特許拒絶査定不服審判
2017-005393
リモートのデータ入力インタフェースをトリガする方法および装置
- 審判番号
- 2017-005393
- 法域
- 特許
- 審判種別
- 拒絶査定不服審判(拒絶査定不服の審決)
- 出願番号
- 特願2014-520694外部サイト(J-PlatPat)へ移動します
- 請求日
- 2017年04月17日
- 審決日
- 2017年12月18日
- 公報発行日
- 2018年02月23日
- 結論
- 原査定取消(特許/登録すべき)
- 当事者
- 【請求人】ノキア テクノロジーズ オーユー
- 【請求人代理人】川守田 光紀
- 分類
- P18 .121-WY (G06F)
- 条文(本文から自動抽出・参考)
- 特許法第29条第2項
- データ出所
- 審決公報(SGML)
事件の表示
特願2014-520694「リモートのデータ入力インタフェースをトリガする方法および装置」拒絶査定不服審判事件〔平成25年 1月24日国際公開、WO2013/011197、平成26年 8月25日国内公表、特表2014-521179、請求項の数(7)〕について、次のとおり審決する。
結論
【結 論】
原査定を取り消す。
本願の発明は、特許すべきものとする。
理由
【理 由】
第1 手続の経緯
本願は,2012年7月16日(パリ条約による優先権主張外国庁受理2011年7月21日,米国)を国際出願日とする出願であって,平成27年3月31日付けで拒絶理由が通知され,平成27年9月30日に意見書と手続補正書が提出され,平成28年2月25日付けで拒絶理由が通知され,平成28年8月24日に意見書と手続補正書が提出され,平成28年12月16日付けで拒絶査定がされ,これに対し,平成29年4月17日に拒絶査定不服審判の請求がされると同時に手続補正書が提出がされたものである。
第2 原査定の概要
原査定(平成28年12月16日付け拒絶査定)の概要は次のとおりである。
本願請求項1~12に係る発明は,以下の文献に基づいて,その発明の属する技術の分野における通常の知識を有する者(以下,「当業者」という。)が容易に発明できたものであるから,特許法第29条第2項の規定により特許を受けることができない。
・請求項 1-4について 引用文献等 1,2
・請求項 5-9について 引用文献等 1-3
・請求項 10-12について 引用文献等 1-5
引用文献等一覧
1.米国特許出願公開第2007/0203641号明細書
2.特開2010-272930号公報
3.特開2011-116304号公報
4.特開2006-017478号公報
5.特開2009-090690号公報
第3 本願発明
本願請求項1~7に係る発明(以下,それぞれ「本願発明1」~「本願発明7」という。)は,平成29年4月17日に提出された手続補正書による手続補正で補正された特許請求の範囲の請求項1~7に記載された事項により特定される以下のとおりの発明である。
「 【請求項1】
デバイスの動作方法であって,
データ入力が求められていることを知らせるデータ入力フィールド選択メッセージを受信することと;
前記デバイスのディスプレイにデータ入力インタフェースが表示されることを抑制することと;
前記データ入力インタフェースの位置及びサイズに関する情報を取得することと;
リモートデバイスのディスプレイにリモート・データ入力インタフェースを表示するように前記リモートデバイスに指示するべく,前記情報を含むリモートインタフェース・トリガメッセージが前記リモートデバイスに送信されるようにすることと;
を含み,
さらに前記方法は,前記データ入力フィールド選択メッセージの受信に応じて前記デバイスの前記ディスプレイに前記データ入力インタフェースを表示するために,インタフェース・トリガイベントを前記デバイスに対してローカルに生成することを含み,
ここで,前記データ入力インタフェースの表示を抑制することは,前記インタフェース・トリガイベントをインターセプトし,それによって前記デバイスの前記ディスプレイに前記データ入力インタフェースを表示することを抑制することを含み,
また,前記リモートインタフェース・トリガメッセージが送信されるようにすることは,前記インタフェース・トリガイベントをインターセプトすることに応じて,表示されるべきデータ入力インタフェースのタイプの情報を含む前記リモートインタフェース・トリガメッセージが,前記リモートデバイスに送信されるようにすることを含む,
方法。
【請求項2】
前記データ入力インタフェースが表示されることを抑制することは,前記デバイス上で端末モードアプリケーションを実行することにより行われ,ここで前記端末モードアプリケーションは,前記デバイスの前記ディスプレイに前記データ入力インタフェースを表示させることを生じさせうるインタフェース・トリガイベントの生成を抑制するように構成される,請求項1に記載の方法。
【請求項3】
前記リモートインタフェース・トリガメッセージが送信されるようにすることは,前記リモートデバイスの前記ディスプレイにリモート・データ入力インタフェースを表示することを該リモートデバイスに指示すべく前記リモートインタフェース・トリガメッセージが前記リモートデバイスに送信されるようにすることを含み,ここで前記リモート・データ入力インタフェースは,前記リモートデバイスが搭載されている環境のコンテキスト情報に基づいて表示される,請求項1に記載の方法。
【請求項4】
装置の処理手段に実行されると,前記装置に,請求項1から3のいずれかに記載の方法を遂行させるように構成されるプログラム命令を備える,コンピュータプログラム。
【請求項5】
処理手段及び記憶手段を備える装置であって,前記記憶手段がプログラム命令を格納し,前記プログラム命令は,前記処理手段に実行されると,前記装置に,請求項1から3のいずれかに記載の方法を遂行させるように構成される,装置。
【請求項6】
移動通信デバイスとして構成される,請求項5に記載の装置。
【請求項7】
アンテナを含む通信インタフェースをさらに含む請求項6に記載の装置であって,前記通信インタフェースはリモートデバイスとの通信を確立するように構成される,装置。」
第4 引用文献,引用発明等
1 引用文献1について
原査定の拒絶の理由に引用された上記引用文献1には,図面とともに次の事項が記載されている。なお,下線は重要箇所に対して当審が付与した(以下,同様)。
「[0034] One embodiment is shown in FIGS.1A and 1B, the navigation system 100 includes an in-vehicle portion 110 (also referred to as "in-vehicle components") and a removable or portable portion 170 (also referred to as a "portable navigation unit").
・・・(中略)・・・
[0037] The portable navigation unit 180 can be connected to the in-vehicle portion 110 of the navigation system 100 by any of a variety of means. This connection between the portable navigation unit 180 and the in-vehicle portion 110 enables transmitting signals therebetween for communication. These signals can include data such as navigation images, call-outs transmitted from the portable navigation unit 180 to the in-vehicle portion 110 and GPS signals, vehicle information (e.g. speed pulses), control inputs, transmitted from the in-vehicle portion 110 to the portable navigation unit 180 .
・・・(中略)・・・
[0041] As the portable navigation unit 180 is connected to, or otherwise in communication with the in-vehicle portion 110 of the navigation system 100, in the embodiments, the portable navigation unit 180 is placed into a mode where the display 182 is turned off. In this mode, the associated data is transmitted to the in-vehicle portion 110 so that the image 183 is reproduced on the in-vehicle display screen 120, as shown in FIGS.1A and 1B. In this manner, the display 182 can be off when it is not required to show navigation data on the portable navigation unit 180.
・・・(中略)・・・
[0043] In the embodiment shown in FIGS.1E and 1F, the controls 184 are set on the exterior of the portable navigation unit 180 and are generally adjacent to the display 182. The controls 184 allow the user to operate the various functions of the portable navigation unit 180, such as moving through menu screen and selecting items or operations. The specific size, shape, location and operation of the controls 184 can vary depending on the particular embodiment.
[0044] As noted above, in some embodiments, some or all of the controls 184 are integrated into the display 182. This integration can be performed by any of a variety of means including using a touch screen for the display 182 with a displayed image which shows a button, switch, slider or other representation of control. This allows the controls displayed to be changed and tailored to the particular condition and operation of the portable navigation unit 180.
[0045] In some embodiments, the operation of some or all of the controls 184 are disabled when the portable navigation unit 180 is connected to the in-vehicle portion 110 as shown in FIGS.1A-1C. In this configuration, the portable navigation unit 180 is capable of being controlled by in-vehicle controls incorporated in the in-vehicle portion 110 as further described herein. An example of such in-vehicle controls can include the in-vehicle display 120 having a touch sensitive screen which shows various keys and menu bars and transmits control inputs through the interface 160 to the portable navigation unit 180.」(段落[0034]-[0045])
(当審仮訳:
[0034] 一実施例が図1Aと1Bに示され,ナビゲーションシステム100は車載部分110(“車載要素”とも呼ばれる)とリブ-バブルまたはポータブルポーション170(“ポータブルナビゲーションユニット”とも呼ばれる)を含む。
・・・(中略)・・・
[0037] ポータブルナビゲーションユニット180は,ナビゲーションシステム100の車載部分110に,数多くの手段のうちのいずれによっても接続され得る。ポータブルナビゲーションユニット180と車載部分110との間のこの接続によって両者間で通信のために信号を送信することが可能となる。これらの信号は,ポータブルナビゲーションユニット180から車載部分110へ送信されるナビゲーションイメージ,コールアウトや車載部分110からポータブルナビゲーションユニット180へ送信されるGPS信号,車両情報(例えばスピードパルス),制御入力等のデータを含む。
・・・(中略)・・・
[0041] ポータブルナビゲーションユニット180がナビゲーションシステム100の車載部分110に接続されるもしくは通信状態になると,実施例では,ポータブルナビゲーションユニット180はそのディスプレイ182が消されるモードとなる。図1Aと1Bに示されるように,このモードではイメージ183が車載ディスプレイスクリーン120で複製されるよう関連するデータが車載部分110に送信される。このように,ポータブルナビゲーションユニット180にナビゲーションデータを表示する必要のない時には,ディスプレイ182はオフにされ得る。
・・・(中略)・・・
[0043] 図1Eと1Fに示される実施例では,コントロール184はポータブルナビゲーションユニット180の外側に設けられ,通常はディスプレイ182に隣接している。コントロール184によってユーザはメニュー画面上の移動及び項目や操作の選択等のポータブルナビゲーションユニット180の種々の機能を実行できる。コントロール184の具体的なサイズ,形,位置,働きは,個々の実施例によって変更し得る。
[0044] 上述のように,いくつかの実施例では,コントロール184のいくつかあるいは全てはディスプレイ182に統合される。この統合は,ボタン,スイッチ,スライダーあるいはその他のコントロールの表示を示す表示イメージが表示されたディスプレイ182のためのタッチスクリーンを含む多くの手段のいずれによってでも実行できる。これにより,表示されたコントロールは,ポータブルナビゲーションユニット180の個々の状態や運用に合わせて変更及び調整できる。
[0045] いくつかの実施例では,図1A-1Cに示されるように,ポータブルナビゲーションユニット180が車載部分110に接続されている時,コントロール184のいくつかあるいは全ての働きは停止される。この構成では,ここでさらに説明されるように,ポータブルナビゲーションユニット180は車載部分110に組み入れられた車載コントロールによって制御され得る。そのような車載コントロールの例としては,多くのキーやメニューバーを表示しインタフェース160を介してポータブルナビゲーションユニット180へ制御入力を送信するタッチセンシティブスクリーンを備えた車載ディスプレイ120を含み得る。)
上記摘記事項,図面の記載及びこの分野における技術常識を勘案すると,上記引用文献1には,「ポータブルナビゲーションユニット180の動作方法」に関する次の発明(以下,「引用発明」という。)が記載されていると認める。
「 ポータブルナビゲーションユニット180の動作方法であって,
コントロール184はポータブルナビゲーションユニット180の外側に設けられ,通常はディスプレイ182に隣接しており,コントロール184によってユーザはメニュー画面上の移動及び項目や操作の選択等のポータブルナビゲーションユニット180の種々の機能を実行できるが,コントロール184のいくつかあるいは全てはディスプレイ182に統合され,この統合は,ボタン,スイッチ,スライダーあるいはその他のコントロールの表示を示す表示イメージが表示されたディスプレイ182のためのタッチスクリーンを含む多くの手段のいずれによってでも実行でき,
ポータブルナビゲーションユニット180がナビゲーションシステム100の車載部分110に接続されると,ポータブルナビゲーションユニット180から車載部分110へナビゲーションイメージ,コールアウトが送信され,また,車載部分110からポータブルナビゲーションユニット180へGPS信号,車両情報(例えばスピードパルス),制御入力が送信され,ポータブルナビゲーションユニット180はそのディスプレイ182が消されるモードとなり,このモードではイメージ183が車載ディスプレイスクリーン120で複製されるよう関連するデータが車載部分110に送信され,ポータブルナビゲーションユニット180は車載部分110に組み入れられた車載コントロールによって制御され得,そのような車載コントロールの例としては,多くのキーやメニューバーを表示しインタフェース160を介してポータブルナビゲーションユニット180へ制御入力を送信するタッチセンシティブスクリーンを備えた車載ディスプレイ120を含み得る,
ポータブルナビゲーションユニット180の動作方法。」
2 引用文献2について
原査定の拒絶の理由に引用された上記引用文献2には,図面とともに次の事項が記載されている。
「【0049】
次に,図7に示すシーケンス図に従って,本実施形態のナビゲーションシステムの動作について説明する。
【0050】
入出力装置100のパワースイッチ102c(図17)がオンになると(S1),電源が入って,共通プラットフォーム部111及び遠隔操作処理部120が起動する。そして,この入出力装置100の遠隔操作処理部120は,Bluetoothインタフェース107を介して,カーナビサービス接続要求を携帯電話200に送る(S2)。この際,携帯電話200に電源が入っており,この携帯電話200の共通プラットフォーム部211及び遠隔操作対応処理部220が起動していると,この遠隔操作対応処理部220が,携帯電話200のBluetoothインタフェース207を介して,このカーナビサービス接続要求を受け付け,カーナビゲーション処理部230に対して起動指示を出力すると共に(S7),Bluetoothインタフェース207を介して,入出力装置100に対して接続応答を送信する(S3)。入出力装置100は,この接続応答を受けると,携帯電話コード情報を要求する(S4)。携帯電話200の遠隔操作対応処理部220は,この要求を受けると,不揮発性メモリ240に格納されている携帯電話コードテーブル244(図5)中のデータである携帯電話コード情報を入出力装置100へ送る(S5)。具体的に,携帯電話コード情報は,図5に示す携帯電話コードテーブル244A,244B中のコード領域244Ae,244Be中の各コードと,各コードに対して予め定められたコードナンバーとの組み合わせである。入出力装置100は,この携帯電話コード情報244aを受け取ると,不揮発性メモリ140に格納した後,自身の入出力装置コードテーブル144と比較して,この入出力装置コードテーブル144中の各コードと携帯電話コード情報244a中の各コードとの対応関係から,コード変換テーブル145(図15)を作成する(S6)。
【0051】
一方,携帯電話200のカーナビゲーション処理部230は,携帯電話200の遠隔操作対応処理部220から起動指示を受けて(S7),起動する(S8)。このカーナビゲーション処理部230は,サービス提供サーバ300に対して,携帯電話通信インタフェース206を介し,カーナビゲーションサービスを受けるための接続要求を送信する(S9)。
【0052】
サービス提供サーバ300は,この接続要求を受けると,要求元の携帯電話200に対してカーナビゲーションサービスを提供するためのリソースを確保し(S10),この携帯電話200に対して接続応答を返す(S11)。
【0053】
サービス提供サーバ300は,続いて,例えば,目的地の指定要求等の描画データを作成し,この描画データを携帯電話200へ送る(S12)。携帯電話200のカーナビゲーション処理部230は,この描画データをLCDドライバ214に渡し,液晶ディスプレイ203に表示させる(S13)。遠隔操作対応処理部220は,このLCDドライバ214への描画データ入力を監視しており,このLCDドライバ214に描画データが入力されると,これを取得し(S14),この描画データ中に文字入力領域が存在するか否かを判断する(S15)。文字入力領域が存在する場合,遠隔操作対応処理部220は,描画データと共に,文字入力領域が存在する旨のメッセージを入出力装置100へ送る(S16)。
【0054】
入出力装置100は,描画データと共に,文字入力領域が存在する旨のメッセージを受け取ると,この描画データと共にソフトキーボード1035(図17)をタッチパネルディスプレイ103に表示させる(S17)。入出力装置100は,このソフドキーボードが操作されて,例えば,目的地の住所等が入力されると(S18),この操作の際に使用されたソフトキーのコードを,コード変換テーブル145を用いて,携帯電話対応のコードに変換すると共に(S19),画面上での入力の位置を示す位置情報を取得する(S20)。そして,入出力装置100は,イベント通知として,この携帯電話対応に変換されたコードと共に,この位置情報を携帯電話200へ送る(S21)。このように,コードと共に位置情報を携帯電話200へ送るのは,例えば,複数の文字入力領域がある場合に,どの文字入力領域に入力されたかを,携帯電話200に把握させるためである。また,ソフトキーボードを表示しない場合でも,描画データ中に複数の選択項目が含まれ,この中のうちから特定の選択項目が選択されると,言い換えると,特定の選択項目に対してエンターキーが操作されると又は画面上の特定の選択項目の領域がタッチされると,エンターキーに関するコードと共に,画面中で入力があった位置の情報が,携帯電話200へ送られる。」
上記摘記事項,図面の記載及びこの分野における技術常識を勘案すると,上記引用文献2には,次の技術的事項(以下,「引用文献2の技術的事項」という。)が記載されていると認める。
「 サービス提供サーバ300は,目的地の指定要求等の描画データを作成し,この描画データを携帯電話200へ送り,
携帯電話200は,この描画データ中に文字入力領域が存在する場合,描画データと共に文字入力領域が存在する旨のメッセージを入出力装置100へ送り,
入出力装置100は,描画データと共に文字入力領域が存在する旨のメッセージを受け取ると,この描画データと共にソフトキーボード1035をタッチパネルディスプレイ103に表示させる,ナビゲーションシステム。」
第5 対比・判断
1 本願発明1について
(1)対比・検討
本願発明1と引用発明とを対比すると,
a 引用発明の「ポータブルナビゲーションユニット180」,「車載部分110」は,それぞれ,本願発明1の「デバイス」,「リモートデバイス」に相当する。
b 引用発明の「制御入力」は「車載部分110からポータブルナビゲーションユニット180」へ送信される,即ち,「ポータブルナビゲーションユニット180」が受信する情報であって「制御情報」といい得るものである。
一方,本願発明1の「データ入力が求められていることを知らせるデータ入力フィールド選択メッセージ」は「デバイス」が受信する「制御情報」といい得るものである。
そうすると,引用発明と本願発明1は「制御情報を受信すること」の点で共通する。
c 引用発明のポータブルナビゲーションユニット180に表示される「コントロール184」は,「ユーザ」が「メニュー画面上の移動及び項目や操作の選択等のポータブルナビゲーションユニット180の種々の機能を実行」するためのものであって「入力インタフェース」といい得るが,「ポータブルナビゲーションユニット180がナビゲーションシステム100の車載部分110に接続されると」,「ポータブルナビゲーションユニット180はそのディスプレイ182が消されるモードとな」るから,引用発明は本願発明1の「データ入力インタフェースが表示されることを抑制」する構成を備えているといえる。
そうすると,本願発明1と引用発明との間には,次の一致点,相違点があるといえる。
(一致点)
「 デバイスの動作方法であって,
制御情報を受信することと;
前記デバイスのディスプレイにデータ入力インタフェースが表示されることを抑制することと;
を含む,
方法。」
(相違点1)
一致点の「制御情報」が,
本願発明1では,「データ入力が求められていることを知らせるデータ入力フィールド選択メッセージ」であるのに対し,
引用発明では,「制御入力」である点。
(相違点2)
本願発明1は,
「 前記データ入力インタフェースの位置及びサイズに関する情報を取得することと;
リモートデバイスのディスプレイにリモート・データ入力インタフェースを表示するように前記リモートデバイスに指示するべく,前記情報を含むリモートインタフェース・トリガメッセージが前記リモートデバイスに送信されるようにすることと;
を含み,
さらに前記方法は,前記データ入力フィールド選択メッセージの受信に応じて前記デバイスの前記ディスプレイに前記データ入力インタフェースを表示するために,インタフェース・トリガイベントを前記デバイスに対してローカルに生成することを含み,
データ入力インタフェースの表示を抑制することは,前記インタフェース・トリガイベントをインターセプトし,それによって前記デバイスの前記ディスプレイに前記データ入力インタフェースを表示することを抑制することを含み,
また,前記リモートインタフェース・トリガメッセージが送信されるようにすることは,前記インタフェース・トリガイベントをインターセプトすることに応じて,表示されるべきデータ入力インタフェースのタイプの情報を含む前記リモートインタフェース・トリガメッセージが,前記リモートデバイスに送信されるようにすることを含む」のに対し,
引用発明はそのような構成を有しない点。
(2)相違点についての判断
事案に鑑みて,まず(相違点2)について検討する。
上述した引用文献2の技術的事項は,「入出力装置100」のタッチパネルディスプレイ103に「ソフトキーボード1035」を表示させるように「入出力装置100」に指示するべく,「描画データ」と共に「文字入力領域が存在する旨のメッセージ」が「入出力装置100」に送信されるようにする点において,(相違点2)に係る本願発明1の構成のうち,「リモートデバイスのディスプレイにリモート・データ入力インタフェースを表示するように前記リモートデバイスに指示するべく,前記情報を含むリモートインタフェース・トリガメッセージが前記リモートデバイスに送信されるようにすること」の構成に相当するということができる。
しかしながら,それ以外の
「 前記データ入力インタフェースの位置及びサイズに関する情報を取得することと;
を含み,
さらに前記方法は,前記データ入力フィールド選択メッセージの受信に応じて前記デバイスの前記ディスプレイに前記データ入力インタフェースを表示するために,インタフェース・トリガイベントを前記デバイスに対してローカルに生成することを含み,
データ入力インタフェースの表示を抑制することは,前記インタフェース・トリガイベントをインターセプトし,それによって前記デバイスの前記ディスプレイに前記データ入力インタフェースを表示することを抑制することを含み,
また,前記リモートインタフェース・トリガメッセージが送信されるようにすることは,前記インタフェース・トリガイベントをインターセプトすることに応じて,表示されるべきデータ入力インタフェースのタイプの情報を含む前記リモートインタフェース・トリガメッセージが,前記リモートデバイスに送信されるようにすることを含む」
という構成を開示もしくは示唆するものではなく,該構成は,当業者といえども,引用発明及び引用文献2の技術的事項から構成を容易に想到することはできない。
また,上記(相違点2)に係る本願発明1の構成は,原査定の拒絶の理由に引用された引用文献3~5にも開示もしくは示唆されていない。
したがって,上記(相違点1)について判断するまでもなく,本願発明1は,当業者であっても,引用文献1~5に記載された事項に基づいて容易に発明できたものとはいえない。
2 本願発明2~7について
本願発明2~7も,本願発明1の上記(相違点2)に係る構成と同一の構成を備えるものであるから,本願発明1と同じ理由により,当業者であっても引用文献1~5に基づいて容易に発明できたものであるとはいえない。
第6 むすび
以上のとおり,原査定の理由によって,本願を拒絶することはできない。
他に本願を拒絶すべき理由を発見しない。
よって,結論のとおり審決する。
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