特許拒絶査定不服審判
2017-005301
情報端末装置および画面情報共有システム
- 審判番号
- 2017-005301
- 法域
- 特許
- 審判種別
- 拒絶査定不服審判(拒絶査定不服の審決)
- 出願番号
- 特願2012-204671外部サイト(J-PlatPat)へ移動します
- 請求日
- 2017年04月13日
- 審決日
- 2018年04月23日
- 公報発行日
- 2018年06月29日
- 結論
- 原査定取消(特許/登録すべき)
- 分類
- P18 .121-WY (G06F) / P18 .537-WY (G06F)
- 条文(本文から自動抽出・参考)
- 特許法第164条、特許法第29条第2項、特許法第36条第6項第2号
- データ出所
- 審決公報(SGML)
事件の表示
特願2012-204671「情報端末装置および画面情報共有システム」拒絶査定不服審判事件〔平成26年 4月 3日出願公開、特開2014- 59753、請求項の数(6)〕について、次のとおり審決する。
結論
【結 論】
原査定を取り消す。
本願の発明は、特許すべきものとする。
理由
【理 由】
第1 手続の経緯
本願は,平成24年9月18日の出願であって,平成28年7月7日付けで拒絶の理由が通知され,同年9月1日に手続補正書が提出され,平成29年1月23日付けで拒絶査定(謄本送達日同年1月31日)がなされ,これに対して同年4月13日に審判請求がなされると共に手続補正書が提出され,同年6月21日付けで審査官により特許法164条3項の規定に基づく報告がなされ,同年12月28日付けで当審により拒絶の理由が通知され,平成30年2月28日に手続補正書が提出されたものである。
第2 原査定の概要
原査定(平成29年1月23日付け拒絶査定)の概要は次のとおりである。
(進歩性)この出願の下記の請求項に係る発明は、その出願前に日本国内又は外国において、頒布された下記の刊行物に記載された発明又は電気通信回線を通じて公衆に利用可能となった発明に基いて、その出願前にその発明の属する技術の分野における通常の知識を有する者が容易に発明をすることができたものであるから、特許法第29条第2項の規定により特許を受けることができない。
・請求項 1,7
・引用文献等 1-2
・請求項 2
・引用文献等 1-3
・請求項 3,8
・引用文献等 4,1,2
・請求項 5
・引用文献等 4,1,2
・請求項 6,9
・引用文献等 4,1,2
・請求項 4,10
・引用文献等 4,1,2
<引用文献等一覧>
1.特開2010-238158号公報
2.特開2007-274105号公報
3.特開平10-164537号公報
4.特開2011-100270号公報
第3 本願発明
本願請求項1乃至6に係る発明(以下「本願発明1」乃至「本願発明6」という。)は,平成30年2月28日付け手続補正書で補正された特許請求の範囲の請求項1乃至6に記載された,次のとおりのものと認める。
「 【請求項1】
第1の情報端末装置と、第2の情報端末装置とからなる画面情報共有システムにおいて、
前記第1の情報端末装置は、
ユーザーの生体認証に用いられ、前記ユーザーの周囲の環境の情報を含む認証情報を取得する認証情報取得手段と、
前記認証情報を記憶する第1の記憶手段と、
前記第1の記憶手段に記憶された前記認証情報を通信網に送信し、前記通信網から画像の内容に基づいて設定された所定の時間間隔の画像のデータであり、使用される環境に合わせた補正が施された画像情報を受信する第1の通信手段と、
前記画像情報を表示する表示手段とを備え、
前記第1の記憶手段は前記第1の通信手段により前記認証情報が送信された場合に、前記認証情報を消去するものであり、
前記第2の情報端末装置は、
前記第1の情報端末装置から前記第1の情報端末装置のユーザーの生体認証に用いられ、前記ユーザーの周囲の環境の情報を含む前記認証情報を受信する第2の通信手段と、
前記ユーザーの生体認証に用いる前記ユーザーの識別情報を記憶する第2の記憶手段と、
前記認証情報と前記識別情報とを比較して前記ユーザーとの通信可否の判断を行う認証手段と、
画像の内容に基づいて設定された所定の時間間隔の画像を前記ユーザーの前記第1の情報端末装置用の画像として変換するとともに前記ユーザーの周囲の環境に合わせて前記画像の視認性を維持する補正を施して変換画像を生成する画像変換手段とを備え、
前記第2の通信手段は、前記認証手段で前記ユーザーとの通信が可と判断された場合に、前記第1の情報端末装置に前記変換画像を画像情報として送信するものであることを特徴とする画面情報共有システム。
【請求項2】
前記第1の情報端末装置の前記第1の記憶手段は、前記画像情報を記憶する手段をさらに有し、
前記第1の記憶手段は前記表示手段に前記画像情報を表示した場合に、前記画像情報を消去することを特徴とする請求項1に記載の画面情報共有システム。
【請求項3】
前記第2の情報端末装置の前記第2の通信手段は、前記ユーザー以外の情報端末装置から前記所定の画像を受信する手段をさらに有し、
前記第2の通信手段により受信された前記所定の画像が前記画像変換手段により変換されて前記変換画像が生成されることを特徴とする請求項1または2に記載の画面情報共有システム。
【請求項4】
前記第2の情報端末装置は、前記第2の通信手段で受信する前記ユーザーの前記認証情報を基に、前記所定の画像の補正方法を判断する補正判断手段をさらに備え、
前記画像変換手段は、前記所定の画像を前記ユーザーの情報端末装置用の画像として変換する際に、前記変換とともに前記補正方法に基づいて前記所定の画像の補正を行い変換画像を生成することを特徴とする請求項1から3いずれかに記載の画面情報共有システム。
【請求項5】
第1の情報端末装置のユーザーの生体認証に用いられ、前記ユーザーの周囲の環境の情報を含む認証情報を前記第1の情報端末装置において取得し、
前記第1の情報端末装置において前記認証情報を記憶し、
前記第1の情報端末装置から第2の情報端末装置に前記認証情報を送信し、
前記第1の情報端末装置に記憶された前記認証情報を消去し、
前記第2の情報端末装置において、前記第1の情報端末装置から受信した前記認証情報とあらかじめ記憶された前記第1の情報端末装置のユーザーの生体認証に用いる識別情報とを比較して前記ユーザーとの通信可否を判断し、
前記第2の情報端末装置において、前記第1の情報端末装置のユーザーと通信可能と判断した場合に、画像の内容に基づいて設定された所定の時間間隔の画像を前記第1の情報端末装置用の画像として変換するとともに前記ユーザーの周囲の環境に合わせて前記画像の視認性を維持する補正を施して変換画像を生成し、
前記第2の情報端末装置から前記第1の情報端末装置に前記変換画像を画像情報として送信し、
前記第1の情報端末装置において、受信した前記画像情報を表示すること特徴とする画面情報の共有方法。
【請求項6】
前記所定の画像を前記第1の情報端末装置以外の情報端末装置から受信することを特徴とする請求項5に記載の画面情報の共有方法。」
第4 引用例
1 引用例に記載された事項
原審における平成28年7月7日付けの拒絶理由(以下,これを「原審拒絶理由」という。)において引用した,本願の出願前に既に公知である,特開2010-238158号公報(平成22年10月21日公開。以下,これを「引用例1」という。)には,関連する図面と共に,次の事項が記載されている。(下線は当審で付加。以下同様。)
A 「【0001】
本発明は、クライアント端末とウェブサーバおよびネットワークによって構成されるユーザ認証システムに生体認証用の入力デバイスを備えた携帯電話端末を加えて構成されるユーザ認証システム、および、そのクライアント端末および携帯電話端末で利用されるユーザ認証用補助プログラムと、ユーザ認証方法に関する。」
B 「【0007】
そこで、本発明の目的は、クライアント端末に生体認証用の入力デバイスが設けられていない場合であっても、携帯電話端末が備える生体認証用の入力デバイスを用いて、ウェブサーバの側で、ユーザの生体認証情報に基いて適切なユーザ認証を行なうことができるようにすることにある。」
C 「【0020】
この実施形態のユーザ認証システム1の主要部は、図1に示す通り、クライアント端末2と、インターネット等のネットワーク3を経由してクライアント端末2に各種のサービス例えばアプリケーションプログラムやコンテンツあるいはバンキング機能等を提供するウェブサーバ4と、クライアント端末2とウェブサーバ4とを情報伝達可能に接続するネットワーク3と、携帯電話端末5によって構成される。
図1中の基地局6は、携帯電話端末5を利用するために設置されている公知の携帯電話用基地局である。
【0021】
図2は携帯電話端末5の構成の概略を示したブロック図である。
携帯電話端末5は、通話用のマイク7およびスピーカ8と、基地局6との間での通信を行なうための送受信部9、ならびに、ディスプレイ10を有し、対象物を撮影するためのデジタルカメラ11を備える。」
D 「【0027】
認証ユニット19は生体認証用の入力デバイスであり、公知の指紋センサーあるいは静脈認証センサー等によって構成され、マイクロプロセッサ13からの指令で駆動制御される。」
E 「【0030】
更に、本実施形態においては、特に、生体認証用の入力デバイスである認証ユニット19を作動させてユーザの生体認証情報を取得させ、この生体認証情報を送受信部20を介して最寄りのクライアント端末2に送信させる入力デバイス強制起動手段としてマイクロプロセッサ13を機能させるための携帯電話端末用機能拡張プログラム(図6参照)がROM18に格納されている。」
F 「【0032】
クライアント端末2は、演算処理用のマイクロプロセッサ21と、基本的な制御プログラムを格納したリードオンリーメモリ22(以下、ROM22という)、および、演算データの一時記憶等に利用されるランダムアクセスメモリ23(以下、RAM23という)を備える。」
G 「【0037】
クライアント端末2の送受信部30には携帯電話端末5との間で双方向通信を行なう機能があるが、この実施形態にあっては、専ら、携帯電話端末5の送受信部20から送信された情報を直接的に受信するためのデータ受信手段として機能する。
【0038】
ハードディスク24には、更に、送受信部30が携帯電話端末5から受信した生体認証情報とユーザがキーボード26を操作して手動入力したユーザIDとを組み合わせて認証情報とする認証データ結合手段、および、この認証情報をインターフェイス29およびネットワーク3を経由してウェブサーバ4に送信する認証データ送信手段としてマイクロプロセッサ21を機能させるためのクライアント端末用機能拡張プログラム(図5参照)が格納されている。」
H 「【0044】
ウェブサーバ4の記憶手段として機能するハードディスク34には、更に、ウェブサーバ4からのサービス提供を許容されたユーザを特定するための認証情報となるユーザIDと各ユーザIDに対応する生体認証情報が予め一対一の対応関係でユーザ認証用情報ファイルに登録されている。」
I 「【0048】
ウェブサーバ4は、クライアント端末2からネットワーク3を経由して送信される認証情報と、ウェブサーバ4の記憶手段として機能するハードディスク34のユーザ認証用情報ファイルに登録されている認証情報との一致不一致を判定する。」
J 「【0072】
ここで、携帯電話端末5に設けられている認証ユニット19にユーザが指を置き、ユーザが携帯電話端末5のキー操作部17を操作し、認証ユニット19を作動させるための生体認証要求信号を携帯電話端末5に入力すると、マイクロプロセッサ13が前述したステップb1の判定処理で生体認証要求信号の入力を検知する。
【0073】
そして、入力デバイス強制起動手段として機能するマイクロプロセッサ13が認証ユニット19を作動させ(ステップb2)、認証ユニット19から指紋や静脈流に関連する生体認証情報が入力されるのを待機し、生体認証情報の入力が開始されると、このデータを数値化して携帯電話端末5のデータメモリ部14に一時記憶する(ステップb3)。
【0074】
次いで、マイクロプロセッサ13は、認証ユニット19の作動を停止させ(ステップb4)、データメモリ部14に一時記憶した生体認証情報を携帯電話端末5のデータ送信手段として機能する送受信部20を介してクライアント端末2に送信した後、データメモリ部14に一時記憶していた生体認証情報を消去する(ステップb5)。」
2 引用発明
ア 上記記載事項Aから,引用例1には,“クライアント端末とウェブサーバおよびネットワークによって構成されるユーザ認証システムに生体認証用の入力デバイスを備えた携帯電話端末を加えて構成されるユーザ認証システム”について記載されているといえる。
イ 上記記載事項Bから,引用例1は,“クライアント端末に生体認証用の入力デバイスが設けられていない場合であっても,携帯電話端末が備える生体認証用の入力デバイスを用いて,ウェブサーバの側で,ユーザの生体認証情報に基いて適切なユーザ認証を行なうことができるようにすることを目的”とするものであることが読み取れる。
ウ 上記記載事項Cから,引用例1には,“ユーザ認証システムは,クライアント端末と,インターネット等のネットワークを経由してクライアント端末に各種のサービスを提供するウェブサーバと,前記クライアント端末と前記ウェブサーバとを情報伝達可能に接続するネットワークと,携帯電話端末によって構成され”ていること,及び,“携帯電話端末は,ディスプレイを有”することが記載されているといえる。
エ 上記記載事項D及び上記ウの検討事項から,引用例1には,“携帯電話端末は,公知の指紋センサーあるいは静脈認証センサー等によって構成される生体認証用の入力デバイスである認証ユニットとディスプレイとを有”することが記載されているといえる。
オ 上記記載事項Eから,引用例1には,“前記認証ユニットを作動させユーザの生体認証情報を取得し,この生体認証情報を送受信部を介してクライアント端末に送信”することが記載されているといえる。
カ 上記記載事項Fから,引用例1には,“クライアント端末は,演算データの一時記憶等に利用されるランダムアクセスメモリを備え”ることが記載されているといえる。
キ 上記記載事項Gから,引用例1には,“クライアント端末の送受信部は携帯電話端末との間で双方向通信を行なう機能を有し,前記送受信部が前記携帯電話端末から生体認証情報を受信”することが記載されているといえる。
ク 上記記載事項Hから,引用例1には,“ウェブサーバは,記憶手段として機能するハードディスクに,前記ウェブサーバからのサービス提供を許容されたユーザを特定するための認証情報となるユーザIDと各ユーザIDに対応する生体認証情報が予め一対一の対応関係でユーザ認証用情報ファイルに登録されて”いることが記載されているといえる。
ケ 上記記載事項Iから,引用例1には,ウェブサーバは,“前記クライアント端末から前記ネットワークを経由して送信される認証情報と,前記ユーザ認証用情報ファイルに登録されている認証情報との一致不一致を判定”することが記載されているといえる。
コ 上記記載事項Jから,引用例1には,“前記認証ユニットを作動させ,生体認証情報が入力されると,このデータを前記携帯電話端末のデータメモリ部に一時記憶され,前記生体認証情報を前記クライアント端末に送信した後,前記データメモリ部に一時記憶していた前記生体認証情報を消去する”ことが記載されているといえる。
サ 以上ア乃至コより,引用例1には,次の発明(以下「引用発明」という。)が記載されているといえる。
「クライアント端末とウェブサーバおよびネットワークによって構成されるユーザ認証システムに生体認証用の入力デバイスを備えた携帯電話端末を加えて構成されるユーザ認証システムであって,
前記クライアント端末に生体認証用の入力デバイスが設けられていない場合であっても,携帯電話端末が備える生体認証用の入力デバイスを用いて,ウェブサーバの側で,ユーザの生体認証情報に基いて適切なユーザ認証を行なうことができるようにすることを目的とし,
ユーザ認証システムは,クライアント端末と,インターネット等のネットワークを経由してクライアント端末に各種のサービスを提供するウェブサーバと,前記クライアント端末と前記ウェブサーバとを情報伝達可能に接続するネットワークと,携帯電話端末によって構成され,
前記携帯電話端末は,公知の指紋センサーあるいは静脈認証センサー等によって構成される生体認証用の入力デバイスである認証ユニットとディスプレイとを有し,
前記認証ユニットを作動させユーザの生体認証情報を取得し,この生体認証情報を送受信部を介してクライアント端末に送信し,
前記クライアント端末は,演算データの一時記憶等に利用されるランダムアクセスメモリを備え,
前記クライアント端末の送受信部は前記携帯電話端末との間で双方向通信を行なう機能を有し,前記送受信部が前記携帯電話端末から生体認証情報を受信し,
前記ウェブサーバは,記憶手段として機能するハードディスクに,前記ウェブサーバからのサービス提供を許容されたユーザを特定するための認証情報となるユーザIDと各ユーザIDに対応する生体認証情報が予め一対一の対応関係でユーザ認証用情報ファイルに登録されていて,前記クライアント端末から前記ネットワークを経由して送信される認証情報と,前記ユーザ認証用情報ファイルに登録されている認証情報との一致不一致を判定し,
前記認証ユニットを作動させ,生体認証情報が入力されると,このデータを前記携帯電話端末のデータメモリ部に一時記憶され,前記生体認証情報を前記クライアント端末に送信した後,前記データメモリ部に一時記憶していた前記生体認証情報を消去する
ユーザ認証システム。」
3 引用例2に記載された事項
原審拒絶理由において引用した,本願の出願前に既に公知である,特開2007-274105号公報(平成19年10月18日公開。以下,これを「引用例2」という。)には,関連する図面と共に,次の事項が記載されている。
K 「【0033】
図1は、本発明の一実施形態に係る通信システム100の概略的な構成図である。図1に示されるように、この通信システム100は、(a)音(音楽や音声を含む)、静止画像、動画像といったマルチメディアのデータファイルや、ワープロ、表計算等のアプリケーションプログラムファイルを保存するMDサーバ30と、(b)ネットワーク50を介して、MDサーバ30を遠隔操作する移動通信端末装置である携帯電話装置10a,10bと、(c)携帯電話装置10a,10bが無線通信を行う基地局52,53,…と、(d)MDサーバ30及び基地局52,53,…が接続されたネットワーク50とを備えている。なお、図1においては、携帯電話装置10aと基地局52とが無線通信を行うとともに、携帯電話装置10bと基地局53とが無線通信を行う場合の例が示されているが、携帯電話装置10a,10bが無線通信を行う基地局は、基地局52,53に限定されるものではない。」
L 「【0077】
図14に戻り、次に、ステップS1において、携帯電話装置10は、遠隔ログイン操作を行う。まず、利用者は、画面案内(図15(B)参照)に応じて、ID及びパスワードを入力する。認証処理の間、認証中の画面(図15(C)参照)が表示される。そして、認証がなされると、携帯電話装置10は、遠隔ログイン要求をMDサーバ30へ送信する。」
M 「【0081】
図14に戻り、次に、ステップS7において、MDサーバ30は、携帯電話装置10aとMDサーバ30との間のVNCセッションを開設する。これにより、VNCセッションが設定される(W3参照)。このVNCセッションを利用して、MDサーバ30は、携帯電話装置10aへ向けて、MDサーバ30の表示部34に表示されるデスクトップ画面情報(フル画面情報又は画面差分情報)を送信する。
【0082】
一方、携帯電話装置10aは、MDサーバ30から受信したデスクトップ画面情報に基づいて、MDサーバ30のデスクトップ画面を再現表示する。これにより、携帯電話装置10aは、遠隔操作が可能な状態になる(W4参照)。この結果、VNC標準規格に従った携帯電話装置10bによるMDサーバ30遠隔操作が可能となる。なお、MDサーバ30から携帯電話装置10aへのデスクトップ画面情報の送信は、通信状況や処理負荷等に応じて変化するようになっている。」
N 「【0092】
<ビデオストリーミング配信>
次に、上記のVNCセッションの設定後におけるビデオストリーミング配信について説明する。なお、携帯電話装置10aへのビデオファイルのストリーミング配信も、上述のオーディオファイルのストリーミング配信と同様のシーケンスで行われるので、図16を参照しつつ、説明する。
【0093】
ビデオストリーミング配信を受ける際には、利用者は、まず、ステップU1において、ビデオプレイリストの取得処理を行う。このビデオプレイリストの取得処理では、利用者が、メニューリスト(図15(D)参照)の各項目からビデオプレイリストを選択する。かかる選択が行われると、携帯電話装置10aは、MDサーバ30に対して、ビデオプレイリスト要求を送信する。このビデオプレイリスト要求を受けると、MDサーバ30は、ステップU2において、携帯電話装置10aのために用意されているビデオプレイリストを、携帯電話装置10aへ送信する。なお、携帯電話装置10aがビデオプレイリストを既に保持している場合には、上述のオーディオファイルのストリーミング配信の場合と同様にして、携帯電話装置10aが保持しているオーディオプレイリストを最新のものとする処理が行われる。
【0094】
ビデオプレイリストを受けた携帯電話装置10aでは、当該ビデオプレイリストの内容を示すビデオプレイリスト表示画面が表示部13に表示される。こうしたオーディオプレイリスト表示画面の例が、図18(A)に示されている。なお、図18(A)の画面例は、当該ビデオプレイリストが、ビデオプレイリスト管理ファイル48iのみであった場合の例が示されている。以下、ビデオプレイリスト表示画面が図18(A)に示されるようであったとして、説明する。
【0095】
次に、ステップU3において、携帯電話装置10aでのプレイ選択処理が行われる。このプレイ選択処理では、利用者が、例えば、図18(A)のオーディオプレイリスト表示画面におけるビデオ”自然風景”を選択すると、携帯電話装置10aは、図18(B)に示されるように、ビデオ”自然風景”のビデオトラックリストに対応する場面リストを表示する。そして、利用者が、”場面1”を選択すると、携帯電話装置10aは、図18(C)に示されるような再生場面決定画面を表示するとともに、”場面1”を表す識別データを含むストリーミング配信要求をMDサーバ30に対して送信する。そして、携帯電話装置10aは、遠隔操作用の画面の受信処理を中断する。
【0096】
ストリーミング配信要求を受けたMDサーバ30は、ステップU4において、”場面1”に対応するビデオトラックファイルを展開する。引き続き、MDサーバ30は、遠隔操作用画面情報であるデスクトップ画面情報の送信処理を中断するとともに、VNCセッションを維持しつつ、ストリーミング配信のためのセッションを開設する。そして、MDサーバ30は、ストリーミング配信のためのセッションを利用して、ビデオトラックファイルの展開結果を携帯電話装置10aへ送信することにより、”場面1”のビデオデータを携帯電話装置10aへストリーミング配信する。
【0097】
ビデオトラックファイルの展開結果を受けた携帯電話装置10aは、ステップU5において、”場面1”を再生する。この結果、携帯電話装置10aでは、”場面1”の再生結果が、表示部13に表示され(図18(D)参照)、利用者に提供される。」
4 引用例2に記載された発明
上記記載事項K乃至Nを総合すると,引用例2には次の発明(以下「引用発明2」という。)が記載されているといえる。
「通信システム100は,(a)音(音楽や音声を含む),静止画像,動画像といったマルチメディアのデータファイルや,ワープロ,表計算等のアプリケーションプログラムファイルを保存するMDサーバ30と,(b)ネットワーク50を介して,MDサーバ30を遠隔操作する移動通信端末装置である携帯電話装置10a,10bと,(c)携帯電話装置10a,10bが無線通信を行う基地局52,53,…と,(d)MDサーバ30及び基地局52,53,…が接続されたネットワーク50とを備え,
携帯電話装置10は,遠隔ログイン操作を行い,遠隔ログイン要求をMDサーバ30へ送信し,
MDサーバ30は,携帯電話装置10aとMDサーバ30との間のVNCセッションを開設し,携帯電話装置10aへ向けて,MDサーバ30の表示部34に表示されるデスクトップ画面情報を送信し,
携帯電話装置10aは,MDサーバ30から受信したデスクトップ画面情報に基づいて,MDサーバ30のデスクトップ画面を再現表示し,MDサーバ30遠隔操作が可能となり,
ビデオストリーミング配信を受ける際には,利用者は,まず,ビデオプレイリストの取得処理を行い,利用者が,メニューリストの各項目からビデオプレイリストを選択すると,携帯電話装置10aは,MDサーバ30に対して,ビデオプレイリスト要求を送信し,
利用者が,”場面1”を選択すると,携帯電話装置10aは,”場面1”を表す識別データを含むストリーミング配信要求をMDサーバ30に対して送信し,
ストリーミング配信要求を受けたMDサーバ30は,”場面1”に対応するビデオトラックファイルを展開し,ストリーミング配信のためのセッションを開設し,ストリーミング配信のためのセッションを利用して,ビデオトラックファイルの展開結果を携帯電話装置10aへ送信することにより,”場面1”のビデオデータを携帯電話装置10aへストリーミング配信し,
携帯電話装置10aは,”場面1”を再生する
通信システム100。」
5 引用例3に記載された事項
原審拒絶理由において引用した,本願の出願前に既に公知である,特開平10-164537号公報(平成10年6月19日公開。以下,これを「引用例3」という。)には,関連する図面と共に,次の事項が記載されている。
O 「【0028】ステップS14では10画面分の映像データがバッファメモリ27aに蓄積されたか否か、或いは表示フラグがオンしているか否かを判断する。10画面分の映像データがバッファリングされると、所定の表示タイミングでの表示を開始すべく、表示フラグがオンされる(ステップS15)。そして、表示タイミングになると、バッファメモリから、1番古い1フレーム分の映像データが読み出され、ディスプレイ22に描画される(ステップS16、S17)。なお、読み出した映像データはバッファメモリ27aから消去される。以後、表示フラグがオンの間、受信した映像データのバッファメモリ27aへのバッファリングと、バッファメモリ27aから読み出した映像データの表示が並行して行なわれる。そして、バッファメモリ27aから映像データが無くなると、表示フラグがオフされる(ステップS18、S19)。」
6 引用例4に記載された事項
原審拒絶理由において引用した,本願の出願前に既に公知である,特開2011-100270号公報(平成23年5月19日公開。以下,これを「引用例4」という。)には,関連する図面と共に,次の事項が記載されている。
P 「【0077】
実施の形態3.
図9はこの発明の実施の形態3による画面共有システムの表示元端末1を示す構成図であり、図において、図2と同一符号は同一又は相当部分を示すので説明を省略する。
画面共有サーバ情報管理部51は図2の画面共有サーバ情報管理部13と同様に、画面共有サーバ2と接続する際に必要な情報であるサーバ情報(例えば、画面共有サーバ2のIPアドレスや受信ポート番号など)を格納しているメモリを備えている他に、接続要求処理部14から接続要求が画面共有サーバ2に送信される際、認証処理部52から送信される認証用情報(例えば、認証方式、IDとパスワード、証明書など)を格納しているメモリを備え、そのサーバ情報と認証用情報を管理している処理部である。
認証処理部52は接続要求処理部14から接続要求が画面共有サーバ2に送信される際、ネットワークインタフェース19を介して、画面共有サーバ情報管理部51により管理されている認証用情報を画面共有サーバ2に送信する処理を実施する。
なお、認証処理部52は、例えば、表示元端末1のCPUが構成しているものであってもよいし、専用のハードウェア(例えば、ワンチップマイコン)で構成されているものであってもよい。
【0078】
図9では、表示元端末1の構成要素である画面表示部11、操作受付部12、画面共有サーバ情報管理部51、接続要求処理部14、表示画面取得部15、表示画面送信部16、操作情報受信部17、操作情報反映部18、ネットワークインタフェース19及び認証処理部52のそれぞれが専用のハードウェアで構成されているものを想定しているが、表示元端末1がコンピュータで構成される場合、画面表示部11、操作受付部12、画面共有サーバ情報管理部51、接続要求処理部14、表示画面取得部15、表示画面送信部16、操作情報受信部17、操作情報反映部18、ネットワークインタフェース19及び認証処理部52の処理内容を記述しているプログラムをコンピュータのメモリに格納し、当該コンピュータのCPUが当該メモリに格納されているプログラムを実行するようにしてもよい。
…(中略)…
【0080】
図11では、クライアント端末3の構成要素である操作受付部31、画面共有サーバ情報管理部61、接続要求処理部33、表示画面受信部34、画面表示部35、操作情報送信部36、ネットワークインタフェース37及び認証処理部62のそれぞれが専用のハードウェアで構成されているものを想定しているが、クライアント端末3がコンピュータで構成される場合、操作受付部31、画面共有サーバ情報管理部61、接続要求処理部33、表示画面受信部34、画面表示部35、操作情報送信部36、ネットワークインタフェース37及び認証処理部62の処理内容を記述しているプログラムをコンピュータのメモリに格納し、当該コンピュータのCPUが当該メモリに格納されているプログラムを実行するようにしてもよい。」
Q 「【0090】
また、認証処理部73は、ネットワークインタフェース21がクライアント端末3-1から送信された認証情報を受信すると、その認証情報とクライアント端末情報管理部72により管理されている認証情報を照合して、そのクライアント端末3-1の接続を許可するか否かを判定する。
即ち、認証処理部73は、クライアント端末3-1から送信された認証情報と、クライアント端末情報管理部72により管理されている認証情報とが一致すれば、そのクライアント端末3-1の接続を許可し、一致しなければ、そのクライアント端末3-1の接続を拒否する。」
7 引用例4に記載された発明
上記記載事項P乃至Qを総合すると,引用例4には次の発明(以下「引用発明4」という。)が記載されているといえる。
「画面共有システムの表示元端末は,表示画面送信部16,ネットワークインタフェース19及び認証処理部52を有し,
画面共有システムのクライアント端末は,表示画面受信部34,画面表示部35,操作情報送信部36,ネットワークインタフェース37及び認証処理部62を有し,
画面共有システムの画面共有サーバ2の認証処理部73は,ネットワークインタフェース21がクライアント端末3-1から送信された認証情報を受信すると,その認証情報とクライアント端末情報管理部72により管理されている認証情報を照合して,そのクライアント端末3-1の接続を許可するか否かを判定し,前記クライアント端末3-1から送信された認証情報と,クライアント端末情報管理部72により管理されている認証情報とが一致すれば,そのクライアント端末3-1の接続を許可し,一致しなければ,そのクライアント端末3-1の接続を拒否する
画面共有システム。」
第5 対比・判断
1 対比
本願発明1と引用発明とを対比する。
(1)引用発明の「携帯電話端末」,「クライアント端末」は,それぞれ本願発明1の「第1の情報端末装置」,「第2の情報端末装置」に相当する。
(2)引用発明の「ユーザ認証システム」は,「クライアント端末」や「携帯電話端末」を含む“システム”である点で,本願発明1の「画面情報共有システム」と共通する。
(3)引用発明の「携帯電話端末」の「公知の指紋センサーあるいは静脈認証センサー等によって構成される生体認証用の入力デバイスである認証ユニット」は,本願発明1の「第1の情報端末装置」が備える,「ユーザーの生体認証に用いられ、前記ユーザーの周囲の環境の情報を含む認証情報を取得する認証情報取得手段」と,下記の点で相違するものの,“ユーザーの生体認証に用いられ、認証情報を取得する認証情報取得手段”である点で一致する。
(4)引用発明の「携帯電話端末のデータメモリ部」は,「前記認証ユニットを作動させ,生体認証情報が入力されると,このデータを前記携帯電話端末のデータメモリ部に一時記憶」させるものであるから,本願発明1と“認証情報を記憶する第1の記憶手段”を備える点で一致する。
(5)引用発明の「携帯電話端末」の「送受信部」は,「この生体認証情報を送受信部を介してクライアント端末に送信」するものであることから,本願発明1の「第1の通信手段」とは,下記の点で相違するものの,“前記第1の記憶手段に記憶された前記認証情報を通信網に送信”する点では一致する。
(6)引用発明の「クライアント端末の送受信部」は,「前記携帯電話端末との間で双方向通信を行なう機能を有し,前記送受信部が前記携帯電話端末から生体認証情報を受信」するものであるから,本願発明1の「前記第1の情報端末装置から前記第1の情報端末装置のユーザーの生体認証に用いられ、前記ユーザーの周囲の環境の情報を含む前記認証情報を受信する第2の通信手段」とは,“前記第1の情報端末装置から前記第1の情報端末装置のユーザーの生体認証に用いられる前記認証情報を受信する第2の通信手段”である点で一致する。
(7)引用発明は「生体認証情報が入力されると,このデータを前記携帯電話端末のデータメモリ部に一時記憶され,前記生体認証情報を前記クライアント端末に送信した後,前記データメモリ部に一時記憶していた前記生体認証情報を消去する」ものであるから,本願発明1とは,“前記第1の記憶手段は前記第1の通信手段により前記認証情報が送信された場合に、前記認証情報を消去するもの”である点で一致する。
(8)以上,(1)乃至(7)の検討から,引用発明と本願発明1とは,次の一致点及び相違点を有する。
〈一致点〉
第1の情報端末装置と,第2の情報端末装置とからなるシステムにおいて,
前記第1の情報端末装置は,
ユーザーの生体認証に用いられ,認証情報を取得する認証情報取得手段と,
前記認証情報を記憶する第1の記憶手段と,
前記第1の記憶手段に記憶された前記認証情報を通信網に送信する第1の通信手段とを備え,
前記第1の記憶手段は前記第1の通信手段により前記認証情報が送信された場合に,前記認証情報を消去するものであり,
前記第2の情報端末装置は,
前記第1の情報端末装置から前記第1の情報端末装置のユーザーの生体認証に用いられる前記認証情報を受信する第2の通信手段を備えるものである,システム。
〈相違点1〉
本願発明1が,「画面情報共有システム」であるのに対し,引用発明は,「ユーザ認証システム」である点。
〈相違点2〉
本願発明1では,第1の情報端末装置の,認証情報取得手段によって取得される認証情報が,ユーザーの周囲の環境の情報を含むものであるのに対し,引用発明は,そのような情報を含むことが特定されていない点。
〈相違点3〉
本願発明1では,第1情報端末装置の第1通信手段が,「前記通信網から画像の内容に基づいて設定された所定の時間間隔の画像のデータであり、使用される環境に合わせた補正が施された画像情報を受信」し,「前記画像情報を表示する表示手段」を備えるのに対し,引用発明はそのような画像情報を受信することが特定されておらず,表示手段といい得る「ディスプレイ」を有するものの,当該ディスプレイに上記画像情報を表示することが特定されていない点。
〈相違点4〉
本願発明1では,第2情報端末装置の第2通信手段が受信する,「認証情報」が,「前記ユーザーの周囲の環境の情報」を含むものであるのに対し,引用発明は,そのような情報を含むことが特定されていない点。
〈相違点5〉
本願発明1では,「第2情報端末装置」が,「前記ユーザーの生体認証に用いる前記ユーザーの識別情報を記憶する第2の記憶手段」,「前記認証情報と前記識別情報とを比較して前記ユーザーとの通信可否の判断を行う認証手段」を備えるのに対し,引用発明では,「ウェブサーバ」における「記憶手段として機能するハードディスク」に,「前記ウェブサーバからのサービス提供を許容されたユーザを特定するための認証情報となるユーザIDと各ユーザIDに対応する生体認証情報が予め一対一の対応関係でユーザ認証用情報ファイルに登録され」ていて,当該「ウェブサーバ」が,「前記クライアント端末から前記ネットワークを経由して送信される認証情報と,前記ユーザ認証用情報ファイルに登録されている認証情報との一致不一致を判定」するものである点。
〈相違点6〉
本願発明1では,「第2の情報端末装置」の「第2情報端末装置」が,「画像の内容に基づいて設定された所定の時間間隔の画像を前記ユーザーの前記第1の情報端末装置用の画像として変換するとともに前記ユーザーの周囲の環境に合わせて前記画像の視認性を維持する補正を施して変換画像を生成する画像変換手段」を備えるのに対し,引用発明は,そのような手段を備えることが特定されていない点。
〈相違点7〉
本願発明1では,「第2の通信手段」が,「前記認証手段で前記ユーザーとの通信が可と判断された場合に、前記第1の情報端末装置に前記変換画像を画像情報として送信するものである」のに対し,引用発明の「クライアント端末の送受信部」は,そのような画像情報を送信することが特定されていない点。
2 判断
事案に鑑み,先に相違点1並びに6及び7について検討する。
まず,相違点6に係る特定事項のうち,「画像の内容に基づいて設定された所定の時間間隔の画像」について検討するに,当該「画像」については,特許請求の範囲においてどのような画像を意味するものかを特定する事項は記載されていないものの,明細書の段落1,27及び41等の記載によれば,この「画像」が,第1の情報端末装置及び第2の情報端末装置との間で画面情報を共有するシステムにおいて,第2の情報端末装置の画面の情報を所定の時間間隔で選択された,第2の情報端末装置の画面の全部または一部のものであることと理解することができる。
一方,引用発明は,「クライアント端末に生体認証用の入力デバイスが設けられていない場合であっても,携帯電話端末が備える生体認証用の入力デバイスを用いて,ウェブサーバの側で,ユーザの生体認証情報に基いて適切なユーザ認証を行なうことができるようにすることを目的」とする,「ユーザ認証システム」であって,そもそも当該クライアント端末と携帯電話端末との間で,画面情報を共有することを前提とするものではなく,また,クライアント端末の画面情報を携帯電話端末に送るような動機付けは存在しない。
してみれば,引用発明において,クライアント端末側で「画像の内容に基づいて設定された所定の時間間隔の画像を前記ユーザーの前記第1の情報端末装置用の画像として変換」したり,「ユーザーの周囲の環境に合わせて前記画像の視認性を維持する補正を施して変換画像を生成」したりする動機付けはなかったというべきであり,当業者といえども,引用発明において,「画像の内容に基づいて設定された所定の時間間隔の画像を前記ユーザーの前記第1の情報端末装置用の画像として変換するとともに前記ユーザーの周囲の環境に合わせて前記画像の視認性を維持する補正を施して変換画像を生成する画像変換手段」(相違点6)を設けたり,「前記変換画像を画像情報として送信」(相違点7)したりして,「画面情報共有システム」(相違点1)を構築することが容易であったとまではいえない。
なお,この「画面情報共有システム」に関して,上記引用発明2及び引用発明4の存在をもってしても,引用発明において,相違点1並びに相違点6及び7に至る構成を想到することはできない。
したがって,上記その余の相違点について判断するまでもなく,本願発明1は,当業者であっても,引用発明及び引用発明2,さらに引用文献3に記載された技術的事項や引用発明4に基づいて容易に発明できたものとはいえない。
3 本願発明2乃至4について
本願発明2乃至4は,請求項1を引用するものであって,本願発明1の上記相違点1並びに相違点6及び7と同一の構成を備えるものであるから,本願発明1と同じ理由により,当業者であっても,引用発明及び引用発明2,さらに引用文献3に記載された技術的事項や引用発明4に基づいて容易に発明できたものとはいえない。
4 本願発明5乃至6について
本願発明5は,本願発明1とカテゴリー表現のみ異なるものであり,本願発明6は請求項5を引用するものであって,本願発明1と同じ理由により,当業者であっても,引用発明及び引用発明2,さらに引用文献3に記載された技術的事項や引用発明4に基づいて容易に発明できたものとはいえない。
第6 当審拒絶理由について
<特許法第36条第6項第2号について>
当審では,請求項1の「「使用される環境の情報を含む」,及び「使用される環境に合わせた」とされる点」につき構成が不明確であるとの拒絶の理由を通知しているが,平成30年2月28日付けの手続補正において,上記,「第3 本願発明」の項に掲げたとおりに補正された結果,この拒絶の理由は解消した。
第7 原査定についての判断
平成30年2月28日付けの補正により,上記「第3 本願発明」の項に掲げたとおり,補正後の請求項1乃至4は,「画像の内容に基づいて設定された所定の時間間隔の画像を前記ユーザーの前記第1の情報端末装置用の画像として変換するとともに前記ユーザーの周囲の環境に合わせて前記画像の視認性を維持する補正を施して変換画像を生成する画像変換手段」,及び,「第2の通信手段」が,「前記認証手段で前記ユーザーとの通信が可と判断された場合に、前記第1の情報端末装置に前記変換画像を画像情報として送信するものである」という技術的事項を有し,また,請求項5及び6は「画像の内容に基づいて設定された所定の時間間隔の画像を前記第1の情報端末装置用の画像として変換するとともに前記ユーザーの周囲の環境に合わせて前記画像の視認性を維持する補正を施して変換画像を生成」こと,及び「前記第2の情報端末装置から前記第1の情報端末装置に前記変換画像を画像情報として送信」するという技術的事項を有するものとなった。当該事項は,原査定における引用文献1乃至4には記載されておらず,本願出願日前における周知技術でもないので,本願発明1乃至6は,当業者であっても,原査定における引用文献1乃至4に基づいて容易に発明できたものではない。したがって,原査定を維持することはできない。
第8 むすび
以上のとおり,原査定の理由によっては,本願を拒絶することはできない。
また,他に本願を拒絶すべき理由を発見しない。
よって,結論のとおり審決する。
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2017-005301