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特許拒絶査定不服審判

2016-011576

光源装置および照明装置

審判番号
2016-011576
法域
特許
審判種別
拒絶査定不服審判(拒絶査定不服の審決)
出願番号
特願2014-259411外部サイト(J-PlatPat)へ移動します
請求日
2016年08月02日
審決日
2017年03月21日
公報発行日
2017年07月28日
結論
請求不成立
審判長/審判官
分類
P18 .121-WZ (H01L)
データ出所
審決公報(SGML)

事件の表示

特願2014-259411「光源装置および照明装置」拒絶査定不服審判事件〔平成27年 5月14日出願公開、特開2015- 92608〕について、次のとおり審決する。

結論

【結 論】 本件審判の請求は、成り立たない。

理由

【理 由】 第1 手続の経緯 本願は、平成23年3月25日に出願した特願2011-68973号(以下「原出願」という。)の一部を平成26年12月22日に新たな特許出願としたものであって、平成27年10月15日付け拒絶理由通知に対して、同年12月16日に手続補正がなされたが、平成28年5月13日付けで拒絶査定がなされ、これに対し、同年8月2日に拒絶査定不服審判が請求されると同時に手続補正がなされ、その後、当審において、同年11月25日付けで拒絶の理由(以下「当審拒絶理由」という。)が通知され、平成29年1月26日に手続補正がなされたものである。 第2 本願発明 本願の請求項1ないし11に係る発明は、平成29年1月26日付けの手続補正により補正された請求項1ないし11に記載された事項により特定されるとおりのものであるところ、その請求項1に係る発明(以下「本願発明」という。)は、次のとおりのものである。 「第1面、および、前記第1面と反対側の第2面を有する基板と、 前記基板を貫通する貫通穴と、 前記第1面に、前記貫通穴を囲むように配置された複数の発光素子と、 前記第1面に、外部と接続可能なアノードランドとカソードランドを含んで配置された配線パターンと、 前記第1面に、前記発光素子が搭載される搭載領域よりも内側の領域に設けられた第1の樹脂ダムと外側の領域に設けられた第2の樹脂ダムと、 前記複数の発光素子を封止し、前記第1及び第2の樹脂ダムで囲まれる部分を充填する封止樹脂とを備え、 前記第1の樹脂ダム、及び、前記第2の樹脂ダムはそれぞれ円環状であり、 前記貫通穴は、前記第1の樹脂ダム、及び、前記第2の樹脂ダムそれぞれの円環状の中心に設けられており、 前記アノードランド及び前記カソードランドは、前記内側の領域に形成されると共に前記第1の樹脂ダムと前記貫通穴との間に配置されており、かつ、前記貫通穴を挟んで対向するように配置されており、 前記発光素子が搭載される搭載領域は円環状に連続した領域であることを特徴とする光源装置。」(なお、下線は、請求人が手続補正書において付したものである。) 第3 刊行物の記載 (1)当審拒絶理由に引用した、原出願の出願前に頒布された刊行物である 特開2010-97890号公報(平成22年4月30日公開。以下「引用文献」という。)には、図とともに以下の記載がある(なお、下線は当審で付した。以下同じ。)。 ア 「【請求項1】 発光素子と; 発光素子を表面に配設した基板と; 基板表面に設けられ発光素子に電気的に接続される電気接続部と; 基板に貫通すると共に、電気接続部と近接した位置に形成され、発光素子へ電力を供給させる電線を基板裏面から表面に向けて挿通させて電気接続部に接続させるための貫通孔と; を具備していることを特徴とする発光モジュール。」 イ 「【課題を解決するための手段】 【0009】 …… 【0011】 本発明において、発光素子は、発光ダイオード、有機ELまたは半導体レーザーなど、半導体等を発光源とした発光素子が許容される。発光素子は複数個で構成されていることが好ましいが、照明の用途に応じて必要な個数は選択され、例えば、1個の発光素子で構成されるものであってもよい。 【0012】 基板は、その表面に光源としての発光素子を配設するための部材で、例えば、アルミニウム、銅、ステンレス等の熱伝導性の良好な金属で構成し、その表面にシリコーン樹脂等の電気絶縁層を介して配線パターンを形成し、この配線パターン上に発光素子を実装等して配設されることが好ましいが、基板の構成および実装等をするための手段は特定のものに限定されない。基板の材質も、例えば、エポキシ樹脂等の合成樹脂やガラスエポキシ材、紙フェノール材等で構成してもよい。また、基板の形状は、点または面モジュールを構成するために円板状や四角形、六角形などの多角形状、さらには楕円形状等をなすものであっても、線モジュールを構成する長尺なライン状をなしていてもよく、目的とする配光特性を得るための全ての形状が許容される。【0013】 電気接続部は、基板表面に配設された発光素子に電力を供給させる電線を電気的に接続するためのものであり、発光素子との接続は、基板に形成された配線パターンに着脱が可能なコネクタを用いて接続するのもであっても、または、配線パターンに電線が直接半田付けやネジ止め等の手段で接続されるものであってもよい。さらには、配線パターンを介さずに発光素子に電線を直接接続するものであってもよい。 【0014】 …… 【0015】 また、貫通孔は電気接続部と近接した位置に形成されるが、貫通孔と電気接続部で形成される非発光部分の中心部が、基板の中心(光軸)からずれて配置され配光が不均一になることを解消するために、貫通孔の中心も基板の中心から若干離間させて位置させることが好ましいが、基板の中央部に位置して形成しても、さらには基板の外周部などに位置させて形成したものであってもよい。」 ウ 「【発明を実施するための最良の形態】 【0024】 以下、本発明に係る発光モジュール、この発光モジュールを組み込んだ照明装置、この照明装置を組み込んだ照明器具の実施形態につき図に従い説明する。 【実施例1】 【0025】 先ず、発光モジュールの構成を説明する。図1に示すように、本実施例の発光モジュール10は、光源となる発光素子11、発光素子を表面に配設した基板12、基板表面に設けられた電気接続部13、基板に貫通して形成された貫通孔14で構成する。 【0026】 光源となる発光素子11は、本実施例では半導体発光素子である発光ダイオード(以下「LED」と称す)で構成し、同一性能を有する複数個のLED11が用意され、この各LEDは、本実施例では青色LEDチップとこの青色LEDチップにより励起される黄色蛍光体により白色を発光する高輝度、高出力のLEDからなる。 【0027】 基体12は、熱伝導性の良好な金属、本実施例では平板状の略円板状をなすアルミニウムで構成され、その表面(図1(a)における上方の面)にシリコーン樹脂等の電気絶縁層12aを介して銅箔からなる配線パターン12bが形成され、この配線パターン上に各LED11が略同心円状をなすように略等間隔に実装して配設される。これにより円板状の基板12の中心xにおいて、複数のLED11が略対称となるように配設される。なお、各LED11は配線パターンにより直列に接続される。 【0028】 また、基板12には、基板12、配線パターン12bおよび電気絶縁層12aを貫通する貫通孔14を形成する。貫通孔14は、LED11へ電力を供給させる電線wを基板裏面から表面に向けて挿通させて電気接続部13に接続させるための貫通した孔で、その中心yが基板12の中心xから基板表面の外周方向に偏位した位置に寸法aだけ離間させて形成する。貫通孔14の周囲には、スペースを残してリング状をなす凸状のフレーム12cを形成し、さらに、基板表面に実装された各LED11を囲む外周部に同様リング状をなす凸状のフレーム12dを形成する。この2重のリング状をなす凸状のフレーム12c、12dは、基板の中心xを中心にした放射方向で、かつ120°の角度をなして略等間隔に配設される3本のリブ12eにより一体化されて構成される。この2重のリング状をなす凸状のフレーム12c、12dおよびリブ12eの高さ寸法は、略同一の寸法となし、0.1mm~2.0mmの範囲にすることが望ましい。 【0029】 基板の表面に形成される凸状の2重のフレーム12c、12dおよび3本のリブ12eは、次のようにして形成される。すなわち、合成樹脂、本実施例では、エポキシ樹脂を成形することにより径の異なる2重のリング状をなすフレーム12c、12dの間に3本のリブ12eを一体に成形する。この成形されたリブ付のフレームを貫通孔14の周囲およびLED11を囲む所定の外周部に位置させて配置し、電気絶縁性および耐熱性を有するシリコーン樹脂やエポキシ樹脂等からなる接着剤で基板12の表面に固着する。 【0030】 この際、2重のリング状をなすフレーム12c、12dは、リブ12eにより一体化されて構成されているので、1回の工程で2重のリング状をなすフレーム12c、12dを所定の位置に配置させることができる。因みにリブで一体化されていない場合は、内側のフレーム12cを配置させる工程と、外側のフレーム12dを配置させる2工程が必要となる。 【0031】 上記により、それぞれの凸状のフレーム12c、12dおよびこのフレームに連結されたリブ12eにより、扇状に閉じられた堰が形成される。この堰により囲まれた扇状のスペース内に配線パターン12bが配設され、この配線パターン上に各LED11、本実施例では複数個の青色LEDチップが実装されて配設される。さらに、この青色LEDチップを覆うようにして黄色蛍光体を含有する透光体15が塗布または充填されてLED11が基板12の表面に封止され実装される。 【0032】 この際、それぞれの凸状のフレーム12c、12d、およびこのフレームに連結されたリブ12eにより、扇状に閉じられた堰が形成されているので、透光体15を塗布または充填する際に液状の封止樹脂が基板の外周部や貫通孔の周囲に流出することがなく、基板表面や貫通孔14から通じる基板裏面の不要な部分等に封止樹脂が付着することがない。本実施例において透光体15は、シリコーン樹脂やエポキシ樹脂等の透明な樹脂に、所定の黄色蛍光体を混合・分散させた層として形成した。 【0033】 上記貫通孔14は、電気接続部13と近接した位置に形成される。すなわち、電気接続部13は、基板の中心xから貫通孔14が設けられる方向とは反対側となる放射方向の線上における基板表面の外周方向に偏位した位置に設けられる。これにより、図1(b)に示すように、貫通孔14と電気接続部13、および、これらの周囲に形成された凸状のフレーム12cで囲まれる部分により非発光部分Aが形成される。すなわち、その中心yが基板12の中心xから寸法aだけ離間させて形成した貫通孔14や、貫通孔14に近接して設けられた電気接続部13を含む非発光部分Aの中心部zが、基板12の中心xに略位置するように配置され、各LED11は、この非発光部分Aの周囲に複数設けられる構成となる。 【0034】 …… 【0035】 電気接続部13は、小型のコネクタで構成され、コネクタの出力側端子が各LED11を直列に配線した配線パターン12bの導入側に接続されて固着され、基板12の表面に配設された各LED11に電気的に接続される。コネクタの入力側端子には、後述する点灯装置の出力端子に接続された給電用の電線wが接続される。これにより、全体の外観形状が略円盤状をなし、基板12が平板状をなした小型の発光モジュール10が構成される。 【0036】 次に、上記に構成された発光モジュールを用いた照明装置の構成を説明する。本実施例の照明装置は、電球形の照明装置を構成したものであり、この電球形の照明装置20は、図2に示すように、上記に構成された発光モジュール10、発光モジュールを支持する本体21、発光モジュールを点灯させる点灯装置22、点灯装置に給電するための口金23および発光モジュール10を覆うグローブ24で構成する。」 エ 「【図面の簡単な説明】 【0071】 【図1】本発明の実施形態に係る発光モジュールを示し、(a)は断面図、(b)は上面図。 【図2】同じく発光モジュールを組み込んだ照明装置の縦断面図。 …… 【符号の説明】 【0072】 10 発光モジュール 11 発光素子 12 基板 13 電気接続部 14 貫通孔 A 非発光部分 w 電線 20 照明装置 21 本体 22 点灯装置」 オ 図1は、以下のものである。 カ 図2は、以下のものである。 (2)引用文献に記載された発明 ア 上記(1)アの記載によれば、引用文献には、 「発光素子と、 発光素子を表面に配設した基板と、 基板表面に設けられ発光素子に電気的に接続される電気接続部と、 基板に貫通すると共に、電気接続部と近接した位置に形成され、発光素子へ電力を供給させる電線を基板裏面から表面に向けて挿通させて電気接続部に接続させるための貫通孔と、 を具備する、発光モジュール。」 が記載されているものと認められる。 イ 上記(1)イの「【課題を解決するための手段】」の記載によれば、以下のことが理解できる。 (ア)上記アの「基板」は、熱伝導性の良好な金属の表面にシリコーン樹脂等の電気絶縁層を介して配線パターンを形成した円板状の基板であってもよいこと。 (イ)上記アの「電気接続部」は、配線パターンに電線が直接半田付けやネジ止め等の手段で接続されるものであってもよいこと。 ウ 上記(1)ウの「【発明を実施するための最良の形態】」及び上記(1)エの「【図面の簡単な説明】」の記載を踏まえて、図1及び図2を見ると、以下のことが理解できる。 (ア)上記アの「発光素子」は、具体的には、 「複数の青色LEDチップ」であって、貫通孔を囲むように、かつ配線パターン上に略同心円状をなすように略等間隔に実装して配設されること。 (イ)上記アの「発光モジュール」は、具体的には、 貫通孔の周囲にスペースを残して、「複数の青色LEDチップ」を囲む、径の異なる2重のリング状をなす内側の凸状のフレーム12c及び外側の凸状のフレーム12dの間に、基板の中心xを中心にした放射方向で、かつ120°の角度をなして略等間隔で配置される3本のリブ12eを一体に成形した合成樹脂製の「リブ付のフレーム」を具備すること。 (ウ)該「リブ付のフレーム」により扇状に閉じられた堰の内側に「複数の青色LEDチップ」が配置され、それを覆うように黄色蛍光体を含有する封止樹脂が充填されていること。 (エ)上記アの「貫通孔」及び「電気接続部」は、リング状をなす内側の凸状のフレーム12cの内側に配置され、貫通孔の中心が基板の中心xから寸法aだけ離間して位置すること。 エ 以上のことから、引用文献には、図1に示された実施形態に関して、次の発明(以下「引用発明」という。)が記載されているものと認められる。 「複数の青色LEDチップと、 熱伝導性の良好な金属の表面にシリコーン樹脂等の電気絶縁層を介して配線パターンを形成した円板状の基板と、 前記基板表面に設けられ複数の青色LEDチップに電気的に接続される電気接続部と、 前記基板に貫通すると共に、前記電気接続部と近接した位置に形成され、前記複数の青色LEDチップへ電力を供給させる電線を前記基板裏面から表面に向けて挿通させて前記電気接続部に接続させるための貫通孔と、 前記貫通孔の周囲にスペースを残して、複数の青色LEDチップを囲む、径の異なる2重のリング状をなす内側の凸状のフレーム12c及び外側の凸状のフレーム12dの間に、基板の中心xを中心にした放射方向で、かつ120°の角度をなして略等間隔で配置される3本のリブ12eを一体に成形した合成樹脂製のリブ付のフレームと、を具備する発光モジュールであって、 前記複数の青色LEDチップは、前記貫通孔を囲むように、かつ、前記配線パターン上に略同心円状をなすように略等間隔に実装して配設され、 前記電気接続部は、前記配線パターンに前記電線が直接半田付けやネジ止め等の手段で接続されるものであり、 前記リブ付のフレームにより扇状に閉じられた堰の内側に複数の青色LEDチップが配置され、それを覆うように黄色蛍光体を含有する封止樹脂が充填され、 前記貫通孔及び前記電気接続部は、前記リング状をなす内側の凸状のフレーム12cの内側に配置され、前記貫通孔の中心が基板の中心xから寸法aだけ離間して位置する、 発光モジュール。」 第4 対比・判断 1 対比 本願発明と引用発明を対比する。 (1)引用発明の「円板状の基板」は、本願発明の「第1面、および、前記第1面と反対側の第2面を有する基板」に相当し、該「円板状の基板」に、基板を貫通する貫通孔が設けられているから、本願発明と引用発明とは、「第1面、および、前記第1面と反対側の第2面を有する基板と、 前記基板を貫通する貫通穴と」を備える点で一致する。 (2)引用発明の「複数の青色LEDチップ」、 「配線パターン」、 「(合成樹脂製の)径の異なる2重のリング状をなす内側の凸状のフレーム12c及び外側の凸状のフレーム12d」及び 「黄色蛍光体を含有する封止樹脂」は、それぞれ、 本願発明の「複数の発光素子」、 「配線パターン」、 「第1の樹脂ダムと外側の領域に設けられた第2の樹脂ダム」及び 「封止樹脂」に相当する。 (3)引用発明の「複数の青色LEDチップ」は、「前記貫通孔を囲むように、かつ、前記配線パターン上に略同心円状をなすように略等間隔に実装して配設され」るから、本願発明と引用発明とは、「(基板の)第1面に、貫通穴を囲むように配置された複数の発光素子を備える」点で一致する。 (4)引用発明の「複数の青色LEDチップへ電力を供給させる電線」は、「基板裏面から表面に向けて」「貫通孔」を「挿通させて前記電気接続部に接続」され、「前記電気接続部は、前記配線パターンに前記電線が直接半田付けやネジ止め等の手段で接続される」ものであるから、本願発明と引用発明とは、「(基板の)第1面に、外部と接続可能に配置された配線パターンを備える」点で一致する。 (5)引用発明の「合成樹脂製のリブ付のフレーム」は、「径の異なる2重のリング状をなす内側の凸状のフレーム12c及び外側の凸状のフレーム12dの間に、基板の中心xを中心にした放射方向で、かつ120°の角度をなして略等間隔で配置される3本のリブ12eを一体に成形した」ものであって、「リブ付のフレームにより扇状に閉じられた堰の内側に複数の青色LEDチップが配置され、それを覆うように黄色蛍光体を含有する封止樹脂が充填され」ていることから、 本願発明と引用発明とは、「(基板の)第1面に、発光素子が搭載される搭載領域よりも内側の領域に設けられた第1の樹脂ダムと外側の領域に設けられた第2の樹脂ダムと、 前記複数の発光素子を封止し、前記第1及び第2の樹脂ダムで囲まれる部分を充填する封止樹脂とを備え、 前記第1の樹脂ダム、及び、前記第2の樹脂ダムはそれぞれ円環状である」点で一致する。 (5)引用発明の「発光モジュール」は、本願発明の「光源装置」に相当する。 (6)以上のことから、本願発明と引用発明とは以下の点で一致する。 <一致点> 「第1面、および、前記第1面と反対側の第2面を有する基板と、 前記基板を貫通する貫通穴と、 前記第1面に、前記貫通穴を囲むように配置された複数の発光素子と、 前記第1面に、外部と接続可能に配置された配線パターンと、 前記第1面に、前記発光素子が搭載される搭載領域よりも内側の領域に設けられた第1の樹脂ダムと外側の領域に設けられた第2の樹脂ダムと、 前記複数の発光素子を封止し、前記第1及び第2の樹脂ダムで囲まれる部分を充填する封止樹脂とを備え、 前記第1の樹脂ダム、及び、前記第2の樹脂ダムはそれぞれ円環状である、光源装置。」 (7)一方で、本願発明と引用発明とは、以下の点で相違する。 <相違点1> 配線パターンに関して、 本願発明は、 a 「アノードランドとカソードランドを含んで配置された配線パターン」であって、 b 「前記アノードランド及び前記カソードランドは、前記内側の領域に形成されると共に前記第1の樹脂ダムと前記貫通穴との間に配置されており、かつ、前記貫通穴を挟んで対向するように配置されて」いるのに対して、 引用発明は、アノードランドとカソードランドを含まない点。 <相違点2> 貫通穴に関して、 本願発明は、「前記第1の樹脂ダム、及び、前記第2の樹脂ダムそれぞれの円環状の中心に設けられている」のに対して、 引用発明は、リング状をなす内側の凸状のフレーム12c及び外側の凸状のフレーム12dのそれぞれの中心に位置していない点。 <相違点3> 搭載領域に関して、 本願発明は、「円環状に連続した領域」であるのに対して、 引用発明は、「リブ付のフレームにより扇状に閉じられた堰の内側」であり、搭載領域は、連続した領域ではない点。 2 判断 (1)上記<相違点1>について検討する。 ア 引用発明の「電気接続部」は、配線パターンに電線が直接半田付けやネジ止め等の手段で接続されるものであるから、「配線パターン」にランドを設けて電線を半田付けすることは、当業者が適宜なし得た設計事項である(例えば、特開2008-251663号公報の図2を参照。)。 その際、ショートしないように、アノードランドとカソードランドを貫通孔を挟んで対向するように遠ざけることに何ら困難性は認められない。 イ そして、引用発明の「電気接続部」は、「貫通孔」とともに、「リング状をなす内側の凸状のフレーム12cの内側に配置され」たものであるから、上記アのようにした引用発明の「アノードランド及びカソードランド」は「(発光素子が搭載される搭載領域よりも)内側の領域に形成されると共に第1の樹脂ダムと貫通穴との間に配置されて」いることになる。 ウ よって、引用発明において、上記<相違点1>に係る本願発明の発明特定事項を採用することは、当業者が容易になし得たことである。 (2)上記<相違点2>について検討する。 ア 引用文献の【0015】には「貫通孔は電気接続部と近接した位置に形成されるが、貫通孔と電気接続部で形成される非発光部分の中心部が、基板の中心(光軸)からずれて配置され配光が不均一になることを解消するために、貫通孔の中心も基板の中心から若干離間させて位置させることが好ましいが、基板の中央部に位置して形成しても、さらには基板の外周部などに位置させて形成したものであってもよい。」(摘記イを参照。)と記載されている。 イ してみると、引用発明において、「貫通孔の中心」を「基板の中央部に位置」させ、「貫通孔」を「リング状の内側の凸状のフレーム12c」及び「リング状の外側の凸状のフレーム12d」のそれぞれの中心に設けることに何ら困難性は認められない。 ウ よって、引用発明において、上記<相違点2>に係る本願発明の発明特定事項を採用することは、当業者が引用文献に記載の事項に基づいて容易になし得たことである。 (3)上記<相違点3>について検討する。 ア 引用文献には、引用発明の「リブ付のフレーム」に関連して、以下の記載がある。 (ア)「【0029】 基板の表面に形成される凸状の2重のフレーム12c、12dおよび3本のリブ12eは、次のようにして形成される。…… 【0030】 この際、2重のリング状をなすフレーム12c、12dは、リブ12eにより一体化されて構成されているので、1回の工程で2重のリング状をなすフレーム12c、12dを所定の位置に配置させることができる。因みにリブで一体化されていない場合は、内側のフレーム12cを配置させる工程と、外側のフレーム12dを配置させる2工程が必要となる。 【0031】 上記により、それぞれの凸状のフレーム12c、12dおよびこのフレームに連結されたリブ12eにより、扇状に閉じられた堰が形成される。……。 【0032】 この際、それぞれの凸状のフレーム12c、12d、およびこのフレームに連結されたリブ12eにより、扇状に閉じられた堰が形成されているので、透光体15を塗布または充填する際に液状の封止樹脂が基板の外周部や貫通孔の周囲に流出することがなく、基板表面や貫通孔14から通じる基板裏面の不要な部分等に封止樹脂が付着することがない。……。」 (イ)「【0058】 同時に、2重のリング状をなすフレーム12c、12dはリブ12eにより一体化されて構成されているので、1回の工程で2重のリング状をなすフレーム12c、12dを所定の位置に配置させることができ、製造工程を簡略化することが可能となり、一層量産に適した半導体発光モジュールを提供することができる。同時にリブ12dは、区画用の堰の作用と2重のフレームを一体化させる作用を有しており、製造工程を簡略化するために格別の加工等を行う必要がなく、コスト的にも有利になる。」 (ウ)「【0062】 ……さらに、外側のフレーム12dは設けずに、内側のフレーム12cのみで構成してもよい。 【0063】 凸状のフレーム12c、12dおよび3本のリブ12eは、閉じた堰をなすように形成したが、堰の一部に切り込み等が形成されたものであっても、樹脂の流出を防止することができるものであれば、閉じられていない状態の堰であってもよく、要は、実質的に樹脂の流出を防止することができる全ての凸状をなすフレームおよびリブが許容される。……。」 a 上記(ア)の記載からして、 「リブ付きフレーム」は、「扇状に閉じられた堰」を形成することで、液状の封止樹脂が基板の外周部や貫通孔の周囲に流出することを防止するものであること、また、フレームは常にリブで一体化しなくてもよいことが理解できる。 b 上記(イ)の記載からして、 リブは、区画用の堰の作用と2重のフレームを一体化させる作用を有していることが理解できる。 c 上記(ウ)の記載からして、 「外側のフレーム12d」はなくてもよく、「(扇状に閉じられた)堰」の一部に切り込み等が形成されたものでもよく、「(扇状に)閉じられていない状態の堰」であってもよいことが理解できる。 イ 上記aないしbを総合すると、 リブは区画用の堰であること、リブによりフレームを常に一体化する必要のないこと、及び「(扇状に)閉じられていない状態の堰」であってもよいことから、引用発明の「リブ付きフレーム」におけるリブをなくし、フレームのみ(「外側のフレーム12d」と「内側のフレーム12c」)を利用して、液状の封止樹脂が基板の外周部や貫通孔の周囲に流出することを防止することに何ら困難性は認められない。 ウ 上記イのようにした引用発明においては、区画用の堰がなくなることから、「複数の青色LEDチップ」が実装して配置される領域、すなわち、搭載領域は「円環状に連続した領域」となる。 エ よって、引用発明において、上記<相違点3>に係る本願発明の発明特定事項を採用することは、当業者が引用文献に記載の事項に基づいて容易になし得たことである。 (2)効果 本願発明の奏する効果は、引用発明の奏する効果から予測し得る範囲内のものである。 (3)平成29年1月26日提出の意見書について 請求人は、意見書(第2頁後段)において、以下のように主張するので、この点について検討する。 「引用文献1では、2重のリング状をなすフレーム12c・12dは、3本のリブ12eによって接続されております(段落0028)。すなわち、フレーム12c・12d間に形成されたLEDチップ搭載領域は円環状に連続した領域ではなく、扇状の堰になるように、隣接する堰同士はリブ12eによって区切られています。このため、隣接する堰同士の間にはLEDチップを配置することができず、その分、フレーム12c・12dに囲まれた領域全体としての光量が低下することになります。」 しかしながら、領域全体としての光量は、LEDチップの数や配置パターン等に依存し、リブの存在が、直ちに領域全体の光量を低下させるというものではないことから、上記請求人の主張は採用できない。 3 まとめ 本願発明は、当業者が引用発明及び引用文献に記載の事項に基づいて容易に発明をすることができたものである。 第5 むすび 以上のとおり、本願発明は、当業者が引用文献に記載された発明及び引用文献に記載の事項に基づいて容易に発明をすることができたものであるから、他の請求項について検討するまでもなく、本願は拒絶すべきものである。 よって、結論のとおり審決する。

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2016-011576

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