特許拒絶査定不服審判
2017-005675
タッチスクリーン電子デバイスの入力方法及び装置
- 審判番号
- 2017-005675
- 法域
- 特許
- 審判種別
- 拒絶査定不服審判(拒絶査定不服の審決)
- 出願番号
- 特願2015-546809外部サイト(J-PlatPat)へ移動します
- 請求日
- 2017年04月20日
- 審決日
- 2018年02月19日
- 公報発行日
- 2018年08月31日
- 結論
- 請求不成立
- 当事者
- 【請求人】▲華▼▲為▼▲終▼端有限公司
- 【請求人代理人】実広 信哉
- 【請求人代理人】木内 敬二
- 分類
- P18 .121-Z (G06F)
- 条文(本文から自動抽出・参考)
- 特許法第29条
- データ出所
- 審決公報(SGML)
事件の表示
特願2015-546809「タッチスクリーン電子デバイスの入力方法及び装置」拒絶査定不服審判事件〔平成26年 6月26日国際公開、WO2014/094416、平成28年 1月18日国内公表、特表2016-501490〕について、次のとおり審決する。
結論
【結 論】
本件審判の請求は、成り立たない。
理由
【理 由】
1.手続の経緯
本願は、2013年7月3日(パリ条約による優先権主張外国庁受理2012年12月17日、中華人民共和国)を国際出願日とする出願であって、平成28年5月31日付けの拒絶の理由の通知に対して、同年9月7日付けで意見書が提出されるとともに、同日付で手続補正がなされたが、同年12月12日付けで拒絶をすべき査定がされ、これに対し平成29年4月20日に拒絶査定不服審判の請求がなされたものである。
2.本願発明
本願の請求項1~16に係る発明は、平成28年9月7日付け手続補正により補正された特許請求の範囲の請求項1~16に記載された事項により特定されるとおりのものであるところ、その請求項1に係る発明(以下「本願発明」という。)は次のとおりのものと認める。
「【請求項1】
タッチスクリーン電子デバイスの入力方法であって、
前記タッチスクリーン電子デバイスのタッチスクリーン上に仮想キーボードを表示するステップであって、前記仮想キーボードは、前記仮想キーボードに表示されている文字上でのユーザにより実行されるタッチ動作にしたがって対応する文字情報を入力し、前記仮想キーボード上に文字セットの一部を表示するように構成されている、ステップと、
第1動作命令を取得するステップと、
前記第1動作命令に従って、前記仮想キーボードに表示されている前記文字セットの一部を、前記文字セットの残りの一部に置き換えるステップと、
を具備し、
前記仮想キーボードに表示される前記文字セットの一部の数は、前記タッチスクリーン電子デバイスの前記タッチスクリーンのスクリーンサイズ、文字サイズ、キー間隔、及び/又は行間隔にしたがって決定されることを特徴とするタッチスクリーン電子デバイスの入力方法。」
3.引用例に記載された発明
これに対して、原査定の拒絶の理由に引用された、特開2011-257951号公報、平成23年12月22日公開(以下、「引用例」という。)には、図面とともに以下の事項が記載されている。なお、下線は重要箇所についき、当審において付与した。
A.「【0011】
また、本発明の別の観点によれば、所定の配列を有する複数の項目を所定の配列で並べて案内領域に表示し、案内領域上で指定される指定範囲に含まれる一連の項目を、案内領域に表示される項目よりも拡大し、所定の配列で1列に並べて選択領域に表示するステップと、案内領域上で指定範囲が移動操作されると、移動操作後の指定範囲に含まれる一連の項目を所定の配列で1列に並べて選択領域に表示し、選択領域上で一連の項目がスクロール操作されると、スクロール操作後の選択領域に表示される一連の項目が指定範囲に含まれるように案内領域の表示を更新するステップと、選択領域上での選択操作に応じて項目の選択を決定するステップとを含む情報処理方法が提供される。」
B.「【0016】
[1.携帯情報端末1の構成]
まず、図1および図2を参照しながら、本発明の実施形態に係る携帯情報端末1の構成について説明する。なお、以下では、小型のタッチパネルディスプレイ3を備えた情報処理装置の一例として携帯情報端末1について説明するが、小型のタッチパネルディスプレイ3を備えたオーディオ機器、家電機器等の電子機器についても同様に説明することができる。
【0017】
図1には、本発明の実施形態に係る携帯情報端末1の外観が示されている。図1に示すように、携帯情報端末1は、カード状のケース本体2と、ケース本体2の一面に設けられたタッチパネルディスプレイ3を有する。
【0018】
タッチパネルディスプレイ3のパネル面には、後述する文字入力用や画像選択用等のGUIが表示される。なお、図1では、詳細は後述するが、パネル面に文字入力用のGUIが表示されている。タッチパネルディスプレイ3では、パネル面に対して行われるスクロール操作やタップ操作等が検知される。なお、携帯情報端末1には、不図示の起動ボタンやカーソルボタン等、所定の操作を行うためのハードウェアボタンが設けられてもよい。
【0019】
図2には、携帯情報端末1の主要な機能構成が示されている。図2に示すように、携帯情報端末1は、タッチパネルディスプレイ3、記憶部4、表示制御部5および制御部6を含む。
【0020】
タッチパネルディスプレイ3は、表示パネル3a(表示部)にタッチパネル3bを積層して構成される。タッチパネル3bとしては、抵抗膜方式、静電容量方式、超音波方式、赤外線方式等のパネルが利用される。表示パネル3aとしては、液晶ディスプレイ(LCD)等が利用される。
【0021】
タッチパネル3bは、指P、スタイラス等からなるポインタのパネル面に対する接触状態を検知する。タッチパネル3bは、パネル面に対するポインタPの接触/非接触状態の変化に応じて、接触信号/解除信号を制御部6に供給する。また、タッチパネル3bは、パネル面にポインタPが接触している間に、接触位置に対応するX、Y座標信号を制御部6に供給する。これにより、パネル面に対して行われるスクロール操作やタップ操作が検知される。」
C.「【0031】
図4には、本発明の実施形態に係る文字入力用GUIが表示されている。図4に示すGUIには、文字表示領域111および文字表示領域111以外の文字選択領域が設けられている。
【0032】
文字表示領域111には、文字選択領域上で選択された一連の文字からなる文字列(例えば「GU」という文字列)と、文字の挿入位置を示すカーソル(「|」として示される。)が表示されている。文字選択領域には、ガイド領域(案内領域)112、キー選択領域(選択領域)113、文字種切替キー114、スペースキー115、バックスペースキー116、カーソル移動キー117、キャンセルキー118およびOKキー119が表示されている。文字種切替キー114は、英大文字、英小文字、特殊文字、数字・記号等、文字種を切替えるために操作される。なお、ひらがな、かたかな等の文字種が選択可能に構成されてもよい。
【0033】
ガイド領域112には、所定の配列を有する複数の項目、つまり複数の文字からなる文字列が所定の配列で1列に並べて表示される。また、ガイド領域112には、ガイド領域112上で指定される指定範囲を示すガイド枠112aが表示される。
【0034】
キー選択領域113には、ガイド領域112上でガイド枠112aにより指定される一連の項目、つまり一連の文字が、ガイド領域112に表示される文字よりも拡大され、所定の配列で1列に並べて表示される。
【0035】
例えば、文字種切替キー114により文字種として英大文字が選択されると、図4に示すように、ガイド領域112およびキー選択領域113が表示される。ガイド領域112には、「A」-「Z」の英大文字がアルファベット順に表示され、例えば「A」-「F」の文字を囲むガイド枠112aが表示される。また、キー選択領域113上には、ガイド枠112aにより指定された「A」-「F」の文字を割当てられた6つのキーが拡大されて、アルファベット順に1列に並べて表示されている。なお、ガイド枠112aにより指定される文字の数は、6に限定されず2以上の任意の数に設定される。
【0036】
また、文字種切替キー114により文字種として数字が選択されると、ガイド領域112およびキー選択領域113には、図4に示す表示とは異なる表示が行われる。ガイド領域112には、「0」-「9」、「.」、「/」、「*」、「-」、「+」等の数字・記号が所定の順序に表示され、例えば「0」-「5」の文字を囲むガイド枠112aが表示される。また、キー選択領域113上には、ガイド枠112aにより指定された「0」-「5」の文字を割当てられた6つのキーが拡大されて、数字順に1列に並べて表示される。
【0037】
図4に示すGUIでは、後述するように、ガイド領域112に対する移動操作およびキー選択領域113に対するタップ操作(および選択的にスクロール操作)を用いて、文字入力が行われる。
【0038】
なお、文字表示領域111上では、スペースキー115がタップされると、カーソル位置にスペース(空白)が挿入され、バックスペースキー116がタップされると、カーソル位置の右側の文字が消去され、カーソル移動キー117がタップされると、カーソル位置が移動する。また、キャンセルキー118がタップされると、文字入力がキャンセルされて入力操作が終了し、OKキー119がタップされると、文字入力が確定されて入力操作が終了する。
【0039】
図5には、文字入力用GUIの操作手順が示されている。図5に示すように、表示制御部5は、ガイド領域112およびキー選択領域113を表示するように、表示パネル3aを制御する(ステップS11、S12)。
【0040】
ガイド領域112には、所定の配列を有する文字列が所定の配列で並べて表示される。キー選択領域113には、ガイド領域112上でガイド枠112aにより指定される一連の文字が、ガイド領域112に表示される文字列よりも拡大され、所定の配列で1列に並べて表示される。
【0041】
表示制御部5は、ガイド領域112上でのスクロール操作によりガイド枠112aが移動されると(S13)、表示パネル3aを制御して、ガイド枠112aの移動に連動して、ガイド枠112aにより指定される複数の文字を、所定の配列で1列に並べてキー選択領域113に表示する(S14)。
【0042】
また、表示制御部5は、キー選択領域113上で一連の文字がスクロール操作されると(S15)、表示パネル3aを制御して、スクロール操作後のキー選択領域113に表示される一連の文字がガイド枠112aにより指定されるように、ガイド領域112の表示を更新する(S16)。そして、制御部6は、キー選択領域113上でタップ操作が行われると(S17)、タップされたキーに割当てられた文字の選択を決定する(S18)。
【0043】
以下では、図6A-6Dを参照しながら、図4に示した文字入力用GUIの操作手順について説明する。図6A-6Dには、文字入力用GUIの操作例が示されている。
【0044】
文字種切替キー114により文字種として英大文字が選択されると、図6Aに示すように、ガイド領域112には、「A」-「Z」の文字がアルファベット順に表示され、「A」-「F」の文字を指定するガイド枠112aが表示される。なお、ガイド枠112aは、従前に文字種として英大文字が選択されていた状態で、最後に表示されていた位置に表示されてもよい。
【0045】
また、キー選択領域113には、ガイド枠112aにより指定された文字「A」-「F」を割当てられた6つのキーが拡大されて、アルファベット順に1列に並べて表示される。例えば、キー選択領域113には、図3に示した一般的な文字入力用GUI上に表示されるキーを2倍程度に拡大したキーが表示される。」
【0046】
文字種の選択は、タッチパネル3bが文字種切替キー114に対するタップ操作を検知し、検知結果を制御部6に通知することで行われる。また、ガイド領域112およびキー選択領域113の表示は、選択された文字種に基づき、表示制御部5が記憶部4から所定の表示データを読出して表示処理を施すことで行われる。
【0047】
ユーザは、ガイド領域112に対して移動操作M1を行うことができる。ガイド領域112上では、図6Bに示すように、ガイド枠112aにふれた指P(例えば親指P1)等を左右に移動M1させると、ガイド枠112aが左右に移動する。つまり、ガイド枠112aが点線表示の位置から実線表示の位置に移動する。そして、ガイド枠112aの移動に連動して、キー選択領域113上では、ガイド枠112aにより指定された文字が拡大されて、所定の配列で表示される。ここで、移動操作M1は、スクロール操作として行われてもよく、タップ操作として行われてもよい。
【0048】
ガイド領域112に対する移動操作M1は、タッチパネル3bがガイド領域112(ガイド枠112a)に対する移動操作を検知し、検知結果を制御部6に通知することで行われる。また、ガイド領域112およびキー選択領域113の表示は、指Pの移動位置に基づき、表示制御部5が記憶部4から所定の表示データを読出して表示処理を施すことで行われる。
【0049】
例えば、ガイド領域112上でガイド枠112aが「A」-「F」の文字を指定する位置から「F」-「K」の文字を指定する位置まで移動されると、キー選択領域113では、「A」-「F」の文字に対応するキーの表示が「F」-「K」の文字に対応するキーの表示に遷移する。より詳細には、ガイド枠112aの移動に連動してキー選択領域113の表示が遷移する。
【0050】
同様に、ガイド領域112上でガイド枠112aが「F」-「K」の文字を指定する位置から「A」-「F」の文字を指定する位置まで移動されると、キー選択領域113では、「F」-「K」の文字に対応するキーの表示が「A」-「F」の文字に対応するキーの表示に遷移する。
【0051】
ここで、ガイド枠112aは、スクロール操作に対して所定の加速度を伴って移動してもよい。この場合、ユーザは、ガイド枠112aにふれた指P等を素早く左右に移動させると、ガイド枠112aが左右に所定の加速度を伴って移動する。ガイド枠112aは、スクロール操作の直後に素早く移動し、その後に除々に減速しながら、指Pの移動速度に応じた最終位置で停止する。
【0052】
また、ユーザは、キー選択領域113に対してもスクロール操作M2を行うことができる。キー選択領域113上では、図6Cに示すように、任意のキーにふれた指P(例えば人差し指P2)等を左右に移動M2させると、一連のキーが左右にスクロールされる。そして、キーのスクロールに連動して、ガイド領域112上では、キー選択領域113に表示された一連の文字に対応するように、ガイド枠112aが移動する。
【0053】
キー選択領域113に対するスクロール操作M2は、タッチパネル3bがキー選択領域113に対するスクロール操作を検知し、検知結果を制御部6に通知することで行われる。また、ガイド領域112およびキー選択領域113の表示は、指Pの移動位置に基づき、表示制御部5が記憶部4から所定の表示データを読出して表示処理を施すことで行われる。
【0054】
例えば、スクロール操作に応じて、キー選択領域113上で「A」-「F」の文字に対応するキーの表示が「F」-「K」の文字に対応するキーの表示に遷移すると、ガイド領域112上では、ガイド枠112aが「A」-「F」の文字を指定する位置から「F」-「K」の文字を指定する位置まで移動する。より詳細には、キーのスクロールに連動してガイド枠112aが移動する。
【0055】
同様に、スクロール操作に応じて、キー選択領域113上で「F」-「K」の文字に対応するキーの表示が「A」-「F」の文字に対応するキーの表示に遷移すると、ガイド領域113上では、ガイド枠112aが「F」-「K」の文字を指定する位置から「A」-「F」の文字を指定する位置まで移動される。」
以上の記載によれば、引用例には、次の発明(以下「引用発明」という。)が記載されている。
「タッチパネルディスプレイ3は、表示パネル3a(表示部)にタッチパネル3bを積層して構成され、
タッチパネル3bは、パネル面にポインタPが接触している間に、接触位置に対応するX、Y座標信号を制御部6に供給し、パネル面に対して行われるスクロール操作やタップ操作が検知され、
タッチパネルディスプレイ3のパネル面には、文字入力用や画像選択用等のGUIが表示され、
GUIには、文字表示領域111および文字表示領域111以外の文字選択領域が設けられ、
文字選択領域には、ガイド領域(案内領域)112、キー選択領域(選択領域)113、文字種切替キー114、が表示されており、
キー選択領域113には、ガイド領域112上でガイド枠112aにより指定される一連の項目、つまり一連の文字が、ガイド領域112に表示される文字よりも拡大され、所定の配列で1列に並べて表示され、
GUIでは、ガイド領域112に対する移動操作およびキー選択領域113に対するタップ操作(および選択的にスクロール操作)を用いて、文字入力が行われ、
キー選択領域113上には、ガイド枠112aにより指定された「A」-「F」の文字を割当てられた6つのキーが拡大されて、アルファベット順に1列に並べて表示され、
ガイド枠112aにより指定される文字の数は、6に限定されず2以上の任意の数に設定され、
ユーザは、キー選択領域113に対してもスクロール操作M2を行うことができ、キー選択領域113上では、任意のキーにふれた指P等を左右に移動M2させると、一連のキーが左右にスクロールされ、
キー選択領域113に対するスクロール操作M2は、タッチパネル3bがキー選択領域113に対するスクロール操作を検知し、検知結果を制御部6に通知することで行われ、
スクロール操作に応じて、キー選択領域113上で「A」-「F」の文字に対応するキーの表示が「F」-「K」の文字に対応するキーの表示に遷移する情報処理方法。」
4.対比
本願発明と引用発明を対比する。
引用発明の「タッチパネルディスプレイ3」は、表示パネル3a(表示部)にタッチパネル3bを積層して構成され、タッチパネル3bは、パネル面にポインタPが接触している間に、接触位置に対応するX、Y座標信号を制御部に供給し、パネル面に対して行われるスクロール操作やタップ操作が検知される電子デバイスであるので、引用発明の「タッチパネルディスプレイ3」は、本願発明の「タッチスクリーン電子デバイス」に相当する。
引用発明のタッチパネルディスプレイ3のパネル面には、文字入力用や画像選択用等のGUIが表示され、GUIでは、ガイド領域112に対する移動操作およびキー選択領域113に対するタップ操作を用いて、文字入力が行われるので、引用発明の「パネル面」は、本願発明の「タッチスクリーン」に一致し、また、引用発明の「キー選択領域113」は本願発明の「仮想キーボード」に一致する。そして、引用発明のタッチパネルディスプレイ3のパネル面には、文字入力用や画像選択用等のGUIが表示され、GUIには文字選択領域が設けられ、文字選択領域には、キー選択領域(選択領域)113が表示されているので、引用発明の「キー選択領域113」も「パネル面」に表示されていることとなり、この点は、本願発明の「タッチスクリーン電子デバイスのタッチスクリーン上に仮想キーボードを表示するステップ」に一致する。
引用発明のキー選択領域113には、ガイド領域112上でガイド枠112aにより指定される一連の項目、つまり一連の文字が、ガイド領域112に表示される文字よりも拡大され、所定の配列で1列に並べて表示され、GUIでは、キー選択領域113に対するタップ操作を用いて、文字入力が行われているので、引用発明の「一連の文字」は、本願発明の「仮想キーボードに表示されている文字」に一致する。そのため、引用発明の「一連の文字が、ガイド領域112に表示される文字よりも拡大され、所定の配列で1列に並べて表示され、GUIでは、ガイド領域112に対する移動操作およびキー選択領域113に対するタップ操作(および選択的にスクロール操作)を用いて、文字入力が行われ」ていることは、本願発明の「仮想キーボードは、前記仮想キーボードに表示されている文字上でのユーザにより実行されるタッチ動作にしたがって対応する文字情報を入力」することに一致する。
引用発明のキー選択領域113上には、ガイド枠112aにより指定された「A」-「F」の文字を割当てられた6つのキーが拡大されて、アルファベット順に1列に並べて表示されているので、引用発明も文字セットの一部を表示するように構成しているといえ、引用発明の「キー選択領域113上には、ガイド枠112aにより指定された「A」-「F」の文字を割当てられた6つのキーが拡大されて、アルファベット順に1列に並べて表示され」ている点は、本願発明の「仮想キーボード上に文字セットの一部を表示するように構成されている」点と一致する。
引用発明の「キー選択領域113上で「A」-「F」の文字に対応するキーの表示が「F」-「K」の文字に対応するキーの表示に遷移する」ことは、本願発明の「仮想キーボードに表示されている前記文字セットの一部を、前記文字セットの残りの一部に置き換えるステップ」に一致する。
引用発明は、スクロール操作M2は、タッチパネル3bがキー選択領域113に対するスクロール操作を検知し、検知結果を制御部6に通知することで行われ、スクロール操作に応じて、キー選択領域113上で「A」-「F」の文字に対応するキーの表示が「F」-「K」の文字に対応するキーの表示に遷移しているので、引用発明の「スクロール操作」は本願発明の前記仮想キーボードに表示されている前記文字セットの一部を、前記文字セットの残りの一部に置き換える「第1動作命令」に相当し、また、引用発明の「タッチパネル3bがキー選択領域113に対するスクロール操作を検知」することは、本願発明の「第1動作命令を取得するステップ」に相当する。
引用発明は、ガイド枠112aにより指定される文字の数は、6に限定されず2以上の任意の数に設定するものであるので、引用発明の「キー選択領域113」に表示される文字の数も6に限定されず2以上の任意の数に設定されることは明らかである。よって、引用発明の「ガイド枠112aにより指定される文字の数は、6に限定されず2以上の任意の数に設定する」ことは、本願発明の「前記仮想キーボードに表示される文字セットの一部の数は、タッチスクリーン電子デバイスのタッチスクリーンのスクリーンサイズ、文字サイズ、キー間隔、及び/又は行間隔にしたがって決定されること」と「仮想キーボードに表示される前記文字セットの一部の数は」「決定されること」である点で共通する。
引用発明の「情報処理方法」と本願発明の「入力方法」は共にデータを入力する方法である点で共通する。
よって、本願発明と引用発明とは、次の点で一致する。
(一致点)
「タッチスクリーン電子デバイスの入力方法であって、
前記タッチスクリーン電子デバイスのタッチスクリーン上に仮想キーボードを表示するステップであって、前記仮想キーボードは、前記仮想キーボードに表示されている文字上でのユーザにより実行されるタッチ動作にしたがって対応する文字情報を入力し、前記仮想キーボード上に文字セットの一部を表示するように構成されている、ステップと、
第1動作命令を取得するステップと、
前記第1動作命令に従って、前記仮想キーボードに表示されている前記文字セットの一部を、前記文字セットの残りの一部に置き換えるステップと、
を具備し、
前記仮想キーボードに表示される前記文字セットの一部の数が決定されることを特徴とするタッチスクリーン電子デバイスの入力方法。」
一方、両者は次の点で相違する。
(相違点)
本願発明は、仮想キーボードに表示される文字セットの一部の数は、タッチスクリーン電子デバイスのタッチスクリーンのスクリーンサイズ、文字サイズ、キー間隔、及び/又は行間隔にしたがって決定されるものであるのに対して、引用発明は、仮想キーボードに表示される文字セットの一部の数が、タッチスクリーン電子デバイスのタッチスクリーンのスクリーンサイズ、文字サイズ、キー間隔、及び/又は行間隔にしたがって決定されることの特定がなされていない点。
5.当審の判断
(相違点について)
画面に表示されるアイコンやキーボード画像をクリック等してデータを入力する構成において、アイコンやキーボード画像の大きさや個数を表示デバイスのサイズに合わせて適宜設定し、入力操作に支障のない画像として表示するようにすることは周知の技術である(例えば、特開2010-262446号公報、段落【0103】-【0107】、【図11】、特開2009-163356号公報、段落【0064】-【0067】、【図6】を参照。)。そして、引用発明においても、本願発明の仮想キーボードに相当する「キー選択領域113」に表示される文字の数は6に限定されず2以上の任意の数に設定することは想定されているので、「キー選択領域113」に表示される文字の数を設定する時に、スクリーンサイズ、文字サイズ、キー間隔等に従うようにして入力操作に支障のない画像として表示できるような文字の数に設定することは、当業者であれば容易になし得ることである。
よって、引用発明及び周知の技術に基づいて本願発明のように構成することは、当業者であれば容易になし得ることである。
そして、本願発明の作用効果も、引用発明及び周知の技術から当業者が予測できる範囲のものである。
6.むすび
以上のとおり、本願発明は、引用発明及び周知の技術に基づいて当業者が容易に発明をすることができたものであるから、特許法29条2項の規定により特許を受けることができない。
したがって、本願は、その他の請求項について論及するまでもなく拒絶すべきものである。
よって、結論のとおり審決する。
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2017-005675