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特許拒絶査定不服審判

2016-019013

ロールシェード装置

審判番号
2016-019013
法域
特許
審判種別
拒絶査定不服審判(拒絶査定不服の審決)
出願番号
特願2012-085901外部サイト(J-PlatPat)へ移動します
請求日
2016年12月19日
審決日
2017年10月16日
公報発行日
2017年12月28日
結論
原査定取消(特許/登録すべき)
審判長/審判官
分類
P18 .121-WY (B60J)
条文(本文から自動抽出・参考)
特許法第29条第2項
データ出所
審決公報(SGML)

事件の表示

特願2012-85901号「ロールシェード装置」拒絶査定不服審判事件〔平成25年10月24日出願公開、特開2013-216124号、請求項の数(2)〕について、次のとおり審決する。

結論

【結 論】 原査定を取り消す。 本願の発明は、特許すべきものとする。

理由

【理 由】 第1 手続の経緯 本願は、平成24年4月4日の出願であって、平成28年3月8日付けで拒絶理由通知がされ、平成28年5月16日に意見書が提出されるとともに、手続補正がされたが、平成28年9月21日付けで拒絶査定(以下、「原査定」という。)がされた。これに対し、平成28年12月19日に拒絶査定不服審判の請求がされると同時に手続補正がされたものである。 第2 原査定の概要 原査定の概要は次のとおりである。 本願の請求項1~3に係る発明は、以下の引用文献1~3に基づいて、その発明の属する技術の分野における通常の知識を有する者(以下、「当業者」という。)が容易に発明をすることができたものであるから、特許法第29条第2項の規定により特許を受けることができない。 その理由の概要は、引用文献2のロールシェード装置に引用文献1に記載の事項を適用することは、当業者が容易になし得たものである。 という理由と共に、引用文献1の遮光シート及び案内帯に、引用文献2に記載の事項を適用することは、当業者が容易になし得たものである。 というものである。 引用文献一覧 1.特開2009-12584号公報 2.欧州特許出願公開第1553259号明細書 3.米国特許出願公開第2005/0225122号明細書 第3 本願発明 本願の請求項1~2に係る発明(以下、それぞれ、「本願発明1」、「本願発明2」という。)は、平成28年12月19日にされた手続補正により補正された特許請求の範囲の請求項1~2に記載された事項により特定される以下のとおりの発明である。 「【請求項1】 ロール状に巻取り・引出し可能に構成されて、車両のルーフに形成された窓部を開閉可能に覆う遮光シートと、該遮光シートを巻取ることで開方向に移動させ且つ引出すことで閉方向に移動させる巻取り手段と、該遮光シートの移動方向に直交する幅方向の両側端縁部に沿って帯状に延びてそれぞれの下面に連結される一対の案内帯と、該遮光シートの幅方向の両側端縁部をそれぞれ該案内帯と共に上記移動方向に案内する一対のガイド部と、 備えたロールシェード装置であって、 上記案内帯は、上記遮光シートとの連結部を基端として該シート幅方向の内側に向かって下側に傾斜するように構成され、 上記ガイド部は、上記遮光シートの上面側を覆う上壁部と、上記案内帯の下側を覆う下壁部と、上記案内帯よりもシート幅方向の内側に位置し、該下壁部におけるシート幅方向の内側寄りの部分から上方に突出する突出壁部とを有し、 上記上壁部と下壁部との上下方向の離間距離が、シート幅方向の外側寄りでは内側寄りに比べて小さく構成され、 上記案内帯は、上記遮光シートとの連結部を支点として上下方向に可撓可能に構成され、 該連結部が、上記上壁部と下壁部との上下方向の離間距離が大きくなる位置よりもシート幅方向の外側に位置するように設定されており、 上記突出壁部におけるシート幅方向の外側の面は、上側に向かって該シート幅方向の外側に傾斜する傾斜面部を有し、 上記案内帯は、そのシート幅方向の内側端縁部が上記傾斜面部に当接するように構成されている ことを特徴とするロールシェード装置。 【請求項2】 請求項1記載のロールシェード装置において、 上記下壁部の上面は、そのシート幅方向の外側寄りの部分が内側寄りの部分に比べて上側に位置するように形成されていることを特徴とするロールシェード装置。」 第4 引用文献、引用発明 1.原査定の拒絶の理由に引用された引用文献2には、図面とともに次の記載がある(訳は当審で訳したものであり、下線は当審で付した。)。 「[0001] The invention relates to a sunscreen assembly,comprising a sunscreen with two opposite lateral edge regions which are slidingly housed in corresponding guides extending along said lateral edge regions of the sunscreen,and a rotatable winding tube for the sunscreen.」 「[0001] 本発明は、サンスクリーン構造体に関するもので、該サンスクリーン構造体は、サンスクリーンの側縁領域に沿って延びる対応するガイドに摺動可能に収容された2つの対向する側縁領域を有するサンスクリーンと、サンスクリーンのための回転可能な巻き取り管とを含む。」 「[0019] Firstly referring to fig. 1, part of a vehicle 1 is illustrated in a top plan view, which vehicle is provided with an open roof construction. Said open roof construction comprises, among others, a roof opening 2 which, in a mannerknown per se, can be closed by a movable panel (not illustrated).Further said open roof construction comprises a sunscreen assembly, which basically comprises a sunscreen 3with two opposite lateral edge regions 4, 5 which are slidingly housed in corresponding guides 6, 7 extending along said lateral edge regions of the sunscreen (and along corresponding longitudinal sides of the roof opening 2). Furtherthe sunscreen assembly comprises a rotatable winding tube 8 for the sunscreen assembly 3. In figure 1 the sunscreen assemblyis illustrated in a partly closed position. The free,forward end of the sunscreen 3 has attached thereto a transverse pulling beam 9, using which the position of the sunscreen3 can be determined (as is know per se). [0020] The lateral edge regions 4, 5 of the sunscreen 3 cooperate with the guides 6, 7 in such a manner that, on one hand, an easy introduction of said lateral edge regions into the corresponding guides is possible, but on the other hand a retraction of the lateral edge regions from the guides will be prevented (for example when an external force is acting upon the sunscreen 3). [0021] Now referring to fig. 2, an embodiment of the sunscreen assembly is illustrated in a transverse cross-section.It is noted, that the vehicle has been omitted. [0022] At each lateral edge region 4, 5 a strip of material 10 is provided which extends longitudinally along said edge regions. Each strip of material 10 is attached to oneface of the edge region of the sunscreen, in the illustrated embodiment the bottom face. Each strip of material 10 has an outer edge 11 which substantially coincides with the outer edge 12 of the corresponding edge region 4, 5. Further each strip of material 10 has an inner edge 13 directed towards the center of the sunscreen 3. The location of attachment 14 of the strip 10 to the edge region 4, 5 of the sunscreen 3(indicated by a short vertical line) is positioned nearer tosaid outer edge 11 than to said inner edge 13. [0023] Each guide 6 has a guide channel 15 in which a lateral edge region 4, 5 of the sunscreen 3 will be housed.Said guide channel 15 is separated from the surroundings by a narrowed slot 16. [0024] When a lateral edge region 4, 5 is introduced intothe guide (fig. 3), the strip of material 10 is positioned close to the sunscreen 3. The width of the slot 16 is sufficient to pass therethrough the edge region with strip 10 attached thereto. [0025] After the edge region 4, 5 with attached strip 10 has been moved into the guide channel 15 (fig. 4) a retraction of the sunscreen 3 from the guide 6, 7 is prevented becausethe inner edge 13 of the strip of material 10 will engage behind the narrowed slot 16 of the guide. In such asituation, the strip of material will partly move away from the sunscreen 3. The strip may be biased towards such a position.」 「[0019] 図1では、車両1の一部が平面図で示されており、この車両にはオープンルーフ構造が設けられている。前記オープンルーフ構造は、とりわけ、可動パネル(図示せず)によって、それ自体が知られている方法で閉じることができるルーフ開口部2を含む。さらに、前記オープンルーフ構造は、2つの反対側の側面(およびルーフ開口部2の対応する長手方向の側部に沿って)延在する対応するガイド6,7内に摺動可能に保持された側部領域4,5を有するサンスクリーン3を基本とするサンスクリーン構造体を含む。さらに、サンスクリーン構造体は、サンスクリーン3のための回転可能な巻き取り管8を備える。図1において、サンスクリーン構造体は、部分的に閉じられた位置で示されている。サンスクリーン3の自由な前端には、横引きビーム9が取付けられており、これを用いてサンスクリーン3の位置を(それ自体は分かっているように)決定することができる。 [0020] サンスクリーン3の側縁領域4,5は、一方では、側縁領域の対応するガイドへの容易な導入が可能なようにガイド6,7と協働するが、他方では側縁のガイドからの脱落が防止される(例えば、外力がサンスクリーン3に作用する場合)。 [0021] ここで図を参照する。図2を参照すると、サンスクリーン構造体の実施形態が横断面図で示されている。車両は省略されていることに留意されたい。 [0022] 各側縁領域4,5には、前記側縁領域に沿って長手方向に延びるストリップ材10が設けられている。 ストリップ材10は、サンスクリーンの側縁領域の一面、図示の実施形態では底面に取付けられている。各ストリップ材は、対応する側縁領域4,5の外側縁12と実質的に一致する外縁11を有する。さらに、各ストリップ材10は、サンスクリーン3の中心に向けられた内縁13を有する。サンスクリーン3の側縁領域4,5でのストリップ材10の取付け位置(短い垂直線で示す)は、前記内縁13よりも外縁11に近い位置に配置されている。 [0023] 各ガイド6は、サンスクリーン3の側縁領域4,5が収容されるガイドチャネル15を有する。このガイドチャネル15は、狭められたスロット16によって周囲から分離されている。 [0024] 側縁領域4,5がガイドに挿入されると(図3)、ストリップ材10はサンスクリーン3に密接して配置される。スロット16の幅は、ストリップ材10が取付けられた側縁領域を通過させるのに十分である。 [0025] 取付けられたストリップ材10を有する側縁領域4,5がガイドチャネル15内に移動された後(図4)、ストリップ材10の内縁13がガイドの狭められたスロット16の後に係合するので、ガイド6,7からのサンスクリーン3の脱落が防止される。そのような状態では、ストリップ材は、サンスクリーン3から部分的に離れる。ストリップ材は、そのような位置に向かって付勢されてもよい。」 2.上記記載および図面から、引用文献2には、次の技術的事項が記載されているといえる。 (1)引用文献2には、車両のオープンルーフ構造および当該オープンルール構造のサンスクリーン構造体に関する技術が記載されている(段落[0001],[0019])。 (2)該車両のオープンルーフ構造のサンスクリーン構造体は、サンスクリーン3と、該サンスクリーン3のための回転可能な巻き取り管8と、2つの反対側の側面(およびルーフ開口部2の対応する長手方向の側部に沿って)延在する対応するガイド6,7とを含む(段落[0019])。 (3)さらに、サンスクリーン3の側縁領域4,5には、その底面に側縁領域に沿って長手方向に延びるストリップ材10が取付けられている(段落[0022])。 (4)該ストリップ材10は、サンスクリーン3の側縁領域4,5でのストリップ材10の取付け位置を支点にしてサンスクリーン3に密接して配置され、また、サンスクリーン3から部分的に離れるよう配置されることができる(段落[0024],[0025]、図3,4)。 (5)該ストリップ材10は、サンスクリーン3の側縁領域4,5がガイドチャネル15内に移動された後、サンスクリーン3から部分的に離れる位置に向かって付勢されてもよい(段落[0025])。 (6)各ガイド6,7は、サンスクリーン3の上面側を覆う上壁部と、ストリップ材10の下側を覆う下壁部と、ストリップ材10よりもサンスクリーン3幅方向内側に位置し、該下壁部におけるサンスクリーン3幅方向の内側寄りの部分から上方に突出する突出壁部とを有している(図2,4)。 3.これらのことから、引用文献2には、次の発明(以下、「引用文献2発明」という。)が記載されているといえる。 「車両のオープンルーフ構造のサンスクリーン構造体であって、 該車両のオープンルーフ構造のサンスクリーン構造体は、サンスクリーン3と、該サンスクリーン3のための回転可能な巻き取り管8と、2つの反対側の側面(およびルーフ開口部2の対応する長手方向の側部に沿って)延在する対応するガイド6,7とを含み、 さらに、上記サンスクリーン3の側縁領域4,5には、その底面に側縁領域に沿って長手方向に延びるストリップ材10が取付けられており、 該ストリップ材10は、サンスクリーン3の側縁領域4,5でのストリップ材10の取付け位置を支点にしてサンスクリーン3に密接して配置され、また、サンスクリーン3から部分的に離れるよう配置されることができ、 上記ストリップ材10は、サンスクリーン3の側縁領域4,5がガイドチャネル15内に移動された後、サンスクリーン3から部分的に離れる位置に向かって付勢されてもよく、 上記各ガイド6,7は、サンスクリーン3の上面側を覆う上壁部と、ストリップ材10の下側を覆う下壁部と、ストリップ材10よりもサンスクリーン3幅方向内側に位置し、該下壁部におけるサンスクリーン3幅方向の内側寄りの部分から上方に突出する突出壁部とを有している、 車両のオープンルーフ構造のサンスクリーン構造体。」 第5 対比・判断 1.本願発明1について (1)対比 本願発明1と引用文献2発明とを対比する。 ア 引用文献2発明の「サンスクリーン3」は、「該サンスクリーン3のための回転可能な巻き取り管8」を備えるものであり、機能的に、ロール状に巻取り、引出し可能に構成されているといえる。また、車両のルーフに形成された窓部を開閉可能に覆う遮光シートという機能を有することは明らかである。したがって、引用文献2発明の「サンスクリーン3」は、本願発明1の「ロール状に巻取り・引出し可能に構成されて、車両のルーフに形成された窓部を開閉可能に覆う遮光シート」に相当する。 イ 引用文献2発明の「該サンスクリーン3のための回転可能な巻き取り管8」が、サンスクリーン3を巻取ることで開方向に移動させ且つ引出すことで閉方向に移動させるという機能を有することは明らかである。したがって、引用文献2発明の「該サンスクリーン3のための回転可能な巻き取り管8」は、本願発明1の「該遮光シートを巻取ることで開方向に移動させ且つ引出すことで閉方向に移動させる巻取り手段」に相当する。 ウ 引用文献2発明の「サンスクリーン3の側縁領域4,5には、その底面に側縁領域に沿って長手方向に延びるストリップ材10が取付けられて」いるところ、「サンスクリーン3の側縁領域4,5」は、サンスクリーン3の移動方向に直交する幅方向の両側端縁部といえる。そして、ストリップ材10はサンスクリーン3の側縁領域4,5の下面といえる底面に取付けられている。したがって、引用文献2発明の「ストリップ材10」は、本願発明1の「案内帯」に相当するとともに、引用文献2発明の「さらに、上記サンスクリーン3の側縁領域4,5には、その底面に側縁領域に沿って長手方向に延びるストリップ材10が取付けられており」は、本願発明1の「該遮光シートの移動方向に直交する幅方向の両側端縁部に沿って帯状に延びてそれぞれの下面に連結される一対の案内帯と」「を備え」に相当する。 エ 引用文献2発明の「ガイド6,7」は、サンスクリーン3の側部領域4,5が摺動可能に保持されるものであり(段落[0023])、そのサンスクリーン3の側縁領域4,5には、その底面に側縁領域に沿って長手方向に延びるストリップ材10が取付けられている(段落[0022])から、サンスクリーン3の側縁領域4,5をストリップ材10と共にサンスクリーン3の移動方向に案内するものであるといえる。したがって、引用文献2発明の「ガイド6,7」は、本願発明1の「該遮光シートの幅方向の両側端縁部をそれぞれ該案内帯と共に上記移動方向に案内する一対のガイド部」に相当する。 オ 上記ア~エを踏まえると、引用文献2発明の「車両のオープンルーフ構造のサンスクリーン構造体」と「ガイド6,7」によって、本願発明1の「ロールシェード装置」に相当する構成となるといえる。 カ 上記ウでの説示を踏まえると、引用文献2発明の「サンスクリーン3の側縁領域4,5でのストリップ材10の取付け位置」は、本願発明1の「案内帯」の「遮光シートとの連結部」に相当する。そして、引用文献2発明の「ストリップ材10」は、「サンスクリーン3の側縁領域4,5でのストリップ材10の取付け位置を支点にしてサンスクリーン3に密接して配置され、また、サンスクリーン3から部分的に離れるよう配置されることができ」るから、サンスクリーン3の側縁領域4,5でのストリップ材10の取付け位置を支点にして上下方向に可撓可能に構成されているといえる。したがって、引用文献2発明の「該ストリップ材10は、サンスクリーン3の側縁領域4,5でのストリップ材10の取付け位置を支点にしてサンスクリーン3に密接して配置され、また、サンスクリーン3から部分的に離れるよう配置されることができ」は、本願発明1の「上記案内帯は、上記遮光シートとの連結部を支点として上下方向に可撓可能に構成され」ることに相当する。 キ 引用文献2発明の「ストリップ材10」は、「サンスクリーン3の側縁領域4,5がガイドチャネル15内に移動された後、サンスクリーン3から部分的に離れる位置に向かって付勢されてもよ」いというのであるから、図4をも踏まえると、その付勢された状態においては、ストリップ材10は、サンスクリーン3の側縁領域4,5でのストリップ材10の取付け位置、すなわち、ストリップ材10とサンスクリーン3との連結部を基端としてサンスクリーン3の幅方向内側に向かって下側に傾斜するように構成されているといえる。 したがって、引用文献2発明の「上記ストリップ材10は、サンスクリーン3の側縁領域4,5がガイドチャネル15内に移動された後、サンスクリーン3から部分的に離れる位置に向かって付勢されてもよく」は、本願発明1の「上記案内帯は、上記遮光シートとの連結部を基端として該シート幅方向の内側に向かって下側に傾斜するように構成され」ることに相当する。 ク 引用文献2発明の「上記各ガイド6,7は、サンスクリーン3の上面側を覆う上壁部と、ストリップ材10の下側を覆う下壁部と、ストリップ材10よりもサンスクリーン3幅方向内側に位置し、該下壁部におけるサンスクリーン3幅方向の内側寄りの部分から上方に突出する突出壁部とを有している」は、本願発明1の「上記ガイド部は、上記遮光シートの上面側を覆う上壁部と、上記案内帯の下側を覆う下壁部と、上記案内帯よりもシート幅方向の内側に位置し、該下壁部におけるシート幅方向の内側寄りの部分から上方に突出する突出壁部とを有し」ていることに相当する。 ケ したがって、本願発明1と引用文献2発明との一致点および相違点は次のとおりである。 <一致点> 「ロール状に巻取り・引出し可能に構成されて、車両のルーフに形成された窓部を開閉可能に覆う遮光シートと、該遮光シートを巻取ることで開方向に移動させ且つ引出すことで閉方向に移動させる巻取り手段と、該遮光シートの移動方向に直交する幅方向の両側端縁部に沿って帯状に延びてそれぞれの下面に連結される一対の案内帯と、該遮光シートの幅方向の両側端縁部をそれぞれ該案内帯と共に上記移動方向に案内する一対のガイド部と、 備えたロールシェード装置であって、 上記案内帯は、上記遮光シートとの連結部を基端として該シート幅方向の内側に向かって下側に傾斜するように構成され、 上記ガイド部は、上記遮光シートの上面側を覆う上壁部と、上記案内帯の下側を覆う下壁部と、上記案内帯よりもシート幅方向の内側に位置し、該下壁部におけるシート幅方向の内側寄りの部分から上方に突出する突出壁部とを有し、 上記案内帯は、上記遮光シートとの連結部を支点として上下方向に可撓可能に構成され、 ているロールシェード装置。」 <相違点1> ガイド部に関し、本願発明1では、「上記上壁部と下壁部との上下方向の離間距離が、シート幅方向の外側寄りでは内側寄りに比べて小さく構成され」、また、案内帯と遮光シートとの連結部が、「上記上壁部と下壁部との上下方向の離間距離が大きくなる位置よりもシート幅方向の外側に位置するように設定されて」いるのに対し、引用文献2発明では、そのように構成されていない点。 <相違点2> 突出壁部に関し、本願発明1では、「上記突出壁部におけるシート幅方向の外側の面は、上側に向かって該シート幅方向の外側に傾斜する傾斜面部を有し、上記案内帯は、そのシート幅方向の内側端縁部が上記傾斜面部に当接するように構成され」ているのに対し、引用文献2発明ではそのように構成されていない点。 (2)判断 上記各相違点について検討する。 ア 相違点1について 原査定の拒絶の理由に引用された引用文献1には、「サンシェード装置1において、シェード部材5の幅方向両端部と、シェード部材5の移動方向に直交する幅方向の両側端縁部に沿って帯状に延びてそれぞれの下面に連結される一対の可撓ベルト(帯状部材)7とを、シェード部材5の移動方向に案内する一対のガイド溝42が、シェード部材5の上面側に位置する上壁部と、可撓ベルト7の下側を覆う下壁部と、可撓ベルト7よりもシェード部材幅方向の内側に位置し、該下壁部におけるシェード部材幅方向の内側寄りの部分から上方に突出する凸部43を有し、しかも、上壁部と下壁部との上下方向の離間距離が、シェード部材5幅方向の外側寄りでは内側寄りに比べて小さく構成されている」という技術事項が記載されているといえる(引用文献1の段落【0023】~【0030】、図1~6、参照。)。 そして、構造的にみて上記技術事項の「サンシェード装置1」、「シェード部材5」、「可撓ベルト(帯状部材)7」、「ガイド溝42」および「凸部43」は、それぞれ、本願発明1の「ロールシェード装置」、「遮光シート」、「案内帯」、「ガイド部」および「突出壁部」に相当するといえるから、引用文献1には、本願発明1の「上記ガイド部は、上記遮光シートの上面側を覆う上壁部と、上記案内帯の下側を覆う下壁部と、上記案内帯よりもシート幅方向の内側に位置し、該下壁部におけるシート幅方向の内側寄りの部分から上方に突出する突出壁部とを有し、上記上壁部と下壁部との上下方向の離間距離が、シート幅方向の外側寄りでは内側寄りに比べて小さく構成され」に相当する構成が記載されているといえる。 ところで、相違点1に係る本願発明1の構成は、案内帯がガイドのガイド空間内で上下にバタツクのを抑制するための構成である(本件明細書段落【0006】,【0045】、参照。)。一方、引用文献1に記載の上記技術事項は、可撓ベルト7に設けられた切り起こし片71がシェード部材5が巻き取られているときは可撓ベルト7に対して面一状態であったものを、シェード部材5が展開されているときはガイド溝42内で可撓ベルト7に対して上方または下方に起こされることが可能なように、シェード部材5幅方向の内側寄りの上壁部と下壁部との上下方向の離間距離を、シェード部材5幅方向の外側寄りに比べて大きくするための構成と解される(引用文献1の段落【0028】,図4~6、参照。)。 とするならば、引用文献2発明において、ストリップ材10がガイドチャネル15内でバタツクのを抑制するために、引用文献1に記載の上記技術事項を適用しようとする動機づけがない。 仮に、引用文献2発明において、引用文献1に記載の上記技術事項を適用し得るとしても、引用文献1に記載の上記技術事項は、上記のように、可撓ベルト7に設けられた切り起こし片71がシェード部材5が巻き取られているときは可撓ベルト7に対して面一状態であったものを、シェード部材5が展開されているときはガイド溝42内で可撓ベルト7に対して上方または下方に起こされることが可能なように、シェード部材5幅方向の内側寄りの上壁部と下壁部との上下方向の離間距離を、シェード部材5幅方向の外側寄りに比べて大きくするための構成と解されるから、切り起こし片71の一端72(切り起こし片71がここを支点として上下方向に可撓可能であるという機能に限れば、本願発明1の「連結部」に相当する。)の位置を、切り起こし片71が起きる動作が妨げられるような位置である、ガイド6,7の上壁部と下壁部との上下方向の離間距離が大きくなる位置よりもシェード部材5幅方向の外側の位置に設定する理由がない。 したがって、仮に、引用文献2発明において、引用文献1に記載の上記技術事項を適用し得るとしても、相違点1に係る本願発明1の構成(特に、案内帯と遮光シートとの連結部が、「上記上壁部と下壁部との上下方向の離間距離が大きくなる位置よりもシート幅方向の外側に位置するように設定されて」いる構成)に達し得ない。 よって、当業者であっても、引用文献2発明において相違点1に係る本願発明1の構成となすことは、引用文献1に記載の上記技術的事項に基づいて容易に想到し得たものとはいえない。 イ 相違点2について 原査定の拒絶の理由に引用された引用文献3には、「車両のスライディングルーフ装置のウィンドウブラインドにおいて、ウィンドウブラインド10の両端を案内するガイドレール14の脚部22の下面が傾斜するように構成されており、この下面がぜんまいばね18のウィンドウブラインド10の内側方向部分の上面を支持する」技術事項が記載されている(段落[0007],[0022]~[0025]、図1~3、参照。)。 そして、構造的にみると、引用文献3に記載の上記技術事項の「ウィンドウブラインド10」、「ガイドレール14」、「脚部22」および「ぜんまいばね18」は、それぞれ本願発明1の「遮光シート」、「ガイド部」、「突出壁部」および「案内帯」に相当するもといえるから、引用文献3には、本願発明1の「上記突出壁部におけるシート幅方向の外側の面は、上側に向かって該シート幅方向の外側に傾斜する傾斜面部を有し」に相当する構成が記載されているともいえる。 しかしながら、機能的にみると、引用文献3に記載の上記技術事項の「脚部22」は、ぜんまいばね18のウィンドウブラインド10の内側方向部分の上面を支持するものであるところ、これによって、脚部22の下面とぜんまいばね18の上面との間に摩擦力を発生させ、もって、ウィンドウブラインド10をガイドレール14内の任意の位置に保持するためのものであると解される(引用文献3の段落[0007]、図3、参照。)。その一方で、引用文献2発明の突出壁部は、ストリップ材10の内縁13が突出壁部の後に係合することにより、ガイド6,7からのサンスクリーン3の脱落を防止するためのものであり(引用文献2の段落[0025]、図4、参照。)、ストリップ材10と突出壁部の後との間に摩擦力を発生させ、サンスクリーン3をガイド6,7内ないしガイドチャネル15内の任意の位置に保持するという機能を有するものではない。 したがって、引用文献2発明の突出壁部について、引用文献3に記載の上記技術事項を適用しようとする動機づけがない。 仮に、引用文献2発明の突出壁部について、引用文献3に記載の上記技術事項を適用し得るとしても、引用文献3に記載の上記技術事項の「脚部22」は、その下面がぜんまいばね18のウィンドウブラインド10の内側方向部分の上面を支持し、両者間に摩擦力を発生させるものであり、ぜんまいばね18の内側端縁部を傾斜した下面に当接させるものではないから、相違点2に係る本願発明1の構成(特に、「上記案内帯は、そのシート幅方向の内側端縁部が上記傾斜面部に当接するように構成され」)に達し得ない。 よって、当業者であっても、引用文献2発明において相違点2に係る本願発明1の構成となすことは、引用文献3に記載の上記技術的事項に基づいて容易に想到し得たものとはいえない。 ウ そして本願発明1は、相違点1および相違点2に係る構成を有することにより、遮光シートの開閉時における案内体のガイド空間外への飛び出しを確実に防止しながら、案内体の上下方向のバタツキを抑制可能とするという格別な作用効果を奏するものである(本願明細書段落【0007】)。 エ 以上のとおりであるから、本願発明1は、当業者であっても引用文献2発明、引用文献1および引用文献3に記載された技術事項に基いて容易に発明できたものであるとはいえない。 オ なお、引用文献2には、サンスクリーン3の側縁領域4,5でのストリップ材10の取付け位置(本願発明1の「連結部」に相当する)が、ストリップ材10の内縁13よりも外縁11に近い位置に配置されている点(以下、引用文献2の技術事項2」という。)が記載されているから(引用文献2の段落[0022]、図2~4、参照。)、引用文献1から把握される事項を基礎とした発明において、その可撓ベルト7に設けられた切り起こし片71の一端72(切り起こし片71がここを支点として上下方向に可撓可能であるという機能に限れば、本願発明1の「連結部」に相当する。)の位置に関して、引用文献2の技術事項2を適用して、その位置を上壁部と下壁部との上下方向の離間距離が大きくなる位置よりもシート幅方向の外側に位置するように設定することも可能であるとも考えられる。 しかしながら、上記アで説示のとおり、切り起こし片71の一端72を切り起こし片71の起きる動作が妨げられるような位置、すなわち、ガイド6,7の上壁部と下壁部との上下方向の離間距離が大きくなる位置よりもシェード部材5幅方向の外側の位置に設定する理由がない。 したがって、引用文献1から把握される事項を基礎とした発明を引用文献1発明としてこれに、引用文献2に記載の技術事項2を適用しても、本願発明1の「該連結部が、上記上壁部と下壁部との上下方向の離間距離が大きくなる位置よりもシート幅方向の外側に位置するように設定されて」いるという構成に達し得ない。 2.本願発明2ついて 本願発明2は、本願発明1を減縮したものであるから、本願発明1と同様の理由により、当業者であっても引用文献2発明、引用文献1および引用文献3に記載された技術事項に基いて、あるいは、引用文献1から把握される事項を基礎とした発明を引用文献1発明として、引用文献1発明、引用文献2および引用文献3に記載された技術事項に基いて、容易に発明をすることができたものとはいえない。 第6 原査定について 本願発明1~2は、上記相違点1に係る構成を有するとともに、審判請求時の補正により、上記相違点2に係る構成を有するものとなっており、上記「第5」で説示のとおり、当業者であっても、原査定の拒絶の理由で引用された引用文献1~3に基いて容易に発明をすることができたものとはいえない。したがって、原査定の理由を維持することはできない。 第7 むすび 以上のとおり、原査定の理由によっては、本願を拒絶することはできない。 また、他に本願を拒絶すべき理由を発見しない。 よって、結論のとおり審決する。

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2016-019013

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