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特許拒絶査定不服審判

2017-000519

表示装置、表示方法、プログラム

審判番号
2017-000519
法域
特許
審判種別
拒絶査定不服審判(拒絶査定不服の審決)
出願番号
特願2013-508790外部サイト(J-PlatPat)へ移動します
請求日
2017年01月13日
審決日
2017年10月10日
公報発行日
2017年11月24日
結論
原査定取消(特許/登録すべき)
当事者
審判長/審判官
分類
P18 .121-WY (G09G)
条文(本文から自動抽出・参考)
特許法第29条第2項
データ出所
審決公報(SGML)

事件の表示

特願2013-508790「表示装置、表示方法、プログラム」拒絶査定不服審判事件〔平成24年10月11日国際公開、WO2012/137549、請求項の数(7)〕について、次のとおり審決する。

結論

【結 論】 原査定を取り消す。 本願の発明は、特許すべきものとする。

理由

【理 由】 第1 手続の経緯 本願は、平成24年2月21日(優先権主張 平成23年4月6日(以下、「優先日」という。))を国際出願日とする出願であって、平成27年9月10日付けの拒絶理由通知に対して、平成27年11月12日付けで手続補正がなされ、平成28年4月19日付けの最後の拒絶理由通知に対して、平成28年5月26日付けで手続補正がなされたが、平成28年10月27日付けで、平成28年5月26日付け手続補正書でした補正の却下の決定がなされるとともに、同日付で拒絶査定(以下、「原査定」という)がなされ、これに対し、平成29年1月13日に拒絶査定不服審判が請求され、同時に手続補正がなされたものである。 第2 平成28年10月27日付けの補正の却下の決定及び原査定の概要 1 平成28年10月27日付けの補正の却下の決定の概要は以下のとおりである。 平成28年5月26日付けの補正は、限定的減縮を目的とするものであるが、当該補正後の本願請求項1-7に係る発明は、引用文献1、2に基づいて、その発明の属する技術の分野における通常の知識を有する者(以下、「当業者」という。)が容易に発明をすることができたものであり、独立特許要件を満たさないから、平成28年5月26日付けの補正は却下すべきものである。 引用文献等一覧 1.特開2006-350814号公報 2.特開2009-300884号公報 2 原査定の概要は次のとおりである。 本願請求項1-7に係る発明は、引用文献1、2に基づいて当業者が容易に発明をすることができたものであるから、特許法第29条第2項の規定により特許を受けることができない。 第3 本願発明 本願の請求項1-7に係る発明(以下、それぞれ「本願発明1」-「本願発明7」という。)は、平成29年1月13日付けの手続補正で補正された特許請求の範囲の請求項1-7に記載された事項により特定される発明であり、本願発明1は以下のとおりのものである。 「【請求項1】 操作指示を受け取る入力部と、 画面を表示する表示部と、 前記表示部が表示している画面の表示方向を切り替える切替部と、 前記入力部が前記表示部が表示している画面上の情報に関する操作指示を受け取った場合に、前記切替部に基づく前記画面の表示方向の切り替えを停止する停止部と、を含み、 前記停止部は、前記入力部が前記表示部が表示している画面を遷移させる操作指示を受け取ったイベントが発生した場合に、前記切替部に基づく前記画面の表示方向の切り替え制御を維持する、表示装置。」 第4 引用文献、引用発明等 1 引用文献1について 原査定の拒絶の理由に引用された引用文献1には、図面とともに、次の事項が記載されている(下線は、当審で付与したものである。以下同様。)。 a 「【0001】 本発明は、例えば携帯電話機やPDA(Personal Digital Assistant)等の携帯端末装置に関する。」 b 「【0010】 図1(c)に示す第1のシェル1の前面には、入力デバイス(機能キー4、ダイヤルキー6)、サブディスプレイ5b、タッチパッド7、マイクロホン用の孔部8が設けられている。機能キー4は、特定の機能が割り当てられている複数のキー、例えば選択キー、発信キー、終了キー、スケジュールキー、クリアキー、及びカーソルキーを含んでいる。図1(b1)(c)に示す例では、サブディスプレイ5bとタッチパッド7は、第1のシェル1の端部近傍に設けられている。タッチパッド7は、二次元平面上での入力操作に応じて位置情報を入力する座標入力装置である。タッチパッド7は、サブディスプレイ5bの周辺に取り囲むように構成されている。なお、サブディスプレイ5bとタッチパッド7とを重ね合わせた構成とし、サブディスプレイ5bにおいて表示された情報を直接的に選択する入力操作を可能とすることもできる。なお、図1(b2)に示すように、サブディスプレイ5bは、第2のシェル2の背面に設け、タッチパッド7のみを第1のシェル1の前面の端部近傍に設ける構成とすることもできる。また、第1のシェル1の背面には、図1(d)に示すように、カメラユニット30が設けられている。」 c 「【0041】 図4は、操作領域に対して割り当てられる機能に応じて、サブディスプレイ5bに各機能を示す情報(マーク)を表示する例を示している。図4に示すように、サブディスプレイ5bに表示される各機能を示す情報は、操作領域(A)及び操作領域(B)の各位置に割り当てられた機能の配置と相対的に同じにしている。従って、サブディスプレイ5bに表示された情報を参照することで、タッチパッド7の各位置に何れの機能が割り当てられているかを容易に判別することができる。 【0042】 なお、タッチパッド7による入力領域とサブディスプレイ5bの表示領域のサイズをほぼ同一とし、両者を重ね合わせた構成とすることで、タッチパッド7に機能が割り当てられた位置に同機能を表す情報(マーク)を表示させることができる。この場合、サブディスプレイ5bに表示されたマークを直接的に指示する入力操作をすることで、そのマークに対応する機能の実行を指示することができる。サブディスプレイ5bに表示された情報は、タッチパッド7に対して割り当てられる機能の位置が変更された場合に、その変更に合わせて表示位置が変更される。」 d 「【0074】 ここで、タッチパッド7に対する入力操作がされていない場合には(ステップC3、No)、制御ユニット23は、サブディスプレイ表示制御ユニット23dに対してサブディスプレイ5bにおける表示方向を変更させる。本実施形態では、携帯電話機(第1のシェル1)の姿勢方向として正方向と逆方向の2方向で検知するとしているので、表示画面を反転させる(ステップC8)。」 e 「【0077】 一方、姿勢方向の変化が検知された時に、タッチパッド7に対する入力操作がされている場合には(ステップC3、Yes)、タブレット制御ユニット23eは、タッチパッド7から入力された座標情報がタッチパッド7の機能が割り当てられた何れの領域に含まれるかを判別する(ステップC4)。 【0078】 タブレット制御ユニット23eは、何れの領域(位置)に対して入力操作があったかを判別すると、その該当する領域に対して割り当てられている機能を、 姿勢情報に応じて設定された領域管理テーブルを参照して判別する(ステップC5)。なお、ここで参照される領域管理テーブルは、姿勢方向が変更される前に設定された領域管理テーブルである。 【0079】 音楽再生ユニット23cは、タブレット制御ユニット23eにより判別された、入力操作により指示された機能を実行する(ステップC6)。音楽再生ユニット23cは、タッチパッド7に対する入力操作が継続されている場合、例えば音量をあげる、あるいは音量を下げるために、この機能が割り当てられた位置(領域)がユーザにより押され続けている場合には、この押されている位置の機能に応じた処理を実行することになる(ステップC3~C7)。 【0080】 そして、タッチパッド7に対する入力操作が終了したことがタブレット制御ユニット23eにより検知されると(ステップC3、No)、制御ユニット23は、サブディスプレイ表示制御ユニット23dに対してサブディスプレイ5bにおける表示方向を変更させる。」 上記a~eより、引用文献1には、次の発明(以下、「引用発明」という。)が記載されている(括弧内は、認定に用いた引用文献1の記載箇所を示す。)。 「第1のシェル1の前面には、サブディスプレイ5b、タッチパッド7が設けられ、 タッチパッド7は、二次元平面上での入力操作に応じて位置情報を入力する座標入力装置であり(【0010】)、 サブディスプレイ5bに各機能を示す情報(マーク)を表示し(【0041】)、 タッチパッド7による入力領域とサブディスプレイ5bの表示領域のサイズをほぼ同一とし、両者を重ね合わせた構成とすることで、タッチパッド7に機能が割り当てられた位置に同機能を表す情報(マーク)を表示させることができ、この場合、サブディスプレイ5bに表示されたマークを直接的に指示する入力操作をすることで、そのマークに対応する機能の実行を指示することができ(【0042】)、 タッチパッド7に対する入力操作がされていない場合には、制御ユニット23は、サブディスプレイ表示制御ユニット23dに対してサブディスプレイ5bにおける表示方向を変更させ(【0074】)、 タッチパッド7に対する入力操作がされている場合には、タブレット制御ユニット23eは、タッチパッド7から入力された座標情報がタッチパッド7の機能が割り当てられた何れの領域に含まれるかを判別し(【0077】)、 音楽再生ユニット23cは、入力操作により指示された機能を実行し(【0079】)、 そして、タッチパッド7に対する入力操作が終了したことがタブレット制御ユニット23eにより検知されると、制御ユニット23は、サブディスプレイ表示制御ユニット23dに対してサブディスプレイ5bにおける表示方向を変更させる(【0080】)、 携帯端末装置(【0001】)。」 2 引用文献2について 原査定の拒絶の理由において、請求項3及び6に対して引用された引用文献2には、図面とともに、次の事項が記載されている。 「【0062】 使用者が意図しない、表示状態切替手段115による表示状態切替動作の発生、表示状態切替動作の誤動作を防止することを目的として、画像表示制御手段111は、表示状態切替手段115の表示状態切替動作を使用者の操作により禁止する表示状態切替禁止手段116を備えている。表示状態切替禁止手段116はさらに、表示状態切替動作禁止指定を受付ける切替禁止指定受付手段1161と、表示状態切替手段115の表示状態切替動作が禁止されていないかを確認する切替禁止確認手段1162とを備えている。 【0063】 使用者が表示状態切替の禁止を指定するためには、操作部15にて所定の操作、たとえば、特定のキーを押下げるなどの操作を行なう。この所定の操作が為されたとき、制御部11は切替禁止指定受付手段1161で受付け、表示状態切替手段115の表示状態切替動作を禁止する。切替禁止確認手段1162は、表示状態切替手段115による表示状態切替が作動する条件を満たしたとき、表示状態切替手段115の表示状態切替動作が禁止されていないかを確認する。表示状態切替動作が禁止されていないことを確認後に、表示状態切替手段115の表示状態切替動作を行なう(第1画像表示状態から第2画像表示状態に切替える。)。」 第5 対比・判断 1 本願発明1について (1)対比 本願発明1と引用発明を対比すると、次のことがいえる。 ア 引用発明の「タッチパッド7」は、「二次元平面上での入力操作に応じて位置情報を入力する座標入力装置」であるので、本願発明1の「操作指示を受け取る入力部」に相当する。 イ 引用発明の「サブディスプレイ5b」は、「各機能を示す情報(マーク)を表示」するので、本願発明1の「画面を表示する表示部」に相当する。 エ 引用発明の「サブディスプレイ表示制御ユニット23d」は、「サブディスプレイ5bにおける表示方向を変更」するので、本願発明1の「前記表示部が表示している画面の表示方向を切り替える切替部」に相当する。 オ 引用発明の「サブディスプレイ5b」が「表示」している「各機能を示す情報(マーク)」は、本願発明1の「前記表示部が表示している画面上の情報」に相当し、 引用発明の「タッチパッド7に機能が割り当てられた位置」の「サブディスプレイ5bに表示された」「同機能を表す情報(マーク)を」「直接的に指示する入力操作」は、本願発明1の「前記表示部が表示している画面上の情報に関する操作指示」に相当する。 したがって、引用発明の「タッチパッド7に対する入力操作がされている場合」は、本願発明1の「前記入力部が前記表示部が表示している画面上の情報に関する操作指示を受け取った場合」に相当するといえる。 カ 引用発明の「制御ユニット23」は、「タッチパッド7に対する入力操作がされている場合には」、「タッチパッド7に対する入力操作が終了したことがタブレット制御ユニット23eにより検知される」まで、「サブディスプレイ表示制御ユニット23dに対してサブディスプレイ5bにおける表示方向を変更させる」ことをしていないので、本願発明の「前記切替部に基づく前記画面の表示方向の切り替えを停止する停止部」に相当する。 キ 引用発明の「携帯端末装置」は、「第1のシェル1の前面には、サブディスプレイ5b、タッチパッド7が設けられ」た装置であるから、本願発明1の「表示装置」に相当する。 すると、本願発明1と引用発明とは、次の一致点及び相違点を有する。 (一致点) 「操作指示を受け取る入力部と、 画面を表示する表示部と、 前記表示部が表示している画面の表示方向を切り替える切替部と、 前記入力部が前記表示部が表示している画面上の情報に関する操作指示を受け取った場合に、前記切替部に基づく前記画面の表示方向の切り替えを停止する停止部と、を含む、 表示装置。」 (相違点) 本願発明の「停止部」は、「前記入力部が前記表示部が表示している画面を遷移させる操作指示を受け取ったイベントが発生した場合に、前記切替部に基づく前記画面の表示方向の切り替え制御を維持する」のに対して、引用発明の「制御ユニット23」は、そのような特定がなされていない点。 (2)判断 上記相違点について検討する。 引用発明は「タッチパッド7に対する入力操作がされていない場合」に、表示方向を変更し、「タッチパッド7に対する入力操作がされている場合」には、入力操作の終了が検知されると、表示方向を変更するものであるが、 「タッチパッド7」が、サブディスプレイ5bが表示している画面を遷移させる入力操作を受け取ることは、引用文献1に記載も示唆もされていない。 よって、引用発明において、サブディスプレイ5bが表示している画面を遷移させる入力操作を受け取るように「タッチパッド7」を構成し、当該入力操作を受け取った場合に、サブディスプレイ表示制御ユニット23dに対して、サブディスプレイ5bにおける表示方向を変更させるようにすることは、当業者が容易に想到し得えたことであるとはいえない。 したがって、上記相違点に係る本願発明1の構成は、引用発明及び引用文献1に記載された事項に基づいて、当業者が容易に想到し得えたことであるとはいえない。 よって、本願発明1は、引用発明及び引用文献1に記載された事項に基づいて、当業者が容易に発明をすることができたとはいえない。 2 本願発明2について 本願発明1を引用する本願発明2は、本願発明1をさらに限定した発明であるから、本願発明1と同様の理由により、引用発明及び引用文献1に記載された事項に基づいて、当業者が容易に発明をすることができたとはいえない。 3 本願発明3について 引用文献2には、上記相違点に係る本願発明1の「前記入力部が前記表示部が表示している画面を遷移させる操作指示を受け取ったイベントが発生した場合に、前記切替部に基づく前記画面の表示方向の切り替え制御を維持する」構成は記載されていない。 よって、本願発明1を直接または間接的に引用する本願発明3は、本願発明1をさらに限定した発明であるから、本願発明1と同様の理由により、引用発明、引用文献1及び引用文献2に記載された事項に基づいて、当業者が容易に発明をすることができたとはいえない。 4 本願発明4について 本願発明4は、本願発明1に対応する方法の発明であり、上記相違点に係る本願発明1の「前記入力部が前記表示部が表示している画面を遷移させる操作指示を受け取ったイベントが発生した場合に、前記切替部に基づく前記画面の表示方向の切り替え制御を維持する」に対応する構成を備えるものであるから、本願発明1と同じ理由によって、引用発明及び引用文献1に記載された事項に基づいて、当業者が容易に発明をすることができたとはいえない。 5 本願発明5について 本願発明4を引用する本願発明5は、本願発明4をさらに限定した発明であるから、本願発明1と同様の理由により、引用発明及び引用文献1に記載された事項に基づいて、当業者が容易に発明をすることができたとはいえない。 6 本願発明6について 本願発明4を直接または間接的に引用する本願発明6は、本願発明4をさらに限定した発明であるから、本願発明1と同様の理由により、引用発明、引用文献1及び引用文献2に記載された事項に基づいて、当業者が容易に発明をすることができたとはいえない。 7 本願発明7について 本願発明7は、本願発明1に対応するプログラムの発明であり、上記相違点に係る本願発明1の「前記入力部が前記表示部が表示している画面を遷移させる操作指示を受け取ったイベントが発生した場合に、前記切替部に基づく前記画面の表示方向の切り替え制御を維持する」に対応する構成を備えるものであるから、本願発明1と同じ理由によって、引用発明及び引用文献1に記載された事項に基づいて、当業者が容易に発明をすることができたとはいえない。 第6 原査定について 審判請求時の補正により、本願発明1-7は、「前記入力部が前記表示部が表示している画面を遷移させる操作指示を受け取ったイベントが発生した場合に、前記切替部に基づく前記画面の表示方向の切り替え制御を維持する」という構成、又は、それに対応する構成を有するものとなっており、 本願発明1、2、4、5、7は、引用発明及び引用文献1に記載された事項に基づいて、当業者が容易に発明をすることができたとはいえず、本願発明3、6は、引用発明、引用文献1及び引用文献2に記載された事項に基づいて、当業者が容易に発明をすることができたとはいえない。 したがって、原査定の理由を維持することはできない。 第7 むすび 以上のとおり、原査定の拒絶の理由によっては、本願を拒絶することはできない。 また、他に本願を拒絶すべき理由を発見しない。 よって、結論のとおり審決する。

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2017-000519

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