特許拒絶査定不服審判
2017-014354
装備品
- 審判番号
- 2017-014354
- 法域
- 特許
- 審判種別
- 拒絶査定不服審判(拒絶査定不服の審決)
- 出願番号
- 特願2015-199354外部サイト(J-PlatPat)へ移動します
- 請求日
- 2017年09月28日
- 審決日
- 2018年12月11日
- 公報発行日
- 2019年04月26日
- 結論
- 請求不成立
- 当事者
- 【請求人】有限会社久美川鉄工所
- 分類
- P18 .121-WZ (A44C) / P18 .113-WZ (A44C)
- 根拠条文(結論部分から自動抽出・参考)
- 特許法29条2項
- 条文(本文から自動抽出・参考)
- 特許法第29条第2項
- データ出所
- 審決公報(SGML)
事件の表示
特願2015-199354「装備品」拒絶査定不服審判事件〔平成29年 4月13日出願公開、特開2017- 70495〕について、次のとおり審決する。
結論
【結 論】
本件審判の請求は、成り立たない。
理由
【理 由】
1.手続の経緯
本願は、平成27年10月7日の出願であって、平成29年8月8日付で拒絶査定がなされ(発送日:平成29年8月15日)、これに対し、平成29年9月28日に拒絶査定不服審判の請求がなされるとともに意見書及び手続補正書が提出され、当審により平成30年7月20日付で拒絶の理由が通知され(発送日:平成30年7月31日)、これに対し、平成30年9月13日付で意見書及び手続補正書が提出されたものである。
2.特許請求の範囲
平成30年9月13日付の手続補正で特許請求の範囲は以下のように補正された(なお、本願請求項1に係る発明を、以下、「本願発明」という。)。
「【請求項1】
指輪、ブレスレット、イヤリング、耳輪、ネックレス、又は足環において、該透明性を所持する、入填の記憶、記載、又は添付等を為しえた、該内容が分かる、認識出来る該装飾品。」
なお、請求項1に記載された「該透明性」、「該装飾品」が請求項1中の先行する記載の何に対応するのか不明であるが、平成29年9月28日付手続補正書には、「透明性を所持した装飾品に於いて」とあり、装飾品とは「装飾に用いる品物」のことであるから、「該透明性」は「指輪、ブレスレット、イヤリング、耳輪、ネックレス、又は足環」が透明性を所持するものとして、「該装飾品」は「指輪、ブレスレット、イヤリング、耳輪、ネックレス、又は足環」を指すものとして以後検討する。
3.拒絶の理由
平成30年7月20日付の進歩性(特許法第29条第2項)に関する拒絶の理由の概要は以下のとおりである。
「この出願の請求項1に係る発明は、その出願前に日本国内又は外国において頒布された特開2007-209467号公報(「引用例1」)に記載された発明又は登録実用新案第3100087号公報(「引用例2」)に記載された発明又は登録実用新案第3070479号公報(「引用例3」)に記載された発明又は登録実用新案第3028450号公報(以下、「引用例4」という。)に記載された発明又は特開2001-145509号公報(「引用例5」)に記載された発明に基いて、その出願前にその発明の属する技術の分野における通常の知識を有する者が容易に発明をすることができたものであるから、特許法第29条第2項の規定により特許を受けることができない。」
4.引用例
引用例4には、図面とともに、以下の事項が記載されている。
a「ホルダー本体に球面凹部を形成し、該球面凹部の内底面に白色下地層を球面状に形成し、該白色下地層の上に発光材を球面状に塗布し、該発光材の上に透明シールを敷き、該透明シール及び前記発光材の上に透明の球体を載置して該球体が球面凹部から脱落しないように固定してなることを特徴とする装身具。」(【請求項1】)
b「透明シールには適宜の文字又は絵柄の表示が記載されていることを特徴とする請求項1記載の装身具。」(【請求項3】)
c「この考案はペンダント、ブローチ又はキーホルダー等の装身具に関するもの」(【0001】)
d「ペンダントやブローチ又はキーホルダー等の装身具は、通例、宝石や貴石又は貴金属等をホルダー本体に埋め込んだり、接着剤等で固着しホルダー本体を紐や鎖で吊支して身に着けるものである。」(【0002】)
e「図1,2に本考案をペンダントに適用した装身具を示す。ホルダー本体1は種々の形態を採ることができるが、図においては、例えば竜を滴涙形にデザインした形状をしている。このホルダー本体1に球面凹部2が一体形成され、この球面凹部2に透明の球体3が脱落不能に固定されて成り、この球体3はその球面凹部2の内底部に敷かれた透明シール4に記載された文字又は絵柄等の表示5を拡大して見ることができるように透明であり、また透明シール4と球面凹部2の内底部との間に介在する発光材6(図5参照)によって暗所では発光するようになっている。ホルダー本体1には環部7が一体成形され、環部7に紐又は鎖12を挿通して首から吊支できるようにして、ペンダントとして完成する。透明シール4は球面凹部2の略中央部に敷ける程度の円形である。」(【0007】)
f「かくして、発光材6によって発光する球体3を有するとともに、その球体3を覗き込むと表示5が拡大されて透けて見えるキーホルダー又はペンダント等のアクセサリーとしての装身具を得るもので、これによって単なるアクセサリーが特別の趣向を具備するに至る。」(【0012】)
上記記載事項からみて、引用例4には、
「紐又は鎖を環部に挿通して首から吊支できるようにしたペンダントにおいて、ホルダー本体の球面凹部に敷いた適宜の文字又は絵柄の表示が記載された透明シールの上に、透明の球体を載置し、前記文字又は絵柄等の表示を拡大して見ることができるペンダント。」
との発明(以下、「引用発明」という。)が記載されている。
5.対比
引用発明の「透明の球体」は、ペンダントの一部である球体が透明であることを意味するので、本願発明の「該透明性を所持する」に相当する。
引用発明の「ホルダー本体の球面凹部に敷いた適宜の文字又は絵柄の表示が記載された透明シールの上に、透明の球体を載置し、前記文字又は絵柄等の表示を拡大して見ることができる」は、ペンダントが透明性を所持し、ホルダー本体の球面凹部に透明シールを入れ、前記透明シールの上に透明の球体を載置することにより、前記透明シールに記載された適宜の文字又は絵柄の表示を見ることができるから、本願発明の「該透明性を所持する、入填の記憶、記載、又は添付等を為しえた、該内容が分かる、認識出来る」に相当する。
引用発明の「紐又は鎖を環部に挿通して首から吊支できるようにしたペンダント」と、本願発明の「指輪、ブレスレット、イヤリング、耳輪、ネックレス、又は足環」は、「装飾品」の点で一致する。
したがって、両者は、
「装飾品において、該透明性を所持する、入填の記憶、記載、又は添付等を為しえた、該内容が分かる、認識出来る該装飾品。」
の点で一致し、以下の点で一応相違している。
〔相違点〕
装飾品に関し、本願発明は、指輪、ブレスレット、イヤリング、耳輪、ネックレス、又は足環であるのに対し、引用発明は、紐又は鎖を環部に挿通して首から吊支できるようにしたペンダントである点。
6.判断
「ネックレス」とは首飾りのことであり、引用発明に係るペンダントは首から吊支できるアクセサリーである。また、透明性のある材料を通して内蔵された紙片に記入された住所・氏名等を判読可能としたネックレスは、例えば実願昭62-152494号(実開昭64-55972号)のマイクロフィルムにもみられるように周知の事項(以下、「周知技術」という。)である。
そうすると、引用発明において、首から吊支できるようにしたアクセサリーであるペンダントを、周知技術のように首飾りであるネックレスとすることは当業者が容易に考えられることと認められる。
そして、本願発明の作用効果も、引用発明から当業者が予測できる範囲のものである。
したがって、本願発明は、引用発明に基いて当業者が容易に発明をすることができたものであるから、特許法第29条第2項の規定により特許を受けることができない。
7.むすび
したがって、本願発明は、引用発明に基いて当業者が容易に発明をすることができたものであるから、特許法第29条第2項の規定により特許を受けることができない。
そうすると、本願を拒絶すべきであるとした原査定は維持すべきである。
よって、結論のとおり審決する。
審決本文(J-PlatPat)
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