特許拒絶査定不服審判
2017-004746
制御装置、制御方法及び制御プログラム
- 審判番号
- 2017-004746
- 法域
- 特許
- 審判種別
- 拒絶査定不服審判(拒絶査定不服の審決)
- 出願番号
- 特願2015-257149外部サイト(J-PlatPat)へ移動します
- 請求日
- 2017年04月05日
- 審決日
- 2018年02月19日
- 公報発行日
- 2018年05月25日
- 結論
- 請求不成立
- 当事者
- 【請求人】西日本電信電話株式会社
- 【請求人代理人】特許業務法人 志賀国際特許事務所
- 分類
- P18 .121-Z (G06F)
- 条文(本文から自動抽出・参考)
- 特許法第29条
- データ出所
- 審決公報(SGML)
事件の表示
特願2015-257149「制御装置、制御方法及び制御プログラム」拒絶査定不服審判事件〔平成29年 7月 6日出願公開、特開2017-120559〕について、次のとおり審決する。
結論
【結 論】
本件審判の請求は、成り立たない。
理由
【理 由】
第1 手続の経緯
本願は,平成27年12月28日の出願であって,平成28年12月16日付けで拒絶の理由が通知され,平成29年1月24日に手続補正書が提出され,同年2月23日付けで拒絶査定(謄本送達日同年2月28日)がなされ,これに対して同年4月5日に審判請求がなされたものである。
第2 本件発明について
1.本件発明
本願請求項1に係る発明(以下「本件発明」という。)は,特許請求の範囲の請求項1に記載された,次のとおりのものと認める。
「【請求項1】
機器の動作状態を示す情報を取得するインタフェースと、
前記機器の使用者の行動パターンを前記機器の動作状態に基づいて検出し、前記使用者の行動パターンと個人の行動の履歴情報が示す行動パターンとに基づいて前記使用者である前記個人を特定し、前記使用者である前記個人を特定した結果に基づいて前記機器を制御する制御部と、
を備え、
前記制御部は、命令を前記機器が実行することを禁止する、制御装置。」
2.引用例
1 引用例に記載された事項
原審における平成28年12月16日付けの拒絶理由において引用した,本願の出願前に既に公知である,特開2006-134308号公報(平成18年5月25日公開。以下,これを「引用例」という)には,関連する図面と共に,次の事項が記載されている。(下線は当審で付加。)
A 「【0031】
操作履歴利用システムは、ネットワークを介して接続された家電機器等の機器(図示しない)の操作履歴データを受信し、この操作履歴データ等に基づいて機器の制御および情報の提供を行うなどのサービスを提供するためのシステムであり、大きくは図1に示すようにユーザエージェント部202、サービスコンシェルジェ部203、およびネットワークIF410を備えている。
【0032】
ユーザエージェント部202は、ユーザの操作履歴データを受信し頻出操作パターンを抽出、保持すると共に、頻出操作パターンがどのユーザの操作によるものかを推定するものであり、操作履歴受信部401、操作履歴データベース402、操作履歴登録部403、パターン抽出部404、パターンデータベース405、パターン監視部406、およびパターン分類部601を備えている。
【0033】
操作履歴受信部401は、ネットワークを介して接続された機器で行われた操作等の操作履歴データを受信する。なお、この機器で行われる操作は、機器本体で操作されてもよいし、例えばリモコン等により機器本体以外で操作されても構わない。操作履歴登録部403は、操作履歴受信部401で受信した操作履歴データを操作履歴データベース402に登録する。操作履歴データベース402は、操作履歴データを記憶する。パターン抽出部404は、操作履歴データベース402に登録されている操作履歴データから所定の条件を満たす履歴の頻出操作パターンを抽出する。パターンデータベース405は、パターン抽出部404で抽出された操作履歴の頻出操作パターンを記憶する。パターン監視部406は、操作履歴データベース402に登録されている操作履歴データ又は操作履歴登録部403が新たに登録する操作履歴データから、パターンデータベース405で登録されている頻出操作パターンと一致するものを監視する。パターン分類部601は、パターンデータベース405に記憶された操作履歴の頻出操作パターンの操作者を特定する。
【0034】
一方、サービスコンシェルジェ部203は、ユーザエージェント部202に記憶されているユーザに関する情報、具体的にはユーザの操作履歴データや頻出操作パターンに基づいて、機器制御および情報提供を行うなどのサービスを提供するものであり、サービス決定部501、およびサービス出力部502を備えている。」
B 「【0038】
操作履歴登録部403は、操作履歴受信部401で受信した操作履歴データを取り出し、操作履歴データベース402に登録する(ステップS103)。操作履歴データベース402には、例えば図4に示すように受信した操作履歴データが操作日時の順に記憶される。」
C 「【0058】
例えば、ユーザエージェント部202およびサービスコンシェルジェ部203に、図12に示すようにネットワークIF410およびネットワークを介してデジタルTV(以下、単にテレビ又はTVという)101a、ビデオ101b、エアコン101c、照明器具101d、MDコンポ101e、およびPC(Personal Computer)101fなどの端末家電機器101が接続される操作履歴利用システムでは、サービスコンシェルジェ部203は次のようなサービスを提供することができる。
…(中略)…
【0060】
また、例えば「テレビを消して、照明を少し暗くしたらMDで音楽を聴く」という頻出操作パターンの操作者がユーザA、「テレビを消して、照明をつけたらMDで音楽を聴く」という頻出操作パターンの操作者がユーザBと推定されてパターンデータベース405に登録されている場合を想定する。この場合、ユーザによりテレビが消されて、照明が少し暗くされたことを検出すると、MDコンポの電源を自動的にオンにし、あらかじめ登録されているユーザAの好みに合った曲を選択して再生するなどのサービスの提供が可能となる。一方、ユーザによりテレビが消されて、照明がつけられたことを検出すると、MDコンポの電源を自動的にオンにし、あらかじめ登録されているユーザBの好みに合った曲を選択して再生するなどのサービスの提供が可能となる。」
D 「【0062】
以上のように、本実施の形態では、受信した操作履歴データから頻出する頻出操作パターンを抽出、保持を行い、操作履歴データおよび決定的操作情報に基づいて、頻出する頻出操作パターンがどのユーザによって操作されたものであるかを推定することできる。
【0063】
よって、認証デバイス等の直接的にユーザを識別するための手段を備えることなく、様々な履歴情報からサービスに活用するための情報を抽出するために不可欠な履歴がどのユーザのものであるのかを特定することができる。特に、複数のユーザが認証デバイスを用いずに同一の機器を利用することがまだまだ普通である家庭内においても、履歴がどのユーザのものであるのかを特定することができ、有用である。」
2 引用発明
ア 上記記載事項Aから,引用例には,“ネットワークを介して接続された家電機器等の機器の操作履歴データを受信し,この操作履歴データ等に基づいて機器の制御および情報の提供を行うなどのサービスを提供するための操作履歴利用システム”について記載されているといえる。
そして,当該“操作履歴利用システム”は,“ユーザエージェント部202,サービスコンシェルジェ部203,およびネットワークIF410を備え”ること,“ユーザエージェント部202は,ユーザの操作履歴データを受信し頻出操作パターンを抽出,保持すると共に,頻出操作パターンがどのユーザの操作によるものかを推定するものであり,操作履歴受信部401,操作履歴データベース402,操作履歴登録部403,パターン抽出部404,パターンデータベース405,パターン監視部406,およびパターン分類部601を備え”ること,及び“操作履歴受信部401は,ネットワークを介して接続された機器で行われた操作等の操作履歴データを受信し,操作履歴登録部403は,操作履歴受信部401で受信した操作履歴データを操作履歴データベース402に登録し,操作履歴データベース402は,操作履歴データを記憶し,パターン抽出部404は,操作履歴データベース402に登録されている操作履歴データから所定の条件を満たす履歴の頻出操作パターンを抽出し,パターンデータベース405は,パターン抽出部404で抽出された操作履歴の頻出操作パターンを記憶し,パターン監視部406は,操作履歴登録部403が新たに登録する操作履歴データから,パターンデータベース405で登録されている頻出操作パターンと一致するものを監視し,パターン分類部601は,パターンデータベース405に記憶された操作履歴の頻出操作パターンの操作者を特定”するものであることを読み取ることができる。
また,“サービスコンシェルジェ部203”は,“ユーザエージェント部202に記憶されているユーザに関する情報である,ユーザの操作履歴データや頻出操作パターンに基づいて,機器制御および情報提供を行うなどのサービスを提供するものであ”ること,及び“サービス決定部501,およびサービス出力部502を備えて”いることが読み取れる。
イ 上記記載事項Bから,“操作履歴データベース402には,受信した操作履歴データが操作日時の順に記憶され”ることが読み取れる。
ウ 上記記載事項Cから,“サービスコンシェルジェ部203”によって,“「テレビを消して,照明を少し暗くしたらMDで音楽を聴く」という頻出操作パターンの操作者がユーザAと推定されてパターンデータベース405に登録されている場合,ユーザによりテレビが消されて,照明が少し暗くされたことを検出すると,MDコンポの電源を自動的にオンにし,あらかじめ登録されているユーザAの好みに合った曲を選択して再生するなどのサービスの提供が可能とな”ることが読み取れる。
エ 上記記載事項Dから,“認証デバイス等の直接的にユーザを識別するための手段を備えることなく,様々な履歴情報からサービスに活用するための情報を抽出するために不可欠な履歴がどのユーザのものであるのかを特定することができる”ことが読み取れる。
オ 上記ア乃至エより,引用例には,次の発明(以下「引用発明」という。)が記載されているといえる。
「ネットワークを介して接続された家電機器等の機器の操作履歴データを受信し,この操作履歴データ等に基づいて機器の制御および情報の提供を行うなどのサービスを提供するための操作履歴利用システムであって,
ユーザエージェント部202,サービスコンシェルジェ部203,およびネットワークIF410を備え,
前記ユーザエージェント部202は,ユーザの操作履歴データを受信し頻出操作パターンを抽出,保持すると共に,頻出操作パターンがどのユーザの操作によるものかを推定するものであり,操作履歴受信部401,操作履歴データベース402,操作履歴登録部403,パターン抽出部404,パターンデータベース405,パターン監視部406,およびパターン分類部601を備え,
前記操作履歴受信部401は,ネットワークを介して接続された機器で行われた操作等の操作履歴データを受信し,
前記操作履歴登録部403は,前記操作履歴受信部401で受信した操作履歴データを操作履歴データベース402に登録し,
前記操作履歴データベース402は,前記操作履歴データを記憶し,
前記パターン抽出部404は,前記操作履歴データベース402に登録されている操作履歴データから所定の条件を満たす履歴の頻出操作パターンを抽出し,
前記パターンデータベース405は,前記パターン抽出部404で抽出された操作履歴の頻出操作パターンを記憶し,
前記パターン監視部406は,前記操作履歴登録部403が新たに登録する操作履歴データから,前記パターンデータベース405で登録されている頻出操作パターンと一致するものを監視し,
前記パターン分類部601は,パターンデータベース405に記憶された操作履歴の頻出操作パターンの操作者を特定し,
前記サービスコンシェルジェ部203は,前記ユーザエージェント部202に記憶されているユーザに関する情報である,ユーザの操作履歴データや頻出操作パターンに基づいて,機器制御および情報提供を行うなどのサービスを提供するものであり,サービス決定部501,およびサービス出力部502を備えており,
前記操作履歴データベース402には,受信した操作履歴データが操作日時の順に記憶され,
前記サービスコンシェルジェ部203によって,「テレビを消して,照明を少し暗くしたらMDで音楽を聴く」という頻出操作パターンの操作者がユーザAと推定されてパターンデータベース405に登録されている場合,ユーザによりテレビが消されて,照明が少し暗くされたことを検出すると,MDコンポの電源を自動的にオンにし,あらかじめ登録されているユーザAの好みに合った曲を選択して再生するなどのサービスの提供が可能となり,
認証デバイス等の直接的にユーザを識別するための手段を備えることなく,様々な履歴情報からサービスに活用するための情報を抽出するために不可欠な履歴がどのユーザのものであるのかを特定することができる
操作履歴利用システム。」
3.対比
本件発明と引用発明とを対比する。
(1)引用発明の「ネットワークを介して接続された家電機器等の機器」は,本件発明の「機器」に相当し,以下同様に,「ネットワークIF410」は,「インタフェース」に相当する。
(2)引用発明は,「サービスコンシェルジェ部203」によって,例えば,「『テレビを消して,照明を少し暗くしたらMDで音楽を聴く』という頻出操作パターンの操作者がユーザAと推定されてパターンデータベース405に登録されている場合」は,「ユーザによりテレビが消されて,照明が少し暗くされたこと」が「検出」され,「MDコンポの電源を自動的にオンにし,あらかじめ登録されているユーザAの好みに合った曲を選択して再生する」といった「サービスが提供」されるものである。このことは,「テレビが消されて,照明が少し暗くされた」といった,「テレビ」,「照明」などの「機器」の動作状態に基づいて,これらの機器の使用者の行動パターンが検出されているといえるから,引用発明と本件発明とは,“前記機器の使用者の行動パターンを前記機器の動作状態に基づいて検出”する点で一致するといえる。
(3)引用発明における「機器の操作履歴データ」は,「ユーザエージェント部202」に備えられる「操作履歴受信部401」によって,「ネットワークを介して接続された機器で行われた操作等」として「受信」され,また同「操作履歴登録部403」によって,「受信した操作履歴データが操作日時の順に」同「操作履歴データベース402」に登録され,同「パターン抽出部404」によって「操作履歴データベース402に登録されている操作履歴データから所定の条件を満たす履歴の頻出操作パターン」が「抽出」され,同「パターンデータベース405」には,「前記パターン抽出部404で抽出された操作履歴の頻出操作パターン」が「記憶」される。そして,「パターンデータベース405」に「記憶」される,当該「操作履歴の頻出操作パターン」は,“個人の行動の履歴情報を示す行動パターン”といい得るものである。
また引用発明は,「ユーザエージェント部202」に備えられる「パターン監視部406」によって,「前記操作履歴登録部403が新たに登録する操作履歴データから,前記パターンデータベース405で登録されている頻出操作パターンと一致するもの」が「監視」され,同「パターン分類部601」によって,「パターンデータベース405に記憶された操作履歴の頻出操作パターンの操作者」が「特定」されるものであるが,「前記操作履歴登録部403が新たに登録する操作履歴データ」は,「ネットワークを介して接続された機器で行われた操作等」として「受信」された「機器の操作履歴データ」であって,“機器の使用者の行動パターン”といい得るものであることから,引用発明と本件発明とは,“前記使用者の行動パターンと個人の行動の履歴情報が示す行動パターンとに基づいて前記使用者である前記個人を特定”する点で一致するといえる。
(4)引用発明では,上記(2)での検討によれば,「『テレビを消して,照明を少し暗くしたらMDで音楽を聴く』という頻出操作パターンの操作者がユーザAと推定されてパターンデータベース405に登録されている場合」には,上記(3)の検討のとおり,「ユーザエージェント部202」の「パターン分類部601」によって,「前記操作履歴登録部403が新たに登録する操作履歴データから,前記パターンデータベース405で登録されている頻出操作パターンと一致するもの」が「監視」され,「パターンデータベース405に記憶された操作履歴の頻出操作パターンの操作者」が「特定」されたことを受けて,「サービスコンシェルジェ部203」によって,「MDコンポの電源を自動的にオンにし,あらかじめ登録されているユーザAの好みに合った曲を選択して再生する」といった「機器制御」が行われるものであることから,引用発明と本件発明とは,“前記使用者である前記個人を特定した結果に基づいて前記機器を制御する”点で一致するといえる。
(5)引用発明の「操作履歴利用システム」は,「ユーザエージェント部202,サービスコンシェルジェ部203,およびネットワークIF410を備え」るものであるが,上記(2)乃至(4)で検討された,「ユーザエージェント部202」及び「サービスコンシェルジェ部203」によってなされる処理は,所定の“制御部”によってなされているといえ,また,「操作履歴利用システム」は,全体として“制御装置”といい得るものである。
(6)以上,(1)乃至(5)の検討から,引用発明と本件発明とは,次の一致点及び相違点を有する。
〈一致点〉
機器の動作状態を示す情報を取得するインタフェースと、前記機器の使用者の行動パターンを前記機器の動作状態に基づいて検出し、前記使用者の行動パターンと個人の行動の履歴情報が示す行動パターンとに基づいて前記使用者である前記個人を特定し、前記使用者である前記個人を特定した結果に基づいて前記機器を制御する制御部と、
を備える制御装置。
〈相違点〉
本件発明の制御部が,「命令を前記機器が実行することを禁止する」ものであるのに対し,引用発明は,そのような制御が行われることが特定されていない点。
4.判断
上記相違点につき検討する。
本件発明において,特許請求の範囲には,「命令」がどこから発せられるものであるのか,また当該「命令」の「機器」による「実行」が如何なるものであって,これが「禁止」されることが,どのような作用を及ぼすものかなどといった技術的事項を特定する事項の記載はなく,単に当該「機器」がなんらかの「命令」を実行するのを「制御部」が「禁止」することが特定されているに過ぎない。
一方,引用発明は,「ネットワークを介して接続された家電機器等の機器の操作履歴データを受信し,この操作履歴データ等に基づいて機器の制御および情報の提供を行うなどのサービスを提供するための」ものであるが,「認証デバイス等の直接的にユーザを識別するための手段を備えることなく,様々な履歴情報からサービスに活用するための情報を抽出するために不可欠な履歴がどのユーザのものであるのかを特定することができる」ものであって,「機器を使用する権限のある本人しか知り得ないID(identification)情報等の認証情報や、生体認証装置等の認証装置がない場合、機器を使用している個人を特定することができないという問題」に「鑑み」,「認証情報や認証装置がない場合でも、機器を使用している個人を特定することが可能である制御装置、制御方法及び制御プログラムを提供することを目的としている」(本願明細書段落4乃至5)本件発明と共通する課題を有するものといえる。
してみれば,引用発明において,「機器の制御」の一態様として,なんらかの当該「機器」における「命令」の「実行」を禁止する程度のことは,当業者が必要に応じて適宜なし得ることに過ぎないものであり,本相違は格別なものとはいえない。
したがって,本件発明は,引用発明に基づいて当業者が容易になし得たものである。
なお審判請求人は,審判請求書において,次の主張を行っている。
「本件発明1は、構成4(当審注:上記相違点に係る構成。)を備えることによって、命令を機器が実行することを禁止するので、予め定められたセキュリティポリシに基づいてIoT機器を制御して、高いセキュリティを提供することができる、という格別の効果を奏する。例えば、本願明細書の段落0046にも記載されているように、本件発明1では、制御部が、銀行口座への振りこみ処理の実行を中断ではなく禁止するので、いわゆる振り込め詐欺による被害を防止するという高いセキュリティを提供することができる、という格別の効果を奏する。」
上記主張について検討するに,上記判断において検討したとおり,特許請求の範囲の請求項1には,「予め定められたセキュリティポリシに基づ」くであるとか,「IoT機器」の「制御」といった事項は記載されていないが,上記「2 引用例」の項で認定したとおり,上記引用例から,制御内容が「中断」に限定されない上記引用発明が認定でき,本件発明は当該引用発明から当業者が容易になし得たものといえるから,仮に中断と禁止とが異なるとしても,上記判断に影響を与えるものではない。
以上検討したとおり,上記相違点は格別なものではなく,またそのことによる効果も,当業者であれば普通に想起し得る程度のことに過ぎない。
第3 むすび
以上のとおり,本件発明は,本願出願日前に頒布された引用例に記載された発明に基づいて当業者が容易に発明をすることができたものであるから,特許法29条2項の規定により特許を受けることができない。
したがって,その余の請求項に係る発明について論及するまでもなく,本願は拒絶すべきものである。
よって,結論のとおり審決する。
審決本文(J-PlatPat)
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