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特許拒絶査定不服審判

2017-014470

表示装置及びバックライトの駆動方法

審判番号
2017-014470
法域
特許
審判種別
拒絶査定不服審判(拒絶査定不服の審決)
出願番号
特願2013-145521
請求日
2017年09月29日
審決日
2018年06月25日
公報発行日
2018年08月31日
結論
原査定取消(特許/登録すべき)
当事者
  • 【請求人】EIZO株式会社
審判長/審判官
  • 審判長 小林 紀史
  • 審判官 中塚 直樹
  • 審判官 ▲うし▼田 真悟
分類
P18 .121-WY (G09G)
条文(本文から自動抽出・参考)
特許法第29条第2項
データ出所
審決公報(SGML)

事件の表示

特願2013-145521「表示装置及びバックライトの駆動方法」拒絶査定不服審判事件〔平成27年 1月29日出願公開、特開2015- 18111、請求項の数(8)〕について、次のとおり審決する。

結論

【結 論】 原査定を取り消す。 本願の発明は、特許すべきものとする。

理由

【理 由】 第1 手続の経緯 本願は、平成25年7月11日の出願であって、平成28年5月12日付けで手続補正がされ、平成29年4月18日付けで拒絶理由通知がされ、同年6月9日付けで手続補正がされ、同年6月30日付けで拒絶査定(原査定)がされ、これに対し、同年9月29日に拒絶査定不服審判の請求がされると同時に手続補正がされたものである。 第2 原査定の概要 原査定の概要は、次のとおりである。 平成29年6月9日付けの手続補正で補正された特許請求の範囲の請求項1-9に係る発明は、以下の引用文献1-5に基づいて、その発明の属する技術の分野における通常の知識を有する者(以下「当業者」という。)が容易に発明できたものであるから、特許法第29条第2項の規定により、特許を受けることができない。 引用文献等一覧 1.特開2011-138105号公報 2.特開2010-243660号公報 3.特開2009-175695号公報 4.特開2008-102442号公報 5.特開2011-034071号公報 第3 本願発明 本願請求項1-8に係る発明(以下、それぞれ「本願発明1」-「本願発明8」という。)は、平成29年9月29日付けの手続補正で補正された特許請求の範囲の請求項1-8に記載された事項により特定される発明であり、本願発明1は、以下のとおりの発明である。 「表示パネルと、該表示パネルの画面に表示する画像を所定の周期で書き換える書き換え手段と、任意の調整値に応じて前記画面の輝度を調整する前記表示パネル用のバックライトとを備える表示装置において、 前記バックライトを駆動する駆動期間及び駆動を休止する休止期間を交互に前記所定の周期に同期して繰り返す駆動電流の該駆動期間の長短及び前記駆動期間に前記バックライトへ供給する駆動電流の多少を制御する駆動制御手段を備え、 前記書き換え手段は、前記所定の周期の間に同じ画像のフレームを2回書き込み、 前記駆動制御手段は、 異なる画像が1フレーム中で混在しない期間に前記駆動期間が含まれるようにし、かつ、異なる画像が1フレーム中で混在する期間が前記休止期間に含まれるようにし、 前記調整値が所定値より低い範囲では、前記休止期間を所定期間とし、前記調整値が前記所定値より高い範囲では、前記休止期間を前記所定期間より短くしてあり、 前記所定値を、前記バックライトへ供給する駆動電流の上限値に対応させて設定してあり、 前記調整値が前記所定値より高い範囲では、前記調整値が増加すると、前記駆動電流の積分値を増加するようにしてある ことを特徴とする表示装置。」 なお、本願発明2-8の概要は、以下のとおりである。 本願発明2-7は、本願発明1を減縮する発明である。 本願発明8は、本願発明1に対応する方法の発明であり、本願発明1とカテゴリ表現が異なるだけの発明である。 第4 引用文献、引用発明等 1 原査定の拒絶の理由に引用された上記引用文献1には、次の事項が記載されている。 ア 「【請求項1】 液晶表示パネルと、 前記液晶表示パネルのデータラインを駆動するデータ駆動回路と、 前記液晶表示パネルのゲートラインを駆動するゲート駆動回路と、 前記液晶表示パネルに光を照射する少なくとも1つの光源と、 前記液晶表示パネルでの表示位置に応じて単位フレームデータに異なる変調幅を適用すると共に、前記光源の点灯/消灯を制御する光源制御回路と、 単位フレーム期間を第1及び第2サブフレーム期間に分割し、変調された前記単位フレームデータを前記第1及び第2サブフレーム期間中に前記データ駆動回路に繰り返し供給するタイミングコントローラーと、 前記第1サブフレーム期間中に前記光源を消灯させ、前記第2サブフレーム期間内で前記光源を点灯させる光源駆動回路とを備えることを特徴とする液晶表示装置。」 イ 「【請求項3】 前記光源制御回路は、前記光源の点灯/消灯を制御するためのPWM信号と、前記光源に印加される駆動電流を制御するための電流制御信号とを発生することを特徴とする請求項1に記載の液晶表示装置。」 ウ 「【請求項9】 前記光源制御回路は、 前記単位フレームデータを分析してフレーム代表値を導き出し、前記フレーム代表値を基礎に利得値を算出する利得値算出部と、 前記利得値に応じて前記PWM信号のデューティー比を調節するデューティー調節部とをさらに備え、 前記PWM信号のデューティー比は、予め設定された最大デューティー比を超過しない範囲内で前記利得値に比例するように調節されることを特徴とする請求項3に記載の液晶表示装置。 【請求項10】 前記駆動電流のレベルは、前記PWM信号の最大デューティー比に反比例するように予め設定されることを特徴とする請求項9に記載の液晶表示装置。」 したがって、引用文献1には、次の発明(以下「引用発明」という。)が記載されていると認められる。 「液晶表示パネルと、 前記液晶表示パネルのデータラインを駆動するデータ駆動回路と、 前記液晶表示パネルのゲートラインを駆動するゲート駆動回路と、 前記液晶表示パネルに光を照射する少なくとも1つの光源と、 前記液晶表示パネルでの表示位置に応じて単位フレームデータに異なる変調幅を適用すると共に、前記光源の点灯/消灯を制御する光源制御回路と、 単位フレーム期間を第1及び第2サブフレーム期間に分割し、変調された前記単位フレームデータを前記第1及び第2サブフレーム期間中に前記データ駆動回路に繰り返し供給するタイミングコントローラーと、 前記第1サブフレーム期間中に前記光源を消灯させ、前記第2サブフレーム期間内で前記光源を点灯させる光源駆動回路とを備える液晶表示装置であって、 前記光源制御回路は、前記光源の点灯/消灯を制御するためのPWM信号と、前記光源に印加される駆動電流を制御するための電流制御信号とを発生するものであり、 前記光源制御回路は、前記単位フレームデータを分析してフレーム代表値を導き出し、前記フレーム代表値を基礎に利得値を算出する利得値算出部と、 前記利得値に応じて前記PWM信号のデューティー比を調節するデューティー調節部とをさらに備え、 前記PWM信号のデューティー比は、予め設定された最大デューティー比を超過しない範囲内で前記利得値に比例するように調節され、 前記駆動電流のレベルは、前記PWM信号の最大デューティー比に反比例するように予め設定される液晶表示装置。」 2 引用文献2について 原査定の拒絶の理由に引用された引用文献2には、引用文献2の段落【0012】-【0029】及び【図2】の記載からみて、所定の周期(フレーム)の第1フィールド及び第2フィールドで同じ画像を2回表示すると共に、2回目の表示に対応するタイミングで光源を点灯する表示装置という技術事項が記載されていると認められる。 3 引用文献3について 原査定の拒絶の理由に引用された上記引用文献3には、引用文献3の【0006】-【0007】、【0027】-【0029】及び【図4】-【図6】の記載からみて、フィールドシーケンシャルカラー(FSC)ディスプレイ装置において調光性能を向上させるために、サブフレームにおけるLEDのオン時間を示す「パルス幅」を調整することによって、バックライトに明度の変化をもたらすことができ、その際、調整する「パルス幅」が最小パルス幅に達すると、下方の輝度制御範囲内の追加の調光を、ピーク電流制御により行うという技術事項、具体的には、パルス幅が最小パルス幅に達すると、(パルス幅を最小パルス幅に固定して)ピーク発光体電流を動作電流下限(Imin)に達するまで低下させ、パルス幅が最小パルス幅を上回る場合、ピーク電流は固定最大値(Imax)に設定されるという技術事項が記載されていると認められる。 4 引用文献4について 原査定の拒絶の理由に引用された上記引用文献4には、引用文献4の【請求項1】、【請求項3】、段落【0046】-【0049】及び【図9】の記載からみて、異なる色の照明光を発生する複数の光源を有する光源ユニットと、入力される映像信号に基づいて、前記光源ユニットから射出された照明光を変調する光変調手段と、前記光源ユニットの各前記光源を駆動制御する制御手段とを備え、前記制御手段が、前記光源の駆動電流の大きさを可変制御する第1制御モードと、前記光源の駆動電流のデューティ比を可変制御する第2制御モードとを有し、一または複数のフレームに対応する前記映像信号から表示画像の特徴量として輝度を検出し、該輝度が所定の値以上である場合に前記第2制御モードを選択し、該輝度が所定の値未満である場合に前記第1制御モードを選択する画像投影装置という技術事項が記載されていると認められる。 そして、図9を参照すれば、前記「駆動電流の大きさを可変制御する第1制御モード」においては、パルス幅は下限の値に固定され、前記「光源の駆動電流のデューティ比を可変制御する第2制御モード」においては、駆動電流はImaxに固定されている。 また、引用文献4の【0010】には、「このような構成によれば、表示画像の輝度が明るく、色調の変化がわかりやすい場合には、駆動電流の大きさを可変させない第2制御モードを選択するので、色調の変化を回避することができる。また、表示画像の輝度が暗く、色調の変化がわかりにくい場合には、第2制御モードを選択することにより、多少の色調変化を許容しながら消費電力の低減を図ることができる。」と記載されている。 5 引用文献5について 原査定の拒絶の理由に引用された上記引用文献5には、引用文献5の段落【0008】、【0069】及び【図9】の記載からみて、LEDのバックライト光源を備えた液晶表示装置において、PWM方式と電流値制御方式とを組み合わせて画質に応じた輝度に制御するに際し、LEDの点灯にかかる消費電力を低減できるようにするための技術として、所定の輝度(この例では輝度比53%)までは、点灯デューティを固定し、電流値をリニアに増加させ、別の所定の輝度で点灯デューティが100%となるように点灯デューティをリニアに上げる一方で、電流値をリニアに下げ、上記別の所定の輝度からは、点灯デューティを100%で固定し、電流値をリニアに上げるという技術事項が記載されていると認められるところ、当該電流値は、輝度比が十分に大きい領域では、前記輝度比53%のときの電流値より大きくなっている。 第5 対比・判断 1 本願発明1について (1)対比 本願発明1と引用発明を対比すると、次のことがいえる。 ア 引用発明の「液晶表示パネル」は、本願発明1の「表示パネル」に相当する。 イ 引用発明の「データ駆動回路」、「ゲート駆動回路」及び「単位フレーム期間を第1及び第2サブフレーム期間に分割し、変調された前記単位フレームデータを前記第1及び第2サブフレーム期間中に前記データ駆動回路に繰り返し供給するタイミングコントローラー」は、本願発明1の「該表示パネルの画面に表示する画像を所定の周期で書き換える書き換え手段」に相当する。 ウ 引用発明の「光源」が本願発明1の「バックライト」に相当し、また引用発明の「光源制御回路」は、「利得値に応じて前記(光源の点灯/消灯を制御するための)PWM信号のデューティー比を調節するデューティー調節部」を備えており、引用発明において、光源により照射される液晶表示パネルの輝度は、PWM信号のデューティー比により調整されると認められるから、引用発明は、本願発明1と同様に「任意の調整値に応じて前記画面の輝度を調整する前記表示パネル用のバックライト」を備える表示装置といえる。 エ 引用発明においては、「単位フレーム期間を第1及び第2サブフレーム期間に分割し」、「前記第1サブフレーム期間中に前記光源を消灯させ、前記第2サブフレーム期間内で前記光源を点灯させる」とされているのであるから、光源を駆動する駆動電流が、駆動期間及び休止期間を交互に前記フレームの周期に同期して繰り返すものであることは明らかといえる。 これをふまえると、引用発明の「光源制御回路」は、「前記光源の点灯/消灯を制御するためのPWM信号と、前記光源に印加される駆動電流を制御するための電流制御信号とを発生」し、「前記利得値に応じて前記PWM信号のデューティー比を調節するデューティー調節部とをさらに備え」ており、本願発明1の「前記バックライトを駆動する駆動期間及び駆動を休止する休止期間を交互に前記所定の周期に同期して繰り返す駆動電流の該駆動期間の長短及び前記駆動期間に前記バックライトへ供給する駆動電流の多少を制御する駆動制御手段」に相当するといえる。 オ 引用発明の「タイミングコントローラー」は、「単位フレーム期間を第1及び第2サブフレーム期間に分割し、変調された前記単位フレームデータを前記第1及び第2サブフレーム期間中に前記データ駆動回路に繰り返し供給する」から、「データ駆動回路」及び「ゲート駆動回路」と協働して、本願発明1の「書き換え手段」と同様に「前記所定の周期の間に同じ画像のフレームを2回書き込」むものといえる。 カ 引用発明の「光源駆動回路」は、「前記第1サブフレーム期間中に前記光源を消灯させ、前記第2サブフレーム期間内で前記光源を点灯させる」ものである。ここで、引用発明においては「単位フレームデータ」が「第1及び第2サブフレーム期間中に」「繰り返し供給」されることにより、「第1サブフレーム期間」において新たな画像への書換が行われ、「第2サブフレーム期間」においては同じ画像が書き込まれるのであるから、第1及び第2サブフレーム期間はそれぞれ、本願発明1の「異なる画像が1フレーム中で混在する期間」及び「異なる画像が1フレーム中で混在しない期間」に相当すると認められる。そうすると、引用発明の「光源制御回路」は、本願発明1の「駆動制御手段」と同様に「異なる画像が1フレーム中で混在しない期間に前記駆動期間が含まれるようにし、かつ、異なる画像が1フレーム中で混在する期間が前記休止期間に含まれるように」するものと認められる。 以上のことから、本願発明1と引用発明との間には、次の一致点、相違点があるといえる。 (一致点) 「表示パネルと、該表示パネルの画面に表示する画像を所定の周期で書き換える書き換え手段と、任意の調整値に応じて前記画面の輝度を調整する前記表示パネル用のバックライトとを備える表示装置において、 前記バックライトを駆動する駆動期間及び駆動を休止する休止期間を交互に前記所定の周期に同期して繰り返す駆動電流の該駆動期間の長短及び前記駆動期間に前記バックライトへ供給する駆動電流の多少を制御する駆動制御手段を備え、 前記書き換え手段は、前記所定の周期の間に同じ画像のフレームを2回書き込み、 前記駆動制御手段は、 異なる画像が1フレーム中で混在しない期間に前記駆動期間が含まれるようにし、かつ、異なる画像が1フレーム中で混在する期間が前記休止期間に含まれるようにしてある表示装置。」 (相違点) 相違点1:本願発明1においては、「前記駆動制御手段」が、「異なる画像が1フレーム中で混在しない期間に前記駆動期間が含まれるようにし、かつ、異なる画像が1フレーム中で混在する期間が前記休止期間に含まれるように」しているのに対し、引用発明においては、「前記第1サブフレーム期間中に前記光源を消灯させ、前記第2サブフレーム期間内で前記光源を点灯させる」のは「光源駆動回路」であって、本願発明1の「駆動制御手段」に相当する「光源制御回路」ではない点。 相違点2:本願発明1は、「前記調整値が所定値より低い範囲では、前記休止期間を所定期間とし、前記調整値が前記所定値より高い範囲では、前記休止期間を前記所定期間より短くしてあり、前記所定値を、前記バックライトへ供給する駆動電流の上限値に対応させて設定してあり、前記調整値が前記所定値より高い範囲では、前記調整値が増加すると、前記駆動電流の積分値を増加するようにしてある」というものであり、調整値が所定値より低い範囲では、調整値に応じて駆動電流を増減するものであると認められるのに対し、引用発明の「駆動電流」は、「PWM信号の最大デューティー比に反比例するように予め設定され」るものであって、引用発明は、PWM信号のデューティー比が利得値に比例するように調節されるものであり、利得値が所定値より低い範囲において、駆動電流を利得値に応じて増減するものでない点。 (2)相違点についての判断 ア 本願発明1の内容に鑑みて、上記相違点2を検討すると、本願発明1は、上記のとおり、調整値が所定値より低い範囲では、(休止期間を所定期間に固定し、すなわち、駆動期間を固定して、)調整値に応じて駆動電流を増減するものであるところ、引用文献1には、PWM信号のデューティー比が利得値に比例するように調節されることが記載されるだけであって、利得値が所定値より低い範囲において、駆動電流を利得値に応じて増減することの記載や示唆はない。 イ 引用文献3には、サブフレームにおけるLEDのオン時間を示す「パルス幅」を調整することによって、バックライトに明度の変化をもたらすことにより、フィールドシーケンシャルカラーディスプレイ装置において調光性能を向上させることが記載され、その際、調整する「パルス幅」が最小パルス幅に達すると、下方の輝度制御範囲内の追加の調光を、ピーク電流制御により行うこと、具体的には、パルス幅が最小パルス幅に達すると、(パルス幅を最小パルス幅に固定して)ピーク発光体電流を動作電流下限(Imin)に達するまで低下させ、パルス幅が最小パルス幅を上回る場合、ピーク電流は固定最大値(Imax)に設定されることが記載されており、「(ピーク電流の)固定最大値(Imax)」及び「最小パルス幅とImaxで定まる明度」は、それぞれ、本願発明1の「バックライトへ供給する駆動電流の上限値」及び「(調整値の)所定値」に相当するところであり、引用文献3には、調光性能を向上させる手段として、「調整値が所定値より低い範囲では、休止期間を所定期間とし、前記調整値が前記所定値より高い範囲では、前記休止期間を前記所定期間より短くしてあり、前記所定値を、バックライトへ供給する駆動電流の上限値に対応させて設定してあり、前記調整値が前記所定値より高い範囲では、前記調整値が増加すると、前記駆動電流の積分値を増加するようにしてある」光源の駆動制御手段が記載されているものと認められるが、引用文献1には、前記のとおり、利得値が所定値より低い範囲において、駆動電流を利得値に応じて増減することの記載や示唆はなく、フィールドシーケンシャルカラーディスプレイ装置のサブフレームにおけるLEDの点灯制御技術である引用文献3に記載の技術を引用文献1の光源制御に採用する理由は認められない。 したがって、引用文献3に上記の記載があるにしても、引用発明において、上記相違点に係る本願発明1の発明特定事項とすることを当業者が容易に想到し得たということはできない。 ウ 引用文献4には、光源ユニットの光源を駆動制御する制御手段が、前記光源の駆動電流の大きさを可変制御する第1制御モードと、前記光源の駆動電流のデューティ比を可変制御する第2制御モードとを有し、表示画像の特徴量として輝度を検出し、該輝度が所定の値以上である場合に前記第2制御モードを選択し、該輝度が所定の値未満である場合に前記第1制御モードを選択する画像投影装置が記載され、引用文献4の「(駆動電流)Imax」及び「所定の値の輝度」は、それぞれ、本願発明1の「バックライトへ供給する駆動電流の上限値」及び「(調整値の)所定値」に相当するところであり、引用文献4には、「調整値が所定値より低い範囲では、休止期間を所定期間とし、前記調整値が前記所定値より高い範囲では、前記休止期間を前記所定期間より短くしてあり、前記所定値を、バックライトへ供給する駆動電流の上限値に対応させて設定してあり、前記調整値が前記所定値より高い範囲では、前記調整値が増加すると、前記駆動電流の積分値を増加するようにしてある」光源の駆動制御手段が記載されているものと認められるが、引用文献1には、前記のとおり、利得値が所定値より低い範囲において、駆動電流を利得値に応じて増減することの記載や示唆はなく、異なる色の照明光を発生する複数の光源を有する光源ユニットを備える画像投影装置において、色調の変化を回避し、消費電力の低減を図るための技術である引用文献4に記載の上記光源の駆動制御手段を引用文献1の光源制御に採用する理由は認められない。 したがって、引用文献4に上記の記載があるにしても、引用発明において、上記相違点に係る本願発明1の発明特定事項とすることを当業者が容易に想到し得たということはできない。 エ 引用文献5には、LEDのバックライト光源を備えた液晶表示装置において、PWM方式と電流値制御方式とを組み合わせて画質に応じた輝度に制御するに際し、LEDの点灯にかかる消費電力を低減できるようにするための技術として、上記の技術事項が記載されており、引用文献5において、「所定の輝度(この例では輝度比53%)までは、点灯デューティを固定し、電流値をリニアに増加させ」るところの「所定の輝度(この例では輝度比53%)」が本願発明1の「(調整値の)所定値」に相当すると認められるところ、引用文献5における電流値は、輝度比が十分に大きい領域では、前記輝度比53%のときの電流値より大きくなっているから、引用文献5は、本願発明1のように「前記所定値を、前記バックライトへ供給する駆動電流の上限値に対応させて設定して」あるものとはいえない。 したがって、引用文献5の技術を引用発明に適用しても、本願発明1の構成とはならない。 オ 引用文献2の技術事項は、上記相違点2に係る本願発明1の発明特定事項に関連するものとはいえない。 カ 以上のとおりであって、上記相違点1について判断するまでもなく、本願発明1は、当業者であっても、引用文献1-5に基づいて容易に発明できたものとはいえない。 2 本願発明2-7について 本願発明2-7は、本願発明1を減縮したものであるから、本願発明1と同様の理由により、当業者であっても、引用文献1-5に基づいて容易に発明できたものとはいえない。 3 本願発明8について 本願発明8は、本願発明1に対応する方法の発明であり、本願発明1とカテゴリ表現が異なるだけの発明であるから、本願発明1と同様の理由により、当業者であっても、引用文献1-5に基づいて容易に発明できたものとはいえない。 第6 原査定について 以上のとおりであって、本願発明1-8は、当業者であっても、拒絶査定において引用された引用文献1-5に基づいて、容易に発明できたものとはいえない。したがって、原査定の理由を維持することはできない。 第7 むすび 以上のとおり、原査定の理由によっては、本願を拒絶することはできない。 また、他に本願を拒絶すべき理由を発見しない。 よって、結論のとおり審決する。

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2017-014470

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