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特許拒絶査定不服審判

2016-010676

画像形成装置

審判番号
2016-010676
法域
特許
審判種別
拒絶査定不服審判(拒絶査定不服の審決)
出願番号
特願2012-017776外部サイト(J-PlatPat)へ移動します
請求日
2016年07月14日
審決日
2017年06月12日
公報発行日
2017年07月28日
結論
原査定取消(特許/登録すべき)
当事者
審判長/審判官
分類
P18 .121-WY (G03G)
条文(本文から自動抽出・参考)
特許法第29条第2項
データ出所
審決公報(SGML)

事件の表示

特願2012- 17776「画像形成装置」拒絶査定不服審判事件〔平成25年 8月15日出願公開、特開2013-156480、請求項の数(6)〕について、次のとおり審決する。

結論

【結 論】 原査定を取り消す。 本願の発明は、特許すべきものとする。

理由

【理 由】 第1 手続の経緯 本願は、平成24年1月31日の出願であって、平成27年11月11日付けで拒絶理由が通知され、平成28年1月13日付けで手続補正がされ、同年6月1日付けで拒絶査定(以下、「原査定」という)がされ(同査定の謄本の送達(発送)日 同年同月7日)、これに対し、同年7月14日に拒絶査定不服審判が請求されたものである。 第2 原査定の概要 原査定(平成28年6月1日付け拒絶査定)の概要は次のとおりである。 この出願の請求項1ないし6に係る発明は、その出願前に日本国内又は外国において、頒布された下記の刊行物に記載された発明又は電気通信回線を通じて公衆に利用可能となった発明に基いて、その出願前にその発明の属する技術の分野における通常の知識を有する者が容易に発明をすることができたものであるから、特許法第29条第2項の規定により特許を受けることができない。 引用文献等一覧 1.特開平1-213669号公報 2.特開2001-109311号公報 3.特開2009-251231号公報(周知技術を示す文献) 4.特開平5-19547号公報(周知技術を示す文献) 第3 本願発明 本願の請求項1ないし6に係る発明は、平成28年1月13日付けで手続補正によって補正された特許請求の範囲の請求項1ないし6に記載された次のとおりのものである(以下、請求項1ないし6に係る発明を、それぞれ「本願発明1」ないし「本願発明6」という。)。 「【請求項1】 排出トレイと、当該排出トレイに記録シートを排出する排出ローラと、前記排出トレイの上面を覆う被覆位置と前記排出トレイの上面に隣接した延長位置とに移動可能なトレイカバーとが装置本体に設けられ、前記装置本体に対して画像形成を行うためのプロセスカートリッジが着脱可能に設けられた画像形成装置であって、 前記プロセスカートリッジが前記装置本体に装着された状態において、前記トレイカバーの前記記録シートの排出方向における上流側の端部が、前記被覆位置において前記排出ローラのニップ部よりも下に位置することを特徴とする画像形成装置。 【請求項2】 前記被覆位置において、前記トレイカバーの上面が、水平または前記排出方向の下流側に向けて斜め下に傾斜していることを特徴とする請求項1に記載の画像形成装置。 【請求項3】 前記排出トレイは、装置本体の上壁に下へ向けて凹むように形成され、 前記トレイカバーの上面は、前記被覆位置に位置するときに、前記上壁のうち前記排出トレイの周りに配置される壁部の上面と面一となることを特徴とする請求項1または請求項2に記載の画像形成装置。 【請求項4】 前記排出トレイは、装置本体の上壁に下へ向けて凹むように形成され、 前記上壁は、前記排出ローラの上方に配置される第1壁部と、当該第1壁部よりも下に配置され、前記排出トレイの周りに配置される第2壁部と、前記第1壁部と前記第2壁部に対して交差する方向に延びて前記第1壁部と前記第2壁部を繋ぐ第3壁部と、を備えることを特徴とする請求項1~請求項3のいずれか1項に記載の画像形成装置。 【請求項5】 前記装置本体は、プロセスカートリッジの着脱のための開口を上部に有する筐体を備え、 前記上壁は、前記開口を開閉するトップカバーであり、上から見て前記第1壁部と重なる範囲に設けられる回転軸を中心にして前記筐体に対して回動可能に支持されていることを特徴とする請求項4に記載の画像形成装置。 【請求項6】 前記第1壁部の下には、前記記録シート上に現像剤像を熱定着するための定着装置と、 当該定着装置から前記排出ローラに向けて前記記録シートを案内するための搬送路が設けられ、 前記搬送路は、上に凸となる円弧状に形成され、 前記排出ローラのニップ部が、前記搬送路の頂点よりも下に配置されていることを特徴とする請求項4または請求項5に記載の画像形成装置。」 第4 引用例 1.引用例1について 原査定の拒絶の理由に引用された、本願の出願日前に頒布された刊行物である特開平1-213669号公報(以下「引用例1」という。)には、図面とともに以下の事項が記載されている(下線は審決で付した。以下同じ。)。 (1)「本発明は複数のプロセス手段を支持したプロセスカートリツジを装置本体に着脱自在に支持する画像形成装置において、プロセスカートリツジを装置本体に装入した際に、プロセスカートリツジが装置本体の排紙トレーを兼ねる外装カバーを有することを特徴とする画像形成装置である。」(第2ページ左上欄第14~20行) (2)「本発明の一実施例を図面に基づいて説明する。本発明に示す画像形成装置は第1図に示す。プロセスカートリツジ14には感光ドラム17及び感光ドラム17の周囲に配設してコロナ帯電器24、光学系の窓25及びミラー16、現像器18、クリーニング器19、除電光源15が配設されている。これらは水平断面長方形で上部外周にフランジ14Cを設けた外装カバー14A中に収容されている。該外装カバー14Aは装置本体5の外装カバー11上面の開口部11aに嵌合し、位置決め固定されている(固定方法は図示されない)。外装カバー14Aの上面は排紙トレイ部14aとなつている。排紙トレイ部14aは第4図に示すように上面に転写材Pの移動方向と同方向の並列する突条14dが設けられている。開口部11aをふさぐことができるカバーを兼ねた排紙トレイ13がヒンジ13aにより装置本体5の外装カバー11に枢着されている。排紙トレイ13は転写材Pの流れに関し排紙トレイ部14aの後流側につづいて配設される。 作動時コロナ帯電器24により感光ドラム17の表面は一様に帯電され、外部からの制御信号によりレーザースキヤナ12によつて感光ドラム17に光情報が露光されることにより、静電潜像が形成され、さらに現像器18により現像されたトナー像は転写帯電器7を配設した転写部で転写材Pを収納するカセツト1と給紙ローラ2とからなる給紙部から給紙ローラ2によつて1枚づつ送り出しレジストローラ3a,3bによりプロセスカートリツジ14内の感光ドラム17の回転に同期させて供給された転写機P上に転写される。そして、感光ドラム17表面の残留トナーや紙粉等はブレードを有するクリーニング器19によつて除去され除電光源15によつて前歴を消去される。一方、トナー像が転写された転写材Pは、感光ドラム17の曲率或はこれと併せて不図示の分離手段によつて感光ドラム17より分離し、搬送ガイド8を介して定着器9に搬送され、定着器9でこのトナー像を熱等で定着した後、排紙ガイド4により上向きに反対方向に方向を変換し、排紙ローラ10によつて、プロセスカートリツジの排紙トレイ部14aと排紙トレイ13上に積載される。」(第2ページ右上欄第2行~右下欄第5行) (3)「プロセスカートリツジ14が装置本体5に装着されていない状態では第2図に示すように排紙トレイ13は開口部11aを閉じている。これによりプロセスカートリツジ14が未装着の時でも装置本体5内にゴミや不用物が落下することを防止できる。 プロセスカートリツジ14を装着する際は第3図に示すように排紙トレイ13をヒンジ13aを中心に回転してA方向に開いた後、プロセスカートリツジ14を転写材Pの搬送面に垂直の方向(B方向)より、感光ドラム17の両端軸17a,17b(第6図参照)を装置本体5に固定された案内ブロツク20a,20bの深溝20cに係合させ、下方に移動することにより、感光ドラム17が位置決めされ、そこでプロセスカートリツジ14は装置本体5にセツトされる。この時プロセスカートリツジ14はバネ21aで先端部を押圧されピン21bで案内ブロツク20a,20bに根本を枢着されたフツク21によつてロツクされ下方に付勢される。」(第2ページ右下欄第9行~第3ページ左上欄第8行) (4)上記(1)における「プロセスカートリツジ」、「装置本体」、「排紙トレー」及び「外装カバー」は、上記(2)及び(3)における「プロセスカートリツジ14」、「装置本体5」、「排紙トレイ部14a」及び「外装カバー11」にそれぞれ対応する。 (5)上記(2)には「本発明に示す画像形成装置は第1図に示す。」及び「排紙トレイ13は転写材Pの流れに関し排紙トレイ部14aの後流側につづいて配設される。」と記載されているところ、第1図を参酌すると、プロセスカートリッジ14が装置本体5に装着された状態において、排紙トレイ13は転写材Pの流れに関し排紙トレイ部14aの後流側につづいて配設されることが看取できる。 (6)第1図からは、排紙ローラ10が装置本体5に設けられた点、及び、プロセスカートリツジ14が装置本体5に装着された状態において、排紙トレイ部14の転写材Pの排出方向における上流側端部が排紙ローラ10よりも下に位置する点が看取できる。 上記の記載事項を総合すると、引用例1には、次の発明(以下「引用発明1」という。)が記載されているものと認められる。 「プロセスカートリツジ14を装置本体5に着脱自在に支持する画像形成装置において、プロセスカートリツジ14を装置本体に装入した際に、プロセスカートリツジ14が装置本体5の排紙トレイ部14aを兼ねる外装カバー14Aを有し、 プロセスカートリツジ14には感光ドラム17及び感光ドラム17の周囲に配設してコロナ帯電器24、光学系の窓25及びミラー16、現像器18、クリーニング器19、除電光源15が配設され、 外装カバー14Aは装置本体5の外装カバー11上面の開口部11aに嵌合し、位置決め固定され、 外装カバー14Aの上面は排紙トレイ部14aとなつており、 開口部11aをふさぐことができるカバーを兼ねた排紙トレイ13がヒンジ13aにより装置本体5の外装カバー11に枢着され、 プロセスカートリツジ14が装置本体5に装着された状態において、排紙トレイ13は転写材Pの流れに関し排紙トレイ部14aの後流側につづいて配設され、 転写材Pは、排紙ローラ10によつて、プロセスカートリツジの排紙トレイ部14aと排紙トレイ13上に積載され、 プロセスカートリツジ14が装置本体5に装着されていない状態では排紙トレイ13は開口部11aを閉じ、 プロセスカートリツジ14を装着する際は排紙トレイ13をヒンジ13aを中心に回転して開き、 排紙ローラ10が装置本体5に設けられ、 プロセスカートリツジ14が装置本体5に装着された状態において、排紙トレイ部14の上流側端部が排紙ローラ10よりも下に位置する 画像形成装置。」 2.引用例2について 同じく原査定に係る拒絶理由で引用された、本願の出願日前に頒布された刊行物である特開2001-109311号公報(以下「引用例2」という。)には、図面とともに以下の事項が記載されている。 (1)「【0034】図2は、この電子写真記録装置の記録用紙反転機構部18を除いた本体部分の具体的な構成を示す分解斜視図である。この電子写真記録装置の本体部分は、機枠本体110に現像器着脱カバー111と排紙カバー112を設け、図示するように、排紙カバー112を開くことにより前記感光ベルト1を内蔵した感光ベルトユニット120と定着装置11を着脱可能にし、現像器着脱カバー111を開くことにより現像器4C~4Kを着脱可能にしている。」 (2)「【0051】定着装置11で定着した記録用紙6は、排紙搬送路15に送り出す。排紙搬送路15に送り出された記録用紙6は、第1の紙通過センサ22によって直ちに検出され、その後、分岐部において切換レバー19によって排紙トレー17への排紙搬送路15aまたは記録用紙反転機構部18への排紙搬送路15bに分岐して進む。 【0052】排紙トレー17への排紙搬送路15aに進んだ記録用紙6は、排紙ローラ20で搬送して排紙トレー17上に排紙する。このとき、記録用紙6は、排紙ローラ20を出たところで排紙トレー満杯センサ23に触れて該排紙トレー満杯センサ23を作動させ、排紙トレー17上に落下することにより排紙トレー満杯センサ23から離れて該排紙トレー満杯センサ23を復帰させる。しかしながら、排紙トレー17が排紙されて蓄積した記録用紙6で満杯になると、排紙ローラ20を出た記録用紙6の落下量が少なくなるので、記録用紙6は排紙トレー満杯センサ23に触れたままとなって該排紙トレー満杯センサ23を作動させたまま(復帰しない)となる。」 上記の記載事項を総合すると、引用例2には、次の発明(以下「引用発明2」という。)が記載されているものと認められる。 「電子写真記録装置の本体部分は、機枠本体110に現像器着脱カバー111と排紙カバー112を設け、 排紙カバー112を開くことにより前記感光ベルト1を内蔵した感光ベルトユニット120と定着装置11を着脱可能にし、 定着装置11で定着した記録用紙6は、排紙搬送路15に送り出し、 排紙搬送路15に送り出された記録用紙6は、分岐部において切換レバー19によって排紙トレー17への排紙搬送路15aまたは記録用紙反転機構部18への排紙搬送路15bに分岐して進み、 排紙トレー17への排紙搬送路15aに進んだ記録用紙6は、排紙ローラ20で搬送して排紙トレー17上に排紙する 電子写真記録装置。」 3.引用例3について 同じく原査定に係る拒絶理由で引用された、本願の出願日前に頒布された刊行物である特開2009-251231号公報(以下「引用例3という。)には、図面とともに以下の事項が記載されている。 (1)「【0022】 プリンタ1は、タンデム型のカラーレーザプリンタである。プリンタ1は、第1機体の一例としての本体ケーシング2と、第2機体の一例としてのトップカバー4とを備えている。本体ケーシング2は、上面に開口部16を備えるボックス形状に形成されている。また、トップカバー4は、本体ケーシング2の上端部に設けられた揺動軸15に揺動可能に支持されており、この揺動によって、開口部16を閉塞する閉姿勢と、開口部16を開放する開姿勢とに変位可能に設けられている。 【0023】 本体ケーシング2内には、4つのドラムユニット3が並列に配置されている。ドラムユニット3は、ブラック、イエロー、マゼンタおよびシアンの各色に対応して設けられ、後述する搬送ベルト9による用紙Pの搬送方向に、ブラック、イエロー、マゼンタおよびシアンの順に並べられている。各ドラムユニット3は、トップカバー4が開姿勢である状態で、本体ケーシング2の上面に形成される開口部16を介して、本体ケーシング2内に対して装着および離脱可能である。」 (2)「【0028】 搬送ベルト9に対して用紙Pの搬送方向における下流側には、定着部13が設けられている。トナー像が転写された用紙Pは、定着部13に搬送される。定着部13では、加熱および加圧により、トナー像が用紙Pに定着される。トナー像が定着した用紙Pは、各種ローラにより、本体ケーシング2の上面の排紙トレイ14に排出される。 また、トップカバー4が閉じられた状態で、搬送ベルト9による用紙Pの搬送方向における上流側をプリンタ1における前側として、プリンタ1を前側から見たときをプリンタ1における左右の基準とする。各図には、前後上下左右の各方向を示す矢印が記載されている。」 (3)図1及び2からは、排紙トレイ14がトップカバー4とともに開閉する点、及び、プロセスカートリッジが装置本体に装着された状態において、排紙トレイ14がドラムユニット3を覆う点を看取することができる。 上記の記載事項を総合すると、引用例3には、次の事項(以下「引用例3記載事項」という。)が記載されているものと認められる。 「プリンタ1は、本体ケーシング2と、トップカバー4とを備え、 本体ケーシング2は、上面に開口部16を備え、 トップカバー4は、本体ケーシング2の上端部に設けられた揺動軸15に揺動可能に支持されており、この揺動によって、開口部16を閉塞する閉姿勢と、開口部16を開放する開姿勢とに変位可能に設けられ、 本体ケーシング2内には、4つのドラムユニット3が並列に配置され、 各ドラムユニット3は、トップカバー4が開姿勢である状態で、本体ケーシング2の上面に形成される開口部16を介して、本体ケーシング2内に対して装着および離脱可能であり、 トナー像が定着した用紙Pは、各種ローラにより、本体ケーシング2の上面の排紙トレイ14に排出され、 排紙トレイ14がトップカバー4とともに開閉し、 ドラムユニット3が本体ケーシング2に装着された状態において、排紙トレイ14がドラムユニット3を覆う プリンタ1。」 そして、上記引用例3記載事項及び本願の出願日における技術常識からみて、次の2点は本願の出願前に周知の技術事項であると認められる。 「画像形成装置において、プロセスカートリッジが装置本体に装着された状態において、開閉する排紙トレイでプロセスカートリッジを覆う点。」(以下「周知技術1」という。) 「画像形成装置において、プロセスカートリッジの着脱のための開口部を本体ケーシングの上面に設け、トップカバーが、本体ケーシングの上端部に設けられた揺動軸に揺動可能に支持されており、この揺動によって、開口部を閉塞する閉姿勢と、開口部を開放する開姿勢とに変位可能である点。」(以下「周知技術2」という。) 4.引用例4について 同じく原査定に係る拒絶理由で引用された、本願の出願日前に頒布された刊行物である特開平5-19547号公報(以下「引用例4という。)には、図面とともに以下の事項が記載されている。 (1)「【請求項1】本体内に収納された画像形成手段と、本体を開閉するように該本体に回動自在に設けられ、閉塞時に画像形成手段に連通する複数の用紙搬送路を形成する本体カバーおよび少なくとも1つ以上の補助カバーと、を備え、本体カバーおよび補助カバーを回動して本体を開放したとき用紙搬送路を外部に露出するようにした画像形成装置において、 前記補助カバーを自動的に開閉する駆動手段を設け、本体カバーの開閉に伴って駆動手段によって補助カバーを自動的に開閉するようにしたことを特徴とする画像形成装置。」 (2)「【0011】転写チャージャ6に供給される転写紙は給紙カセット7、8内およびユニバーサルトレイ9の何れか1つに収納あるいは載置された転写紙Sであり、この転写紙Sは給紙ローラ10~12によってカセット7、8あるいはユニバーサルトレイ9から給紙された後、レジストローラ13でタイミングを取られながら転写チャージャ6に給紙される。可視像が転写された転写紙は定着部14の一対の定着ローラ14a、14bによって紙面に定着された後、排紙トレイ15あるいは排紙ローラ16a、16bおよび17a、17bを介して後述する本体カバー18上に排出される。また、転写チャージャ6によって転写後、感光体ベルト2上の残留トナーはクリーニングユニット19によって除去回収されるようになっている。そして、上述した感光体ドラム2、帯電チャージャ3、レーザ光学装置4、現像装置5、転写チャージャ6および定着部14は画像形成手段を構成している。」 (3)「【0013】また、本体カバー18の一端側には補助カバーとしての第1カバー21が設けられており、第1カバー21は軸20を回転中心として回動可能になっている。この第1カバー21は閉塞時に本体1aとの間に排紙ローラ16aと17aおよび排紙ローラ16b、17bの間に上記画像形成手段と連通して転写紙を搬送することができる用紙搬送通路としての転写紙搬送通路Bを画成しており、開放時に軸20を中心に排紙ローラ16aおよび17aと共に図中上方に回動してローラ16a、17aから排紙ローラ16bおよび17bを離隔させて搬送路Bを外部に露出させるようになっている。」 (4)図1からは、補助カバーとしての第1カバー21の下部に定着部及び搬送路Bが位置する点、搬送路Bが上に凸となる円弧状である点、及び、排紙ローラ17a、17bが搬送路の頂点より下方に位置する点を看取することができる。 上記の記載事項を総合すると、引用例4には、次の事項(以下「引用例4記載事項」という。)が記載されているものと認められる。 「本体内に収納された画像形成手段と、本体を開閉するように該本体に回動自在に設けられ、閉塞時に画像形成手段に連通する複数の用紙搬送路を形成する本体カバーおよび少なくとも1つ以上の補助カバーと、を備え、本体カバーおよび補助カバーを回動して本体を開放したとき用紙搬送路を外部に露出するようにした画像形成装置であって、 可視像が転写された転写紙は定着部14の一対の定着ローラ14a、14bによって紙面に定着された後、排紙ローラ16a、16bおよび17a、17bを介して本体カバー18上に排出され、 第1カバー21は閉塞時に本体1aとの間に排紙ローラ16aと17aおよび排紙ローラ16b、17bの間に画像形成手段と連通して転写紙を搬送することができる用紙搬送通路としての転写紙搬送通路Bを画成し、 補助カバーとしての第1カバー21の下部に定着部及び搬送路Bが位置し、 搬送路Bが上に凸となる円弧状であり、 排紙ローラ17a、17bが搬送路の頂点より下方に位置する 画像形成装置。」 そして、上記引用例4記載事項及び本願の出願日における技術常識からみて、次の点は本願の出願前に周知の技術事項であると認められる。 「画像形成装置において、補助カバーの下部に定着部及び搬送路が位置し、搬送路が上に凸となる円弧状であり、排紙ローラが搬送路の頂点より下方に位置する点。」(以下、「周知技術3」という。) 第5 対比・判断 1.本願発明1について (1)対比 本願発明1と引用発明1とを対比する。 後者の「排紙トレイ部14a」は、その構造、機能、作用等からみて、前者の「排出トレイ」に相当し、同様に、「転写材P」は「記録シート」に、「装置本体5」は「装置本体」に、「画像形成装置」は「画像形成装置」にそれぞれ相当する。 後者においては、転写材Pは、排紙ローラ10によって、プロセスカートリツジの排紙トレイ部14aと排紙トレイ13上に積載されるから、後者の「排紙ローラ10」は前者の「排出トレイに記録シートを排出する排出ローラ」に相当する。 後者の「排紙トレイ13」は、プロセスカートリツジ14が装置本体5に装着されていない状態では開口部11aを閉じ、プロセスカートリツジ14が装置本体5に装着された状態において、転写材Pの流れに関し排紙トレイ部14aの後流側につづいて配設されるから、開口部11aを閉じる位置と、転写材Pの流れに関し排紙トレイ部14aの後流側につづいて配設される位置とに移動可能であるといえる。そうすると、後者の「排紙トレイ13」と前者の「排出トレイの上面を覆う被覆位置と前記排出トレイの上面に隣接した延長位置とに移動可能なトレイカバー」とは、「他の位置と排出トレイの上面に隣接した延長位置とに移動可能なトレイカバー」との概念で共通する。 後者においては、プロセスカートリツジ14を装置本体に装入した際に、プロセスカートリツジ14が装置本体5の排紙トレイ部14aを兼ねる外装カバー14Aを有し、外装カバー14Aの上面は排紙トレイ部14aとなっている。すると、排紙トレイ部14aはプロセスカートリツジ14の一部であり、プロセスカートリツジ14は装置本体5に挿入されるから、後者の「排紙トレイ部14a」は装置本体5に設けられたものであるといえる。また、後者の「排紙ローラ10」は装置本体5に設けられており、後者の「排紙トレイ13」も、ヒンジ13aにより装置本体5の外装カバー11に枢着されるから、装置本体5に設けられたものである。そうすると、後者は、前者の「排出トレイと、排出ローラと、トレイカバーとが装置本体に設けられる」との発明特定事項を備えている。 後者のプロセスカートリツジ14には感光ドラム17及び感光ドラム17の周囲に配設してコロナ帯電器24、光学系の窓25及びミラー16、現像器18、クリーニング器19、除電光源15が配設されるから、プロセスカートリツジ14が画像形成を行うためのものであることは明らかである。そうすると、後者の「プロセスカートリッジを装置本体に着脱自在に支持する」点は、前者の「装置本体に対して画像形成を行うためのプロセスカートリッジが着脱可能に設けられた」点に相当する。 後者においては、転写材Pは、排紙ローラ10によって、プロセスカートリツジの排紙トレイ部14aと排紙トレイ13上に積載されるところ、一般にローラは他の部材との間に被搬送物を挟持して搬送を行うから、排紙ローラ10が他の部材との間に転写材Pを挟持し、挟持した部分にニップ部を有することは明らかである。そうすると、後者の「プロセスカートリツジ14が装置本体5に装着された状態において、排紙トレイ部14の転写材Pの排出方向における上流側端部が排紙ローラ10よりも下に位置する」と前者の「前記プロセスカートリッジが前記装置本体に装着された状態において、前記トレイカバーの前記記録シートの排出方向における上流側の端部が、前記被覆位置において前記排出ローラのニップ部よりも下に位置する」とは、「プロセスカートリッジが装置本体に装着された状態において、トレイカバーの記録シートの排出方向における上流側の端部が、排出ローラのニップ部よりも下に位置する」との概念で共通する。 したがって、両者は、 「排出トレイと、当該排出トレイに記録シートを排出する排出ローラと、他の位置と前記排出トレイの上面に隣接した延長位置とに移動可能なトレイカバーとが装置本体に設けられ、前記装置本体に対して画像形成を行うためのプロセスカートリッジが着脱可能に設けられた画像形成装置であって、 前記プロセスカートリッジが前記装置本体に装着された状態において、前記トレイカバーの前記記録シートの排出方向における上流側の端部が、前記排出ローラのニップ部よりも下に位置する 画像形成装置。」 の点で一致し、以下の点で相違している。 [相違点] 前者は、トレイカバーが「排出トレイの上面を覆う被覆位置」に移動可能であり、「被覆位置において」トレイカバーの記録シートの排出方向における上流側の端部が排出ローラのニップ部よりも下に位置するのに対して、後者はそのようなものでない点。 (2)相違点についての判断 上記相違点について検討する。 画像形成装置において、プロセスカートリッジが装置本体に装着された状態において、開閉する排紙トレイでプロセスカートリッジを覆う点は、本願の出願前に周知の技術事項である(上記「周知技術1」)。 しかしながら、引用発明1は、プロセスカートリツジ14を装置本体5に装入した際に、プロセスカートリツジ14が装置本体5の排紙トレイ部14aを兼ねる外装カバー14Aを有し、外装カバー14Aの上面は排紙トレイ部14aとなっているから、上記周知技術1の「排紙トレイ」に対応するのは、引用発明1における「排紙トレイ部14aを兼ねる外装カバー14A」であるといえる。そうすると、引用発明1に上記周知技術1を適用すれば、排紙トレイ部14aを兼ねる外装カバー14Aが開閉することとなって、排紙トレイ13が排紙トレイ部14aの上面を覆う被覆位置に移動することにはならない。 よって、引用発明1に周知技術1を適用しても、上記相違点に係る本願発明1の発明特定事項とすることは、当業者が容易に想到できたとはいえない。 また、引用発明2並びに周知技術2及び3も、上記相違点に係る本願発明1の発明特定事項を備えるものではない。 そして、本願発明1は、トレイカバーが排出トレイの上面を覆う被覆位置に移動可能であり、被覆位置においてトレイカバーの記録シートの排出方向における上流側の端部が排出ローラのニップ部よりも下に位置するとの発明特定事項を備えることによって、本願明細書に記載の「トレイカバーが被覆位置に位置する場合であっても、排出ローラのニップ部から排出された記録シートがトレイカバーの上を通ることができるので、記録シートがトレイカバーの下面に当接して詰まってしまうのを抑えることができる。」(段落【0007】)という作用効果を奏するものである。 したがって、本願発明1は、当業者が引用発明1及び周知技術1に基づいて容易に発明をすることができたとはいえない。 2.本願発明2ないし6について 本願発明2ないし6は、本願発明1をさらに限定したものである。すると、本補発明2ないし6は、本補発明1と同様に、当業者が引用発明1及び2並びに周知技術1ないし3に基づいて容易に発明をすることができたとはいえない。 第6 むすび 以上のとおり、本願発明1ないし6は、当業者が引用発明1及び2並びに周知技術1ないし3に基づいて容易に発明をすることができたものではない。したがって、原査定の理由によっては、本願を拒絶することはできない。 また、他に本願を拒絶すべき理由を発見しない。 よって、結論のとおり審決する。

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2016-010676

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