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商標異議申立

2017-900295

ロカシャワー、ロカ

審判番号
2017-900295
法域
商標
審判種別
異議申立(異議の決定)
出願番号
商願2016-120865
登録番号
商標登録第5964369号(T5964369)
請求日
2017年10月04日
審決日
2018年03月09日
公報発行日
2018年04月27日
結論
維持
当事者
  • 【権利者】クリタック株式会社
  • 【権利者代理人】恩田 誠
  • 【権利者代理人】恩田 博宣
  • 【異議申立人】ロカ サニタリオ,エス.アー.
  • 【異議申立人代理人】河野 英仁
  • 【異議申立人代理人】河野 登夫
  • 【異議申立人代理人】安田 恵
審判長/審判官
  • 審判長 田中 幸一
  • 審判官 今田 三男
  • 審判官 大森 友子
分類
T1651.261-Y (W1121) / T1651.262-Y (W1121) / T1651.263-Y (W1121) / T1651.271-Y (W1121)
根拠条文(結論部分から自動抽出・参考)
商標法4条1項11号商標法43条の3第4項
条文(本文から自動抽出・参考)
商標法第4条第1項第11号、商標法第4条第1項第15号
データ出所
審決公報(SGML)

事件の表示

登録第5964369号商標の商標登録に対する登録異議の申立てについて、次のとおり決定する。

結論

【結 論】 登録第5964369号商標の商標登録を維持する。

理由

【理 由】 第1 本件商標 本件登録第5964369号商標(以下「本件商標」という。)は、「Rokashower」の欧文字を標準文字で表してなり、平成28年10月31日に登録出願、第11類「水道用栓,タンク用水位制御弁,パイプライン用栓,浄水装置,家庭用電熱用品類,家庭用浄水器」及び第21類「トイレのロータンク水吐出口取付用整流器,蛇口取付用整流器」を指定商品として、同29年6月27日に登録査定され、同年7月14日に設定登録されたものである。 第2 引用商標等 登録異議申立人(以下「申立人」という。)が引用する国際登録第905212号商標(以下「引用商標」という。)は、別掲1のとおりの構成からなり、2007年(平成19年)5月4日に国際商標出願(事後指定)、第11類、第19類、第20類及び第21類に属する国際登録に基づく商標権に係る商標登録原簿に記載の別掲2のとおりの商品を指定商品として、平成24年8月10日に設定登録されたものである。 また、申立人が引用商標と共に洗面台及び洗面器等に使用しているとする商標は、「Roca」の文字よりなる商標(以下「使用商標」といい、引用商標と使用商標を合わせていう場合は「引用商標等」という。)である。 第3 登録異議の申立ての理由 申立人は、本件商標は、商標法第4条第1項第11号及び同項第15号に該当し、その登録は同法第43条の2第1号により取り消されるべきものであるとして、その理由を要旨次のように述べ、証拠方法として甲第1号証ないし甲第63号証を提出した。 1 本件商標について 本件商標は、「Rokashower」の欧文字を標準文字で書してなる文字商標である(甲1)。本件商標を構成する前段部分の欧文字「Roka」は、辞書に無い造語であり、被申立人の商品の出所を示すものとして、自他商品等識別力を強く発揮する一方、後段部分の欧文字「shower」は、「シャワー」を意味する英単語として日本人の間に広く認識されているものであり、指定商品の水道用栓(第11類)、トイレのロータンク水吐出口取付用整流器(第21類)等との関係において、自他商品等識別力が極めて乏しいものである。したがって、「Roka」と「shower」との結合力は極めて弱く、本件商標の構成中、自他商品識別力を発揮し得る商標の要部は「Roka」である。 よって、本件商標の要部「Roka」より「ロカ」の称呼が生ずる。また、本件商標の要部「Roka」は造語であり、特定の観念を生じない。 2 引用商標等について (1)引用商標について 引用商標は上段に「Roca」の欧文字を太文字で横書きし、下段に緩やかに波打ち、文字「c」近傍で斜めに切れ目を有する横線図形を描いてなる商標である(甲2)。 引用商標の構成「Roca」より「ロカ」の称呼が生ずる。また、引用商標の構成「Roca」は創造商標であり、特定の観念を生じない。 (2)使用商標について 一方、引用商標の実際の使用場面、例えばオンラインショップ等においては、引用商標と同一の商標のみならず、上記図形部分を除いた文字商標、即ち「Roca」の欧文字を横書きしてなる文字商標も使用されている(甲3)。 使用商標の構成「Roca」より「ロカ」の称呼が生ずる。また、使用商標の構成「Roca」は創造商標であり、特定の観念を生じない。 3 引用商標等の著名性について (1)申立人の事業について ア 会社概要 申立人であるロカサニタリオ株式会社(Roca Sanitario,S.A.)(以下「Roca社」という場合がある。)は、スペインのバルセロナに本社を置く衛生陶器メーカーであり、世界135カ国で事業を展開する多国籍企業である(甲4~甲8)。Roca社は、1917年2月、バルセロナ近郊のガヴァ町にロカラジエータ株式会社(Roca Radiadores S.A.)として設立され、その後、現在の商号に変更され、2017年に、創立100周年を迎えた。便器の生産量はグループ全体で3,800万台であり、世界最大のシェアを占める。Roca社は、Roca社又はロカと称されることもある(甲6)。 イ 売上 申立人の2016年度の売上高は1,707百万ユーロ(約2,048億円)、EBITDAは239百万ユーロ(約286億円)、当期純利益は127百万ユーロ(約152億円)に達する(甲9~甲12)(為替レートを120円/1ユーロとして計算、以下同じ。)。 ウ 投資 2016年度における有形固定資産及び固定資産への追加投資総額は145百万ユーロ(174億円)、買収に係る投資額は65百万ユーロである。申立人は、65百万ユーロを投じて、2社のトルコ企業と、1社のメキシコ企業を買収し、事業の国際展開を継続している(甲9、甲10)。 エ 資産 2016年度末における申立の純資本は1,353百万ユーロ(1,623億円)、総資産は2,294百万ユーロ(約2,752億円)である(甲11、甲12)。 オ 生産規模・バリューチェーン 申立人は、ヨーロッパはもちろん、ラテンアメリカ、インド、中国、東南アジア等の新興国に事業の国際展開を行っており、その一方で高い凝集性及び効率性を有する組織作りを行っている(甲13、甲14)。申立人は22,600名の従業員を擁し、その商業拠点は170カ国に及び、世界18カ国に78の生産工場を有する(甲13、甲14)。 具体的には、アルゼンチン、オーストリア、ブラジル、中国、クロアチア、エジプト、インド、マレーシア、メキシコ、モロッコ、ポーランド、ポルトガル、ルーマニア、ロシア、スペイン、スイス、台湾、トルコの18カ国に工場を有する(甲15、甲16)。生産工場を、製品カテゴリ別に見ると、衛生陶器関連が39工場、蛇口関連が10工場、アクリル関連が9工場、家具関連が6工場、バスタブ関連が4工場、タイル関連が4工場、備品が2工場、プラスチック射出関連が2工場、スマートトイレ関連が1工場、シャワースクリーン関連が1工場である(甲13、甲14)。 カ 商品 各種洗面台及び洗面器、蛇口、家具、トイレ、ビデ、スマートトイレ、バス、シャワートイレ、シャワースペース&キャビン、シャワーエンクロージャ、スパ用浴槽、キッチンシンク、洗面まわりのアクセサリ商品、鏡、ライド、タイル等の製造販売を行っている(甲17~甲32)。 キ 営業活動 申立人は、アルゼンチン、北京、上海、プラハ、ソフィア、バルセロナ、マドリード、カサブランカ、サンパウロ、リスボン、ロンドン等、世界中にショールーム及びギャラリーを設け、エンドユーザ、建築家、建築デザイナーに商品アピールを行っており、来訪者は78,990人に上る(甲13、甲14、甲33~甲36)。 ク 受賞 申立人は、デザイナーキッチン&バスルーム賞をはじめ、2010年~2013年にかけて数十の賞を受賞している(甲37、甲38)。 ケ プロジェクト Roca社製の製品は、エッフェル塔、国際的高級ホテルであるシェラトン湖州温泉リゾートホテル、ブラジルのアリーナ・パンタナールスタジアム、ボリショイ劇場、北京オリンピックビレッジ等、象徴的建築物において採用されている(甲39、甲40)。 コ グループ会社 申立人は、39カ国にある71社で企業グループを構成している(甲41、甲42)。 サ 商圏 申立人は、170カ国以上に商圏拠点を拡大し、成熟市場及び新興市場の双方をカバーしている。申立人のグループは、産業構造及び戦略的成長目標に従って、(1)西ヨーロッパ、アフリカ、中東、(2)アメリカ大陸(北、中南米)、(3)中央ヨーロッパ、東欧、北欧諸国、(4)アジア太平洋地域の4つに区分されている(甲43、甲44)。 以下のとおり、申立人は世界中に拡がる4つの各地域区分において、大きな偏り無く事業を展開している。 「(1)西ヨーロッパ、アフリカ、中東地域」においては、生産工場数は23、従業員数は6,231人、売上高は596.9百万ユーロ(グループ全体の35%)である(甲45、甲46)。 「(2)アメリカ大陸(北、中南米)地域」においては、生産工場数は15、従業員数は4,170人、売上高は353.6百万ユーロ(グループ全体の20.1%)である(甲47、甲48)。 「(3)中央ヨーロッパ、東欧、北欧諸国地域」においては、生産工場数は22、従業員数は6,279人、売上高は463.8百万ユーロ(グループ全体の27.2%)である(甲49、甲50)。 「(4)アジア太平洋地域」においては、生産工場数は18、従業員数は5,820人、売上高は292.8百万ユーロ(グループ全体の17.1%)である(甲51、甲52)。 (2)日本における製造販売状況 申立人の商品は、日本においても販売されている。例えば、株式会社三栄水栓製作所(以下「三栄水栓」という。)が申立人の洗面台及び洗面器等を取り扱っている(甲53~甲56)。三栄水栓のホームページにおいては、引用商標のみならず、使用商標、片仮名表記の「ロカ」も使用されている。 また、オンラインショップ「楽天市場」においても申立人の商品及び使用商標を確認することができる(甲57)。さらに、オンラインショップ「Amazon」においてもRoca社製の商品及び使用商標を確認することができる(甲58)。 さらにまた、他のオンラインショップ、例えば、株式会社平田タイルのオンラインショップ「Hits Online Shop」(甲59)、「個性派水回りショップ パパサラダ」(甲60)等、多くのオンラインショップで幅広く販売されている。これらのオンラインショップサイトにおいては、引用商標のみならず、使用商標、片仮名表記の「ロカ」も使用されている。 (3)登録商標 申立人は、1944年10月7日、スペインにおいて商標「Roca」の最初の商標登録出願を行い、登録されている。その後、少なくともモンゴル、メキシコ、フィリピン、マレーシア、チリ、ニュージーランド、インドネシア、イスラエル、アイスランド、米国、シンガポール、オーストラリア、エストニア、デンマーク、ヨルダン、ブルネイ・ダルサラーム、カンボジア、フランス等の国で、100件近くの商標登録出願が行われ、権利が維持されている(甲61)。 また、日本においても、昭和57年(1982年)、商標「Roca」の商標登録出願が行われており、権利が維持されている(甲62、甲63)。また、マドプロ出願も行われており、日本も指定され、引用商標として権利化されている(甲2)。1940年代から現在に至る過程で、「Roca」の文字を表すフォントに若干の変遷があるものの、一貫しで「Roca」の文字として認識できる態様で商標登録出願が行われ、商標登録されている。このように、申立人は、100年近く、日本を含む世界各国で、引用商標等を独占排他的に使用してきた。 (4)以上のとおり、引用商標及び使用商標は、世界的に著名な商標であることは明らかであり、洗面台及び洗面器、蛇口、トイレ、バス、シャワー用品等の需要者及び取引者においては、日本においても著名な商標として知られている。 4 商標法第4条第1項第11号について (1)商標の類否 ア 外観 本件商標及び引用商標の外観は上記第1及び第2のとおりであり、その要部は「Roka」及び「Roca」であり、外観上、極めて相紛らわしい。先頭から3番目の文字が互いに相異するものの、本件商標の後2文字「ka」及び引用商標「ca」のいずれも「カ」と発音することから、「k」及び「c」の文字の相異は、需要者及び取引者によって認識され難く、記憶にも残りにくい。したがって、本件商標及び引用商標を時と場所を異にした場合に、当該商標に接する需要者及び取引者は両商標を取り違える可能性が高い。 したがって、本件商標及び引用商標は、外観において類似の商標である。 イ 称呼 本件商標の要部「Roka」の構成から「ロカ」の称呼が生じ、引用商標「Roca」の構成から「ロカ」の称呼が生ずる。 したがって、本件商標及び引用商標は、称呼において類似の商標である。 ウ 引用商標の著名性 また、本件商標「Rokashower」は、著名商標である引用商標に酷似した欧文字「Roka」を含むものであり、外観上まとまりよく一体に表されていたとしても、本件商標は引用商標に類似する。 エ 小括 以上のとおり、本件商標及び引用商標は類似する。 (2)指定商品の類否 本件商標の指定商品、「水道用栓」、「タンク用水位制御弁」及び「パイプライン用栓」の類似群コードは「09F05」であり、「浄水装置」の類似群コードは「09G62、11A06、19A07」、「家庭用電熱用品類」の類似群コードは、「11A06、11A07」、「家庭用浄水器」の類似群コードは、「11A06、19A07」であるから、引用商標の指定商品中、同じ類似群コードを有する商品と類似する。 また、本件商標の指定商品「トイレのロータンク水吐出口取付用整流器」、「蛇口取付用整流器」の類似群コードは19B99であるが、引用商標の指定商品中、生産部門、販売部門、原材料及び品質、用途性、需要者及び取引者の範囲等が共通する、第11類「Apparatus for lighting, cooking, refrigerating, drying, water supply, sanitary apparatus and taps(参考訳:照明用・調理用・冷却用・乾燥用・給水用及び衛生用の設備及び蛇口の装置)」、「regulating and safety accessories for water or gas apparatus and for water or gas conduits(参考訳:上水用機器又はガス機器或いは上水道管又はガス管の調節用及び安全用の付属装置)」に類似する。 以上のとおり、本件商標の指定商品は、引用商標の指定商品に類似する。 (3)小括 以上のとおり、本件商標は、引用商標と類似し、その指定商品は引用商標の指定商品と同一又は類似するから、本件商標は、商標法第4条第1項第11号に該当する。 5 商標法第4条第1項第15号について 商標法第4条第1項第15号における「他人の業務に係る商品又は役務と混同を生ずるおそれがある商標」には、いわゆる広義の混同を生ずるおそれがある商標も含まれると解されることについては、最高裁判所平成12年7月11日第三小法廷判決(レールデュタン事件)で示されたとおりである。 そこで、最高裁判例及び商標審査基準に示した判断基準にしたがい、本件商標における「他人の業務に係る商品又は役務と混同を生ずるおそれがある商標」の該当性について、以下述べる。 (1)上記のとおり、本件商標と引用商標等とは類似であり、引用商標等は世界的に著名な商標であり、洗面台及び洗面器、蛇口、トイレ、バス、シャワー用品等の需要者及び取引者においては、日本においても著名な商標として知られている(甲4~甲63)。 また、引用商標等は、辞書に無い造語であり、創造商標であって、申立人のハウスマークであり、世界各国で商標登録され、100年にわたり継続的に使用されてきた商標である。 そして、申立人は、各種洗面台及び洗面器、蛇口、トイレ、バス、シャワー用品等を中心に、洗面まわりの各種アクセサリ商品、鏡、ライド、家具類、タイル等、幅広く取り扱っており、その事業規模、シナジー効果を重視した事業展開姿勢からして、企業の多角経営の可能性は極めて高い。 さらに、本件商標の指定商品と、引用商標の指定商品とは類似しており、相当程度の関連性を有するものであって、需要者及び取引者は相当程度共通している。 (2)小括 以上の事情を総合的に勘案すると、本件商標をその指定商品に使用した場合には、その需要者及び取引者において、その商品が、申立人との間にいわゆる親子会社や系列会社等の緊密な営業上の関係又は同一の表示による商品化事業を営むグループに属する関係にある営業主の業務に係る商品等であると誤信される可能性が極めて高いものである。 また、本件商標は、申立人が長年の事業の蓄積により引用商標に化体した信用にフリーライドするものであり、かかる事態は、引用商標に化体した信用、顧客吸引力を容易に損ない、申立人の営業上の利益が害されるばかりでなく、需要者、取引者に商品及び役務の誤認混同による多大な不利益を与えるものである。 したがって、本件商標は、商標法第4条第1項第15号に該当する。 6 結び 本件商標の登録は商標法第4条第1項第11号及び同項第15号に違反してなされたものである。 第4 当審の判断 1 商標法第4条第1項第11号該当性について (1)本件商標 本件商標は、上記第1のとおり、「Rokashower」の欧文字を標準文字で表してなり、同一の書体、同一の大きさ、同一の間隔で、外観上一体的に表されているばかりでなく、これより生ずると認められる「ロカシャワー」の称呼も無理なく称呼し得るものであるから、「ロカシャワー」の一連の称呼のみを生ずるとみるのが相当である。 また、観念については、「Rokashower」の語は辞書等に掲載されている成語ではないことから、特段の意味を有しない造語と認められ、特定の観念は生じない。 (2)引用商標 他方、引用商標は、別掲1のとおり、上段に「Roca」の欧文字を太文字で横書きし、該文字の下段に「c」の文字部分の下段部分に切れ目を有する曲線からなる線図形(以下「引用図形部分」という。)を配してなるところ、構成中の「Roca」文字部分は辞書等に掲載されている成語ではなく、特段の意味を有しない造語と認められ、構成文字に相応して「ロカ」の称呼を生じ、引用図形部分も特定の事物を表すものとは認められないことから、引用商標からは特定の観念は生じない。 (3)本件商標と引用商標の類否 ア 外観 本件商標と引用商標の外観は、上記第1及び別掲1のとおりであるから、構成文字及び文字数(10文字と4文字)、引用図形部分の有無等の違いにより顕著に異なるものであるから、外観上紛れるおそれはない。 イ 称呼 本件商標から生ずる「ロカシャワー」の称呼と引用商標から生ずる「ロカ」の称呼とは、冒頭の2音が共通するものの、全体の音構成、構成音数の相違により、称呼上紛れるおそれはないものである。 ウ 観念 本件商標及び引用商標は共に特定の観念を生ずるものではないから、観念において比較はできない。 エ そうすると、本件商標と引用商標とは、観念において比較できないとしても、外観及び称呼において明らかに相違するものであるから、これらを総合的に勘案すれば、取引者、需要者に与える印象、記憶が異なり、両商標を同一又は類似の商品に使用した場合においても、商品の出所について混同を生ずるおそれのない、非類似の商標というべきである。 (4)以上のとおり、本件商標は、引用商標とは非類似の商標であるから、指定商品が同一又は類似のするものであるとしても、商標法第4条第1項第11号に該当するということはできない。 2 商標法第4条第1項第15号該当性について (1)引用商標等の周知・著名性について 申立人の主張及び提出された証拠によれば以下のように認めることができる。 ア 申立人は、スペインのバルセロナに本社を置き、1917年に暖房用ラジエーターの製造を行う企業として設立され、現在、世界135か国に事業所をもち、78の製造工場をもつ浴槽、衛生陶器の製造・販売を中心とするメーカーである(甲4~甲8、甲13、甲14)。 また、申立人のウェブページによれば、2016年における申立人の売上げは約2,048億円(甲9~甲12)、その商圏は170か国以上に拡大している(甲43、甲44)。 イ 日本においては、三栄水栓が申立人の洗面台及び洗面器等を取り扱っており(甲53~甲56)、三栄水栓のホームページにおいて、引用商標等が使用されている。 また、オンラインショップ「楽天市場」においても三栄水栓が取り扱う申立人の商品及び使用商標が表示されている(甲57)。さらに、オンラインショップ「Amazon」においても三栄水栓が取り扱う申立人の商品及び使用商標が表示されている(甲58)。さらにまた、株式会社平田タイルのオンラインショップ「Hits SANITARY ONLINE SHOP」(甲59)、「個性派水回りショップ パパサラダ」(甲60)においても申立人の商品及び使用商標が表示されていることが確認できるが、三栄水栓のホームページも含め、これらの証拠は、いずれも掲載時期が確認できず、そのプリントアウト日も、2017年12月であって本件商標の出願日及び登録査定日における使用状況を証明するものとはなっていない。 また、申立人のウェブサイトによる引用商標等が周知であることの証拠(甲4~甲52)も、提出された証拠は全て英語で掲載されたものを機械翻訳と合わせて提出されているものであるから、我が国の需要者を対象として広告されていたとも認められない。 ウ 以上からすると、申立人が浴槽、衛生陶器の製造・販売を中心とする国際的メーカーであり、洗面器等の取扱商品に引用商標等が使用されていることは認められるとしても、本件商標の登録出願時、登録査定時において我が国における引用商標等を使用した広告宣伝、販売数量、売上高及び市場占有率などについて明らかではない。 エ してみると、申立人の提出した証拠をもってしては、引用商標等が、申立人の業務に係る商品、洗面器等の出所を表示するものとして、本件商標の登録出願時はもとより、登録査定時においても、我が国の取引者、需要者の間に広く認識されていたものと認めることはできない。 (2)出所の混同について 前記(1)のとおり、引用商標等は、申立人らの業務に係る商品、洗面器等を表示するものとして、本件商標の登録出願時及び登録査定時において、我が国の取引者、需要者の間に広く認識されていたものと認めることはできない。 また、前記1(3)のとおり、本件商標と引用商標とは、観念において比較できないとしても、外観、称呼において顕著な相違がある、互いに相紛れるおそれのない別異の商標である。 してみれば、本件商標に接する取引者、需要者が引用商標又は引用商標等を想起又は連想することはないというのが相当であるから、本件商標は、商標権者がこれをその指定商品について使用しても、取引者・需要者において、その商品が申立人あるいは申立人と経済的又は組織的に何らかの関係を有する者の業務に係る商品であるかのように商品の出所について混同を生じさせるおそれはないというべきである。 したがって、本件商標は、商標法第4条第1項第15号に該当しない。 3 申立人の主張について 申立人は、本件商標の構成中「shower」の文字部分が、「シャワー」を意味し、指定商品との関係では識別機能が弱いこと及び引用商標が著名であることから、本件商標の構成中「Roka」の文字が要部として機能し、これより、本件商標と引用商標とが類似する旨主張する。 しかしながら、上記1(1)でも述べたように、本件商標は外観上一体に表されたものであって、後半部分が「シャワー」の意味があるとしても、指定商品の名称や品質を表すものでもないし、上記2(1)のように引用商標の著名性も認められないのであるから、その主張の前提を欠くものであって、この主張を採用することはできない。 4 むすび 以上のとおり、本件商標の登録は、商標法第4条第1項第11号及び同第15号のいずれの規定にも違反してされたものではないから、同法第43条の3第4項の規定に基づき、維持すべきものである。 よって、結論のとおり決定する。

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2017-900295

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