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特許拒絶査定不服審判

2016-016992

デバイスフリップ中にディスプレイを移動させる方法及び装置

審判番号
2016-016992
法域
特許
審判種別
拒絶査定不服審判(拒絶査定不服の審決)
出願番号
特願2013-531846外部サイト(J-PlatPat)へ移動します
請求日
2016年11月14日
審決日
2017年06月26日
公報発行日
2017年08月25日
結論
原査定取消(特許/登録すべき)
当事者
審判長/審判官
分類
P18 .121-WY (G06F)
条文(本文から自動抽出・参考)
特許法第29条第2項
データ出所
審決公報(SGML)

事件の表示

特願2013-531846「デバイスフリップ中にディスプレイを移動させる方法及び装置」拒絶査定不服審判事件〔平成24年 4月 5日国際公開、WO2012/044788、平成25年12月26日国内公表、特表2013-546046、請求項の数(9)〕について、次のとおり審決する。

結論

【結 論】 原査定を取り消す。 本願の発明は、特許すべきものとする。

理由

【理 由】 第1 手続の経緯 本願は,2011年9月29日(パリ条約による優先権主張外国庁受理2010年10月1日,2010年10月1日,2010年10月1日,2010年11月17日,2011年9月27日,2011年9月28日 米国)を国際出願日とする出願であって,平成27年10月29日付けで拒絶理由が通知され,平成28年4月22日に意見書と手続補正書が提出され,平成28年7月26日付けで拒絶査定がなされ,これに対し,平成28年11月14日に拒絶査定に対する審判請求がなされたものである。 第2 原査定の概要 原査定(平成28年7月26日付け拒絶査定)の概要は次のとおりである。 (進歩性)この出願の下記の請求項に係る発明は,その出願前に日本国内又は外国において,頒布された下記の刊行物に記載された発明又は電気通信回線を通じて公衆に利用可能となった発明に基いて,その出願前にその発明の属する技術の分野における通常の知識を有する者(以下,「当業者という。」)が容易に発明をすることができたものであるから,特許法第29条第2項の規定により特許を受けることができない。 記   (引用文献等については引用文献等一覧参照) ・請求項 1-9 ・引用文献等 1 <引用文献等一覧> 1.特開平9-305262号公報 第3 本願発明 本願請求項1-9に係る発明(以下,それぞれ「本願発明1」-「本願発明9」という。)は,平成28年4月22日付けの手続補正で補正された特許請求の範囲の請求項1-9に記載された事項により特定される発明であり,以下のとおりの発明である。 「 【請求項1】 マルチディスプレイデバイス上のウィンドウの表示を制御する方法であって, 前記マルチディスプレイデバイスが開モードにある間,前記マルチディスプレイデバイスの一次ディスプレイにより第1のウィンドウを提示すること, 前記マルチディスプレイデバイスを閉じるユーザ入力を受信し,前記マルチディスプレイデバイスを閉モードにすること, 前記マルチディスプレイデバイスが閉じており,前記マルチディスプレイデバイスが単一ディスプレイモードにされるのに応答して,二次閉モードに入り,前記第1のウィンドウが前記マルチディスプレイデバイスの二次ディスプレイにより提示され,前記一次ディスプレイによる前記第1のウィンドウの提示を中断することを含む,方法。 【請求項2】 前記マルチディスプレイデバイスが前記二次閉モードに入るのに応答して前記一次ディスプレイ上に命令を表示することをさらに含む請求項1に記載の方法。 【請求項3】 前記命令を表示することは所定期間後中断される,請求項2に記載の方法。 【請求項4】 前記命令は前記二次ディスプレイがユーザの視野に入るように前記マルチディスプレイデバイスを反転するためのものである,請求項3に記載の方法。 【請求項5】 前記マルチディスプレイデバイスが前記閉モードにされることに応答して前記二次閉モードに入ることは,前記第1のウィンドウに関連付けられたアプリケーション命令に従って行われる,請求項1に記載の方法。 【請求項6】 前記マルチディスプレイデバイスが前記閉モードにされることに応答して前記二次閉モードに入ることは,前記第1のウィンドウが前記二次ディスプレイにより提示されることを指示するユーザ入力に従って行われる,請求項1に記載の方法。 【請求項7】 一次ディスプレイにより前記第1のウィンドウを提示する間に,前記第1のウィンドウは第1のウィンドウの組に関連付けられ, 前記二次閉モードに入ることに応答して,前記第1のウィンドウは第2のウィンドウの組に関連付けられる,請求項1に記載の方法。 【請求項8】 前記二次閉モードに入った後,前記マルチディスプレイデバイスを前記開モードにするユーザ入力を受信する ことであって,前記第1のウィンドウは前記二次ディスプレイにより表示され続ける,ことをさらに含む請求項1に記載の方法。 【請求項9】 前記二次閉モードに入った後に前記マルチディスプレイデバイスを前記開モードにする前記ユーザ入力は,前記二次閉モードを中断する,請求項8に記載の方法。」 第4 引用発明,引用文献等 1.引用発明 原査定の拒絶の理由に引用された引用文献1には,図面とともに次の事項が記載されている(下線は重要箇所に対して当審が付した。)。 ア 「【0015】 【発明の実施の形態】本発明の一実施形態に係る情報処理装置を図1~図6に示す。図3に示すように本体1の後部に蓋体2が接続手段によって開閉するように回動可能に取り付けられている。そして,本体1および蓋体2には,情報を表示するとともに入力機能を備えた表示手段3,4がそれぞれ設けられている。すなわち,本体側表示手段3および蓋体側表示手段4は,情報を表示する表示部5,6と,この表示部5,6を照明する照明部7,8と,表示部5,6上から入力を行うための入力部9,10とを有する。 【0016】表示部5,6は,プラズマ・ディスプレイ装置やLCDなどの平面型表示装置であり,ここではLCDが用いられ,照明部7,8としてのバックライト11が設けられており,本体側表示部5は本体1の上面に配設され,蓋体側表示部6は蓋体2の内面に配設されている。入力部9,10は,表示部5,6の表面に透明なタブレット12を貼設したタッチパネルであり,タッチ入力やペン入力を可能にしている。 【0017】接続手段は回動アーム13からなり,その基端が本体1の左右側面の後端に回動自在に接続され,先端が蓋体2の左右側面の摺動溝2aに摺動自在に嵌め込まれた係合体(図示せず)に回動自在に接続され,本体1に対して回動アーム13は回動し,回動アーム13に対して蓋体2は回動する。そして,回動アーム13の各端に突設された軸14,15は,ブッシュを介して本体1あるいは蓋体2の係合体に支持されており,軸14,15とブッシュとの摩擦を利用することにより回動アーム13を任意の角度で保持することを可能にしている。なお,接続手段として,伸縮自在な回動アーム13にすると,上記のように回動アーム13を摺動させるための機構は不要となる。また,蓋体2が回動するとき本体1と蓋体2とが干渉しないように,本体1の後部に切欠を形成しておいてもよく,この場合でも回動アーム13を摺動させるための機構は不要となる。 【0018】これにより,蓋体2は,図4(a)に示す蓋体側表示部6を下に向けて本体1の蓋となる閉状態,図3(c)に示す蓋体側表示部6を上に向けて本体1に重なる重合状態,図3(a)に示す両表示部5,6を視認できる2画面状態および図4(b)に示す蓋体側表示部6を本体1の後方に反転させた反転状態のいずれかの状態に切換可能となる。」 イ 「【0032】次に,蓋体2の状態に応じた表示状態および照明状態の制御について説明する。ここでは,『電話帳』で入力,編集を行う操作を例として挙げる。まず,蓋体2を図3(a)に示すように開いた2画面状態で,『電話帳』を選択する。『電話帳』を選択することにより,電話帳として記憶されている情報の一覧が蓋体側表示部6に表示される。 【0033】初めは蓋体側表示部6の一番上のデータ項目は画面の白黒が反転しており,本体側表示部5に表示されている名前の項目『山田一郎』にペンでタッチする動作により,図9(a)に示すようにタッチされた領域が『山田一郎』氏を表示している位置であることを検出することで,その項目領域を反転させ,『山田一郎』氏に関する詳細情報をRAM34より検索し,本体側表示部5に『山田一郎』氏の個人データを表示する。例えば項目「住所」を変更したい場合には本体側表示部5の項目「住所」入力欄をペンでタッチする。タッチされた領域は同様に反転され,入力のための入力部9の入力領域が表示部5上に表示される。 【0034】この状態から蓋体側表示部6を上側として本体1の上に載置した重合状態にする場合の動作を説明する。まず,図3(b)に示すように蓋体2の下端を持ち上げ,蓋体2が水平になった所で回動アーム13ごと本体1の上へ載置して,図3(c)に示す重合状態にする。このとき,回動アーム13の回動位置を示す回動アーム位置フラグ51および蓋体2の位置を示す2画面フラグ52の状態により,1画面表示に変更する制御を行う。 【0035】蓋体2が重合状態にあることの検出並びに検出後の制御は,図10に示すように,ST1では,本体1と蓋体2の重合を検出するために回動アーム位置フラグ51を読み出す。ST2では回動アーム位置フラグ51の内容を判断し,回動アーム位置フラグ51が”1”のときは次のST3に進み,回動アーム位置フラグ51が”0”のときにはST1の前に戻る。 【0036】ST3ではカーソル位置を検出し,次のST4でカーソルがどちらの表示部5,6にあるのかを判断する。カーソルが本体側表示部5にある場合,ST5に進み,カーソルが位置する項目が表示部5の文字表示の設定行以上を使用するかを判断する。ここでは,表示として5行を確保している。5行以上であればST6に進み,位置記憶エリア48のメモリにカーソルのある行数より1段上の行数を代入する(ただし,1以上)。カーソルが位置する項目が表示部5で5行未満であれば,ST7に進み,位置記憶エリア48のメモリにカーソルがある項目の開始の行を代入する。これは,カーソルのある項目の全てが表示可能であるときにはその項目の全てを表示し,項目の全てが表示しきれないときには前後関係がわかるように1行前から表示を行うための処理である。 【0037】ST8の処理では,位置記憶エリア48のメモリに代入されている行から5行分のビットマップ情報を本体表示ビットマップ情報記憶エリア45に記憶する。ST9では,蓋体2に表示するときにどのデータを表示しているのかをわかりやすくするために,蓋体側表示部6に表示されていたヘッダ部分60をRAM34のヘッダ記憶エリア49に記憶し,ST10で現在表示中のデータの先頭項目,この場合は項目「名前」を個別データ記憶エリア50に記憶する。 【0038】次のST11では,まず蓋体側表示部6をクリアし,ST12で図9(b)に示すように,蓋体側表示部6にヘッダ記憶エリア49から読み出したヘッダ部分60を表示し,ST13で個別データ記憶エリア50から読み出した個別データ61を表示し,ST14で本体表示ビットマップ情報記憶エリア45から読み出した表示データ62を表示して,次のST15に処理が進む。なお,ST4の判断において,カーソルが蓋体側表示部6にあるときには,そのままの表示で次のST15に処理が進む。 【0039】このように,本体側表示部5にカーソルがある場合には,本体側表示部5の情報を蓋体側表示部6に表示し,蓋体側表示部6にカーソルがある場合には蓋体側表示部6の内容をそのまま表示する。このようにカーソルのある表示画面を優先して表示させるようにしている。なお,カーソルの位置に関係なく蓋体側表示部6の半分を重合前の蓋体側表示部6に対する表示領域とし,残り半分を重合前の本体側表示部5に対する表示領域としてもよい。 【0040】ST15では,文字表示行の下に文字入力を可能とする文字認識領域63を表示して,もう一度入力領域を表示するための操作を不要にして,容易に入力可能とする。ST16では,本体1の表示をクリアし,ST17で本体1のバックライト11を消灯する。」 引用文献1の上記記載及び図面ならびにこの分野における技術常識を考慮すると,引用文献1には,「情報処理装置」(発明の名称)において,その蓋体2が本体1と重合状態となったときの表示制御方法に関する以下の発明(以下,「引用発明」という。)が記載されていると認める。 「情報処理装置は,本体1の後部に蓋体2が接続手段によって開閉するように回動可能に取り付けられており,本体1および蓋体2には,情報を表示するとともに入力機能を備えた表示手段3,4がそれぞれ設けられており, 蓋体2を開いた2画面状態で,『電話帳』を選択すると,『電話帳』を選択することにより,電話帳として記憶されている情報の一覧が蓋体側表示部6に表示され,表示されている名前の項目『山田一郎』にペンでタッチする動作により,タッチされた領域が『山田一郎』氏を表示している位置であることを検出することで,その項目領域を反転させ,『山田一郎』氏に関する詳細情報をRAM34より検索し,本体側表示部5に『山田一郎』氏の個人データを表示し, この状態から蓋体側表示部6を上側として本体1の上に載置した重合状態にする場合,1画面表示に変更する制御を行い, 蓋体2が重合状態にあることの検出並びに検出後の制御は,ST1では,本体1と蓋体2の重合を検出するために回動アーム位置フラグ51を読み出し,ST2では回動アーム位置フラグ51の内容を判断し,回動アーム位置フラグ51が”1”のときは次のST3に進み,回動アーム位置フラグ51が”0”のときにはST1の前に戻り, ST3ではカーソル位置を検出し,次のST4でカーソルがどちらの表示部5,6にあるのかを判断し,カーソルが本体側表示部5にある場合,ST5に進み,カーソルが位置する項目が表示部5の文字表示の設定行以上を使用するかを判断し,ここでは,表示として5行を確保しており,5行以上であればST6に進み,位置記憶エリア48のメモリにカーソルのある行数より1段上の行数を代入し(ただし,1以上),カーソルが位置する項目が表示部5で5行未満であれば,ST7に進み,位置記憶エリア48のメモリにカーソルがある項目の開始の行を代入し,ST8の処理では,位置記憶エリア48のメモリに代入されている行から5行分のビットマップ情報を本体表示ビットマップ情報記憶エリア45に記憶し,ST9では,蓋体2に表示するときにどのデータを表示しているのかをわかりやすくするために,蓋体側表示部6に表示されていたヘッダ部分60をRAM34のヘッダ記憶エリア49に記憶し,ST10で現在表示中のデータの先頭項目,この場合は項目「名前」を個別データ記憶エリア50に記憶し, 次のST11では,まず蓋体側表示部6をクリアし,ST12で蓋体側表示部6にヘッダ記憶エリア49から読み出したヘッダ部分60を表示し,ST13で個別データ記憶エリア50から読み出した個別データ61を表示し,ST14で本体表示ビットマップ情報記憶エリア45から読み出した表示データ62を表示して,次のST15に処理が進み,なお,ST4の判断において,カーソルが蓋体側表示部6にあるときには,そのままの表示で次のST15に処理が進み, このように,本体側表示部5にカーソルがある場合には,本体側表示部5の情報を蓋体側表示部6に表示し,蓋体側表示部6にカーソルがある場合には蓋体側表示部6の内容をそのまま表示し, ST16では,本体1の表示をクリアし,ST17で本体1のバックライト11を消灯する表示制御方法。」 第5 対比・判断 1.本願発明1について (1)対比 本願発明1と引用発明とを対比すると,次のことがいえる。 a 引用発明の「本体側表示部5」,「蓋体側表示部6」は,それぞれ,本願発明1の「一次ディスプレイ」,「二次ディスプレイ」に相当する。 b 引用発明の「蓋体2を開いた2画面状態」,「蓋体側表示部6を上側として本体1の上に載置した重合状態」は,ぞれぞれ,本願発明1の「開モード」,「閉モード」に相当する。 c 引用発明の「蓋体側表示部6を上側として本体1の上に載置」する動作がユーザによって行われることは明らかであって本願発明1の「閉じるユーザ入力」に相当する。 d 引用発明は「本体側表示部5に『山田一郎』氏の個人データを表示」することと,本願発明1の「一次ディスプレイにより第1のウィンドウを提示すること」とは,「一次ディスプレイにより第1の表示を提示すること」で共通するといえる。 e 引用発明では,「1画面表示に変更する制御」において,「カーソルが本体側表示部5にある場合」には「本体表示ビットマップ情報記憶エリア45から読み出した表示データ62を表示」するが,該「表示データ62」は本体側表示部5に表示されていた情報,即ち,上記dの「第1の表示」である。また,引用発明では「本体1の表示をクリア」するが,これにより本体側表示部5による「第1の表示」の「提示」が「中断」されることは明らかである。 そして,引用発明がこのように表示内容を切り替える表示制御を行うモードは,本願発明1の「二次閉モード」に対応するものといえる。 そうすると,引用発明は「前記マルチディスプレイデバイスが単一ディスプレイモードにされるのに応答して,二次閉モードに入り,前記第1の表示が前記マルチディスプレイデバイスの二次ディスプレイにより提示され,前記一次ディスプレイによる前記第1の表示の提示を中断すること」の点で本願発明1と共通する構成を備えている。 f 引用発明の「情報処理装置」は「本体1および蓋体2に」「表示手段3,4がそれぞれ設けられて」いるので「マルチディスプレイデバイス」といえるから,引用発明の「表示制御方法」は「マルチディスプレイデバイス上の表示を制御する方法」といえる。 したがって,本願発明1と引用発明との間には,次の一致点,相違点があるといえる。 (一致点) 「 マルチディスプレイデバイス上の表示を制御する方法であって, 前記マルチディスプレイデバイスが開モードにある間,前記マルチディスプレイデバイスの一次ディスプレイにより第1の表示を提示すること, 前記マルチディスプレイデバイスを閉じるユーザ入力を受信し,前記マルチディスプレイデバイスを閉モードにすること, 前記マルチディスプレイデバイスが単一ディスプレイモードにされるのに応答して,二次閉モードに入り,前記第1の表示が前記マルチディスプレイデバイスの二次ディスプレイにより提示され,前記一次ディスプレイによる前記第1の表示の提示を中断することを含む,方法。」 (相違点1) 本願発明1の方法で「制御」される「表示」が「ウィンドウの表示」と特定されているのに対し, 引用発明の方法で「制御」される「表示」は「ウィンドウの表示」と特定されていない点。 (相違点2) 一致点の「第1の表示」が, 本願発明1では「第1のウィンドウ」と特定されているのに対し, 引用発明では「ウィンドウ」と特定されていない点。 (相違点3) 一致点の「二次閉モードに入」るのが, 本願発明1では「前記マルチディスプレイデバイスが閉じており,前記マルチディスプレイデバイスが単一ディスプレイモードにされるのに応答して」であるのに対し, 引用発明では「蓋体側表示部6を上側として本体1の上に載置した重合状態にする場合,1画面表示に変更する制御を行」い,かつ,「カーソルが本体側表示部5にある場合」である点。 (2)相違点についての判断 事案に鑑みて,上記相違点3について先に検討する。 引用文献1の【図10】のフローチャートも参酌すれば,引用発明の「1画面表示に変更する制御」は,(カーソルが本体側表示部5にある場合という条件の下で)「蓋体側表示部6を上側として本体1の上に載置した重合状態にする」ことにより即実行されると認められるから,「重合状態にする」こと自体に応答して「二次閉モード」に入るものである。 一方,本願発明1の「二次閉モード」は,マルチディスプレイデバイスが「閉じており」即ち「閉じた状態」において,「前記マルチディスプレイデバイスが単一ディスプレイモードにされるのに応答して」,そのモードに入るものであるから,「マルチディスプレイデバイス」を「閉じ」る操作以外の「前記マルチディスプレイデバイスが単一ディスプレイモードにされる」操作を必要とするものであることは明らかである。 そして,引用発明においては,重合状態では本体側表示部5は蓋体2に重合し,蓋体側表示部6しか視認できない「単一ディスプレイ」の状態であるから,このような変更を行う合理的な理由はなく,相違点3に係る本願発明1の構成は当業者が容易になしえたものとはいえない。 したがって,本願発明1は,相違点1,2を検討するまでもなく,当業者であっても引用発明に基づいて容易に発明できたものであるとはいえない。 2.本願発明2-9について 本願発明2-9も,本願発明1の「前記マルチディスプレイデバイスが閉じており,前記マルチディスプレイデバイスが単一ディスプレイモードにされるのに応答して,二次閉モードに入り」と同一の構成を備えるものである。 したがって,本願発明1と同じ理由により,当業者であっても,引用発明に基づいて容易に発明できたものとはいえない。 第6 むすび 以上のとおり,原査定の理由によっては,本願を拒絶することはできない。 また,他に本願を拒絶すべき理由を発見しない。 よって,結論のとおり審決する。

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