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特許拒絶査定不服審判

2016-009115

大腸用内視鏡、及び、大腸用内視鏡システム

審判番号
2016-009115
法域
特許
審判種別
拒絶査定不服審判(拒絶査定不服の審決)
出願番号
特願2012-001939外部サイト(J-PlatPat)へ移動します
請求日
2016年06月20日
審決日
2017年03月21日
公報発行日
2017年05月26日
結論
原査定取消(特許/登録すべき)
当事者
審判長/審判官
分類
P18 .121-WY (A61B) / P18 .537-WY (A61B)
条文(本文から自動抽出・参考)
特許法第29条第2項、特許法第29条第1項第3号、特許法第36条第6項第2号
データ出所
審決公報(SGML)

事件の表示

特願2012-  1939「大腸用内視鏡、及び、大腸用内視鏡システム」拒絶査定不服審判事件〔平成25年 7月22日出願公開、特開2013-141487、請求項の数(8)〕について、次のとおり審決する。

結論

【結 論】 原査定を取り消す。 本願の発明は、特許すべきものとする。

理由

【理 由】 第1 手続の経緯 本願は、平成24年1月10日の出願であって、平成27年9月4日付けで拒絶理由が通知され、同年10月19日付けで意見書及び手続補正書の提出がなされたが、平成28年3月14日付けで拒絶査定(以下、「原査定」という)がされ、同査定の謄本は、同月22日に請求人に送達された。 これに対し、同年6月20日に拒絶査定不服審判が請求され、それと同時に手続補正書の提出がされ、その後、当審において同年12月5日付けで拒絶理由(以下、「当審拒絶理由」という)が通知され、平成29年2月6日に意見書及び手続補正書の提出がされたものである。 第2 本願発明 本願の請求項1~8に係る発明は、平成29年2月6日に提出された手続補正書により補正された特許請求の範囲の請求項1~8に記載された事項により特定されるものと認められるところ、そのうち本願の請求項1に係る発明(以下、「本願発明」という。)は以下のとおりである。 「【請求項1】 操作部と、 該操作部から前方に延びる可撓管部、該可撓管部の前方に位置し、上記操作部に設けた湾曲操作手段の操作に応じて湾曲する湾曲部、上記可撓管部の前端と上記湾曲部の後端とを接続する硬質材料からなる接続部、及び、上記湾曲部の前端から前方に延びる硬質材料からなる先端硬質部、を有する挿入部と、 該先端硬質部の表面に露出させた状態で設けた第1観察光学系と、 上記先端硬質部の内部に設けた、上記第1観察光学系を透過した観察像を撮像する第1撮像素子と、 上記第1観察光学系の視野内を照明する第1照明用レンズと、 上記接続部の表面に露出させた状態で設けた第2観察光学系と、 上記接続部の内部に設けた、上記第2観察光学系を透過した観察像を撮像する第2撮像素子と、 上記第2観察光学系の視野内を照明する第2照明用レンズと、 を備えた2つの観察像を同時に観察できる大腸用内視鏡であって、 上記湾曲部は、正面視において、上記接続部に対して上記第2観察光学系とは反対方向に偏心していること、 上記湾曲部の上記偏心方向の最大湾曲量は、上記偏心方向と反対方向の最大湾曲量より大きいこと、 上記湾曲部を後方に向けて最大限湾曲させたときに、上記第1観察光学系が上記第2観察光学系より後方に位置すること、及び 上記湾曲部を後方に向けて最大限湾曲させたときに、上記第1照明用レンズが上記第2照明用レンズより後方に位置し、互いの照明光が干渉しないこと、 を特徴とする大腸用内視鏡。」 第3 当審拒絶理由について 1 当審拒絶理由の概要 (1)理由1 (新規性)本願の請求項1~8に係る発明は、その出願前に日本国内において頒布された下記の引用例1に記載された発明であるから、特許法第29条第1項第3号に該当し、特許を受けることができない。 (進歩性)本願の請求項1~8に係る発明は、下記の引用例1に記載された発明及び技術常識に基いて、その出願前にその発明の属する技術の分野における通常の知識を有する者が容易に発明をすることができたものであるから、特許法第29条第2項の規定により、特許を受けることができない。 記 引用例1:特開2005-95590号公報 (2)理由2 (明確性)本願は、特許請求の範囲の記載が下記の点で、特許法第36条第6項第2号に規定する要件を満たしていない。 記 請求項1において、「第1照明用レンズ」が「上記第1観察光学系用」である、「第2照明用レンズ」が「上記第2観察光学系用」である、とはどのようなことを特定しようとしているのか不明である よって、請求項1及び請求項1を引用する請求項2~8に係る発明は、明確でない。 2 当審拒絶理由についての判断 (1)新規性及び進歩性(理由1)について ア 引用例1の記載事項 引用例1には、処置用内視鏡に関し、次の事項が記載されている。(下線は、当審において付加したもの。) (ア)「【0013】 図1に示すように処置用内視鏡装置(以下、内視鏡装置と略記する)は、処置用内視鏡(以下、内視鏡と略記する)1と、光源装置4と、ビデオプロセッサ5と、モニタ6と、VTRデッキ7と、ビデオディスク8と、ビデオプリンタ9とを主に備えて構成されている。前記内視鏡1は、観察光学ユニット(以下、観察ユニットと略記する)2とユニット挿入具3とで構成される。」 (イ)「【0016】 本実施形態においては、前記第1湾曲部14は図示しない複数の湾曲駒を連設して上下及び左右方向に湾曲するように構成されている。また、前記第2湾曲部15は図示しない複数の湾曲駒を連設して例えば上下方向(又は左右方向)に湾曲するように構成されている。さらに、前記可撓管湾曲部17は図示しない複数の湾曲駒を連設して例えば左右方向(又は上下方向)に湾曲するように構成されている。 【0017】 前記ユニバーサルコード12は例えば前記操作部11の側部より延出している。このユニバーサルコード12内には照明光を伝送するライトガイドファイバ束が挿通配置されている。このユニバーサルコード12の基端部には前記光源装置4に着脱自在に接続される光源用コネクタ19が設けられている。 【0018】 前記光源装置4内には照明光を発するランプ4a、集光レンズ4b等が備えられている。前記ランプ4aから発生した照明光は、前記集光レンズ4bを通過して前記光源用コネクタ19から突出しているライトガイド口金4cの端面に集光される。」 (ウ)「【0029】 図5に示すように前記先端硬性部13の先端面には観察窓である観察用レンズカバー(以下、先端観察カバーと略記する)41、照明窓である照明用レンズカバー(以下、先端照明カバーと略記する)42、前記第1処置具導入口39aから挿通される内視鏡用処置具である例えば把持鉗子51等が導出される前記第1処置具挿通チャンネル50aに連通する処置具導出口である先端開口43が設けられている。 【0030】 また、前記可撓管先端部16の先端面には前記第2湾曲部15の基端部が固定されるとともに、観察窓である観察用レンズカバー(以下、中途部観察カバーと略記する)44、照明窓である照明用レンズカバー(以下、中途部照明カバーと略記する)45、前記第2処置具導入口39bから挿通される内視鏡用処置具である例えば高周波スネア52等が導出される第2処置具挿通チャンネル50bに連通する処置具導出口である可撓管開口46が設けられている。」 (エ)「【0039】 なお、前記先端硬性部13及び前記可撓管先端部16に設けられている照明カバー42、45には照明光学系を構成する前記ライトガイドファイバ束の先端面が配置されている。このため、前記ライトガイド口金4cの端面に集光された照明光は、前記ユニバーサルコード12、操作部11及び挿入部10内を挿通するこのライトガイドファイバ束を介して伝送され、前記照明カバー42、45を通して被検部位に向かって照射されている。」 (オ)「【0085】 図16ないし図20は本発明の第2実施形態にかかり、図16は先端硬性部の先端面と可撓管先端部の先端面に観察光学系、照明光学系及び処置具導出口を設けた内視鏡の構成及び作用を説明する図、図17は前記図16の内視鏡に対応するビデオプロセッサ及びモニタの構成例を説明する図、図18は前記図16の内視鏡に対応するビデオプロセッサ及びモニタの他の構成例を説明する図、図19は可撓管先端部の先端側に超音波観察部を設けた内視鏡を説明する図、図20は前記図19の内視鏡の作用を説明する図である。 【0086】 図16及び図17に示すように本実施形態の内視鏡80の挿入部81は、前記ユニット挿入具3と同様、先端側から順に先端硬性部13、第1湾曲部14、第2湾曲部15、可撓管先端部16、可撓管湾曲部17及び可撓管部18を連設して構成されている。前記挿入部81の基端に位置する把持部を兼ねる操作部82には湾曲ノブ35UD、35LR、36、37が設けられている。前記第1湾曲部14、第2湾曲部15及び可撓管湾曲部17は、前記湾曲ノブ35UD、35LR、36、37の操作によってそれぞれ独立して湾曲動作する。 【0087】 前記先端硬性部13の先端面には先端観察系カバー83、先端照明系カバー84及び先端開口43が設けられている。前記可撓管先端部16の先端面には中途部観察系カバー85、中途部照明系カバー86及び可撓管開口46が設けられている。前記先端硬性部13の先端観察系カバー83及び前記可撓管先端部16の中途部観察系カバー85の基端側には観察光学系を構成する図示しない対物レンズ群及び撮像装置がそれぞれ配設されている。 【0088】 前記先端観察系カバー83、85を通過して撮像装置に結像した光学像は、それぞれの撮像装置で電気信号に光電変換され、それぞれの撮像装置から延出している図示しない信号ケーブルを介してビデオプロセッサ5に伝送されるようになっている。 【0089】 具体的には、それぞれの撮像装置から延出する信号ケーブルは、前記挿入部81内、前記操作部82内、この操作部82の側部から延出するユニバーサルコード87内を挿通している。そして、一方の信号ケーブルは第1電気ケーブル88aを介して切換装置89に伝送され、他方の信号ケーブルは光源装置4に着脱自在に接続される内視鏡コネクタ87aの側部に着脱自在に接続される第2電気ケーブル88bを介して前記切換装置89に入力される。この切換装置89ではそれぞれの信号ケーブル及び電気ケーブル88a、88bを介して伝送された電気信号を、前記操作部82に設けた切替手段である例えば画像切替スイッチ82aを操作することによって、選択的にビデオプロセッサ5に伝送する。なお、前記切換装置89とビデオプロセッサ5とは画像ケーブル90によって接続されている。」 (カ)「【0095】 なお、前記ユニバーサルコード87内には前記照明系カバー84、86に先端面が臨まれているライトガイドファイバ束も挿通されており、光源装置4に内視鏡用コネクタを接続することによって、このライトガイドファイバ束を介して照明光が供給されるようになっている。 【0096】 また、図18に示すように前記ユニバーサルコード87内を挿通して内視鏡コネクタ87b近傍まで延出されたそれぞれの信号ケーブルをこの内視鏡コネクタ87bの側部から2つの電気ケーブル91、92として延出するようにしてもよい。このとき、それぞれの電気ケーブル91、92を例えばコネクタ91a、92aを介して独立したビデオプロセッサ5A、5Bに接続する。そして、それぞれのビデオプロセッサ5A、5Bに対応するモニタ6A、6Bの画面上に前記先端観察系カバー83又は中途部観察系カバー85を通して撮像装置で撮像した観察画像を別々に同時に表示する。このことによって、切替操作を行うことなく、常に両観察画像を観察しながら処置を行うことができる。」 (キ)上記(ウ)の記載から、上記(オ)に記載の先端観察系カバー83、先端照明系カバー84、中途部観察系カバー85、及び中途部照明系カバー86は、それぞれ、先端観察系レンズカバー83、先端照明系レンズカバー84、中途部観察系レンズカバー85、及び中途部照明系レンズカバー86であることが理解できる。 (ク)上記(オ)の記載及び図16から、第1湾曲部14、第2湾曲部15は、正面視において、可撓管先端部16に対して中途部観察系レンズカバー85及び中途部観察系レンズカバー85の基端側に配設された観察光学系を構成する対物レンズ群とは反対方向に偏心していることが理解できる。 イ 引用発明1の認定 上記ア(ア)~(ク)を総合すると、引用例1には、 「処置用内視鏡装置は、処置用内視鏡と、光源装置と、ビデオプロセッサと、モニタと、VTRデッキと、ビデオディスクと、ビデオプリンタとを主に備えて構成されており、 内視鏡80の挿入部81は、先端側から順に先端硬性部13、第1湾曲部14、第2湾曲部15、可撓管先端部16、可撓管湾曲部17及び可撓管部18を連設して構成されており、前記挿入部81の基端に位置する把持部を兼ねる操作部82には湾曲ノブ35UD、35LR、36、37が設けられ、前記第1湾曲部14、第2湾曲部15及び可撓管湾曲部17は、前記湾曲ノブ35UD、35LR、36、37の操作によってそれぞれ独立して湾曲動作し、 前記先端硬性部13の先端面には先端観察系レンズカバー83、先端照明系レンズカバー84及び先端開口43が設けられており、前記可撓管先端部16の先端面には中途部観察系レンズカバー85、中途部照明系レンズカバー86及び可撓管開口46が設けられており、前記先端硬性部13の先端観察系レンズカバー83及び前記可撓管先端部16の中途部観察系レンズカバー85の基端側には観察光学系を構成する対物レンズ群及び撮像装置がそれぞれ配設されており、 前記観察系レンズカバー83、85を通過して撮像装置に結像した光学像は、それぞれの撮像装置で電気信号に光電変換され、それぞれの撮像装置から延出している信号ケーブルを介してビデオプロセッサ5に伝送されるようになっており、 それぞれの撮像装置から延出する信号ケーブルは、前記挿入部81内、前記操作部82内、この操作部82の側部から延出するユニバーサルコード87内を挿通しており、 前記ユニバーサルコード87内には前記照明系レンズカバー84、86に先端面が臨まれているライトガイドファイバ束も挿通されており、光源装置4に内視鏡用コネクタを接続することによって、このライトガイドファイバ束を介して照明光が供給されるようになっており、 前記ユニバーサルコード87内を挿通して内視鏡コネクタ87b近傍まで延出されたそれぞれの信号ケーブルをこの内視鏡コネクタ87bの側部から2つの電気ケーブル91、92として延出し、それぞれの電気ケーブル91、92をコネクタ91a、92aを介して独立したビデオプロセッサ5A、5Bに接続し、それぞれのビデオプロセッサ5A、5Bに対応するモニタ6A、6Bの画面上に前記先端観察系レンズカバー83又は中途部観察系レンズカバー85を通して撮像装置で撮像した観察画像を別々に同時に表示し、 第1湾曲部14、第2湾曲部15は、正面視において、可撓管先端部16に対して中途部観察系レンズカバー85及び中途部観察系レンズカバー85の基端側に配設された観察光学系を構成する対物レンズ群とは反対方向に偏心している、処置用内視鏡装置。」 の発明が記載されていると認められる。(以下、「引用発明1」という。) ウ 対比 本願発明と引用発明1とを対比する。 (ア)引用発明1の「操作部82」は、本願発明の「操作部」に相当する。 (イ)引用発明1の「可撓管湾曲部17及び可撓管部18」は、本願発明の「該操作部から前方に延びる可撓管部」に相当する。 (ウ)引用発明1の「第1湾曲部14、第2湾曲部15」は、本願発明の「該可撓管部の前方に位置し、上記操作部に設けた湾曲操作手段の操作に応じて湾曲する湾曲部」に相当する。 (エ)引用発明1の「可撓管先端部16」は、本願発明の「上記可撓管部の前端と上記湾曲部の後端とを接続する硬質材料からなる接続部」に相当する。 (オ)引用発明1の「先端硬性部13」は、本願発明の「上記湾曲部の前端から前方に延びる硬質材料からなる先端硬質部」に相当する。 (カ)引用発明1の「挿入部81」は、本願発明の「挿入部」に相当する。 (キ)引用発明1の「先端観察系レンズカバー83」及び「先端観察系レンズカバー83」「の基端側に」「配設され」た「観察光学系を構成する対物レンズ群」は、本願発明の「該先端硬質部の表面に露出させた状態で設けた第1観察光学系」に相当する。 (ク)引用発明1の「前記先端硬性部13の先端観察系レンズカバー83」「の基端側に」「配設され」た「撮像装置」は、本願発明の「上記先端硬質部の内部に設けた、上記第1観察光学系を透過した観察像を撮像する第1撮像素子」に相当する。 (ケ)引用発明1の「先端照明系レンズカバー84」は、照明窓であるカバーレンズであることから、本願発明の「上記第1観察光学系の視野内を照明する第1照明用レンズ」に相当する。 (コ)引用発明1の「中途部観察系レンズカバー85」及び「中途部観察系レンズカバー85の基端側に」「配設され」た「観察光学系を構成する対物レンズ群」は、本願発明の「上記接続部の表面に露出させた状態で設けた第2観察光学系」に相当する。 (サ)引用発明1の「中途部観察系レンズカバー85の基端側に」「配設され」た「撮像装置」は、本願発明の「上記接続部の内部に設けた、上記第2観察光学系を透過した観察像を撮像する第2撮像素子」に相当する。 (シ)引用発明1の「中途部観察系レンズカバー85」は、観察窓であるカバーレンズであることから、本願発明の「上記第2観察光学系の視野内を照明する第2照明用レンズ」に相当する。 (ス)引用発明1の「モニタ6A、6Bの画面上に前記先端観察系レンズカバー83又は中途部観察系レンズカバー85を通して撮像装置で撮像した観察画像を別々に同時に表示」することは、本願発明の「2つの観察像を同時に観察できる」ことに相当する。 (セ)引用発明1の「処置用内視鏡装置」と、本願発明の「大腸用内視鏡」とは、「内視鏡」である点で共通する。 (ソ) 引用発明1の「第1湾曲部14、第2湾曲部15は、正面視において、可撓管先端部16に対して中途部観察系レンズカバー85及び中途部観察系レンズカバー85の基端側に配設された観察光学系を構成する対物レンズ群とは反対方向に偏心している」ことは、本願発明の「上記湾曲部は、正面視において、上記接続部に対して上記第2観察光学系とは反対方向に偏心していること」に相当する。 エ 一致点及び相違点 してみると、両者は、次の点で一致し、次の3点において相違する。 (一致点) 「操作部と、 該操作部から前方に延びる可撓管部、該可撓管部の前方に位置し、上記操作部に設けた湾曲操作手段の操作に応じて湾曲する湾曲部、上記可撓管部の前端と上記湾曲部の後端とを接続する硬質材料からなる接続部、及び、上記湾曲部の前端から前方に延びる硬質材料からなる先端硬質部、を有する挿入部と、 該先端硬質部の表面に露出させた状態で設けた第1観察光学系と、 上記先端硬質部の内部に設けた、上記第1観察光学系を透過した観察像を撮像する第1撮像素子と、 上記第1観察光学系の視野内を照明する第1照明用レンズと、 上記接続部の表面に露出させた状態で設けた第2観察光学系と、 上記接続部の内部に設けた、上記第2観察光学系を透過した観察像を撮像する第2撮像素子と、 上記第2観察光学系の視野内を照明する第2照明用レンズと、 を備えた2つの観察像を同時に観察できる内視鏡であって、 上記湾曲部は、正面視において、上記接続部に対して上記第2観察光学系とは反対方向に偏心している、 内視鏡。」 (相違点1) 内視鏡が、本願発明では、「大腸用」であるのに対し、引用発明1では、この点につき特定されていない点。 (相違点2) 本願発明では、「上記湾曲部の上記偏心方向の最大湾曲量は、上記偏心方向と反対方向の最大湾曲量より大きいこと」を特定しているのに対し、引用発明1では、この点につき特定されてない点。 (相違点3) 本願発明では、「上記湾曲部を後方に向けて最大限湾曲させたときに、上記第1観察光学系が上記第2観察光学系より後方に位置すること、及び 上記湾曲部を後方に向けて最大限湾曲させたときに、上記第1照明用レンズが上記第2照明用レンズより後方に位置し、互いの照明光が干渉しないこと、」を特定しているのに対し、引用発明1では、この点につき特定されてない点。 オ 当審の判断 事案に鑑み上記相違点2について検討する。 上記相違点2における本願発明の発明特定事項は、引用発明1の認定の基礎としていない引用例1の他に記載箇所、特開2010-178766号公報(原査定の理由において引用した引用文献1)、特開2005-204728号公報(原査定の理由において引用した引用文献3)のいずれにも開示も示唆もされておらず、また、本願出願時の技術常識であるともいえない。 しれみれば、本願発明は、引用文献1に記載された発明であるとはいえず、また、引用発明1において、上記相違点2における本願発明の発明特定事項のように構成することは、当業者が容易に想到し得たことではない。 カ 理由1のまとめ 上記オで検討したとおりであるから、上記相違点1及び3について判断するまでもなく、本願発明は、特許法第29条第1項第3号に該当し、特許を受けることができないものとはいえない。 本願の請求項2~8に係る発明は、本願発明をさらに限定したものであるので、本願発明と同様に、特許法第29条第1項第3号に該当し、特許を受けることができないものとはいえない。 また、本願発明は、引用発明1に基づいて当業者が容易に発明をすることができたものとはいえないから、特許法第29条第2項の規定により特許を受けることができないものとはいえない。 本願の請求項2~8に係る発明は、本願発明をさらに限定したものであるので、本願発明と同様に、特許法第29条第2項の規定により特許を受けることができないものとはいえない。 (2)明確性(理由2)について 本願の請求項1~8に係る発明は、平成29年2月6日に提出された手続補正書により補正された特許請求の範囲の請求項1~8に記載された事項により特定されるものとなったことで明確になり、理由2は解消された。 (3)小括 上記(1)及び(2)で検討したとおりであるから、もはや、当審拒絶理由によっては、本願を拒絶することはできない。 第4 原査定の理由について 1 原査定の理由の概要 (進歩性)本願の請求項1~8に係る発明は、下記の引用例1~3に記載された発明に基いて、その出願前にその発明の属する技術の分野における通常の知識を有する者が容易に発明をすることができたものであるから、特許法第29条第2項の規定により、特許を受けることができない。 記 引用例1:特開2010-178766号公報 引用例2:特開2005-95590号公報(当審拒絶理由の引用例1) 引用例3:特開2005-204728号公報 2 原査定の理由についての判断 上記「第3(1)」で検討したとおり、本願発明は、引用例1~3に記載された発明に基づいて当業者が容易に発明をすることができたものとはいえないから、特許法第29条第2項の規定により特許を受けることができないものとはいえない。 本願の請求項2~8に係る発明は、本願発明をさらに限定したものであるので、本願発明と同様に、特許法第29条第2項の規定により特許を受けることができないものとはいえない。 よって、原査定の理由によっては、本願を拒絶することはできない。 第5 むすび 以上のとおりであるから、原査定及び当審拒絶理由通知の理由によっては、本願を拒絶することはできない。 また、他に本願を拒絶すべき理由を発見しない。 よって、結論のとおり審決する。

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2016-009115

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