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特許拒絶査定不服審判

2016-019199

実時間データを提供するためのシステムおよび方法

審判番号
2016-019199
法域
特許
審判種別
拒絶査定不服審判(拒絶査定不服の審決)
出願番号
特願2012-533444外部サイト(J-PlatPat)へ移動します
請求日
2016年12月22日
審決日
2017年08月28日
公報発行日
2017年10月27日
結論
原査定取消(特許/登録すべき)
審判長/審判官
分類
P18 .121-WY (G06F)
条文(本文から自動抽出・参考)
特許法第29条第2項
データ出所
審決公報(SGML)

事件の表示

特願2012-533444「実時間データを提供するためのシステムおよび方法」拒絶査定不服審判事件〔平成23年 4月21日国際公開、WO2011/044686、平成25年 4月25日国内公表、特表2013-514563、請求項の数(21)〕について、次のとおり審決する。

結論

【結 論】 原査定を取り消す。 本願の発明は、特許すべきものとする。

理由

【理 由】 第1 手続の経緯 本願は,2010年10月15日(パリ条約による優先権主張2009年10月16日 米国,2010年10月15日 米国)を国際出願日とする出願であって,平成26年10月6日付けで拒絶理由が通知され,平成27年4月9日に意見書と手続補正書が提出され,平成27年11月24日付けで拒絶理由が通知され,平成28年5月30日に意見書と手続補正書が提出され,平成28年8月25日付けで拒絶査定がなされ,これに対し,平成28年12月22日に拒絶査定に対する審判請求がなされるとともに手続補正書が提出されたものである。 第2 原査定の概要 原査定(平成28年8月25日付け拒絶査定)の概要は次のとおりである。 (進歩性)この出願の下記の請求項に係る発明は,その出願前に日本国内又は外国において,頒布された下記の刊行物に記載された発明又は電気通信回線を通じて公衆に利用可能となった発明に基いて,その出願前にその発明の属する技術の分野における通常の知識を有する者(以下,「当業者という。」)が容易に発明をすることができたものであるから,特許法第29条第2項の規定により特許を受けることができない。 記   (引用文献等については引用文献等一覧参照) ・請求項   1-21 ・引用文献等 1-3 <引用文献等一覧> 1.特開2007-299392号公報 2.特表2005-519409号公報 3.特開2000-90128号公報 第3 本願発明 本願請求項1-21に係る発明(以下,それぞれ「本願発明1」-「本願発明21」という。)は,平成28年12月22日に提出された手続補正書による手続補正で補正された特許請求の範囲の請求項1-21に記載された事項により特定される発明であり,以下のとおりの発明である。 「 【請求項1】 リッチインターネットアプリケーション(RIA)に実時間データを提供するコンピュータ実装方法であって,前記方法は,コンピュータに, データの発信元であるデータソースからデータを提供することと, 前記データソースからサーバにデータを伝搬することと, 前記サーバでデータを収集することであって,収集されたデータは,少なくとも前記データソースから伝搬されたデータを含むことと, 前記サーバから前記RIAへの第1持続接続を作り出すことと, 登録されたデータに前記RIAを登録することであって,前記登録されたデータは,前記サーバで収集されたデータの少なくとも一部を含み,前記サーバは,前記データソースで前記データに変更が生じる際に,前記第1持続接続を介して前記登録されたデータを前記RIAに伝搬することと, 前記RIAでデータを生成することと, 前記RIAから前記サーバへの第2持続接続を作り出すことと, 前記第2持続接続を介して前記RIAから前記サーバに,前記RIAで生成されたデータを伝搬することと, を実行させることを含む,方法。 【請求項2】 前記第1持続接続および前記第2持続接続は1つの接続から成る,請求項1に記載の方法。 【請求項3】 前記データソースおよび前記サーバは,少なくとも1つのコンポーネントから成る,請求項1または2に記載の方法。 【請求項4】 前記データは,少なくとも1つの媒介物を介して伝搬され,前記媒介物は,ソフトウェアコンポーネント,ハードウェアコンポーネント,およびネットワークを含む群から選択される,請求項1乃至3のいずれか一項に記載の方法。 【請求項5】 データ項目が登録に基づいて前記RIAと前記サーバとの間で伝搬され,前記データ項目は前記データ項目の変化に応じて直ちに伝搬される,請求項1乃至4のいずれか一項に記載の方法。 【請求項6】 伝搬されるデータは,数値データ,非数値データ,構成設定および実行可能コマンドを含む群から選択される,請求項1乃至5のいずれか一項に記載の方法。 【請求項7】 前記RIAは,前記データに基づいてアクションを行い,前記アクションは,ユーザディスプレイの視覚表示の変更,計算,新規データの生成,既存データの変更,データの格納,可聴表示,スクリプトの実行,新規データの前記サーバへの伝搬,ユーザ可視なプログラミングの応答,およびユーザ不可視なプログラミングの応答を含む群から選択される,請求項1乃至6のいずれか一項に記載の方法。 【請求項8】 前記RIAで生成されたデータは,前記サーバ内のデータの変更,前記サーバに接続されたデータシンクへの前記データの伝搬,スクリプトの実行,ファイルシステムへの前記データの格納,新規データの作成,前記サーバに接続されたデータシンクへの新規データの伝搬,サーバ構成の変更,サーバ動作の変更,ユーザ可視なプログラミングの応答,およびユーザ不可視なプログラミングの応答を含む群から選択されるアクションを行うよう前記サーバに指示する,請求項1乃至7のいずれか一項に記載の方法。 【請求項9】 前記第1持続接続は,TCP/IP接続および前記サーバによりサポートされた少なくとも1つのデータフォーマットを実装するアプリケーション・プログラミング・インターフェース,直接のTCP/IP接続,HTTPおよびHTTPSを含む群から選択されるプロトコルを含む,請求項1乃至8のいずれか一項に記載の方法。 【請求項10】 前記RIAで生成されたデータは,ユーザの相互作用,タイマーイベント,前記サーバに由来するデータ変更への応答,またはユーザにより生成されない別のイベントの結果として生成される,請求項1乃至9のいずれか一項に記載の方法。 【請求項11】 前記方法は,前記コンピュータに,前記データソースのデータプロトコルを,前記RIAにより処理することができるプロトコルに変換することを実行させることをさらに含む,請求項1乃至10のいずれか一項に記載の方法。 【請求項12】 リッチインターネットアプリケーション(RIA)に実時間データを提供するためのコンピュータシステムであって,前記システムは, プロセッサと, 入力手段と, ディスプレイと, データの発信元である少なくとも1つのデータソースであって,前記データソースは,前記データソースからサーバへ前記データを伝搬するように配置される,データソースと, 少なくとも前記少なくとも1つのデータソースから伝搬されたデータを含むデータを収集するためのデータ収集コンポーネント,および少なくとも1つのデータクライアントにデータを放出するためのデータ放出コンポーネントを備える少なくとも1つのサーバと, 少なくとも1つのRIAであって,前記RIAは, 前記サーバから前記RIAへの第1持続接続を作り出すことと, 前記サーバで収集されたデータの少なくとも一部を含む登録されたデータに前記RIAを登録することと, 前記データソースで前記データに変更が生じる際に,前記第1持続接続を介して前記サーバから伝搬される登録されたデータを受信することと, データを生成することと, 前記RIAから前記サーバへの第2持続接続を作り出すことと, 前記第2持続接続を介して前記サーバに,前記RIAで生成されたデータを伝搬することと, を行うように構成され, 前記少なくとも1つのRIAは,前記少なくとも1つのデータクライアントのうち1つである,RIAと, を備える,システム。 【請求項13】 前記少なくとも1つのサーバが,前記データ放出コンポーネントによる放出のために前記データ収集コンポーネントにより収集されたデータのフォームを変更するためのデータ変更コンポーネントをさらに備える,請求項12に記載のシステム。 【請求項14】 前記少なくとも1つのサーバが,前記データ放出コンポーネントによる放出のために前記データ収集コンポーネントにより収集されたデータのフォームを変更するためのデータ変更コンポーネントと,ユーザインターフェースと,プログラム可能なアクションを行うためのスクリプト言語コンポーネントと,HTTPリクエストを受入れるためのHTTPコンポーネントと,任意のローカルまたはネットワークでアクセス可能なコンピュータ上で前記サーバの別の実行中のインスタンスとデータを交換および同期させるための同期コンポーネントと,データが収集される速度を限定するための第1調整コンポーネントと,データが放出される速度を限定するための第2調整コンポーネントと,他のサーバへの接続性が失われたことを検出し,接続性が再び取り戻される場合に前記他のサーバに再接続するための接続性コンポーネントと,同一または類似する情報の複数の他のサーバのうち1つ以上がアクセス不能である場合に前記他のサーバのうちいずれかからのデータを収集するために,前記他のサーバと重複して接続する重複コンポーネントと,複数のデータソースにあるデータを移動させるための橋渡し用コンポーネントとから成る群から選択される少なくとも1つのコンポーネントをさらに備える,請求項12または13に記載のシステム。 【請求項15】 前記第1持続接続は,TCP/IP接続および前記サーバによりサポートされた少なくとも1つのデータフォーマットを実装するアプリケーション・プログラミング・インターフェース,直接のTCP/IP接続,HTTPおよびHTTPSを含む群から選択されるプロトコルを含む,請求項12乃至14のいずれか一項に記載のシステム。 【請求項16】 前記第1持続接続および前記第2持続接続は1つの接続から成る,請求項12乃至15のいずれか一項に記載のシステム。 【請求項17】 前記RIAは,前記データを表現するグラフィック描写を提示するようにさらに構成され,前記グラフィック描写は少なくとも1つのグラフィック要素を含み,前記少なくとも1つのグラフィック要素はカスタム化されたグラフィック要素であり,前記カスタム化されたグラフィック要素はプログラマによりカスタマイズ可能であり,前記カスタム化は前記RIAに実装されたアプリケーションに対する変更を伴わない,請求項12乃至16のいずれか一項に記載のシステム。 【請求項18】 前記RIAは,ユーザの相互作用,タイマーイベント,前記サーバに由来するデータ変更への応答,またはユーザにより生成されない別のイベントの結果としてデータを生成するように構成される,請求項12乃至17のいずれか一項に記載のシステム。 【請求項19】 前記RIAが,前記データソースのデータプロトコルを,前記RIAにより処理することができるプロトコルに変換するようにさらに構成される,請求項12乃至18のいずれか一項に記載のシステム。 【請求項20】 1つ以上のコンピュータで実行される場合に,リッチインターネットアプリケーション(RIA)に実時間データを提供する方法を前記コンピュータに行わせる指示を記憶するコンピュータ読み取り可能な記憶媒体であって,前記方法は, データの発信元であるデータソースからデータを提供することと, 前記データソースからサーバにデータを伝搬することと, 前記サーバでデータを収集することであって,収集されたデータは,少なくとも前記データソースから伝搬されたデータを含むことと, 前記サーバから前記RIAへの第1持続接続を作り出すことと, 登録されたデータに前記RIAを登録することであって,前記登録されたデータは,前記サーバで収集されたデータの少なくとも一部を含み,前記サーバは,前記データソースで前記データに変更が生じる際に,前記第1持続接続を介して前記登録されたデータを前記RIAに伝搬することと, 前記RIAでデータを生成することと, 前記RIAから前記サーバへの第2持続接続を作り出すことと, 前記第2持続接続を介して前記RIAから前記サーバに,前記RIAで生成されたデータを伝搬することと, を含む,記憶媒体。 【請求項21】 前記方法が,前記データソースのデータプロトコルを,前記RIAにより処理することができるプロトコルに変換することをさらに含む,請求項20に記載の記憶媒体。」 第4 引用発明,引用文献等 1.引用文献1 原査定の拒絶の理由に引用された引用文献1には,図面とともに次の事項が記載されている(下線は重要箇所に対して当審が付した。以下,同様。)。 ア.「【0020】 (好ましい実施形態の説明) ここで,図1を参照する。クライアントアプリケーションに動的コンテンツを配信するジェネリックなプッシュシステムが示される。図1のシステムは,簡略化されたシステムであり,動的コンテンツ配信アーキテクチャ内にあることを必要とするロジカルコンポーネントを示す。しかしながら,当業者には,他のコンポーネントが存在し得ること,あるいは,様々なコンポーネントが一緒にグループ化され得ることが理解される。 【0021】 アーキテクチャ100は,コンテンツプロバイダ110を含む。コンテンツプロバイダ110は,コンテンツプロバイダ110に契約しているユーザに動的コンテンツを提供するようにアレンジされる。実施例は,例えば,本を販売するウェブサイトを含み得る。ユーザは,コンテンツプロバイダ110と契約して,特定のジャンルの新刊本のリストを入手し得る。他の実施例は,とりわけ,定期的にユーザへヘッドラインを提供し得るニュースサイト,一日の所定の期間の間,ユーザに最新の交通情報を提供し得る交通サイト,最新の株価または為替レートを提供し得る株式市場サイトを含み得る。 【0022】 以下に,より詳細に説明されるように,サービスプロバイダのクライアントが,コンテンツプロバイダ110からコンテンツを受信できるようにするために,コンテンツプロバイダ110は,サービスプロバイダ120と契約する。サービスプロバイダ120は,プッシュプロキシ122を含み,このプッシュプロキシ122は,クライアントまたはクライアントアプリケーションに対するプロキシとして機能し,コンテンツプロバイダ110にコンテンツを送信する目的地を提供する。 【0023】 サービスプロバイダ120は,移動デバイスに位置するプッシュクライアント140と,無線ネットワーク130を介して通信する。プッシュクライアント140は,以下に,より詳細に説明される。プッシュクライアント140は,コンテンツプロバイダ110から配信されるコンテンツを受信し,クライアントアプリケーション150と,コンテンツを通信し得,そのクライアントアプリケーション150は,最終的にコンテンツを消費する。」 イ.「【0047】 据え置き検索・メッセージストアブロック452は,コンテンツまたはそのコンテンツの一部をクライアントアプリケーションに配信することが効率的でないときに,使用される。据え置き検索・メッセージストアブロック452は,クライアントに配信されないコンテンツを,そのコンテンツを送信するのが効率的になるまで,あるいは,そのコンテンツがクライアントによって引き出されるまで,格納するために使用され得る。据え置き検索・メッセージストアは,また,補助コンテンツをキャッシュ化するためにも使用され得る。この補助コンテンツは,既に配信されたコンテンツを介するクライアントアプリケーションナビゲーションに依存するクライアントに随意に送信され得るか,あるいは,そのクライアントによって引き出され得る 据え置き検索メッセージストアブロック452の目的は,図19および図21を参照して,以下に,より良く説明される。一例として,据え置き検索メッセージストアブロック452は,ユーザが,ユーザのロケーションの近くにあるレストランなどのロケーション情報をリクエストした場合に使用され得る。コンテンツプロバイダまたはサービスプロバイダは,情報を提供するモデルを有し得る。このとき,広告主は,お金を払って,自分たちの情報をサーチリクエストに追加し得る。したがって,あるロケーションに対するレストラン情報をリクエストしているユーザは,自分がリクエストしている自分のロケーションの近くに,商店,ゴルフコース,体育館または他のサービスに関する情報を有し得る。コンテンツプロバイダは,リクエストされたレストラン情報に追加情報を束ねて,これらの情報をプッシュプロキシ410にパスする。 【0048】 プッシュプロキシ410は,提供されたメタデータに基づいて,コンテンツパッケージを生成し,クライアントに送信する。コンテンツパッケージには,クライアントによってリクエストされた情報,およびユーザが関心を有し得る関連情報のダイジェストまたは概要が含まれ得る。概要は,ユーザに送信されるが,据え置き検索・メッセージストアブロック452は,コンテンツプロバイダ110から受信された実際のデータを格納する。こうして,将来,ユーザが,そのダイジェスト内にある情報に関するより詳細な情報を入手したいと思った場合,この情報は,プッシュプロキシ410に既に格納されている。」 ウ.「【0056】 コンテンツ満了・置換ブロック466は,2つの目的で使用される。第一に,このブロックは,加入をモニタするために使用され得る。各加入には,満了時があり,この満了時に達したときに,加入は終了し得る。 【0057】 また,コンテンツ満了・置換ブロック466は,情報をモニタするためにも使用され得る。ある種のコンテンツには,その情報の有効期限がある。例えば,ラッシュ時の交通をモニタするために使用される交通アプリケーションは,非常に時間依存性がある。何らかの理由で,プッシュプロキシ410は,移動デバイスにコンテンツを即座に配信できない場合,このコンテンツは,将来の配信のために,コンテンツストレージ480の中に格納される。しかしながら,コンテンツが所定の特定期間内に配信されない場合,このコンテンツは満了し得,全く配信され得ない。 【0058】 同様に,コンテンツ置換は,情報が更新される状況で扱われる。例えば,株価を受信するクライアントアプリケーションは,最新の株価を欲するのみであり得る。したがって,プッシュプロキシ410は,株価をプッシュクライアント140に配信できず,引き続く株価がコンテンツプロバイダ110から受信される場合,引き続く株価の中にあるメタデータが,以前の株価に置換されて使用されるべきであることを指示し得る。格納された情報の置換は,配信待ち行列に全ての情報を加えるより,コンテンツストレージ480内の空間を開放する。」 エ.「【0182】 さらに理解されるように,ユーザは,常にコンテンツがプルされるようにリクエストし得る。したがって,ユーザのリクエスト1940は,コンテンツプルブローカ554をトリガして,据え置き検索メッセージストア452からデータをプルするために使用され得る。」 オ.「【0195】 図22は,本出願の装置および方法の好ましい実施形態で使用されることの多い移動局を示すブロック図である。移動局2200は,少なくとも音声およびデータ通信能力を有する双方向通信デバイスであることが好ましい。移動局2200は,インターネット上の他のコンピュータシステムとの通信能力があることが好ましい。提供される正確な機能性に依存して,この無線機器は,例えば,データメッセージングデバイス,双方向ページャ,データメッセージング能力を有する携帯電話,無線インターネット機器,あるいは,データ通信装置を意味し得る。」 上記引用文献1の記載及び図面ならびにこの分野における技術常識を考慮すると,引用文献1には次の発明(以下,「引用発明」という。)が記載されていると認められる。 「クライアントアプリケーションに動的コンテンツを配信する方法であって, コンテンツプロバイダ110は,コンテンツプロバイダ110に契約しているユーザに動的コンテンツを提供するようにアレンジされ, ユーザは,コンテンツプロバイダ110と契約して,特定のジャンルの新刊本のリストを入手し得,他の実施例は,とりわけ,定期的にユーザへヘッドラインを提供し得るニュースサイト,一日の所定の期間の間,ユーザに最新の交通情報を提供し得る交通サイト,最新の株価または為替レートを提供し得る株式市場サイトを含み得, サービスプロバイダのクライアントが,コンテンツプロバイダ110からコンテンツを受信できるようにするために,コンテンツプロバイダ110は,サービスプロバイダ120と契約し, サービスプロバイダ120は,プッシュプロキシ122を含み,このプッシュプロキシ122は,クライアントまたはクライアントアプリケーションに対するプロキシとして機能し,コンテンツプロバイダ110にコンテンツを送信する目的地を提供し,据え置き検索・メッセージストアブロック452は,クライアントに配信されないコンテンツを,そのコンテンツを送信するのが効率的になるまで,あるいは,そのコンテンツがクライアントによって引き出されるまで,格納するために使用され得, サービスプロバイダ120は,移動デバイスに位置するプッシュクライアント140と,無線ネットワーク130を介して通信し, プッシュクライアント140は,コンテンツプロバイダ110から配信されるコンテンツを受信し,クライアントアプリケーション150と,コンテンツを通信し得,そのクライアントアプリケーション150は,最終的にコンテンツを消費し, 移動局2200は,少なくとも音声およびデータ通信能力を有する双方向通信デバイスであり, ユーザは,常にコンテンツがプルされるようにリクエストし得,したがって,ユーザのリクエスト1940は,コンテンツプルブローカ554をトリガして,据え置き検索メッセージストア452からデータをプルするために使用され得る,方法。」 2.引用文献2 原査定の拒絶の理由に引用された引用文献2には,図面とともに次の事項が記載されている。 ア.「【0043】 ウェブサーバ188を参照すると,ウェブエンジンプラグイン185が,セッションマネージャ220,オブジェクトマネージャサーバ107,及び残りのクライアント/サーバシステム100と通信を行うために,マイクロソフト社のインターネットインフォメーションサーバ(IIS)のようなオフザシェルフ型のウェブサーバを機能的に用いる。セッションモード通信サーバ110は非同期のメッセージを発し,オブジェクトマネージャサーバ107を用いることで処理を実行しウェブサーバ188へと非同期のメッセージをプッシュするのに用いられる。ウェブエンジンプラグイン185は,永続的HTTP接続131を介してウェブブラウザクライアント104Aへとウェブサーバ188より非同期のメッセージをプッシュする。ウェブサーバ188に非同期のメッセージのプッシュを実行させることによって,ウェブブラウザクライアント104Aによって示されているユーザインタフェースが制御される。」 イ.「【0056】 業者は,ウェブサーバ188を介してウェブページにアクセスし,またログイン情報を完了させることで,クライアント/システム100へとログインする。様々な接続がログインに応答して確立される。ユーザログイン時,セッションマネージャ220がアクティブ接続135Aを確立させる。通信クライアントサービス160がセッションモード通信サーバ110への接続を要求するとき,サービスリクエストブローカー230及びサービスリクエスト層235A及び235Bが,アクティブ接続135Bを確立させる。セッションモード通信サーバ110に対する接続が確立されると,Java(登録商標)アプレット116が,ウェブブラウザクライアント104A及びウェブサーバ188の間の永続(persistent)HTTP接続131を確立させる。或る実施例では,永続HTTP接続131はウェブサーバ188よりのJava(登録商標)アプレット116へ向かう物理的な双方向ソケット接続である。永続HTTP接続131はウェブブラウザクライアント104A専用であって,ウェブサーバ188がウェブブラウザクライアント104Aに対して随時非同期メッセージを送信可能であるようにする。図4で示されているような実施例に於いてそれら接続は非同期メッセージがプッシュされるようにするが,アクティブ接続135Bは本願で必要とはされていない。」 上記引用文献2の記載及び図面ならびにこの分野における技術常識を考慮すると,引用文献2には次の技術的事項(以下,「引用文献2記載の技術的事項」という。)が記載されていると認められる。 「ウェブエンジンプラグインは,永続的HTTP接続を介してウェブブラウザクライアントへとウェブサーバより非同期のメッセージをプッシュすること」 3.引用文献3 原査定の拒絶の理由に引用された引用文献3には,図面とともに次の事項が記載されている。 ア.「【0011】 【発明の実施の形態】請求項に係る発明について,その実施の形態を図面を参照しながら説明する。本発明に係る情報配信システムは,各クライアントにおいて任意の情報項目が表示対象として選択された時に,サーバに対して当該情報項目の登録要求を行い,サーバは,登録要求に従って登録した情報項目の情報が更新された時に,登録されたクライアントに対して情報受信の通知を行い,クライアントが当該情報項目を表示中の場合のみサーバからクライアントに受信情報を配信するものなので,受信情報をリアルタイムに,且つその時点で必要としているクライアントに対してのみ伝送することによって,無駄なトラフィックを削減して効率よく更新データを配信できるものである。」 上記引用文献3の記載及び図面ならびにこの分野における技術常識を考慮すると,引用文献3には次の技術的事項(以下,「引用文献3記載の技術的事項」という。)が記載されていると認められる。 「各クライアントにおいて任意の情報項目が表示対象として選択された時に,サーバに対して当該情報項目の登録要求を行い,サーバは,登録要求に従って登録した情報項目の情報が更新された時に,登録されたクライアントに対して情報受信の通知を行い,クライアントが当該情報項目を表示中の場合のみサーバからクライアントに受信情報を配信すること」 第5 対比・判断 1.本願発明1について (1)対比 本願発明1と引用発明とを対比すると,次のことがいえる。 a 引用発明の「クライアントアプリケーション」と本願発明1の「リッチインターネットアプリケーション(RIA)」は,「アプリケーション」の点で共通する。 b 引用発明の「特定のジャンルの新刊本のリスト」,「(ニュースサイトの)ヘッドライン」,「最新の交通情報」,「最新の株価または為替レート」等は,本願発明1の「実時間データ」に相当する。 c 引用発明の「コンテンツプロバイダ110」,「サービスプロバイダ120」は,それぞれ,本願発明1の「データソース」,「サーバ」に相当する。 d 引用発明の「方法」が「コンピュータ実装方法」であることは当業者にとり明らかである。 したがって,本願発明1と引用発明との間には,次の一致点,相違点があるといえる。 (一致点) 「アプリケーションに実時間データを提供するコンピュータ実装方法であって,前記方法は,コンピュータに, データの発信元であるデータソースからデータを提供することと, 前記データソースからサーバにデータを伝搬することと, 前記サーバでデータを収集することであって,収集されたデータは,少なくとも前記データソースから伝搬されたデータを含むことと, を実行させることを含む,方法。」 (相違点1) 一致点の「アプリケーション」が, 本願発明1では「リッチインターネットアプリケーション(RIA)」であるのに対し, 引用発明では「クライアントアプリケーション」である点。 (相違点2) 本願発明1が「前記サーバから前記RIAへの第1持続接続を作り出すこと」を実行させるのに対し, 引用発明は「サービスプロバイダ120は,移動デバイスに位置するプッシュクライアント140と,無線ネットワーク130を介して通信し」,「プッシュクライアント140は」,「クライアントアプリケーション150と,コンテンツを通信」するものであって,「サービスプロバイダ120」と「クライアントアプリケーション150」との間の接続がどのようなものであるのかは明らかではない点。 (相違点3) 本願発明1が「登録されたデータに前記RIAを登録することであって,前記登録されたデータは,前記サーバで収集されたデータの少なくとも一部を含」むのに対し, 引用発明は「ユーザは,コンテンツプロバイダ110と契約して,特定のジャンルの新刊本のリストを入手し得,他の実施例は,とりわけ,定期的にユーザへヘッドラインを提供し得るニュースサイト,一日の所定の期間の間,ユーザに最新の交通情報を提供し得る交通サイト,最新の株価または為替レートを提供し得る株式市場サイトを含み得」るものである点。 (相違点4) 本願発明1が「前記サーバは,前記データソースで前記データに変更が生じる際に,前記第1持続接続を介して前記登録されたデータを前記RIAに伝搬すること」を実行させるのに対し, 引用発明は「サービスプロバイダ120は,プッシュプロキシ122を含み,このプッシュプロキシ122は,クライアントまたはクライアントアプリケーションに対するプロキシとして機能し,コンテンツプロバイダ110にコンテンツを送信する目的地を提供し,据え置き検索・メッセージストアブロック452は,クライアントに配信されないコンテンツを,そのコンテンツを送信するのが効率的になるまで,あるいは,そのコンテンツがクライアントによって引き出されるまで,格納するために使用され得」るものである点。 (相違点5) 本願発明1が「前記RIAでデータを生成することと,前記RIAから前記サーバへの第2持続接続を作り出すことと,前記第2持続接続を介して前記RIAから前記サーバに,前記RIAで生成されたデータを伝搬することと,を実行させる」のに対し, 引用発明は「ユーザは,常にコンテンツがプルされるようにリクエストし得,したがって,ユーザのリクエスト1940は,コンテンツプルブローカ554をトリガして,据え置き検索メッセージストア452からデータをプルするために使用され得る」点。 (2)相違点についての判断 事案に鑑み,まず(相違点4)につき検討する。 引用発明において「コンテンツ」は「非常に時間依存性がある」(【0057】参照)ものであるが,その配信に際しては「(プッシュプロキシ122の)据え置き検索・メッセージストアブロック452は,クライアントに配信されないコンテンツを,そのコンテンツを送信するのが効率的になるまで,あるいは,そのコンテンツがクライアントによって引き出されるまで,格納する」ものであるから,コンテンツに変更が生じる際にクライアントに配信されるものということはできず,また,そのように引用発明の構成を変更することが引用文献2,3記載の技術的事項を勘案しても当業者にとり容易であるということはできない。 そうすると,上記(相違点4)に係る本願発明1の構成は,引用発明及び引用文献2,3記載の技術的事項に基づいて当業者が容易に想到し得たものということはできない。 したがって,他の相違点について検討するまでも無く,本願発明1は,当業者であっても引用発明及び引用文献2,3記載の技術的事項に基づいて容易に発明できたものであるとはいえない。 2.本願発明2-21について 本願発明2-21も,本願発明1の「前記サーバは,前記データソースで前記データに変更が生じる際に,前記第1持続接続を介して前記登録されたデータを前記RIAに伝搬すること」と同様の構成を備えるものである。 したがって,本願発明1と同じ理由により,当業者であっても引用発明及び引用文献2,3記載の技術的事項に基づいて容易に発明できたものであるとはいえない。 第6 むすび 以上のとおり,原査定の理由によっては,本願を拒絶することはできない。 また,他に本願を拒絶すべき理由を発見しない。 よって,結論のとおり審決する。

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