特許拒絶査定不服審判
2016-016091
情報処理装置、情報処理方法および情報処理プログラム
- 審判番号
- 2016-016091
- 法域
- 特許
- 審判種別
- 拒絶査定不服審判(拒絶査定不服の審決)
- 出願番号
- 特願2015-203979外部サイト(J-PlatPat)へ移動します
- 請求日
- 2016年10月27日
- 審決日
- 2017年08月07日
- 公報発行日
- 2017年09月29日
- 結論
- 原査定取消(特許/登録すべき)
- 当事者
- 【請求人】ヤフー株式会社
- 【請求人代理人】特許業務法人酒井国際特許事務所
- 分類
- P18 .121-WY (G06F) / P18 .113-WY (G06F)
- 条文(本文から自動抽出・参考)
- 特許法第29条第1項第3号、特許法第29条第2項、特許法第17条の2第3項
- データ出所
- 審決公報(SGML)
事件の表示
特願2015-203979「情報処理装置、情報処理方法および情報処理プログラム」拒絶査定不服審判事件〔平成29年 4月20日出願公開、特開2017- 76282、請求項の数(14)〕について、次のとおり審決する。
結論
【結 論】
原査定を取り消す。
本願の発明は、特許すべきものとする。
理由
【理 由】
第1 経緯
1.手続
本願は、平成27年10月15日を出願日とする出願であって、手続の概要は以下のとおりである。
拒絶理由通知 :平成28年 3月11日(起案日)
手続補正 :平成28年 5月23日
拒絶査定 :平成28年 7月27日(起案日)
拒絶査定不服審判請求 :平成28年10月27日
手続補正 :平成28年10月27日
2.査定
原審での拒絶の理由は、概略、以下のとおりである。
A.(新規性)この出願の請求項2-5、10、11、16、17に係る発明(平成28年5月13日付け手続補正書による)は、その出願前に日本国内又は外国において、頒布された下記の引用例1に記載された発明であるから、特許法第29条第1項第3号に該当し、特許を受けることができない。
B.本願の請求項1-17に係る発明(平成28年5月13日付け手続補正書による)は、下記引用例1-7に記載された発明および周知技術に基づいて当業者が容易に発明をすることができたものであるから、特許法第29条第2項の規定により、特許を受けることができない。
記
引用例1:特開2010-218247号公報
引用例2:特開2008-129884号公報
引用例3:特表2013-501975号公報(周知技術を示す文献)
引用例4:特開2008-282267号公報(周知技術を示す文献)
引用例5:特開2014-10485号公報(周知技術を示す文献)
引用例6:立花 岳志,他,“スマートフォンでFacebook&Twitterを使いこなす本”,日本,株式会社インプレスジャパン,2012年10月1日,第1版,p.105-106(周知技術を示す文献)
引用例7:特開2010-9099号公報(周知技術を示す文献;拒絶査定時に新たに引用された文献)
第3 審判請求時の補正について
審判請求時の補正は、特許法第17条の2第3項から第6項までの要件に違反しているものとはいえない。
審判請求時の補正によって補正前の請求項1、請求項14、請求項15を削除し、これに伴い各請求項の項番を改めると共に、補正前の請求項2の「前記抽出部によって抽出された検索クエリの候補のうちユーザの行動履歴に基づくクエリを出力する出力部」なる記載を「前記受付部によって前記画像が受け付けられる時点より以前のウェブサービスの利用履歴又はアプリケーションの利用履歴に基づいて、前記抽出部によって抽出された検索クエリの候補の中からクエリを出力する出力部」の記載とする補正(及び、補正前の請求項16、請求項17についても同様の記載とする補正)は、特許請求の範囲の減縮を目的とするものであるか、また、当該補正は新規事項を追加するものではないかについて検討すると、補正前の特許請求の範囲に記載された構成である「出力部」の構成について、補正前は「ユーザの行動履歴に基づくクエリを出力する出力部」であったのに対し、補正後は「前記受付部によって前記画像が受け付けられる時点より以前のウェブサービスの利用履歴又はアプリケーションの利用履歴に基づいて、・・・クエリを出力する出力部」という限定事項を追加する補正であるから特許請求の範囲の減縮を目的とするものである。また、当初明細書の段落【0049】-【0052】に「行動履歴に基づく検索クエリ」の具体的な構成が開示されており、特に【0050】に「ユーザの行動履歴として、ウェブサービスの利用履歴やアプリケーションの利用履歴に基づいて検索クエリの候補を出力する。」の記載があるから、当初明細書等に記載された事項であり、新規事項を追加するものではないといえる。
そして、「第4 本願発明」から「第6 対比・判断」までに示すように、補正後の請求項1-14に係る発明は、独立特許要件を満たすものである。
なお、審判請求時の補正により請求項が削除されたので、拒絶査定時の請求項2-5、10、11、16、17に係る発明は、審判請求時の請求項1-4、9、10、13、14に係る発明が対応している。
第4 本願発明
本願請求項1-14に係る発明(以下、それぞれ「本願発明1」-「本願発明14」という。)は、平成28年10月27日付けの手続補正で補正された特許請求の範囲の請求項1-14に記載された事項により特定される発明であり、以下のとおりの発明である。((A)ないし(D)は当審において付与した。以下「構成要件(A)」等として引用する。)
【請求項1】
(A)画像を受け付ける受付部と、
(B)前記受付部によって受け付けられた画像に基づいて、検索クエリの候補を抽出する抽出部と、
(C)前記受付部によって前記画像が受け付けられる時点より以前のウェブサービスの利用履歴又はアプリケーションの利用履歴に基づいて、前記抽出部によって抽出された検索クエリの候補の中からクエリを出力する出力部と
(D)を備えたことを特徴とする情報処理装置。
【請求項2】
前記抽出部は、
前記画像の特徴量と、検索クエリと対応付けられて記憶部に記憶された参照画像の特徴量との間の類似度に基づいて検索クエリの候補を抽出する
ことを特徴とする請求項1に記載の情報処理装置。
【請求項3】
前記出力部は、
前記画像の特徴量と、検索クエリと対応付けられて記憶部に記憶された参照画像の特徴量との間の類似度に基づいた順序で前記検索クエリの候補が表示されるリストを出力する ことを特徴とする請求項1または2に記載の情報処理装置。
【請求項4】
前記受付部は、
前記画像として、検索対象が撮影された撮影画像を受け付ける
ことを特徴とする請求項1~3のいずれか一つに記載の情報処理装置。
【請求項5】
前記受付部は、
前記画像として、ユーザが有する端末装置の画面に表示中の画像を受け付ける
ことを特徴とする請求項1~4のいずれか一つに記載の情報処理装置。
【請求項6】
前記抽出部は、
前記画像のうち所定の割合以上の面積を占める被写体の検索クエリの候補を抽出する
ことを特徴とする請求項1~5のいずれか一つに記載の情報処理装置。
【請求項7】
前記抽出部は、
前記画像が撮影された位置を示す位置情報に基づいて、検索クエリの候補を抽出する
ことを特徴とする請求項1~6のいずれか一つに記載の情報処理装置。
【請求項8】
前記抽出部は、
前記画像が撮影された時間を示す時間情報に基づいて、検索クエリの候補を抽出する
ことを特徴とする請求項1~7のいずれか一つに記載の情報処理装置。
【請求項9】
前記出力部は、
前記検索クエリの候補として、テキストデータ、画像データまたは音声データに関する
情報を並べたリストを出力する
ことを特徴とする請求項1~8のいずれか一つに記載の情報処理装置。
【請求項10】
前記抽出部は、
前記画像に描出された被写体に関連する特徴から推定される検索クエリの候補を抽出する
ことを特徴とする請求項1~9のいずれか一つに記載の情報処理装置。
【請求項11】
前記出力部は、
前記検索クエリの候補を前記画像上に表示した画像を出力する
ことを特徴とする請求項1~10のいずれか一つに記載の情報処理装置。
【請求項12】
前記出力部は、
前記画像上のうち、前記検索クエリの候補に対応する被写体に基づく位置に当該検索クエリの候補を表示した画像を出力する
ことを特徴とする請求項1~11のいずれか一つに記載の情報処理装置。
【請求項13】
情報処理装置が実行する情報処理方法であって、
画像を受け付ける受付工程と、
前記受付工程によって受け付けられた画像に基づいて、検索クエリの候補を抽出する抽出工程と、
前記受付工程によって前記画像が受け付けられる時点より以前のウェブサービスの利用履歴又はアプリケーションの利用履歴に基づいて、前記抽出工程によって抽出された検索クエリの候補の中からクエリを出力する出力工程と
を含んだことを特徴とする情報処理方法。
【請求項14】
画像を受け付ける受付手順と、
前記受付手順によって受け付けられた画像に基づいて、検索クエリの候補を抽出する抽出手順と、
前記受付手順によって前記画像が受け付けられる時点より以前のウェブサービスの利用履歴又はアプリケーションの利用履歴に基づいて、前記抽出手順によって抽出された検索クエリの候補の中からクエリを出力する出力手順と
をコンピュータに実行させることを特徴とする情報処理プログラム。
第5 引用例、引用発明等
1.引用例1について
原査定の拒絶の理由に引用された引用例1には、図面とともに次の事項が記載されている。
【0001】
本発明は、サーバ、端末装置、プログラム、情報記憶媒体及び画像検索方法等に関する。
【背景技術】
【0002】
従来より、カメラで撮影した商品等を画像認識処理を利用して検索する画像検索システムが知られている。例えば特許文献1には、カメラ付きの携帯電話機により、ユーザが所望する商品を撮影し、撮った画像をインターネットを介して送信することで、その商品の購入が可能な店舗を検索するシステムが開示されている。
【0003】
しかしながら、画像認識処理では、撮った画像から、それに対応する商品を正確に特定することは難しいという課題がある。このため特許文献1では、画像認識率の向上のために、撮影時に調整を行うなどの様々な工夫を行っている。
【0004】
このように、これまでの画像認識処理を利用した画像検索システムでは、撮影した被写体を如何にして正確に特定するかという点に注力が注がれており、画像検索の曖昧さを逆利用するというような発想は無かった。
【0006】
本発明の幾つかの態様によれば、画像検索の曖昧さを有効活用したサーバ、端末装置、プログラム、情報記憶媒体及び画像検索方法等を提供できる。
【0120】
3.詳細な動作
次に本実施形態の動作について図10、図11、図12、図13、図14、図15のフローチャートを用いて説明する。図10、図12、図13、図14は端末装置100側の動作を説明するフローチャートであり、図11、図15はサーバ200側の動作を説明するフローチャートである。
【0121】
図10に示すように端末装置100は、検索対象画像を取得する(ステップS1)。例えば撮像部150で被写体を撮影した画像を、検索対象画像として取得する。そして取得された検索対象画像に基づいて送信データを作成する(ステップS2)。例えばサーバ用のフォーマットに変換して送信データを作成する。そして作成された送信データをサーバに送信する(ステップS3)。
【0122】
図11に示すようにサーバ200は、端末装置100から送信データを受信する(ステップS11)。そして検索対象画像を認識用データに変換する(ステップS12)。例えば検索対象画像のデータを特徴量データに変換する。
【0123】
次に、検索対象画像の認識用データと、画像データベース220の登録画像の認識用データとを照合し、図16に示すように検索対象画像に類似する登録画像の画像IDと類似度を取得する(ステップS13)。図16に示すように、取得された複数(所定数)の類似画像の画像IDと類似度は、画像認識部206からタグ処理部210に送られる。なお、画像認識部206は、検索対象画像に対応する処理IDを作成し、処理IDをタグ処理部210に送ることができる。
【0124】
次に、取得された画像IDを用いて、画像データベース220から、対応する登録画像のタグを取得し、タグの集計処理を行う(ステップS14)。即ちタグ処理部210(タグ集計部212)は、画像認識部206から送られてきた複数の類似画像の画像IDを用いて、画像データベース220から、これらの複数の類似画像についての複数のタグを取得し、後に詳述するようなタグの集計処理を行う。そして図16に示すように、取得された複数のタグや、対応する複数の類似画像の画像IDは、タグ処理部210からデータ作成部214に送られる。なお、タグ処理部210は、処理IDをデータ作成部214に送ることができる。
【0125】
次に、集計結果に基づいて、複数のタグのうちの一部のタグ(選択タグ)を選択する(ステップS15)。即ちタグの集計処理を介して取得された複数のタグの一部のタグ(選択タグ)が、タグ処理部210からデータ作成部214に送られる。また、画像認識部206からの複数(所定数)の類似画像の画像IDの一部の画像ID(選択画像ID)が、タグ処理部210からデータ作成部214に送られる。なお、選択タグの数や選択画像I
Dの数は、例えば、類似検索結果画面の大きさに応じて決定される。
【0126】
次に、一部のタグ(選択タグ)から関連タグデータベース230を介して、関連タグを取得する(ステップS16)。即ちデータ作成部214は、タグ処理部210からの一部のタグ(選択タグ)を用いて、関連タグを取得する。なお、関連タグの数は、例えば、類似検索結果画面の大きさに応じて決定される。また、データ作成部214は、一部のタグ(選択タグ)から関連タグデータベース230を介して、関連タグだけでなく、関連タグに対応する関連タグハブ画面情報を取得することができる。
【0127】
次に、一部のタグ(選択タグ)、関連タグ及び類似画像を含む類似検索結果データを作成し、類似検索結果データは、一部のタグ(選択タグ)を検索結果タグとして含む(ステップS17)。即ちデータ作成部214は、タグ処理部210から送られてきた画像IDの一部の画像ID(選択画像ID)を用いて、画像データベース220から、類似画像を取得する。データ作成部214は、一部の画像ID(選択画像ID)から画像データベース220を介して、類似画像だけでなく、類似画像に対応するハブ画面情報を取得することができる。そして、取得された関連タグや類似画像やハブ画面情報(関連タグハブ画面情報を含む)と、タグ処理部210から送られてきた一部のタグ(選択タグ、検索結果タグ)を用いて、類似検索結果画面やハブ画面を表示するための類似検索結果データ(後述の図19(A)、図19(B)参照)を作成する。そして作成された類似検索結果データは端末装置100に送信される(ステップS18)。なお、データ作成部214は、処理IDを含む類似検索結果データを作成することができる。
【0128】
図12に示すように端末装置100は、サーバから類似検索結果データを受信する(ステップS21)。そして例えば類似画像が表示された類似検索結果画面(図9(A)参照)を表示する(ステップS22)。複数の類似画像は、例えば類似度順で端末装置100の画面に表示する。また、複数の類似画像は、図9(B)に示されるような複数のタグの各タグに対して対応して、端末装置100の画面に表示してもよい。
【0129】
次に、ユーザが、類似検索結果画面のタグ表示モード(例えば、図9(A)のF1で示すタブ)を選択したか否かを判断し(ステップS23)、選択された場合には、図9(B)に示すような類似検索結果画面を表示する(ステップS31)。
【0132】
ステップS23においてタグ表示モードが選択される場合、図9(B)に示すように、例えば複数のタグ(検索結果タグ)と、複数のタグの各タグに対して対応する複数の関連タグとが表示された類似検索結果画面を表示する(ステップS31、図13)。
【0133】
次に、ユーザが、類似検索結果画面の関連タグ(ハイパーリンク)を選択したか否かを判断し(ステップS32)、選択された場合には、その関連タグに対応する関連タグハブ画面を表示する(ステップS33)。この関連タグハブ画面により、関連タグに対応するリンク先がユーザに提示される。
したがって、上記引用例1には次の発明(以下、「引用発明」という。)が記載されていると認められる。((a)ないし(f)は当審において付与した。以下「構成要件(a)」等として引用する。)
(a)端末装置とデータの送受信が可能なサーバであって、
(b)端末装置が取得した画像のデータを受信し、
(c)受信した画像のデータを認識用データに変換した後、当該認識用データと、画像データベースの登録画像の認識用データとを照合し、類似する登録画像の画像IDを取得し、取得した画像IDを用いて、画像データベースから、対応する登録画像のタグを取得し、
(d)複数のタグのうちの一部のタグ(選択タグ)を選択し、一部のタグ(選択タグ)から関連タグデータベースを介して関連タグを取得し、一部のタグ(選択タグ)と関連タグを含む類似検索結果データを作成し、作成された類似検索結果データを端末装置に送信する、
(e)構成を有するサーバ。
第6 対比・判断
1.本願発明1について
(1)対比
本願発明1と引用発明とを対比すると、次のことがいえる。
(1-1)本願発明1の構成要件(A)と引用発明の構成要件(a)、(b)とを対比する。
サーバは、端末装置とデータの送受信が可能であって、端末が取得した画像のデータを受信しているから、当該データを受信する受信部を有しているといえ、この受信部は、画像を受け付けているといえるから、本願発明1の「画像を受け付ける受付部」に相当することは明らかである。
(1-2)本願発明1の構成要件(B)と引用発明の構成要件(c)とを対比する。
引用発明の構成要件(c)では、結局、受信した画像のデータから、当該画像と類似する登録画像の画像IDを取得し、取得した画像IDを用いて、画像データベースから、対応する登録画像のタグを取得しているから、受信した画像(データ)に基づいて、タグを取得しているといえ、当該取得部を有しているといえる。
そして、当該タグは、構成要件(d)にて一部のタグが選択されるから、選択される前のタグは、選択される候補のタグといえる。
また、上記一部のタグは、これを用いて関連タグデータベースを介して関連タグを取得するためのものであるから、検索クエリといえる。
以上のことから、引用発明の構成要件(c)は、本願発明1の構成要件(B)に相当するといえる。
(1-3)本願発明1の構成要件(C)と引用発明の構成要件(d)とを対比する。
引用発明の構成要件(d)では、構成要件(c)で取得したタグの一部を選択しており、上記(1-2)で検討したように、構成要件(c)で取得したタグは、構成要件(d)で選択される候補といえ、また、引用発明のタグは、本願発明1のクエリといえるから、「前記抽出部によって抽出された検索クエリの候補の中からクエリを」得ている。
そして、上記一部のタグは、類似検索結果データに含まれ、端末装置に送信されるから、サーバから出力されている。
したがって、引用発明の構成要件(d)は、「前記抽出部によって抽出された検索クエリの候補の中からクエリを出力する出力部」である点で、本願発明1の構成要件(C)に対応する。
もっとも、本願発明1の出力部は、「前記受付部によって前記画像が受け付けられる時点より以前のウェブサービスの利用履歴又はアプリケーションの利用履歴に基づいて、前記抽出部によって抽出された検索クエリの候補の中からクエリを出力する出力部」であるのに対し、引用発明では、上記下線部に相当する構成を有していない点で相違する。
(1-4)本願発明1の構成要件(D)と引用発明の構成要件(e)とを対比する。
引用発明のサーバは、情報処理装置と称してもよいことは明らかであり、この点で、本願発明1と引用発明とに相違はない。
(1-5)まとめ(一致点・相違点)
以上のとおりであるから、本願発明1と引用発明との間には、次の一致点、相違点があるといえる。
(一致点)
画像を受け付ける受付部と、
前記受付部によって受け付けられた画像に基づいて、検索クエリの候補を抽出する抽出部と、
前記抽出部によって抽出された検索クエリの候補の中からクエリを出力する出力部と
を備えたことを特徴とする情報処理装置。
(相違点)
本願発明1では、「前記受付部によって前記画像が受け付けられる時点より以前のウェブサービスの利用履歴又はアプリケーションの利用履歴に基づいて」、前記抽出部によって抽出された検索クエリの候補の中からクエリを出力しているのに対し、引用発明では、該「前記受付部によって前記画像が受け付けられる時点より以前のウェブサービスの利用履歴又はアプリケーションの利用履歴に基づいて」の構成を有していない点。
(2)相違点についての判断
引用発明でも、「複数のタグのうちの一部のタグ(選択タグ)を選択し」ているから、「前記抽出部によって抽出された検索クエリの候補の中からクエリを」得ていることは、先に検討したとおりである。しかし、引用例1の記載をみても、上記「複数のタグのうちの一部のタグ(選択タグ)を選択」する際に、「前記受付部によって前記画像が受け付けられる時点より以前のウェブサービスの利用履歴又はアプリケーションの利用履歴に基づいて」いるという記載はないから、本願発明1は、引用例1に記載された発明ということはできない。
また、引用例1の記載をみても、当該相違点に相当する技術思想を示唆する記載もなく、拒絶の査定で審査官が引用した他の引用例の記載をみても、上記相違点の構成を導き出すことができるような記載は見当たらず、引用発明に組み合わさることで容易といえるような技術事項は、引用例2ないし引用例7に開示されていないから、引用例1ないし7の記載から、当該相違点の構成を得ることは、当業者が容易に為し得たことであるとはいえない。
以上のとおりであるから、本願発明1は、当業者であっても引用発明、引用例2ないし引用例7の記載に基づいて容易に発明できたものであるとはいえない。
2.本願発明2-12について
本願発明2-12は、本願発明1記載を引用する発明であるから、上記相違点と同一の構成を備えるものであって、本願発明1と同じ理由により、引用例1に記載された発明であるということはできないし、当業者であっても、引用発明、拒絶査定において引用された引用例2ないし引用例7に記載された事項に基づいて容易に発明できたものとはいえない。
3.本願発明13、14について
本願発明13、および14は、それぞれ、「情報処理方法」、「情報処理プログラム」に関する発明であるが、何れの請求項に係る発明も、その構成に、本願発明1に記載された「検索クエリの候補の中からクエリを出力する出力部」に相当する、「検索クエリの候補の中からクエリを出力する出力工程」、「検索クエリの候補の中からクエリを出力する出力手順」を備えており、上記「出力工程」および「出力手順」は、上記相違点と同様の「前記画像が受け付けられる時点より以前のウェブサービスの利用履歴又はアプリケーションの利用履歴に基づいて」の構成を有しているから、本願発明1と同じ理由により、引用例1に記載された発明であるということはできないし、当業者であっても、引用発明、拒絶査定において引用された引用例2ないし引用例7に記載された事項に基づいて容易に発明できたものとはいえない。
第7 原査定について
1.理由A(特許法第29条第1項第3号)について
審判請求時の補正により、本願発明1-4、9、10、13、14は「前記画像が受け付けられる時点より以前のウェブサービスの利用履歴又はアプリケーションの利用履歴に基づいて」という事項を有するものとなっており、引用例1に記載された発明であるとはいえない。したがって、原査定の理由Aを維持することはできない。
2.理由B(特許法第29条第2項)について
審判請求時の補正により、本願発明1-14は「前記画像が受け付けられる時点より以前のウェブサービスの利用履歴又はアプリケーションの利用履歴に基づいて」という事項を有するものとなっており、当業者であっても、拒絶査定において引用された引用例1-7に基づいて、容易に発明できたものとはいえない。したがって、原査定の理由Bを維持することはできない。
第8 むすび
以上のとおり、原査定の理由によっては、本願を拒絶することはできない。
また、他に本願を拒絶すべき理由を発見しない。
よって、結論のとおり審決する。
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