特許異議申立
2016-700535
チラシ束リフト装置
- 審判番号
- 2016-700535
- 法域
- 特許
- 審判種別
- 異議申立(異議の決定)
- 出願番号
- 特願2011-280853
- 登録番号
- 特許第5829119号(P5829119)
- 請求日
- 2016年06月09日
- 審決日
- 2016年11月16日
- 公報発行日
- 2017年05月26日
- 結論
- 請求成立(取消)
- 当事者
- 【権利者】株式会社丸山機械製作所
- 【権利者代理人】松下 浩二郎
- 【異議申立人】株式会社 デュプロ
- 審判長/審判官
- 審判長 吉村 尚
- 審判官 植田 高盛
- 審判官 黒瀬 雅一
- 分類
- P1651.121-ZDA(B65H)
- 条文(本文から自動抽出・参考)
- 特許法第29条第2項、特許法第120条の5第2項、特許法第113条第2号
- データ出所
- 審決公報(SGML)
事件の表示
特許第5829119号発明「チラシ束リフト装置」の特許異議申立事件について、次のとおり決定する。
結論
【結 論】
特許第5829119号の特許請求の範囲を訂正請求書に添付された訂正特許請求の範囲のとおり、訂正後の請求項〔1ないし4〕、5、6、7について訂正することを認める。
特許第5829119号の請求項1、3に係る特許を取り消す。
同請求項5ないし7に係る特許を維持する。
同請求項2、4に係る特許についての申立てを却下する。
理由
【理 由】
1.手続の経緯
本件特許第5829119号の請求項1ないし7に係る特許についての出願は、平成27年10月30日付けでその特許権の設定登録がされ、その後、特許異議申立人株式会社デュプロより請求項1ないし7に対してそれぞれ特許異議の申立てがなされ、平成28年8月2日付けで取消理由が通知され、その指定期間内である同月31日に意見書の提出及び訂正請求がなされ、同年9月28日付けで取消理由通知(決定の予告)がされ、同年10月12日付けで意見書の提出及び訂正請求がなされたものである。
2.訂正の適否
(1)訂正の内容
本件訂正請求による訂正の内容は、以下のアないしカのとおりである。(下線は訂正の内容を明らかにするために当審にて付した。)
ア 訂正事項1
特許請求の範囲の請求項1を以下の事項により特定されるとおりの請求項1として訂正し、その結果として請求項1を引用する請求項3も訂正する。
「複数種類のチラシを丁合しチラシ束にして排出口から排出するとともに丁合時に所定の給紙異常のあった不良品のチラシ束を自動的に良品とは上下方向に異なる位置の排出口から排出する振分け機能を備えたコレーターに付随して配置され、排出されたチラシ束が集積してなるチラシ束集積体を所定高さ位置までリフトアップするチラシ束用リフト装置において、前記各排出口の下方で排出されたチラシ束を積載して各々貯留する複数の積載棚と、該複数の積載棚のうち所定のもので所定量まで積み上げられた前記チラシ束集積体を上下方向に動作可能なリフト棚で作業者が取出し作業を行う高さの所定位置までリフトアップして支持するリフト手段とを備え、前記複数の積載棚は、上下方向に複数段並列配置した横移動用のベルトコンベヤからなり、前記リフト手段は、上下方向に並列した前記ベルトコンベヤの各搬送終端部に一致するように前記リフト棚を上下方向に複数段並列配置した状態で有しており前記複数段のリフト棚が同時又は異なるタイミングで作動するものとされ、異なる前記積載棚に積載された複数の前記チラシ束集積体のうち少なくとも前記不良品のチラシ束を含むものについては、それ以外のものとは異なるリフト棚で異なる高さの取り出し位置にリフトアップする、ことを特徴としたチラシ束用リフト装置。」
イ 訂正事項2
特許請求の範囲の請求項2を削除する。
ウ 訂正事項3
特許請求の範囲の請求項4を削除する。
エ 訂正事項4
特許請求の範囲の請求項5を以下の事項により特定されるとおりの請求項5として訂正する。
「複数種類のチラシを丁合しチラシ束にして排出口から排出するとともに丁合時に所定の給紙異常のあった不良品のチラシ束を自動的に良品とは異なる排出口から排出する振分け機能を備えたコレーターに付随して配置され、排出されたチラシ束が集積してなるチラシ束集積体を所定高さ位置までリフトアップするチラシ束用リフト装置において、前記各排出口の下方で排出されたチラシ束を積載して各々貯留する複数の積載棚と、該複数の積載棚のうち所定のもので所定量まで積み上げられた前記チラシ束集積体を上下方向に動作可能なリフト棚で作業者が取出し作業を行う高さの所定位置までリフトアップして支持するリフト手段と、前記コレーターから作業結果のデータが入力されるプリンターとを備えており、異なる前記排出口から排出され異なる位置に積み上げた複数の前記チラシ束集積体のうち所定のものについて、該チラシ束集積体を構成しているチラシ束の前記作業結果に関する所定の情報を表示した作業情報シートを、所定のタイミングで自動的にプリントアウトする設定が可能とされ、前記情報には、前記チラシ束集積体を構成しているチラシ束でチラシの過不足を伴う所定の給紙異常があった場合に、該給紙異常の内容と該給紙異常に係る過不足のあるチラシ束を作業者が特定可能とする情報が少なくとも含まれており、前記チラシ束を特定可能とする情報として、前記チラシ束集積体を構成しているチラシ束の部数及び前記過不足のあるチラシ束が前記チラシ束集積体の上又は下から数えて何番目にあるかを前記作業情報シートに表示させる設定が可能とされているとともに、前記過不足を伴う給紙異常の種類を該給紙異常に係るチラシ束の積載順に前記作業情報シートに表示させる設定が可能とされており、且つ、前記過不足のあるチラシ束について、前記過不足に係るチラシを積載していた棚の番号又は/及び前記チラシの名称、前記過不足が過剰であるか不足であるか、前記不足の場合のチラシの合計不足枚数、のうちいずれか又はこれらの組み合わせを前記作業情報シートに表示させる設定が可能とされている、ことを特徴とするチラシ束用リフト装置。」
オ 訂正事項5
特許請求の範囲の請求項6を以下の事項により特定されるとおりの請求項6として訂正する。
「複数種類のチラシを丁合しチラシ束にして排出口から排出するとともに丁合時に所定の給紙異常のあった不良品のチラシ束を自動的に良品とは異なる排出口から排出する振分け機能を備えたコレーターに付随して配置され、排出されたチラシ束が集積してなるチラシ束集積体を所定高さ位置までリフトアップするチラシ束用リフト装置において、前記各排出口の下方で排出されたチラシ束を積載して各々貯留する複数の積載棚と、該複数の積載棚のうち所定のもので所定量まで積み上げられた前記チラシ束集積体を上下方向に動作可能なリフト棚で作業者が取出し作業を行う高さの所定位置までリフトアップして支持するリフト手段と、前記コレーターから作業結果のデータが入力されるプリンターとを備えており、異なる前記排出口から排出され異なる位置に積み上げた複数の前記チラシ束集積体のうち所定のものについて、該チラシ束集積体を構成しているチラシ束の前記作業結果に関する所定の情報を表示した作業情報シートを、所定のタイミングで自動的にプリントアウトする設定が可能とされ、前記過不足のあるチラシ束に含まれるチラシの合計不足枚数を作業者の手動操作でプリントアウト可能とされており、その集計範囲を、前記手動操作が折込作業開始後の初回であれば開始からその操作まで、2回目以降であれば前回から今回まで、とすることができ、その間に排出された前記過不足のあるチラシ束に含まれるチラシの合計不足枚数を、不足したチラシの棚番号又は/及びチラシ名と対応したものとしながら、前回の操作がいつの操作であるかを認識可能な形式にして、手動操作で前記作業情報シートをプリントアウトさせることが可能とされている、ことを特徴とするチラシ束用リフト装置。」
カ 訂正事項6
特許請求の範囲の請求項7を以下の事項により特定されるとおりの請求項7として訂正する。
「複数種類のチラシを丁合しチラシ束にして排出口から排出するとともに丁合時に所定の給紙異常のあった不良品のチラシ束を自動的に良品とは異なる排出口から排出する振分け機能を備えたコレーターに付随して配置され、排出されたチラシ束が集積してなるチラシ束集積体を所定高さ位置までリフトアップするチラシ束用リフト装置において、前記各排出口の下方で排出されたチラシ束を積載して各々貯留する複数の積載棚と、該複数の積載棚のうち所定のもので所定量まで積み上げられた前記チラシ束集積体を上下方向に動作可能なリフト棚で作業者が取出し作業を行う高さの所定位置までリフトアップして支持するリフト手段と、前記コレーターから作業結果のデータが入力されるプリンターとを備えており、異なる前記排出口から排出され異なる位置に積み上げた複数の前記チラシ束集積体のうち所定のものについて、該チラシ束集積体を構成しているチラシ束の前記作業結果に関する所定の情報を表示した作業情報シートを、所定のタイミングで自動的にプリントアウトする設定が可能とされ、前記コレーターの折込区域毎の折込作業完了による停止、又は前記折込区域内を細分化して停止までの部数を設定したことによる停止、又は特定の棚からの給紙停止が生じた場合に、それまでに積載された前記チラシ束集積体を手動又は自動でリフトアップさせる設定が可能であるとともに、前記停止の原因についての情報を表示した前記作業情報シートを自動プリントアウトする設定が可能とされている、ことを特徴とするチラシ束用リフト装置。」
(2)訂正の目的の適否、新規事項の有無、一群の請求項及び特許請求の範囲の拡張・変更の存否
ア 訂正事項1
上記訂正事項1に係る訂正は、丁合時に所定の給紙異常のあった不良品のチラシ束の良品とは異なる排出口が「良品とは上下方向に異なる位置」にあると限定し、複数の積載棚が「上下方向に複数段並列配置した横移動用のベルトコンベヤ」からなると限定し、リフト手段が「上下方向に並列したベルトコンベヤの各搬送終端部に一致するように」リフト棚を「上下方向に複数段並列配置した状態」で有しており「同時又は異なるタイミングで作動するものとされ」ると限定し、複数のチラシ束集積体のうち少なくとも不良品のチラシ束を含むものとそれ以外のものとの異なる取り出し位置が「異なる高さの取り出し位置」であると限定するものであるから、特許請求の範囲の減縮を目的とするものである。
そして、これらの事項については、明細書【0029】、【0037】ないし【0039】、【0045】、【0066】、【図1】ないし【図5】、【図7】、【図8】、【図16】に記載されているか、あるいはこれらの記載から自明な事項である。したがって、新規事項の追加に該当するものでもない。
また、実質上特許請求の範囲を拡張し、又は変更するものであるともいえない。
イ 訂正事項2及び3
上記訂正事項2及び3に係る訂正は、請求項を削除するものであるから、特許請求の範囲の減縮を目的とし、新規事項の追加に該当せず、実質上特許請求の範囲を拡張し、又は変更するものではない。
ウ 訂正事項4
上記訂正事項4に係る訂正は、請求項2の記載を引用する請求項4の記載を引用する請求項5の記載を、その内容を変更することなく、請求項4の記載を引用しないものへと書き換えたものであるから、請求項間の引用関係の解消を目的とし、新規事項の追加に該当せず、実質上特許請求の範囲を拡張し、又は変更するものではない。
エ 訂正事項5
上記訂正事項5に係る訂正は、請求項2、3、4又は5を引用している請求項6を、請求項2を引用し、請求項3、4又は5を引用しないものとして、引用する請求項数を減少させるとともに、請求項2を引用する請求項6を、その内容を変更することなく、請求項2を引用しないものへと書き換えたものであるから、特許請求の範囲の減縮及び請求項間の引用関係の解消を目的とし、新規事項の追加に該当せず、実質上特許請求の範囲を拡張し、又は変更するものではない。
オ 訂正事項6
上記訂正事項6に係る訂正は、請求項2、3、4、5又は6を引用している請求項7を、請求項2を引用し、請求項3、4、5又は6を引用しないものとして、引用する請求項数を減少させるとともに、請求項2を引用する請求項7を、その内容を変更することなく、請求項2を引用しないものへと書き換えたものであるから、特許請求の範囲の減縮及び請求項間の引用関係の解消を目的とし、新規事項の追加に該当せず、実質上特許請求の範囲を拡張し、又は変更するものではない。
そして、これらの訂正は、一群の請求項ごとに請求されたものである。
(3)訂正の適否のむすび
したがって、上記訂正請求による訂正は、特許法第120条の5第2項ただし書第1号及び第4号に掲げる事項を目的とするものであり、かつ、同条第4項、及び同条第9項で準用する同法第126条第4項から第6項までの規定に適合するので、訂正後の請求項1ないし7について訂正を認める。
訂正後の請求項〔1ないし4〕は一群の請求項である。
3.特許異議の申立てについて
(1)本件特許に係る発明
ア 訂正請求項1に係る発明
上記訂正請求により訂正された訂正請求項1に係る発明(以下「本件発明1」という。)は、上記2.の「(1)訂正の内容」において示したとおりのものである。
イ 訂正請求項3に係る発明
上記訂正請求により訂正された訂正請求項1を引用する訂正請求項3に係る発明(以下、「本件発明3」という。)は、特許請求の範囲の請求項3に記載された発明特定事項により特定されるものであって、以下のとおりのものである。
「前記コレーターから作業結果のデータが入力されるプリンターを備えており、異なる前記排出口から排出され異なる位置に積み上げた複数の前記チラシ束集積体のうち所定のものについて、該チラシ束集積体を構成しているチラシ束の前記作業結果に関する所定の情報を表示した作業情報シートを、所定のタイミングで自動的にプリントアウトする設定が可能とされている、ことを特徴とする請求項1に記載したチラシ束用リフト装置。」
ウ 訂正請求項5ないし7に係る発明
上記訂正請求により訂正された訂正請求項5ないし7に係る発明(以下それぞれ「本件発明5」ないし「本件発明7」という。)は、上記2.の「(1)訂正の内容」において示したとおりのものである。
(2)取消理由通知に記載した取消理由の概要
訂正前の請求項1ないし4に係る特許に対して平成28年9月28日付けで特許権者に通知した取消理由通知書の概要は、次のとおりのものである。
ア 訂正請求書に添付された訂正特許請求の範囲の記載のとおり、訂正後の請求項〔2、4〕、5、6、7について、訂正することを認める。
イ 請求項1に係る発明は、甲第1号証(実願平5-3755号(実開平7-2355号)のCD-ROM)、甲第2号証(特開2011-126659号公報)に記載の発明に基づき、当業者が容易に発明できたものであるから、特許法第29条第2項の規定により、その発明に係る特許は取り消すべきものである。
ウ 請求項3に係る発明は、甲第1号証、甲第2号証、及び甲第3号証(特開2010-189091号公報)に記載の発明に基づき、当業者が容易に発明できたものであるから、特許法第29条第2項の規定により、その発明に係る特許は取り消すべきものである。
(3)甲各号証
ア 甲第1号証
取消理由に引用した甲第1号証には、以下の記載がある。(以下、下線は当審にて付した。)
(ア)「【実用新案登録請求の範囲】
【請求項1】広告丁合機下部前面の折込広告物繰出し部に臨ませた横方向搬送用のベルトコンベヤと、該ベルトコンベヤの搬送終端部に設けられた上下方向搬送用の昇降リフトとからなり、順次繰出し蓄積されて所定量の厚みとなった折込広告物を横送り及び上揚送りさせることを特徴とする広告丁合機の折込広告物運搬装置。」
(イ)「【0010】
【作用状態実施例】
先ず広告丁合機1をスイッチ作動させると、丁合いされた折込広告物24は折込広告物繰出し部Aから順次前方へ繰出され、停止している前方のベルトコンベヤ6上に順次アキュムレート(蓄積)されて行く。そして折込広告物24が所定量の厚みになると、広告丁合機1はスイッチリレーで自動的に停止する。そこで次に手動スイッチ22を入れると、電磁石8が消磁されてばね解除装置9で抑えばね3,3が解除されると共にモーター7が回転してベルトコンベヤ6が矢印方向に作動し、所定厚みの折込広告物24が横方向に搬送され、昇降リフト10の昇降板15上に搬送されて停止する。(イの状態)。するとモーター7が停止してベルトコンベヤ6が停止すると共に電磁石8が励磁されて抑えばね3,3が作用し、同時に再び広告丁合機1が作動して再び停止している前方のベルトコンベヤ6上に折込広告物24が順次繰出し蓄積されて行く。また一方スイッチ22を入れることによって昇降板15が上昇して上昇限で停止して折込広告物24を所定の高さ位置(ロ)に上揚できる。そこでこの上揚された折込広告物24を作業台上へ持ち運んでから、フートスイッチ23を入れると昇降板15が降下する。そして再び手動スイッチ22を入れてベルトコンベヤ6を作動させコンベヤ6上に蓄積された次の所定厚みの折込広告物24を昇降リフト10側へ搬送して再び上揚させるものである。
【0011】
【考案の効果】
本考案は上述のように順次繰出し蓄積されて所定量の厚みとなった折込広告物を横送りした後、所要高さ位置に上揚送りさせるようにしたから、従来の広告丁合機の場合のように重い折込広告物を低位置から、上方へ持ち上げて作業台へ移す労力、労苦が不要で、折込広告物の運搬作業の省力化,能率化に著しく寄与できる。また狭隘な作業場空間を有効に活用して作業効率の向上と合理化をはかることができる。なおまた昇降リフトが移動自在の可搬式であると、昇降リフトが不要な場合や故障修理などの場合には邪魔にならない場所へ自由に移動できて頗る重宝である。」
(ウ)【図1】より、「6 ベルトコンベヤ」は、「A 折込広告物繰出し部」の下方にあることが看て取れる。
上記(ア)ないし(ウ)を総合すると、甲第1号証には、次の発明(以下「甲1発明」という。)が記載されてている。
「広告丁合機下部前面の折込広告物繰出し部に臨ませた横方向搬送用のベルトコンベヤと、該ベルトコンベヤの搬送終端部に設けられた上下方向搬送用の昇降リフトとからなり、順次繰出し蓄積されて所定量の厚みとなった折込広告物を横送り及び上揚送りさせる広告丁合機の折込広告物運搬装置であって、
丁合いされた折込広告物は折込広告物繰出し部から順次前方へ繰出され、停止している前方のベルトコンベヤ上に順次アキュムレート(蓄積)され、折込広告物が所定量の厚みになると、広告丁合機はスイッチリレーで自動的に停止し、次に手動スイッチを入れると、ベルトコンベヤが所定厚みの折込広告物を昇降リフトの昇降板上に搬送し、昇降板が上昇して上昇限で停止して折込広告物を所定の高さ位置に上揚し、上揚された折込広告物を作業台上へ持ち運んでから、フートスイッチを入れると昇降板が降下し、
重い折込広告物を低位置から、上方へ持ち上げて作業台へ移す労力、労苦が不要で、折込広告物の運搬作業の省力化、能率化に著しく寄与でき、
ベルトコンベヤは、折込広告物操出し部の下方にある、
広告丁合機の折込広告物運搬装置。」
イ 甲第2号証
取消理由に引用した甲第2号証には、以下の記載がある。
(ア) 「【請求項5】
給紙台に積載した用紙束から給紙ローラによって用紙を1枚ずつ給紙するとともに給紙エラーを検知する給紙エラー検知器を具備する給紙部を複数有し、各々の給紙部から給紙された用紙を搬送しながら互いに重ねてセットする丁合装置であって、下記(イ)~(チ)の各手段を有することを特徴とする丁合装置。
(イ) 給紙エラーを生じた丁合セットを収容するリジェクト収容部
(ロ) 正常丁合セットを収容するスタッカトレイ
(ハ) 丁合済みセットをリジェクト収容部へ搬送するかスタッカトレイへ搬送するかを切り替える搬送路切替え手段
(ニ) 各給紙エラー検知器からのエラー信号を受けて、給紙エラーを有する丁合セットをリジェクト収容部へ送るべく搬送路切替えゲートを切替える切替え信号を発生する搬送路切替え信号発生部
(ホ) 前記リジェクト収容部に丁合セットが収容されているか否かを検知するリジェクトセット検知手段
(ヘ) 各丁合セット毎に前記各給紙部の給紙エラーの有無、給紙エラーの種類および搬送路切替え向きを記憶するメモリ
(ト) 丁合セットの給紙エラー情報を画面表示する表示画面
(チ) 前記リジェクトセット検知手段が、前記リジェクト収容部が空になったことを丁合装置稼働開始後最初に検知したときは、前記メモリから稼働開始後空になったことを検知したときまでの丁合セットのうち給紙エラーがあり搬送先がリジェクト収容部と記憶されている丁合セットのエラー情報を前記表示画面に表示し、前記リジェクトセット検知手段の前記空検知が稼働開始後2回目以降であるときは、前回検知時の後今回検知時までの丁合セットのうち給紙エラーがあり搬送先がリジェクト収容部と記憶されている丁合セットのエラー情報を前記表示画面に表示させる表示制御手段」
(イ) 「【0044】
従って、丁合開始後、リジェクト収容部11に収容されたエラーセットが例えば2セットであれば、丁合エラーメモリ27のセット番号の1から順に見て行き、エラーの存在する最初の2セットのエラー内容がリジェクト収容部11に収容されたエラーセットのエラー内容ということになり、リジェクト収容部11からこの2セットを取り出すことによりリジェクトセット検知手段から取り出し検知信号が表示制御部28へ送られると上記2セットのエラー内容が図5の表示画面29のエラー表示部35に表示されることになる。リジェクト収容部11に収容されたエラーセットは先に丁合されたものが下になるので図5のエラー表示部35でエラーセットの1セット目を下に、2セット目を上に表示するようになっている。
【0045】
図5のエラー表示部35では、1セット目のエラーセットには棚番9の給紙部で重送があったことを示し、2セット目のエラーセットでは棚番12の給紙部で空送りがあったことを示している。
また、積載状態表示部30では、図1と同じようにリジェクト収容部33を上に、スタッカトレイ34を下に表示しており、エラーセットは1セットずつ識別できるように表示し、エラーセットの無いスタッカトレイ34では丁合セットを一括で表示している。」
(ウ) 【図1】より、「スタッカトレイ」と「リジェクト収容部」とは、「上下方向」に「並列配置」されていることが看て取れる。
(エ) 【図7】、【図9】、【図10】には、「エラーセット」が5つあり、「表示画面」に「5部確認してください。」と表示されることが看て取れ、また、【図8】では、「エラーセット」が3つあり、「表示画面」に「3部確認してください。」と表示されることが看て取れるから、「表示画面」には、「エラーセット」の数が表示されることが認められる。
上記(ア)ないし(エ)より、甲第2号証には、次の発明(以下「甲2発明」という。)が記載されている。
「給紙台に積載した用紙束から給紙ローラによって用紙を1枚ずつ給紙するとともに給紙エラーを検知する給紙エラー検知器を具備する給紙部を複数有し、各々の給紙部から給紙された用紙を搬送しながら互いに重ねてセットする丁合装置であって、下記(イ)~(チ)の各手段を有し、
リジェクト収容部に収容されたエラーセットが例えば2セットであれば、上記2セットのエラー内容が表示画面のエラー表示部に表示され、リジェクト収容部に収容されたエラーセットは先に丁合されたものが下になるのでエラー表示部でエラーセットの1セット目を下に、2セット目を上に表示し、エラー表示部では、1セット目のエラーセットには棚番9の給紙部で重送があったことを示し、2セット目のエラーセットでは棚番12の給紙部で空送りがあったことを示し、
スタッカトレイとリジェクト収容部とは、上下方向に並列配置され、
表示画面には、エラーセットの数が表示される丁合装置。
(イ) 給紙エラーを生じた丁合セットを収容するリジェクト収容部
(ロ) 正常丁合セットを収容するスタッカトレイ
(ハ) 丁合済みセットをリジェクト収容部へ搬送するかスタッカトレイへ搬送するかを切り替える搬送路切替え手段
(ニ) 各給紙エラー検知器からのエラー信号を受けて、給紙エラーを有する丁合セットをリジェクト収容部へ送るべく搬送路切替えゲートを切替える切替え信号を発生する搬送路切替え信号発生部
(ホ) 前記リジェクト収容部に丁合セットが収容されているか否かを検知するリジェクトセット検知手段
(ヘ) 各丁合セット毎に前記各給紙部の給紙エラーの有無、給紙エラーの種類および搬送路切替え向きを記憶するメモリ
(ト) 丁合セットの給紙エラー情報を画面表示する表示画面
(チ) 前記リジェクトセット検知手段が、前記リジェクト収容部が空になったことを丁合装置稼働開始後最初に検知したときは、前記メモリから稼働開始後空になったことを検知したときまでの丁合セットのうち給紙エラーがあり搬送先がリジェクト収容部と記憶されている丁合セットのエラー情報を前記表示画面に表示し、前記リジェクトセット検知手段の前記空検知が稼働開始後2回目以降であるときは、前回検知時の後今回検知時までの丁合セットのうち給紙エラーがあり搬送先がリジェクト収容部と記憶されている丁合セットのエラー情報を前記表示画面に表示させる表示制御手段」
ウ 甲第3号証
取消理由に引用した甲第3号証には、以下の記載がある。
(ア)「【請求項5】
用紙に画像を記録してエラーセットに含ませるシート供給ユニットをさらに備え、
前記作成管理部は、給紙エラーが検知された給紙トレイとその給紙トレイで検知された給紙エラーの内容とが互いに対応付けられたエラー内容情報を前記エラー情報として、その給紙エラーが生じたエラーセットの用紙セット識別情報に対応付けて保持し、
前記シート供給ユニットは、いずれかの給紙トレイで給紙エラーが検知された場合、保持された前記対応関係を利用して、そのエラーセットの作成工程において給紙エラーが検知された給紙トレイおよびその給紙トレイで検知された給紙エラーの内容を表す画像を用紙に記録してエラー情報シートを作成し、そのエラーセットに含ませることを特徴とする
請求項1から3のいずれかに記載の丁合装置。」
(イ)「【0049】
シート供給ユニット26は、プリンタ145および用紙搬送機構146を有する。プリンタ145は、本体147および用紙トレイ148を有する。本体147は、用紙トレイ148に積載された用紙を一枚ずつ送り出してその用紙に画像を記録し、用紙搬送機構146に送り出す。用紙搬送機構146は、プリンタ145から送り込まれた用紙をリジェクトトレイ144に排出する。シート供給ユニット26は電子写真方式により用紙に画像を記録する。なお、シート供給ユニット26は、インクジェット方式またはオフセット印刷方式によって用紙に画像を記録してもよい。」
(ウ)「【0075】
エラー情報テーブルには、エラー番号、用紙セットの作成順、宛名情報、およびエラー内容情報が対応付けられる。エラー番号は、エラーセットの作成順を示す番号である。このエラー番号は、その給紙エラーが生じたエラーセットを特定する用紙セット識別情報として利用される。エラー内容情報は、給紙エラーが検知された給紙トレイとその給紙トレイで検知された給紙エラーの内容とが互いに対応付けられた情報である。このエラー内容情報は、給紙エラーが生じたことを示すエラー情報として利用される。
【0076】
たとえば、第1行に記載する「02-D」のうち、「02」は番号が2の給紙トレイ、すなわち第2給紙トレイ40Bの給紙トレイ情報を示している。また、「D」は、重送の発生という給紙エラーの内容を示している。したがって、「02-D」は、第2給紙トレイ40Bで重送が発生したことを示している。また、例えば第1行に記載する「16-N」のうち、「16」は第16給紙トレイ40Qの給紙トレイ情報を示している。また、「N」は、空送りの発生という給紙エラーの内容を示している。したがって、「16-N」は、第16給紙トレイ40Qで空送りが発生したことを示している。このように、エラー情報では、宛名情報の各々に対して、給紙エラーが発生した給紙トレイの給紙トレイ情報と、その給紙トレイで発生した給紙エラーの内容とが対応付けられている。」
(エ)「【0078】
図9は、エラー情報シート250の一例を示す図である。第1の実施形態では、シート供給ユニット26は、いずれかの給紙トレイで給紙エラーが検知された場合、その給紙エラーが生じたエラーセットを特定するエラー番号、給紙エラーが生じた給紙トレイの給紙トレイ情報、および各々の給紙トレイにおける給紙エラーの内容を表す画像を用紙に記録してエラー情報シート250を作成する。シート供給ユニット26は、作成したエラー情報シート250をリジェクトトレイ144に排出することにより、すでにリジェクトトレイ144に排出されたエラーセットのうち最上位に積載されたエラーセットの上にそのエラー情報シート250を含ませる。なお、シート供給ユニット26は、エラーセットが排出される直前にエラー情報シート250をリジェクトトレイ144に排出することにより、エラーセットの下にエラー情報シート250を含ませてもよい。」
上記(ア)ないし(エ)を総合すると、甲第3号証には、次の発明(以下「甲3発明」という。)が記載されている。
「シート供給ユニットは、プリンタおよび用紙搬送機構を有し、プリンタは、用紙に画像を記録し、用紙搬送機構は、プリンタから送り込まれた用紙をリジェクトトレイに排出し、
シート供給ユニットは、いずれかの給紙トレイで給紙エラーが検知された場合、その給紙エラーが生じたエラーセットを特定するエラー番号、給紙エラーが生じた給紙トレイの給紙トレイ情報、および各々の給紙トレイにおける給紙エラーの内容を表す画像を用紙に記録してエラー情報シートを作成し、作成したエラー情報シートをリジェクトトレイに排出することにより、すでにリジェクトトレイに排出されたエラーセットのうち最上位に積載されたエラーセットの上にそのエラー情報シートを含ませ、
エラー番号は、エラーセットの作成順を示す番号であり、
給紙エラーの内容は、重送の発生、空送りの発生である
シート供給ユニットを備えた丁合装置。」
エ 甲第4号証
甲第4号証(特開2007-1686号公報)には、以下の記載がある。
(ア) 「【0015】
上記課題を解決するための本発明の第1の構成は、積載した用紙束から用紙を1枚ずつ取り出す給紙部を複数並べて設け、この複数の給紙部から取り出した用紙を搬送しながら互いに重ね合わせて1セット分の丁合束とする丁合装置において、この複数の給紙部のうち、少なくとも一つの給紙部においてこの給紙部固有の固有カウント数を設定する固有カウント数設定手段を有し、固有カウント数が設定された給紙部においては固有カウント数分の給紙が完了するとそれ以降の給紙は行わないように制御する制御手段を有することを特徴とする。この構成によれば、合計部数に満たない部数の用紙を混入したい場合、この用紙を積載した給紙部において、混入したい部数を固有カウント数として入力すれば、この給紙部に積載した用紙は固有カウント数分しか給紙されないので、合計部数に満たない任意の部数を容易に混入させることができる。
【0016】
本発明の第2の構成は、上記第1の構成に加えて、前記固有カウント数が設定された給紙部において固有カウント数分の給紙が完了すると一旦丁合装置が停止し、その後丁合作業を再スタートさせると、固有カウント数分の給紙が完了した給紙部以外の給紙部で給紙が継続される一旦停止モードと、前記固有カウント数が設定された給紙部において固有カウント数分の給紙が完了すると、固有カウント数分の給紙が完了した給紙部以外の給紙部は一旦停止することなく給紙が継続される継続給紙モードとを有し、この一旦停止モードと継続給紙モードとを選択可能なモード選択手段を有することを特徴とする。この第2の構成によれば、継続給紙モードとしておくことで、固有カウント数分の給紙が終了した給紙部のみが給紙を中止し、他の給紙部は給紙を続けるので、装置がいちいち止まることなく連続処理ができるので、処理時間を早くすることができる。また、一旦停止モードにしておけば、合計部数に満たない部数の用紙が含まれている丁合束と、含まれていない丁合束を区別すことができる。したがって用途に応じてこれらのモードを使い分けられるので、使い勝手が良くなるというメリットがある。
【0017】
本発明の第3の構成は、第1または第2の構成に加えて、丁合装置によって丁合される全部数を設定する全カウント数設定手段を有し、前記制御手段は、全カウント数分の給紙が完了すると丁合装置が停止するとともに、固有カウント数の設定をクリアすることを特徴とする。この第3の構成によれば、合計部数(全カウント数)の給紙後は、固有カウント数がクリアされるので、次回の丁合作業にあたって、前回の固有カウント数の設定が残っていることによる丁合ミスを防ぐことができる。
【0018】
本発明の第4の構成は、第1または第2の構成に加えて、複数の丁合区分を設定可能な丁合区分設定手段と、各丁合区分それぞれに区分カウント数を設定する区分カウント数設定手段とを有し、前記制御手段は、各丁合区分に設定された区分カウント数分の丁合が完了するごとに丁合動作をいったん停止しながら、順次各丁合区分の丁合作業を行うように制御するとともに、前記固有カウント数の設定を各区分の丁合作業開始前に行うことを可能とし、各区分の丁合作業が完了するごとに固有カウント数の設定がクリアすることを特徴とする。この第4の構成によれば、例えば新聞広告丁合機において配達する地区が複数ある場合、この地区を丁合区分として、その地区の配達部数を区分カウント数として入力し、それぞれの区分において固有カウント数設定を行えば、各地区の丁合が終了するたびに部数入力する手間が省けるとともに、各地区それぞれに配達部数に満たない広告を任意部数混入することができる。」
(イ) 「【0040】
以上の動作により、固有カウント数が設定されている給紙部では、設定されている固有カウント数分の給紙が終了すると停止状態とされるので、以後の給紙動作は行われなくなる。これに対し、固有カウント数が設定されていない給紙部では給紙が継続され、いずれかの給紙部において用紙無しが検知されるか、もしくは全カウント数C回分の給紙動作が完了すると丁合装置は停止する。停止した後は、固有カウント数の設定は全てクリアされるので、次回の丁合作業において操作者の意図に反して前回の固有カウント数設定のまま作業が行われることを防ぐことができる。」
上記(ア)、(イ)より、甲第4号証には、次の発明(以下「甲4発明」という。)が記載されている。
「複数の丁合区分を設定可能な丁合区分設定手段と、各丁合区分それぞれに区分カウント数を設定する区分カウント数設定手段とを有し、各丁合区分に設定された区分カウント数分の丁合が完了するごとに丁合動作をいったん停止し、
少なくとも一つの給紙部においてこの給紙部固有の固有カウント数を設定する固有カウント数設定手段を有し、固有カウント数が設定された給紙部においては固有カウント数分の給紙が完了するとそれ以降の給紙は行わず、固有カウント数が設定された給紙部において固有カウント数分の給紙が完了すると一旦丁合装置が停止し、
固有カウント数の設定を各区分で行うことを可能とし、
配達する地区が複数ある場合、この地区を丁合区分として、その地区の配達部数を区分カウント数として入力し、それぞれの区分において固有カウント数設定を行い、
いずれかの給紙部において用紙無しが検知されると停止する丁合装置。」
オ 甲第5号証
甲第5号証(特開2005-330097号公報)には、以下の記載がある。
(ア) 「【0007】
本発明は上記事情に鑑みてなされたもので、その目的は単一の操作表示部で使用条件を入力操作画面に一括して設定入力できるとともに、各種の使用状態を自動表示することができ、連続動作で操作の無駄を解消して合理的かつ迅速な自動丁合が可能になり、丁合作業性が格段に向上する管理モニター付き丁合機を提供することにある。」
(イ) 「【0043】
図11は、丁合機1に搬送昇降装置59が付設された例を示す。搬送昇降装置59は、例えば特許第3372678号公報に記載されているように、排紙ガイド6aの引き上げ装置59aを内蔵した踏箱60が設けられたベルトコンベヤー61および渡受け部62を左右に有し、渡受け部62には駆動柱部63が立設されている。駆動柱部63には、紙受台65を支持する左右一対のフォーク64が上下方向に移動可能に設けられている。搬送昇降装置59を付設する場合、紙受けホッパー6が置かれた位置にベルトコンベヤー61を配置する。ベルトコンベヤー61上の折込みちらしセット5は、その積載高さが所定(例えば15cm)になると、ホッパー満載スイッチ66が紙受部満載として検知し(図5参照)、丁合機1の丁合動作を停止し、渡受け部62に運び渡されて紙受台65上に置かれる。
【0044】
ついで、丁合機1の演算部29から駆動柱部63に内蔵された搬送昇降制御部67への通信が行われることにより、紙受台65が折込みちらしセット5を載せたまま上方に移動させる。このため、作業者が腰を屈めなくても折込みちらしセット5の持ち運びができ、運搬作業が楽になり作業性が向上する。折込みちらしセット5が紙受台65から運搬されたか否かは、受台センサー68により検知されるようになっており、折込みちらしセット5が運び去られると、紙受台65が下方に移動して、次の折込みちらしセット5の積載に待機する。受台センサー68は、例えば受光素子と発光素子(図示せず)とからなり、発光素子からの投光が紙受台65に設けられた反射板69を介して反射するか否かで紙受台65上の折込みちらしセット5の有無を判断する。なお、踏箱60は、給紙棚7a-7k、8a-8kに手の届かない小柄な作業者が折込みちらしSを給紙棚7a-7k、8a-8kに載置する際の足掛けとしても使用される。」
(ウ) 「【0078】
前述したように、メンテナンス画面85において「メニュー」欄1Sを選択すると、図14の(イ)に示すメニュー画面75に戻る。メニュー画面75で、「通常カウンター」モード20Sを選択すると、図18の(イ)に示すように、通常カウンター画面86が表示される。通常カウンター画面86のモード欄21Sを選択すると、図18の(ロ)に示す通常カウンターの設定数入力画面87が表示される。設定数入力画面87のテンキー10Tにより、折込みちらしセット5の折込み部数を入力すると、図18の(ハ)に示すように、設定数入力画面87に入力部数に応じた「設定数」が表示される。また、「設定数」の書込みを誤った場合、設定数入力画面87のモード欄23Sの選択により、「設定数」を「0」にクリアし、再入力により修正することができる。
【0079】
図18の(ハ)に示す設定数入力画面87で「設定数」の入力後に「決定」欄22Sを選択すると、図19の(イ)に示すように、通常カウンター画面89が表示される。この通常カウンター画面89でスタート/ストップスイッチWを投入すると、モーターRが始動し、丁合作業が開始される。丁合作業中に「メニュー」欄1Sを選択した場合、図19の(ロ)に示すメニュー画面75aが表示され、「区域カウンター」モード33Sへの変更ができない旨のメッセージが表示される。この時には、「通常カウンター」モード20Sの選択により丁合作業を再開させることができる。
【0080】
設定部数に折込みちらしセット5の部数が達して折込みが終了すると、図19の(ハ)に示すように、通常カウンター画面89aが表示されて丁合作業を停止する。通常カウンター画面89aのモード欄25Sを選択すると、「実行数」が0にクリアされる。」
(エ) 「【0084】
図13の(イ)のメニュー画面70に戻して、「区域を設定する」モード31Sを選択すると、図23に示すように区域設定画面95が表示され、区域折込み枚数登録を実行することができる。すなわち、区域設定画面95の「区域」欄14Uには、例えば01~99までの区域番号が付されており、折込みちらしセット5の配布地の区域をコード化している。各区域毎に折込みちらしセット5の「設定数」欄15Uを入力するため、「△」欄16U、「▽」欄17U、前画面切換記号欄18Uおよび次画面切換記号欄19Uをタッチ操作することにより、彩色されたカーソルが上下に移動して区域番号を選択することができる。すなわち、「△」欄16Uおよび「▽」欄17Uを選択すると、カーソルが単段ずつ上下に移動し、前画面切換記号欄18Uおよび次画面切換記号欄19Uを選択すると、前画面または次画面が表示され、カーソルを移動して所望の区域番号を選択できるようになっている。
【0085】
例えば、図23の(ロ)に示すように、カーソルが停留する区域番号でテンキー10Tの数字入力操作を行って「決定」欄2Sを選択すると、各区域番号の「設定数」欄15Uに折込みちらしセット5の必要部数を入力することができる。入力を誤った場合や「設定数」欄15Uを空欄に戻したい場合、カーソルが停留する区域番号で「消去」欄20Uを選択した後、「決定」欄2Sを選択すると、「設定数」が0にクリアされるため、再入力が可能となる。
【0086】
入力終了後は、区域設定画面95の「終了」欄41Sを選択すると、区域折込み枚数登録が終了し、図13の(イ)のメニュー画面70に戻る。このメニュー画面70で「区域カウンター」モード33Sを選択すると、図24の(イ)に示すように区域カウンター画面96が表示される。区域カウンター画面96では、図23に示す区域設定画面95において入力された設定部数を区域毎に丁合することができる。すなわち、区域カウンター画面96のモード欄34S、35Sの選択により、所望の区域番号と入力済みの設定数が表示され、スタート/ストップスイッチWを押すことにより、その区域の丁合作業が開始される。この丁合過程(例えば「区域01」)では、図24の(ロ)に示すようにモード欄26Sの「実行数」欄の数値が漸増し、モード欄21Sの「設定数」の数値に合致するまで丁合作業が継続する。」
(オ) 「【0088】
なお、モード欄34S、35Sを選択しなくても、区域番号は番号順に順次表示されるので、区域順に丁合作業を続けることができる。すなわち、特定区域に対する折込みちらしSの丁合が終了すると、設定部数に達したことを終了音によって報知され、図24の(ニ)に示すように、その区域の丁合完了を示す区域カウンター画面96aが表示される。区域カウンター画面96aの「移行する」欄36Sを選択すると、次の区域番号(「区域02」)に移行し、上記と同様に区域番号に応じた「設定数」が表示され、折込みちらしSの丁合作業を再開することができる。」
(カ) 「【0091】
「区域を設定する」モード31Sで「設定数」が入力された全区域についての丁合作業が終了すると、丁合完了音の鳴動により報知されるとともに、図26の(ハ)に示す区域カウンター画面96bが表示される。区域カウンター画面96bのモード欄38Sのタッチ操作により「実行数」が0にクリアされ、モード欄37Sのタッチ操作により「実行数」と「総数」がともに0にクリアされて、図24の(イ)と同様な区域カウンター画面96に戻る。」
(キ) 「【0096】
図27の(ハ)に示すように、エラー表示画面104は、図19の(イ)の通常カウンター画面89あるいは図24の(イ)の区域カウンター画面96を用いた丁合作業時、エラーが発生した際、画面が切換わって自動表示される。エラー表示画面104は、丁合機1の構造に模して表示されており、該当する棚番(01~22、折)が表示され、その棚番に該当するエラーランプの点滅(彩色した○印で示す)により、どの給紙棚のどの箇所でエラーが発生したか、瞬時に特定できるように配慮している。エラー表示画面104で表示されるエラー内容104a~104fは、6種類のエラーに大別して表示され、給紙ミス検知センサ-26、連段センサー33、ジャミング検知センサー34、ホッパー満載スイッチ66、スタートセンサーおよびタイミングセンサーといった各種のセンサーの入出力の有無と検知タイミングをもとに演算部29で検出され、各給紙棚7a-7k、8a-8k、7に対応する棚番(01~22、折)が表示され、その棚番毎に彩色灯により発生箇所が点滅表示される。」
(ク) 【図19】(ハ)の「通常カウンター画面」には、「折り込みを完了しました」との表示があることが看て取れる。
(ケ) 【図24】(二)の「区域カウンター画面」には、「セット完了、次の区域に移行します」との表示があることが看て取れる。
(コ) 【図26】(ハ)の「区域カウンター画面」には、「全区域完了しました」との表示があることが看て取れる。
上記(ア)ないし(コ)より、甲第5号証には次の発明(以下「甲5発明」という。)が記載されている。
「単一の操作表示部で使用条件を入力操作画面に一括して設定入力できる管理モニター付き丁合機であって、
丁合機に搬送昇降装置が付設され、ベルトコンベヤーおよび渡受け部を左右に有し、渡受け部には駆動柱部が立設され、ベルトコンベヤー上の折込みちらしセットは、その積載高さが所定(例えば15cm)になると、ホッパー満載スイッチが紙受部満載として検知し、丁合機の丁合動作を停止し、渡受け部に運び渡されて紙受台上に置かれ、紙受台が折込みちらしセットを載せたまま上方に移動させ、
メニュー画面で、「通常カウンター」モードを選択すると、通常カウンター画面が表示され、通常カウンター画面のモード欄を選択すると、通常カウンターの設定数入力画面が表示され、設定数入力画面で「設定数」の入力後に「決定」欄を選択すると、通常カウンター画面が表示され、この通常カウンター画面でスタート/ストップスイッチを投入すると、丁合作業が開始され、設定部数に折込みちらしセットの部数が達して折込みが終了すると、丁合作業を停止し、通常カウンター画面に、「折り込みを完了しました」と表示し、
メニュー画面で、「区域を設定する」モードを選択すると、区域設定画面が表示され、区域折込み枚数登録を実行することができ、各区域毎に折込みちらしセットの「設定数」欄を入力し、入力終了後は、区域設定画面の「終了」欄を選択すると、区域折込み枚数登録が終了し、メニュー画面に戻り、このメニュー画面で「区域カウンター」モードを選択し、区域カウンター画面のモード欄の選択により、所望の区域番号と入力済みの設定数が表示され、スタート/ストップスイッチを押すことにより、その区域の丁合作業が開始され、区域順に丁合作業を続け、区域に対する折込みちらしの丁合が終了すると、「セット完了、次の区域に移行します」との、その区域の丁合完了を示す区域カウンター画面が表示され、区域カウンター画面の「移行する」欄を選択すると、次の区域番号に移行し、折込みちらしの丁合作業を再開することができ、全区域についての丁合作業が終了すると、区域カウンター画面が表示され、区域カウンター画面に、「全区域完了しました」と表示し、
エラー表示画面では、丁合機の構造に模して表示されており、該当する棚番(01~22、折)が表示され、その棚番に該当するエラーランプの点滅(彩色した○印で示す)により、どの給紙棚のどの箇所でエラーが発生したか、瞬時に特定できるように配慮されており、給紙ミス検知センサ-、連段センサー、ジャミング検知センサー、ホッパー満載スイッチ、スタートセンサーおよびタイミングセンサーといった各種のセンサーの入出力の有無と検知タイミングをもとに演算部で検出され、各給紙棚に対応する棚番(01~22、折)が表示され、その棚番毎に彩色灯により発生箇所が点滅表示される、丁合機。」
(4)対比・判断
ア 取消理由通知に記載した取消理由について
(ア)本件発明1について
a 対比
本件発明1と甲1発明とを対比すると、甲1発明の「広告丁合機」は、複数種類の「広告」を「丁合」して「折込広告物」にして「折込広告物繰出し部から順次繰出」すものであることは自明であるから、本件発明1の「複数種類のチラシを丁合しチラシ束にして排出口から排出する」「コレーター」に相当する。
甲1発明の「所定量の厚みの折込広告物」は、「折込広告物繰出し部から順次繰出された折込広告物を蓄積し」たものであるから、本件発明1の「排出されたチラシ束が集積してなるチラシ束集積体」に相当する。
甲1発明の「横方向搬送用のベルトコンベヤ」は、「折込広告物操出し部の下方」にあり、「折込広告物」が「蓄積」されるものであるから、本件発明1の「排出口の下方で排出されたチラシ束を積載して」「貯留する」「積載棚」であって、「横方向移動用のベルトコンベヤ」に相当する。
甲1発明の「昇降板」は、「上昇」、「降下」するから、本件発明1の「上下方向に動作可能なリフト棚」に相当する。また、甲1発明の「昇降板」は、「ベルトコンベヤの搬送終端部に設けられた上下方向搬送用の昇降リフト」が備えるものであり、「ベルトコンベヤが所定厚みの折込広告物を昇降リフトの昇降板上に搬送」されるものであるから、「昇降板」は、「ベルトコンベヤの搬送終端部に一致するように」配置されていることは自明である。したがって、甲1発明の「昇降板」は、本件発明1の「ベルトコンベヤ」の「搬送終端部に一致するように」配置された「リフト棚」に相当する。
甲1発明の「所定高さ」は、その高さで「折込広告物を作業台へ持ち運」ぶから、本件発明1の「作業者が取出し作業を行う高さ」に相当する。
甲1発明の「ベルトコンベヤの搬送終端部に設けられ」、「昇降板が上昇して上昇限で停止して折込広告物を所定の高さ位置に上揚」する「昇降リフト」は、本件発明1の「所定量まで積み上げられたチラシ束集積体を上下方向に動作可能なリフト棚で作業者が取出し作業を行う高さの所定位置までリフトアップして支持するリフト手段」に相当する。
甲1発明の「広告丁合機」に「臨ませた」「ベルトコンベヤ」と「昇降リフト」からなる「広告丁合機の折込広告物運搬装置」は、本件発明1の「コレーターに付随して配置され」、「チラシ束集積体を所定高さ位置までリフトアップするチラシ束用リフト装置」に相当する。
以上より、本件発明1と甲1発明とは、以下の点で一致する。
(一致点)
「複数種類のチラシを丁合しチラシ束にして排出口から排出するコレーターに付随して配置され、排出されたチラシ束が集積してなるチラシ束集積体を所定高さ位置までリフトアップするチラシ束用リフト装置において、前記排出口の下方で排出されたチラシ束を積載して貯留する積載棚と、所定量まで積み上げられた前記チラシ束集積体を上下方向に動作可能なリフト棚で作業者が取出し作業を行う高さの所定位置までリフトアップして支持するリフト手段とを備え、
積載棚は横移動用のベルトコンベヤからなり、前記リフト手段は、前記ベルトコンベヤの搬送終端部に一致するようにリフト棚を配置した状態で有しているチラシ束用リフト装置。」
本件発明1と甲1発明とは、以下の点で相違している。
(相違点1)
本件発明1は、「丁合時に所定の給紙異常のあった不良品のチラシ束を自動的に良品とは上下方向に異なる位置の排出口から排出する振分け機能」を備え、「各排出口」の下方で排出されたチラシ束を積載して「各々貯留する複数の積載棚」と、「複数の積載棚のうち所定のもので」所定量まで積み上げられたチラシ集積体を上下方向に動作可能なリフト棚で作業者が取出し作業を行う高さの所定位置までリフトアップして支持するリフト手段を備え、「複数の積載棚は、上下方向に複数段並列配置」されており、リフト手段は「上下方向に並列した」ベルトコンベヤの「各」搬送終端部に一致するようにリフト棚を「上下方向に複数段並列配置した状態」で有しており、「複数段のリフト棚が同時又は異なるタイミングで作動するものとされ」、「異なる前記積載棚に積載された複数の前記チラシ束集積体のうち少なくとも前記不良品のチラシ束を含むものについては、それ以外のものとは異なるリフト棚で異なる高さの取り出し位置にリフトアップする」のに対し、甲1発明はそうではない点。
b 判断
上記相違点1について検討する。
甲2発明の「給紙エラーを生じた丁合セット」は、本件発明1の「丁合時に所定の給紙異常のあった不良品のチラシ束」に相当する。
甲2発明の「正常丁合セット」は、本件発明1の「良品」に相当する。
甲2発明では、「スタッカトレイとリジェクト収容部とは、上下方向に並列配置されて」おり、「各給紙エラー検知器からのエラー信号を受けて、給紙エラーを有する丁合セットをリジェクト収容部へ送るべく搬送路切替えゲートを切替える切替え信号を発生」し、「丁合済みセットをリジェクト収容部へ搬送するかスタッカトレイへ搬送するかを切り替え」るから、本件発明1の「丁合時に所定の給紙異常のあった不良品のチラシ束を自動的に良品とは上下方向に異なる位置の排出口から排出する振分け機能」を備えている。
甲2発明の「給紙エラーを生じた丁合セットを収容するリジェクト収容部」、「正常丁合セットを収容するスタッカトレイ」は、「スタッカトレイとリジェクト収容部とは、上下方向に並列配置されて」いるから、本件発明1の「上下方向に複数段並列配置した」「複数の積載棚」に相当する。
したがって、甲2発明は上記相違点に係る本件発明1の発明特定事項のうち、「丁合時に所定の給紙異常のあった不良品のチラシ束を自動的に良品とは上下方向に異なる位置の排出口から排出する振分け機能」、及び「各排出口」に「各々貯留する複数の積載棚」を有し、「複数の積載棚は上下方向に複数段並列配置」されている点を備えている。
してみると、甲1発明において、給紙異常のあった不良品のチラシ束が生じ得ることは自明であるから、甲1発明に対して、甲2発明に基づいて、「丁合時に所定の給紙異常のあった不良品のチラシ束を自動的に良品とは上下方向に異なる位置の排出口から排出する振分け機能」を採用することは、当業者が容易に想到し得たものである。
そして、甲1発明に甲2発明を適用すれば、良品及び給紙異常のあった不良品チラシ束は、2つの異なる排出口から排出され、貯留されることになる。甲1発明は貯留されたチラシ束を低位置から上方へ持ち上げて作業台へ移す労力、労苦を不要とし、折込広告物の運搬作業を省力化、能率化するものであるから、当然、良品及び給紙異常のあった不良品チラシ束のそれぞれの2つの排出口に対応して、上下方向に複数段並列配置したベルトコンベヤと、その搬送終端部に一致する位置に、上下方向に複数段並列配置したリフト棚を設け、良品の排出口及び給紙異常のあった不良品チラシ束それぞれを異なる取り出し位置にリフトアップすることとなる。その際に、リフト手段が不良品を含むチラシ束の取り出し位置とそれ以外の物の取り出し位置とを異なる高さとすることは、当業者が適宜選択できる設計的事項であるといえる。また、複数段のリフト棚を作動する際には、同時又は異なるタイミングのいずれかで作動することは当然である。
したがって、上記相違点1に係る発明特定事項は、甲1発明及び甲2発明に基づいて、当業者が容易に想到し得たものである。
本件発明1の発明特定事項全体が奏する効果について見ても、甲1発明及び甲2発明から予想し得る範囲のものである。
c 小括
よって、本件発明1は、甲1発明及び甲2発明に基づいて、当業者が容易に発明をすることができたものである。
(イ)本件発明3について
a 対比
本件発明3と甲1発明とを対比すると、上記の一致点と同じ点で一致し、上記相違点1に加えて以下の点で相違する。
(相違点2)
本件発明3は「コレーターから作業結果のデータが入力されるプリンターを備えており、異なる排出口から排出され異なる位置に積み上げた複数のチラシ束集積体のうち所定のものについて、該チラシ束集積体を構成しているチラシ束の前記作業結果に関する所定の情報を表示した作業情報シートを、所定のタイミングで自動的にプリントアウトする設定が可能とされている」のに対し、甲1発明は「プリンター」を備えておらず、「異なる排出口から排出され異なる位置に積み上げた複数のチラシ束集積体のうち所定のものについて、該チラシ束集積体を構成しているチラシ束の前記作業結果に関する所定の情報を表示した作業情報シートを、所定のタイミングで自動的にプリントアウトする設定が可能とされて」いない点。
b 判断
上記相違点1については、すでに述べたとおり、甲1発明及び甲2発明に基づいて、当業者が容易に想到し得たものである。
次に、上記相違点2について検討する。
甲3発明の「丁合装置」は、本件発明3の「コレーター」に相当する。
甲3発明では、「丁合装置」が「その給紙エラーが生じたエラーセットを特定するエラー番号、給紙エラーが生じた給紙トレイの給紙トレイ情報、および各々の給紙トレイにおける給紙エラーの内容」のデータを「プリンタ」に入力していることは自明であるから、本件発明3の「コレーターから作業結果のデータが入力されるプリンター」を備えている。
甲3発明の「その給紙エラーが生じたエラーセットを特定するエラー番号、給紙エラーが生じた給紙トレイの給紙トレイ情報、および各々の給紙トレイにおける給紙エラーの内容を表す画像を用紙に記録し」た「エラー情報シート」は、本件発明3の「チラシ束集積体を構成しているチラシ束の作業結果に関する所定の情報を表示した作業情報シート」に相当する。
甲3発明の「いずれかの給紙トレイで給紙エラーが検知された場合」に、「エラーセットの上にそのエラー情報シートを含ませる」ように「エラー情報シートを作成」することは、本件発明3の「作業情報シートを、所定のタイミングで自動的にプリントアウトする設定が可能とされている」ことに相当する。
したがって、甲3発明は、上記相違点2に係る本件発明3の発明特定事項のうち「コレーターから作業結果のデータが入力されるプリンターを備えており」、「チラシ束集積体を構成しているチラシ束の前記作業結果に関する所定の情報を表示した作業情報シートを、所定のタイミングで自動的にプリントアウトする設定が可能とされている」ことを備えている。
してみると、甲1発明においてもエラーセットが生じ得ることは自明であることから、甲1発明に対して、甲3発明を適用することは、当業者であれば容易に想到し得たものである。
そして、甲1発明において、甲2発明の「丁合時に所定の給紙異常のあった不良品のチラシ束を自動的に良品とは異なる排出口から排出する振分け機能」を採用すれば、「異なる排出口から排出され異なる位置に積み上げた複数のチラシ束集積体」ができることとなるが、その際には必然的にエラーセットの「チラシ束集積体」に「エラー情報シートを含ませる」こととなるから、「異なる排出口から排出され異なる位置に積み上げた複数のチラシ束集積体のうち所定のものについて、該チラシ束集積体を構成しているチラシ束の前記作業結果に関する所定の情報を表示した作業情報シートを、所定のタイミングで自動的にプリントアウトする」こととなる。
したがって、上記相違点2に係る本件発明3の発明特定事項は、甲1発明ないし甲3発明に基づいて、当業者が容易に想到し得たものである。
また、本件発明3の発明特定事項全体が奏する効果について見ても、甲1発明ないし甲3発明から予想し得る範囲のものである。
c 小括
よって、本件発明3は、甲1発明ないし甲3発明に基づいて、当業者が容易に発明をすることができたものである。
(ウ)請求項2及び4について
請求項2及び4に係る特許は、訂正により削除されたため、本件特許の請求項2及び4に対して特許異議申立人がした特許異議の申立てについては、対象となる請求項が存在しない。
イ 取消理由通知において採用しなかった特許異議申立理由について
(ア)本件発明5について
a 対比
本件発明5と甲1発明とを対比すると、上記の一致点と同じ点で一致し、上記相違点2に加えて以下の点で相違する。
(相違点3)
本件発明5は、「丁合時に所定の給紙異常のあった不良品のチラシ束を自動的に良品とは異なる排出口から排出する振分け機能」を備え、「各排出口」の下方で排出されたチラシ束を積載して「各々貯留する複数の積載棚」と、「複数の積載棚のうち所定のもので」所定量まで積み上げられたチラシ集積体を上下方向に動作可能なリフト棚で作業者が取出し作業を行う高さの所定位置までリフトアップして支持するリフト手段を備えているのに対し、甲1発明はそうではない点。
(相違点4)
本件発明5は「プリントアウト」される「チラシ束集積体を構成しているチラシ束の作業結果に関する所定の情報を表示した作業情報シート」の、「前記情報には、チラシ束集積体を構成しているチラシ束でチラシの過不足を伴う所定の給紙異常があった場合に、該給紙異常の内容と該給紙異常に係る過不足のあるチラシ束を作業者が特定可能とする情報が少なくとも含まれており、前記チラシ束を特定可能とする情報として、前記チラシ束集積体を構成しているチラシ束の部数及び前記過不足のあるチラシ束が前記チラシ束集積体の上又は下から数えて何番目にあるかを前記作業情報シートに表示させる設定が可能とされているとともに、前記過不足を伴う給紙異常の種類を該給紙異常に係るチラシ束の積載順に前記作業情報シートに表示させる設定が可能とされており、且つ、前記過不足のあるチラシ束について、前記過不足に係るチラシを積載していた棚の番号又は/及び前記チラシの名称、前記過不足が過剰であるか不足であるか、前記不足の場合のチラシの合計不足枚数、のうちいずれか又はこれらの組み合わせを前記作業情報シートに表示させる設定が可能とされている」のに対し、甲1発明はこれについて特定していない点。
b 判断
相違点2については、すでに述べたとおりである。
相違点3について検討する。相違点3に係る本件発明5の発明特定事項は、すべて相違点1に係る本件発明1の発明特定事項に含まれるものである。そして、すでに述べたとおり、相違点1に係る本件発明1の発明特定事項は甲1発明及び甲2発明から当業者が容易に想到し得たものであるから、相違点3に係る本件発明5の発明特定事項ついても、甲1発明及び甲2発明から当業者が容易に想到し得たものである。
相違点4について検討すると、甲2ないし甲5発明は、いずれも「チラシ束集積体を構成しているチラシ束の部数及び過不足のあるチラシ束が前記チラシ束集積体の上又は下から数えて何番目にあるかを作業情報シートに表示させる設定が可能とされているとともに、前記過不足を伴う給紙異常の種類を該給紙異常に係るチラシ束の積載順に前記作業情報シートに表示させる設定が可能とされており、且つ、前記過不足のあるチラシ束について、前記過不足に係るチラシを積載していた棚の番号又は/及び前記チラシの名称、前記過不足が過剰であるか不足であるか、前記不足の場合のチラシの合計不足枚数、のうちいずれか又はこれらの組み合わせを前記作業情報シートに表示させる設定が可能とされている」という発明特定事項を備えていない。また、当該発明特定事項が、当業者にとって単なる設計事項であるということもできない。
c 小括
よって、本件発明5は、甲1ないし5発明に基づいて、当業者が容易に発明をすることができたとはいえない。
(イ)本件発明6について
a 対比
本件発明6と甲1発明とを対比すると、上記の一致点と同じ点で一致し、相違点2及び3に加えて以下の点で相違する。
(相違点5)
本件発明6は「過不足のあるチラシ束に含まれるチラシの合計不足枚数を作業者の手動操作でプリントアウト可能とされており、その集計範囲を、前記手動操作が折込作業開始後の初回であれば開始からその操作まで、2回目以降であれば前回から今回まで、とすることができ、その間に排出された前記過不足のあるチラシ束に含まれるチラシの合計不足枚数を、不足したチラシの棚番号又は/及びチラシ名と対応したものとしながら、前回の操作がいつの操作であるかを認識可能な形式にして、手動操作で前記作業情報シートをプリントアウトさせることが可能とされている」のに対し、甲1発明はこれについて特定していない点。
b 判断
相違点2、3については、すでに述べたとおりである。
相違点5について検討すると、甲2ないし甲5発明は、いずれも「過不足のあるチラシ束に含まれるチラシの合計不足枚数」を「プリントアウト可能」とするという発明特定事項、及び「その集計範囲を、前記手動操作が折込作業開始後の初回であれば開始からその操作まで、2回目以降であれば前回から今回まで、とすることができ、その間に排出された前記過不足のあるチラシ束に含まれるチラシの合計不足枚数を、不足したチラシの棚番号又は/及びチラシ名と対応したものとしながら、前回の操作がいつの操作であるかを認識可能な形式にして、手動操作で前記作業情報シートをプリントアウトさせること」という発明特定事項を備えていない。また、当該発明特定事項が、当業者にとって単なる設計事項であるということもできない。
c 小括
よって、本件発明6は、甲1ないし5発明に基づいて、当業者が容易に発明をすることができたとはいえない。
(ウ)本件発明7について
a 対比
本件発明7と甲1発明とを対比すると、上記の一致点と同じ点で一致し、上記相違点2及び3に加えて以下の点で相違する。
(相違点6)
本件発明7は「コレーターの折込区域毎の折込作業完了による停止、又は前記折込区域内を細分化して停止までの部数を設定したことによる停止、又は特定の棚からの給紙停止が生じた場合に、それまでに積載された前記チラシ束集積体を手動又は自動でリフトアップさせる設定が可能であるとともに、前記停止の原因についての情報を表示した前記作業情報シートを自動プリントアウトする設定が可能とされている」のに対し、甲1発明はこれについて特定していない点。
b 判断
相違点2、3については、すでに述べたとおりである。
相違点6について検討すると、甲2ないし甲5発明は、いずれも「停止の原因についての情報を表示した前記作業情報シートを自動プリントアウトする設定が可能とされている」点を備えていない。また、当該発明特定事項が、当業者にとって単なる設計事項であるということもできない。
c 小括
よって、本件発明7は、甲1ないし5発明に基づいて、当業者が容易に発明をすることができたとはいえない。
4.むすび
以上のとおり、本件発明1は甲1発明及び甲2発明に基づいて当業者が容易に発明をすることができたものであるから、本件発明1の特許は特許法第29条第2項の規定に違反してされたものである。また、本件発明3は甲1発明ないし甲3発明に基づいて当業者が容易に発明をすることができたものであるから、本件発明3の特許は特許法第29条第2項の規定に違反してされたものである。
したがって、本件発明1及び3の特許は、特許法第113条第2号に該当し、取り消されるべきものである。
また、特許異議申立ての理由及び証拠によっては、本件発明5ないし7に係る特許を取り消すことはできない。
請求項2及び4に係る特許は、訂正により削除されたため、本件特許の請求項2及び4に対して特許異議申立人がした特許異議の申立てについては、対象となる請求項が存在しない。
よって、結論のとおり決定する。
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2016-700535