特許訂正審判
2017-390150
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- 審判番号
- 2017-390150
- 法域
- 特許
- 審判種別
- 訂正審判(訂正の審決)
- 出願番号
- 特願2016-185799
- 登録番号
- 特許第6186482号(P6186482)
- 請求日
- 2017年12月15日
- 審決日
- 2018年02月14日
- 公報発行日
- 2018年05月25日
- 結論
- 訂正認容
- 当事者
- 【請求人】日本製紙クレシア 株式会社
- 【請求人代理人】坂本 智弘
- 【請求人代理人】渡辺 浩司
- 【請求人代理人】青木 宏太
- 審判長/審判官
- 審判長 井上 博之
- 審判官 住田 秀弘
- 審判官 西田 秀彦
- 分類
- P141 .852-Y (A47K) / P141 .853-Y (A47K) / P141 .841-Y (A47K) / P141 .854-Y (A47K) / P141 .855-Y (A47K) / P141 .856-Y (A47K)
- 条文(本文から自動抽出・参考)
- 特許法第126条第1項、特許法第126条第7項
- データ出所
- 審決公報(SGML)
事件の表示
特許第6186482号に関する訂正審判事件について、次のとおり審決する。
結論
【結 論】
特許第6186482号の明細書を本件審判請求書に添付された訂正明細書のとおり訂正することを認める。
理由
【理 由】
1 手続の経緯
本件訂正審判の請求に係る特許第6186482号(以下「本件特許」という。)は、平成28年9月23日に特許出願され、平成29年8月4日にその特許権の設定登録がなされ、その後、平成29年12月15日に本件訂正審判が請求されたものである。
2 請求の趣旨
本件訂正審判の請求の要旨は、本件特許の明細書を本件審判請求書に添付した訂正明細書のとおり訂正することを認める、との審決を求めるものである。
3 訂正の内容
本件訂正請求に係る訂正(以下「本件訂正」という。)の内容は、以下の訂正事項のとおりである。(下線は訂正箇所を示す。)
(1)訂正事項1
明細書の段落【0049】に「この輪郭曲線Uのうち、上に凸となる2つの変曲点P1とP2を求めて、変曲点P1とP2で挟まれる最小値を求めることによって、深さの最小値Minとする。さらに、変曲点P1,P2の深さの値の平均値を深さの最大値Maxとする。」とあるのを、
「この輪郭曲線Uのうち、エンボス内側に向かって上に凸となる2つの曲率極大点P1とP2を求めて、曲率極大点P1とP2で挟まれる最小値を求めることによって、深さの最小値Minとする。さらに、曲率極大点P1,P2の深さの値の平均値を深さの最大値Maxとする。」と訂正する。
(2)訂正事項2
明細書の段落【0050】に「また、変曲点P1,P2のX-Y平面上の距離(長さ)を最長部aの長さと規定する。」とあるのを、
「また、曲率極大点P1,P2のX-Y平面上の距離(長さ)を最長部aの長さと規定する。」と訂正する。
4 当審の判断
(1)訂正事項1について
ア 訂正の目的の適否について
(ア)上記訂正事項のうち、まず、「変曲点」を「曲率極大点」と訂正することについて、訂正の目的を検討する。
本件訂正前の段落【0049】に記載された「変曲点」の符号P1、P2について、【図6】を参照すると、符号P1、P2は、曲線Uの接線の傾きが増加から減少(または減少から増加)に転じる点を意味する「変曲点」ではないことは明らかである。
そして、【図6】をみると、当該符号P1、P2は、曲線U上における「エンボス内側に向かって上に凸となる」部分の頂点附近に概ね位置している。
また、発明の詳細な説明に、「・・・図6に示すように、高さプロファイルの断面曲線Tから「輪郭曲線」Uを計算し、この輪郭曲線Uのうち、上に凸となる2つの変曲点P1とP2を求めて、変曲点P1とP2で挟まれる最小値を求めることによって、深さの最小値Minとする。さらに、変曲点P1,P2の深さの値の平均値を深さの最大値Maxとする。」(訂正前の【0049】)、及び「このようにして、エンボスパターンの深さD=最大値Max-最小値Minとする。また、変曲点P1,P2のX-Y平面上の距離(長さ)を最長部aの長さと規定する。・・・」(訂正前の【0050】)と記載されているように、エンボスパターンの深さDや最長部aの長さを規定するものとして、輪郭曲線U上の位置P1、P2を用いている。
そうすると、この位置P1、P2を表記する用語として、曲率に関する幾何学上の二つの点である「変曲点」と「曲率極大点」(曲率が最も大きくなる点)を取り違えたと解することが相当であり、「変曲点」は「曲率極大点」の誤記と認める。
よって、「変曲点」を「曲率極大点」とする訂正は、誤記の訂正を目的とするものである。
(イ)「上に凸となる」の前に「エンボス内側に向かって」を加える訂正は、上記(ア)で、「変曲点」を「曲率極大点」に訂正したことに伴い、「曲率極大点」の「上に凸となる」の態様を、「エンボス内側に向かって」いるものに明確にするものであるから、明瞭でない記載の釈明を目的とするものである。
イ 新規事項の追加の有無について
上記ア(ア)で検討したとおり、「変曲点」は「曲率極大点」の誤記であって、【図6】、段落【0049】及び【0050】の記載を参照すると、「曲率極大点」は、実質的に願書に最初に添付した明細書、特許請求の範囲又は図面に記載した事項の範囲内の訂正である。
また、【図6】における符号P1、P2は、曲線U上における「エンボス内側に向かって上に凸となる」部分の頂点附近に概ね位置していることから、「上に凸となる」の前に「エンボス内側に向かって」を加える訂正も、願書に添付した明細書、特許請求の範囲又は図面に記載した事項の範囲内の訂正である。
ウ 特許請求の範囲の拡張・変更の存否について
訂正事項1は、上記アのとおり、誤記の訂正または明瞭でない記載の釈明を目的とするものであって、発明のカテゴリや対象、目的を変更するものではないことから、実質上特許請求の範囲を実質的に拡張し、又は変更するものではない。
(2)訂正事項2について
訂正事項2は、「変曲点」を「曲率極大点」に訂正するものであって、上記訂正事項1における「変曲点」を「曲率極大点」に訂正することと同じ訂正である。
したがって、訂正事項2は、上記(1)で検討したことと同様の理由により、誤記の訂正を目的とするものであって、願書に最初に添付した明細書、特許請求の範囲又は図面に記載した事項の範囲内の訂正であり、実質上特許請求の範囲を実質的に拡張し、又は変更するものでもない。
(3)独立特許要件について
上記(1)及び(2)で検討したとおり、訂正事項1及び訂正事項2は、特許法第126条第1項ただし書き第2号に掲げる誤記の訂正を目的とする訂正を含むものである。
そこで、特許法第126条第7項の規定により、訂正後における特許請求の範囲に記載されている事項により特定される請求項1ないし6に係る発明(以下「本件発明1」等という。)が、特許出願の際独立して特許を受けることができるものであるか否かについて検討すると、訂正事項が誤記の訂正または明瞭でない記載の釈明に過ぎないものであり、本件発明1ないし6が特許出願の際独立して特許を受けることができないものであるとする理由は発見しない。
したがって、本件発明1ないし6は、特許出願の際に独立して特許を受けることができるものである。
5 むすび
以上のとおり、本件訂正は、特許法第126条第1項ただし書第2号または第3号に掲げる事項を目的とし、かつ同条第5項ないし第7項の規定に適合する。
よって、結論のとおり審決する。
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