意匠拒絶査定不服審判
2017-015861
Personal Digital Assistant
- 審判番号
- 2017-015861
- 法域
- 意匠
- 審判種別
- 拒絶査定不服審判(拒絶査定不服の審決)
- 出願番号
- 意願2016-500469外部サイト(J-PlatPat)へ移動します
- 請求日
- 2017年10月26日
- 審決日
- 2018年03月27日
- 公報発行日
- 2018年06月29日
- 結論
- 原査定取消(特許/登録すべき)
- 当事者
- 【請求人】マイクロソフト コーポレーション
- 【請求人代理人】伊東 忠重
- 【請求人代理人】伊東 忠彦
- 【請求人代理人】大貫 進介
- 分類
- D18 .14 -WY (N0-0)
- 根拠条文(結論部分から自動抽出・参考)
- 意匠法3条1項
- 条文(本文から自動抽出・参考)
- 意匠法第3条第1項、意匠法第2条、意匠法第2条第2項
- データ出所
- 審決公報(SGML)
事件の表示
意願2016-500469「Personal Digital Assistant」拒絶査定不服審判事件について、次のとおり審決する。
結論
【結 論】
原査定を取り消す。
本願の意匠は,登録すべきものとする。
理由
【理 由】
第1 手続の経緯
本願は、2015年(平成27年)12月21日のアメリカ合衆国への出願に基づくパリ条約による優先権の主張を伴う、2016年(平成28年)3月22日の国際意匠登録出願であって、その手続の経緯は以下のとおりである。
平成29年 2月28日付け :拒絶理由の通知
平成29年 7月27日付け :拒絶査定
平成29年10月26日 :審判請求書の提出
平成29年10月26日 :手続補正書の提出
第2 原査定
1 出願当初の意匠に係る物品
出願当初の本願意匠は、意匠に係る物品を「Display screen with animated icon」(参考訳:「アニメーションアイコン付き表示画面」)としたものであった。
2 原査定における拒絶の理由
原査定の拒絶の理由は、意匠登録出願の対象が、意匠法第3条第1項柱書に規定する工業上利用することができる意匠に該当しないというもので、具体的には、意匠に係る物品「Display screen with animated icon」が、「有体物のうち、市場で流通する動産」である物品に該当しないと判断されるので、意匠登録出願の対象が意匠法第2条に規定された意匠である「物品の形状、模様若しくは色彩又はこれらの結合」に該当しないというものである。
第3 請求人の主張及び手続補正書
請求人は、審判請求書と共に手続補正書を提出して、願書の意匠に係る物品を「Personal Digital Assistant」(参考訳:「携帯情報端末」、以下日本語訳で示す。)に変更し、「平面図」と「右側面図」を追加して、願書の意匠の説明において、アイコンがインターネットブラウザを起動するためのものであることと、意匠登録を受けようとする部分が表されていないために「背面図」、「左側面図」及び「底面図」を省略する旨の説明を追加する補正を行い、審判請求書において、これらの補正により、本願意匠には拒絶をすべき理由がないので、原査定を取消し、本願意匠は登録されるべきものである旨を主張した。
第4 当審の判断
願書及び願書に添付した図面の記載から本願意匠について認定した上で、請求人の主張を踏まえ、本願意匠は意匠法第3条第1項柱書に規定する工業上利用することができる意匠に該当するか否かについて検討する。
1 手続補正について
願書の意匠に係る物品を「Display screen with animated icon」から「携帯情報端末」に変更した補正は、出願当初の願書及び願書に添付した図面から、本願意匠に係る物品が正面の大部分に画面が配された平板状の物品であることが推認できること、及びアイコンが物品に占める大きさ及び範囲が広い(本願画像の約1/2.3(縦方向)、約1/3.8(横方向))ため物品が小型であることも推認できるから、本願意匠の要旨を変更するものではない。
また、「平面図」と「右側面図」を追加して本願意匠が平板状であるとした点についても、その平板が均一な厚みであって厚みの程度も携帯情報端末としてありふれているから、本願が物品の部分について意匠登録を受けようとするものであって、正面から見た部分の位置、大きさ、範囲及び形状自体は何ら変更されていないことを考慮すると、本願意匠の要旨を変更するとはいい難い。
2 本願意匠について
本願意匠は、意匠に係る物品が「携帯情報端末」であって、全体が平板状であり、横長長方形状である正面の内側に少しの余地部を設けて表示部(物理的画面)が配されて、その表示部に画像(以下「本願画像」という。)が表示されると推認される。本願画像のうち部分意匠として意匠登録を受けようとする部分は、「A portion surrounded by an uneven-length broken line」(参考訳:「長さの不均一な破線(一点鎖線)で囲まれた部分」。以下、この部分を「本願画像部分」という。)であって、「broken lines」(参考訳:「破線」、以下日本語訳で示す。)で表された部分は意匠登録を受けようとする部分ではなく、「uneven-length broken line」(参考訳:「長さの不均一な破線(一点鎖線)」、以下、「一点鎖線」として日本語訳で示す。)は意匠登録を受けようとする部分とそれ以外の部分の境界を示すにすぎないものである。
本願画像部分に表された図形は、願書の「意匠の説明」の「icon・・・for activating an Internet browser」の記載によれば、インターネットブラウザを起動するためのアイコンであり、本願画像部分の位置は、平板状の本願意匠の正面のほぼ全域を占める横長長方形状(縦横比が約10:16)の本願画像の中央であり、本願画像部分の大きさ及び範囲は、縦方向で本願画像の約1/2.3、横方向で本願画像の約1/3.8である。
本願画像部分の形態は、全体が前記一点鎖線によって正方形に区画されて、【2.2】の図によれば、その区画内に文字「e」を変形させて縁取りした模様が表されており、その変形は、具体的には、「e」の左上部を切り欠いて「e」の上半分の半円空間を開放させ、当該切り欠きの上側部分を左下に向かって漸次先尖り状になる端部とし、下側部分を右上に向かって鉤状に尖った突起部としたものである。そして、願書の「意匠の説明」の「2.1) is Front View、 2.2) is Front View after a change 1、 2.3) is Front View after a change 2、 2.4) is Front View after a change 3」の記載によれば、文字「e」を変形させて縁取りした模様は厚みがあり、仮想の3次元空間内で【2.1】→【2.2】→【2.3】→【2.4】と左回転することが認められる。
3 本願意匠が工業上利用することができる意匠に該当するか否か
本願意匠の意匠に係る物品は携帯情報端末であり、一般に携帯情報端末はインターネットに接続する機能を有している。そして、上記1で認定したとおり、本願画像部分に表された図形は、インターネットブラウザを起動するためのアイコンであるから、当該アイコンを操作することによって本物品のインターネット接続機能を発揮できる状態になる。そうすると、本願画像部分は、携帯情報端末に表示される「物品の操作の用に供される画像」であるから、意匠法第2条第2項に規定する「物品の部分の形状、模様若しくは色彩又はこれらの結合」に相当するので、本願意匠は同法同条第1項に規定する意匠に該当すると認められる。したがって、本願意匠は、工業上利用することができる意匠に該当する。
第5 むすび
以上のとおり、本願意匠は、意匠法第3条第1項柱書に規定された工業上利用することができる意匠に該当するので、原査定の拒絶の理由によって、本願を拒絶すべきものとすることはできない。
また、他に本願を拒絶すべき理由を発見しない。
よって、結論のとおり審決する。
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