特許拒絶査定不服審判
2017-002956
手書き入出力システムおよび光学読取装置
- 審判番号
- 2017-002956
- 法域
- 特許
- 審判種別
- 拒絶査定不服審判(拒絶査定不服の審決)
- 出願番号
- 特願2014-148431外部サイト(J-PlatPat)へ移動します
- 請求日
- 2017年02月28日
- 審決日
- 2017年11月07日
- 公報発行日
- 2017年12月28日
- 結論
- 原査定取消(特許/登録すべき)
- 当事者
- 【請求人】グリッドマーク株式会社
- 分類
- P18 .121-WY (G06F)
- 条文(本文から自動抽出・参考)
- 特許法第29条第2項
- データ出所
- 審決公報(SGML)
事件の表示
特願2014-148431「手書き入出力システムおよび光学読取装置」拒絶査定不服審判事件〔平成26年12月11日出願公開、特開2014-232544、請求項の数(11)〕について、次のとおり審決する。
結論
【結 論】
原査定を取り消す。
本願の発明は、特許すべきものとする。
理由
【理 由】
第1 手続の経緯
本願は,平成21年11月25日を国際出願日とする特願2010-540364号の一部を平成24年11月12日に新たな特許出願とした特願2012-248444号の一部を平成26年7月22日に新たな特許出願としたものであって,平成27年8月6日付けで拒絶理由が通知され,平成27年10月13日に意見書と手続補正書が提出され,平成28年3月8日付けで拒絶理由(最後)が通知され,平成28年7月22日に意見書と手続補正書が提出され,平成28年10月31日付けで平成28年7月22日に提出された手続補正書による手続補正が却下されるとともに拒絶査定がされ,これに対し,平成29年2月28日に拒絶査定不服審判の請求がされると同時に手続補正書が提出がされたものである。
第2 原査定の概要
原査定(平成28年10月31日付け拒絶査定)の概要は次のとおりである。
本願請求項1-15に係る発明は,以下の引用文献1-3に基づいて,その発明の属する技術の分野における通常の知識を有する者(以下,「当業者」という。)が容易に発明できたものであるから,特許法第29条第2項の規定により特許を受けることができない。
引用文献等一覧
1.特開2002-196875号公報
2.国際公開第2009/122756号
3.特表2004-530957号公報
第3 本願発明
本願請求項1-11に係る発明(以下,それぞれ「本願発明1」-「本願発明11」という。)は,平成29年2月28日に提出された手続補正書による手続補正で補正された特許請求の範囲の請求項1-11に記載された事項により特定される発明であり,本願発明1-11は以下のとおりの発明である。
「【請求項1】
少なくとも一部,または複数の領域に座標情報,または,座標情報およびコード情報が繰り返し定義されたドットパターンが形成された書き込み領域を備えた媒体と,
該書き込み領域の該ドットパターンを撮像する撮像手段と,
該撮像手段により撮像された該ドットパターンの画像データをコード解析することにより,該座標情報からなる軌跡情報を求めるドットパターン解析手段と,
を備えた手書き入出力システムであって,
前記ドットパターンは,
基準ドットと,前記ドットパターンの向きを定義するキードットと,前記座標情報または,前記座標情報および前記コード情報を認識させる情報ドットと,を備え,
前記撮像手段の撮像中心の座標情報は,
該撮像中心近傍の解析可能なドットパターンのブロック中心の座標情報と,前記ブロックに対する前記キードットのずれにより定義される該ドットパターンの向きと,を求め,該ブロック中心から該撮像中心までの距離に対して補間計算して求められ,
前記撮像手段は,
指示用突起部またはペン先をさらに備え,
前記軌跡情報は,前記撮像手段付近に備えられた前記指示用突起部または前記ペン先が前記書き込み領域面に触れる位置の座標情報からなり,
前記軌跡情報の座標情報(xq',yq')は,
前記撮像中心の座標情報を(xc,yc),前記撮像手段が前記媒体に対し垂直な状態での前記撮像中心から前記指示用突起部または前記ペン先までの距離をs,前記撮像手段が前記媒体に対し傾いた状態での前記撮像中心から前記指示用突起部または前記ペン先までの距離をs’,前記ドットパターンの向きと前記撮像手段の向きとのなす角度をθ,前記指示用突起部または前記ペン先が前記書き込み領域面に触れる位置における法線と前記撮像手段とがなす傾きをαとすると,
(xq',yq')=(xc -s'×sinθ,yc+s'×cosθ)
s'=s/cosα
となることから,
(xq',yq')=(-s×sinθ/ cosα,yc+s×cosθ/ cosα)
により求められる,
ことを特徴とする手書き入出力システム。
【請求項2】
少なくとも一部,または複数の領域に座標情報,または,座標情報およびコード情報が繰り返し定義されたドットパターンが形成された書き込み領域を備えた媒体と,
該書き込み領域の該ドットパターンを撮像する撮像手段と,
該撮像手段により撮像された該ドットパターンの画像データをコード解析することにより,該座標情報からなる軌跡情報を求めるドットパターン解析手段と,
を備えた手書き入出力システムであって,
前記ドットパターンは,
基準ドットと,前記座標情報または,前記座標情報および前記コード情報を認識させる情報ドットと,を備え,
前記ドットパターンの向きは,前記基準ドットの配置の仕方によって定義され,
前記撮像手段の撮像中心の座標情報は,
該撮像中心近傍の解析可能なドットパターンのブロック中心の座標情報と,前記基準ドットの配置の仕方によって定義される該ドットパターンの向きと,を求め,該ブロック中心から該撮像中心までの距離に対して補間計算して求められ,
前記撮像手段は,
指示用突起部またはペン先をさらに備え,
前記軌跡情報は,前記撮像手段付近に備えられた前記指示用突起部または前記ペン先が前記書き込み領域面に触れる位置の座標情報からなり,
前記軌跡情報の座標情報(xq',yq')は,
前記撮像中心の座標情報を(xc,yc),前記撮像手段が前記媒体に対し垂直な状態での前記撮像中心から前記指示用突起部または前記ペン先までの距離をs,前記撮像手段が前記媒体に対し傾いた状態での前記撮像中心から前記指示用突起部または前記ペン先までの距離をs’,前記ドットパターンの向きと前記撮像手段の向きとのなす角度をθ,前記指示用突起部または前記ペン先が前記書き込み領域面に触れる位置における法線と前記撮像手段とがなす傾きをαとすると,
(xq',yq')=(xc -s'×sinθ,yc+s'×cosθ)
s'=s/cosα
となることから,
(xq',yq')=(-s×sinθ/ cosα,yc+s×cosθ/ cosα)
により求められる,
ことを特徴とする手書き入出力システム。
【請求項3】
前記コード情報には,手書き入出力に対する命令処理が関係付けられたアクションコードが定義され,
前記ドットパターン解析手段は,該アクションコードを判別して,該アクションコードに対応する該命令処理を実行させる
ことを特徴とする請求項1または2に記載の手書き入出力システム。
【請求項4】
解析された前記座標情報の変化に基づき,前記書き込み領域面においてトレースされた,文字および/または図形の前記軌跡情報から認識情報を認識する軌跡認識手段をさらに備えた請求項1~3のいずれかに記載の手書き入出力システム。
【請求項5】
認識された前記認識情報に基づいた処理命令と前記軌跡情報を情報処理手段に対し送信する制御手段
をさらに備えた請求項4記載の手書き入出力システム。
【請求項6】
前記情報処理手段をさらに備えた請求項5記載の手書き入出力システム。
【請求項7】
少なくとも一部,または複数の領域に座標情報,または,座標情報およびコード情報が繰り返し定義されたドットパターンが形成された書き込み領域を備えた媒体と,
該書き込み領域の該ドットパターンを撮像する撮像手段と,
該撮像手段により撮像された該ドットパターンの画像データをコード解析することにより,該座標情報からなる軌跡情報を求めるドットパターン解析手段と,
を備えた光学読取装置であって,
前記ドットパターンは,
基準ドットと,前記ドットパターンの向きを定義するキードットと,前記座標情報または,前記座標情報および前記コード情報を認識させる情報ドットと,を備え,
前記撮像手段の撮像中心の座標情報は,
該撮像中心近傍の解析可能なドットパターンのブロック中心の座標情報と,前記ブロックに対する前記キードットのずれにより定義される該ドットパターンの向きと,を求め,
該ブロック中心から該撮像中心までの距離に対して補間計算して求められ,
前記撮像手段は,
指示用突起部またはペン先をさらに備え,
前記軌跡情報は,前記撮像手段付近に備えられた前記指示用突起部または前記ペン先が前記書き込み領域面に触れる位置の座標情報からなり,
前記軌跡情報の座標情報(xq',yq')は,
前記撮像中心の座標情報を(xc,yc),前記撮像手段が前記媒体に対し垂直な状態での前記撮像中心から前記指示用突起部または前記ペン先までの距離をs,前記撮像手段が前記媒体に対し傾いた状態での前記撮像中心から前記指示用突起部または前記ペン先までの距離をs’,前記ドットパターンの向きと前記撮像手段の向きとのなす角度をθ,前記指示用突起部または前記ペン先が前記書き込み領域面に触れる位置における法線と前記撮像手段とがなす傾きをαとすると,
(xq',yq')=(xc -s'×sinθ,yc+s'×cosθ)
s'=s/cosα
となることから,
(xq',yq')=(-s×sinθ/ cosα,yc+s×cosθ/ cosα)
により求められる,
ことを特徴とする光学読取装置。
【請求項8】
少なくとも一部,または複数の領域に座標情報,または,座標情報およびコード情報が繰り返し定義されたドットパターンが形成された書き込み領域を備えた媒体と,
該書き込み領域の該ドットパターンを撮像する撮像手段と,
該撮像手段により撮像された該ドットパターンの画像データをコード解析することにより,該座標情報からなる軌跡情報を求めるドットパターン解析手段と,
を備えた光学読取装置であって,
前記ドットパターンは,
基準ドットと,前記座標情報または,前記座標情報および前記コード情報を認識させる情報ドットと,を備え,
前記ドットパターンの向きは,前記基準ドットの配置の仕方によって定義され,
前記撮像手段の撮像中心の座標情報は,
該撮像中心近傍の解析可能なドットパターンのブロック中心の座標情報と,前記基準ドットの配置の仕方によって定義される該ドットパターンの向きと,を求め,該ブロック中心から該撮像中心までの距離に対して補間計算して求められ,
前記撮像手段は,
指示用突起部またはペン先をさらに備え,
前記軌跡情報は,前記撮像手段付近に備えられた前記指示用突起部または前記ペン先が前記書き込み領域面に触れる位置の座標情報からなり,
前記軌跡情報の座標情報(xq',yq')は,
前記撮像中心の座標情報を(xc,yc),前記撮像手段が前記媒体に対し垂直な状態での前記撮像中心から前記指示用突起部または前記ペン先までの距離をs,前記撮像手段が前記媒体に対し傾いた状態での前記撮像中心から前記指示用突起部または前記ペン先までの距離をs’,前記ドットパターンの向きと前記撮像手段の向きとのなす角度をθ,前記指示用突起部または前記ペン先が前記書き込み領域面に触れる位置における法線と前記撮像手段とがなす傾きをαとすると,
(xq',yq')=(xc -s'×sinθ,yc+s'×cosθ)
s'=s/cosα
となることから,
(xq',yq')=(-s×sinθ/ cosα,yc+s×cosθ/ cosα)
により求められる,
ことを特徴とする光学読取装置。
【請求項9】
解析された前記座標情報の変化に基づき,前記書き込み領域面においてトレースされた,文字および/または図形の前記軌跡情報から認識情報を認識する軌跡認識手段をさらに備えた請求項7または8に記載の光学読取装置。
【請求項10】
認識された前記認識情報に基づいた処理命令と前記軌跡情報を情報処理手段に対し送信する制御手段と
をさらに備えた請求項9記載の光学読取装置。
【請求項11】
前記情報処理手段をさらに備えた請求項10記載の光学読取装置。
第4 引用文献,引用発明等
1.引用文献1について
原査定の拒絶の理由に引用された上記引用文献1には,「座標入力装置,座標入力方法および座標入出力装置,座標入出力部,座標板」(発明の名称)に関し,図面とともに次の事項が記載されている。なお,下線は重要箇所に対して当審が付与した。
ア 【図2】の記載によれば,「座標入出力装置」は「ペン1,座標板11,LCD21,LCD駆動回路22,CPU23,受信手段24」を備えている。
イ 「【0030】
【発明の実施の形態】以下本発明の実施の形態を座標入出力装置の実施例により詳しく説明する。なお,本発明は,座標入出力装置に限らず,実施例の説明に裏付けられて,座標入力装置の形で実施することもできる。
【0031】(実施例1)図1は実施例1である“座標入出力装置”で用いる入力指示器(ペン1)の構成を示すブロック図であり,図2は本実施例の座標入出力装置全体のシステム構成を示すブロック図である。
【0032】まず,全体のシステム構成について説明する。図2において,コード化された座標情報が記録された座標板11が液晶ディスプレイ(LCD)21の前面に重ね合わせて,いわゆる入出力一体型として配置されているLCD21は,CPU23の指示に基づきLCD駆動回路22により所望の画像を表示する。ペン1は前記座標情報を検出し,座標データをCPU23に接続された受信手段24に送信する。受信手段24の受信結果に基づき,CPU23は所定の処理を実行する。該処理は,例えばペン1による入力点の座標データに対応する位置のメニューコマンドの実行が行われる。またLCD駆動回路22により,前記ペン1の位置に相当する点をLCD21に表示することもできる。また,ペン1による入力が連続的になされる場合には,所定のサンプリングレートで検出した入力点群を線で結ぶことで,ペン1の操作の軌跡をLCD21に表示することができる。さらには,この軌跡を識別判断することで,文字あるいは図形の認識,あるいはジェスチャーコマンドの実行等を行うことができる。また,ペン1にマウスボタンに相当するスイッチ(不図示)を設け,該スイッチをONすることで,座標データとともに該ONの情報を送受信することで,ペン1により指示されているメニューコマンドあるいはアイコンを選択あるいは実行することもできる。この場合は,各種のアプリケーションソフトが,ペン1により操作できる。
【0033】次に,ペン1の構成について説明する。図1において,2はCCDエリア(2次元)センサあるいはCMOSエリアセンサ等のエリアセンサであり,対物レンズ3を介して座標板11の表面近傍を読み取るように構成されている。エリアセンサ2に読み取られる領域は,その中に後述のX座標値またはY座標値を表すドットアレイ12が,それぞれ確実に1個以上含まれる領域となるように,エリアセンサ2および対物レンズ3が構成される。後述するように,ドットアレイ12が,LCD21の表示画素の画素ピッチと概ね同等のピッチで,X座標値をコード化したドットアレイ12とY座標値をコード化したドットアレイ12が,交互に配列され形成されている場合には,前記領域はLCD21の表示画素で例えば2×2表示画素分より広い領域となる。
【0034】本実施例では,エリアセンサ2に読み取られる領域は,LCD21の2.5×2.5表示画素分とする。またエリアセンサ2の複数の画素が後述するドットアレイ12を構成する1個のドットに対応するように,エリアセンサ2および対物レンズ3が構成される。本実施例では,エリアセンサの3×3の9個の画素が1個のドットに対応するように構成される。」
ウ 「【0040】次に,座標板11の構成について説明する。本実施例においては図1に示すように,座標板11はLCD21との間に所定の間隔をおいて,LCD21の前面に配置されている。座標板11は透明ガラス板14の表面の全域に,例えばポリエチレンテレフタレート(PET),ポリカーボネート(PC),あるいはアクリル等のプラスチックからなる透明フィルム13を貼り合わせた積層構造を有している。該フィルム13とガラス板14とはアクリル系等の透明な接着剤あるいは両面粘着テープにより貼り合わされる。該フィルム13の貼り合わせ面には,後述するマトリクス状のドットアレイ12が,所定のピッチで断続的に,入力有効領域全域に形成されている。該入力有効領域は,LCD21の表示画面全域に対しペン1による入力が可能なように,LCD21の表示領域よりも所定サイズ大きく設定されている。」
エ 「【0045】次に,前記ドットアレイ12についてさらに詳しく説明する。図3に入力有効領域のごく一部分の拡大図を示す。井型の細線で区切った領域がLCD21の1表示画素に相当し,該表示画素の画素ピッチと概ね同等のピッチで,入力有効領域のX座標値をコード化したドットアレイ12Xi,12Xi+1,12Xi+2が,Y座標値をコード化したドットアレイ12Yj,12Yj+1,12Yj+2が,交互に配列され形成されている。前記表示画素が正方形で,表示画面の横方向をX軸,縦方向をY軸とするように座標板11のドットアレイ12が形成される場合,X軸方向とY軸方向にいずれも同ピッチでドットアレイ12が形成される。入力有効領域全域に同様に,X座標値をコード化したドットアレイ12Xl~12Xmと,Y座標値をコード化したドットアレイ12Yl~12Ynが,交互に配列され形成されていることは言うまでもない。
【0046】ドットアレイ12は6行×3列のマトリクス状で,1個のドットアレイ12は18個のドットから形成されている。図3において,「1」を表すドットがある状態を黒いドットで,「0」を表すドットがない状態を囲みのある白いドットで,模式的に表してある。当然ではあるが,実際にはドットのみが存在するものである(例えば図5)。ドットのサイズは,操作者がほとんど識別できない程度のサイズが望ましく,例えば数十μm程度の直径あるいは辺からなる,円状あるいは多角形状に形成される。また,ドット間にはドットサイズとほぼ同等の間隙が設けられる。該間隙は,「1」が連続する場合,すなわち黒いドットが連続する場合に,結果的に大きなドットとなり,操作者が操作時にドットを識別してしまい,該ドットが気になり操作性が低下してしまうことを,防止するものである。
【0047】前記18個のドットのうち,最下位の行である6行目の3ドットが,X座標とY座標の判別のために使用される。すなわち,図3において,左側から「1,0,0」と構成されていればX座標値を,「0,0,1」と構成されていればY座標値を表す。また,最上位の行である1行目の3ドットは,全てのドットアレイ12で「1,1,1」と構成される。これにより,ペン1の回転方向,すなわちエリアセンサ2の座標板11の平面における向きに関わらず,マトリクスの方向が定まり,その結果X軸およびY軸の方向(正あるいは負の方向)が一義的に定まるものである。そして,2行目から5行目の12ドットによりXおよびYの座標値がコード化される。本実施例においては,12ドットの有,無により4096通りの座標値が表現できる。前記エリアセンサ2の向きによらず,エリアセンサ2の画素配列が分かっていることは言うまでもない。」
オ 「【0048】前記構成において,その動作について,図4のフローチャートおよび図5.図6のエリアセンサ2が読み取る画像情報を示す図に基づき説明する。
【0049】まずSTEP101でペン先スイッチのON/OFFが判断される。すなわち,ペン1が座標板11に当接され,ペン先スイッチがONの場合は,入力操作中であり,STEP102に進む。
【0050】STEP102で,発光素子4がペン先近傍を照射し,エリアセンサ2がペン先近傍の座標板11上の複数のドットアレイ12を含む領域Aの画像を読み取る(図5)。該領域Aには,その中にX座標値およびY座標値を表すドットアレイ12が,それぞれ確実に1個以上含まれる。読み取られた画像は,エリアセンサ2より信号処理回路6に出力され,信号処理回路6にて画素毎に2値化処理が行われ,デジタル画像情報として演算制御回路7のRAMに記憶される。
【0051】次に,STEP103において,演算制御回路7は記憶された画像情報に対し,画像の中心,すなわちエリアセンサ2の中心に距離的に近い第1のドットアレイ12の抽出処理を行う。該抽出処理は,前記画像情報において,ドットありの場合の「1」の画素3×3が9個程度並んでおり,かつ任意の方向に3個程度の画素分のピッチで上記「1」の画素3×3が3個並んでいる部分,すなわちドットアレイ12の1行目3ドットを,まず検索するものである。該検索は,例えば,図5に示すように,画像情報の中心近傍のLCD21の1表示画素の対角線の長さの一辺を持つ四角形より所定量広い領域に相当する画像情報の領域B,すなわち中央部分で全画像情報の約1/3の面積に相当する領域Bを走査検索する。該検索において,3ドットが検索できた時点で次の手順に進んでよいことは言うまでもない。前述のように,ドットアレイ12はLCD21の表示画素ピッチと同等のピッチで配列され,エリアセンサ2に読み取られる領域Aは,LCD21の2.5×2.5表示画素分のため,前記領域Bには必ず1個のドットアレイ12が含まれている。ただし,前述の検索で検索した3ドットは必ずしも1行目の3ドットではないので,次に,検索した3ドットを結ぶ線に垂直な方向に,該3ドットを中心として2個のドットアレイ12の面積に相当する領域Cを走査し,第1のドットアレイ12を抽出する。
【0052】次に,STEP104で,該第1のドットアレイ12の向きより,記憶されている画像情報において,座標板11においてあらかじめ設定されているX軸およびY軸の方向を判断する。該判断は,例えば,図3に示すように6行×3列のマトリクスを正位置に見て,右方向をX軸の正方向,上方向をY軸の正方向と設定した場合,前記第1のドットアレイ12の正位置方向より,X軸およびY紬の正の方向が定まる(図5)。そして前記第1のドットアレイ12の6行目の3ドットのコード配列より,該第1のドットアレイ12がX座標値をコード化した座標情報か,Y座標値をコード化した座標情報かを判別する。次に,前記第1のドットアレイ12の2から5行目の12ドットのコード配列より,X軸あるいはY軸のコード化された座標値が判断される。該判断においては,必要に応じ参照テーブル等が用いられる。
【0053】次に,STEP105において,前記第lのドットアレイ12の画像情報上での位置と,前記X軸およびY軸の正の方向より,抽出すべき第2のドットアレイ12の画像情報上での位置を推定し,抽出する。該推定および抽出は,例えば本実施例においては,X座標値の座標情報に近接するY座標値の座標情報は,X軸あるいはY軸の±方向に1表示画素分の距離だけ離れて4個位置する。このため,前記第1のドットアレイ12の画像情報上での位置と,前記X軸およびY軸の正の方向より,該4個のうち,画像情報の中心により近いドットアレイ12を抽出すべき第2のドットアレイ12とし,その位置を推定し,ドットアレイ12の面積より広い所定の領域Dの画像情報を走査すれば第2のドットアレイ12が抽出できる(図5)。
【0054】次にSTEP106で,抽出した第2のドットアレイ12の2から5行目の12ドットのコード配列より,前記第1のドットアレイ12とは異なる軸のコード化された座標値が判断される。
【0055】次にSTEP107で,前記第1のドットアレイ12および第2のドットアレイ12と,画像情報の中心との距離を算出する。該距離は,第1あるいは第2のドットアレイ12が表すXあるいはY座標値に対応するX軸あるいはY軸と,画像情報の中心との距離である。ドットアレイ12が表す座標値の位置は,ドットアレイ12内の所望の位置に設定することが可能である。本実施例においては,ドットアレイ12を正位置に見て,3行目の2列目のドットの下側左端をドットアレイ12が表す座標値の位置とし,該位置に対応させて座標値がコード化されているものである。そして該位置を通るX軸およびY軸と,画像情報の中心との距離LxとLyとが算出されるものである(図6)。該距離が座標板11上に定められる座標軸上の値に換算されることは言うまでもない。
【0056】次にSTEP108で,前記第1のドットアレイ12および第2のドットアレイ12の座標値と,該第1のドットアレイ12および第2のドットアレイ12の各座標軸と前記画像情報の中心,すなわちペン1の中心との距離Lx,Lyより,ペン1の正確な位置座標が算出される。該算出に際し,前記中心との距離Lx,Lyに対し,X軸およびY軸の正負の方向が加味されることは言うまでもない。また,該算出方法により,ペン1が微少な距離移動し,抽出されるドットアレイ12が同じであっても,前記ドットアレイ12と画像情報の中心の距離が異なって算出されるため,該微少移動が検出されるものである。すなわち,極めて高分解能な座標入力が可能となるものである。また,入力有効領域の全領域で同等の高い精度が可能となるものである。
【0057】次にSTEP109で,算出されたXおよびY座標値は演算制御回路7から送信手段8に送られ,受信手段24を経てCPU23に入力される。」
上記摘記事項,図面の記載及びこの分野における技術常識を勘案すると,上記引用文献1には,「座標入出力装置」に関する次の発明(以下,「引用発明」という。)が記載されていると認める。
「ペン1,座標板11,LCD21,LCD駆動回路22,CPU23,受信手段24を備えた座標入出力装置であって,
座標板11はLCD21との間に所定の間隔をおいて,LCD21の前面に配置されており,座標板11は透明ガラス板14の表面の全域に,例えばポリエチレンテレフタレート(PET),ポリカーボネート(PC),あるいはアクリル等のプラスチックからなる透明フィルム13を貼り合わせた積層構造を有しており,該フィルム13とガラス板14とはアクリル系等の透明な接着剤あるいは両面粘着テープにより貼り合わされており,該フィルム13の貼り合わせ面には,後述するマトリクス状のドットアレイ12が,所定のピッチで断続的に,入力有効領域全域に形成されており,該入力有効領域は,LCD21の表示画面全域に対しペン1による入力が可能なように,LCD21の表示領域よりも所定サイズ大きく設定されており,
ペン1において,2はCCDエリア(2次元)センサあるいはCMOSエリアセンサ等のエリアセンサであり,対物レンズ3を介して座標板11の表面近傍を読み取るように構成されており,エリアセンサ2に読み取られる領域は,その中に後述のX座標値またはY座標値を表すドットアレイ12が,それぞれ確実に1個以上含まれる領域となるように,エリアセンサ2および対物レンズ3が構成されており,
ペン1は前記座標情報を検出し,座標データをCPU23に接続された受信手段24に送信し,受信手段24の受信結果に基づき,CPU23は所定の処理を実行し,該処理は,例えばペン1による入力点の座標データに対応する位置のメニューコマンドの実行が行われ,またLCD駆動回路22により,前記ペン1の位置に相当する点をLCD21に表示することもでき,また,ペン1による入力が連続的になされる場合には,所定のサンプリングレートで検出した入力点群を線で結ぶことで,ペン1の操作の軌跡をLCD21に表示することができ,
表示画素の画素ピッチと概ね同等のピッチで,入力有効領域のX座標値をコード化したドットアレイ12Xi,12Xi+1,12Xi+2が,Y座標値をコード化したドットアレイ12Yj,12Yj+1,12Yj+2が,交互に配列され形成され,前記表示画素が正方形で,表示画面の横方向をX軸,縦方向をY軸とするように座標板11のドットアレイ12が形成される場合,X軸方向とY軸方向にいずれも同ピッチでドットアレイ12が形成され,入力有効領域全域に同様に,X座標値をコード化したドットアレイ12Xl~12Xmと,Y座標値をコード化したドットアレイ12Yl~12Ynが,交互に配列され形成され,ドットアレイ12は6行×3列のマトリクス状で,1個のドットアレイ12は18個のドットから形成されており,前記18個のドットのうち,最下位の行である6行目の3ドットが,X座標とY座標の判別のために使用され,また,最上位の行である1行目の3ドットは,全てのドットアレイ12で「1,1,1」と構成され,これにより,ペン1の回転方向,すなわちエリアセンサ2の座標板11の平面における向きに関わらず,マトリクスの方向が定まり,その結果X軸およびY軸の方向(正あるいは負の方向)が一義的に定まるものであり,そして,2行目から5行目の12ドットによりXおよびYの座標値がコード化され,
発光素子4がペン先近傍を照射し,エリアセンサ2がペン先近傍の座標板11上の複数のドットアレイ12を含む領域Aの画像を読み取り,演算制御回路7は記憶された画像情報に対し,画像の中心,すなわちエリアセンサ2の中心に距離的に近い第1のドットアレイ12の抽出処理を行い,第1のドットアレイ12の向きより,記憶されている画像情報において,座標板11においてあらかじめ設定されているX軸およびY軸の方向を判断し,前記第lのドットアレイ12の画像情報上での位置と,前記X軸およびY軸の正の方向より,抽出すべき第2のドットアレイ12の画像情報上での位置を推定し,抽出し,前記第1のドットアレイ12および第2のドットアレイ12の座標値と,該第1のドットアレイ12および第2のドットアレイ12の各座標軸と前記画像情報の中心,すなわちペン1の中心との距離Lx,Lyより,ペン1の正確な位置座標が算出される,
座標入出力装置。」
2.引用文献2について
原査定の拒絶の理由に引用された上記引用文献2(特に,[0100]-[0113])には,「ドットパターン101を構成するキードット102,情報ドット103,基準格子点ドット104により,仮想格子点の座標や各種コード情報を光学的に認識させるドットパターン」が記載されている。
3.引用文献3について
原査定の拒絶の理由に引用された上記引用文献3(特に,【0389】-【0395】)によれば,「イメージセンサがペンの軸から離れて取り付けられたペンにおいて,ペンの傾斜は,ニブから撮像領域の中心までの距離にも影響を与え,この距離は,タグから決定された位置から正確なニブの位置を得ることができるように,既知のものでなければならない」ことが記載されている。
第5 対比・判断
1.本願発明1について
(1)対比・検討
本願発明1と引用発明とを対比すると,次のことがいえる。
a 引用発明の「座標板11」には「マトリクス状のドットアレイ12が,所定のピッチで断続的に,入力有効領域全域に形成されており」,該ドットアレイ12は「X座標値またはY座標値を表す」ものであるから,
引用発明の「座標板11」は,本願発明1の「少なくとも一部,または複数の領域に座標情報が繰り返し定義されたドットパターンが形成された書き込み領域を備えた媒体」に相当するといえる。
b 引用発明の「CCDエリア(2次元)センサあるいはCMOSエリアセンサ等のエリアセンサ」は「対物レンズ3を介して座標板11の表面近傍を読み取るように構成されており,エリアセンサ2に読み取られる領域は,その中に後述のX座標値またはY座標値を表すドットアレイ12が,それぞれ確実に1個以上含まれる領域となるように,エリアセンサ2および対物レンズ3が構成されて」いるものであるから,
引用発明の「エリアセンサ」は,本願発明1の「該書き込み領域の該ドットパターンを撮像する撮像手段」に相当するといえる。
c 引用発明において「ペン1は前記座標情報を検出し,座標データをCPU23に接続された受信手段24に送信し,受信手段24の受信結果に基づき,CPU23は所定の処理を実行し」,「ペン1による入力が連続的になされる場合には,所定のサンプリングレートで検出した入力点群を線で結ぶことで,ペン1の操作の軌跡をLCD21に表示することができ」るが,上記「座標情報」はドットアレイ12の撮像画像を解析して得られると認められるから,
引用発明の「CPU23」は,本願発明1の「該撮像手段により撮像された該ドットパターンの画像データをコード解析することにより,該座標情報からなる軌跡情報を求めるドットパターン解析手段」に相当するといえる。
d 引用発明の「18個のドットのうち」「最上位の行である1行目の3ドットは,全てのドットアレイ12で「1,1,1」と構成され,これにより,ペン1の回転方向,すなわちエリアセンサ2の座標板11の平面における向きに関わらず,マトリクスの方向が定ま」るから,
引用発明の「最上位の行である1行目の3ドット」は,本願発明1の「ドットパターンの向きを定義するキードット」に相当するといえる。
e 引用発明の「前記18個のドットのうち」「2行目から5行目の12ドットによりXおよびYの座標値がコード化され」るから,
引用発明の「2行目から5行目の12ドット」は,本願発明1の「座標情報」「を認識させる情報ドット」に相当するといえる。
f 引用発明では「発光素子4がペン先近傍を照射し,エリアセンサ2がペン先近傍の座標板11上の複数のドットアレイ12を含む領域Aの画像を読み取」ることから,引用発明の「ペン1の中心」は本願発明1の「撮像中心」に相当するといえる。
また,引用発明の「ペン1の正確な位置座標」の算出処理と,
本願発明1の「前記撮像手段の撮像中心の座標情報は,該撮像中心近傍の解析可能なドットパターンのブロック中心の座標情報と,前記ブロックに対する前記キードットのずれにより定義される該ドットパターンの向きと,を求め,該ブロック中心から該撮像中心までの距離に対して補間計算して求められ」る処理とは,
「前記撮像手段の撮像中心の座標情報は,該撮像中心近傍の解析可能なドットパターンの座標情報と,該ドットパターンの向きと,を求め,補間計算して求められ」る処理である点で共通するといえる。
g 引用発明では「発光素子4がペン先近傍を照射し,エリアセンサ2がペン先近傍の座標板11上の複数のドットアレイ12を含む領域Aの画像を読み取」ることから,
引用発明は本願発明1の「前記撮像手段は,指示用突起部またはペン先をさらに備え」に相当する構成を有していると認められる。
h 引用発明では「ペン1による入力が連続的になされる場合には,所定のサンプリングレートで検出した入力点群を線で結ぶことで,ペン1の操作の軌跡をLCD21に表示することができ」るから,
引用発明は本願発明1の「前記軌跡情報は,前記撮像手段付近に備えられた前記指示用突起部または前記ペン先が前記書き込み領域面に触れる位置の座標情報からなり」に相当する構成を備えることは明らかである。
j 引用発明において,ペン11が手によって扱われることは自明であるから,
引用発明の「座標入出力装置」は,後述する相違点を除き,本願発明1の「手書き入出力システム」に相当する。
したがって,本願発明1と引用発明との間には,次の一致点,相違点があるといえる。
(一致点)
「少なくとも一部,または複数の領域に座標情報が繰り返し定義されたドットパターンが形成された書き込み領域を備えた媒体と,
該書き込み領域の該ドットパターンを撮像する撮像手段と,
該撮像手段により撮像された該ドットパターンの画像データをコード解析することにより,該座標情報からなる軌跡情報を求めるドットパターン解析手段と,
を備えた手書き入出力システムであって,
前記ドットパターンは,
前記ドットパターンの向きを定義するキードットと,前記座標情報を認識させる情報ドットと,を備え,
前記撮像手段の撮像中心の座標情報は,
該撮像中心近傍の解析可能なドットパターンの座標情報と,該ドットパターンの向きと,を求め,補間計算して求められ,
前記撮像手段は,
指示用突起部またはペン先をさらに備え,
前記軌跡情報は,前記撮像手段付近に備えられた前記指示用突起部または前記ペン先が前記書き込み領域面に触れる位置の座標情報からなる,
手書き入出力システム。」
(相違点1)
一致点の「ドットパターン」に関し,
本願発明1では「基準ドット」を備えるのに対し,
引用発明ではこれを備えない点。
(相違点2)
一致点の「撮像中心の座標情報」の求め方が,
本願発明1では「該撮像中心近傍の解析可能なドットパターンのブロック中心の座標情報と,前記ブロックに対する前記キードットのずれにより定義される該ドットパターンの向きと,を求め,該ブロック中心から該撮像中心までの距離に対して補間計算して求められ」るのに対し,
引用発明では「第1のドットアレイ12および第2のドットアレイ12の座標値と,該第1のドットアレイ12および第2のドットアレイ12の各座標軸と前記画像情報の中心,すなわちペン1の中心との距離Lx,Lyより,ペン1の正確な位置座標が算出される」のであって,そのドットパターンは「ブロック中心」を有さず,また,ドットパターンの向きが「前記ブロックに対する前記キードットのずれにより定義される」ものではなく,「該ブロック中心から」該撮像中心までの距離に対して補間計算されるものではない点。
(相違点3)
本願発明1では
「前記軌跡情報の座標情報(xq',yq')は,
前記撮像中心の座標情報を(xc,yc),前記撮像手段が前記媒体に対し垂直な状態での前記撮像中心から前記指示用突起部または前記ペン先までの距離をs,前記撮像手段が前記媒体に対し傾いた状態での前記撮像中心から前記指示用突起部または前記ペン先までの距離をs’,前記ドットパターンの向きと前記撮像手段の向きとのなす角度をθ,前記指示用突起部または前記ペン先が前記書き込み領域面に触れる位置における法線と前記撮像手段とがなす傾きをαとすると,
(xq',yq')=(xc -s'×sinθ,yc+s'×cosθ)
s'=s/cosα
となることから,
(xq',yq')=(-s×sinθ/ cosα,yc+s×cosθ/ cosα)
により求められる」
のに対し,
引用発明ではそのような処理を行わない点。
(2)相違点についての判断
事案に鑑みて,上記(相違点3)についてまず検討する。
引用発明のペン1は,そのペン軸とイメージセンサの光軸がオフセットされておらず,本願発明1の「前記撮像手段の向き」が定義し得ない構造のものである。
また,引用文献3には上述のとおり「イメージセンサがペンの軸から離れて取り付けられたペンにおいて,ペンの傾斜は,ニブから撮像領域の中心までの距離にも影響を与え,この距離は,タグから決定された位置から正確なニブの位置を得ることができるように,既知のものでなければならない」ことが記載されているが,引用発明のペン1に替えて引用文献3に記載された構造のペンを用いる合理的理由はなく,また,仮に引用文献3に記載された構造のペンを用いることが可能であるとしても,(相違点3)に係る本願発明1の構成に想到することが当業者にって容易であったとは認められない。
さらに,引用文献2記載の技術的事項によっても容易に想到しうるものではない。
したがって,他の相違点について判断するまでもなく,本願発明1は,当業者であっても引用文献1~3に基づいて容易に発明できたものであるとはいえない。
2.本願発明2-11について
本願発明2-11も本願発明1の
「前記軌跡情報の座標情報(xq',yq')は,
前記撮像中心の座標情報を(xc,yc),前記撮像手段が前記媒体に対し垂直な状態での前記撮像中心から前記指示用突起部または前記ペン先までの距離をs,前記撮像手段が前記媒体に対し傾いた状態での前記撮像中心から前記指示用突起部または前記ペン先までの距離をs’,前記ドットパターンの向きと前記撮像手段の向きとのなす角度をθ,前記指示用突起部または前記ペン先が前記書き込み領域面に触れる位置における法線と前記撮像手段とがなす傾きをαとすると,
(xq',yq')=(xc -s'×sinθ,yc+s'×cosθ)
s'=s/cosα
となることから,
(xq',yq')=(-s×sinθ/ cosα,yc+s×cosθ/ cosα)
により求められる」
と同一の構成を備えるものであるから,本願発明1と同じ理由により,当業者であっても引用文献1~3に基づいて容易に発明できたものであるとはいえない。
第6 むすび
以上のとおり,原査定の理由によって,本願を拒絶することはできない。
他に本願を拒絶すべき理由を発見しない。
よって,結論のとおり審決する。
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2017-002956