商標拒絶査定不服審判
2025-000204
アカガネヤ、ドーヤ、アカガネ、ドー
- 審判番号
- 2025-000204
- 法域
- 商標
- 審判種別
- 拒絶査定不服審判(拒絶査定不服の審決)
- 出願番号
- 商願2024-077160
- 請求日
- 2025年01月08日
- 審決日
- 2025年04月10日
- 公報発行日
- 2025年07月25日
- 結論
- 請求不成立
- 当事者
- 【請求人】株式会社日邦バルブ
- 【請求人代理人】河合 徹
- 審判長/審判官
- 審判長 大橋 良成
- 審判官 渡邉 あおい
- 審判官 渡邉 潤
- 分類
- T18 .261-Z (W06112021) / T18 .262-Z (W06112021) / T18 .263-Z (W06112021) / T18 .265-Z (W06112021) / 標準データ:手続:不服 / 標準データ:80・261-Z (W06112021) / 標準データ:80・262 / 標準データ:80・263 / 標準データ:80・265 / 標準データ:確定ステータス:1 維持(出訴無し)
- 根拠条文(結論部分から自動抽出・参考)
- 商標法4条1項11号
- 条文(本文から自動抽出・参考)
- 商標法第4条第1項第11号、商標法第10条第1項
- データ出所
- 審決公報(XML)、特許情報標準データ(審判)
事件の表示
商願2024-77160拒絶査定不服審判事件について、次のとおり審決する。
結論
結 論
本件審判の請求は、成り立たない。
理由
理 由
第1 手続の経緯
本願は、令和5年11月6日に登録出願された商願2023-122878に係る商標法第10条第1項の規定による商標登録出願として、令和6年7月17日に登録出願されたものであって、その手続の経緯は以下のとおりである。
令和6年 8月 5日付け:拒絶理由通知書
令和6年 9月 4日 :意見書、手続補正書の提出
令和6年10月 2日付け:拒絶査定
令和7年 1月 8日 :審判請求書の提出
第2 本願商標
本願商標は、別掲1の構成よりなり、第6類、第20類及び第21類に属する願書記載のとおりの商品を指定商品として登録出願されたものであり、その後、指定商品については、上記第1の手続補正により、第6類、第11類、第20類及び第21類に属する別掲2に記載のとおりの商品に補正されたものである。
第3 引用商標
原査定において、本願商標が商標法第4条第1項第11号に該当するとして、本願の拒絶の理由に引用した登録第5689717号商標(以下「引用商標」という。)は、「銅屋」の文字を標準文字で表してなり、平成25年11月28日に登録出願、第35類に属する別掲3に記載のとおりの役務を指定役務として、同26年8月1日に設定登録され、その商標権は、現に有効に存続しているものである。
第4 原査定の拒絶の理由の要旨
本願商標と引用商標とは、「あかがねや」の文字の有無はあるが、本願商標の要部である「銅屋」と引用商標とは漢字を共通にするから、外観において類似する。また、本願商標と引用商標とは、「アカガネヤ」の称呼を共通にするから、称呼において類似し、観念については、両商標とも特定の観念を生じないため比較することができない。そうすると、本願商標と引用商標とは、観念は比較することはできないが、その外観及び称呼が類似し、これらを総合的に考察すると、両者は互いに類似する商標であると判断するのが相当であり、また、本願の指定商品は、引用商標の指定役務と類似するから、本願商標は、商標法第4条第1項第11号に該当すると認定、判断したものである。
第5 当審の判断
1 商標法第4条第1項第11号の該当性について
(1)本願商標について
本願商標は、別掲1のとおり、「銅屋」の文字を書し、「銅」と「屋」の文字の間に「あかがねや」の文字を縦書きしてなるところ、「銅屋」の文字が、「あかがねや」の文字よりも顕著に大きく、「あかがねや」の文字と重なることなく書されており、また、両文字は、漢字と平仮名であり文字種が異なるから、視覚上、分離して看取、把握され得るものであり、その構成からして、「あかがねや」の文字は、「銅屋」の文字の読みを示したものであると理解できる。
そうすると、本願商標の構成中、看者の注意を引く部分は、「銅屋」の文字の読みを示したにすぎない「あかがねや」の文字部分ではなく、顕著に大きく書されている「銅屋」の文字部分であり、当該「銅屋」の文字部分が、出所識別標識を有する特徴のある部分(以下「要部」という。)であるといえる。
また、本願商標の要部である「銅屋」の文字は、「銅」の文字と「屋」の文字の組み合わせからなるものと容易に理解できるところ、「銅」の文字は、「どう」又は「あかがね」と読み、「屋」の文字は、「や」と読み、(いずれも、「広辞苑 第七版」発行者:株式会社岩波書店)、両文字とも慣れ親しまれた平易な語であるから、本願商標の要部である「銅屋」の文字は、「アカガネヤ」に加え、「ドウヤ」とも自然に読むことができるものである。
そして、「銅屋」の文字は、「銅などの金物を商う者。また、その家。」(精選版 日本国語大辞典 https://kotobank.jp/word/銅屋-2000607)を意味する語として載録されている辞書があるものの、当該一部の辞書に載録があるにとどまり、また、「銅屋」の文字が、一般的に、あるいは、本願の指定商品を取り扱う分野において、特定の意味合いを有する語として親しまれているというべき事情は見当たらないことからすれば、「銅屋」文字は、直ちに特定の意味合いを認識させることのない造語というのが相当である。
したがって、本願商標は、その構成中の要部である「銅屋」の文字の読みを示すものとして書された「あかがねや」の文字に相応して、「アカガネヤ」の称呼を生じるほか、「銅屋」の文字部分に相応して「ドウヤ」の称呼をも生じ、これよりは特定の観念を生じないものである。
(2)引用商標について
引用商標は、上記第3のとおり、「銅屋」の文字を標準文字で表してなるところ、上記(1)のとおり、「銅」の文字の読みとして、「どう」又は「あかがね」が辞書に載録されていることから、「銅屋」の文字に相応して「ドウヤ」又は「アカガネヤ」の称呼を生じ、これよりは特定の観念を生じないものである。
(3)本願商標と引用商標との類否について
本願商標と引用商標とを比較すると、両商標は、構成全体を見た場合、「あかがねや」の文字の有無の明らかな差異があることから、外観において相違するが、本願商標の要部である「銅屋」の文字及び引用商標とを比較すると、両者は、「銅屋」の文字を共通にするから、外観上類似するものである。
また、本願商標の要部である「銅屋」の文字、その読みを示すものとして書された「あかがねや」の文字及び引用商標の文字に相応して生じる「ドウヤ」及び「アカガネヤ」の称呼は同一であり、称呼を共通にするものである。
そして、観念においては、本願商標の要部である「銅屋」の文字及び引用商標とは、いずれも、特定の観念を生じないから、観念において比較できないものである。
そうすると、本願商標と引用商標とは、観念において比較できないとしても、外観において類似し、「ドウヤ」及び「アカガネヤ」の称呼を共通にするから、これらの外観、称呼及び観念によって、取引者、需要者に与える印象、記憶、連想等を総合し、全体的に考察すれば、両商標は、相紛れるおそれのある類似の商標と判断するのが相当である。
(4)本願の指定商品と引用商標の指定役務との類否について
本願の指定商品中、第21類「鍋,フライパン」は、引用商標の指定役務中、第35類「なべ類及び食器類の小売又は卸売の業務において行われる顧客に対する便益の提供」と類似する商品である。
(5)小括
以上のとおり、本願商標は、引用商標と類似する商標であり、かつ、本願の指定商品は、引用商標の指定役務と類似するものであるから、商標法第4条第1項第11号に該当する。
2 請求人の主張について
(1)請求人は、「本願商標は、全体としてまとまり良く一体の一つのマークとして認識されるので、縦書きの平仮名5文字と漢字2文字とは分離できず、全体として、本願商標の要部である。また、中央にある判読性の高い平仮名5文字からなる「あかがねや」の文字列を排除し、その左側および右側にそれぞれ配置された「銅」の文字と「屋」の文字と一連となるように連続させて、観念がない「銅屋」という単語を連想することは一般的に行われることということはできないから、本願商標の要部は、「銅屋」ではなく、全体が本願商標の要部であるということができる。」旨主張する。
しかしながら、上記1(1)のとおり、本願商標の構成中の「あかがねや」の文字は、「銅屋」の文字の読みを示したにすぎず、その読みを確認した後は、看者に対し強い印象を与えるものとはいい難く、また、「銅屋」の文字は、「あかがねや」の文字よりも、顕著に大きく書されており、看者の注意を引く部分である。
そうすると、たとえ、「あかがねや」の文字の左右に「銅」と「屋」の文字が配置されているとしても、本願商標の要部は、「銅屋」の文字部分であると認められ、当該要部と引用商標とを対比することも許されるというべきである。
(2)請求人は、「本願商標は、仮名文字部分により生ずる「アカガネヤ」の称呼がその商標より生ずる自然の称呼といえる。一方、引用商標は、すでに一般に浸透している「常用漢字表」の読み及び登録商標公報に記載の称呼から、「ドーヤ」或いは「ドウヤ」を自然の称呼であると認識するというのが相当である。」旨主張する。
しかしながら、本願商標からは、その構成中、「銅屋」の文字の読みを示したものと理解できる「あかがねや」の文字に相応して、「アカガネヤ」の称呼を生じるほか、本願商標の要部である「銅屋」の文字が、慣れ親しまれた平易な語から構成されていることから、当該文字に相応して、「ドウヤ」の称呼をも自然に生じるものである。
また、引用商標からは、上記1(1)のとおり、「銅」の文字は、「どう」又は「あかがね」と読むことが辞書に載録されていることから、その構成文字に相応して、「ドウヤ」又は「アカガネヤ」の称呼を生じるものである。
そして、商標の称呼の認定においては、「常用漢字表」に記載のない読みを排除しなければならない事情はないことに加え、登録商標公報に記載の称呼は、あくまで参考情報であり、商標の称呼を確定するものではない。
(3)請求人は、「本願商標の中央に縦書きされた「あかがねや」文字は、造語のため、特定の観念を生じないが、「銅」及び「屋」の各漢字からは、それぞれに特有の観念が生じる。一方、引用商標からは特定の観念は生じない。したがって、本願商標と引用商標とは観念が相違する。」旨主張する。
しかしながら、上記1(1)のとおり、本願商標の要部は、「銅屋」の文字部分であると認められるところ、当該文字部分は、直ちに特定の意味合いを認識させることのない造語というのが相当であり、これよりは特定の観念を生じず、同様に、引用商標「銅屋」の文字からも、特定の観念を生じないものである。
したがって、本願商標と引用商標とは観念を比較することができない。
(4)請求人は、「本願商標は商品を指定商品としているところ、商品とは、商取引の目的たりうべきもの、特に動産をいう。引用商標は、第35類の役務を指定役務としているところ、第35類の役務は、他人の便宜のために各種商品を揃え、顧客がこれらの商品を見、かつ、購入するために便宜を図ることである。本願商標が指定する商品は、その製造・販売と役務の提供が同一事業者によって行われるのが一般的ではない。商品の販売場所と役務の提供場所が一致し、需要者の範囲が重なった場合でも、本願商標及び引用商標の総合的な印象、記憶、連想は、相違するものである。」旨主張する。
しかしながら、他人の便宜のために各種商品を揃え、顧客がこれらの商品を見、かつ、購入するために便宜を図る役務(以下「小売等役務」という。)とその取扱商品とは、一般的に、当該商品の製造,販売と当該役務の提供が同一の事業者によって行われ、当該商品の販売場所と当該役務の提供場所とが一致し、需要者の範囲を共通にすることが多いものであるから、互いに類似するものと認められる。
そして、引用商標の指定役務中、「なべ類及び食器類の小売又は卸売の業務において行われる顧客に対する便益の提供」の小売等役務の取扱商品(「なべ類及び食器類」)には、本願の指定商品中の「鍋,フライパン」が含まれるところ、別掲4のとおり、「鍋,フライパン」の製造、販売と、これら商品を取扱商品とする小売等役務の提供は、同一の事業者によって行われ、商品の販売場所と役務の提供場所が一致し、需要者の範囲を共通にすることが認められる。
そうすると、本願の指定商品中、第21類「鍋,フライパン」と、引用商標の指定役務中、第35類「なべ類及び食器類の小売又は卸売の業務において行われる顧客に対する便益の提供」に、同一又は類似の商標を使用するときは、同一営業主の製造、販売又は提供に係る商品又は役務と誤認混同を生じるおそれがあるというべきである。
したがって、本願の上記指定商品は、引用商標の上記指定役務と類似する商品及び役務であるといえる。
なお、請求人は、商品の販売場所と役務の提供場所が一致し、需要者の範囲が重なった場合でも、本願商標及び引用商標の総合的な印象、記憶、連想は、相違すると主張しているが、本願商標は引用商標と類似する商標であることは、上記1のとおりである。
(5)以上のとおり、請求人の上記主張は、採用することができず、その他、請求人の主張は、いずれも採用するべき事情はない。
3 まとめ
以上のとおり、本願商標は、商標法第4条第1項第11号に該当し、登録することができない。
よって、結論のとおり審決する。
審決本文(J-PlatPat)
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