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特許拒絶査定不服審判

2016-012956

イベント記録装置

審判番号
2016-012956
法域
特許
審判種別
拒絶査定不服審判(拒絶査定不服の審決)
出願番号
特願2013-068633外部サイト(J-PlatPat)へ移動します
請求日
2016年08月29日
審決日
2017年10月11日
公報発行日
2017年11月24日
結論
原査定取消(特許/登録すべき)
当事者
審判長/審判官
分類
P18 .121-WY (G06Q) / P18 .537-WY (G06Q)
条文(本文から自動抽出・参考)
特許法第29条第2項、特許法第36条第6項第1号、特許法第36条第6項第2号
データ出所
審決公報(SGML)

事件の表示

特願2013- 68633「イベント記録装置」拒絶査定不服審判事件〔平成26年10月 6日出願公開、特開2014-191731、請求項の数(5)〕について、次のとおり審決する。

結論

【結 論】 原査定を取り消す。 本願の発明は、特許すべきものとする。

理由

【理 由】 第1 手続の経緯 本願は、平成25年3月28日の出願であって、平成27年10月19日付けで拒絶理由通知がなされ、同年12月21日に手続補正がなされたが、平成28年5月23日付けで拒絶査定(原査定)がなされ、これに対し、同年8月29日に拒絶査定不服審判の請求がなされ、当審において、平成29年7月10日付けで拒絶理由通知がなされ、同年8月30日に手続補正がなされたものである。 第2 原査定の概要 原査定(平成28年5月23日付け拒絶査定)の概要は次のとおりである。 請求項1-5に係る発明は、引用文献1に記載された発明及び引用文献2-4に記載された周知技術に基づいて、当業者であれば容易になし得たものであるから、特許法第29条第2項の規定により特許を受けることができない。 引用文献等一覧 1.特開2011-123779号公報 2.特開2012-221265号公報 3.特開2009-123015号公報 4.特開2010-250528号公報 第3 本願発明 本願請求項1-5に係る発明(以下、それぞれ「本願発明1」-「本願発明5」という。)は、平成29年8月30日の手続補正で補正された特許請求の範囲の請求項1-5に記載された事項により特定される発明であり、以下のとおりの発明である。 「【請求項1】 個人の感情に影響を与えたイベントを記録するイベント記録装置であって、 発生したイベントが、個人の感情に影響を与えた度合を、端末操作がされたことを検知した回数により、計数する計数手段と、 予め設定された時間単位での回数(以下、「検知密度」と記す)と時刻情報との対応関係を保存する検知密度記憶手段と、 前記計数手段から検知密度を受信し、前記検知密度と検知された時刻情報を前記検知密度記憶手段に格納する検知密度記録手段と、 前記検知密度記憶手段から前記検知密度と前記時刻情報を読み出して表示手段に表示する読み出し手段と、 を有することを特徴とするイベント記録装置。 【請求項2】 前記検知密度記録手段は、 前記検知密度が所定の密度より少ない場合は、前記検知密度記憶手段に格納しない手段 を含む請求項1記載のイベント記録装置。 【請求項3】 前記計数手段は、 前記イベントが発生した際に、ユーザによって押下される端末のボタン、 前記イベントが発生した際に、ユーザが端末を強く握ることによって、ユーザによって 加圧されたことを検知する加圧センサ、 前記イベントが発生した際に、ユーザが端末を振ったときに変化した加速度によって、 ユーザによって振られたことを検知する加速度センサ、 のいずれかで、端末操作がされたことを検知した回数を、イベントが発生した際に計数する手段を含む 請求項1記載のイベント記録装置。 【請求項4】 ユーザにより入力された文章を前記検知密度記憶手段に格納する文章入力手段、 取得した位置情報を前記検知密度記憶手段に格納する位置情報登録手段、 前記位置情報に基づいて地図情報を取得し、前記検知密度記憶手段に格納する地図情報登録手段、 のいずれかを含む請求項1乃至3のいずれか1項に記載のイベント記録装置。 【請求項5】 前記地図情報登録手段は、 ネットワークに接続されたサーバに位置情報を送信することにより、該位置情報から変換された地図情報を取得して前記検知密度記憶手段に格納する手段を含む請求項4記載のイベント記録装置。」 第4 引用文献、引用発明等 1.引用文献1(特開2011-123779号公報) 上記引用文献1には、次の事項が記載されている。 ア.「【0001】 本発明は、ブラウザに表示された画面上でのクリックボタンの連打回数もしくはキーの連打回数、または携帯端末の揺動回数などの入力行為数を応用してコンテンツ価値を評価するシステムに関するものである。」 イ.「【0026】 実施の形態1. 図1は、コンテンツ価値評価システムのネットワーク構成を示す図である。コンテンツ価値評価サーバ101と利用者端末102は、インターネットを介して接続している。コンテンツ価値評価サーバ101は、利用者端末102で入力された連打数などの入力行為数を気持ちのバロメータに応用するサーバである。利用者端末102は、コンテンツ価値評価サーバ101から配信された入力行為計測プログラムを起動して、利用者の気持ちを連打や揺動動作など(以下、「連打」)により表現するための端末である。・・・」 ウ.「【0027】 ・・・(中略)・・・利用者端末102のWebブラウザで起動された気持ち入力画面と入力行為計測プログラムにより、受け付けた連打数(又は取消ステータス)をコンテンツ価値評価サーバ101に返信する。・・・」 エ.「【0028】 図3は、気持ち入力画面(初期状態)の例を示す図である。連打ボタンアイコン301は、連打モードにおいて連打されるボタンアイコンである。開始ボタンアイコン302は、連打モードに切り替えを指示するためのボタンアイコンである。取消ボタンアイコン303は、連打数の送信を行わずに終了させるための指示を受け付けるボタンアイコンである。確定ボタンアイコン304は、連打数の送信を行い終了させるための指示を受け付けるボタンアイコンである。・・・」 オ.「【0034】 入力行為計測プログラムについて説明する。・・・(中略)・・・開始ボタンアイコンに対する指示(例えば、マウスのような操作デバイスのクリックボタンによるクリック)の場合には、連打判定処理(S603)に移行し、連打を促し、連打数をカウントする。一方、取得したイベントが確定ボタンアイコンに対する指示(クリック)の場合には、カウントした連打数をコンテンツ価値評価サーバ101へ送信する(S604)。・・・」 カ.「【0038】 実施の形態2. この実施の形態では、商品やサービスのレビュー(評価)に、本発明を応用する例を示す。 【0039】 旅行代理業における宿泊施設のサービスに対するレビューの例を示す。図10は、レビュー入力画面の例を示す図である。この画面では、連打ボタンアイコン301、開始ボタンアイコン302、取消ボタンアイコン303、確定ボタンアイコン304、及び連打数ゲージ305に加えて、レビュー対象である宿泊施設の写真や名称の他、レビューコメントを文字列として入力するための本文エリアが設けられている。 【0040】 本実施の形態における入力行為計測プログラムは、レビュー入力プログラムとなる。図11は、実施の形態2に係る入力行為計測プログラム処理フローを示す図である。取得したイベントが本文エリアへのクリックなどによる選択を示す場合には(S1102)、本文入力処理(S1103)で本文エリアへの文字列の入力を受け付けるように動作する。また、S1106では、連打数の他に本文に相当する文字列データも送信するように動作する。 【0041】 コンテンツ価値評価サーバ101では、評価者毎に、連打数と本文を受信し、評価者に対応付けてレビュー結果記憶部(図示せず)に記憶する。そして、レビュー表示の処理のおいては、連打数の平均を算出し、連打数の平均を「みんなの気持ち」として、数値及びバー表示する。また、各評価者のレビュー内容として、連打数を「気持ち」として数値で表示し、本文も表示する。 【0042】 図12は、レビュー表示画面の例を示す図である。この表示画面は、評価者ではなく第三者に対して表示する。表示画面は、評価者本人のユーザ名「太郎さん」、連打数「150回」およびレビュー「食事も美味しく、大満足です」を含む。また、複数のレビューを受信している場合には、表示画面は、レビュー件数「20件」および平均値「123回」を含む。 【0043】 連打数とともにユーザ名およびレビューを表示することにより、ユーザ名で特定される評価者のレビューに対する評価が実現できる。また、連打数とともに平均値を表示することにより、レビューに対する相対的な評価が実現できる。」 前記ア.~カ.によれば、引用文献1には、 実施の形態2について、次の事項が記載されているといえる。 ・前記カ.の「実施の形態2. この実施の形態では、商品やサービスのレビュー(評価)に、本発明を応用する例を示す。」、「旅行代理業における宿泊施設のサービスに対するレビューの例を示す。」の記載、 前記ア.の「本発明は、ブラウザに表示された画面上でのクリックボタンの連打回数もしくはキーの連打回数、または携帯端末の揺動回数などの入力行為数を応用してコンテンツ価値を評価するシステムに関するものである。」の記載によれば、 引用文献1には、「旅行代理業における宿泊施設のサービスに対するレビューに応用したコンテンツ価値評価システム」が記載されている。 ・実施の形態2のレビュー入力画面と入力行為計測プログラムについて検討する。 前記カ.の「図10は、レビュー入力画面の例を示す図である。この画面では、連打ボタンアイコン301、開始ボタンアイコン302、取消ボタンアイコン303、確定ボタンアイコン304、・・・(中略)・・・が設けられている。」の記載によれば、実施の形態2は、レビュー入力画面に、連打ボタンアイコン301、開始ボタンアイコン302、取消ボタンアイコン303、確定ボタンアイコン304を表示する。 また、前記カ.の「コンテンツ価値評価サーバ101では、評価者毎に、連打数と本文を受信し」、「図11は、実施の形態2に係る入力行為計測プログラム処理フローを示す図である。・・・(中略)・・・また、S1106では、連打数の他に本文に相当する文字列データも送信するように動作する。」の記載によれば、実施の形態2は、入力行為計測プログラムが、連打数と本文とをコンテンツ価値評価サーバ101に送信する。 一方、前記イ.の「実施の形態1. 図1は、コンテンツ価値評価システムのネットワーク構成を示す図である。コンテンツ価値評価サーバ101と利用者端末102は、インターネットを介して接続している。」、 前記ウ.の「利用者端末102のWebブラウザで起動された気持ち入力画面と入力行為計測プログラムにより、受け付けた連打数(又は取消ステータス)をコンテンツ価値評価サーバ101に返信する。」の記載、 前記エ.の「図3は、気持ち入力画面(初期状態)の例を示す図である。連打ボタンアイコン301は、連打モードにおいて連打されるボタンアイコンである。開始ボタンアイコン302は、連打モードに切り替えを指示するためのボタンアイコンである。取消ボタンアイコン303は、連打数の送信を行わずに終了させるための指示を受け付けるボタンアイコンである。確定ボタンアイコン304は、連打数の送信を行い終了させるための指示を受け付けるボタンアイコンである。」の記載、 前記オ.の「入力行為計測プログラムについて説明する。・・・(中略)・・・開始ボタンアイコンに対する指示(例えば、マウスのような操作デバイスのクリックボタンによるクリック)の場合には、連打判定処理(S603)に移行し、連打を促し、連打数をカウントする。」の記載によれば、 実施の形態1は、利用者端末102の気持ち入力画面に、連打ボタンアイコン301、開始ボタンアイコン302、取消ボタンアイコン303、確定ボタンアイコン304を表示し、利用者端末102ので起動された入力行為計測プログラムが、連打ボタンアイコン301の連打数をカウントし、当該連打数をコンテンツ価値評価サーバ101に返信する。 したがって、実施の形態2のレビュー入力画面は、実施の形態1の気持ち入力画面をレビューに応用したものであって、実施の形態1と同様に利用者端末102に表示されることは明らかであるから、引用文献1には「利用者端末102のレビュー入力画面には、連打ボタンアイコン301と、レビューコメントを文字列として入力するための本文エリアが設けられ」が記載されているといえる。 また、実施の形態2の入力行為計測プログラムは、実施の形態1の入力行為計測プログラムをレビューに応用したものであって、実施の形態1と同様に利用者端末102において起動されて連打ボタンアイコン301の連打数をカウントすることも明らかである。したがって、引用文献2には「利用者端末102の入力行為計測プログラムは、連打ボタンアイコン301の連打数をカウントし、当該連打数と本文とをコンテンツ価値評価サーバ101に送信し」が記載されているといえる。 ・前記カ.の「コンテンツ価値評価サーバ101では、評価者毎に、連打数と本文を受信し、評価者に対応付けてレビュー結果記憶部(図示せず)に記憶する。そして、レビュー表示の処理のおいては、連打数の平均を算出し、連打数の平均を『みんなの気持ち』として、数値及びバー表示する。また、各評価者のレビュー内容として、連打数を『気持ち』として数値で表示し、本文も表示する。」の記載によれば、引用文献1には、「コンテンツ価値評価サーバ101は、評価者毎に、連打数と本文を受信し、評価者に対応付けてレビュー結果記憶部に記憶し、レビュー表示の処理のおいて、連打数の平均を算出し、連打数の平均を『みんなの気持ち』として、数値及びバー表示し、各評価者のレビュー内容として、連打数を『気持ち』として数値で表示し、本文も表示する」が記載されているといえる。 したがって、引用文献1には、次の発明(以下、「引用発明」という。)記載されている。 <引用発明> 「旅行代理業における宿泊施設のサービスに対するレビューに応用したコンテンツ価値評価システムにおいて、 利用者端末102のレビュー入力画面には、連打ボタンアイコン301と、レビューコメントを文字列として入力するための本文エリアが設けられ、 利用者端末102の入力行為計測プログラムは、連打ボタンアイコン301の連打数をカウントし、当該連打数と本文とをコンテンツ価値評価サーバ101に送信し、 コンテンツ価値評価サーバ101は、評価者毎に、連打数と本文を受信し、評価者に対応付けてレビュー結果記憶部に記憶し、レビュー表示の処理のおいて、連打数の平均を算出し、連打数の平均を『みんなの気持ち』として、数値及びバー表示し、各評価者のレビュー内容として、連打数を『気持ち』として数値で表示し、本文も表示する、 コンテンツ価値評価システム。」 2.引用文献2(特開2012-221265号公報) 上記引用文献2には、次の事項が記載されている(下線は、当審において付与した。)。 「【0125】 なお、地図サーバ600は、撮像装置300や携帯電話機400や検索装置500に、地図データベース(図示略)が搭載されていない場合に、画像情報やイベント情報の位置情報に対応する特定の地名(現在位置の属する都道府県、都市、区、町等)や特定の建物(例えば、東京タワー等)等の情報を検索装置500に提供する。 即ち、地図サーバ600は、Webサーバとしてインターネット上にWebページ(例えば、地名情報提供ページ等)を開設する機能を具備するものであり、検索装置500からのアクセスに応じて当該検索装置500にWebページのページ情報を送信する。具体的には、地図サーバ600は、検索装置500からの画像情報やイベント情報の位置情報(例えば、緯度、経度の座標情報)に対応する地名の送信要求に対して、当該地名を記憶部602内で検索して特定し、当該地名情報を検索装置500に送信する。 ・・・(中略)・・・ 【0127】 記憶部602は、例えば、半導体の不揮発性メモリやHDD(Hard Disc Drive)等により構成され、検索装置500に送信される地名情報やWebページのアドレス情報等を記憶する。具体的には、記憶部は、特定の地名(現在位置の属する都道府県、都市、区、町等)や特定の建物と位置情報(例えば、緯度、経度の座標情報)とを対応付けて複数記憶する。」 上記記載によれば、引用文献2には、次の事項が記載されている。 <引用文献2の記載事項> 「特定の地名と位置情報(緯度、経度の座標情報)とを対応付けて複数記憶する記憶部を備え、 検索装置500からの画像情報やイベント情報の位置情報に対応する地名の送信要求に対して、当該地名を記憶部602内で検索して特定し、当該地名情報を検索装置500に送信する、地図サーバ600。」 3.引用文献3(.特開2009-123015号公報) 上記引用文献3には、次の事項が記載されている(下線は、当審において付与した。)。 ア.「【0032】 まず、図1を参照して、本発明に係るブランドランク評価システムの代表的な実施形態を説明する。・・・」 イ.「【0052】 検索キーワード入力部32a~32dは検索キーワードを入力する箇所である。テキストボックス等になっており、検索したいブランド名やブランドに関連する語句を入力するものである。・・・」 ウ.「【0061】 図6に示すように、詳細検索結果表示欄36(37)のキーワード表示タブ61a、ブログ検索結果表示タブ62が選択されている場合には、検索キーワード入力部32aに入力されている検索キーワードに関連するブログデータが表示される。 【0062】 ブログ検索結果詳細表示欄65a~65cには、評価判定部23fにより判定されたブランドに対するランク評価、ブログデータベース25から取得されたブログデータのブログ記事タイトル、書き込み日時、ブログ記事本文、記事URLアドレスを表示する。 【0063】 内容を良く評価するものであれば「ポジティブ」、内容を悪く評価するものであれば「ネガティブ」、どちらにもあてはまらなければ「中間層」というように、ブログ記事の本文に基づいて評価ランクを表示する。・・・」 前記ア.~ウ.によれば、引用文献3には、次の事項が記載されている。 <引用文献3の記載事項> 「検索キーワード入力部32aに入力されているブランド名に関連するブログデータを、ブログ検索結果詳細表示欄65a~65cに表示し、 ブログ検索結果詳細表示欄65a~65cには、内容を良く評価するものであれば「ポジティブ」、内容を悪く評価するものであれば「ネガティブ」、どちらにもあてはまらなければ「中間層」というように、ブログ記事の本文に基づいて、ブランドに対するランク評価を表示するブランドランク評価システム。」 4.引用文献4(特開2010-250528号公報) 上記引用文献4には、次の事項が記載されている(下線は、当審において付与した。)。 ア.「【0023】 図1は、本実施形態に係る感情マッチングシステムの全体構成及び本実施形態に係る感情マッチング装置1の概略構成を示すブロック図である。 図1に示すように、本実施形態に係る感情マッチングシステムは、感情マッチング装置1と、ユーザ端末2と、で構成され、コンテンツに感情タグを付与し、感情の推移が類似する他ユーザを検索して表示させるシステムである。・・・」 イ.「【0024】 また、図1に示すように、感情マッチング装置1は、制御部11、記憶部(補助記憶)12、入出力部13、通信部14等を備えたコンピュータを用いて構成される。・・・」 ウ.「【0027】 ・・・(中略)・・・記憶部12には、ユーザデータベース12a、コンテンツデータベース12b、感情推移データベース12c等が格納されている。」 エ.「【0032】 感情推移データベース12cは、コンテンツデータベース12bに格納された、時間の経過を伴って再生可能なコンテンツデータに対して経過時間ごとにユーザが付与した感情タグをユーザごとに記憶するデータベースである。・・・」 オ.「【0035】 図2は、ユーザ端末2の表示部21に表示される画面の一例について示した図である。 図2に示すように、ユーザ端末2の表示部21に表示される画面は、例えばブラウザを用いたWebベースで表示される。また、動画等のコンテンツを再生するためのメイン画面211が画面上に示されている。 【0036】 表示部21は、メイン画面211の他、感情が揺り動かされた箇所に印(感情タグ)を付けるための複数のボタンが表示された感情ボタン部212、・・・(中略)・・・等を有している。 【0037】 感情ボタン部212は、人の持つ感情に対応したボタンを有し、図2に示したように、楽しさやうれしさを表す「楽しい」ボタン212a、つまらない気分やがっかりした気分を表す「つまらない」ボタン212b、泣ける気分やセンチメンタルな気分を表す「悲しい」ボタン212c、及び感動を表す「感動」ボタン212d、を有する。 【0038】 本実施形態では、感情ボタンの押下回数やボタンの大きさに応じて重みを設定することができる。例えば、図2に示したように、感情ボタン部212は、人の持つ感情に対応した4種のボタンがそれぞれ大中小の三段階の大きさのボタンを備えて構成されている。本実施形態では、大ボタンが1回押下されると10ポイント、中ボタンが1回押下されると5ポイント、小ボタンが1回押下されると1ポイント、がそれぞれカウントされるものとする。なお、感情ボタンの大きさは何種類であってもよく、それぞれのボタンに対応付けられるポイントの値も任意に設定可能である。」 カ.「【0040】 以下、感情マッチング装置1の動作について、図3~図8を用いて説明する。 図3は、本実施形態に係る感情マッチング装置1内で行われる感情タグ登録処理の一例について示したフローチャートである。この感情タグ登録処理は、ユーザによりユーザ端末2の表示部21上に表示された感情ボタンが押下されたことを契機に、CPU111がROM113に格納されている感情タグ登録プログラムを実行することにより実現される。 【0041】 図3に示すように、ステップS11では、感情タグを受信する。具体的には、ユーザにより押下された感情ボタンに対応する感情タグを受信する。 ステップS12では、ステップS11で受信した感情タグを感情推移データベース12cに登録する。」 キ.「【0043】 感情タグは、コンテンツの再生区間ごとに数値化された重みである。コンテンツの再生区間とは、再生中のコンテンツに対してユーザが付与した感情タグの重みを数値化するための評価単位のことであり、本実施形態では5分と予め定めるものとする。・・・」 前記ア.~キ.によれば、引用文献4には、次に事項が記載されている。 <引用文献4の記載事項> 「コンテンツに感情タグを付与する感情マッチングシステムであって、 感情マッチング装置1と、ユーザ端末2とで構成され、 感情マッチング装置1は、記憶部12に感情推移データベース12cを格納し、感情推移データベース12cは、時間の経過を伴って再生可能なコンテンツデータに対して経過時間ごとにユーザが付与した感情タグをユーザごとに記憶するデータベースであり、 感情タグは、コンテンツの再生区間ごとに数値化された重みであり、 ユーザ端末2は、表示部21に、動画のコンテンツを再生するためのメイン画面211と、感情が揺り動かされた箇所に感情タグを付けるための複数のボタンを表示する感情ボタン部212とを有し、 感情ボタン部212は、『楽しい』ボタン212a、『つまらない』ボタン212b、『悲しい』ボタン212c、及び『感動』ボタン212dを有し、当該4種のボタンは、それぞれ大中小の三段階の大きさのボタンを備えて構成され、大ボタンが1回押下されると10ポイント、中ボタンが1回押下されると5ポイント、小ボタンが1回押下されると1ポイント、がそれぞれカウントされ、感情ボタンの押下回数とボタンの大きさに応じて重みを設定することができ、 感情マッチング装置1は、ユーザにより押下された感情ボタンに対応する感情タグを受信し、当該感情タグを感情推移データベース12cに登録する、 感情マッチングシステム。」 第5 対比・判断 1.本願発明1について (1)対比 本願発明1と引用発明とを対比すると、次のことがいえる。 ・引用発明のコンテンツ価値評価システムは、宿泊施設のサービスに対するレビューをレビュー結果記憶部に記憶する。宿泊施設のサービスはイベントであり、このレビュー結果を記憶することはイベントを記録することといえる。また、そのイベントは、「気持ち」すなわち個人の感情に影響を与えたといえる。 したがって、引用発明のコンテンツ価値評価システムは、本願発明1の「個人の感情に影響を与えたイベントを記録するイベント記録装置」に相当する。 ・引用発明の「連打数」は、宿泊施設のサービスが「気持ち」に影響を与えた度合といえるから、本願発明1の「発生したイベントが、個人の感情に影響を与えた度合」に相当し、「連打ボタンアイコン301の連打数をカウント」する手段は、この度合を「端末操作がされたことを検知した回数により、計数する計数手段」といえる。 したがって、引用発明における「連打ボタンアイコン301の連打数をカウント」する手段は、本願発明1の「発生したイベントが、個人の感情に影響を与えた度合を、端末操作がされたことを検知した回数により、計数する計数手段」に相当する。 ・引用発明の、連打数と本文とを評価者に対応付けて記憶するレビュー結果記憶部と、本願発明1の「予め設定された時間単位での回数(以下、「検知密度」と記す)と時刻情報との対応関係を保存する検知密度記憶手段」は、「回数を保存する検知回数記憶手段」の点で共通する。 ・引用発明は、「連打数」をレビュー結果記憶部に記憶する。 したがって、引用発明の「レビュー表示の処理のおいて、連打数の平均を算出し、連打数の平均を『みんなの気持ち』として、数値及びバー表示し、各評価者のレビュー内容として、連打数を『気持ち』として数値で表示し、本文も表示する」において、レビュー表示される「連打数」が、レビュー結果記憶部から読み出されたことは明らかである。 よって、引用発明の、連打数をレビュー表示する手段と、本願発明1の「前記検知密度記憶手段から前記検知密度と前記時刻情報を読み出して表示手段に表示する読み出し手段」は、「前記検知回数記憶手段から前記検知回数を読み出して表示手段に表示する読み出し手段」の点で共通する。 したがって、本願発明1と引用発明との一致点・相違点は、次の通りである。 <一致点> 「個人の感情に影響を与えたイベントを記録するイベント記録装置であって、 発生したイベントが、個人の感情に影響を与えた度合を、端末操作がされたことを検知した回数により、計数する計数手段と、 回数を保存する検知回数記憶手段と、 前記計数手段から検知回数を受信し、前記検知回数を前記検知回数記憶手段に格納する検知回数記録手段と、 前記検知回数記憶手段から前記検知回数を読み出して表示手段に表示する読み出し手段と、 を有することを特徴とするイベント記録装置。」 <相違点1> 回数が、本願発明1では「予め設定された時間単位での回数」すなわち「検知密度」であるのに対し、引用発明では「連打数」であり、「予め設定された時間単位での回数」(検知密度)ではない点。 <相違点2> 検知密度記憶手段が、本願発明1では「回数と時刻情報との対応関係を保存する」のに対し、引用発明では、時刻情報を保存していない点。 <相違点3> 検知回数記録手段が、本願発明1では「検知された時刻情報」を格納するのに対し、引用発明では、「検知された時刻情報」を格納していない点。 <相違点4> 読み出し手段が、本願発明1では、「前記時刻情報を読み出して表示手段に表示する」のに対し、引用発明では、時刻情報を読み出して表示手段に表示するものではない点。 (2)判断 次に上記相違点1-4について検討する。 引用文献4には「時間の経過を伴って再生可能なコンテンツデータに対して経過時間ごとにユーザが付与した感情タグをユーザごとに記憶するデータベース」を有するが、 この経過時間は、「予め設定された時間単位」といえるものの、動画のような「時間の経過を伴って再生可能なコンテンツデータ」の再生区間をを表すものである。 一方、引用発明は、宿泊施設のサービスに対するレビューを行うシステムであり、「時間の経過を伴って再生可能なコンテンツデータ」を再生するものではないから、引用発明に引用文献4の記載事項を適用して、連打数を、再生区間を表す経過時間ごとに記憶させる動機がない。 また、引用文献4に記載された感情タグは、ポイントをカウントした値であり、「端末操作がされたことを検知した回数」ではなく、また、引用文献4に記載された経過時間は、コンテンツデータの再生区間を表すものであって、本願発明1に係る「時刻情報」ではない。 したがって、引用文献4の上記データベースは、「予め設定された時間単位での回数と時刻情報との対応関係を保存する」ものではない。 したがって、上記相違点1-4に係る構成は、引用文献4に記載も示唆もされていない。 また、上記相違点1-4に係る構成は、引用文献2,3にも記載も示唆もされていない。 したがって、本願発明1は、当業者であっても引用発明、引用文献2-4に記載された技術的事項に基づいて容易に発明できたものであるとはいえない。 2.本願発明2-5について 本願発明2-5も、本願発明1の「予め設定された時間単位での回数(以下、「検知密度」と記す)と時刻情報との対応関係を保存する検知密度記憶手段」と、「前記計数手段から検知密度を受信し、前記検知密度と検知された時刻情報を前記検知密度記憶手段に格納する検知密度記録手段」と、「前記検知密度記憶手段から前記検知密度と前記時刻情報を読み出して表示手段に表示する読み出し手段」と同一の構成を備えるものであるから、本願発明1と同じ理由により、当業者であっても、引用発明、引用文献2-4に記載された技術的事項に基づいて容易に発明できたものとはいえない。 第5 原査定の概要及び原査定についての判断 原査定は、請求項1-5について、上記引用文献1-4に基づいて当業者が容易に発明できたものであるから、特許法第29条第2項の規定により特許を受けることができないというものである。しかしながら、平成29年8月30日付け手続補正により補正された請求項1-5は、それぞれ「予め設定された時間単位での回数(以下、「検知密度」と記す)と時刻情報との対応関係を保存する検知密度記憶手段」と、「前記計数手段から検知密度を受信し、前記検知密度と検知された時刻情報を前記検知密度記憶手段に格納する検知密度記録手段」と、「前記検知密度記憶手段から前記検知密度と前記時刻情報を読み出して表示手段に表示する読み出し手段」という事項を有するものとなっており、上記のとおり、本願発明1-5は、引用発明、引用文献2-4に記載された技術的事項に基づいて容易に発明できたものではない。したがって、原査定を維持することはできない。 第6 当審拒絶理由について 1.特許法第36条第6項第1号について (1)当審では、請求項1の「イベントが発生したことを検知すると、検知した回数を計数する計数手段」という点は、発明の詳細な説明に記載されていないとの拒絶の理由を通知しているが、平成29年8月30日の補正において、「発生したイベントが、個人の感情に影響を与えた度合を、端末操作がされたことを検知した回数により、計数する計数手段」と補正された結果、この拒絶の理由は解消した。 (2)当審では、請求項3の「前記イベントが発生した際に、ユーザによって加圧されたことを検知する加圧センサ」、「前記イベントが発生した際に、ユーザによって振られたことを検知する加速度センサ」、「前記イベントが発生した際に、ユーザによって温度変化が与えられたことを検知する温度センサ」という点は、発明の詳細な説明に記載されていないとの拒絶の理由を通知しているが、平成29年8月30日の補正において「前記イベントが発生した際に、ユーザが端末を強く握ることによって、ユーザによって加圧されたことを検知する加圧センサ」、「前記イベントが発生した際に、ユーザが端末を振ったときに変化した加速度によって、ユーザによって振られたことを検知する加速度センサ」と補正され、また、温度センサに関する記載は削除された結果、この拒絶の理由は解消した。 2.特許法第36条第6項第2号について (1)当審では、請求項1において、イベントの発生について、どのような物理的現象を検知したら1回と数えて、その回数を計数しているのか不明であるとの拒絶の理由を通知しているが、平成29年8月30日の補正において、「発生したイベントが、個人の感情に影響を与えた度合を、端末操作がされたことを検知した回数により、計数する計数手段」と補正された結果、この拒絶の理由は解消した。 (2)当審では、請求項3の「計数する手段(計数手段)」は、ボタンや、センサを使用して、何を計数するのか特定されていないため、その技術的構成が不明であるとの拒絶の理由を通知しているが、平成29年8月30日の補正において、「前記イベントが発生した際に、ユーザによって押下される端末のボタン、前記イベントが発生した際に、ユーザが端末を強く握ることによって、ユーザによって加圧されたことを検知する加圧センサ、前記イベントが発生した際に、ユーザが端末を振ったときに変化した加速度によって、ユーザによって振られたことを検知する加速度センサ、のいずれかで、端末操作がされたことを検知した回数を、イベントが発生した際に計数する手段」と補正された結果、この拒絶の理由は解消した。 (3)当審では、請求項3の「イベントが検出された際に計数する手段」において、「検出」という用語は、他の部分に記載されている「検知」という用語と同義なのか否か不明であるとの拒絶の理由を通知しているが、平成29年8月30日の補正において、「検出」が「検知」と補正された結果、この拒絶の理由は解消した。 第7 むすび 以上のとおり、本願発明1-5は、当業者が引用発明及び引用文献2-4に記載された技術的事項に基づいて容易に発明をすることができたものではない。 したがって、原査定の理由によっては、本願を拒絶することはできない。 また、他に本願を拒絶すべき理由を発見しない。 よって、結論のとおり審決する。

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2016-012956

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