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特許拒絶査定不服審判

2016-016584

鉱物材料の処理方法および処理プラント

審判番号
2016-016584
法域
特許
審判種別
拒絶査定不服審判(拒絶査定不服の審決)
出願番号
特願2015-515557外部サイト(J-PlatPat)へ移動します
請求日
2016年11月07日
審決日
2017年06月26日
公報発行日
2017年12月28日
結論
請求不成立
当事者
審判長/審判官
分類
P18 .121-Z (B02C)
根拠条文(結論部分から自動抽出・参考)
特許法29条2項
条文(本文から自動抽出・参考)
特許法第29条第2項
データ出所
審決公報(SGML)

事件の表示

特願2015-515557「鉱物材料の処理方法および処理プラント」拒絶査定不服審判事件〔平成25年12月12日国際公開、WO2013/182734、平成27年 7月16日国内公表、特表2015-520025〕について、次のとおり審決する。

結論

【結 論】 本件審判の請求は、成り立たない。

理由

【理 由】 第1 手続の経緯 本件出願は、2012年6月8日(外国庁受理、フィンランド共和国)を国際出願日とする出願であって、平成26年12月1日に国内書面が提出され、平成27年1月8日に国際出願翻訳文提出書により明細書、特許請求の範囲、図面及び要約書の翻訳文が提出され、平成27年12月9日付けで拒絶理由が通知され、これに対して平成28年2月22日に意見書が提出されたが、平成28年7月15日付けで拒絶査定がされ、これに対して平成28年11月7日に拒絶査定不服審判が請求されたものである。 第2 本願発明 本件出願の請求項1ないし15に係る発明は、平成27年1月8日に提出された明細書、特許請求の範囲及び図面の翻訳文の記載からみて、その特許請求の範囲の請求項1ないし15に記載された事項により特定されるものであるところ、本件出願の請求項8に係る発明(以下、「本願発明」という。)は、次の事項により特定されるとおりのものと認める。 「【請求項8】 鉱物材料の処理プラント(200)であって、前記処理プラントは、 原動機(104)と、 前記処理プラントの熱源(1、3、4)において発生する熱、および前記原動機において使用される燃料(2)の少なくとも1つを冷却するための、ブロワを備えた冷却器と、 前記鉱物材料に湿潤化水を導き、前記処理において発生したダストを結合するためのダスト結合手段(20)と、 前記湿潤化水を前記ダスト結合手段(20)に導く前に、前記処理プラントの使用の間に前記湿潤化水が流れるようになっている熱伝達手段(5)であって、前記処理プラントの少なくとも1つの熱源(1、3、4)の熱および/または前記燃料(2)の熱を前記湿潤化水に伝達するように構成される前記熱伝達手段と、 を備え、 前記熱伝達手段は、前記湿潤化水の流れの方向において前記ダスト結合手段(20)の前に配置される第1熱交換器(5)を備える、 処理プラント。」 第3 引用刊行物 1 刊行物1 (1)刊行物1の記載事項 原査定の拒絶の理由に引用された、本件出願の出願前に頒布された刊行物である特開2004-344814号公報(以下、「刊行物1」という。)には、図面とともに次の事項が記載されている。 「【0006】 【発明の実施の形態】 次に、本発明の実施の形態を図面に基づいて説明する。図面において、1は自走式破砕機であって、該自走式破砕機1は、クローラ式の左右の走行体2に支持される基台フレーム3の前後方向略中央部に、ジョークラッシャ等からなる破砕装置4が載置されている。該破砕装置4の後側上方には、コンクリート塊等の被破砕物が投入されるホッパ5が配され、該ホッパ5の下方には、ホッパ5に投入された被破砕物を破砕装置4の入口部4aに導入するための振動フィーダ6が配されているが、これらホッパ5および振動フィーダ6は、その後半側が基台フレーム3の後端部から後方に突出する状態で、支持フレーム7を介して基台フレーム3に支持されている。さらに、上記振動フィーダ6は、所謂グリズリフィーダと称されるものであって、底面部の前半側に鋸歯状プレート6aを有し、ホッパ5に投入された被破砕物を破砕装置4側に順次搬送すると共に、破砕不要の小さなコンクリート塊や土砂等を、鋸歯状プレート6aの間隙から下方に落下させる。そして、該落下物は、振動フィーダ6の前半側の下方から機体左右方に突出する状態で配されるサイドコンベア8によって、自走式破砕機1の左右外方に搬出されるように構成されている。 一方、破砕装置4の前方には、燃料タンク9、作動油タンク10、操縦部11等が配され、さらにその前方には、図示しないエンジンや油圧ポンプ等が収納される動力室12等が配されている。また、破砕装置4により破砕された処理物を機外に排出するための搬出コンベア13が、破砕装置4の下方から動力室12の下方に至り、さらに機体前上方に向けて突出する状態で配されている。 尚、図中、28は搬出コンベア13の中途部上方に配される磁選機であって、該磁選機28は、コンクリート塊に含まれる鉄筋等の金属材を磁石で磁着して機外に放出するように構成されている。 【0007】 さらに自走式破砕機1には、破砕に伴って生じる塵埃の飛散を防止するための散水装置14が設けられている。該散水装置14は、水道または後述する水タンク装置15に接続されるジョイント部16、該ジョイント部16から散水箇所まで伸びる給水導管17、該給水導管17の先端部に設けられる第一、第二噴射ノズルアッシー18X、18Y、給水導管17の中途部に設けられる第一、第二バルブ19X、19Y等から構成されている。 【0008】 前記ジョイント部16は、基台フレーム3の後端部に配置されているが、このものは、水道にホース(図示せず)を介して接続される水道用給水口16aと、該水道用給水口16aからの水路を開閉するための水道用コック16bと、水タンク装置15から伸びるホース20が接続されるタンク用給水口16cと、該タンク用給水口16cを封止するための着脱自在な封止用プラグ(図示せず)とを備えている。 【0009】 給水導管17は、基端側が前記ジョイント部16に接続され、先端側は基台フレーム3の前端からさらに搬出コンベア13の前端部まで伸び、その先端部に第一噴射ノズルアッシー18Xが設けられる一方、中途部で分岐17aして破砕装置4の入口部4aまで伸び、その先端部に第二噴射ノズルアッシー18Yが設けられている。さらに、前記分岐17a部分には、第一噴射ノズルアッシー18Xへの水路を開閉するための第一バルブ19Xと、第二噴射ノズルアッシー18Yへの水路を開閉するための第二バルブ19Yとが設けられている。 【0010】 第一、第二噴射ノズルアッシー18X、18Yは、それぞれパイプ18Xa、18Yaに複数の噴射ノズル18Xb、18Ybが取り付けられたものであって、各パイプ18Xa、18Yaの末端部には封止用プラグ18Xc、18Ycが取り付けられている。そして第一噴射ノズルアッシー18Xの噴射ノズル18Xbは、搬出コンベア13により機外に排出された破砕処理物に水を噴射し、また第二噴射ノズルアッシー18Yの噴射ノズル18Ybは、破砕装置4の入口部4aに水を噴射し、これによって破砕作業に伴う塵埃の飛散を防止するように構成されている。 【0011】 一方、水タンク装置15は、水を貯溜する水タンク21、該水タンク21の水を散水装置14に送り出すポンプ22、水タンク21からポンプ22に吸引される水を濾過するストレーナ23、水路となるホース20およびパイプ24、水タンク21からポンプ22への水路を開閉するためのタンク用コック25等を用いて構成されるが、この水タンク装置15は、ホッパ5および振動フィーダ6の後半側の下方のスペースに配されている。 つまり、ホッパ5および振動フィーダ6は、その後半側が基台フレーム3の後端部から後方に突出する状態で配されているが、該ホッパ5および振動フィーダ6を支持する支持フレーム7の後半側から垂下する状態で、水タンク装置15用の取付けブラケット26が組み付けられている。さらに取付けブラケット26の前端側は、基台フレーム3の後端部に支持されている。そして、この取付けブラケット26に、水タンク21がバンド27を介して固定支持されると共に、ポンプ22、ホース20およびパイプ24(ストレーナ23およびタンク用コック25はパイプ24の中途部に組込まれる)が支持される構成となっているが、この場合、水タンク装置15は、ホッパ5および振動フィーダ6の後半側の下方のスペース(振動フィーダ6の前半側の下方に配されるサイドコンベア8の後方のスペース)に、ホッパ5および振動フィーダ6の後端部から後方に突出することなく、さらにホッパ5および振動フィーダ6の左右幅から左右外方に突出することのない状態で搭載されている。 【0012】 扨、自走式破砕機1において破砕作業を行うにあたり、破砕作業現場で水道水を水源として用いることができない場合には、自走式破砕機1に水タンク装置15を搭載し、該水タンク装置15から伸びるホース20を散水装置14のジョイント部16のタンク用給水口16cに接続する一方、水道用コック16bは閉じておく。そして散水を実施するときには、タンク用コック25および第一、第二バルブ19X、19Yを開いてポンプ22を駆動させることにより、第一噴射ノズルアッシー18Xからの水が搬出コンベア13から機外に排出された破砕処理物に噴射されると共に、第二噴射ノズルアッシー18Yからの水が破砕装置4の入口部4aに噴射される。尚、何れか一方の噴射ノズルアッシー18X、18Yからのみ散水する場合には、対応する何れか一方の第一、第二バルブバルブ19X、19Yのみを開けば良い。 また、自走式破砕機1に水タンク装置15が搭載されている状態でドレン排水を行う場合には、水道用コック16bを閉じた状態で、第一、第二噴射ノズルアッシー18X、18Yの封止用プラグ18Xc、18Ycを外し、第一、第二バルブ19X、19Yを開き、さらにポンプ22のドレン口(図示せず)、水タンク21のドレン口(図示せず)を開くことによりドレン排水される。 【0013】 一方、破砕作業現場で水道水を水源として用いることができる場合には、水タンク装置15を自走式破砕機1に搭載する必要はなく、この場合には、散水装置14のジョイント部16のタンク用給水口16cを封止用プラグで封止する一方、水道用給水口16aに水道から伸びるホースを接続する。そして散水を実施するときには、水道用コック16bを開き、さらに第一、第二バルブ19X、19Yを開くことで、前述した水タンク装置15を水源とする場合と同様に、第一噴射ノズルアッシー18Xからの水が搬出コンベア13から機外に排出された破砕処理物に噴射されると共に、第二噴射ノズルアッシー18Yからの水が破砕装置4の入口部4aに噴射される。尚、この場合においても、何れか一方の噴射ノズルアッシー18X、18Yからのみ散水する場合には、対応する何れか一方の第一、第二バルブバルブ19X、19Yのみを開けばよい。 また、この場合のドレン排水は、第一、第二噴射ノズルアッシー18X、18Yの封止用プラグ18Xc、18Ycを外し、第一、第二バルブ19X、19Yを開き、さらに水道用コック16bを開くことにより、水道用給水口16aからドレン排水される。 【0014】 叙述の如く構成されたものにおいて、自走式破砕機1には塵埃飛散防止用の散水装置14が装備されているが、該散水装置14は、水道に接続される水道用給水口16aと、水タンク装置15に接続されるタンク用給水口16cとを有している。そして、水道水を水源とする場合には、水道用給水口16aに水道を接続する一方、タンク用給水口16cを封止用プラグで塞ぐことにより、水道からの水を散水装置14に供給でき、また水タンク装置15の水を水源とする場合には、水タンク装置15から伸びるホース20をタンク用給水口16cに接続する一方、水道用コック16bを閉じておくことにより、水タンク21の水を散水装置14に供給できることになる。この結果、破砕作業現場で水道水を確保できるか否かに対応して、水道、水タンク装置15の両方を利用できることになって、利便性に優れる。 尚、本実施の形態では、水道または水タンク21から散水装置14への水供給の切換え手段として、水道用コック16bおよびタンク用コック25を別々に設けたが、これに限定されることなく、例えば三方コックを用いて切換える構成にすることもできる。 【0015】 さらにこのものにおいて、前記水タンク装置15は、被破砕物を破砕装置4に導入するべく機体後方上方に配されるホッパ5および振動フィーダ6の下方のスペースに、ホッパ5および振動フィーダ6の後方および左右外方から突出することのない上下オーバーラップ状態で配されている。このため、水タンク装置15を搭載しても、自走式破砕機1の前後長さや左右幅が大きくなってしまうことがなく、自走式破砕機1のコンパクト化に寄与できると共に、スペースの有効利用が図れることになる。 尚、本発明の散水装置の構造・システムは、前述した自走式破砕機だけでなく、自走式土質改良機(土砂、固化材の飛散防止)、木質系自走式タブグラインダー(木材チップ、木粉の飛散防止)等を代表とする同類の環境リサイクル機にも適用でき、この場合にも同様の作用効果を提供し得る。」(段落【0006】ないし【0015】) (2)上記(1)及び図面の記載から分かること ア 上記(1)及び図1ないし4の記載によれば、刊行物1には、コンクリート塊等の破砕をする自走式破砕機1が記載されていることが分かる。 イ 上記(1)及び図1ないし4の記載(特に、段落【0006】の記載)によれば、自走式破砕機1は、動力室12に収納されるエンジンや油圧ポンプ等を備えることが分かる。 ウ 上記(1)及び図1ないし7の記載によれば、自走式破砕機1は、コンクリート塊等に水を導き、破砕において発生した塵埃の飛散を防止するための散水装置14を備えることが分かる。 (3)引用発明 上記(1)及び(2)を総合して、本願発明の表現に倣って整理すると、刊行物1には、次の事項からなる発明(以下、「引用発明」という。)が記載されていると認める。 「コンクリート塊等の破砕をする自走式破砕機1であって、前記自走式破砕機1は、 動力室12に収納されるエンジンや油圧ポンプ等と、 前記コンクリート塊等に水を導き、前記破砕において発生した塵埃の飛散を防止するための散水装置14と、 を備える自走式破砕機1。」 2 刊行物2 (1)刊行物2の記載事項 原査定の拒絶の理由に引用された、本件出願の出願前に頒布された刊行物である実公昭45-21685号公報(以下、「刊行物2」という。)には、図面とともに次の事項が記載されている。 「考案の詳細な説明 採炭機は機体の大きさが坑内条件により制限されているためドラムカツタ、コールカツタのフイード部は限られたボツクス内に油圧駆動装置と歯車装置が配置され、連続運転が行われる。炭鉱の合理化に伴い、高馬力、高能率のものが要求されるとフイード部の温度上昇は著しく大とならざるを得ない。 本案は坑内設置の散水管の水を利用してフイード部を冷却するようにしたものである。以上図面により本案を説明する。 第1図はドラムカツタを示すもので、図において1はドラムカツタ本体、2はカツタ部3の切削具(カツタドラム)、4は電動機部、5はフイード部、6はフイードチエーンを示す。 本案は第2図に示すようにフイード部5の底フレーム7の裏全面に亙つて蛇行状の溝8を形成しその溝面に第3図に示すように鉄板9を覆せて溶接し、前記鉄板9に坑内設置の散水管接続用孔10と、第1図に示すカツタドラム2に散水するホース11の接続用孔12とを設けたものである。 採炭機運転中散水管より水を導けば水はフイード部底の溝8内を循環してフイード部5を冷却し循環後の水はホース11を経てノズル13に至りカツタドラム2に向って散水される。 本案によれば坑内において採炭機を有効に冷却しつつ切截炭に散水することができる。 実用新案登録請求の範囲 採炭機のフイード部5の底フレーム7を2重底に形成し、前記2重底内に蛇行状の通路8を設け底フレーム7に坑内設置の散水管接続用孔10とカツタ部の切削具に散水する散水ホース11の接続用孔12とを設けた採炭機の冷却装置。」(1ページ左欄19行ないし同ページ右欄末行) (2)刊行物2記載の技術 上記(1)及び第1ないし3図の記載によると、刊行物2には、次の事項からなる技術(以下「刊行物2記載の技術」という。)が記載されていると認める。 「採炭機において、水をノズル13に導く前に、採炭機の使用の間に水が流れるようになっている冷却装置であって、採炭機のフィード部5の熱を水に伝達するように構成される冷却装置と、を備え、冷却装置は、水の流れの方向においてノズル13の前に配置されるフイード部5の底フレーム7の裏全面に亙つて蛇行状の溝8を形成しその溝面に鉄板9を覆せて溶接し、鉄板9に坑内設置の散水管接続用孔10と、カッタドラム2に散水するホース11の接続用孔12とを設けたものを備えるようにした技術。」 第4 対比 本願発明(以下、「前者」ともいう。)と引用発明(以下、「後者」ともいう。)とを、その機能、構造又は技術的意義を考慮して対比する。 ・本件出願の明細書の段落【0002】における「鉱物材料、例えば岩石は、爆破または掘削による処理用の土壌から得られる。また、鉱物材料は、天然の岩石および砂利、あるいは、コンクリートまたは煉瓦あるいはアスファルトのような建設廃棄物である可能性もある。」との記載によれば、コンクリート塊は前者における「鉱物材料」に含まれるから、後者における「コンクリート塊等」は、前者における「鉱物材料」に相当する。 ・後者における「粉砕」は、前者における「処理」に相当し、同様に、「コンクリート塊等の破砕をする自走式破砕機1」は「鉱物材料の処理プラント」に、「自走式破砕機1」は「処理プラント」に、それぞれ相当する。 ・後者における「動力室12に収納されるエンジンや油圧ポンプ等」は、前者における「原動機」に相当する。 ・本件出願の要約における「処理において発生したダストを結合(20)するために、湿潤化水が鉱物材料に導かれる。」との記載、並びに、明細書の段落【0010】における「鉱物材料の処理においては、空気の流れが、処理によって形成される微細な粒子を移動させるが、ダストを結合することによってダスト放出の発生を抑制することが試みられている。破砕プラントのような処理プラントのダスト防止は、多くの場合水の噴射に基づく。水は、破砕機の破砕チャンバのようなプロセスのダスト生成個所に、例えば高圧の200~300l/hの流量で、あるいは高圧なしの上記流量の約3倍の流量で噴射される。」との記載、段落【0012】の記載における「・・・処理において発生したダストを結合するために(冷却器外の)湿潤化水を(例えば噴射によって)鉱物材料に導くことと・・・」との記載及び段落【0038】における「鉱物材料のダスト結合に用いられる(低温の)湿潤化水は第1流入口6に流れるように接続される。」との記載によれば、前者において、鉱物材料のダスト放出の発生を抑制するために、ダストを結合するよう、ダスト結合手段によって湿潤化水を鉱物材料に導いており、一方、後者においても、コンクリート塊等の破砕作業に伴う塵埃の飛散を防止するために、散水装置14によって水をコンクリート塊等に導いていることから、後者における「水」は、前者における「湿潤化水」に相当し、同様に、「塵埃の飛散を防止する」は「ダストを結合する」に、「散水装置14」は「ダスト結合手段」に、それぞれ相当する。 したがって、両者は、 「鉱物材料の処理プラントであって、前記処理プラントは、 原動機と、 前記鉱物材料に湿潤化水を導き、前記処理において発生したダストを結合するためのダスト結合手段と、 を備える処理プラント。」の点で一致し、以下の点で相違している。 [相違点] 本願発明においては、「処理プラントの熱源において発生する熱、および原動機において使用される燃料の少なくとも1つを冷却するための、ブロワを備えた冷却器」と、「湿潤化水をダスト結合手段に導く前に、処理プラントの使用の間に湿潤化水が流れるようになっている熱伝達手段であって、処理プラントの少なくとも1つの熱源の熱および/または燃料の熱を湿潤化水に伝達するように構成される熱伝達手段」と、を備え、「熱伝達手段は、湿潤化水の流れの方向においてダスト結合手段の前に配置される第1熱交換器を備える」のに対して、 引用発明においては、そのような構成を有しているか否か不明である点(以下、「相違点」という。)。 第5 判断 上記相違点の検討に先立ち、刊行物2記載の技術を本願発明の用語及び本願発明の上位概念の用語を用いて表現するために、本願発明と刊行物2記載の技術(以下、「後者2」ともいう。)との対応関係について、その機能、構造又は技術的意義を考慮して以下に検討する。 ・後者2における「採炭機」は、前者における「処理プラント」に、「作業機」という限りにおいて一致する。 ・後者2における「水」は、カッタドラム2に散水されるところ、前者における「湿潤化水」も鉱物材料のダストに散水されることから、後者2における「水」は、前者における「湿潤化水」に、「散水される水」という限りにおいて一致する。 また、後者2における「ノズル13」は、前者における「ダスト結合手段」に、「散水手段」という限りにおいて一致する。 ・後者2における「冷却装置」は、前者における「熱伝達手段」に相当する。 ・後者2における「フイード部5の底フレーム7の裏全面に亙つて蛇行状の溝8を形成しその溝面に鉄板9を覆せて溶接し、鉄板9に坑内設置の散水管接続用孔10と、カツタドラム2に散水するホース11の接続用孔12とを設けたもの」は、前者における「第1熱交換器」に相当する。 したがって、刊行物2記載の技術は、本願発明の用語及び本願発明の上位概念の用語で表現すると、次のとおりの技術ということができる。 「作業機において、散水される水を散水手段に導く前に、作業機の使用の間に散水される水が流れるようになっている熱伝達手段であって、作業機の少なくとも1つの熱源の熱を散水される水に伝達するように構成される熱伝達手段と、を備え、熱伝達手段は、散水される水の流れの方向において散水手段の前に配置される第1熱交換器を備えるようにした技術。」 ところで、引用発明は、動力室12に収納されるエンジンや油圧ポンプ等を備える自走式破砕機であるところ、エンジンや油圧ポンプ等の熱源を備える作業機において、熱源を冷却するためのブロアを備えた冷却器を備えることは、本件出願の出願前にごく普通に行われていること(以下、「慣用技術」という。必要であれば、原査定の拒絶の理由に引用された特開2008-183471号公報(特に、段落【0001】及び【0027】ないし【0035】並びに図1ないし4)を参照。)であるから、引用発明においても、慣用技術に倣って、熱源を冷却するためのブロアを備えた冷却器を備えることは当業者が当然に選択することである。 また、引用発明と刊行物2記載の技術とは、熱源と散水手段を備えた作業機という点で共通しており、しかも、熱源と散水手段を備えた作業機において、刊行物2記載の技術にみられるような散水される水により熱源の冷却を行うことは、本件出願の出願前に周知の技術(以下、「周知技術」という。他に必要であれば、特開2011-231873号公報(特に、段落【0026】ないし【0028】及び図1ないし4)、特開2006-97452号公報(特に、段落【0001】、【0051】及び【0052】並びに図8及び9)及び実願昭53-83590号(実開昭55-4113号)のマイクロフィルム(特に、明細書4ページ18行ないし5ページ4行及び5ページ末行ないし6ページ12行並びに第1及び2図)を参照。)であるから、引用発明において、周知技術を考慮して刊行物2記載の技術を適用することは、当業者が容易に想到できたことである。 そうすると、引用発明において、自走式破砕機1(本願発明の「処理プラント」に相当。括弧内は以下同様。)の熱源において発生する熱を冷却するための、ブロワを備えた冷却器と、水(湿潤化水)を散水装置14(ダスト結合手段)に導く前に、自走式破砕機1(処理プラント)の使用の間に水(湿潤化水)が流れるようになっている熱伝達手段であって、自走式破砕機1(処理プラント)の少なくとも1つの熱源の熱を水(湿潤化水)に伝達するように構成される熱伝達手段と、を備え、熱伝達手段は、水(湿潤化水)の流れの方向において散水装置(ダスト結合手段)の前に配置される第1熱交換器を備えるものとし、上記相違点に係る本願発明の発明特定事項とすることは、当業者が容易に想到できたことである。 そして、本願発明は、全体としてみても、引用発明、刊行物2記載の技術、慣用技術及び周知技術から予測される以上の格別な効果を奏するものではない。 したがって、本願発明は、引用発明、刊行物2記載の技術、慣用技術及び周知技術に基づいて当業者が容易に発明をすることができたものであるから、特許法第29条第2項の規定により特許を受けることができないものである。 第6 むすび 以上のとおり、本願発明は、特許法第29条第2項の規定により特許を受けることができないから、本件出願は拒絶すべきものである。 よって、結論のとおり審決する。

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2016-016584

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