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特許拒絶査定不服審判

2017-012328

遊技機

審判番号
2017-012328
法域
特許
審判種別
拒絶査定不服審判(拒絶査定不服の審決)
出願番号
特願2015-087579外部サイト(J-PlatPat)へ移動します
請求日
2017年08月21日
審決日
2018年05月07日
公報発行日
2018年08月31日
結論
請求不成立
当事者
審判長/審判官
分類
P18 .16 -Z (A63F) / P18 .575-Z (A63F)
根拠条文(結論部分から自動抽出・参考)
特許法29条の2
条文(本文から自動抽出・参考)
特許法第29条の2、特許法第17条の2第6項、特許法第17条の2第5項第2号
データ出所
審決公報(SGML)

事件の表示

特願2015- 87579「遊技機」拒絶査定不服審判事件〔平成28年12月 8日出願公開、特開2016-202565〕について、次のとおり審決する。

結論

【結 論】 本件審判の請求は、成り立たない。

理由

【理 由】 第1 手続の経緯 本願は、平成27年4月22日に特許出願したものであって、平成29年3月1日付けで拒絶理由通知がなされ、平成29年5月2日付けで意見書及び手続補正書が提出され、平成29年7月4日付け(発送日:平成29年7月11日)で拒絶査定がなされ、これに対して平成29年8月21日に拒絶査定不服審判が請求されるとともに手続補正がなされ、これに対して平成29年10月3日付けで前置報告がなされたものである。 第2 平成29年8月21日付けの手続補正についての補正却下の決定 [補正却下の決定の結論] 平成29年8月21日付けの手続補正(以下、本件補正という)を却下する。 [理由] 1.本件補正の概要 本件補正は特許請求の範囲の請求項1の補正を含むものであり、本件補正により、特許請求の範囲の請求項1の記載は、 補正前(平成29年5月2日付け手続補正)の 「【請求項1】 A 変動表示を行ない、遊技者にとって有利な有利状態に制御可能な遊技機であって、 B 未だ開始されていない変動表示について、保留表示として表示可能な保留表示手段と、 C 保留表示の態様を、所定態様から第1特別態様および第2特別態様を含む複数種類の特別態様のうちのいずれかに変化可能な態様変化手段と、 D 前記所定態様で表示されている保留表示の態様が変化することを示唆する示唆演出を実行可能とする示唆演出実行手段とを備え、 前記示唆演出実行手段は、 D1 前記所定態様で表示されている保留表示の態様が前記第1特別態様に変化することを示唆する第1示唆演出と、 D2 前記所定態様で表示されている保留表示の態様が前記第2特別態様に変化することを示唆する第2示唆演出と、 D4 一つの演出により前記所定態様で表示されている複数の保留表示の態様が前記特別態様に変化することを示唆する特定示唆演出とを実行可能である、遊技機。」 から、補正後(本件補正である平成29年8月21日付け手続補正)の 「【請求項1】 A 変動表示を行ない、遊技者にとって有利な有利状態に制御可能な遊技機であって、 B 未だ開始されていない変動表示について、保留表示として表示可能な保留表示手段と、 C 保留表示の態様を、所定態様から第1特別態様および第2特別態様を含む複数種類の特別態様のうちのいずれかに変化可能な態様変化手段と、 D 前記所定態様で表示されている保留表示の態様が変化することを示唆する示唆演出を実行可能とする示唆演出実行手段とを備え、 前記示唆演出実行手段は、 D1 前記所定態様で表示されている保留表示の態様が前記第1特別態様に変化することを示唆する第1示唆演出と、 D2 前記所定態様で表示されている保留表示の態様が前記第2特別態様に変化することを示唆する第2示唆演出と、 D3 前記所定態様から前記第1特別態様に変化することを示唆した後、前記第2特別態様に変化することを示唆する第3示唆演出と、 D4 一つの演出により前記所定態様で表示されている複数の保留表示の態様が前記特別態様に変化することを示唆する特定示唆演出とを実行可能である、 遊技機。」 へ補正された(記号は分節のため当審で付した。下線は補正箇所を示す。)。 2.補正の適否 本件補正は、補正前の請求項1において、発明特定事項D3の 「前記所定態様から前記第1特別態様に変化することを示唆した後、前記第2特別態様に変化することを示唆する第3示唆演出と、」 という事項を追加する補正である。 そして、補正後の請求項1に記載された発明は、補正前の請求項1に記載された発明と、産業上の利用分野及び解決しようとする課題が同一である。 よって、本件補正は、特許法第17条の2第5項第2号に規定する限定的減縮を目的とするものに該当する。 そして、本件補正は新規事項を追加するものではない。 3.独立特許要件 そこで、本件補正後の請求項1に記載された発明(以下「本件補正発明」という。)が特許出願の際独立して特許を受けることができるものであるか否か(特許法第17条の2第6項において準用する同法第126条第7項の規定に適合するか)について以下に検討する。 (1)先願明細書等 原査定の拒絶の理由において提示された、本願の出願日以前に出願された特願2014-214592号(特開2016-77730号公報参照)の願書に最初に添付した明細書、特許請求の範囲又は図面(以下、「先願明細書等」という。)には以下の記載がある。(下線は合議体が審決にて付した。以下、同じ。) (ア) 「【0001】 本発明は、パチンコ遊技機などの遊技機に関する。 【背景技術】 【0002】 従来より、始動口に遊技球が入賞したことを条件として大当たり抽選を受けるための権利が取得され、大当たり抽選により大当たりに当選した場合には大入賞口が開放され、当該大入賞口に遊技球が入賞することで多量の賞球を獲得可能な特別遊技が実行可能となる遊技機が知られている。詳説すると、始動口に遊技球が入賞したときに特図判定用情報として特図判定用情報記憶領域に記憶し、始動条件の成立により、特図判定用情報記憶領域に記憶された特図判定用情報を読み出して大当たり抽選を実行する。」 (イ) 「【0033】 <<遊技機の基本動作>> 次に、遊技機100の基本動作について説明する。遊技機100は、第1又は第2始動条件が成立すると、その成立タイミングに応じた特図判定用情報を取得し、特図判定用情報に基づく大当たり抽選を行う。特図判定用情報の取得は、大当たり抽選の権利の取得に相当する。大当たり抽選では、大当たりに当選したか否か(大当たりに当選したか、或いはハズレであるか)が判定される。第1始動条件の成立に基づいて大当たり抽選をおこなった場合、遊技機100は、第1特別図柄表示部201aの第1特別図柄を変動表示させる。そして、この変動表示の開始から所定時間経過後に、大当たり抽選の抽選結果を示す図柄で(即ち大当たり抽選の抽選結果を示す態様で)第1特別図柄を停止表示させる。一方、第2始動条件の成立に基づいて大当たり抽選をおこなった場合、遊技機100は、第2特別図柄表示部201bの第2特別図柄を変動表示させる。そして、この変動表示の開始から所定時間経過後に、大当たり抽選の抽選結果を示す図柄で(即ち大当たり抽選の抽選結果を示す態様で)第2特別図柄を停止表示させる。」 (ウ) 「【0170】 図19(a)は保留画像の表示態様の一例を示す図である。保留画像QC1~QC7は互いに異なる画像である。本例において保留画像QC1は白色の画像、保留画像QC2は青色の画像、保留画像QC3は緑色の画像、保留画像QC4は赤色の画像、保留画像QC5は虹柄(七色)の画像である。」 (エ) 「【0217】 ―――保留演出態様決定処理――― CPU431は保留演出態様決定処理において、保留演出の演出態様を決定する。本処理において決定可能な保留演出の演出態様としては、互いに演出態様が異なる第1保留演出~第3保留演出が設定される。第1保留演出~第3保留演出の演出態様の詳細は、本実施形態及び以降の実施形態の記載により明らかとなるが、各保留演出の演出態様について簡潔に述べると、第1保留演出は、初期画像と最終画像の画像が同一の画像であって画像が変化しない演出である。なお、初期画像とは、事前判定対象に対応する保留画像として最初に画像表示領域QR3に表示される保留画像である。」 (オ) 「【0254】 図32は保留変化前兆演出の演出例を示す説明図である。図32は事前判定対象に対して保留非変化演出Y1-2及び保留非変化予告演出の実行が決定された場合における保留変化前兆演出の演出例である。この場合、図32(a)に示すように、画像表示領域QR3に初期画像として、画像QC2が表示された後に、図32(b)に示すように保留変化前兆演出として、画像表示部104内であって、画像表示領域の近傍(本例では画像表示領域QR4の左側)に、緑色の球を持ったキャラクターTKが登場する演出が実行される。上述したように、保留変化前兆演出は、初期画像が、初期画像とは異なる画像であって、且つ、初期画像よりも大当たりに対する信頼度が高い特定の画像に対応する保留画像又は当該権利画像に変化しうることを示唆するであるため、本例では、図32(b)に示す保留変化前兆演出に代えて、図33(a)又は(b)に示すように、赤色又は虹色の球を持ったキャラクターTKが登場する演出を実行することが可能であるが、白色又は青色の球を持ったキャラクターTKが登場する演出は実行されない。」 (カ) 「【0270】 ///第2実施形態/// 第1実施形態では、保留演出態様決定処理において、第1保留演出の実行が決定された場合について説明したが、本実施形態では、保留演出態様決定処理において、第2保留演出の実行が決定された後に実行される保留演出内容決定処理について説明する。 【0271】 ―――保留演出内容決定処理――― CPU431は保留演出態様決定処理において第2保留演出の実行を決定した後、保留演出内容決定処理を実行する。以下、第2保留演出の内容の詳細について説明する。 【0272】 CPU431は、第2保留演出の具体的な演出内容を決定するための保留演出内容決定処理を実行する。第2保留演出として実行される演出は、初期画像と最終画像の画像が異なる画像であって、画像が変化する演出(保留変化演出)を少なくとも含み、さらに、保留変化演出の前に、保留変化演出が実行されることを示唆する保留変化予告演出が実行されてもよい。以下、保留変化演出及び保留変化予告演出の詳細について、説明する。 ・・・ 【0276】 図41は保留変化演出Y2-7の演出例を示す説明図である。図41(a)に示すように、初期画像として画像表示領域QR3に画像QC2が表示される。次に、図41(a)に示す画像表示領域QR1に対応する先行保留に対して特図判定の権利が消化されると、図41(b)に示すように、画像QC2を画像QC3に変化させた上で、画像表示領域QR2にシフトする。さらに、図41(b)に示す画像表示領域QR1に対応する先行保留に対して特図判定の権利が消化されると、図41(c)に示すように、画像QC3を画像QC4に変化させた上で画像表示領域QR1にシフトする。そして、事前判定対象に対する特図判定の権利が消化されると、図41(d)に示すように、画像表示領域QR1から画像QC4を消去すると共に、最終画像として、画像PC5を画像表示領域PR1に表示し、遊技者にとっては画像QC4が画像PC5に変化された上で、画像表示領域QR1から画像表示領域PR1にシフトされたように認識される。 【0277】 保留変化演出は、初期画像から最終画像に直接変化される演出としてもよいが、図41に示したように、初期画像から、初期画像及び最終画像とは異なる画像に変化された上で、最終的に最終画像を表示することとしてもよい(以下、保留変化演出において、初期画像及び最終画像とは異なる画像を「経由画像」と称する。)。保留変化演出において初期画像から経由画像に変化し、経由画像から最終画像に変化される演出が実行される場合、経由画像としては、初期画像よりも大当たりに対する信頼度が高く、最終画像よりも大当たりに対する信頼度が低い画像が選択される。また、経由画像として複数の経由画像を選択してもよく、各経由画像間において、大当たりに対する信頼度は、先に表示される経由画像ほど大当たりに対する信頼度が低い画像が選択され、後に表示される経由画像ほど大当たりに対する信頼度が高い画像が選択される。図41に示す保留変化演出は、経由画像として、初期画像(画像QC2)及び最終画像(画像PC5)とは異なる画像(画像QC3及び画像QC4)が選択され、また、経由画像においては大当たりに対する信頼度が低い順(画像QC3、画像QC4の順)に表示される(図41(b)及び(c)参照)演出である。」 (キ) 「【0297】 本実施形態において保留変化予告演出とは、保留非変化予告演出と同様の保留変化前兆演出(初期画像が初期画像とは異なる特定の画像であって、且つ、初期画像よりも大当たりに対する信頼度が高い保留画像又は当該権利画像に変化しうることを示唆する演出)を少なくとも含み、保留変化前兆演出後に実行可能な演出であって、初期画像が上記特定の画像に対応する保留画像又は当該権利画像に変化することを示唆する保留変化示唆演出を含んでいてもよい。」 (ク) 「【0299】 図44は保留変化示唆演出の演出例を示す説明図である。上述したように保留変化示唆演出は保留変化前兆演出の後に実行可能な演出であり、図44(a)は、図32(b)と同一の図が示されている。なお、図44は図41に示す保留変化演出Y2-7において、図41(a)と図41(b)との間で実行される保留変化示唆演出を示す説明図である。 【0300】 図44(a)に示すように緑色の球を持ったキャラクターTKが登場する保留変化前兆演出が実行され、図44(b)に示すように、画像QC2が画像表示領域QR3から画像表示領域QR2にシフトされた後に、保留変化示唆演出として、キャラクターTKが緑色の球を画像表示領域QR2に向かって投げる演出が実行され、さらにその後に、図44(c)に示すようにキャラクターTKが投げた緑色の球が画像表示領域QR2に表示された画像QC2に当たり、画像表示領域QR2に表示されていた画像QC2が画像QC3に変化する演出が実行される。当該保留変化示唆演出が実行されることで遊技者は画像表示領域QR2に表示されている画像QC2が、画像QC2よりも大当たりに対する信頼度が高い画像QC3(緑色の画像の保留画像)に変化することを認識することができる。」 (ケ) 「【0307】 保留変化予告演出の実行が決定された場合において、保留変化予告演出を実行する回数は、保留変化演出における経由画像の数よりも1大きな数値以下(すなわち、画像が変化する回数以下であって、例えば経由画像が1つであれば、初期画像が経由画像に変化し、経由画像が最終画像に変化するため合計2回画像が変化するため2回以下)であればよい。保留変化予告演出を実行する回数を、保留変化演出における経由画像の数よりも1大きな数値と同一とすれば、画像が変化される度に保留変化予告演出が実行されることになる。また、保留変化予告演出を実行するタイミングは、画像を変化させるタイミングに同期させて実行され、保留変化予告演出後に保留変化演出が実行されるように設定される。また、保留変化前兆演出として、初期画像又は経由画像がいずれの画像に変化しうることを示唆するかは、変化前の初期画像又は経由画像と、変化後の経由画像又は当該権利画像に基づいて決定される。1の画像に変化しうることを示唆する場合には、変化後の経由画像又は当該権利画像に変化しうることを示唆し、複数の画像に変化しうることを示唆する場合には、変化後の経由画像又は当該権利画像、及び、変化前の初期画像又は経由画像よりも大当たりに対する信頼度が高く、変化後の経由画像又は当該権利画像とは異なる画像のいずれかに変化しうることを示唆する。なお、これらを定める方法は特に限られるものではなく、演出用乱数に基づいて定めることとしてもよい。また、保留変化演出が実行される場合には、保留変化予告演出として、保留変化前兆演出及び保留変化示唆演出を実行されるが、例えば、1回分の保留変化予告演出が1回分の特図変動の変動期間内で実行される場合に、特図変動の変動時間が、保留変化前兆演出及び保留変化示唆演出の実行に要する時間未満である場合には、保留変化前兆演出のみを実行し、或いは、保留変化予告演出を実行しないこととしてもよく、その場合は、保留変化前兆演出後、或いは、保留変化予告演出なしに保留変化演出が実行される。」 (コ) 「【0310】 本実施形態によれば、始動条件の成立により特別遊技を行うか否かの特別遊技判定の権利を保留可能な保留手段と、演出を行わせる演出制御手段と、を備え、前記演出制御手段は、前記権利が保留されていることを示す保留図柄を表示手段に表示させるとともに、前記保留図柄を特殊保留図柄に変化させることが可能な保留表示制御手段と、前記保留図柄が前記特殊保留図柄に変化される前に、前記特殊保留図柄に変化されることを示唆する予告演出を行わせることが可能な予告演出制御手段と、を有し、前記保留表示制御手段は、前記保留図柄を、前記特別遊技が行われる可能性が高いことを示唆する第1の特殊保留図柄、又は、前記第1の特殊保留図柄よりも前記特別遊技が行われる可能性が高いことを示唆する第2の特殊保留図柄、に変化させることが可能であり、前記予告演出制御手段は、前記保留図柄が前記第1の特殊保留図柄に変化されるとき、前記第1の特殊保留図柄に変化される可能性があることを示唆する第1の予告演出を行わせることを可能にし、前記保留図柄が前記第2の特殊保留図柄に変化されるとき、前記第2の特殊保留図柄に変化される可能性があることを示唆する第2の予告演出を行わせることを可能にする。 【0311】 なお、上記構成において、保留手段は、図4を参照して大当たり抽選の権利を所定数を上限として保留し、特図保留情報をRAM413に記憶させる主制御部401に相当する。また、保留表示制御手段及び予告演出制御手段を有する演出制御手段は、図12を参照して変動演出を実行する演出制御部403に相当する。そして、保留表示制御手段が実行する処理は、現在表示されている保留図柄を現在表示されている保留図柄よりも大当たりに対する信頼度が高い特殊保留図柄に変化させる保留変化演出であり、保留変化演出として保留図柄が第1の特殊保留図柄に変化される場合に、予告演出制御手段は、示唆演出として、保留図柄が第1の特殊保留図柄に変化されることを示唆する保留変化予告演出を実行し、保留変化演出として保留図柄が第2の特殊保留図柄に変化される場合に、予告演出制御手段は、示唆演出として、保留図柄が第2の特殊保留図柄に変化されることを示唆する保留変化予告演出を実行する。」 (サ) 「【0422】 [保留変化示唆演出の変形例2] 第2実施形態において、保留変化予告演出は、特図判定の権利が複数保留されている場合に、その内、特定の一つの特図判定の権利が保留されていることを示す保留画像について保留変化演出が実行されることを示唆する演出であったが、本変形例においては、特定の二つの特図判定の権利が保留されていることを示す保留画像について保留変化演出が実行されることを示唆することが可能であることとする。 【0423】 図87及び図88は、本変形例による保留変化予告演出の演出例を示す説明図であり、事前判定対象に対して保留演出決定処理において保留変化演出Y2-6の実行が決定され、先行保留の内、事前判定対象よりも一つ特図判定の権利の優先順位が高い先行保留(図87(a)に示す画像表示領域QR2に表示された保留画像QC1に対応する保留であり、対象先行保留と称する。)に対して保留演出決定処理において保留変化演出Y2-2の実行が決定されている場合における保留変化予告演出の演出例の説明図である。 【0424】 本変形例における保留変化演出Y2-6は、図87(a)に示すように事前判定対象に対応する画像QC2が画像表示領域QR3に表示されているときに画像QC4に変化され、その後、先行保留の特図判定の権利が消化される毎に、画像QC4が画像表示領域QR2、QR1に順次シフトされ、事前判定対象の特図判定の権利が消化された後、最終画像として画像表示領域PR1に画像PC4を表示するものであることとする。また、保留変化演出Y2-2は、図87(a)に示すように対象先行保留に対応する画像QC1が画像表示領域QR2に表示されているときに画像QC3に変化され、その後、対象先行保留の先行保留の特図判定の権利が消化されると、画像QC3が画像表示領域QR1にシフトされ、対象先行保留の特図判定の権利が消化された後、最終画像として画像表示領域PR1に画像PC3を表示するものであることとする。 【0425】 この場合、保留変化前兆演出として、図87(b)に示すように、キャラクターTKが緑色の球と赤色の球を持って登場する演出が実行される。その後、保留変化示唆演出として、キャラクターTKが緑色の球を画像表示領域QR2に向かって投げ、赤色の球を画像表示領域QR3に向かって投げる演出(図87(c)参照)、及び、緑色の球が画像表示領域QR2に表示された画像QC1に当たり、赤色の球が画像表示領域QR3に表示された画像QC2に当たる演出(図88(a)参照)が実行された後、保留変化演出Y2-2及びY2-7として、画像表示領域QR2に表示された画像QC1が画像QC3に変化し、画像表示領域QR3に表示された画像QC2が画像QC4に変化する演出が実行される(図88(b)参照)。本変形例による保留変化予告演出は、特に、特図判定の権利が短期間で複数保留されやすい右打ち遊技中に実行しやすい演出である。」 (シ) (ア)の【0002】には「大当たり抽選により大当たりに当選した場合には・・・多量の賞球を獲得可能な特別遊技が実行可能となる遊技機」という記載が、(イ)の【0033】には「大当たり抽選をおこなった場合、遊技機100は、・・・特別図柄を変動表示させ」という記載があり、先願明細書等には「大当たり抽選をおこなって特別図柄を変動表示させ、大当たりに当選した場合には多量の賞球を獲得可能な特別遊技が実行可能となる遊技機100」が記載されているといえる。(認定事項(シ)) (ス) (コ)の【0310】には「始動条件の成立により特別遊技を行うか否かの特別遊技判定の権利を保留可能な保留手段」という記載が、【0311】には「保留手段は、・・・大当たり抽選の権利を・・・保留し、」という記載があることから、「始動条件の成立により特別遊技を行うか否かの特別遊技判定の権利」とは「大当たり抽選の権利」であることは明らかであり、【0310】の「前記権利が保留されていることを示す保留図柄を表示手段に表示させる」という記載と合わせると、先願明細書等には「大当たり抽選の権利が保留されていることを示す保留図柄」を表示する「表示手段」が記載されていることも明らかである。(認定事項(ス-1)) さらに、【0310】には「前記権利が保留されていることを示す保留図柄を表示手段に表示させるとともに、前記保留図柄を特殊保留図柄に変化させることが可能な保留表示制御手段」、「前記保留表示制御手段は、前記保留図柄を、・・・第1の特殊保留図柄、又は、・・・第2の特殊保留図柄、に変化させることが可能であ」るという記載があることから、先願明細書等には「前記保留図柄を、第1の特殊保留図柄、又は、前記第1の特殊保留図柄、又は、第2の特殊保留図柄、に変化させて表示手段に表示させることが可能であ」る「保留表示制御手段」が記載されているといえる。(認定事項(ス-2)) (セ) (エ)の【0217】には「初期画像とは、・・・保留画像である」、(オ)の【0254】には「保留変化前兆演出は、初期画像が、初期画像とは異なる画像であ」る「特定の画像に対応する保留画像・・・に変化しうることを示唆する」、(キ)の【0297】には「保留変化予告演出とは、・・・保留変化前兆演出・・・を少なくとも含み、保留変化前兆演出後に実行可能な演出であ」る「保留変化示唆演出を含んでいてもよい」と記載されており、(コ)の【0311】には「予告演出制御手段は、・・・保留変化予告演出を実行し」「予告演出制御手段は、・・・保留変化予告演出を実行する」と記載されていることから、先願明細書等には「保留画像である初期画像が、初期画像とは異なる画像である特定の画像に対応する保留画像に変化しうることを示唆する保留変化前兆演出を少なくとも含み、保留変化前兆演出後に実行可能である保留変化示唆演出を含んでいてもよい保留変化予告演出」「を実行する予告演出制御手段」が記載されているといえる。 加えて、(コ)の【0310】には「予告演出制御手段と、を有し」「前記予告演出制御手段は、前記保留図柄が前記第1の特殊保留図柄に変化されるとき、前記第1の特殊保留図柄に変化される可能性があることを示唆する第1の予告演出を行わせることを可能にし、前記保留図柄が前記第2の特殊保留図柄に変化されるとき、前記第2の特殊保留図柄に変化される可能性があることを示唆する第2の予告演出を行わせることを可能にする」という記載があることから、先願明細書等には「前記保留図柄が前記第1の特殊保留図柄に変化されるとき、前記第1の特殊保留図柄に変化される可能性があることを示唆する第1の予告演出を行わせることを可能にし、前記保留図柄が前記第2の特殊保留図柄に変化されるとき、前記第2の特殊保留図柄に変化される可能性があることを示唆する第2の予告演出を行わせることを可能にする」「予告演出制御手段」が記載されているといえる。 以上を総合すると、先願明細書等には「保留画像である初期画像が、初期画像とは異なる画像である特定の画像に対応する保留画像に変化しうることを示唆する保留変化前兆演出を少なくとも含み、保留変化前兆演出後に実行可能である保留変化示唆演出を含んでいてもよい保留変化予告演出を実行する予告演出制御手段であって、前記保留図柄が前記第1の特殊保留図柄に変化されるとき、前記第1の特殊保留図柄に変化される可能性があることを示唆する第1の予告演出を行わせることを可能にし、前記保留図柄が前記第2の特殊保留図柄に変化されるとき、前記第2の特殊保留図柄に変化される可能性があることを示唆する第2の予告演出を行わせることを可能にする予告演出制御手段」が記載されているといえる。(認定事項(セ)) (ソ) (ク)の【0300】には「図44(a)に示すように緑色の球を持ったキャラクターTKが登場する保留変化前兆演出が実行され、」、「保留変化示唆演出として、キャラクターTKが緑色の球を画像表示領域QR2に向かって投げる演出が実行され、さらにその後に、」、「キャラクターTKが投げた緑色の球が画像表示領域QR2に表示された画像QC2に当たり、画像表示領域QR2に表示されている画像QC2が、画像QC3に変化する」ことが記載されている。 ここで、(ウ)の【0170】の「保留画像QC3は緑色の画像」という記載とあわせると、キャラクターTKが投げた球の色とキャラクターが投げた球が当たった画像QC2が変化する画像QC3の色が、同じ緑色であることがいえるから、(ウ)の【0170】の「保留画像QC2は青色の画像」という記載、及び(キ)の【0297】の「保留変化予告演出とは、・・・保留変化前兆演出・・・を少なくとも含み、保留変化前兆演出後に実行可能な演出であ」る「保留変化示唆演出を含んでいてもよい」という記載を踏まえると、先願明細書等には、「緑色の球を持ったキャラクターTKが登場する保留変化前兆演出が実行され、保留変化示唆演出として、キャラクタTKが緑色の球を画像表示領域QR2に向かって投げる演出が実行され、さらにその後に、キャラクタTKが投げた緑色の球が画像表示領域QR2に表示された青色の保留画像QC2に当たり、画像表示領域QR2に表示されている保留画像QC2が、」投げた球と同じ緑色である「保留画像QC3に変化」する、保留変化予告演出が実行されることが記載されているといえる。(認定事項(ソ-1)) また、(オ)の【0254】には「図32(b)に示す保留変化前兆予告に代えて、図33(a)・・・に示すように赤色・・・の球を持ったキャラクターTKが登場する演出を実行することが可能である」、(ク)の【0299】には「図44は保留変化示唆演出の演出例を示す説明図であ」るという記載や、「図44(a)は、図32(b)と同一の図が示されている」という記載があることから、図44の「保留変化示唆演出の演出例」の別の例として、「図44(a)と同一の図が示されている」「図32(b)に示す保留変化前兆予告に代えて」、「図33(a)に示すように」「赤色の球を持ったキャラクターTKが登場する演出を実行することが可能である」演出例があることが実質的に開示されている。(認定事項(ソ-2-1)) そうすると、先願明細書等には、「緑色の球を持ったキャラクターTKが登場する保留変化前兆演出が実行され」る例、すなわち図32(b)に示す保留変化前兆予告に代えて、「赤色の球を持ったキャラクターTKが登場する保留変化前兆演出が実行され」ることが実質的に開示されているということができる。 そして、赤色の球を持ったキャラクターTKが登場する保留変化前兆演出が実行される場合、上記保留変化示唆演出として、上記(認定事項(ソ-1))と同様の変化を行う演出、すなわち、キャラクターTKが投げた球の色と、キャラクターが投げた球が当たった画像QC2が変化する画像の色が同じ赤色になる演出が行われることも実質的に開示されているといえる。 ここで、(ウ)の【0170】の「保留画像QC4は赤色の画像」という記載を踏まえると、画像QC2が赤色の画像に変化するとは、画像QC2が赤色の保留画像QC4に変化するといえることから、先願明細書等には、 「保留変化示唆演出として、キャラクターTKが緑色の球を画像表示領域QR2に向かって投げる演出が実行され、キャラクターTKが投げた緑色の球が画像表示領域QR2に表示された青色の保留画像QC2に当たり、画像表示領域QR2に表示されていた画像QC2が画像QC3」、すなわち緑色、「に変化する演出が実行される」代わりに、 「保留変化示唆演出として、キャラクターTKが赤色の球を画像表示領域QR2に向かって投げる演出が実行され、さらにその後に、キャラクターTKが投げた赤色の球が画像表示領域QR2に表示された青色の保留画像QC2に当たり、画像表示領域QR2に表示されていた保留画像QC2が、キャラクタTKが投げた球の色と同じ赤色である保留画像QC4に変化する演出が実行され」ることも実質的に開示されているといえる。(認定事項(ソ-2-2)) 上記認定事項(ソ-2-1)、(ソ-2-2)、及び【0297】の「保留変化予告演出とは、・・・保留変化前兆演出・・・を少なくとも含み、保留変化前兆演出後に実行可能な演出であ」る「保留変化示唆演出を含んでいてもよい」という記載を合わせると、先願明細書等には、 「赤色の球を持ったキャラクターTKが登場する保留変化前兆演出が実行され、保留変化示唆演出として、キャラクタTKが赤色の球を画像表示領域QR2に向かって投げる演出が実行され、さらにその後に、キャラクタTKが投げた赤色の球が画像表示領域QR2に表示された青色の保留画像QC2に当たり、画像表示領域QR2に表示されている保留画像QC2が、投げた球と同じ赤色である保留画像QC4に変化する、保留変化予告演出が実行され」ることが記載されているといえる。(認定事項(ソ-2)) (タ) 先願明細書等の(カ)の【0277】には「保留変化演出において、初期画像及び最終画像とは異なる画像を「経由画像」と称する」という記載があり、(ケ)の【0307】には「保留変化予告演出の実行が決定された場合において、保留変化予告演出を実行する回数は、保留変化演出における経由画像の数よりも1大きな数値以下(・・・画像が変化する回数以下であって、例えば経由画像が1つであれば、初期画像が経由画像に変化し、経由画像が最終画像に変化するため合計2回画像が変化するため2回以下)であればよい。保留変化予告演出を実行する回数を、保留変化演出における経由画像の数よりも1大きな数値と同一とすれば、画像が変化される度に保留変化予告演出が実行される」、「保留変化演出が実行される場合には、保留変化予告演出として、保留変化前兆演出及び保留変化示唆演出を実行される」という記載があることから、保留変化演出において、保留変化予告演出を実行する回数を、保留変化演出における経由画像の数よりも1大きな数値と同一とした場合であって、初期画像が、初期画像とは異なる経由画像に変化し、経由画像が最終画像に変化する場合、経由画像の数が1であり、保留変化予告演出として保留変化前兆演出及び保留変化示唆演出を実行する回数は2回であることが記載されているといえる。 また、【0277】には「保留変化演出において初期画像から経由画像に変化し、経由画像から最終画像に変化される演出が実行される場合、経由画像としては、初期画像よりも大当たりに対する信頼度が高く、最終画像よりも大当たりに対する信頼度が低い画像が選択される」という記載があることから、最終画像は初期画像と経由画像のいずれとも異なる画像であるといえる。 加えて、(ウ)の【0170】の「保留画像QC3」「保留画像QC4」、【0277】の「経由画像として、・・・画像QC3及び画像QC4・・・が選択され」という記載と合わせると、経由画像は保留画像であることは明らかである。 以上のことから、先願明細書等には 「初期画像が、初期画像とは異なる保留画像である経由画像に変化し、経由画像が初期画像とも経由画像とも異なる最終画像に変化する場合、経由画像の数が1であり、保留変化予告演出として保留変化前兆演出及び保留変化示唆演出を実行する回数は2回である」ことが記載されているといえる。(認定事項(タ)) (チ) 先願明細書等の(サ)の【0425】には「保留変化前兆演出として、・・・キャラクターTKが緑色の球と赤色の球を持って登場する演出が実行され・・・保留変化示唆演出として、キャラクターTKが緑色の球を画像表示領域QR2に向かって投げ、赤色の球を画像表示領域QR3に向かって投げる演出・・・、及び、緑色の球が画像表示領域QR2に表示された画像QC1に当たり、赤色の球が画像表示領域QR3に表示された画像QC2に当たる演出・・・が実行された後、・・・画像表示領域QR2に表示された画像QC1が画像QC3に変化し、画像表示領域QR3に表示された画像QC2が画像QC4に変化する演出が実行される」と記載されており、(ウ)の【0170】の「保留画像QC1は白色の画像、保留画像QC2は青色の画像、保留画像QC3は緑色の画像、保留画像QC4は赤色の画像」という記載とあわせると、先願明細書等には 「保留変化前兆演出として、キャラクターTKが緑色の球と赤色の球を持って登場する演出が実行され、保留変化示唆演出として、キャラクターTKが緑色の球を画像表示領域QR2に向かって投げ、赤色の球を画像表示領域QR3に向かって投げる演出、及び、緑色の球が画像表示領域QR2に表示された白色の保留画像QC1に当たり、赤色の球が画像表示領域QR3に表示された青色の保留画像QC2に当たる演出が実行された後、画像表示領域QR2に表示された画像QC1が緑色の保留画像QC3に変化し、画像表示領域QR3に表示された画像QC2が赤色の保留画像QC4に変化する演出が実行される」ことが記載されているといえる。(認定事項(チ)) 上記の記載事項(ア)~(サ)及び認定事項(シ)~(チ)から、先願明細書等には、 「a 大当たり抽選をおこなって特別図柄を変動表示させ、大当たりに当選した場合には多量の賞球を獲得可能な特別遊技が実行可能となる遊技機100であって、(認定事項(シ)) b 大当たり抽選の権利が保留されていることを示す保留図柄を表示する表示手段と、(認定事項(ス-1)) c 前記保留図柄を、第1の特殊保留図柄、又は、第2の特殊保留図柄、に変化させて表示手段に表示させることが可能である保留表示制御手段と、(認定事項(ス-2)) d 保留画像である初期画像が、初期画像とは異なる画像である特定の画像に対応する保留画像に変化しうることを示唆する保留変化前兆演出を少なくとも含み、保留変化前兆演出後に実行可能である保留変化示唆演出を含んでいてもよい保留変化予告演出を実行する予告演出制御手段であって、前記保留図柄が前記第1の特殊保留図柄に変化されるとき、前記第1の特殊保留図柄に変化される可能性があることを示唆する第1の予告演出を行わせることを可能にし、前記保留図柄が前記第2の特殊保留図柄に変化されるとき、前記第2の特殊保留図柄に変化される可能性があることを示唆する第2の予告演出を行わせることを可能にする予告演出制御手段と、(認定事項(セ)) を備え、 d1 緑色の球を持ったキャラクターTKが登場する保留変化前兆演出が実行され、保留変化示唆演出として、キャラクタTKが緑色の球を画像表示領域QR2に向かって投げる演出が実行され、さらにその後に、キャラクタTKが投げた緑色の球が画像表示領域QR2に表示された青色の保留画像QC2に当たり、画像表示領域QR2に表示されている保留画像QC2が、投げた球と同じ緑色である保留画像QC3に変化する、保留変化予告演出が実行され、(認定事項(ソ-1)) d2 赤色の球を持ったキャラクターTKが登場する保留変化前兆演出が実行され、保留変化示唆演出として、キャラクタTKが赤色の球を画像表示領域QR2に向かって投げる演出が実行され、さらにその後に、キャラクタTKが投げた赤色の球が画像表示領域QR2に表示された青色の保留画像QC2に当たり、画像表示領域QR2に表示されている保留画像QC2が、投げた球と同じ赤色である保留画像QC4に変化する、保留変化予告演出が実行され、(認定事項(ソ-2)) d3 初期画像が、初期画像とは異なる経由画像に変化し、経由画像が初期画像とも経由画像とも異なる最終画像に変化する場合、経由画像の数が1であり、保留変化予告演出として保留変化前兆演出及び保留変化示唆演出を実行する回数は2回であり、(認定事項(タ)) d4 保留変化前兆演出として、キャラクターTKが緑色の球と赤色の球を持って登場する演出が実行され、保留変化示唆演出として、キャラクターTKが緑色の球を画像表示領域QR2に向かって投げ、赤色の球を画像表示領域QR3に向かって投げる演出、及び、緑色の球が画像表示領域QR2に表示された各色の保留画像QC1に当たり、赤色の球が画像表示領域QR3に表示された青色の保留画像QC2に当たる演出が実行された後、画像表示領域QR2に表示された画像QC1が緑色の保留画像QC3に変化し、画像表示領域QR3に表示された画像QC2が赤色の保留画像QC4に変化する演出が実行される、(認定事項(チ)) 遊技機100。」 という発明(記号a~d、d1~d4は本件補正発明のA~D、D1~D4に対応させて当審で付した。以下、「先願発明」という。)が開示されていると認める。 (2)本件補正発明と先願発明との対比 本件補正発明と先願発明とを対比する。(記号は先願発明の発明特定事項に対応させて付した) (a) 先願発明における発明特定事項aである「大当たり抽選をおこなって特別図柄を変動表示させ、大当たりに当選した場合には多量の賞球を獲得可能な特別遊技が実行可能となる遊技機100」は本件補正発明の発明特定事項Aである「変動表示を行ない、遊技者にとって有利な有利状態に制御可能な遊技機」に相当する。 (b) 先願発明における発明特定事項bである「大当たり抽選の権利が保留されていることを示す保留図柄を表示する表示手段」について、「大当たり抽選の権利が保留されている」とは未だ大当たり抽選がおこなわれておらず、変動表示も開始されていないということができるから、「大当たり抽選の権利が保留されていることを示す保留図柄を表示する表示手段」は、本件補正発明の発明特定事項Bである「未だ開始されていない変動表示について、保留表示として表示可能な保留表示手段」に相当する。 (c) 先願発明における発明特定事項cである「前記保留図柄を、第1の特殊保留図柄、又は、第2の特殊保留図柄、に変化させて表示手段に表示させることが可能である保留表示制御手段」は、本件補正発明の発明特定事項Cである「保留表示の態様を、所定態様から第1特別態様および第2特別態様を含む複数種類の特別態様のうちのいずれかに変化可能な態様変化手段」に相当する。 (d) 先願発明における発明特定事項dである「保留画像である初期画像が、初期画像とは異なる画像である特定の画像に対応する保留画像に変化しうることを示唆する保留変化前兆演出を少なくとも含み、保留変化前兆演出後に実行可能である保留変化示唆演出を含んでいてもよい保留変化予告演出を実行する予告演出制御手段であって、前記保留図柄が前記第1の特殊保留図柄に変化されるとき、前記第1の特殊保留図柄に変化される可能性があることを示唆する第1の予告演出を行わせることを可能にし、前記保留図柄が前記第2の特殊保留図柄に変化されるとき、前記第2の特殊保留図柄に変化される可能性があることを示唆する第2の予告演出を行わせることを可能にする予告演出制御手段」は、所定の態様で表示されている保留図柄が変化することを示唆する演出を実行可能とすることができるといえるから、本件補正発明の発明特定事項Dである「前記所定態様で表示されている保留表示の態様が変化することを示唆する示唆演出を実行可能とする示唆演出実行手段」に相当する。 (d1) 先願発明における発明特定事項d1における「緑色の球を持ったキャラクターTKが登場する保留変化前兆演出が実行され、保留変化示唆演出として、キャラクタTKが緑色の球を画像表示領域QR2に向かって投げる演出が実行され、さらにその後に、キャラクタTKが投げた緑色の球が画像表示領域QR2に表示された青色の保留画像QC2に当たり、画像表示領域QR2に表示されている保留画像QC2が、投げた球と同じ緑色である保留画像QC3に変化する、保留変化予告演出」は、青色の保留画像QC2が緑色の保留画像QC3に変化することを示唆しているといえ、本件補正発明の発明特定事項D1である「前記所定態様で表示されている保留表示の態様が前記第1特別態様に変化することを示唆する第1示唆演出」に相当する。 (d2) 先願発明における発明特定事項d2における「赤色の球を持ったキャラクターTKが登場する保留変化前兆演出が実行され、保留変化示唆演出として、キャラクタTKが赤色の球を画像表示領域QR2に向かって投げる演出が実行され、さらにその後に、キャラクタTKが投げた赤色の球が画像表示領域QR2に表示された青色の保留画像QC2に当たり、画像表示領域QR2に表示されている保留画像QC2が、投げた球と同じ赤色である保留画像QC4に変化する、保留変化予告演出」は、青色の保留画像QC2が赤色の保留画像QC4に変化することを示唆しているといえ、本件補正発明の発明特定事項D2である「前記所定態様で表示されている保留表示の態様が前記第2特別態様に変化することを示唆する第2示唆演出」に相当する。 (d3) 先願発明における発明特定事項d3である「初期画像が、初期画像とは異なる経由画像に変化し、経由画像が初期画像とも経由画像とも異なる最終画像に変化する場合、経由画像の数が1であり、保留変化予告演出として保留変化前兆演出及び保留変化示唆演出を実行する回数は2回であ」ることについて、保留変化前兆演出及び保留変化示唆演出を含む保留変化予告演出が2回行われることによって、初期画像が初期画像とは異なる経由画像に変化し、経由画像が初期画像とも経由画像とも異なる最終画像に変化する。 そうすると、1回目の保留予告変化演出は初期画像が初期画像とは異なる経由画像に変化することを示唆し、2回目の保留予告変化演出は経由画像が初期画像とも経由画像とも異なる最終画像に変化することを示唆するものであるから、2つの保留予告変化演出は異なるものであり、先願発明における発明特定事項d3は、先願発明における発明特定事項d1の保留予告変化演出と、先願発明における発明特定事項d2の保留予告変化演出とが、この順番で実行される場合を含むものであるが、これは本件補正発明の発明特定事項D3である「前記所定態様から前記第1特別態様に変化することを示唆した後、前記第2特別態様に変化することを示唆する第3示唆演出」に相当する。 (d4) 先願発明における発明特定事項d4である「保留変化前兆演出として、キャラクターTKが緑色の球と赤色の球を持って登場する演出が実行され、保留変化示唆演出として、キャラクターTKが緑色の球を画像表示領域QR2に向かって投げ、赤色の球を画像表示領域QR3に向かって投げる演出、及び、緑色の球が画像表示領域QR2に表示された白色の保留画像QC1に当たり、赤色の球が画像表示領域QR3に表示された青色の保留画像QC2に当たる演出が実行された後、画像表示領域QR2に表示された画像QC1が緑色の保留画像QC3に変化し、画像表示領域QR3に表示された画像QC2が赤色の保留画像QC4に変化する演出が実行される」ことは、「白色の保留画像QC1」の態様を「緑色の保留画像QC3」に、「青色の保留画像QC2」の態様を「赤色の保留画像QC4」に、それぞれ変化させることを示唆する演出を実行することであり、本件補正発明の発明特定事項D4である「一つの演出により前記所定態様で表示されている複数の保留表示の態様が前記特別態様に変化することを示唆する特定示唆演出とを実行可能である」ことに相当する。 以上のことから、本件補正発明と先願発明は 「変動表示を行ない、遊技者にとって有利な有利状態に制御可能な遊技機であって、 未だ開始されていない変動表示について、保留表示として表示可能な保留表示手段と、 保留表示の態様を、所定態様から第1特別態様および第2特別態様を含む複数種類の特別態様のうちのいずれかに変化可能な態様変化手段と、 前記所定態様で表示されている保留表示の態様が変化することを示唆する示唆演出を実行可能とする示唆演出実行手段とを備え、 前記示唆演出実行手段は、 前記所定態様で表示されている保留表示の態様が前記第1特別態様に変化することを示唆する第1示唆演出と、 前記所定態様で表示されている保留表示の態様が前記第2特別態様に変化することを示唆する第2示唆演出と、 前記所定態様から前記第1特別態様に変化することを示唆した後、前記第2特別態様に変化することを示唆する第3示唆演出と、 一つの演出により前記所定態様で表示されている複数の保留表示の態様が前記特別態様に変化することを示唆する特定示唆演出とを実行可能である、 遊技機。」 で一致し、相違点はない。 (3)小括 以上のとおり、本件補正発明は、先願発明と同一の発明であり、しかも、本件補正発明の発明者が先願発明の発明者と同一であるとはいえず、また、本願の出願日時点において、その出願人が先願発明の出願人と同一であるともいえないので、特許法第29条の2の規定により特許出願の際独立して特許を受けることができないものである。 (4)審判請求人の主張について 審判請求人は平成29年8月21日付け審判請求書の「(3)拒絶理由について」において、平成29年8月21日付け手続補正書により補正された請求項1、2記載の発明と先願発明との対比において、以下の主張を行っている。 「同日付提出の手続補正書により、本願発明1および本願発明2(以下、「本願発明」とも称します。)は、示唆演出実行手段が「前記所定態様から前記第1特別態様に変化することを示唆した後、前記第2特別態様に変化することを示唆する第3示唆演出」を実行可能であることが限定されました(構成D3)。 先願1の当初明細書等には、図87および図88に開示されているように、二つの保留画像について保留変化演出が実行されることは開示されているものの、一の保留画像に対して、当該保留画像の態様が他の態様に変化することを示唆した後に、当該他の態様とは異なる態様に変化することを示唆することは開示されていません。 つまり、先願1の当初明細書等には、補正後の本願発明が備える構成D3に係る技術事項が記載されていません。 さらに、本願発明は、先願発明が備えていない構成D3を備えることにより、保留表示の態様が変化した後に更に別の態様に変化するため、遊技者に対して、保留表示の態様が何段階に亘って変化するかについて注目させることができるという新たな効果を奏します。」 しかしながら、上記「(3)本件補正発明と先願発明との対比において示した通り、先願発明における発明特定事項d3は、先願発明における発明特定事項d1の保留予告変化演出と、先願発明における発明特定事項d2の保留予告変化演出とが、この順番で実行される場合を含むものであり、本件補正発明の構成D3である「前記所定態様から前記第1特別態様に変化することを示唆した後、前記第2特別態様に変化することを示唆する第3示唆演出」に相当する構成を備えるといえる。 したがって、審判請求人の主張は採用できない。 4.むすび 以上のとおりであるから、本件補正は、特許法第17条の2第6項において準用する同法第126条第7項の規定に違反するので、同法第159条第1項において読み替えて準用する同法第53条第1項の規定により却下すべきものである。 第3 本願発明について 1.本願発明 本件補正は上記のとおり却下されたので、本願の請求項1-2に係る発明は、平成29年5月2日付けの手続補正書により補正された、特許請求の範囲の請求項1-2に記載された事項により特定されるところ、その請求項1に係る発明(以下、「本願発明」という)は、上記第2の1.において記載した次のとおりのものである。 「【請求項1】 A 変動表示を行ない、遊技者にとって有利な有利状態に制御可能な遊技機であって、 B 未だ開始されていない変動表示について、保留表示として表示可能な保留表示手段と、 C 保留表示の態様を、所定態様から第1特別態様および第2特別態様を含む複数種類の特別態様のうちのいずれかに変化可能な態様変化手段と、 D 前記所定態様で表示されている保留表示の態様が変化することを示唆する示唆演出を実行可能とする示唆演出実行手段とを備え、 前記示唆演出実行手段は、 D1 前記所定態様で表示されている保留表示の態様が前記第1特別態様に変化することを示唆する第1示唆演出と、 D2 前記所定態様で表示されている保留表示の態様が前記第2特別態様に変化することを示唆する第2示唆演出と、 D4 一つの演出により前記所定態様で表示されている複数の保留表示の態様が前記特別態様に変化することを示唆する特定示唆演出とを実行可能である、遊技機。」 2.拒絶理由通知の概要 平成29年3月1日付け拒絶理由通知の理由3は、本願発明は、上記先願明細書等に記載された発明と同一の発明であり、特許法第29条の2の規定により特許を受けることができないというものである。 3.先願明細書等及び先願発明 先願明細書等に記載されている、先願発明の認定は前記「第2 平成29年8月21日付けの手続補正についての補正却下の決定」の「3.独立特許要件」に記載したとおりである。 4.対比・判断 本願発明は、本件補正発明から、前記第2の2.に記載した補正事項である発明特定事項D3の「前記所定態様から前記第1特別態様に変化することを示唆した後、前記第2特別態様に変化することを示唆する第3示唆演出と」を削除したものである。 そうすると、本願発明の構成要件をすべて含み、さらに他の限定を付加したものに相当する本件補正発明が、前記第2の3.に記載したとおり、先願発明と同一の発明であることから、本願発明も同様の理由により、先願発明と同一の発明であるといえる。 5.むすび 以上のとおり、本願発明は、先願発明と同一の発明であり、しかも、本願発明の発明者が先願発明の発明者と同一であるとはいえず、また、本願の出願遡及日時点において、その出願人が先願発明の出願人と同一であるともいえないので、特許法第29条の2の規定により特許を受けることができない。 したがって、その余の請求項について検討するまでもなく、本願は拒絶されるべきものである。

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2017-012328

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  • 2016-007709拒絶査定不服審判 / 2017-03-08 / 請求不成立遊技機
    共通の審決分類: 16・A63F、575・A63F

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