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特許拒絶査定不服審判

2017-005340

画像形成装置

審判番号
2017-005340
法域
特許
審判種別
拒絶査定不服審判(拒絶査定不服の審決)
出願番号
特願2013-015897外部サイト(J-PlatPat)へ移動します
請求日
2017年04月14日
審決日
2017年09月04日
公報発行日
2017年10月27日
結論
原査定取消(特許/登録すべき)
当事者
審判長/審判官
分類
P18 .121-WY (G03G)
条文(本文から自動抽出・参考)
特許法第29条第2項
データ出所
審決公報(SGML)

事件の表示

特願2013- 15897「画像形成装置」拒絶査定不服審判事件〔平成26年 8月14日出願公開、特開2014-145996、請求項の数(12)〕について、次のとおり審決する。

結論

【結 論】 原査定を取り消す。 本願の発明は、特許すべきものとする。

理由

【理 由】 第1 手続の経緯 本願は、平成25年1月30日の出願であって、平成28年12月5日付けで手続補正がされ、平成29年3月29日付けで拒絶査定(原査定)がされ、これに対し、同年4月14日に拒絶査定不服審判の請求がされたものである。 第2 原査定の概要 原査定(平成29年3月29日付け拒絶査定)の概要は次のとおりである。 本願請求項1乃至9及び12に係る発明は、以下の引用文献1、2に基づいて、その発明の属する技術の分野における通常の知識を有する者(以下、「当業者」という。)が容易に発明できたものであるから、特許法第29条第2項の規定により特許を受けることができない。 本願請求項10及び11に係る発明は、以下の引用文献1乃至3に基づいて、その発明の属する技術の分野における通常の知識を有する者(以下、「当業者」という。)が容易に発明できたものであるから、特許法第29条第2項の規定により特許を受けることができない。 引用文献等一覧 1.特開平9-230653号公報 2.特開2000-181167号公報 3.特開2007-142497号公報 第3 本願発明 本願請求項1乃至12に係る発明(以下、それぞれ「本願発明1」乃至「本願発明12」という。)は、平成28年12月5日付けの手続補正で補正された特許請求の範囲の請求項1乃至12に記載された事項により特定される発明であり、本願発明1は以下のとおりの発明である。 「筐体と、 前記筐体に収容され、記録媒体に画像を形成するためのプロセスカートリッジと定着器とを有する画像形成部と、 前記画像形成部により画像が形成された記録媒体がスタックされるように構成される積載トレイと、 前記画像形成部により画像が形成された記録媒体を前記積載トレイに排出するように構成される排出部と、 原稿の画像を読み取る読取部と、前記読取部に送る原稿を支持し前記排出部に近づくにつれて下がるように傾斜する原稿給紙トレイと、前記読取部よりも原稿の搬送方向の下流側に配置され、原稿の搬送方向を反転するように構成される反転部とを備える読取装置と、を備え、 前記プロセスカートリッジと前記反転部と前記定着器とは、この順に水平方向に並んで配置されており、 前記読取装置は、 前記積載トレイの鉛直方向の下側に重なる位置に配置され、前記排出部に対して、前記排出部から排出される記録媒体の排出方向の下流側に配置され、かつ、前記プロセスカートリッジと水平方向に重なる位置に配置されていることを特徴とする、画像形成装置。」 なお、本願発明2乃至12の概要は以下のとおりである。 本願発明2は、本願発明1を減縮した発明である。 本願発明3は、本願発明1または2を減縮した発明である。 本願発明4は、本願発明3を減縮した発明である。 本願発明5は、本願発明1乃至4のいずれかを減縮した発明である。 本願発明6は、本願発明1乃至5のいずれかを減縮した発明である。 本願発明7は、本願発明6を減縮した発明である。 本願発明8は、本願発明6または7を減縮した発明である。 本願発明9は、本願発明8を減縮した発明である。 本願発明10は、本願発明1乃至9のいずれかを減縮した発明である。 本願発明11は、本願発明10を減縮した発明である。 本願発明12は、本願発明1乃至11のいずれかを減縮した発明である。 第4 引用文献等 1.引用文献1について 原査定の拒絶の理由に引用され、本願の出願日前である平成9年9月5日に頒布された刊行物である特開平9-230653号公報(以下「引用文献1」という。)には、図面とともに次の事項が記載されている。 (1)「【請求項1】 原稿を原稿台ガラス上に押圧するための圧板と、該原稿を読取るためのブック型走査光学系と、読み取られた原稿情報に基づいて画像を記録紙に形成する記録手段を有する記録装置において、 前記画像形成された記録紙を前記原稿台ガラスより上方に排紙積載することを特徴とする記録装置。」 (2)「【0001】 【発明の属する技術分野】本発明は、複写機、プリンター、ファクシミリ等の記録装置に関し、特に記録紙の排紙方式を改良した記録装置に関するものである。 【0002】 【従来の技術】従来におけるこの種の記録装置の例を図7及び図8に示す。図7及び図8において、ユーザーが操作を行う図示しない操作部は、図の手前側つまり、操作者の向きに対して、紙の流れは横向きに搬送されている。 【0003】次にコピー動作時について説明する。まず、1に示す原稿自動給紙装置によりコピーを行う場合は、その原稿トレー2に原稿3をセットし、原稿搬送ローラ4が回転することにより、原稿シートは、紙パスへ5送り込まれる。紙パス5を経て、原稿押圧部6に原稿が搬送されると、押圧ベルト7が方向8に移動されているため、原稿は原稿台ガラス10の上を滑り、原稿の後端が位置11までくると、押圧ベルト7が停止し、原稿も一端停止する。このように原稿が停止した状態でブック型走査光学系により読取が行われ、12に示すコンタクトセンサーが、13の方向に走査し、原稿を読取る。 【0004】このコンタクトセンサー12が、原稿の後端まで読取ると、押圧ベルト7が、逆回転つまり9の方向に回転し、紙パス14へと原稿を搬送し、排紙ローラ15によって、先程の原稿トレー2上へ排紙される。 【0005】さて、原稿3が読取られると、16に示す記録紙が搬送ローラ17によってピックアップされ、18に示す紙パスを通って、現像部、クリーナ等を一体化したプロセスカートリッジの感光ドラム19へと搬送される。ドラム上では、20に示すレーザースキャナー系によって、ドラム19上へ、露光を行い、潜像を形成する。該潜像はその後現像部21にてトナーにより可視像化され、この可視像は転写ローラ22により、記録紙へ転写される。可視像を転写された記録紙はその後定着部23に搬送され、該定着部により、加熱、加圧定着され、排紙トレー24上へと、排紙される。」 (3)「【0008】 【発明が解決しようとする課題】しかしながら、図7に示すような従来の記録装置の場合、排紙トレーが装置外部へ出張るため、装置の設置面積が大きくなってしまう。 【0009】さらに、図8に示すような記録装置で記録紙をUターンさせ、原稿台の下部25に収納させようとした場合、排紙された記録紙の取出しの操作性及び記録紙の視認性を考えると、多くのスペースをとる必要がある。記録紙は原稿台27でかくれてしまうため単なる積載スペース以外に、手を差し入れ、確認するための余分なスペースが必要となり、かなり装置の高さが大きくなり装置自体が大型化する。 【0010】本出願に係る発明は上記のような問題を解決するもので、本出願に係る第1の発明の目的は、装置の操作性を失わずその小型化を図ることにある。 【0011】また、本出願に係る第2の目的は、上記記録装置の記録紙搬送の信頼性を向上させることにある。 【0012】さらに本出願に係る第3の目的は、前記1の記録装置の排紙積載性を向上することにある。 【0013】さらに、本出願に係る第4の目的は、前記1の記録装置においてユーザーの操作ミスによる記録紙のジャム等を防止することにある。」 (4)「【0018】 【発明の実施の形態】 (第1の実施形態)図1は本発明に係る記録装置の1実施形態の斜視図であり、図において、28は操作部、29は記録紙カセット、30は圧板26上に排紙された記録紙、さらに31は前記記録紙のカバーである。32は記録紙の排紙ローラである。 【0019】図1におけるその他の部位で前記従来例と同一の部位には同一の記号を付し、説明を略する。本実施形態においては、記録紙30は、図に示すように圧板26上に排紙積載されている。原稿は従来例同様トレー2上にセットし、原稿自動給紙装置1により給紙され、同様のパスを経て同トレーに排紙される。また圧板26は、図示しないヒンジを中心に、33の方向に開閉される。 【0020】次に、図1において34に示す方向に断面をとった図を図2とし、同図により説明をする。図2において、コピー操作が行われ、記録紙16がローラ17によってピックアップされ搬送される。その後従来例同様、ドラム上の画像形成、現像、転写、定着が行われ、定着を経た記録紙は、23に示す定着部まで搬送されるが、その後本実施形態では、そのまま上方に紙パス35を通り、本体と圧板26との連絡部36を通過し、排紙ローラ32によって、圧板上に排紙される。ここで37は圧板の開閉のためのヒンジ部である。」 (5)「【0031】(変形例)上記実施形態では、記録紙の搬送方向と、読取り用コンタクトセンサー12の向きは直行していたが、例えば、図4のように記録紙の搬送方向とコンタクトセンサー12の走査方向47を合せてもよい。 【0032】図4では操作部28に対して、原稿搬送部1及び排紙積載部を奥に配し原稿搬送部の上に排紙されるようになっている。またコンタクトセンサーは、奥から手前47に移動するようにしている。 【0033】この場合、原稿がタテ置きとなり、本などのコピー時にセットがしにくくなるが、記録紙の幅方向と、原稿の幅方向が一致するため実施形態のように十字に配置するよりも装置幅をさらに小さくすることができる。」 (6)上記(2)、(4)、及び(5)並びに図4、及び図7より、「原稿が読取られると、記録紙が、現像部、クリーナ等を一体化したプロセスカートリッジの感光ドラムへと搬送され、レーザースキャナー系によって、ドラム上へ、露光を行い、潜像を形成し、潜像はその後現像部にてトナーにより可視像化され、記録紙へ転写され、その後定着部に搬送され、加熱、加圧定着され、排紙トレー上へと、排紙されるように構成される排紙ローラと、原稿を読み取るコンタクトセンサーと、コンタクトセンサーに送る原稿トレーと、を備え、プロセスカートリッジと定着器とは、この順に水平方向に並んで配置されており、コンタクトセンサーは、排紙トレーの鉛直方向の下側に重なる位置に配置され、排紙ローラに対して、排紙ローラから排出される記録紙の排出方向の下流側に配置されている、記録装置」が看取できる。 したがって、上記引用文献1には次の発明(以下、「引用発明1」という。)が記載されていると認められる。 「原稿が読取られると、記録紙が、現像部、クリーナ等を一体化したプロセスカートリッジの感光ドラムへと搬送され、レーザースキャナー系によって、ドラム上へ、露光を行い、潜像を形成し、潜像はその後現像部にてトナーにより可視像化され、記録紙へ転写され、その後定着部に搬送され、加熱、加圧定着され、排紙トレー上へと、排紙されるように構成される排紙ローラと、原稿を読み取るコンタクトセンサーと、コンタクトセンサーに送る原稿トレーと、を備え、プロセスカートリッジと定着器とは、この順に水平方向に並んで配置されており、コンタクトセンサーは、排紙トレーの鉛直方向の下側に重なる位置に配置され、排紙ローラに対して、排紙ローラから排出される記録紙の排出方向の下流側に配置され、画像形成された記録紙を原稿台ガラスより上方に排紙積載する記録装置。」 2.引用文献2について 原査定の拒絶の理由に引用され、本願の出願日前である平成12年6月30日に頒布された刊行物である特開2000-181167号公報(以下「引用文献2」という。)には、図面とともに次の事項が記載されている。 (1)「【特許請求の範囲】 【請求項1】原稿を搬送して原稿上の画像を読み取る画像読取部と、 記録紙を搬送して記録紙上に画像を形成する画像形成部と、を備えた画像形成装置において、 前記画像読取部の原稿を搬送する原稿搬送路及び前記画像形成部の記録紙を搬送する記録紙搬送路を、それぞれU字型に設けたことを特徴とする画像形成装置。 【請求項2】原稿を積載する原稿給紙トレイ及び原稿排紙トレイを略平行な角度に並べて設けると共に、記録紙を積載する給紙トレイ及び排紙トレイを略平行な角度に並べて設けたことを特徴とする請求項1に記載の画像形成装置。 … 【請求項5】前記U字型に設けられた原稿搬送路及び記録紙搬送路の内、どちらか一方を他方の内側に配置したことを特徴とする請求項1又は2に記載の画像形成装置。」 (2)「【0001】 【発明の属する技術分野】本発明は、例えばレーザビームプリンタ(以下LBPと略す)、インクジェットプリンタ等の画像形成装置において、少なくとも原稿の画像を読み取る画像読取部を備えた画像形成装置に関するものである。」 (3)「【0027】本発明は上記の従来技術の課題を解決するためになされたもので、その目的とするところは、原稿をページ順に排紙させつつ、設置スペースを縮小し、操作性を向上する機能性に優れた画像形成装置を提供することにある。」 (4)「【0065】(第3の実施の形態)図4は第3の実施の形態を示す概略構成図である。 【0066】図4において、プリンタ100の縦型U字型記録紙搬送路(矢印A方向から矢印B方向)の内側に、画像読取部1の縦型U字型原稿搬送路(矢印E方向から矢印F方向)を搬送面が略平行となるように配置させた。 【0067】その他の構成および作用については第1の実施の形態と同一なので、同一の構成部分については同一の符号を付して、その説明は省略する。 【0068】図4のようにプリンタ100と画像読取部1とを配置した場合にも、原稿Dが原稿給紙トレイ3に画像面を表にして積載され、積載された最上の原稿から給紙されていくので、原稿排紙トレイ12にはページ順に積載される。 【0069】この構成とすることでも、第1の実施の形態と同様、原稿ページ順排紙を確保しながら設置スペースを縮小し、操作性を向上することができる。 【0070】尚、この様な配置の場合、画像読取部1の縦型U字型原稿搬送路の内側にプリンタ100の縦型U字型記録紙搬送路を配置させても良い。」 したがって、上記引用文献2には次の発明(以下、「引用発明2」という。)が記載されていると認められる。 「原稿を搬送して原稿上の画像を読み取る画像読取部と、 記録紙を搬送して記録紙上に画像を形成する画像形成部と、を備えた画像形成装置において、 前記画像読取部の原稿を搬送する原稿搬送路及び前記画像形成部の記録紙を搬送する記録紙搬送路を、それぞれU字型に設け、 原稿を積載する原稿給紙トレイ及び原稿排紙トレイを略平行な角度に並べて設けると共に、記録紙を積載する給紙トレイ及び排紙トレイを略平行な角度に並べて設け、 前記U字型に設けられた原稿搬送路及び記録紙搬送路の内、どちらか一方を他方の内側に配置した画像形成装置。」 3.引用文献3について 原査定の拒絶の理由に引用され、本願の出願日前である平成19年6月7日に頒布された刊行物である特開2007-142497号公報(以下「引用文献3」という。)には、図面とともに次の事項が記載されている。 (1)「【請求項1】 記録媒体に画像を形成する画像形成部と、 原稿に記載されている画像を読み取る画像読取手段と、 前記画像形成部及び前記画像読取手段を収納する筐体と、 ユーザにより操作される操作パネル部と、 原稿挿入口から挿入された原稿を前記画像読取手段を経由して原稿排出口まで搬送する原稿搬送手段とを備え、 前記原稿挿入口及び前記操作パネル部は、前記筐体の側壁部側に設けられおり、 さらに、前記原稿排出口は、略水平方向に向けて開口していることを特徴とする画像形成装置。 【請求項2】 前記原稿挿入口及び前記操作パネル部を覆う状態と、前記原稿挿入口及び前記操作パネル部を露出させる状態とを切り替えるカバー部材が前記筐体に設けられていることを特徴とする請求項1に記載の画像形成装置。 … 【請求項4】 前記画像形成部は、 前記筐体の下方側に設けられ、画像形成前の記録媒体が収納された媒体供給トレイと、 前記媒体供給トレイの上方側に設けられ、前記媒体供給トレイから搬送されてきた記録媒体に画像を転写する画像転写部と、 前記画像転写部より記録媒体の搬送方向下流側であって、かつ、前記画像転写部より上方側に設けられ、記録媒体に転写された画像を定着させる定着部と、 前記媒体供給トレイから供給された記録媒体を前記画像転写部に搬送するとともに、定着が終えた記録媒体を前記筐体の上方側に設けられた排出トレイに搬送することにより、前記媒体供給トレイから前記排出トレイに至る略U字状に湾曲した媒体搬送経路を構成する記録媒体搬送手段と を有して構成されていることを特徴とする請求項1ないし3のいずれか1つに記載の画像形成装置。」 (2)「【技術分野】 【0001】 本発明は、画像読み取り機能を有する画像形成装置に関するもので、特に、送受信機能を備えるファクシミリ装置に適用して有効である。」 (3)「【0005】 本発明は、上記点に鑑み、画像読み取り機能を有する画像形成装置において、上下(高さ)寸法を小型にすることにより、画像形成装置の設置性を向上させることを目的とする。」 (4)「【0029】 また、排紙トレイ5は、後方側に向かうほど、筐体3の上面から下がるように傾斜した載置面5aにて構成されており、この載置面5aの後端側には、印刷が終了した記録媒体が排出される排出部7が設けられている。 【0030】 そして、排紙トレイ5のうち多機能画像形成装置1の前面側に相当する部位には、載置面5aを拡張する拡張トレイ5bが設けられており、以降、特に断りがない場合には、拡張トレイ5bも含めて排紙トレイ5と呼ぶ。 【0031】 因みに、本実施形態では、拡張トレイ5bは、載置面5aに回転可能に組み付けられているが、本発明はこれに限定されるものではなく、例えば拡張トレイ5bを載置面5aに着脱可能に組み付けてもよい。」 (5)「【0055】 2.4.画像読取部40 図3はスキャナ筐体部3aの前面側に設けられたフロントカバー3cを閉じた状態を示す断面図であり、図4はフロントカバー3cを開いた状態を示す概略斜視図であり、図5はスキャナ筐体部3bを開いた状態を示す断面図である。なお、図4においては、構成を簡略化して図示している。 【0056】 本実施形態に係る画像読取部40は、読み取り用の原稿を自動搬送するオートドキュメントフィーダ機構41(以下、ADF機構41と記す。)を有しており、このADF機構41は、図3及び図4に示すように、原稿挿入口42aから挿入された原稿を画像撮像素子43を経由して原稿排出口42bまで搬送する原稿搬送手段を構成するものである。 【0057】 なお、ADF装置41は、後述する原稿トレイ3dに載置された原稿を引き込む引き込みローラ41a、引き込みローラ41aと対向する部位に配設されて原稿に所定の搬送抵抗を与えることにより原稿を1枚毎に分離する分離パッド41b、原稿に搬送力を付与する搬送ローラ41c、及び原稿挿入口42aから画像撮像素子43を経て原稿排出口42bに至る略U字状の搬送経路を構成する案内壁41d等を有して構成されている。」 (6)上記(4)の「排紙トレイ」は、その構造から、上記(1)の「排出トレイ」であることは明らかである。 したがって、上記引用文献3には次の発明(以下、「引用発明3」という。)が記載されていると認められる。 「記録媒体に画像を形成する画像形成部と、 原稿に記載されている画像を読み取る画像読取手段と、 前記画像形成部及び前記画像読取手段を収納する筐体と、 ユーザにより操作される操作パネル部と、 原稿挿入口から挿入された原稿を前記画像読取手段を経由して原稿排出口まで搬送する原稿搬送手段とを備え、 前記原稿挿入口及び前記操作パネル部は、前記筐体の側壁部側に設けられおり、 さらに、前記原稿排出口は、略水平方向に向けて開口し、 前記原稿挿入口及び前記操作パネル部を覆う状態と、前記原稿挿入口及び前記操作パネル部を露出させる状態とを切り替えるカバー部材が前記筐体に設けられ、 前記画像形成部は、 前記筐体の下方側に設けられ、画像形成前の記録媒体が収納された媒体供給トレイと、 前記媒体供給トレイの上方側に設けられ、前記媒体供給トレイから搬送されてきた記録媒体に画像を転写する画像転写部と、 前記画像転写部より記録媒体の搬送方向下流側であって、かつ、前記画像転写部より上方側に設けられ、記録媒体に転写された画像を定着させる定着部と、 前記媒体供給トレイから供給された記録媒体を前記画像転写部に搬送するとともに、定着が終えた記録媒体を前記筐体の上方側に設けられた排出トレイに搬送することにより、前記媒体供給トレイから前記排出トレイに至る略U字状に湾曲した媒体搬送経路を構成する記録媒体搬送手段と を有して構成され、 排出トレイは、後方側に向かうほど、筐体の上面から下がるように傾斜した載置面にて構成されており、拡張トレイを載置面に着脱可能に組み付けた、画像形成装置。」 第5 対比・判断 1.本願発明1について (1)対比 本願発明1と引用発明1とを対比すると、 ア 後者の「記録紙」、「読取られた原稿を可視像化」、「プロセスカートリッジ」、「定着部」、「排紙トレー」、「排紙ローラ」、「原稿」、「コンタクトセンサー」、「原稿トレー」、及び「記録装置」は、それぞれ、前者の「記録媒体」、「画像を形成」、「プロセスカートリッジ」、「定着器」、「積載トレイ」、「排出部」、「原稿」、「読取部」、「原稿給紙トレイ」、及び「画像形成装置」に相当する。 イ 後者の記録装置が筐体を有し、筐体内に、記録装置の構成部材を収容していることは明らかである。 ウ 後者は、「プロセスカートリッジ」と「定着部」とを有するものであるから、「画像形成部」を備えているといえる。 エ 後者の「排紙トレー」には、記録紙が排紙されるから、記録紙がスタックされるように構成されるといえる。 オ 後者の「排紙ローラ」と、前者の「排出部」とは、記録媒体を積載トレイに排出するように構成されている点で共通する。 カ 後者の「コンタクトセンサー」は、「原稿を読み取る」ものであるから、「原稿の画像を読み取る読取部」といえる。 キ 後者の「原稿トレー」と、前者の「原稿給紙トレイ」とは、読取部に送る原稿を支持する機能を有していることは明らかである。 ク 後者の「プロセスカートリッジと定着器」と、前者の「プロセスカートリッジと定着器」とは、この順に水平方向に並んで配置されている点で共通する。 ケ 後者の画像形成された記録紙は原稿台ガラスより上方に排紙積載され、排紙ローラから排出される記録紙の排出方向の下流側に配置されているから、後者の「コンタクトセンサー」と、前者の「読取装置」とは、積載トレイの鉛直方向の下側に重なる位置に配置され、排出部に対して、排出部から排出される記録媒体の排出方向の下流側に配置されている点で共通する。 したがって、両者は、 「筐体と、 前記筐体に収容され、記録媒体に画像を形成するためのプロセスカートリッジと定着器とを有する画像形成部と、 前記画像形成部により画像が形成された記録媒体がスタックされるように構成される積載トレイと、 前記画像形成部により画像が形成された記録媒体を前記積載トレイに排出するように構成される排出部と、 原稿の画像を読み取る読取部と、前記読取部に送る原稿を支持する原稿給紙トレイを備える読取装置と、を備え、 前記プロセスカートリッジと前記定着器とは、この順に水平方向に並んで配置されており、 前記読取装置は、 前記積載トレイの鉛直方向の下側に重なる位置に配置され、前記排出部に対して、前記排出部から排出される記録媒体の排出方向の下流側に配置されている画像形成装置。」 の点で一致し、以下の点で相違する。 [相違点] 本願発明1が、「排出部に近づくにつれて下がるように傾斜する」原稿給紙トレイと、「読取部よりも原稿の搬送方向の下流側に配置され、原稿の搬送方向を反転するように構成される反転部」とを備える読取装置、を備え、「プロセスカートリッジと反転部と定着器とは、この順に水平方向に並んで配置されており」、読取装置は、「プロセスカートリッジと水平方向に重なる位置に配置されている」ものであるのに対し、引用発明1はそのような構成を備えていない点。 (2)相違点についての判断 上記相違点に係る本願発明1の「プロセスカートリッジと反転部と定着器とは、この順に水平方向に並んで配置されており」、読取装置は、「プロセスカートリッジと水平方向に重なる位置に配置されている」点は、原査定の拒絶の理由で引用された引用文献2(引用発明2)に、記載も示唆もされていない。 また、上記相違点に係る本願発明1の発明特定事項は、原査定の拒絶の理由に引用された引用文献3(引用発明3)にも、記載も示唆もされていない。 また、上記相違点に係る本願発明1の「プロセスカートリッジと反転部と定着器とは、この順に水平方向に並んで配置されており」、読取装置は、「プロセスカートリッジと水平方向に重なる位置に配置されている」点が設計的事項といえる理由もない。 そして、本願発明1は、上記相違点に係る本願発明1の構成を採用することにより、「本発明の画像形成装置では、読取装置を備えることができながら、鉛直方向の小型化を図ることができる。」(本願明細書【0034】参照。)という効果を奏するものである。 したがって、本願発明1は、当業者であっても引用発明1及び引用発明2に基づいて、容易に発明をすることができたものとはいえない。 なお、上記「第4 1. (2) 【0004】」に記載されている、引用文献1に記載の従来の技術における「紙パス14」は、原稿の搬送経路は異なるものの、原稿の搬送方向を反転させるものではないから、本願発明1の「反転部」に相当するものではない。 2.本願発明2乃至12について 本願発明2乃至12も、本願発明1の「排出部に近づくにつれて下がるように傾斜する」原稿給紙トレイと、「読取部よりも原稿の搬送方向の下流側に配置され、原稿の搬送方向を反転するように構成される反転部」とを備える読取装置、を備え、「プロセスカートリッジと反転部と定着器とは、この順に水平方向に並んで配置されており」、読取装置は、「プロセスカートリッジと水平方向に重なる位置に配置されている」と同一の構成を備えるものであるから、本願発明1と同じ理由により、当業者であっても、引用発明1、引用発明2及び引用発明3に基づいて容易に発明できたものとはいえない。 第6 むすび 以上のとおり、本願発明1乃至12は、当業者が引用発明1、引用発明2及び引用発明3に基づいて容易に発明をすることができたものではない。したがって、原査定の理由によっては、本願を拒絶することはできない。 また、他に本願を拒絶すべき理由を発見しない。 よって、結論のとおり審決する。

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2017-005340

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