかし、それが十分に良好な性能を与えると考えられない場合[5]、干渉セル内の対応するREが(ミュートされていない)PDSCHを搬送することが保証されている限り、ミュートされたREを使用できる。 観察 ・ CSI RSミューティングの少なくとも3つの異なる用途 ○ 非サービングセルのチャネルの推定(ホモジニアスCoMPアプリケーション) ○ サービングセルのチャネルの推定(マクロセルからのPDSCHがピコセル内のUEに対して送信されるCSI RSを回避するHetNetアプリケーション) ○ セル間干渉の推定(全てのアプリケーションにおいて) HetNetのように協調が行われない場合、UEが全ての既存のPDSCH干渉を測定すべきことはかなり明らかであるが、CoMP協調セットに参加しているセルからの干渉が含まれるべきなのか、含まれないべきなのか明らかでないため、UEが、どの種類の干渉を、CoMPのために測定すべきか決定することは容易でない。それにも係わらず、このシナリオに対する更なるサポートが決定される前に、CoMP運用のための、干渉推定の実行をどのように行うか明確にする必要がある。 提案 ・ CoMPの適用のためのミューティングに進む前に、UEがCoMP設定において、どのように干渉を測定するかを明確にする。 3.干渉の測定可能性 前のセクションで既に示したように、UEが適切なフィードバックを送信するために、チャネルだけでなく干渉も推定される必要がある。後者のエンティティは、システムパフォーマンスでの悪影響と共に、しばしば見落とされる。干渉の推定値を取得することは、いくつかのリソースでの測定を意味する。これが機能するためには、測定リソース上で見られる干渉は、PDSCHが経験する干渉レベルを表していなければならない。) (イ) 上記(ア)には、UE、すなわち端末が、チャネルだけでなく、チャネル及び干渉の推定によるCSIフィードバックを行うこと、及び、ミュートされたCSI RSを用いてセル間干渉を推定することが記載されているといえるから、引用例3には以下の公知技術が記載されていると認める。 「端末は、ミュートされたCSI RSを用いてセル間干渉を推定し、チャネルだけでなく、チャネル及び干渉の推定によるCSIフィードバックを行う。」 ウ 引用例1及び周知技術1 原査定の拒絶の理由で引用されたRenesas Mobile Europe Ltd,et al.、Correction on overlapping non-zero-power and zero-power CSI-RS configurations[online]、3GPP TSG-RAN WG1#65 R1-111559、インターネット<URL:http://www.3gpp.org/ftp/tsg_ran/WG1_RL1/TSGR1_65/Docs/R1-111559.zip>、2011年5月13日(表題の当審訳:「重複する非ゼロパワー及びゼロパワーCSI-RS構成についての修正」、以下、「引用例1」という。)には、次の事項が記載されている。(下線は、当審にて付与。) (ア) 「CHANGE REQUEST 36.211 CR 0156 rev _ Current version: 10.1.0 (中略) Reason for change: RAN1 has agreed that when both zero-power and non-zero-power CSI-RS have been configured for the UE and there is overlap between the configured zero-power CSI-RS REs and non-zero-power CSI-RS REs, the non-zero-power CSI-RS take precedence, i.e. in this case the UE shall assume transmission of non-zero-power CSI-RS. However current specification does not reflect this overlap case properly, in fact the current text states that the UE shall assume zero-power for all resource elements corresponding to each configured 4Tx zero-power CSI-RS pattern. Summary of change: Add an exception stating the UE shall assume zero-power for all resource elements corresponding to each configured 4Tx zero-power CSI-RS pattern, except for those resource elements which are configured also as non-zero-power CSI-RS REs. Consequences if not approved: UE will assume an incorrect number of non-zero-power CSI-RS ports in case of overlap, and will hence report incorrect CSI feedback. Also PDSCH muting configurations will be heavily restricted.」(1葉、当審訳: 変更要求 36.211 CR 0156 rev _ 現行バージョン:10.1.0 (中略) 変更理由: RAN1は、ゼロパワー及び非ゼロパワーCSI-RSの両方がUEに対して構成され、構成されたゼロパワーCSI-RS REと非ゼロパワーCSI-RS REとの間に重複がある場合、非ゼロパワーCSI-RSが優先される、すなわち、この場合、UEは非ゼロパワーCSI-RSの送信を仮定する、と合意した。しかしながら、現在の仕様はこの重複の場合を適切に反映しておらず、実際、現行のテキストは、UEが、それぞれ構成された4TxゼロパワーCSI-RSパターンに対応する全てのリソース要素に対して、ゼロパワーを仮定すべきと、述べる。 変更の概要: UEが、非ゼロパワーCSI-RS REとしても構成されたそれらのリソース要素を除き、構成された4TxゼロパワーCSI-RSパターンのそれぞれに対応する全てのリソース要素についてゼロパワーを仮定することを述べる、例外を追加する。 承認されない場合の結果: 重複の場合、UEは、不正確な数の非ゼロパワーCSI-RSポートを仮定し、結果として、不正確なCSIフィードバックを報告する。また、PDSCHのミューティング構成が厳しく制限される。) (イ) 「Multiple CSI reference signal configurations can be used in a given cell, - zero or one configuration for which the UE shall assume non-zero transmission power for the CSI-RS, and - zero or more configurations for which the UE shall assume zero transmission power. For each bit set to one in the 16-bit bitmap ZeroPowerCSI-RS configured by higher layers, the UE shall assume zero transmission power for the resource elements corresponding to the four CSI reference signal column in Tables 6.10.5.2-1 and 6.10.5.2-2 for normal and extended cyclic prefix, respectively, except for resource elements that overlap with those for which the UE shall assume non-zero transmission power CSI-RS as configured by higher layers. The most significant bit corresponds to the lowest CSI reference signal configuration index and subsequent bits in the bitmap correspond to configurations with indices in increasing order. 」(2葉、当審訳: 所与のセルにおいて複数のCSI基準信号構成を使用することができ、 - UEがCSI-RSに対して非ゼロ送信電力を仮定する0又は1つの構成。 - UEがゼロ送信電力を仮定する0以上の構成。 上位層により構成された16ビットビットマップであるZeroPowerCSI-RS内の1にセットされたそれぞれのビットに対して、UEは、UEが上位層から構成され非ゼロ送信パワーCSI-RSを仮定するリソース要素と重複するリソース要素を除いて、それぞれ通常及び拡張サイクリックプリフィックスのための表6.10.5.2-1及び6.10.5.2-2の、4つのCSI基準信号列に対応するリソース要素に対してゼロ送信パワーを仮定する。最上位ビットは最低のCSI基準信号構成インデックスに対応し、ビットマップ内の後続ビットは昇順のインデックスを有する構成に対応する。) (ウ) 上記(ア)のとおり、引用例1は、LTE-Advancedの規格書である3GPP TS36.211V10.1.0についての変更要求であり、上記(イ)に記載された事項は、その後、2011年6月22日にアップロードされたV10.2.0に通信規格として反映された事項であるから、本願の優先日である2011年6月24日前に周知の事項であったといえ、上記(イ)に関する変更理由である上記(ア)の下記の事項についても、周知技術(以下、「周知技術1」という。)と認める。 「ゼロパワー及び非ゼロパワーCSI-RSの両方がUEに対して構成され、構成されたゼロパワーCSI-RS REと非ゼロパワーCSI-RS REとの間に重複がある場合、UEは非ゼロパワーCSI-RSの送信を仮定する。」 エ 引用例4及び周知技術2 原査定の拒絶の理由で周知技術を示す文献として引用された国際公開第2010/106729号(以下、「引用例4」という。)には、次の事項が記載されている。(下線は、当審にて付与。) (ア) 「背景技術 [0002] セルラーシステム等の無線通信システムでは、伝搬路や伝送信号の各種指標を得るための参照信号が導入されている。例えば、移動体通信の国際的な標準化団体である3GPP(3rd Generation Partnership Project)において検討されている次世代通信システムのLTE(Long Term Evolution)においても、参照信号(Reference Signal:RS)が用いられる。基地局から端末への下り方向の通信において、送信装置(基地局)から受信装置(端末)に送信する参照信号は、主な用途として、(1)復調用の伝搬路推定、(2)周波数スケジューリングや適応MCS(Modulation and Coding Scheme)制御のための品質測定、などに用いる。LTEでは、MIMO(Multiple Input Multiple Output)を適用するためのマルチアンテナシステムにおいて、所定の無線リソース単位で参照信号が送信される。 [0003] LTEをさらに進めた通信システムであるLTE-advanced(以下LTE-Aという)では、さらなる高度化を図るために、高次MIMO(例えば送信8アンテナ)や協調マルチポイント送受信(CoMP)などの導入が検討されている。このため、LTEで検討されていた参照信号(第1の参照信号)に加えて、LTE-A用に追加の参照信号(第2の参照信号)が必要となり、その送信方法が議論されている。 [0004] 例えば非特許文献1に示されるように、LTE-Aでは前述の用途別に2種の参照信号が検討されている。  (1)Demodulation RS:PDSCH(Physical downlink shared channel)復調用、PDSCHと同一のレイヤ(layer)数及びプリコーディング(Precoding)を適用、端末(User Equipment:UE)に特定のもの(UE-specific)  (2)CSI-RS:CSI(Channel State Information)観測用、(CSIとしては、CQI(Channel Quality Indicator)、PMI(Precoding Matrix Indicator)、RI(Rank Indicator)などがある)、Precoding適用しない、セルに特定のもの(cell-specific)  ただし用途は排他的な位置づけとしない。具体的には(1)の用途にCSI-RSを用いても良い、といった想定で議論が進んでいる。」 (イ) 「[0054] 本実施形態では、受信装置において、CSI-RS配置情報によって事前に通知された特定リソースのサブフレーム内の時間軸で後半側にあるシンボルに配置された参照信号CSI-RSを用いて、チャネル品質を測定し送信装置に報告する。また、送信装置において、受信装置に向けて事前にCSI-RS送信に用いる特定リソースを通知し、該当リソースのサブフレーム内の時間軸で後半側にあるシンボルを用いて参照信号CSI-RSを送信し、受信装置からのチャネル品質の測定結果を受信する。この受信装置から報告されたチャネル品質測定結果を用いて、周波数スケジューリング、適応MCS制御を実施する。」 (ウ) 下記の事項は、例えば上記(ア)(イ)からも明らかなように、技術常識といえる周知技術(以下、「周知技術2」という。)であると認める。 「基地局は、参照信号であるCSI-RSを送信し、端末からのチャネル品質の測定結果を受信する。」 (3) 引用発明と本願補正発明との対比 ア 本願補正発明と引用発明とは「無線通信システムにおける基地局の方法」といえる点で共通する。 イ 引用発明のCSI-RS-Configで規定されるリソースにおいて、ゼロパワーCSI-RSのパラメータが構成されたリソース以外のリソースで送信される、「ゼロではない伝送電力の、端末がチャネル状態を測定するための基準信号であるCSI-RS」は、「チャネル状態測定のためのゼロではない伝送電力の第1の基準信号」といえるから、引用発明の、CSI-RS-Configに含まれる「CSI-RSのパラメータ」は、「端末に対するチャンネル状態を測定するための第1情報」といえ、また、当該情報は「チャンネル状態測定のためのゼロではない伝送電力の第1基準信号と関連があり」、また「チャンネル状態を測定するためのリソース情報であり」といえる。 また、引用発明の、CSI-RS-Configで規定されるリソースにおいて、ゼロパワーCSI-RSのパラメータが構成されたリソースで送信される「ゼロ伝送電力の基準信号であるCSI-RS」は、「ゼロ伝送電力の第1基準信号」といえるから、引用発明の、CSI-RS-Configに含まれる「ゼロパワーCSI-RSのパラメータ」は、「ゼロ伝送電力の第1基準信号と関連」する第2情報といえ、また、ゼロパワーCSI-RSのパラメータの「zeroTXPowerResouceConfigList」、及び「zeroTxPowerSubframeConfig」は、予め定められているパターンのうち一つであるリソース情報といえる。 してみると、本願補正発明と引用発明とは「端末に対するチャンネル状態を測定するための第1情報と第2情報を含むメッセージを前記端末に伝送する段階」を含む点で共通し、また、「前記第1情報は、チャンネル状態測定のためのゼロではない伝送電力の第1基準信号と関連があり、前記第2情報は、ゼロ伝送電力の第1基準信号と関連があり、 前記第1情報は、チャンネル状態を測定するためのリソース情報であり、 前記第2情報は、リソース情報を含み、前記リソース情報は、予め定められているパターンのうち一つであり、」といえる点で共通する。 ウ 引用発明の「CSI-RS-Configに規定されるリソースにおいて、基準信号であるCSI-RSを端末に伝送する段階」は、本願補正発明の「前記第1情報によって第1基準信号を前記端末に伝送する段階」に相当する。 エ 上記イのとおり、引用発明のCSI-RS-Configに含まれる「CSI-RSのパラメータ」及び「ゼロパワーCSI-RSのパラメータ」は、それぞれ本願補正発明の第1情報及び第2情報に対応するから、引用発明の「CSI-RS-Configによって測定されたチャネル状態に基づくチャネル状態情報を端末から受信する段階」は、本願補正発明の「前記第1情報と前記第2情報によって測定された前記チャンネル状態に基づいてチャンネル状態情報を前記端末から受信する段階」に対応する。 以上を踏まえると、本願補正発明と引用発明とは以下の点で一致し、また、相違している。 (一致点) 「 無線通信システムにおける基地局の方法であって、 端末に対するチャンネル状態を測定するための第1情報と第2情報を含むメッセージを前記端末に伝送する段階と、 前記第1情報によって第1基準信号を前記端末に伝送する段階と、 前記第1情報と前記第2情報によって測定された前記チャンネル状態に基づいてチャンネル状態情報を前記端末から受信する段階を含み、 前記第1情報は、チャンネル状態測定のためのゼロではない伝送電力の第1基準信号と関連があり、前記第2情報は、ゼロ伝送電力の第1基準信号と関連があり、 前記第1情報は、チャンネル状態を測定するためのリソース情報であり、 前記第2情報は、リソース情報を含み、前記リソース情報は、予め定められているパターンのうち一つである、 方法。」 (相違点) 本願補正発明が「ダウリンク干渉測定」に係る無線通信システムにおける基地局の方法であり、これに伴い、一致点である、ゼロ伝送電力の第1基準信号と関連がある第2情報が、本願補正発明では、「端末に対する干渉を測定するための」情報、「干渉測定のための」情報であり、第2情報が含むリソース情報が「干渉を測定するため」のものであるのに対し、引用発明では当該特定がされておらず、一致点であるチャネル状態情報が、本願補正発明では、チャンネル状態に加えて「干渉」に基づくのに対し、引用発明ではチャネル状態のみに基づき、また、本願補正発明が「万一、前記チャンネル状態を測定するためのリソース情報によるリソースと前記干渉を測定するためのリソース情報によるリソースが一部重複する場合、前記重複するリソースにおいては、チャンネル状態が測定される」のに対し、引用発明が当該事項を特定していない点。 (4) 判断 上記(2)イ(イ)のとおり、「端末は、ミュートされたCSI RSを用いてセル間干渉を推定し、チャネルだけでなく、チャネル及び干渉の推定によるCSIフィードバックを行う。」ことは公知技術であるから、「ゼロ伝送電力の基準信号であるCSI-RS」、すなわちミュートされたCSI RSが端末に送信される引用発明に上記公知技術を適用し、端末において、「ゼロ伝送電力の基準信号であるCSI-RS」を用いてセル間干渉を推定し、チャネルだけでなく、チャネル推定及び推定したセル間干渉に基づくCSIフィードバックを受信すること、すなわち、本願補正発明の第2情報に対応する引用発明の、ゼロ伝送電力の基準信号であるCSI-RSのリソースを規定する「ゼロパワーCSI-RSのパラメータ」を、「端末に対する干渉を測定するための」情報、「干渉測定のための」情報とし、本願補正発明の第2情報が含むリソース情報に対応する引用発明の、ゼロパワーCSI-RSのパラメータの「zeroTXPowerResouceConfigList」及び「zeroTxPowerSubframeConfig」を「干渉を測定するため」のものであるとし、引用発明のチャネル状態情報をチャンネル状態に加えて「干渉」に基づくものとし、引用発明を「ダウリンク干渉測定」に係る無線通信システムにおける基地局の方法とすることは、当業者が容易に想到し得る事項といえる。 また、上記(2)ウ(ウ)のとおり「ゼロパワー及び非ゼロパワーCSI-RSの両方がUEに対して構成され、構成されたゼロパワーCSI-RS REと非ゼロパワーCSI-RS REとの間に重複がある場合、UEは非ゼロパワーCSI-RSの送信を仮定する。」ことは周知事項であり、ゼロ伝送電力、及びゼロではない伝送電力の基準信号であるCSI-RSの両方をUEに対して構成する引用発明において、両CSI-RSの重複がある場合に、当該周知事項を採用することは当業者が適宜なし得ることである。 してみると、「万一、前記チャンネル状態を測定するためのリソース情報によるリソースと前記干渉を測定するためのリソース情報によるリソースが一部重複する場合、前記重複するリソースにおいては、チャンネル状態が測定される」ようにすることは、引用発明に上記公知技術を適用する際に、当業者が実施に際して適宜なし得る設計事項といえる。 よって、本願補正発明は、引用発明、公知技術、及び周知技術に基づいて当業者が容易に発明をすることができたものであるから、特許法第29条第2項の規定により特許を受けることができない。 3 結論 以上のとおり、本件補正は、特許法第17条の2第5項の規定に違反するので、同法第159条第1項において読み替えて準用する同法第53条第1項の規定により却下すべきものである。 また、本件補正が、特許法17条の2第5項第2号に規定される特許請求の範囲の減縮を目的とするものであるとしても、本件補正は、特許法第17条の2第6項で準用する同法第126条第7項の規定に違反するものであり、特許法第159条第1項で読み替えて準用する同法第53条第1項の規定により却下すべきものである。 よって、上記補正の却下の決定の結論のとおり決定する。 第3 本願発明について 1 本願発明 平成30年1月15日に提出された手続補正書による手続補正は上記のとおり却下されたので、本願発明は、上記第2 1の「本願発明」のとおりのものと認める。 2 原査定の拒絶の理由 平成28年12月13日付けの拒絶理由通知書に記載された原査定の拒絶の理由は、 「1.(進歩性)この出願の下記の請求項に係る発明は、その出願前に日本国内又は外国において、頒布された下記の刊行物に記載された発明又は電気通信回線を通じて公衆に利用可能となった発明に基いて、その出願前にその発明の属する技術の分野における通常の知識を有する者が容易に発明をすることができたものであるから、特許法第29条第2項の規定により特許を受 けることができない。」であるところ、請求項1に対して、主引用例として引用例2(又は引用例1)、副引用例として引用例3、周知技術として引用例4が引用されている。 3 引用発明等 引用発明等は、前記第2 2(2)のとおりである。 4 対比・判断 本願発明は、本願補正発明が含む「前記第1情報によって第1基準信号を前記端末に伝送する段階」、及び「万一、前記チャンネル状態を測定するためのリソース情報によるリソースと前記干渉を測定するためのリソース情報によるリソースが一部重複する場合、前記重複するリソースにおいては、チャンネル状態が測定される」との事項、並びに、チャネル状態情報についての「測定された前記チャンネル状態及び干渉に基づいて」との限定事項、第1情報についての「端末に対するチャンネル状態を測定するための」、「チャンネル状態測定のためのゼロではない伝送電力の第1基準信号と関連があり、」「チャンネル状態を測定するためのリソース情報であり、」との限定事項、第2情報についての「干渉測定のためのゼロ伝送電力の第1基準信号と関連があり、」、「干渉を測定するためのリソース情報を含み、前記干渉を測定するためのリソース情報は、予め定められているパターンのうち一つであり、」との限定事項を省いたものである。 そうすると、本願発明の構成要件をすべて含み、更に他の構成要件を付加したものに相当する本願補正発明が、前記第2で判断したとおり、引用発明、公知技術、及び周知技術に基づいて、当業者が容易に発明をすることができたものであるから、本願発明も、同様の理由により、引用発明、公知技術、及び周知技術に基づいて、当業者が容易に発明をすることができたものである。 5 むすび 以上のとおり、本願発明は、特許法第29条第2項の規定により特許を受けることができない。 したがって、本願は、他の請求項について検討するまでもなく拒絶すべきものである。 よって、結論のとおり審決する。

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2018-000490

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