特許無効審判
2017-800143
情報管理方法、情報管理装置及び情報管理プログラム
- 審判番号
- 2017-800143
- 法域
- 特許
- 審判種別
- 無効審判(無効の審決)
- 出願番号
- 特願2009-525232外部サイト(J-PlatPat)へ移動します
- 請求日
- 2017年11月28日
- 審決日
- 2019年06月25日
- 公報発行日
- 2020年12月25日
- 結論
- 請求不成立
- 当事者
- 分類
- P1123.113-ZDA(G06Q)
- 条文(本文から自動抽出・参考)
- 特許法第134条の2第9項、特許法第29条第1項第3号、特許法第123条第1項第2号、特許法第134条の2第1項、特許法第126条第6項、特許法第126条第5項、特許法第29条第2項、特許法第29条、特許法第36条、特許法第131条の2第2項第1号、特許法第169条第2項
- データ出所
- 審決公報(SGML)
事件の表示
上記当事者間の特許第5075201号発明「情報管理方法、情報管理装置及び情報管理プログラム」の特許無効審判事件について、次のとおり審決する。
結論
【結 論】
平成31年2月22日付け訂正請求において、特許第5075201号の特許請求の範囲を訂正請求書に添付された訂正特許請求の範囲のとおり、訂正後の請求項1及び4について訂正することを認める。
特許第5075201号の請求項1及び7に係る発明についての特許を無効とする。
特許第5075201号の請求項4に係る発明についての審判の請求は、成り立たない。
審判費用は、その3分の1を請求人の負担とし、3分の2を被請求人の負担とする。
理由
【理 由】
第1.手続の経緯
平成19年 7月31日 特願2009-525232号出願
平成24年 8月31日 特許第5075201号の設定登録
平成29年11月28日 審判請求書提出(請求人)
平成29年12月 1日 手続補正書提出(請求人)
平成30年 1月16日 手続補正書提出(請求人)
平成30年 1月25日受け 上申書提出(被請求人)
平成30年 1月29日付け 通知書
平成30年 4月 6日付け 審判事件答弁書提出(被請求人)
平成30年 7月 2日付け 審理事項通知書
平成30年 7月19日付け 口頭審理陳述要領書提出(被請求人)
平成30年 7月20日付け 口頭審理陳述要領書提出(請求人)
平成30年 7月27日付け 審理事項通知書(2)
平成30年 8月20日 口頭審理陳述要領書(2)提出(請求人及 び被請求人)
平成30年 8月29日 上申書提出(被請求人)
平成30年 9月 4日 口頭審理陳述要領書(3)提出(請求人)
平成30年 9月 4日 口頭審理
平成30年12月18日付け 審決の予告
平成31年 2月22日 訂正請求書及び上申書提出(被請求人)
平成31年 4月 8日 弁駁書(請求人)
なお、被請求人から提出された平成30年7月19日付け口頭審理陳述要領書において主張した「構成要件1F(下記「第2.本件発明」で特定している構成要件)の「一定期間」の内容に関する」相違点について、請求人からは、平成30年8月20日に提出された口頭審理陳述要領書(2)において反論されているが、平成30年8月29日に被請求人により提出された上申書において、当該相違点に関する主張を撤回する旨上申され、そして、その点を平成30年9月4日の口頭審理においても確認したので、以下の「第3.請求人の証拠方法と主張」及び「第4.被請求人の証拠方法と主張」においては、当該相違点に関する両当事者の主張は割愛する。
第2.平成31年2月22日付け訂正請求について
1.訂正の趣旨
平成31年2月22日付けの訂正請求書(以下、「本訂正請求書」という。)における訂正(以下、「本件訂正」という。)の趣旨は、「特許第5075201号の特許請求の範囲を本訂正請求書に添付した訂正特許請求の範囲のとおり、訂正後の請求項1、4について訂正することを求める。」ものである。
なお、訂正前(即ち、設定登録時)の請求項1ないし9は、いずれも独立請求項であるから、一群という概念は存在しないものである。
2.訂正の内容
(1)訂正事項1
設定登録時の特許請求の範囲の請求項1を、
「ウェブページにおいて明示的又は黙示的に提供され、かつ架電先の電話器を識別する識別情報を管理するための情報管理方法であって、
コンピュータによって実行され、
前記識別情報に基づく架電が第1の架電先の電話器に接続される状態の該識別情報を、前記ウェブページを構築するウェブサーバであって前記コンピュータとは異なるウェブサーバに向けて送出可能な状態から送出不可能な状態へと変化させるステップと、
前記送出不可能な状態とされた前記識別情報に基づく架電を第2の架電先の電話器に接続される状態にするステップと、
前記識別情報に基づく架電が前記第2の架電先の電話器に接続される状態となった場合の該識別情報を、前記ウェブサーバ又は他のウェブサーバに向けて送出可能な状態にするステップと、を有し、
前記識別情報を前記ウェブサーバに向けて送出可能な状態から送出不可能な状態へと変化させるステップを、前記ウェブサーバに向けて前記識別情報が送出されてから一定期間が満了した場合に、又は前記ウェブサーバへアクセスされた回数が基準に達した場合に実行する
情報管理方法。」から、
「ウェブページにおいて明示的又は黙示的に提供され、かつ架電先の電話器を識別する識別情報を管理するための情報管理方法であって、
コンピュータによって実行され、
前記識別情報に基づく架電が第1の架電先の電話器に接続される状態の該識別情報を、前記ウェブページを構築するウェブサーバであって前記コンピュータとは異なるウェブサーバに向けて送出可能な状態から送出不可能な状態へと変化させるステップと、
前記送出不可能な状態とされた前記識別情報に基づく架電を第2の架電先の電話器に接続される状態にするステップと、
前記識別情報に基づく架電が前記第2の架電先の電話器に接続される状態となった場合の該識別情報を、前記ウェブサーバに向けて送出可能な状態にするステップと、を有し、
前記識別情報を前記ウェブサーバに向けて送出可能な状態から送出不可能な状態へと変化させるステップを、前記ウェブサーバに向けて前記識別情報が送出されてから3時間以内の一定期間が満了した場合に、又は前記ウェブサーバへアクセスされた回数が基準に達した場合に実行する
情報管理方法。」に訂正するものであって、具体的には、以下の訂正事項を含むものである。
ア.訂正事項1-1
設定登録時の特許請求の範囲の請求項1に係る「前記識別情報に基づく架電が前記第2の架電先の電話器に接続される状態となった場合の該識別情報を、前記ウェブサーバ又は他のウェブサーバに向けて送出可能な状態にするステップと、」との構成において、下線部である「又は他のウェブサーバ」を削除する訂正事項。
イ.訂正事項1-2
設定登録時の特許請求の範囲の請求項1に係る「前記識別情報を前記ウェブサーバに向けて送出可能な状態から送出不可能な状態へと変化させるステップを、前記ウェブサーバに向けて前記識別情報が送出されてから一定期間が満了した場合に、又は前記ウェブサーバへアクセスされた回数が基準に達した場合に実行する」との構成において、一定期間について「3時間以内の」との限定を付加する訂正事項。
(2)訂正事項2
設定登録時の特許請求の範囲の請求項4を、
「ウェブページにおいて明示的又は黙示的に提供され、かつ架電先の電話器を識別する識別情報を管理するための情報管理装置であって、
前記識別情報に基づく架電が第1の架電先の電話器に接続される状態の該識別情報を、前記ウェブページを構築するウェブサーバであって前記情報管理装置とは異なるウェブサーバに向けて送出可能な状態から送出不可能な状態へと変化させる機能と、
前記送出不可能な状態とされた前記識別情報に基づく架電を第2の架電先の電話器に接続される状態にする機能と、
前記識別情報に基づく架電が前記第2の架電先の電話器に接続される状態となった場合の該識別情報を、前記ウェブサーバ又は他のウェブサーバに向けて送出可能な状態にする機能と、
前記識別情報を前記ウェブサーバに向けて送出可能な状態から送出不可能な状態へと変化させるステップを、前記ウェブサーバに向けて前記識別情報が送出されてから一定期間が満了した場合に、又は前記ウェブサーバへアクセスされた回数が基準に達した場合に実行する機能とを実現するコンピュータを有する
情報管理装置。」から、
「ウェブページにおいて明示的又は黙示的に提供され、かつ架電先の電話器を識別する識別情報を管理するための情報管理装置であって、
前記識別情報に基づく架電が第1の架電先の電話器に接続される状態の該識別情報を、前記ウェブページを構築するウェブサーバであって前記情報管理装置とは異なるウェブサーバに向けて送出可能な状態から送出不可能な状態へと変化させる機能と、
前記送出不可能な状態とされた前記識別情報に基づく架電を第2の架電先の電話器に接続される状態にする機能と、
前記識別情報に基づく架電が前記第2の架電先の電話器に接続される状態となった場合の該識別情報を、前記ウェブサーバ又は他のウェブサーバに向けて送出可能な状態にする機能と、
前記識別情報を前記ウェブサーバに向けて送出可能な状態から送出不可能な状態へと変化させるステップを、前記ウェブサーバに向けて前記識別情報が送出されてから一定期間が満了した場合に、又は前記ウェブサーバへアクセスされた回数が基準に達した場合に実行する機能と、
個人が自身のウェブページやブログ等に広告情報を掲載する場合にその個人ページや個人ブログごとに割り当てられたIDを含む管理情報を、当該個人ページや個人ブログを構築するウェブサーバから取得する機能と、を実現するコンピュータを有する
情報管理装置。」に訂正するものであって、具体的には、下線部で示された構成を付加する訂正事項。
3.訂正の適否
(1)訂正の目的について
ア.訂正事項1-1
訂正事項1-1は、訂正前の請求項1における、「前記識別情報に基づく架電が前記第2の架電先の電話器に接続される状態となった場合の該識別情報を、前記ウェブサーバ又は他のウェブサーバに向けて送出可能な状態にするステップと、」との構成において、下線部である「又は他のウェブサーバ」を削除することで、「前記ウェブサーバ」のみに限定するものであるから、特許法第134条の2第1項だたし書第1号に規定する特許請求の範囲の減縮を目的とするものである。
イ.訂正事項1-2
訂正事項1-2は、訂正前の請求項1における、「前記識別情報を前記ウェブサーバに向けて送出可能な状態から送出不可能な状態へと変化させるステップを、前記ウェブサーバに向けて前記識別情報が送出されてから一定期間が満了した場合に、又は前記ウェブサーバへアクセスされた回数が基準に達した場合に実行する」との構成において、一定期間について「3時間以内の」と限定するものであるから、特許法第134条の2第1項だたし書第1号に規定する特許請求の範囲の減縮を目的とするものである。。
ウ.訂正事項2
訂正事項2は、訂正前の請求項4に「個人が自身のウェブページやブログ等に広告情報を掲載する場合にその個人ページや個人ブログごとに割り当てられたIDを含む管理情報を、当該個人ページや個人ブログを構築するウェブサーバから取得する機能と、」との構成を付加することで、訂正前の請求項4を限定するものであるから、特許法第134条の2第1項だたし書第1号に規定する特許請求の範囲の減縮を目的とするものである。
(2)実質上特許請求の範囲を拡張し、又は変更する訂正であるか否かにつて
ア.訂正事項1-1
訂正事項1-1は、訂正前の請求項1における、「前記識別情報に基づく架電が前記第2の架電先の電話器に接続される状態となった場合の該識別情報を、前記ウェブサーバ又は他のウェブサーバに向けて送出可能な状態にするステップと、」との構成において、択一的記載の要素である「又は他のウェブサーバ」を削除して「前記ウェブサーバ」のみに限定するものであるから、カテゴリーや対象、目的を変更するものではなく、実質上特許請求の範囲を拡張し、又は変更するものに該当せず、特許法第134条の2第9項で準用する特許法第126条第6項に適合するものである。
イ.訂正事項1-2
訂正事項1-2は、訂正前の請求項1における、「前記識別情報を前記ウェブサーバに向けて送出可能な状態から送出不可能な状態へと変化させるステップを、前記ウェブサーバに向けて前記識別情報が送出されてから一定期間が満了した場合に、又は前記ウェブサーバへアクセスされた回数が基準に達した場合に実行する」との構成において、「一定期間」という発明特定事項をを概念的に下位の「3時間以内の一定期間」とするものであるから、カテゴリーや対象、目的を変更するものではなく、実質上特許請求の範囲を拡張し、又は変更するものに該当せず、特許法第134条の2第9項で準用する特許法第126条第6項に適合するものである。
ウ.訂正事項2
訂正事項2は、上記「(1)ウ」で言及した様に、訂正前の請求項4に「個人が自身のウェブページやブログ等に広告情報を掲載する場合にその個人ページや個人ブログごとに割り当てられたIDを含む管理情報を、当該個人ページや個人ブログを構築するウェブサーバから取得する機能と、」との構成を付加することで、訂正前の請求項4を減縮するものであるから、カテゴリーや対象、目的を変更するものではなく、実質上特許請求の範囲を拡張し、又は変更するものに該当せず、特許法第134条の2第9項で準用する特許法第126条第6項に適合するものである。
(3)願書に添付した明細書、特許請求の範囲又は図面に記載した事項の範囲内の訂正であるか否かについて
ア.訂正事項1-1
訂正事項1-1は、上記「(2)ア」で言及した様に、択一的記載の要素を削除するものであるから、願書に添付した明細書、特許請求の範囲又は図面に記載した事項の範囲内の訂正であり、特許法第134条の2第9項で準用する特許法第126条第5項に適合するものである。
イ.訂正事項1-2
訂正事項1-2は、本件特許の明細書の段落【0099】に「なお、これらの各期間T1~T4は任意の時間又は期間に設定することが可能である。・・・」と記載されている様に、実施の形態1に基づいて導き出される構成であるから、願書に添付した明細書、特許請求の範囲又は図面に記載した事項の範囲内の訂正であり、特許法第134条の2第9項で準用する特許法第126条第5項に適合するものである。
ウ.訂正事項2
訂正事項2は、本件特許の明細書の段落【0036】の「管理情報とは、・・・個人が自身のウェブページやブログ等に広告情報を掲載する場合にその個人ページや個人ブログごとに割り当てられたID(以下、UIDという。)を含む場合もある。」との記載や、同段落【0034】の「・・・情報管理装置は、ウェブページにおいて提供される広告情報を識別するための管理情報を、ウェブページを構築するウェブサーバから取得するための管理情報取得部と・・・を有している」との記載を鑑みると、実施の形態1に基づいて導き出される構成であるから、願書に添付した明細書、特許請求の範囲又は図面に記載した事項の範囲内の訂正であり、特許法第134条の2第9項で準用する特許法第126条第5項に適合するものである。
(4)独立特許要件について
請求項1及び4は、無効審判の請求の対象とされているので、特許法第134条の2第9項で読み替えて準用する同法第126条第7項の独立特許要件は適用されない。
(5)まとめ
以上のとおりであるから、本訂正請求書による本件訂正を認める。
第3.本件発明
上記「第2」のとおり、請求項1及び4に係る訂正を認めるものであるから、本件の特許請求の範囲の請求項1及び4に記載された発明は、平成31年2月22日付け訂正請求により訂正された特許請求の範囲の請求項1及び4に記載された事項により特定された以下のとおりのものであり、そして、本件の特許請求の範囲の請求項7に記載された発明は、、平成24年8月31日に設定登録された特許第5075201号の特許請求の範囲の請求項7に記載された事項により特定された以下のとおりのものである。
(以下、請求項1に係る発明を「本件特許発明1」、請求項4に係る発明を「本件特許発明2」、請求項7に係る発明を「本件特許発明3」という。
また、(1A)等の分説記号は、両当事者が提出した各種書類において用いられているものを合議体が便宜上付与したものである。)
「【請求項1】(本件特許発明1)
(1A)ウェブページにおいて明示的又は黙示的に提供され、かつ架電先の電話器を識別する識別情報を管理するための情報管理方法であって、
(1B)コンピュータによって実行され、
(1C)前記識別情報に基づく架電が第1の架電先の電話器に接続される状態の該識別情報を、前記ウェブページを構築するウェブサーバであって前記コンピュータとは異なるウェブサーバに向けて送出可能な状態から送出不可能な状態へと変化させるステップと、
(1D)前記送出不可能な状態とされた前記識別情報に基づく架電を第2の架電先の電話器に接続される状態にするステップと、
(1E)前記識別情報に基づく架電が前記第2の架電先の電話器に接続される状態となった場合の該識別情報を、前記ウェブサーバに向けて送出可能な状態にするステップと、を有し、
(1F)前記識別情報を前記ウェブサーバに向けて送出可能な状態から送出不可能な状態へと変化させるステップを、前記ウェブサーバに向けて前記識別情報が送出されてから3時間以内の一定期間が満了した場合に、又は前記ウェブサーバへアクセスされた回数が基準に達した場合に実行する
(1G)情報管理方法。
【請求項4】(本件特許発明2)
(2A)ウェブページにおいて明示的又は黙示的に提供され、かつ架電先の電話器を識別する識別情報を管理するための情報管理装置であって、
(2B)前記識別情報に基づく架電が第1の架電先の電話器に接続される状態の該識別情報を、前記ウェブページを構築するウェブサーバであって前記情報管理装置とは異なるウェブサーバに向けて送出可能な状態から送出不可能な状態へと変化させる機能と、
(2C)前記送出不可能な状態とされた前記識別情報に基づく架電を第2の架電先の電話器に接続される状態にする機能と、
(2D)前記識別情報に基づく架電が前記第2の架電先の電話器に接続される状態となった場合の該識別情報を、前記ウェブサーバ又は他のウェブサーバに向けて送出可能な状態にする機能と、
(2E)前記識別情報を前記ウェブサーバに向けて送出可能な状態から送出不可能な状態へと変化させるステップを、前記ウェブサーバに向けて前記識別情報が送出されてから一定期間が満了した場合に、又は前記ウェブサーバへアクセスされた回数が基準に達した場合に実行する機能と、
(2F)個人が自身のウェブページやブログ等に広告情報を掲載する場合にその個人ページや個人ブログごとに割り当てられたIDを含む管理情報を、当該個人ページや個人ブログを構築するウェブサーバから取得する機能と、を実現するコンピュータを有する
(2G)情報管理装置。
【請求項7】(本件特許発明3)
(3A)ウェブページにおいて明示的又は黙示的に提供され、かつ架電先の電話器を識別する識別情報を管理するための情報管理プログラムであって、
(3B)コンピュータに、
(3C)前記識別情報に基づく架電が第1の架電先の電話器に接続される状態の該識別情報を、前記ウェブページを構築するウェブサーバであって前記コンピュータとは異なるウェブサーバに向けて送出可能な状態から送出不可能な状態へと変化させる機能と、
(3D)前記送出不可能な状態とされた前記識別情報に基づく架電を第2の架電先の電話器に接続される状態にする機能と、
(3E)前記識別情報に基づく架電が前記第2の架電先の電話器に接続される状態となった場合の該識別情報を、前記ウェブサーバ又は他のウェブサーバに向けて送出可能な状態にする機能と、
(3F)前記識別情報を前記ウェブサーバに向けて送出可能な状態から送出不可能な状態へと変化させるステップを、前記ウェブサーバに向けて前記識別情報が送出されてから一定期間が満了した場合に、又は前記ウェブサーバへアクセスされた回数が基準に達した場合に実行する機能とを実現させるための
(3G)情報管理プログラム。」
第4.請求人の証拠方法と主張
1.請求人の証拠方法
請求人は、証拠方法として、審判請求書において以下の甲第1号証を提出し、口頭審理陳述要領書(3)において以下の甲第2号証を提出し、弁駁書において以下の甲第3号証及び甲第4号証を提出している。
甲第1号証:米国特許出願公開第2005/0251445号明細書
甲第2号証:口頭審理資料(2018年9月4日)
甲第3号証:「Google アドワーズとアドセンスがネット広告を変えた」 と題するウェブページのアーカイブ(https://web.archive.
org/web/20060627051118/http://www2u.biglobe.ne.jp/
~hakuzou/adsense.htm)
甲第4号証:「Google AdSense を活用しよう!」と題するウェブペー
ジのアーカイブ(https://web.archive.org/web/2006061405
2448/http://tno-yotaka37upc.com/google_ad.html)
2.請求人の『請求の趣旨』及び『主張の概要』
(1)請求の趣旨
請求人の主張する請求の趣旨は、「特許第5075201号の請求項1、4及び7に係る特許は無効とする、審判費用は被請求人の負担とする、との審決を求める。」というものである。
(2)主張の概要
請求人が本件無効審判の審理手続の中で主張した概要は以下のとおりである。
(2-1)特許無効審判請求の根拠
本件特許発明1、2及び3は、本件特許権に係る特許出願の出願日(平成19年8月31日)より前である2005年(平成17年)11月10日に公開された米国特許出願公開第2005/0251445号明細書(甲第1号証)に記載された発明と同一である。従って、本件特許発明1、2及び3に係る特許は、特許法29条1項3号の規定に違反してなされたものであり、特許法第123条第1項第2号により無効とされるべきものである。(審判請求書第6~7頁)
(2-2)本件特許発明1が甲第1号証に記載された発明と同一であること
(ア)構成要件1Aについて
(ア-1)
甲第1号証の[0033]には、【検索エンジンによる「検索結果」内に、広告主の広告が「表示される」こと】が開示されている。(審判請求書第10頁)
(ア-2)
甲第1号証の[0077]には、【検索エンジンの検索結果を含むウェブサイト(a certain search engine website)】が開示されている。【「ウェブページ」が「ウェブサイト」に含まれること】は、当業者の技術常識である。
即ち、甲第1号証の[0077]には、【広告が、検索エンジンの検索結果を含むウェブサイトに表示されうること】が、開示されている。(審判請求書第10頁)
(ア-3)
甲第1号証の[0030]には、【固有の電話番号が、広告主に割り当てられ、当該固有の電話番号が、広告に含まれること】が開示されている。(審判請求書第11頁)
(ア-4)
甲第1号証の[0034]には、【固有の電話番号は、広告主の実際の電話番号にマッピングされ(又は、紐付けされ)、固有の電話番号が、架電されると、広告主の電話(即ち、本件特許発明1の構成要件1Cの「第1の架電先の電話器」。)に接続されること】が開示されている。(審判請求書第11頁)
(ア-5)
甲第1号証の[0033]、[0077]、[0030]、[0034]には、【固有の電話番号が、検索エンジンの検索結果に表示され、かつ広告主の実際の電話番号にマッピングされる固有の電話番号を管理すること】が開示されている。
ここで、甲第1号証の[0033]に開示された「検索結果」は、「検索エンジン」により生成されるものである。「検索結果」は、本件特許発明1の1Aにおける、「ウェブページ」に相当する。
ところで、【「検索エンジン」が、「ウェブサーバ」上で構築されること】および【「検索エンジン」の「検索結果」が「ウェブページ」であること】は、当業者の技術常識である。
また、甲第1号証の[0030]に開示された「固有の電話番号」は、【検索結果(ウェブページ)に含まれるものであるから、本件特許発明1における、「ウェブページにおいて明示的・・・に提供され」るもの】である。
また、甲第1号証の[0033]に開示された「広告主」は、固有の電話番号に基づく架電の接続先であるから、本件特許発明1の構成要件1Aにおける、「架電先」に相当する。
また、甲第1号証の[0034]に開示された広告主の実際の電話番号にマッピングされる(又は紐付けされる)固有の電話番号は、当該固有の電話番号に基づく架電をバート(広告主)の実際の電話番号に対応する電話へ接続するために用いられるものであるから、本件特許発明1の構成要件1Aにおける、「架電先の電話器を識別する識別情報」に相当する。
従って、本件特許発明1の構成要件1Aの「ウェブページ」において「明示的又は黙示的に提供され」、かつ「架電先の電話器を識別する識別情報」を管理するための情報管理方法であって、」は、甲第1号証の[0033]、[0077]、[0030]、[0034]に開示されている。(審判請求書第11~13頁)
(イ)構成要件1Bについて
(イ-1)
甲第1号証には、甲第1号証に開示された方法がシステムにより実行されることが開示されている。甲第1号証の[0031]に開示された「システム」が、[本件特許発明1の構成要件1Bにおける、「コンピュータ」に相当することは明らかである。
更に、甲第1号証の[0031]には、「図4は、図3の方法を「実行する」ための「システム」の機能的記載を示す」との記載がある。
従って、本件特許発明1の構成要件1B「コンピュータによって実行され」、は、甲第1号証の[0031]に開示されている。(審判請求書第13~16頁)
(ウ)構成要件1Cについて
(ウ-1)
甲第1号証の[0034]、[0033]、[0077]には、【「固有の電話番号に基づく架電が第1の広告主の実際の電話番号に接続される状態の固有の電話番号」が、「検索結果(ウェブページ)」を構築する「検索エンジン」に送信されること】が開示されている。
甲第1号証の[0006]には、【固有の電話番号が広告に動的に割り当てられ、所定期間、当該固有の電話番号が表示されない又は架電されないと、当該固有の電話番号は、割り当て解除されて、再利用されること】が開示されている。
甲第1号証の[0006]に示すとおり、固有の電話番号は、広告主に割り当てられて、検索エンジンに送信されるものであるところ、【この割り当てが解除されれば、当該固有の電話番号が、検索エンジンに、送信されない状態となること】は自明である。
したがって、甲第1号証の[0006]、[0034]、[0033]、[0077]には、【固有の電話番号に基づく架電が第1の広告主の電話に接続される状態の固有の電話番号を、検索結果(ウェブページ)を構築する検索エンジンに、送信される状態から送信されない状態へと変化させるステップ】が開示されている。(審判請求書第22~23頁)
(ウ-2)
甲第1号証の[0033]、[0030]に開示された「広告主」及び「固有の電話番号」は、それぞれ、本件特許発明1における「架電先」及び「識別情報」に相当する。(審判請求書第23頁)
(ウ-3)
甲第1号証の[0033]に開示された検索結果(ウェブページ)を構築する検索エンジンは、【甲第1号証の[0031]に開示された方法を実行するシステムとは異なるもの】であるから、本件特許発明1における「前記ウェブページを構築するウェブサーバであって、前記コンピュータとは異なるウェブサーバに」に相当する。(審判請求書第24頁)
(ウ-4)
甲第1号証の[0006]に開示された、固有の電話番号が検索エンジンに「送信される状態」及び「送信されない状態」が、本件特許発明1における、識別情報をウェブサーバに向けて「送出可能な状態」及び「送出不可能な状態」に相当することは自明である。(審判請求書第24~25頁)
(ウ-5)
本件特許発明1の構成要件1Cの、「「前記識別情報に基づく架電が第1の架電先の電話器に接続される状態の該識別情報」を、「前記ウェブページを構築するウェブサーバであって前記コンピュータとは異なるウェブサーバ」に向けて「送出可能な状態」から「送出不可能な状態へと変化させるステップ」と、」は、甲第1号証の[0033]、[0034]、[0030]、[0077]、[0031]、[0006]、[0043]に開示されている。(審判請求書第25頁)
(ウ-6)
請求人は、平成30年7月2日付け審理事項通知書の(C-1)において合議体が示した理解に同意する。
ただし、本件特許発明1の構成要件1Cは、その記載上、「本件明細書の段落【0096】に記載された「非公開期間T2」のような、送出不可能な状態かつ第1の架電先の電話器に接続される状態である期間が存在する旨」が明確ではなく、発明の詳細な説明に記載されていない態様を含んでいる。
したがって、本件特許発明1の構成要件1Cが、訂正により、「本件明細書の段落【0096】に記載された「非公開期間T2」のような、送出不可能な状態かつ第1の架電先の電話器に接続される状態である期間が存在する旨」に減縮されない限り、本件特許発明1は、サポート要件違反(特許法36条6項第1号)及び明確性要件違反(同項第2号)の無効理由を有すると考える。(口頭審理陳述要領書第5~6頁)
(エ)構成要件1Dについて
(エ-1)
甲第1号証の「特許請求の範囲1」には、第1の架電先の電話機の電話番号に対する割り当てを解除された電話番号が、第2の広告に割り当てられて、再利用されることが開示されている。
即ち、甲第1号証の「特許請求の範囲1」には、【送信されない状態とされた固有の電話番号に基づく架電を、第2の広告の電話番号に接続される状態にすること】が開示されている。
従って、本件特許発明1の構成要件1Dの、「前記送出不可能な状態とされた前記識別情報に基づく架電を第2の架電先の電話器に接続される状態にするステップと、」は、甲第1号証の「特許請求の範囲1」に開示されている。(審判請求書第26頁)
(エ-2)
甲第1号証の段落[0100]の記述が、本件特許発明1の構成1Dに相当する技術的事項の記述に該当する。
けだし、上記[0100]は、送出不可能な状態(但し、広告に割り当てられたが一定の時間の経過により割り当てが解除された状態)とされた識別情報に基づく架電を第2の架電先の電話器(但し、割り当てが解除された電話番号プールの中の1つの電話番号)に接続される状態にするステップを開示しているからである。(口頭審理陳述要領書第5頁)
(オ)構成要件1Eについて
(オ-1)
甲第1号証の「特許請求の範囲1」に開示された、「第2の広告主の実際の電話番号に接続される状態」の「固有の電話番号」は、本件特許発明1の構成要件1Eにおける「前記識別情報に基づく架電が前記第2の架電先の電話器に接続される状態となった場合の該識別情報」に相当する。
固有の電話番号は、広告主に割り当てられて検索エンジンに送信されるものであるから、第2の広告主に割り当てられた固有の電話番号が検索エンジンに送信される状態となることは自明である。
甲第1号証の[0033]に開示された「検索エンジン」は、本件特許発明1の構成要件1Eにおける「前記ウェブサーバ」に相当する。
従って、本件特許発明1の構成要件1Eの「前記識別情報に基づく架電が前記第2の架電先の電話器に接続される状態となった場合の該識別情報を、前記ウェブサーバ又は他のウェブサーバに向けて送出可能な状態にするステップと、を有し、」は、甲第1号証の「特許請求の範囲1」、[0033]に開示されている。(審判請求書第27頁)
(カ)構成要件1Fについて
(カ-1)
甲第1号証の[0034]、[0033]、[0077]には、【固有の電話番号に基づく架電が広告主の実際の電話番号に接続される状態の固有の電話番号】が、検索結果(ウェブページ)を構築する検索エンジンに送信されることが開示されている。
甲第1号証の[0006]には、【固有の電話番号が広告に動的に割り当てられ、所定期間、当該電話番号が表示されない又は架電されないと、当該固有の電話番号は割り当て解除されて再利用されること】が開示されている。
よって、甲第1号証には、【固有の電話番号に基づく架電が第1の広告主の電話に接続される状態の固有の電話番号を、検索結果(ウェブページ)を構築する検索エンジンに送信される状態から送信されない状態へと変化させること」を、検索エンジンに固有の電話番号が送信されてから所定期間が経過した場合に、実行すること】が開示されている。(審判請求書第28頁)
(カ-2)
甲第1号証の[0030]、[0034]に開示された「固有の電話番号」は、本件特許発明1における「識別情報」に相当する。
また、甲第1号証の[0033]に開示された「検索エンジン」は、本件特許発明1における「ウェブサーバ」に相当する。
また、甲第1号証の「特許請求の範囲1」、[0006]に開示された「所定期間」が、本件特許発明1における「一定期間」に相当することは自明である。
従って、甲第1号証の[0006]に開示された、「検索エンジンに固有の電話番号が送信されてから所定期間が経過した場合に実行すること」は、本件特許発明1の構成要件1Fにおける「前記ウェブサーバに向けて前記識別情報が送出されてから一定期間が満了した場合に・・・実行する」に相当する。(審判請求書第28~29頁)
(カ-3)
従って、本件特許発明1の構成要件1Fは、甲第1号証の[0006]、[0030]、[0034]、[0033]、[0077]に開示されている。(審判請求書第29頁)
(カ-4)
請求人は、平成30年7月2日付け審理事項通知書の(B-4)において合議体が示した暫定的心証と同じく、「甲第1号証の段落[0077]、[0079]、[0093]の記載から、「一定の時間」又は「所定期間」の始期は、『システムが広告に割り当てた電話番号をサーチエンジン又はウェブに送出した時』」と解する。(口頭審理陳述要領書第2頁)
(カ-5)
甲第1号証の段落[0093]~[0095]の記述に基づいて、甲第1号証には、ウェブサイトで検索が行われた瞬間に「ジャスト・イン・タイム」で電話番号が割り当てられること、及び、割り当てられた電話番号が「最後に」表示されたのがいつかを記録すること、が開示されている。 このように、割り当てられた電話番号が「最後に」表示されたのがいつかを記録することは、甲第1号証において、割り当てられた電話番号が、最初の1回(割り当てられた時)だけでなく、その後も繰り返し表示(送出)可能であることを明確に示している。
更に、段落[0109]の記述に基づいて、甲第1号証には、日刊新聞に広告を掲載する旅行代理店に電話番号が割り当てられ、当該電話番号が所定期間(例えば1日間)は変わらない、という例が開示されている。この例からも、甲第1号証において、割り当てられた電話番号が、最初の1回(割り当てられた時)だけでなく、その後も繰り返し表示(送出)可能であることは明確である。
したがって、甲第1号証において、「所定期間」の進行中、「送出可能な状態」であるという情報は、開示されている。(口頭審理陳述要領書第4頁)
(カ-6)
甲第1号証の段落[0078]の記述から、当業者は、【段落[0078]、「特許請求の範囲1」に記載の「一定期間」又は「所定期間」の始期が、【広告1(例えば)に割り当てられた固有の電話番号がウェブ上に表示された時】であり得ること】を容易に理解できる。(口頭審理陳述要領書(2)第5頁)
(カ-7)
甲第1号証の段落[0078]、[0006]記載の、ジャスト・イン・タイム方式に関する「一定期間」又は「所定期間」とは、「一定期間」又は「所定期間」内に、広告1(例えば)に割り当てられた固有の電話番号が表示されないか又はcall(架電)されない場合に、当該固有の電話番号の広告1(例えば)への割り当てが解除されるという意味を伴う、「一定期間」又は「所定期間」である。
ところで、「一定期間」又は「所定期間」という概念は、「始期」と「終期」の双方を、対の概念として必ず、必要とする。
同[0078]、[0006]に示すとおり、「一定期間」又は「所定期間」の「終期」が「固有の電話番号の割り当てが解除される時」であるので、この「終期」と対の関係に立つ「一定期間」又は「所定期間」の「始期」は、【固有の電話番号が割り当てられる時】である。
よって、当業者は、同[0078]、[0006]の記載から、【「一定期間」又は「所定期間」の「始期」が、【固有の電話番号が広告1(例えば)に割り当てられる時】になり得ること】を容易に理解し得る。(口頭審理陳述要領書(2)第5~6頁)
(カ-8)
甲第1号証の段落[0079]の記述から、当業者は、【ある広告主の電話番号が表示されることを要求するエンドユーザの検索に対応して、管理サーバが、固有の電話番号を当該広告主に割り当て、管理サーバが、当該割り当てられた固有の電話番号をウェブ上に表示することを目的として、ウェブに向けて、当該割り当てられた固有の電話番号を送出すること】を容易に理解できる。
けだし、割り当てられた固有の電話番号のウェブに表示するためには、【管理サーバが、割り当てられた固有の電話番号をウェブに向けて送出すること】が必須であるからである。
よって、当業者は、同[0078]、[0079]により、【「一定期間」又は「所定期間」の「始期」が、【管理サーバが、当該広告1(例えば)に割り当てられた固有の電話番号をウェブ上での表示を目的として、ウェブに向けて送出した時】であり得ること】を容易に理解できる。(口頭審理陳述要領書(2)第6~7頁)
(カ-9)
当業者は、甲第1号証の段落[0006]、[0077]、[0078]、[0079]、[0093]、「特許請求の範囲1」に照らし、【同[0078]、「0006」記載の「一定期間」又は「所定期間」の始期が、
A 広告1(例えば)に割り当てられた固有の電話番号が、ウェブ上に表 示された時;
B 管理サーバが、固有の電話番号を広告1(例えば)に割り当てた時;
C 管理サーバが、当該広告1(例えば)に割当てられた固有の電話番号 をウェブに向けて送出した時;
のいずれでもあり得ること】を容易に理解できる。
よって、同[0006]、[0077]、[0078]、[0079]、[0093]、「特許請求の範囲1」は、【「一定期間」又は「所定期間」の「始期」が、【システムが、広告に割り当てた電話番号をウェブに向けて送出した時】であり得る技術情報】を開示している、と解される。(口頭審理陳述要領書(2)第7頁)
(カ-10)
本件特許の明細書には、被請求人も引用するとおり「各期間」の時間又は期間に関して、「任意の時間又は期間」に設定するとの記載があるのみであり、「任意の時間又は期間」の境界値を「3時間以内」とすることについての記載は一切ない。したがって、このような数値限定を追加する訂正事項1は、新たな技術的事項を追加するものであり、訂正要件を満たさない。(弁駁書第3頁)
(カ-11)
甲1に記載された発明において、「表示」(すなわち「送出」)に関する「所定期間」を具体的にどの程度とするかは、同発明が適用されるシステムに応じて当業者が適宜選択し得る事項であり、当該「所定期間」を「3時間以内」とすることについて阻害要因もない。本件特許出願日当時における技術常識を有する当業者は、甲1の上記記載から、「3時間以内」を含む訂正後の請求項1に係る発明を容易に想到することができる。(弁駁書第6頁)
(キ)構成要件1Gについて
(キ-1)
甲第1号証には、固有の電話番号を管理することが開示されているから、本件特許発明1の構成要件1G「情報管理方法」は、甲第1号証に開示されている。(審判請求書第29頁)
(2-3)本件特許発明2及び3が甲第1号証に記載された発明と同一であること
本件特許発明2及び3は、それぞれ、本件特許発明1(情報管理方法)に対応する情報管理装置及び情報管理プログラムであるから、上記(2-2)で述べたことがそのままあてはまる。
従って、本件特許発明2及び3は、甲第1号証に記載された発明と同一である。(審判請求書第29頁)
(2-4)訂正後の請求項4(本件特許発明2)について
(ク-1)
甲1には、広告主が検索エンジン等の要求パートナーのウェブサイトに広告情報を掲載する場合に、システムが、要求パートナーからの要求に応じて要求パートナーごとに別個の電話番号を与えることが記載されている。要求パートナーからの要求に応じて、要求パートナーごとに別個の電話番号を与えるためには、システムは、当然に、要求パートナーを識別する情報を要求パートナーのウェブサーバから取得する必要がある。
したがって、甲1には、「広告主が要求パートナーのウェブサイトに広告情報を掲載する場合に要求パートナーごとに割り当てられたIDを含む情報を、要求パートナーのウェブサーバから取得する機能」が開示されている。
甲1における当該開示を、訂正後の請求項4に係る発明における追加構成要件「個人が自身のウェブページやブログ等に広告情報を掲載する場合にその個人ページや個人ブログごとに割り当てられたIDを含む管理情報を、当該個人ページや個人ブログを構築するウェブサーバから取得する機能」と対比すると、広告情報の掲載先が、訂正後の請求項4に係る発明においては「自身(個人)のウェブページやブログ等」であるのに対して、甲1では「要求パートナーのウェブサイト」であるという点のみが相違点である。
当該相違点は、広告情報の掲載場所についての相違にすぎず、技術的意義についての相違はない。したがって、当該相違点は実質的な相違点ではなく、訂正後の請求項4に係る発明は、甲1に記載された発明と同一である。(弁駁書第8~9頁)
(ク-2)
甲3及び甲4に記載されているように、検索サイト(例えばGoogle等)での検索に連動して検索サイトに広告が表示されるシステムと同様に、個人のウェブページやブログにその内容に応じた広告が表示されるシステム(例えばGoogle AdSense)は、本件特許の出願日時点において、当業者にとっては周知の技術である。
したがって、仮に、訂正後の請求項4に係る発明と甲1との間に上述の相違点(広告情報の掲載先が、訂正後の請求項4に係る発明においては「自身(個人)のウェブページやブログ等」であるのに対して、甲1では「要求パートナーのウェブサイト」であるという点)が存在するとしても、訂正後の請求項4に係る発明における当該相違点に係る構成は、本件出願日当時における技術常識を有する者が、甲1(検索サイトでの検索に連動して検索サイトに広告が表示されるシステム)に、甲3及び甲4に開示された周知技術(検索サイトでの検索に連動して検索サイトに広告が表示されるシステムと同様に、個人のウェブページやブログにその内容に応じた広告が表示されるシステム)を適用することにより、容易に想到し得るものである。(弁駁書第12頁)
(2-5)無効理由の追加について
特許法第29条第2項に基づく無効理由の追加は、請求の理由の補正であって、その要旨を変更するものに該当するものの、当該補正が審理を不当に遅延させるおそれがないことは明らかであり、かつ、訂正の請求により当該補正の必要が生じたものであり特許法第131条の2第2項第1号に該当する事由があると認められるものであるから、当該補正は許可されるべきものであると思料する。(弁駁書第13頁)
第5.被請求人の証拠方法と主張
1.被請求人の証拠方法
被請求人は、証拠方法として、口頭審理陳述要領書において以下の乙第1号証、乙第2号証、乙第3号証の1、乙第3号証の2を提出し、口頭審理陳述要領書(2)において以下の乙第4号証を提出している。
乙第1号証 :準備書面(5)(平成28年(ワ)第16912号 特 許権侵害差止等請求事件)
乙第2号証 :アットホーム株式会社が提供する不動産情報サイトにお ける、電話番号が表示されるまでに要する時間に関する 報告書
乙第3号証の1:DVD(乙第2号証の実験I)
乙第3号証の2:DVD(乙第2号証の実験II)
乙第4号証 :口頭審理資料
2.被請求人の『答弁の趣旨』及び『主張の概要』
(1)答弁の趣旨
被請求人の主張する答弁の趣旨は、「本件審判請求は成り立たない。審判費用は請求人の負担とする。との審決を求める。」というものである。
(2)主張の概要
被請求人が本件無効審判の審理手続の中(審判請求書の提出から口頭審理終了時までの期間)で主張した概要は以下の通りである。
(2-1)答弁の要旨
少なくとも構成要件1Fおよびこれに対応する構成要件2E、3F(以下、「構成要件1F等」と称する。)についての開示が甲第1号証には存在しないので、本件特許発明1~3は、甲第1号証に記載された発明と同一ではなく、本件特許無効審判により無効にされるべきものではない。
(2-2)本件特許発明1について
(ア)構成要件1Fについて
(ア-1)「一定期間」の始期の開示の欠如(相違点1)
(ア-1-1)
甲第1号証の【0006】段落には「・・・電話番号は、ジャスト・イン・タイム方式で広告に動的に割り当てられ、所定期間、電話番号が表示されない又は架電されないと、そのとき当該電話番号は、割り当て解除されて、再利用される」と記載されているだけである。
このように、当該段落には、「所定期間中に電話番号が表示されない又は架電されないと、割り当て解除される」ことが記載されているだけで、当該所定期間が何時から開始されるかについては、何ら開示されていない。
この点に関し、請求人は甲第1号証のクレーム1も引用するが、クレーム1も「方法であって、広告に電話番号を割り当てることと、前記電話番号が所定期間架電されないと、前記電話番号を第2の広告に割り当て可能とするために、前記電話番号を割り当て解除することと、を含む方法」とあるだけで、やはり、所定期間が何時から開始されるかについては、何ら開示していない。
したがって、請求人による「固有の電話番号が表示されてから一定の期間が経過すると割り当てが解除される」ことが【0006】段落およびクレーム1に記載されているとの主張は根拠がない。(答弁書第8頁)
(ア-1-2)
仮に請求人の主張に従ったとしても、甲第1号証では、電話番号プールに戻すまでの一定期間の始期は「(ユーザのコンピュータに)電話番号が表示された時」であり、「ウェブサーバに向けて前記識別情報が送出された時」(構成要件1F・2E・3F)ではない。
甲第1号証に記載された発明では、サーバに向けて電話番号が送出されても、例えば、通信エラーが発生したために、ユーザのコンピュータや携帯端末に当該番号が表示されなければ、一定期間の始期が到来することはなく、電話番号がプールに戻ることはない。
また、通信エラーが起きていないとしても、ユーザのコンピュータや携帯端末側の通信速度が異なる場合には、電話番号がウェブサーバに向けて送出されてからユーザのコンピュータに表示されるまでの時間は、各々のコンピュータ、携帯端末でバラバラに異なることになる。
このように、「電話番号が表示された時」と、「ウェブサーバに向けて前記識別情報が送出された時」は同一の時点ではなく、概念としても明確に異なる技術事項である。そのことは、ポータルサイトに係るウェブサーバに電話番号を「送出」しても、その電話番号がそのポータルサイトに掲載されるか否かは、そのポータルサイトの管理人に委ねられていることからも容易に理解できる。
上記の技術事項の相違は、発明の作用効果の点において重要である。当該作用効果を例示的に述べれば、「表示」が「所定期間」の始期であるとした場合には、例えば、管理主体である架電トラッキングシステムは、「所定期間」の計測を開始するために、ユーザ側のコンピュータや携帯端末における表示開始のタイミングを取得するためにネットワークを監視しなければならないし、表示開始後も表示終了まで、通信不可状態に陥っていないかをチェックしなければならないなどの不都合がある(なお、甲第1号証には当該不都合に関する記載やその示唆は全くない)。これに対して、本件特許発明は、サーバの側で完結する技術思想であるため、「送出」さえしてしまえば、一定期間の計測が開始され、上記のような監視をすることもなければ、これによってネットワーク負担が大きくなることもないという、有用な効果を奏する。この利点は、本件明細書図12(利用者による架電の接続処理に関するフローチャート)に、「所定期間」の計測を開始するためにユーザ側のコンピュータや携帯端末における表示開始のタイミングをシステムが取得するステップが存在しないことに端的に示されている。(答弁書5~6頁)
また、両者は時期としても同一ではありません。
甲第1号証に記載された発明では、サーバに向けて電話番号が送出されても、例えば、通信エラーが発生したために、ユーザのコンピュータに当該番号が表示されなければ、一定期間の始期が到来することはなく、電話番号がプールに戻ることはありません。
また、通信エラーが起きていないとしても、通信速度が異なる場合には、電話番号がウェブサーバに向けて送出されてからユーザのコンピュータに表示されるまでの時間は、それぞれ異なることになります。
そのため、「電話番号が表示された時」と、「ウェブサーバに向けて前記識別情報が送出された時」は同一の時点ではありません。(口頭審理陳述要領書10頁)
(ア-1-3)
甲第1号証の[0078]段落には、「固有の番号が表示されてから一定時間が経過した場合、システムは自動的にその番号を『クリーン』と見なして再利用し、番号のプールに戻すことができる」と記載されています。
そのため、答弁書ではあえて明示的には述べませんでしたが、請求人が[0078]段落に基づいて、電話番号プールに戻すまでの一定期間の始期が「(ユーザのコンピュータに)電話番号が表示された時」であると主張を訂正した場合に備えて、一定期間の始期が「(ユーザのコンピュータに)電話番号が表示された時」であることは、「ウェブサーバに向けて前記識別情報が送出された時」(構成要件1F・2E・3F)であることと異なる旨を主張したものです。(口頭審理陳述要領書3頁)
(ア-1-4)
甲第1号証の[0078]段落には「固有の番号が表示されてから一定時間が経過した場合、システムは自動的にその番号を『クリーン』と見なして再利用し、番号のプールに戻すことができる」と記載されています。
この記載は、一定期間の始期が「固有の番号がユーザのウェブページ上に表示された時点」であることを開示していると理解することができるものです。
しかし、仮にそうだとしても、電話番号プールに戻すまでの一定期間の始期が「(ユーザのコンピュータに)電話番号が表示された時」と、「ウェブサーバに向けて前記識別情報が送出された時」(構成要件1F・2E・3F)とで異なることは、既に答弁書の4~6頁において述べたとおりです。
一定期間の始期を「(ユーザのコンピュータに)表示された時」とするか、「ウェブサーバに向けて前記識別情報が送出された時」とするかは、技術的に大きく異なります。
一定期間の始期を「送出」とする場合のメリットは、何といっても、時間の管理を情報管理サーバ(構成要件1Bの「コンピュータ」)側で完結できるという点にあります。
すなわち、一定期間の始期を「前記ウェブサーバに向けて前記識別情報が送出された時」とする本件特許発明の構成では、識別情報を「前記ウェブサーバ」に向けて送出しさえすれば、一定期間の計測が開始されます。そのため、実際に表示された時期を把握しなくても、いつのタイミングで当該識別情報を送出不可能な状態にするかを決定することができます。
これに対して、一定期間の始期を「表示」とすると、一定期間の始期に関する情報を持っているのは利用者のコンピュータのみです。そのため、情報管理サーバと広告提供サーバは、当該情報を利用者のコンピュータに取りに行かなければなりません。
その結果、各サーバおよびコンピュータ間で逐一交信することが必要となり、双方のシステムおよび利用者コンピュータの3者間に負荷が発生することになります。
このように、一定期間の始期を「送出」とする場合の構成と「表示」とする場合の構成は、技術的に全く異なるものです。(口頭審理陳述要領書第8~9頁)
(ア-1-5)
甲第1号証の[0077]、[0079]、[0093]の各段落は、電話番号を広告にどのようなタイミングで割り当てるかについて説明しています。しかし、以下に述べるとおり、割り当て後、いつの時点から起算してどの程度の時間が経過すれば、あるいは、どのような条件が成就すれば、割り当てが解除され、電話番号が送出されない状態になるかについては記載されていません。
第1に、[0077]段落は、ウェブサイトで特定の用語(「工業用シャワーヘッド」)を検索した際に、システムが固有の電話番号を当該用語に動的に割り当てる構成が記載されています。しかし、割り当て後に、何時割り当てが解除されてサーバに送出されない状態になるかについては何も記載がありません。
第2に、[0079]段落についても同様であり、ユーザが電話番号を含む広告を見ようとする直前に、当該電話番号が特定の広告に割り振られることが記載されています。しかし、割り当て後の電話番号について、何時割り当てが解除されてサーバに送出されない状態になるかについては、何ら記載がありません。
第3に、[0093]段落も同様であり、特定のウェブサイトでカンザスシティの歯科医の検索が行われた瞬間に固有の電話番号を1つだけ割り当てることで、広告への無駄な番号の割り当てを防ぐことが記載されています。しかし、割り当て後の電話番号について、何時割り当てが解除されてサーバに送出されない状態になるかについては、何ら記載していません。
以上のとおり、[0077]、[0079]、[0093]をみても、いつの時点から起算してどの程度の時間が経過すれば、あるいは、どのような条件が成就すれば、広告情報に割り当てられた電話番号がサーバに向けて送出され得ない状態になるか、については記載されていません。
したがって、各段落を根拠に、送出不可能になるまでの「所定期間」の始期が『システムが広告に割り当てた電話番号をサーチエンジン又はウェブに送出した時』であると認定することはできません。(口頭審理陳述要領書第5~7頁)
(ア-1-6)
甲第1号証の[0079]、[0093]の各段落では、選択した電話番号を広告にジャスト・イン・タイム方式で割り当てることが記載されています。そこで、以下では、ジャスト・イン・タイム方式の意味を踏まえても、「一定の時間」又は「所定期間」の始期が『システムが広告に割り当てた電話番号をサーチエンジン又はウェブに送出した時』であると一義的に特定されないことを、説明します。
ジャスト・イン・タイム方式とは、「電話番号が未割り当ての電話番号のプール内にあり、顧客が電話番号を含む広告を見ようとする直前に特定の広告に割り振られる又は割り当てられること」([0079]段落)を意味します。しかし、これは、どのようなタイミングで電話番号を広告に割り当てるかに関する方式にすぎず、割り当て後、それをいつ解除し、電話番号を送出不可能とするかについて規定するものではありません。
実際、審判請求書において、請求人自身、始期を「表示のとき」と述べたり、「送信のとき」と述べたりしていますが、これはジャスト・イン・タイム方式であると一口に言っても、所定期間の始期が一義的に定まらないことを請求人自ら認めるものにほかなりません。(口頭審理陳述要領書第7~8頁)
(ア-2)「送出可能な状態」の開示の欠如(相違点2)
(ア-2-1)
構成要件1Fでは、「一定期間」の進行中は、「識別情報」は「送出可能な状態」にある。
ここで、「送出可能な状態」とは「例えば、利用者がウェブページにアクセスしたときに、広告情報に関連付けられた識別情報がウェブサーバへと送信されてそのウェブページ上に表示され得る状態」であると説明されている(【0020】段落)。
それゆえ、構成要件1Fは、例えば「一定期間」の進行中に利用者がウェブページにアクセスしたときに、広告情報に関連付けられた識別情報が(当該ウェブページを構築する)前記ウェブサーバ(構成要件1C参照)へと送信されて、同一のウェブページ上に表示され得る状態であり続けることを規定している。
これに対して、甲第1号証の【0006】段落およびクレーム1には、「送出可能な状態」に対応する記載もないし、当該技術事項が開示されているに等しいと言えるだけの記載もない。つまり「所定期間」の進行中に「識別情報」が「前記ウェブサーバに向けて送出可能な状態」であるという旨の開示がない。
本件特許発明1における「一定期間」の進行中は、「識別情報」は「送出可能な状態」にあることが明示されているのに対して、甲第1号証の【0006】段落およびクレーム1には、「所定期間」の進行中「送出可能な状態」にあることは明示されていないので、この一点において請求人の主張する無効理由は成り立たない。(答弁書第10~11頁)
(ア-2-2)
請求人は、甲第1号証には「固有の電話番号に基づく架電が第1の広告主の電話に接続される状態の固有の電話番号を、検索結果(ウェブページ)を構築する検索エンジンに送信される状態から送信されない状態へと変化させること」が記載されていると主張しています。
確かに、甲第1号証の[0034]、[0033]、[0043]および[0077]には、固有の電話番号に基づく架電が第1の広告主の電話に接続される状態の固有の電話番号が、検索エンジンに送信されることが記載されています。しかし、そのようにして一旦送信された固有の電話番号が、当該送信後も「当該検索エンジンに送信される状態」であり続けるか否かについては、請求人の指摘する箇所をみても、どこにも記載がありません。
したがって、「検索エンジンに固有の電話番号が送信されてから所定期間が経過」した時点において、当該電話番号が検索結果(ウェブページ)を構築する検索エンジンに送信される状態にあること、および、当該状態から送信されない状態に切り替わることが、甲第1号証に開示されているとは言えません。(口頭審理陳述要領書第4~5頁)
(ア-2-3)
本件特許発明は、「一定期間」の進行中、利用者(ユーザ)がウェブページにアクセスすると、情報管理サーバから広告提供サーバに向けて、都度識別情報が送出されるという技術事項(すなわち、情報管理サーバは、「一定期間」の進行中、識別情報を広告提供サーバに向けて「送出可能な状態」にあるという技術事項)によって特定される発明です。
しかしながら、甲第1号証には、「一定期間」の進行中、利用者(ユーザ)がウェブページにアクセスしたときに、情報管理サーバから広告提供サーバに向けて、都度識別情報が送出されるかどうかに関する記載はなく、当該技術事項が開示されているに等しいと言えるだけの記載も存在しません。
したがって、甲第1号証には、「情報管理サーバは、『一定期間』の進行中、識別情報を広告提供サーバに向けて『送出可能な状態』にある」という本件特許発明の技術事項が開示されておらず、請求人の主張する無効理由は成立しません。(口頭審理陳述要領書(2)第5~6頁)
(ア-2-4)
第1に、請求人は、【0093】~【0095】段落を引用し、割り当てられた電話番号が「最後に」表示されたのがいつかを記録することは、割り当てられた電話番号が最初の1回(割り当てられた時)だけでなく、その後も繰り返し表示(送出)可能であることを示していると主張しています。
しかしながら、【0095】段落には、「システムは割り当てられた電話番号がそれぞれ最後に表示されたのはいつかを記録する。」と記載されているだけであり、当該番号が「一定期間」(構成要件1F)内に送出されたものであるかについては何ら記載がありません。請求人の指摘する、その他の記載についても同様です。
そのため、例えば、利用者(ユーザ)Aの要求により電話番号がウェブページに表示されてから一定期間が経過し、当該電話番号がプールに戻った後に、再び利用者(ユーザ)Bおよび利用者(ユーザ)Cの要求により当該電話番号が表示されることも考えられます。
甲第1号証の【0093】~【0095】段落は、このような場合に、利用者(ユーザ)Cの要求により電話番号が表示されたのがいつかを記録することを述べていると理解できるものであり、当該段落を根拠に、「一定期間」の進行中、識別情報が「送出可能な状態」であることが開示されているということはできません。(口頭審理陳述要領書(2)第6頁)
(ア-2-5)
第2に、請求人は、【0109】段落を引用し、日刊新聞に広告を掲載する旅行代理店に電話番号が割り当てられ、当該電話番号が所定期間(例えば1日間)変わらない、という例が開示されていることをもって、割り当てられた電話番号が最初の1回(割り当てられた時)だけでなく、その後も繰り返し表示(送出)可能であることを示していると主張しています。
しかしながら、請求人が引用する【0109】段落には、「例えば日刊新聞は、特別な『本日のお買い得品』を有する5つの旅行代理店のトラッキング可能な電話番号を掲載することがある。この場合、電話番号は少なくとも1日間は変わるべきではないが、その後は再利用プロセスに入ることができる。」と記載されているのみであり、一定期間(例えば1日間)変わらない電話番号が、当該期間中、利用者(ユーザ)のアクセスによって情報管理サーバから広告提供サーバに向けて都度送出され得るのかどうかについて記載されているということはできません。(口頭審理陳述要領書(2)第7頁)
(ア-3)「3時間以内の一定期間」という発明特定事項について
(ア-3-1)
甲第1号証の場合には、当該期間は、[0080]段落及び[0109]段落の記載によれば、少なくとも1日以上であることが記載されており、両発明は、構成が全く異なるから同一ではない。(平成31年2月22日付け上申書第1~2頁)
(ア-3-2)
甲第1号証の[0094]段落~[0109]段落には、電話番号のリサイクルに関する説明が記載されている。これらの段落の記載によれば、甲第1号証に記載された発明は、電話番号を過剰にリサイクルすることを回避するという思想の発明であることがわかる。
これに対して、訂正後の請求項1に係る発明は、3時間以内の一定期間(当該期間は、例えば3時間でも1時間でも10分でもよいし、極端にいえば1分でもよい)が満了すると、前記識別情報を前記ウェブサーバに向けて送出可能な状態から送出不可能な状態へと変化させるものであり、電話番号を過剰にリサイクルすることを許容する発明である。
以上のとおり、訂正後の請求項1に係る発明は、識別情報(電話番号)の過剰リサイクルを回避するか否かという点において、甲第1号証の発明とは技術思想が相違している。甲第1号証の一定期間を「3時間以内」に短縮する動機付けは存在しないし、当該期間を「3時間以内」に短縮することについては障害もある。(平成31年2月22日付け上申書第2頁)
(イ)構成要件1C~1Eについて
(イ-1)
構成要件1C~1Eについては、特に反論がありません。(口頭審理陳述要領書第5頁)
(イ-2)
平成30年7月2日付け審理事項通知書の(C-1(B))において合議体が指摘した事項について、被請求人は、ご指摘の点については、構成1Cの「送出不可能な状態」の解釈を巡り、関連特許侵害訴訟においてすでに争われており、裁判所(東京地方裁判所民事40部)では、貴審と異なる解釈を採用しております。
すなわち、同裁判所では、上記構成要件の「送出不可能な状態」とは「識別情報がウェブサーバに送出され得ない状態」のことであり、この状態には「識別情報が接続可能であるものの、ウェブサーバに送出されない状態となっている場合」(本件明細書の図10の「非公開期間T2」)のほか、「電話番号が架電先の電話器に接続される状態になく、ウェブサーバに送出されない状態となっている場合」も含まれると解釈されています。以下、当該解釈の根拠を述べます。
第1に、図10では、「非公開期間T2」(識別情報が接続可能であるものの、ウェブサーバに送出されない状態となっている時間)をゼロと設定することも可能です(本件明細書の【0099】および【0104】段落参照・当該各段落ではT2は任意の時間または期間に設定できると記載されており、したがってゼロ時間と設定することも可能です。)。「非公開期間T2」がゼロである場合というのは、すなわち、「識別情報が接続可能であるものの、ウェブサーバに送出されない状態となっている時間」が存在せずに、「送出可能な状態」から「電話番号が架電先の電話器に接続される状態になく、ウェブサーバに送出されない状態」へと変化する場合のことにほかなりません。
第2に、本件明細書の【0072】、【0073】、【0075】~【0077】段落に基づいて、【0077】段落では、送出状態情報が、送出不可能な状態を示す”0”の場合には、接続状態情報17bが”1”の場合と”0”の場合とがあると記載されています。接続状態情報17bが”1”の場合が「識別情報が接続可能であるものの、ウェブサーバに送出されない状態となっている場合」のことであり、”0”の場合が「電話番号が架電先の電話器に接続される状態にない場合」(【0076】段落)のことです。
なお、上記については、関連特許侵害訴訟における被請求人の主張と矛盾する主張をすることを回避するため、予備的な主張を述べる予定はありません。(口頭審理陳述要領書第12~13頁)
(イ-3)
請求人は、請求人提出の平成30年7月20日付け口頭審理陳述要領書6頁において、本件請求項1の1Cに関し、送出不可能な状態かつ第1の架電先の電話器に接続される状態である期間が存在する旨が明確でないから、サポート要件違反及び明確性要件違反が存在すると述べています。
しかし、請求人の主張するサポート要件違反の主張が成り立たないことについては、被請求人提出の平成30年7月19日付け口頭審理陳述要領書11頁以下で述べたところから明白です。
明確性要件違反についても、1Cの「送出不可能な状態」が「識別情報がウェブサーバに送出され得ない状態」を意味することが文言上明確ですから、成り立つ余地がありません。
なお、請求人は、関連特許侵害差止等請求事件(東京地方裁判所平成28年(ワ)第16912号)において、上記の無効理由のうちサポート要件違反の無効理由について同様の主張(T2がゼロ時間である態様を含むのであればサポート要件を満たさない旨の主張)をしていますが、裁判所(東京地方裁判所民事40部)は当該主張を排斥し、本件特許発明に無効理由は存しないとの心証を開示していることを申し添えます。(口頭審理陳述要領書(2)第7~8頁)
(2-3)本件特許発明2及び3について
本件特許発明1において主張した相違点1~2が、そのまま、本件特許発明2及び3の場合においてもあてはまる。(答弁書第11頁)
(2-4)訂正後の請求項4(本件特許発明2)について
訂正後の請求項4に係る発明は、「個人が自身のウェブページやブログ等に広告情報を掲載する場合にその個人ページや個人ブログごとに割り当てられたIDを含む管理情報を、当該個人ページや個人ブログを構築するウェブサーバから取得する機能」という構成要件を備えているのに対して、甲第1号証の場合には、当該構成要件に関する記載は皆無であるし、その示唆もない。(平成31年2月22日付け上申書第2~3頁)
第6.当審の判断
1.甲第1号証の記載事項と引用発明(なお、下線部は当審にて付与した。)
(1)甲第1号証の記載事項
(ア)「SUMMARY OF THE INVENTION
[0006] In one embodiment, a method and apparatus to provide pay-per-call performance based advertising is provided. In the method, a telephone number is dynamically allocated to an advertisement on a just-in-time basis and, if the telephone number is not displayed or called for predefined periods of time, then the telephone number is unallocated and recycled. 」([0006])
(仮訳:発明の要旨
一実施形態では、ペイ・パー・コールの実績型広告を提供するための方法及び装置が提供される。当該方法では、電話番号は、ジャスト・イン・タイム方式で広告に動的に割り当てられ、所定期間、電話番号が表示されない又は架電されないと、そのとき当該電話番号は、割り当て解除されて、再利用される。)
(イ)「[0030] FIG. 3 of the drawings illustrates a technique to establish the non-web based communications path 22 of FIG. 2, in accordance with one embodiment. Referring to FIG. 3, at block 26, a unique telephone number is assigned to an advertiser 16. Thereafter, at block 28, an advertisement associated with the advertiser 16 is provisioned or published on a publication or media channel on behalf of the advertiser. The advertisement includes either the unique telephone number, or a reference to the unique telephone number. At block 30, telephone calls to the unique telephone number are monitored, as will be described. At block 32, the advertiser is charged based on the phone call activity through the assigned telephone number, as will be described.
[0031] FIG. 4 of the drawings shows a functional description of a system to implement the method of FIG. 3 is shown. Referring to FIG. 4 , the system includes account creation and management module 34, advertisement publication module 36, call handling module 38, and billing module 40. In alternative embodiments, additional, less, or different modules may be included in the system without departing from the invention.
[0032] The components of the account creation and management module 34, in accordance with one embodiment, are shown in more detail in FIG. 5 of the drawings. Referring to FIG. 5, it will be seen that the account creation and management module 34 includes a user interface module 44, an advertisement creation module 46, and a payment specification module 48. The user interface module 44 includes logic to present information to a user, and to receive information from the user. For example, in one embodiment, the user interface module 44 causes a web page such as the web page 112 of FIG. 8 to be displayed on a browser of a client.
[0033] The advertisement creation module 46 includes text creation logic 50. The purpose of text creation logic 50 is to allow an advertiser 16, or an agent working on behalf of an advertiser 16, to input text for an advertisement which is ultimately created by the advertisement creation module 46. In order to enhance understanding of the present invention, for the remainder of this description, a local business enterprise called "Burt's Plumbing" will be used as an example of an advertiser that may benefit from the techniques disclosed herein. Burt's Plumbing may or not have direct connectivity to the network 14. If Burt's Plumbing does not have direct connectivity to the network 14, then a representative of Burt's Plumbing (hereinafter "Burt") will have to gain access to a computer that does have connectivity to the network 14 in order to view the web page 112 of FIG. 8A. For example, Burt could use a computer of a friend, a computer at a local library, etc. In another embodiment, a search operator, an Internet yellow page provider or other type of publisher could perform or administer this activity on behalf of Burt. The text creation logic 50 allows Burt to input for e.g. the text "Burt's Plumbing in San Francisco. Check out our special deals," which will be included in the advertisement when it is rendered. The module 46 also includes key word association logic 57 that allows Burt to input certain key words which are then associated with Burt's advertisement. The idea here is that when one of the clients 10 initiates a search through the search engine 19 using a key word that matches one of the key words entered by Burt, then Burt's advertisement will be displayed within a result of the search. Since Burt's Plumbing is not a national operation or enterprise it is necessary to display Burt's advertisement to clients within a certain geographic area. Thus, the module 46 includes location determination logic 54 that builds a geographic location association to Burt's advertisement. In one embodiment, the location determination logic 54 allows Burt to select a particular geographic location of interest, say for example San Francisco, so that Burt's advertisement will only be displayed to clients within the San Francisco area.
[0034] The module 46 also includes telephone number auto generation logic 56 that automatically generates a unique telephone number, maps the unique telephone number to Burt's actual telephone number such that when the unique number is called, Bert's phone rings, and associates the unique phone number with Burt's advertisement. In one embodiment, the telephone number that is automatically generated, may be a toll free number. In one embodiment, the telephone number may be a local number with the same area code as Burt's actual telephone number. In one embodiment, the telephone number may be an easily recognizable 800 number, modified by a unique extension mapped to Burt's business telephone number. For example, in one embodiment, a number could be the number 1-800-YEL-PAGES-1234. The 1234 portion of the 800 number is the unique extension that is mapped to Burt's telephone number so that when a searcher calls the number 1-800-YEL-PAGES-1234, the call will be automatically routed to Burt's telephone as will be described in more detail below.
[0035] In one embodiment, the advertisement creation module 46, automatically inserts the unique telephone number assigned to Burt directly into Burt's advertisement. Alternatively, click to call logic 58 may be invoked in order to generate a button, or a clickable telephone number, which is automatically inserted into Burt's advertisement, so that when the button or telephone number is selected or clicked by a user operating a client 10, a telephone call is automatically initiated to Burt's telephone number.」 ([0030]~[0035])
(仮訳:[0030]図3は、一実施形態による、図2の非ウェブベースの通信経路22を確立するための技術を示す。図3を参照すると、ブロック26で、固有の電話番号が広告主16に割り当てられる。その後、ブロック28で、広告主16に関連する広告が、広告主のために、発行又は媒体チャネル上に供給又は発行される。広告は、固有の電話番号又は固有の電話番号への参照を含む。ブロック30で、後で説明するように、この固有の電話番号への架電が監視される。ブロック32で、広告主は、後で説明するように、割り当てられた電話番号への架電活動に基づいて請求される。
[0031]図4は、図3の方法を実行するためのシステムの機能的記載を示す。図4を参照すると、システムは、アカウント生成・管理モジュール34、広告発行モジュール36、架電処理モジュール38、及び請求モジュール40を含む。別の実施形態では、発明から逸脱せずに、追加の、より少ない、又は異なるモジュールがシステムに含まれてもよい。
[0032]一実施形態による、アカウント生成・管理モジュール34の構成要素を、図5により詳細に示す。図5を参照すると、アカウント生成・管理モジュール34は、ユーザインターフェースモジュール44、広告作成モジュール46、支払規定モジュール48を含むことがわかるであろう。ユーザインターフェースモジュール44は、ユーザに情報を提示し、ユーザから情報を受け取るためのロジックを含む。例えば、一実施形態において、ユーザインターフェースモジュール44は、ウェブページ、例えば図8のウェブページ112を顧客のブラウザに表示させる。
[0033]広告作成モジュール46はテキスト作成ロジック50を含む。テキスト作成ロジック50の目的は、広告主16、又は広告主16のために働いている代理店が、最終的には広告作成モジュール46によって作成される広告用のテキストを入力できるようにすることである。本発明の理解を深めるために、本記述の残りにおいて、ここで開示される技術から恩恵を受ける広告主の例として、「バート配管」と呼ばれる地方企業が用いられる。バート配管は、ネットワーク14に直接接続できても、できなくてもよい。バート配管がネットワーク14に直接接続できない場合は、バート配管の代表者(以下、「バート」とする)は、図8Aのウェブページ112を閲覧するために、ネットワーク14に接続可能なコンピュータへのアクセス権を取得しなければならない。例えば、バートは、友人のコンピュータ、地域の図書館にあるコンピュータなどを使うことができる。別の実施形態において、検索オペレータ、インターネットの電話帳プロバイダ又は他のタイプの発行者が、バートに代わってこの活動を実施又は管理することができる。テキスト作成ロジック50によって、例えば「サンフランシスコのバート配管です。当社の特別サービスをご覧ください」という、描画されると広告に含められるテキストをバートは入力することができる。モジュール46は、キーワード関連付けロジック57も含む。これによって、バートの広告に関連付けられるキーワードをバートは入力することができる。ここでのアイデアは、顧客10の1人が、バートにより入力されたキーワードの1つに合致するキーワードを用いて検索エンジン19を通じて検索を開始したとき、バートの広告が検索結果内に表示されるということである。バート配管は全国的な事業でも企業でもないので、バートの広告をある特定の地区内の顧客に表示することが必要である。したがって、モジュール46は、バートの広告への地理的位置の関連付けを構築する位置決定ロジック54を含む。一実施形態において、位置決定ロジック54は、対象としたいある特定の地理的位置、例えばサンフランシスコをバートに選択させる。その選択で、バートの広告はサンフランシスコ地域内の顧客にのみ表示されることになる。
[0034]モジュール46は、固有の電話番号を生成し、固有の電話番号が架電されるとバートの電話が鳴るように固有の電話番号をバートの実際の電話番号にマッピングし、固有の電話番号をバートの広告に関連づける電話番号自動生成ロジック56も含む。一実施形態において、自動生成される電話番号は無料通話番号でよい。一実施形態において、電話番号は、バートの実際の電話番号と同じ地域コードを有する市内番号でよい。一実施形態において、電話番号は、バートの事業用電話番号にマッピングされた独自の拡張によって修正された、認識しやすい800番でよい。例えば、一実施形態において、番号は、「1-800-YEL-PAGES-1234」番でよい。800番の1234の部分は、バートの電話番号にマッピングされる独自の拡張であり、そうすることによって、検索者が1-800-YEL-PAGES-1234番を架電すると、架電は、以下でより詳細に説明するように、バートの電話に自動的に転送されることになる。
[0035]一実施形態において、広告作成モジュール46は、バートに割り当てられた固有の電話番号を自動的にバートの広告に直接挿入する。或いは、バートの広告に自動的に挿入されるボタン、すなわちクリック可能な電話番号を生成するために、クリックコールロジック58を呼び出すことができ、顧客10を操作するユーザによってそのボタン又は電話番号が選択される、すなわちクリックされると、架電がバートの電話番号に対して自動的に開始される。)
「[0042] Referring now to FIG.6 of the drawings, the components of the advertisement publication module 36, are shown in greater detail. As will be seen, the module 36 includes an advertisement rendering engine 74, and an advertisement syndication engine 76. The purpose of the advertisement rendering engine 74 is to automatically render Burt's advertisement on a particular channel. In some embodiments, the advertisement rendering engine 74 causes a campaign management interface 113 (see FIG. 8B of the drawings) to be displayed to an advertiser. The interface 113 allows the advertiser to choose a channel, e.g., SBC, QwestDex, Ingenio, and a category in which the advertisement is to be provisioned/published. The interface 113 allows the advertiser to specify the maximum bid amount that the advertiser is willing to pay to provision the advertisement using the selected channel and category. FIG. 9 of the drawings shows an example of a web page 112 within which includes an advertisement rendered/provisioned in accordance with the techniques described herein. In one embodiment, this publication channel may be a web-based publication channel which is operated by an operator of the system of the present invention.
[0043] Alternatively, the syndication engine 76 may be used to syndicate Burt's advertisement to a number of third parties that host publication channels selected by Burt. Thus, in one embodiment, the syndication engine 76 may cause Burt's advertisement to be syndicated to third party search engines, Internet yellow pages, online directories, and other media.
[0044] As will be seen in FIG. 6 of the drawings, the advertisement rendering engine 74 includes price per call logic 78, activity history logic 80, call status logic 82, connection success logic 84, manual indexing logic 86, and random logic 88. Each of the logic components 78 - 88 controls a parameter that forms a basis of how Burt's advertisement is ultimately rendered. The price per call logic 78 causes Burt's advertisement to be published on a price per call basis. Thus, for example, if Burt is willing only to pay a low amount for each call, then his advertisement will be placed or ranked low down within a search result page or category of advertisers. Alternatively, if Burt is willing to pay a high price per call, then his advertisement will be placed higher up in the search result page or category of advertisers.」([0042]~[0044])
(仮訳:[0042]ここで、図6を参照すると、広告発行モジュール36の構成要素が詳細に示されている。図を見ればわかるように、モジュール36は、広告描画エンジン74と広告配給エンジン76を含む。広告描画エンジン74の目的は、バートの広告をある特定のチャネル上で自動的に描画することである。いくつかの実施形態において、広告描画エンジン74は、キャンペーン管理インターフェース113(図8Bを参照)を広告主に表示する。インターフェース113は、広告が供給/掲載されるべき、例えばSBC、QwestDex、Ingenioのチャネルとカテゴリを広告主に選択させる。インターフェース113は、選択したチャネルとカテゴリを用いて広告を供給するために支払うことを希望する最高入札金額を広告主に指定させる。図9は、本明細書で説明する技術によって描画/供給される広告を含むウェブページ112の一例を示す。一実施形態において、この掲載チャネルは、本発明のシステムのオペレータによって操作されるウェブベースの掲載チャネルでよい。
[0043]代替的に、バートによって選択された公開チャネルを提供する多くの第三者に、バートの広告を配給するために配給エンジン76が用いられてもよい。したがって、一実施形態では、配給エンジン76は、バートの広告が、第三者の検索エンジン、インターネット・イエローページ、オンラインディレクトリ、及び他の媒体に配給されることをもたらしてもよい。
[0044]図6を見ればわかるように、広告描画エンジン74は、架電単価ロジック78、活動履歴ロジック80、架電状態ロジック82、接続成功ロジック84、手動索引付けロジック86、及びランダムロジック88を含む。ロジック構成要素78~88はそれぞれ、バートの広告が最終的にどのようにして描画されるかという基礎を形成するパラメータを制御する。架電単価ロジック78は、バートの広告を架電単価に基づいて掲載する。したがって、例えば、バートが各架電に対して低い金額しか払わないことを望む場合は、この広告は、検索結果ページ又は広告主のカテゴリにおいて、低く配置される又は低く順位付けされる。或いは、バートが高い架電単価を払うことを望む場合は、バートの広告は、検索結果ページ又は広告主のカテゴリにおいて高く配置される。)
「[0054] As discussed above, the syndicate engine 76 is used to syndicate Burt's advertisement to a number of third parties. Additional examples of third parties include companies such as Yahoo!, MSN, AOL, and other similar demand partners. Often times, these demand partners (also referred to herein as syndication partners) receive a percentage of the advertising revenue generated via the pay-per-call method and system described, herein.」([0054])
(仮訳:[0054]上記のように、配給エンジン76はバートの広告を複数の第三者に配給するのに使用される。第三者の追加の例には、Yahoo!(登録商標)、MSN(登録商標)、AOL(登録商標)、及びその他の同様の要求パートナーが含まれる。多くの場合、このような要求パートナー(本明細書では配給パートナーとも呼ばれる)は、本明細書に記載のペイ・パー・コールによる方法及びシステムを介して発生した広告収入の一定割合を受け取る。)
(ウ)「[0075] In cases where directories would also like to identify the demand source of the call, a single advertiser will have to be given multiple unique phone numbers, one for each demand source where that advertiser appears. For instance, the advertisement of a single plumber might be displayed in two different online directories and three different online search engines. In order to track which of these demand sources produced a call from a customer, the single plumber would have to be assigned five different unique telephone numbers. By monitoring which unique phone number was dialed, it can be determined which demand source deserves the credit for producing the call.
[0076] A potential problem with this approach is that it can require very many unique phone numbers. A single plumber could have five different advertisements, which each could be syndicated across 100 web-site directories, resulting in the provisioning of 500 unique phone numbers just to track the call distribution of a single plumber. A directory with 100,000 advertisers would need many millions of unique phone numbers to track call distribution. Unique phone numbers, either local numbers or toll-free 1-800 numbers, can be expensive to provision. Using large quantities of them as outlined above is prohibitively expensive.
[0077] One embodiment of the present invention, therefore, provides a system to allocate and recycle telephone numbers. In one embodiment, the telephone numbers are allocated dynamically, only when they are needed. As a result, far fewer numbers are necessary. For instance, it could be that a particular plumber's advertisement for "industrial shower heads" might never be displayed at a certain search engine website. It would therefore be wasteful to allocate a unique phone number for that advertisement at that website. Only if a customer searches for "industrial shower heads" at that particular website should the system, dynamically, at that moment, allocate a unique phone number. This way, numbers would only be allocated when they are needed, and waste would be reduced.
[0078] In addition, one embodiment of the present invention recycles numbers, thereby further reducing the total amount of numbers needed. For example, if a certain amount of time has passed since a unique number has been displayed, the system may automatically consider the number "clean" and recycle it, placing it back into the pool of numbers. Similarly, if a certain amount of time has passed since a unique number has been called, the system may automatically consider the number "clean" and recycle it, placing it back into the pool of numbers. Using these and other parameters, one embodiment of the present invention conserves and recycles unique telephone numbers, requiring less telephone numbers and potentially reducing cost.
[0079] FIG. 19 provides a flow diagram describing the processes of allocating telephone numbers in accordance with one embodiment. Referring to FIG. 19, in process 1902 a telephone number is dynamically allocated to an advertisement on a just-in-time basis. For example, the telephone number is allocated in response to an end-user search submitted to a demand partner that would call for a particular advertiser's telephone number to be displayed. In one embodiment, a pool of unallocated telephone numbers is maintained. An unallocated telephone number is a telephone number that is not preassigned or linked in any way to a particular advertisement, advertiser, or demand partner. The process 1902 is performed by selecting a telephone number from the pool of unallocated telephone numbers and allocating the selected telephone number to the advertisement on a just-in-time basis. By use of the term "just-in-time basis" it is meant that the telephone number remains in the pool of unallocated telephone numbers and gets assigned or allocated to a particular advertisement just before a customer is about to view an advertisement that would include the telephone number. 」
[0080] In process 1904, if the telephone number that was allocated to the advertisement is not called for a predefined period of time, then the telephone number is unallocated and recycled into the pool of unallocated telephone numbers. For example, in one embodiment, the predefined period may be a fixed number of days. If no telephone call is made to the telephone number, then the telephone number gets unallocated.
[0081] In reference to FIG. 19, if the allocated telephone number does get called within the predefined time period, then the telephone number is correlated with the advertisement/advertiser to which it was allocated. Once the telephone call using the allocated telephone number is made, then the allocated telephone number is assigned to the advertiser associated with the advertisement (herein after the “associated advertisement”). Otherwise, if the allocated telephone number is not called, then the number remains free, and may be used for all demand partners.
[0082] In one embodiment, if the advertisement served by a demand partner results in a query, but no telephone call, then the dynamically allocated telephone number is associated with the advertisement for a predefined period of time. If the dynamically allocated telephone number is called within that predefined period of time, then the telephone number is associated with the advertisement for a longer period of time. 」([0075]~[0082])
(仮訳:[0075]ディレクトリが架電の要求ソースを特定することも希望するケースでは、1つの広告主に、それぞれがその広告主が現れる各要求ソースのためのものである複数の固有の電話番号が与えられる必要がある。例えば1人の配管工の広告は、2つの異なるオンラインディレクトリ及び3つの異なるオンライン検索エンジンに表示される場合がある。これらの要求ソースのうちのどれが顧客からの架電を生成したかをトラッキングするために、1人の配管工に5つの異なる固有の電話番号が割り当てられる必要がある。どの固有の電話番号がダイアルされたかを監視することにより、架電の生成がどの要求ソースの成果であるかを決定することができる。
[0076]このアプローチの潜在的な問題は、非常に多くの固有の電話番号が必要になる可能性があることである。1人の配管工が5つの異なる広告を有し、それぞれが100個のウェブサイトディレクトリに配給された場合、結果として単に1人の配管工の架電分散をトラッキングするために500個もの固有の電話番号が提供されることになる。10万の広告主を有するディレクトリには、架電分散をトラッキングするのに何百万個もの固有の電話番号が必要となる。固有の電話番号は、市内番号であれフリーダイアルの1-800番であれ、提供するのに費用がかかる可能性が高い。上記のように大量に使用することは法外に費用がかかる。
[0077]したがって、本発明の一実施形態は、電話番号の割り当て及び再利用を行うためのシステムを提供する。一実施形態において、電話番号は、必要とされる場合のみ動的に割り当てられる。結果として、必要な番号の数はかなり少なくなる。例えば、「工業用シャワーヘッド」のための特定の配管工の広告は、ある検索エンジンのウェブサイトでは一度も表示されないかもしれない。したがって、そのウェブサイトのその広告に固有の電話番号を割り当てることは無駄である。顧客がその特定のウェブサイトで「工業用シャワーヘッド」を検索する場合のみ、システムは、その瞬間に固有の電話番号を動的に割り当てるほうがよい。このように、番号は必要なときのみ割り当てられ、無駄が削減される。
[0078]また、本発明の一実施形態は番号を再利用することによって、必要とされる番号の総数を更に減らす。例えば、固有の番号が表示されてからある一定時間が経過した場合、システムは自動的にその番号を「クリーン」と見なして再利用し、番号のプールに戻すことができる。同様に、固有の番号が架電されてからある一定時間が経過した場合、システムは自動的にその番号を「クリーン」と見なして再利用し、番号のプールに戻すことができる。このようなパラメータ及びその他のパラメータを使用することで、本発明の一実施形態は固有の電話番号を節約及び再利用するため、必要な電話番号が少なくてすみ、コスト削減を可能にする。
[0079]図19は、一実施形態による電話番号を割り当てるプロセスを説明するフロー図を提供する。図19を参照すると、プロセス1902において、電話番号がジャスト・イン・タイム方式で広告に動的に割り当てられる。例えば電話番号は、ある特定の広告主の電話番号が表示されることを要求するエンドユーザの検索が要求パートナーに提出されることに応答して割り当てられる。一実施形態において、未割り当ての電話番号のプールが保持される。未割り当ての電話番号とは、決して特定の広告、広告主、又は要求パートナーに前もって割り当てられたり、関連付けられたりしていない電話番号である。プロセス1902は、未割り当ての電話番号のプールから電話番号を選択し、選択した電話番号を広告にジャスト・イン・タイム方式で割り当てることにより実行される。「ジャスト・イン・タイム方式」という言葉を使用することで、電話番号は未割り当ての電話番号のプール内にあり、顧客が電話番号を含む広告を見ようとする直前に特定の広告に割り振られる又は割り当てられることを意味する。
[0080]プロセス1904において、広告に割り当てられた電話番号が所定期間架電されない場合は、その電話番号は割り当て解除され、未割り当ての電話番号のプールにリサイクルされる。例えば一実施形態において、所定期間は固定日数でよい。その電話番号に架電が行われない場合は、その電話番号は割り当て解除される。
[0081]図19に関連して、割り当てられた電話番号が所定期間内に架電された場合は、その電話番号は割り当てられた広告/広告主と関連付けられる。割り当てられた電話番号を使用した架電が行われると、割り当てられた電話番号は広告に関連付けられた(以下「関連付けられた広告」)広告主に割り振られる。そうではなく、割り当てられた電話番号が架電されない場合は、番号は自由なままで、全ての要求パートナーに使用可能である。
[0082]一実施形態において、要求パートナーが提供する広告は問い合わせをもたらすが架電がない場合は、動的に割り当てられた電話番号は所定期間その広告に関連付けられる。動的に割り当てられた電話番号が所定期間内に架電された場合は、その電話番号はより長い期間その広告に関連付けられる。)
(エ)「[0093] In order to reduce the unique telephone numbers it must allocate, the advertising company uses the present invention to dynamically allocate and recycle unique telephone numbers. In the case of the Kansas City dentists, it does not allocate all 10,000 combinations to begin with. Instead, it only allocates a unique telephone number at the moment a search is done for Kansas City dentists at a particular website. The dynamic, "just in time" allocation, prevents the wasteful allocation of numbers to advertisements that may never be summoned and displayed. 」([0093])
(仮訳:[0093]割り当てる必要のある固有の電話番号を減らすために、広告会社は、本発明を使用して固有の電話番号を動的に割り当て、再利用する。カンザスシティの歯科医のケースにおいて、広告会社は、最初に10,000個の組み合わせの全てを割り当てるわけではない。その代わりに、特定のウェブサイトでカンザスシティの歯科医の検索が行われた瞬間に固有の電話番号を1つだけ割り当てる。動的な「ジャスト・イン・タイム」の割り当てによって、架電及び表示が行われないかもしれない広告への無駄な番号の割り当てを防ぐ。)
(オ)「[0094] Recycling Allocated Telephone Numbers
[0095] In one embodiment, a system records that a particular advertiser's advertisement was displayed at a certain time at a particular website with a particular unique telephone number. As more and more advertisements are displayed at different websites, in one embodiment the system keeps track of when each of the allocated telephone numbers were respectively last displayed.
[0096] FIG. 22 presents a flow diagram describing one embodiment of recycling telephone numbers. In one embodiment, in process 2202 an active “display queue”of telephone numbers is maintained. The active display queue lists the telephone numbers according to the time they have been displayed from “youngest”(displayed recently) to “oldest” (displayed longer ago).
[0097] When, for instance, an advertiser's advertising is displayed at a particular website and a unique telephone number is required, in process 2204 a telephone is selected from the “oldest” end of the display queue, or a telephone number that has not relatively recently been displayed. Since presumably there is a finite pool of numbers it could be that the phone number that is picked has been used before. But since it is the “oldest” number#displayed perhaps five weeks ago, there is a greater probability that this number will not be confused with the advertisement it was displayed with in the past. In this way, telephone numbers are recycled based on the time of last display to reduce potential confusion.
[0098] In one embodiment, in process 2206 the system determines if the selected telephone number was recently displayed within a predefined period of time. For instance, the system can check whether a telephone number was displayed in a different context within, for example, in the last 24 hours. If the selected telephone number was displayed within the predefined period of time, in process 2208 then the number pool is in danger of over-recycling and the selected telephone number is not allocated at that time.
[0099] If the system determines the selected telephone number was not displayed within the predefined period of time, in one embodiment, in process 2210 the system proceeds to determine whether the selected telephone phone number was recently called within a predefined period of time. For example, if a telephone number was displayed on a dentist's advertisement three months ago, but last called yesterday, it could introduce confusion if the number is reallocated to a plumber today.
[0100] If the system determines that the selected telephone number has not been displayed within a predefined period of time (e.g., 24 hours) and has not been called within a second predefined period of time (e.g., the last 30 days), in process 2212 the system deems the selected telephone number to be safe, and the selected telephone number is allocated to be displayed in a new context.」
」([0094]~[0100])
(仮訳:[0094]割り当てられた電話番号の再利用
[0095]一実施形態において、ある特定の広告主の広告がある時間にある特定のウェブサイトにある特定の固有の電話番号と共に表示されたことをシステムが記録する。ますます多くの広告が異なるウェブサイトに表示されるため、一実施形態において、システムは割り当てられた電話番号がそれぞれ最後に表示されたのはいつかを記録する。
[0096]図22は、電話番号を再利用する一実施形態を説明するフロー図を示す。一実施形態では、プロセス2202において、電話番号のアクティブな「表示キュー」が保持される。アクティブな表示キューは、表示された時間に従って(最近表示された)「最も若いもの」から(以前に表示された)「最も古いもの」の順に電話番号を掲載する。
[0097]例えばある広告主の広告がある特定のウェブサイトに表示され、固有の電話番号が必要とされる場合、プロセス2204において、電話が表示キューの「最も古い」方の側から、すなわち比較的最近表示されたものではない電話番号が選択される。番号のプールは有限であると推定されるため、選ばれる電話番号は以前に使用されたことがあるということがあり得る。しかし、その電話番号は、恐らく5週間前に表示された「最も古い」番号であるため、この番号が過去に表示された広告のものと混同されない確率が高い。このように、電話番号は最後の表示時間に基づいて再利用され、混同の可能性が減少する。
[0098]一実施形態では、プロセス2206において、システムは、選択された電話番号は所定期間内で最近表示されたかどうかを判定する。例えばシステムは、電話番号が例えば直近の24時間内に異なるコンテキストで表示されたかどうかをチェックすることができる。選択された電話番号が所定期間内に表示されていた場合は、プロセス2208において、番号プールは過剰再利用の危険にさらされており、選択された電話番号はそのとき割り当てられない。
[0099]選択された電話番号が所定期間内に表示されなかったとシステムが判定した場合、一実施形態では、プロセス2210において、システムは選択された電話番号が所定期間内で最近架電されたかどうかを判定することに進む。例えばある電話番号がある歯科医の広告に3か月前に表示されたが、最後の架電が昨日であった場合、その番号が今日配管工に再割り当てされれば混乱を招くことが考えられる。
[0100]選択された電話番号は所定期間(例えば24時間)内に表示されず、第2の所定期間(例えば直近の30日)内に架電されなかったとシステムが判定した場合、プロセス2212において、システムは選択された電話番号を安全と見なし、選択された電話番号を新しいコンテキストに表示されるよう割り当てる。)
「[0107] In one embodiment, the system is also able to maintain separate pools of unique numbers based on a variety of factors. FIG. 24 presents a flow diagram describing the processes of maintaining the separate pools of unique telephone numbers in accordance with one embodiment. In process 2402, the system maintains different pools of telephone numbers corresponding to different partner syndicates. For instance, one large syndicate may request that none of its numbers ever be recycled to mix with a rival syndicate. In process 2404, the system maintains different pools of telephone numbers corresponding to different categories of advertisers. For example, the system may maintain separate telephone number pools for democratic and republican causes to reduce chances that callers will be connected by mistake to the other party.
[0108] In process 2406, in one embodiment, the system provides select advertisers, or groups of advertisers, with firm numbers that do not get recycled. Some advertisers, for instance, do not want their number to ever change or be recycled, and the system can omit these advertisers from the recycling procedures, to provide them with constant telephone numbers.
[0109] Similarly, in process 2408, in one embodiment, the system provides selected advertisers or groups of advertisers with specific telephone numbers for a specified duration of time. Afterwards, the telephone numbers may be recycled. For instance, a daily newspaper might publish the trackable phone numbers of the five travel agents who have special “deals of the day.” In this case, the phone numbers should not change for the duration of at least one day, after which they could then enter the recycling process. 」([0107]~[0109])
(仮訳:[0107]一実施形態において、システムは、様々な要因に基づく固有の番号の別個のプールを保持することもできる。図24は、一実施形態による固有の電話番号の別個のプールを保持するプロセスを説明するフロー図を示す。プロセス2402において、システムは、異なる配給パートナーに対応する異なる電話番号のプールを保持する。例えば1つの大きい配給者が、番号が再利用されて競合配給者と混同されないよう要求することができる。プロセス2404において、システムは、異なる広告主のカテゴリに対応する異なる電話番号のプールを保持する。例えばシステムは、民主党員用及び共和党員用に別個の電話番号プールを保持し、架電者が間違って他党に接続される可能性を低くすることができる。
[0108]プロセス2406において、一実施形態では、システムは選択広告主又は広告主群に再利用されない安定した番号を提供する。例えば、番号が変わる又は再利用されることを望まない広告主もおり、システムは、このような広告主を再利用手順から削除して不変の電話番号を提供することができる。
[0109]同様に、プロセス2408において、一実施形態では、システムは選択された広告主又は広告主群に特定の期間特定の電話番号を提供する。その後、電話番号は再利用されてよい。例えば日刊新聞は、特別な「本日のお買い得品」を有する5つの旅行代理店のトラッキング可能な電話番号を掲載することがある。この場合、電話番号は少なくとも1日間は変わるべきではないが、その後は再利用プロセスに入ることができる。)
(カ)「1 . A method, comprising:
allocating a telephone number to an advertisement; and if the telephone number is not called for a predefined period of time, unallocating the telephone number to make the telephone number available to be assigned to a second advertisement. 」(特許請求の範囲1)
(仮訳:1.方法であって、
広告に電話番号を割り当てることと、
前記電話番号が所定期間架電されないと、前記電話番号を第2の広告に割り当て可能とするために、前記電話番号を割り当て解除することと、
を含む方法。)
(2)引用発明の認定
(2-1)
(ア)上記(1)の(ア)及び(イ)によれば、甲第1号証には、「固有の電話番号を節約及び再利用することができるペイ・パー・コールの実績型広告を提供するための方法」が記載されており、さらに、この方法を実行するシステムは、「アカウント生成・管理モジュール34」、「広告発行モジュール36」等を含み、さらに、この「アカウント生成・管理モジュール34」は、「広告作成モジュール46」を含み、また、「広告発行モジュール36」は、「広告描画エンジン74」と「広告配給エンジン76」とを含むものである。
(イ)上記(1)の(イ)によれば、(ア)で上述したシステムの「広告作成モジュール46」は、広告主に割り当てられた固有の電話番号を自動的に広告主の広告に直接挿入するものであり、検索エンジン19を通じたキーワード検索が開始された際、広告主の広告が検索結果内に表示されるようにするためのキーワードを入力することができるようにするための「キーワード関連付けロジック57」と、固有の電話番号を生成し、固有の電話番号が架電されると広告主の電話が鳴るように固有の電話番号を広告主の実際の電話番号にマッピングし、固有の電話番号を広告主の広告に関連づける「電話番号自動生成ロジック56」を含むものである。
(ウ)上記(1)の(イ)によれば、(ア)で上述したシステムの「広告発行モジュール36」は、「広告描画エンジン74」と「広告配給エンジン76」を含み、図9に図示された「描画/供給される広告を含むウェブページ112の一例」に関連して、この「広告描画エンジン74」が「バートの広告を特定のチャネル上で自動的に描画」し([0042])、また、「バートの広告が最終的にどのようにして描画されるかという基礎を形成するパラメータを制御」する([0044])旨、この「広告描画エンジン74」が含む「架電単価ロジック78」が「バートの広告を架電単価に基づいて掲載する」旨([0044])、「広告発行モジュール36」の「配給エンジン76」を「代替的に」用いて、発生した広告収入の一定割合を受け取る要求パートナー(Yahoo!、MSN、AOL等([0054])である「第三者」の「検索エンジン」のような「公開チャネル」に「配給する」旨([0043])が記載されている。
(エ)上記(1)の(ウ)の[0077][0079]によれば、電話番号が必要なときのみ割り当てられることによって無駄が削減されるのであり、図19に関連して、「未割り当ての電話番号のプールが保持」され、プロセス1902において、この「未割り当ての電話番号のプールから電話番号を選択」し、選択した電話番号を広告に「ジャスト・イン・タイム方式」で「割り当て」ることが記載されている。この「ジャスト・イン・タイム方式」とは、未割り当ての電話番号のプール内にある電話番号が、顧客が広告を見ようとする「直前に動的に」特定の広告に割り振られ又は割り当てられることである。
そして、[0079]には、「電話番号」が「ジャスト・イン・タイム方式」で「広告に動的に割り当てられ」、例えば、「ある特定の広告主の電話番号が表示されることを要求するエンドユーザの検索」が「要求パートナーに提出」されることに「応答して割り当てられる」旨が記載されている。
ここで、「エンドユーザの検索」とは、エンドユーザから「要求パートナー」である検索エンジン19に対する検索要求のことであるところ、この「エンドユーザの検索」が「ある特定の広告主の電話番号が表示されることを要求する」ものであるとは、(イ)で上述したシステムの「広告作成モジュール36」及びそれに含まれる「キーワード関連付けロジック57」の機能によってキーワードがある特定の広告主の広告と関連付けられ、かつ、固有の電話番号が広告主の広告と関連付けられていることを前提として、エンドユーザから要求パートナーである検索エンジン19への検索要求によって、検索エンジン19のホームページにおいてその検索要求におけるキーワードに基づいて検索エンジンが表示するキーワード検索の検索結果のページが表示されるとともに、そのキーワードと関連付けがなされた特定の広告主の広告が「検索結果内」((イ)[0033])、つまり、検索結果のページ内に表示され、その際に表示される広告は、その特定の広告主に割り当てられた電話番号が自動的に挿入されたものであることを示している。
また、「電話番号」が「ジャスト・イン・タイム方式」で「広告に動的に割り当てられ」ることの例示として「検索」が「要求パートナーに提出」されることに「応答して割り当てられる」ことが示されているから、エンドユーザから検索エンジン19に対する検索要求に応答してエンドユーザに表示されることになる電話番号は、「ジャスト・イン・タイム方式」で、つまり、表示される「直前に動的に」未割り当ての電話番号のプール内にある電話番号が特定の広告主に割り当てられたものである。
つまり、[0079]の記載は、キーワードがある特定の広告主の広告と関連付けられ、かつ、固有の電話番号が広告主の広告と関連付けられていることを示す甲第1号証における文脈を踏まえれば、エンドユーザから要求パートナーの検索エンジンに対する検索要求がなされ、その検索要求に対する検索結果が表示されるとともに、「ジャスト・イン・タイム方式」で、未割り当ての電話番号のプール内にある電話番号の中から「固有の電話番号」となる電話番号が検索要求におけるキーワードと関連付けがなされた特定の広告主の広告に割り当てられてその広告に自動的に挿入され、そのように「固有の電話番号」が挿入された広告が、検索結果のページ内に表示されることを示すものとなっている。
(オ)上記(1)の(ウ)の[0078]、[0080]~[0082]によれば、「番号」の「再利用」、つまり、「ある一定時間が経過した場合」に「システム」が「自動的にその番号を「クリーン」と見なして再利用し、番号のプールに戻す」ことによって「必要とされる番号の総数」を更に減らして無駄が削減されるところ、[0078]には、そのような再利用の例として、「固有の番号が表示されてからある一定期間が経過した場合」に再利用する例と、「固有の番号が架電されてからある一定期間が経過した場合」に再利用する例の2つが例示されている。そして、[0080][0081]は、図19のプロセス1904に関連して、「広告に割り当てられた電話番号」が「所定期間架電されない場合」に「その電話番号は割り当て解除され、未割り当ての電話番号のプールにリサイクルされる」ことや割り当てられた電話番号が架電によって広告に関連付けられた広告主に割り当て(assign)られること等を記載しているところ、これらの記載は、2つの例示のいずれとも整合している。
これに対し、[0082]には、「問合せをもたらすが架電がない場合」について「動的に割り当てられた電話番号」が「所定期間その広告に関連づけられる」旨の記載がある。この[0082]の記載は、「架電がない」のであるから、[0078]の2つの例示のうちの「架電」の存在を前提とした「固有の番号が架電されてから」の「ある一定期間」が経過した場合の再利用について記載したものと解することができない。そして、「番号」の「再利用」について示した[0078]、[0080]~[0082]において、「再利用」するまでの「ある一定期間」について[0080]に示された上述した2つの例示以外の例示は見当たらない。これらを踏まえると、[0082]の上記の記載は、「架電」の存在を前提としていない「固有の番号が表示されてから」の「ある一定期間」が経過した場合の再利用についての記載と解さざるを得ない。
してみると、[0078]、[0080]~[0082]には、番号の再利用に係る内容が記載されているところ、[0078]と[0082]においては、「固有の番号」が「表示されてからある一定期間」が経過した場合に「再利用」されて番号のプールに戻され、また、「問合せをもたらすが架電がない場合」には、この「固有の番号」が「表示されてからある一定期間」が経過するまでの「所定期間」の間、「動的に割り当てられた電話番号」が「その広告に関連付けられる」旨が示されているものである。
(カ)上記(1)の(オ)の[0095]~[0100]、[0109]によれば、システムは、「ある特定の広告がある時間にある特定のウェブサイトにある特定の固有の電話番号と共に表示されたこと」を記録し、一実施形態において、システムは、「割り当てられた電話番号がそれぞれ最後に表示されたのはいつか」を記録する。
また、この「電話番号」についての「最後の表示時間」の情報は、「再利用」にあたって、以前に使用された番号の中で「最も古い」番号から再利用を行うことで、過去の広告に表示されたものとの混同の可能性を減少させるため[0097]や、「電話番号が例えば直近の24時間内に異なるコンテキストで表示されたかどうかをチェックする」等により「選択された電話番号」が「所定期間内で最近表示されたかどうか」が「判定」において用いられ[0098]、所定期間内に表示されていた場合には、割り当てられない[0098]ものである。また、一実施形態では、システムは選択された広告主又は広告主群に特定の期間特定の電話番号を提供するものであり、この特定の期間の後は再利用プロセスに入ることができるものである。[0109]
(2-2)
上記「「(1)甲第1号証の記載事項」の(ア)から(カ)」、及び、上記「「(2)引用発明の認定」の(2-1)の(ア)から(カ)」より、甲第1号証には、以下の発明が記載されていると認められる。(以下、「引用発明」という。)
「固有の電話番号を節約及び再利用することが出来るペイ・パー・コールの実績型広告を提供するための方法であって、
前記方法を実行するシステムは、「アカウント生成・管理モジュール34」、「広告発行モジュール36」、「架電処理モジュール38」、及び「請求モジュール40」を含み、さらに、前記「アカウント生成・管理モジュール34」は、「広告作成モジュール46」を含み、また、「広告発行モジュール36」は、「広告描画エンジン74」と「広告配給エンジン76」とを含み、
前記システムは、特定の広告、広告主、又は要求パートナーに前もって割り当てられたり、関連付けられたりしていない電話番号である未割り当ての電話番号のプールを保持し、
前記「アカウント生成・管理モジュール34」は、「ユーザインターフェースモジュール44」、「広告作成モジュール46」、「支払規定モジュール48」を含み、
前記「ユーザインターフェースモジュール44」は、ウェブページを顧客のブラウザに表示させ、
前記「広告作成モジュール46」は、広告主に割り当てられた固有の電話番号を自動的に広告主の広告に直接挿入するものであり、検索エンジン19を通じたキーワード検索が開始された際、広告主の広告が検索結果内に表示されるようにするためのキーワードを入力することができるようにするための「キーワード関連付けロジック57」と、固有の電話番号を生成し、固有の電話番号が架電されると広告主の電話が鳴るように固有の電話番号を広告主の実際の電話番号にマッピングし、固有の電話番号を広告主の広告に関連づける「電話番号自動生成ロジック56」を含み、
前記「固有の電話番号」は、エンドユーザから要求パートナー(ある検索エンジンのウェブサイト)に対して検索要求がなされ、「ジャスト・イン・タイム方式」で、未割り当ての電話番号のプール内にある電話番号の中から「固有の電話番号」となる電話番号が検索要求におけるキーワードと関連付けがなされた特定の広告主の広告に対して直前に動的に割り当てられて、その広告に自動的に挿入されるものであり、そして、そのように「固有の電話番号」が挿入された広告は、検索結果のページ内に表示され、
また、前記「固有の電話番号」は、「表示されてからある一定期間」が経過した場合には、「再利用」のために「電話番号のプール」に戻され、また、「問合せをもたらすが架電がない場合」には、この「固有の電話番号」が「表示されてからある一定期間」が経過するまでの「所定期間」の間、「動的に割り当てられた電話番号」は「その広告に関連付けられる」ものであり、
前記システムは、ある特定の広告主の広告がある時間にある特定のウェブサイト(ある検索エンジンのウェブサイト)にある特定の固有の電話番号と共に表示されたことを記録し、また、「割り当てられた電話番号がそれぞれ最後に表示されたのはいつか」を記録し、この「電話番号についての最後の表示時間」の情報は、「電話番号が例えば直近の24時間内に異なるコンテキストで表示されたかどうかをチェックする」等により「割り当てられた電話番号」が「所定期間内で最近表示されたかどうか」を「判定」するために用いられ、前記「割り当てられた電話番号」が所定期間内に表示されていた場合には、前記「割り当てられた電話番号」は、前記「特定の広告主の広告」以外の広告主の広告には割り当てられないものであり、
さらに、前記システムは、選択された広告主又は広告主群に特定の期間特定の電話番号を提供するものであり、この特定の期間の後は再利用プロセスに入ることができる、
方法。」
2.本件特許発明1と引用発明との対比及び判断
(2-1)構成要件1Aについて
引用発明における「広告作成モジュール46」は、「固有の電話番号を生成し、固有の電話番号が架電されると広告主の電話が鳴るように固有の電話番号を広告主の実際の電話番号にマッピングし、固有の電話番号を広告主の広告に関連づける「電話番号自動生成ロジック56」を含み、そして、広告主に割り当てられた固有の電話番号を自動的に広告主の広告に直接挿入」する機能を備えており、そして、前記「固有の電話番号」は、「固有の電話番号が架電されると広告主の電話が鳴るように固有の電話番号を広告主の実際の電話番号にマッピング」されており、かつ、「自動的に広告主の広告に直接挿入」されるものである。そして、前記「広告主の広告」は、ウェブページにおいて顧客のブラウザに表示されるものである。
してみると、引用発明における「固有の電話番号」は、本件特許発明1でいうところの『ウェブページにおいて明示的に提供され、かつ架電先の電話器を識別する識別情報』に相当し、引用発明において、前記「広告作成モジュール46」を備えるシステムは、前記「固有の電話番号」という情報を「節約及び再利用する」ために管理していることは明らかである。
したがって、引用発明は、本件特許発明1を構成している構成要件1A(「ウェブページにおいて明示的に提供され、かつ架電先の電話器を識別する識別情報を管理するための情報管理方法であって、」)を備えているといえる。
(2-2)構成要件1Bについて
引用発明である「固有の電話番号を節約及び再利用することが出来るペイ・パー・コールの実績型広告を提供するための方法」は、「アカウント生成・管理モジュール34、広告発行モジュール36、架電処理モジュール38、及び請求モジュール40を含」む「システム」によって実行されるのであるから、前記「システム」がコンピュータであることは明らかである。
したがって、引用発明は、本件特許発明1を構成している構成要件1B(「コンピュータによって実行され、」)を備えているといえる。
(2-3)構成要件1Cについて
引用発明に係るシステムは、「「固有の電話番号」は、エンドユーザから要求パートナー(ある検索エンジンのウェブサイト)に対して検索要求がなされ、「ジャスト・イン・タイム方式」で、未割り当ての電話番号のプール内にある電話番号の中から「固有の電話番号」となる電話番号が検索要求におけるキーワードと関連付けがなされた特定の広告主の広告に対して直前に動的に割り当てられて、その広告に自動的に挿入」し、そして、「前記「固有の電話番号」は、「表示されてからある一定期間」が経過した場合には、「再利用」のために「電話番号のプールに戻」すという処理を行っている。
また、「固有の電話番号が挿入された広告」は、要求パートナー(ある検索エンジンのウェブサイト)のウェブページを介して顧客のブラウザに表示されるのであるから、引用発明に係るシステムは、「固有の電話番号が挿入された広告」を要求パートナー(ある検索エンジンのウェブサイト)に送出する処理を行っていることも明らかである。
引用発明において、前記「固有の電話番号」は、「固有の電話番号が架電されると広告主の電話が鳴るように固有の電話番号を広告主の実際の電話番号にマッピング」されたものであるから、「検索要求におけるキーワードと関連付けがなされた特定の広告主の広告に対して直前に動的に割り当てられて、その広告に自動的に挿入された状態の固有の電話番号」は、本件特許発明1でいうところの『識別情報に基づく架電が第1の架電先の電話器に接続される状態の識別情報』といえる。
そして、前記「検索要求におけるキーワードと関連付けがなされた特定の広告主の広告に対して直前に動的に割り当てられて、その広告に自動的に挿入された状態の固有の電話番号」は、「固有の電話番号が挿入された広告」として要求パートナー(ある検索エンジンのウェブサイト)に送出されるものであり、前記「要求パートナー(ある検索エンジンのウェブサイト)」は、「固有の電話番号が挿入された広告」を顧客のブラウザに表示させるためのウェブページを構築するウェブサーバといえるものであり、引用発明におけるシステムとは異なるものである。
してみると、前記「検索要求におけるキーワードと関連付けがなされた特定の広告主の広告に対して直前に動的に割り当てられて、その広告に自動的に挿入された状態の固有の電話番号」は、本件特許発明1でいうところの『ウェブページを構築するウェブサーバであって前記コンピュータとは異なるウェブサーバに向けて送出可能な状態』にあるものといえる。
さらに、前記「固有の電話番号」は、「表示されてからある一定期間」が経過した場合には、「再利用」のために「電話番号のプール」に戻されるのであるから、「「再利用」のために「電話番号のプール」に戻され」た状態は、本件特許発明1でいうところの『送出不可能な状態』といえる。
なお、本件特許発明1でいうところの『送出不可能な状態』とは、上記「第5.被請求人の証拠方法と主張」の「(イ-2)」で被請求人が主張した様に、「「非公開期間T2」(識別情報が接続可能であるものの、ウェブサーバに送出されない状態となっている時間)をゼロと設定したもの」も含まれるのであるから、前記「「再利用」のために「電話番号のプール」に戻され」た状態は、本件特許発明1でいうところの『送出不可能な状態』といえる。」との認定に矛盾しないものである。
したがって、引用発明は、本件特許発明1を構成している構成要件1C(「前記識別情報に基づく架電が第1の架電先の電話器に接続される状態の該識別情報を、前記ウェブページを構築するウェブサーバであって前記コンピュータとは異なるウェブサーバに向けて送出可能な状態から送出不可能な状態へと変化させるステップと、」)を備えているといえる。
(2-4)構成要件1Dについて
引用発明に係るシステムは、「ある特定の広告主の広告がある時間にある特定のウェブサイト(ある検索エンジンのウェブサイト)にある特定の固有の電話番号と共に表示されたことを記録」し、「「固有の電話番号」は、「表示されてからある一定期間」が経過した場合には、「再利用」のために「電話番号のプール」に戻す」という処理を行うのであり、「番号のプールに戻された固有の電話番号」は、上記「(2-3)構成要件1Cについて」で言及した様に『送出不可能な状態とされた識別情報』であり、かつ、再利用のため「別の広告に割り振られる又は割り当てられる状態にある」といえるものである。さらに、前記「別の広告」は、エンドユーザが架電する際の架電先を示すものであるから、本件特許発明1でいうところの『第2の架電先』に相当することは明らかであり、「固有の電話番号」は、上記「(2-1)構成要件1Aについて」で言及した様に「ウェブページにおいて明示的に提供され、かつ架電先の電話器を識別する識別情報」であることを鑑みると、引用発明は、本件特許発明1を構成している構成要件1D(「前記送出不可能な状態とされた前記識別情報に基づく架電を第2の架電先の電話器に接続される状態にするステップと、」)を備えているといえる。
(2-5)構成要件1Eについて
上記「(2-4)構成要件1Dについて」で言及した事項と関連して、「番号のプールに戻された固有の電話番号」が、再利用のため別の広告に割り振られる又は割り当てられた場合には、当該「別の広告」は、要求パートナー(ある検索エンジンのウェブサイト)に送出されることになるのであるから、上記「(2-4)構成要件1Dについて」で言及した様に“「送出不可能な状態とされた識別情報」である「番号のプールに戻された固有の電話番号」”は、別の広告に割り振られる又は割り当てられた時点で、要求パートナー(ある検索エンジンのウェブサイト)に向けて送出可能な状態になることは自明である。
したがって、引用発明は、本件特許発明1を構成している構成要件1E(「前記識別情報に基づく架電が前記第2の架電先の電話器に接続される状態となった場合の該識別情報を、前記ウェブサーバ又は他のウェブサーバに向けて送出可能な状態にするステップと、」)を備えているといえる。
(2-6)構成要件1Fについて
平成30年9月4日の口頭審理において確認した様に、被請求人は、本件特許発明1を構成している構成要件1Fについて、(ア)「一定期間」の始期が甲第1号証に記載されている発明と異なる、(イ)本件特許発明1に係る「情報管理サーバは、『一定期間』の進行中、識別情報を広告提供サーバに向けて『送出可能な状態』にある」という技術事項を甲第1号証は開示していない、旨主張している。
(ア)「一定期間」の始期について
(ア-1)
本件特許発明1を構成している構成要件1Fに係る「一定期間の始期」を検討するにあたって、引用発明から関連する構成を抽出すると、
エンドユーザから要求パートナーの検索エンジンに対して検索要求がなされたことに応じて、
(a)検索要求を受信した要求パートナーの検索エンジンは、検索要求をシステムに伝え、
(b)システムは、「ジャスト・イン・タイム方式」で、未割り当ての電話番号のプール内にある電話番号の中から「固有の電話番号」となる電話番号が検索要求におけるキーワードと関連付けがなされた特定の広告主の広告に割り当ててその広告に自動的に挿入し、割り当てられた「固有の電話番号」が挿入された広告を要求パートナーの検索エンジンに送信し、
(c)要求パートナーの検索エンジンは、検索要求に対する検索結果内に、システムから送信された「固有の電話番号が挿入された広告」を表示する、
(d)システムは、ある特定の広告主の広告がある時間にある特定のウェブサイト(ある検索エンジンのウェブサイト)にある特定の固有の電話番号と共に表示されたことを記録し、
(e)システムは、「固有の電話番号」が「表示されてからある一定期間」が経過した場合には、「再利用」のために「電話番号のプール」に戻され、また、「問合せをもたらすが架電がない場合」には、この「固有の電話番号」が「表示されてからある一定期間」が経過するまでの「所定期間」の間、「動的に割り当てられた電話番号」が「その広告に関連付けられる」、
と整理できる。
ここで、上記(c)の処理は、上記(b)の処理に付随するものであるから、(b)と(c)の処理は一連の処理と解するのが最も自然であり、(b)と(c)の処理を一連としてでなく、それぞれを単独で行うことが、甲第1号証において想定されているとは考え難く、むしろ不自然な解釈である。
そして、上記(d)の処理については、“(b)の処理において「固有の電話番号が挿入された広告を要求パートナーの検索エンジンに送信し」た時点を「表示されたこと」として「記録」する”か、又は、“(c)の処理において「要求パートナーの検索エンジン」から「システム」へ(c)の処理が実行された旨の「通知」を「表示されたこと」として「記録」する”か、の何れかであるが、甲第1号証には、「要求パートナーの検索エンジンからシステムへ固有の電話番号が挿入された広告を表示した旨の通知」を行うことについての記載、又は、それを示唆する記載もないことを勘案すると、(d)の処理は、“(b)の処理において「固有の電話番号が挿入された広告を要求パートナーの検索エンジンに送信し」た時点を「表示されたこと」として「記録」する”と解される。
さらに、“「表示されたこと」として「記録」”された「固有の電話番号が挿入された広告を要求パートナーの検索エンジンに送信した時点」は、上記(d)の処理において、「再利用」のために「電話番号のプール」に戻されるための「一定期間」の始期として用いられるものであるから、引用発明でいう「表示されてから一定期間」の「表示されて」とは、(b)の処理における「固有の電話番号が挿入された広告を要求パートナーの検索エンジンに送信した時点」と解される。
なお、甲第1号証の「表示」の文言は、[0078][0095]の記載からみても、「架電」と同様にシステムが「再利用」のためにそのタイミングを用いることができる処理を示す文言として用いられており、要求パートナーの検索エンジンにおける処理と区別されるクライアントにおける処理のタイミングをシステムが用いるためには、そのための仕組みが必要となるところ、甲第1号証には、「再利用」のために用いられる「表示」のタイミングについてのそのような仕組みの記載がない。
このことから、甲第1号証における「再利用」のために用いられる「表示」のタイミングは、要求パートナーの検索エンジンにおける表示(つまり表示のためのクライアントへの送信)のタイミングなのであって、これと区別されるクライアントにおける処理のタイミングではない。
(ア-2)
他方、本件特許発明1の「一定期間」の始期は、特許請求の範囲の文言上、「前記ウェブサーバに向けて前記識別情報が送出されてから」である旨が特定されている。
この点、本件特許の明細書では、段落【0088】において、情報管理サーバ1のCPU15による「一連の機能及び動作」によって、「利用者が広告提供サイト12aにアクセスした場合」に「送出可能とされた識別情報が広告提供サイト12aが構築されている広告提供サーバ5aに向けて動的に送出され、広告提供サイト12aに表示されるようになっている」旨が記載されており、また、「広告提供サイト12aに表示」される態様には、「識別情報11aを広告提供サイト12上に掲載して表示」する(段落【0061】、図3)態様のように、利用者側の操作を要することなく識別情報の送出によって識別情報が「広告提供サイト12aに表示される」態様が含まれているから、本件特許発明1の「前記ウェブサーバに向けて前記識別情報が送出され」るタイミングは、表示を引き起こすような送出のタイミングを含んでいる。
(ア-3)
以上を踏まえれば、引用発明の「一定期間」の始期である「固有の番号」が「表示されてから」は、本願発明の「一定期間」の始期である「前記ウェブサーバに向けて前記識別情報が送出されてから」に相当する。
(イ)「一定期間」の間「送出可能な状態」であることについて
甲第1号証のシステムは、エンドユーザから要求パートナーの検索エンジンに対する検索要求に応じて、未割り当ての番号のプールからの電話番号を「ジャスト・イン・タイム方式」で割り当てるものであり、甲第1号証には、「例えば、固有の番号が表示されてからある一定時間が経過した場合、システムは自動的にその番号を「クリーン」と見なして再利用し、番号のプールに戻すことができる。」([0078])、「ある広告が第1の要求パートナーにより提供され、次に所定期間、例えば30分以内に第2の要求パートナーにより提供された場合は、プロセス2104において、第2の要求パートナーに新しい又は異なる電話番号が割り当てられる。」([0086])、「選択された電話番号は所定期間内で最近表示されたかどうかを判定する。例えばシステムは、電話番号が例えば直近の24時間内に異なるコンテキストで表示されたかどうかをチェックすることができる。選択された電話番号が所定期間内に表示されていた場合は、プロセス2208において、番号プールは過剰再利用の危険にさらされており、選択された電話番号はそのとき割り当てられない。」([0098])の記載がある。
これらの記載は、「第1の要求パートナーにより提供される「広告」に「割り当てられている電話番号」は、「所定期間」の間は、第2の要求パートナー(又は、異なるコンテキスト)により提供される「広告」には割り当てられない」との態様を示しており、「第1の要求パートナーにより提供される「広告」に「割り当てられている電話番号」」の視点から換言すると、「第1の要求パートナーにより提供される「(電話番号が割り当てられている)広告」が「所定期間」内において、同じ「要求パートナー(又は、コンテキスト)」により提供されるのであれば、前記「広告」には、同じ「電話番号」が割り当てられ得る」態様といえる。
このように、エンドユーザから要求パートナーの検索エンジンに対する検索要求に対して、広告に「ジャスト・イン・タイム方式」でプール内にある電話番号を割り当てるにあたって、同じ要求パートナー、又は、同じコンテキストにおいて、広告が表示されてから所定期間内の電話番号は、再度「固有の電話番号」として前記「広告」に割り当てられ、前記「所定期間内の電話番号」が挿入された広告が要求パートナーの検索エンジンに送信され得るのであり、このような電話番号は、表示されてから所定期間の間「送信可能状態」が継続しているものといわざるを得ない。
してみると、甲第1号証には、「一定期間」の間「送出可能な状態」であることが事実上記載されているといえるから、本件特許発明1における、「一定期間」が終了して「送出不可能な状態」となるまで「送出可能な状態」である点は一致点となり、相違点とすることはできない。
(ウ)構成要件1F全体について
上記(ア)及び(イ)で検討した様に、引用発明の「一定期間」の始期である「固有の番号」が「表示されてから」は、本願発明の「一定期間」の始期である「前記ウェブサーバに向けて前記識別情報が送出されてから」に相当し、また、引用発明には、「一定期間」の間「送出可能な状態」であることが事実上記載されているのであり、そして、上記(2-3)で検討した様に、引用発明は、本件特許発明1を構成している構成要件1C(「前記識別情報に基づく架電が第1の架電先の電話器に接続される状態の該識別情報を、前記ウェブページを構築するウェブサーバであって前記コンピュータとは異なるウェブサーバに向けて送出可能な状態から送出不可能な状態へと変化させるステップと、」)を備えている。
してみると、引用発明は、本件特許発明1を構成している構成要件1Fのうち、「前記識別情報を前記ウェブサーバに向けて送出可能な状態から送出不可能な状態へと変化させるステップを、前記ウェブサーバに向けて前記識別情報が送出されてから一定期間が満了した場合に実行する」との構成を備えているといえるものの、前記「一定期間」について、『3時間以内の』という限定がされていない点において文言上相違している。
(2-7)構成要件1Gについて
上記「(2-1)構成要件1Aについて」で言及した様に、引用発明における「固有の電話番号」は、本件特許発明1でいうところの『ウェブページにおいて明示的に提供され、かつ架電先の電話器を識別する識別情報』に相当し、引用発明において、前記「広告作成モジュール46」を備えるシステムは、前記「固有の電話番号」という情報を管理していることは明らかであるから、引用発明に係る方法は、本件特許発明1でいうところの『情報管理方法』に相当する。
(2-8)一致点及び相違点
上記「(2-1)構成要件1Aについて」から「(2-7)構成要件1Gについて」で言及した様に、引用発明と本件特許発明1とは、
「(1A)ウェブページにおいて明示的又は黙示的に提供され、かつ架電先の電話器を識別する識別情報を管理するための情報管理方法であって、
(1B)コンピュータによって実行され、
(1C)前記識別情報に基づく架電が第1の架電先の電話器に接続される状態の該識別情報を、前記ウェブページを構築するウェブサーバであって前記コンピュータとは異なるウェブサーバに向けて送出可能な状態から送出不可能な状態へと変化させるステップと、
(1D)前記送出不可能な状態とされた前記識別情報に基づく架電を第2の架電先の電話器に接続される状態にするステップと、
(1E)前記識別情報に基づく架電が前記第2の架電先の電話器に接続される状態となった場合の該識別情報を、前記ウェブサーバに向けて送出可能な状態にするステップと、を有し、
(1F)前記識別情報を前記ウェブサーバに向けて送出可能な状態から送出不可能な状態へと変化させるステップを、前記ウェブサーバに向けて前記識別情報が送出されてから一定期間が満了した場合に、又は前記ウェブサーバへアクセスされた回数が基準に達した場合に実行する
(1G)情報管理方法。」
で一致し、
構成要件1Fにおける「一定期間」について、『3時間以内の』という限定がされていない点において文言上相違している。(以下、「文言上の相違点1」という。)
(2-9)判断
上記「文言上の相違点1」について判断する。
引用発明は、甲第1号証の[0078]に記載されている様に、「固有の電話番号を節約及び再利用するため、必要な電話番号が少なくてすみ、コスト削減を可能にする」ことを目的とするものであって、システムが非常に多くの電話番号を準備することなく、限られた数の電話番号を効率的に再利用することを発明の根底とするものであると解される。
そして、引用発明において、電話番号を再利用するための「一定期間」は、システムが準備する電話番号の数やシステムを利用する広告主の数などの要件を鑑みて、システムを設計する者が任意に決定し得る事項と考えられるので、「一定期間」としては様々な期間が想定されるものである。
この点、甲第1号証には、[0080]の「固定日数」、[0098]の「24時間」、[0109]の「1日間」のように、具体的に24時間ないし1日を単位とする記載があるものの、これらはいずれも、あくまで例示であるし、さらには、甲第1号証においては、所定期間の例として24時間ないし1日を単位とするものを示しているのは、「過去に表示された広告のものと混同されない確率」を高めるためであるところ([0097])、どの程度の確率で混同されなければよいかが具体的に示されているものでもない。むしろ、甲第1号証は、番号の混同を避けるための手段として、プールを分割したり([0107])や広告主を再利用手順から削除する([0108])を行う等の再利用まで期間の長さと無関係なものも併せて開示しており、所定期間の長さを確保して番号の混同を避けること自体、選択事項であることが明示されている。
さらには、甲第1号証の「過剰再利用」の「危険」のために「選択された番号」が「割り当てられない」事態とは、「番号資源」の「枯渇」(本件明細書の段落【0014】)の一つの態様であり、所定時間を具体的にどのように設定するかにあたって、いずれも「番号資源」の「枯渇」が生じない範囲で設定するのであるから、甲1発明の課題は、本件特許発明の課題と矛盾するものでなく、むしろ同種のものであるといえる。
してみると、これらの例示された24時間ないし1日という具体的な数値は、所定時間の最低値としての意味を有するものでなく、甲第1号証の所定時間が「3時間以内」を含まない根拠とならないのであり、当業者にとって甲第1号証の記載は、「所定期間」が「3時間以内」であってもかまわない旨を示す記載となっているものである。
そうすると、引用発明でいう「一定期間」は、本件特許発明1で限定されている『3時間以内の』という事項も含む概念と解するのが妥当である。
したがって、上記「文言上の相違点1」は、実質的な相違点ではなく、甲第1号証に実質的に開示されているものと認められるので、本件特許発明1と引用発明との間に構成上の相違点は認められない。
なお、被請求人は、平成31年2月22日付け上申書において、「訂正後の請求項1に係る発明(本件特許発明1)は、識別情報(電話番号)の過剰リサイクルを回避するか否かという点において、甲第1号証の発明とは技術思想が相違している。甲第1号証の一定期間を「3時間以内」に短縮する動機付けは存在しないし、当該期間を「3時間以内」に短縮することについては障害もある。」旨主張しているが、甲第1号証の[0094]~[0109]の記載は、電話番号を過剰にリサイクルすることを回避するための一形態を開示しているに過ぎず、引用発明が電話番号を過剰にリサイクルすることを許容するか否かという類いの事項は、上述した理由のとおり、「一定期間」について『3時間以内の』という限定を付すこととは直接的には関係しないものであるから採用することはできない。
3.本件特許発明2と引用発明との対比及び判断
(3-1)構成要件2A及び2Gについて
上記「(2-1)構成要件1Aについて」で言及した様に、引用発明における「固有の電話番号」は、本件特許発明1でいうところの『ウェブページにおいて明示的に提供され、かつ架電先の電話器を識別する識別情報』に相当し、引用発明において、前記「広告作成モジュール46」を備えるシステムは、前記「固有の電話番号」という情報を管理していることは明らかであるから、引用発明に係るシステムは、本件特許発明2でいうところの『情報管理装置』に相当する。
(3-2)構成要件2Bから2Eについて
構成要件2Bから2Eは、本件特許発明1の構成要件1Cから1Fに対応する構成であるから、上記「(2-3)構成要件1Cについて」から「(2-6)構成要件1Fについて」で言及したとおりである。
(なお、本件特許発明2の構成要件2Eにおいては、「一定期間」について『3時間以内の』との限定はないので、上記「(2-6)構成要件1Fについて」の「(ウ)構成要件1F全体について」の「前記「一定期間」について、『3時間以内の』という限定がされていない点において文言上相違している。」との部分は除く。)
(3-3)構成要件2Fについて
引用発明においては、甲第1号証の[0043]、[0054]等の記載を参酌するに、広告情報の掲載先として「要求パートナーのウェブサイト」が開示されており、本件特許発明の構成要件2Fで特定されている様に、「個人のウェブページやブログ等」を広告情報の掲載先とすることは開示されていない。
してみると、広告情報の掲載先として「個人のウェブページやブログ等」を特定した場合の構成要件2Fは、本件特許発明2と引用発明との間における相違点といわざるを得ない。
この点、請求人は、弁駁書において、「広告情報の掲載場所についての相違点は、技術的意義についてのものでなく実質的な相違点ではない」旨主張しているが、広告情報の掲載先を特定した場合の構成要件2Fは、発明を特定する構成要件として無視できるものではなく、実質的な相違点といわざるを得ない。
なお、請求人は、同弁駁書において、甲第3号証及び甲第4号証を提示しつつ、「訂正後の請求項4に係る発明(本件特許発明2)における当該相違点に係る構成は、本件出願日当時における技術常識を有する者が、甲1(検索サイトでの検索に連動して検索サイトに広告が表示されるシステム)に、甲3及び甲4に開示された周知技術(検索サイトでの検索に連動して検索サイトに広告が表示されるシステムと同様に、個人のウェブページやブログにその内容に応じた広告が表示されるシステム)を適用することにより、容易に想到し得るものである。」旨主張している。
しかしながら、当該主張は、新規性欠如(特許法第29条第1項第3号)の無効理由の主張でなく、進歩性の欠如(特許法第29条第2項)を無効理由とする主張であり、請求人も認める様に、「請求の理由の補正であって、その要旨を変更するものに該当する」ものである。
当審としては、事案に鑑み、この点について、請求の理由の補正を許可しない。
(3-4)まとめ
上記「(3-1)構成要件2A及び2Gについて」から「(3-3)構成要件2Fについて」で言及した様に、本件特許発明2と引用発明とは、構成要件2Fにおいて相違しているから、両発明は特許法第29条第1項第3号でいうところの同一の発明とはいえない。
4.本件特許発明3と引用発明との対比及び判断
(4-1)構成要件3Aから3Gについて
本件特許発明3は本件特許発明1をプログラムとして記載したものであり、本件特許発明3を構成する構成要件3Aから3Gについては、上記「(2-1)構成要件1Aについて」から「(2-7)構成要件1Gについて」で言及したのと同様のことがいえる。
(なお、本件特許発明3の構成要件3Fにおいては、「一定期間」について『3時間以内の』との限定はないので、上記「(2-6)構成要件1Fについて」の「(ウ)構成要件1F全体について」の「前記「一定期間」について、『3時間以内の』という限定がされていない点において文言上相違している。」との部分は除く。)
(4-2)まとめ
上記「(4-1)構成要件3Aから3Gについて」で言及した様に、引用発明は本件特許発明3に係る構成要件を全て備えているから、本件特許発明3と引用発明との間に構成上の相違点はない。
5.結論
上記「2.本件特許発明1と引用発明との対比及び判断」及び「4.本件特許発明3と引用発明との対比及び判断」において検討した様に、本件特許発明1及び3と引用発明との間には構成上の相違点がないのであるから、本件特許発明1及び3は、甲第1号証に記載された発明と同一であり、特許法第29条第1項第3号の規定に違反して特許されたものであるから、特許法第123条第1項第2号の規定により無効とされるべきものである。
また、本件特許発明2は、上記「3.本件特許発明2と引用発明との対比及び判断」において検討した様に、本件特許発明2と引用発明とは、構成要件2Fにおいて相違しているから、特許法第29条第1項第3号の規定に違反して特許されたものとはいえないから、特許法第123条第1項第2号の規定により無効とされるべきものではない。
第7.被請求人の主張についての検討
1.構成要件1F・2E・3Fにおける「一定期間の始期」(被請求人の主張する相違点1)に関する主張について
被請求人は、構成要件1F・2E・3Fにおける「一定期間の始期」(被請求人の主張する相違点1)に関する技術的意義と効果について、口頭審理陳述要領書第7~9頁において、概ね、以下の様に主張している。
(1)「一定期間の始期を「(ユーザのコンピュータに)表示された時」とするか、「ウェブサーバに向けて前記識別情報が送出された時」とするかは、技術的に大きく異なります。
一定期間の始期を「送出」とする場合のメリットは、何といっても、時間の管理を情報管理サーバ(構成要件1Bの「コンピュータ」)側で完結できるという点にあります。
すなわち、一定期間の始期を「前記ウェブサーバに向けて前記識別情報が送出された時」とする本件特許発明の構成では、識別情報を「前記ウェブサーバ」に向けて送出しさえすれば、一定期間の計測が開始されます。そのため、実際に表示された時期を把握しなくても、いつのタイミングで当該識別情報を送出不可能な状態にするかを決定することができます。
これに対して、一定期間の始期を「表示」とすると、一定期間の始期に関する情報を持っているのは利用者のコンピュータのみです。そのため、情報管理サーバと広告提供サーバは、当該情報を利用者のコンピュータに取りに行かなければなりません。
その結果、各サーバおよびコンピュータ間で逐一交信することが必要となり、双方のシステムおよび利用者コンピュータの3者間に負荷が発生することになります。
このように、一定期間の始期を「送出」とする場合の構成と「表示」とする場合の構成は、技術的に全く異なるものです。」
しかしながら、上記「「第5.当審の判断」「2.本件特許発明1と引用発明との対比及び判断」「(2-6)構成要件1Fについて」「(ア)「一定期間」の始期について」」で言及した通り、引用発明でいう「表示されてから一定期間」の「表示されて」とは,利用者のコンピュータに表示されたことではなく,「固有の電話番号が挿入された広告を要求パートナーの検索エンジンに送信した時点」と解されるから、被請求人の主張する技術的意義及び効果は、引用発明においても内在しているものと認められる。
したがって、被請求人の上記主張は採用できない。
2.構成要件1Fにおける「送出可能な状態」(被請求人の主張する相違点2)に関する主張について
被請求人は、構成要件1Fにおける「送出可能な状態」(被請求人の主張する相違点2)について、「答弁書」、「口頭審理陳述要領書(2)」において、概ね、以下の様に主張している。
(1)「本件特許発明1における「一定期間」の進行中は、「識別情報」は「送出可能な状態」にあることが明示されているのに対して、甲第1号証には、「所定期間」の進行中「送出可能な状態」にあることは明示されていないので、この一点において請求人の主張する無効理由は成り立たない。」(答弁書第10~11頁)
(2)「本件特許発明は、「一定期間」の進行中、利用者(ユーザ)がウェブページにアクセスすると、情報管理サーバから広告提供サーバに向けて、都度識別情報が送出されるという技術事項(すなわち、情報管理サーバは、「一定期間」の進行中、識別情報を広告提供サーバに向けて「送出可能な状態」にあるという技術事項)によって特定される発明です。しかしながら、甲第1号証には、「一定期間」の進行中、利用者(ユーザ)がウェブページにアクセスしたときに、情報管理サーバから広告提供サーバに向けて、都度識別情報が送出されるかどうかに関する記載はなく、当該技術事項が開示されているに等しいと言えるだけの記載も存在しません。」(口頭審理陳述要領書(2)第5頁)
(3)例えば、利用者(ユーザ)Aの要求により電話番号がウェブページに表示されてから一定期間が経過し、当該電話番号がプールに戻った後に、再び利用者(ユーザ)Bおよび利用者(ユーザ)Cの要求により当該電話番号が表示されることも考えられ、このような場合に【0093】~【0095】は、利用者(ユーザ)Cの要求により電話番号が表示されたのがいつかを記録することを述べていると理解できる。(口頭審理陳述要領書(2)第6頁)
しかしながら、上記(1)の主張については、上記「「第5.当審の判断」「2.本件特許発明1と引用発明との対比及び判断」「(2-6)構成要件1Fについて」「(イ)「一定期間」の間「送出可能な状態」であることについて」で言及した通り、引用発明で電話番号を割り当てるにあたって,同じ要求パートナー、又は、同じコンテキストにおいて、広告が表示されてから所定期間内の電話番号は、再度「固有の電話番号」として前記「広告」に割り当てられ、前記「所定期間内の電話番号」が挿入された広告が要求パートナーの検索エンジンに送信され得るのであり、このような電話番号は、表示されてから「一定期間」の間「送信可能状態」が継続しているものといえる。
また、上記(2)の主張については、上記「「第5.当審の判断」「2.本件特許発明1と引用発明との対比及び判断」「(2-6)構成要件1Fについて」「(イ)「一定期間」の間「送出可能な状態」であることについて」で言及した様に、「エンドユーザから要求パートナーの検索エンジンに対する検索要求に対して、広告に「ジャスト・イン・タイム方式」でプール内にある電話番号を割り当てるにあたって、同じ要求パートナー、又は、同じコンテキストにおいて、広告が表示されてから所定期間内の電話番号は、再度「固有の電話番号」として前記「広告」に割り当てられ、前記「所定期間内の電話番号」が挿入された広告が要求パートナーの検索エンジンに送信され得る」のであるから、「甲第1号証においても、「一定期間」の進行中、利用者(ユーザ)がウェブページにアクセスしたときに、情報管理サーバから広告提供サーバに向けて、都度識別情報が送出される」といえる。
更に、上記(3)の主張については、上記「「第5.当審の判断」「2.本件特許発明1と引用発明との対比及び判断」「(2-6)構成要件1Fについて」「(イ)「一定期間」の間「送出可能な状態」であることについて」で言及したように、甲第1号証には、表示されてから所定期間の間「送信可能状態」が継続している態様も記載されている。
そして、本件特許発明1における、「一定期間」が終了して「送出不可能な状態」となるまで「送出可能な状態」である点は一致点となるのであり、甲第1号証に異なるユーザからの要求の場合を含め同じコンテキストでない場合について所定期間内の電話番号が再度割り当てられないからといって、本件特許発明の「一定期間」が終了して「送出不可能な状態」となるまで「送出可能な状態」である点は相違点とはならない。
したがって、被請求人の主張する相違点2に関する上記(1)から(3)は、引用発明との間において相違点とはいえないので、被請求人の主張は採用できない。
第8.結び
以上のとおりであるから、本件特許発明1及び3に係る特許は、特許法第29条第1項第3号の規定に違反して特許されたものであり、特許法第123条第1項第2号の規定により無効とすべきものである。
また、本件特許発明2に係る特許は、特許法第29条第1項第3号の規定に違反して特許されたものではなく、特許法第123条第1項第2号の規定により無効とすべきものでない。
また、審判費用については、特許法第169条第2項の規定で準用する民事訴訟法第61条の規定により、その3分の1を請求人の負担とし、3分の2を被請求人の負担とする。
審決本文(J-PlatPat)
J-PlatPatの審決検索トップを開きます。番号入力で「審判番号」を選び、下の番号を貼り付けて検索してください。
J-PlatPat 審決検索を開く
2017-800143